JP2004506925A - 一様な水平厚さプロフィールを備えたコンタクトレンズ - Google Patents

一様な水平厚さプロフィールを備えたコンタクトレンズ Download PDF

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Abstract

回転安定化機構が設けられていて、眼瞼の動作によりレンズに加わるトルクを減少させる厚さプロフィールを備えたコンタクトレンズ(20)。プリズムバラストは、レンズの前面の1以上の部分に設けられていて、レンズ本体が水平断面に沿って10%以内の一様厚さを有するようになっている。レンズの前面は、周辺ゾーン(24)と、周辺ゾーン(24)で包囲された内側ゾーン(26)と、中央光学ゾーン(22)に分割されている。プリズムバラストゾーンは、内側ゾーン(26)内に設けられ、内側ゾーンは、上側部分(40)と、光学ゾーンの近くに位置する中間部分(44)と、下側ゾーン(48)とに細分されている。バラスト部分は、鉛直経線に平行な上下線に沿って厚さが増大し、鉛直経線に垂直な方向では厚さが実質的に一様である。

Description

【0001】
本願は、2000年3月31日に出願された米国仮特許出願第60/193,493号の35U.S.C.§119(e)の規定による優先権主張出願である。
【0002】
【発明の背景】
本願は、コンタクトレンズに関し、特に、レンズに低トルク回転補正を与えるトーリックレンズ用改良型バラスト、好ましくはプリズムバラストに関する。
乱視は、非球面処方のレンズにより矯正される眼の欠陥又は異常である。処方(これは、患者の処方に基づく受注によりシリンダーとして表されるのが通例である)によって、レンズの表面の少なくとも一部は、トーリックセグメントの形状を持つようになる。トーラスは、それ自体の軸線以外の軸線回りの円の回転により作製される表面又は物体である。例えば、ドーナツは、環状体の形をしている。レンズのトーリック部分は、長軸(又は主軸)及び短軸(又は副軸)を備えたトロイドの小さな楕円形部分である。この非軸対称構成の結果として、レンズの適正な回転配向状態を維持しなければならない。例えば、二焦点又は多焦点矯正を行う他のレンズは、非軸対称であり、かくして特定の向きを持ち、その外では性能が損なわれるということは注目されるべきである。
【0003】
乱視は、他の屈折異常、例えば近視又は遠視と関連する場合が多く、したがってトーリックコンタクトレンズは又、負又は正の或る程度の球面レンズによる矯正をもたらす場合が多い。コンタクトレンズの凹面又は後面は一般に、球面の形態をしており、この場合、レンズは乱視を矯正するために用いられ、後面は通常、トーリックの形態を持つことになろう。すなわち、レンズの後面の湾曲部分は、長軸及び短軸を有する。レンズの後面の曲率半径は、短軸方向よりも長軸方向の方が大きい。トーリック表面の長軸方向の直径は一般に、レンズ全体よりも直径が小さく、始めの球面レンズ内面曲率半径(starting spherical base curve)状態に切断される。加うるに、光学ゾーンの前面及び(又は)後面は、距離の屈折矯正に寄与する球面部分を有する場合がある。球面レンズによる矯正は典型的には、外面又は前面について行われる。当然のことながら、処方によっては、トーリックカーブを前面に施すものがあり、この場合、球面レンズによる矯正も又、前面に施され、或いは後面に施される。
【0004】
眼鏡レンズはフレームによって定位置にしっかりと保持されるが、トーリックコンタクトレンズは、円柱レンズによる矯正が眼の上で実質的に正確な位置で安定化されるよう安定化されなければならない。乱視を矯正するのに用いられるよう設計されたソフトコンタクトレンズは、当該技術分野において周知である。一般に、これらレンズは、レンズを眼の中で正しく配向させる或る種の安定化方法を利用している。バラストは代表的には、前面又は後面の何れかに構造的特徴を施し、或いはこれら両面相互間に広がりをもたらすことによってコンタクトレンズに形成される。かかる配向の構造的特徴は、瞬き(まばたき)の際に生じる眼瞼の力を利用している。眼瞼がコンタクトレンズを拭くように横切って動くと、眼瞼は、レンズを下方に押して角膜に当て、そして高くなった表面特徴部をずらす傾向がある。
【0005】
いわゆる「ウェッジ」又は「プリズム」バラストが利用される場合があり、かかるバラストでは、レンズの下側部分は上側部分よりも比較的厚い。その結果、下眼瞼よりも大きな運動を行い、かくしてコンタクトレンズに大きな影響を及ぼす上眼瞼は、コンタクトレンズの下側部分を下方にずらす傾向があり、本来的にコンタクトレンズを角膜上で回転させて意図した配向状態にする。変形例として、レンズは、いわゆる「ペリバラスト」(周辺バラストに関して短い)安定化機能を有してもよく、かかるペリバラスト安定化機能では、バラスト領域が中央光学系を包囲して、これを含まない。
【0006】
プリズムバラストの例に関して、米国特許第4,573,774号明細書、第5,125,728号明細書、第5,020,898号明細書及び国際公開第WO98/45749号パンフレットを参照されたい。コンタクトレンズについての別の配向の構造的特徴は、厚い中央ゾーンに対し薄い上側ゾーン及び下側ゾーンを設けることにある。かかる構造的特徴は、米国特許第4,095,878号明細書及び第5,650,837号明細書に示されている。変形例として、例えば国際公開第AU92/00290号パンフレットで分かるようにチャネル又は突条をコンタクトレンズに設けてもよい。
【0007】
米国特許第5,020,898号明細書は、前側光学ゾーンの外部に分布して設けられたバラストを有するトーリックコンタクトレンズを記載しており、バラストは、レンズの頂部から下側周辺エッジの近くの厚さが最大の2つの箇所まで厚くなっている。
米国特許第5,125,728号明細書は又、レンズの上側部分からその各側の下側周辺部の最大厚さ部分まで増大するバラスト部分を記載している。バラストの最大厚さ部分は、レンズエッジにできるだけ近接して設けられ、これら部分が周辺角膜及び結膜上にフィットしてレンズの回転を制限するようになっている。抵抗が最も小さくバラストの無いコリドール又は経路が、レンズの鉛直方向中央部分に、中央光学領域の前後で設けられている。この米国特許明細書は、厚いバラスト及びレンズ周辺に近接して位置する厚い部分と組み合わさって改良された安定化機構をもたらすことを明示している。
【0008】
最後に、国際公開第WO98/45749号パンフレットは、光学ゾーンを通るプリズムを備えたバラストレンズを記載している。前側光学ゾーン及び後側光学ゾーンの直径は、これらが組み合わさってレンズを形成すると、前面の光学ゾーンの上側接合部と下側接合部のところの厚さが制御されるよう選択される。
レンズが比較的首尾一貫して角膜上に向くことができるようにすることに加えて、他の要因も、種々の安定化構造の性能に影響を及ぼす。例えば、或る構造は他の構造よりも以下に記載する事項、即ち、装用者の生理学的利益が得られるようトーリックコンタクトレンズの端から端までの全体的な厚さを減少させること、製造が容易であること、レンズパラメータの在庫量を減少させること、装用者の快適さ及び屈折力相互間のフィッティングの首尾一貫性を含む臨床上の性能のうち1以上に関して良好である。装用者の快適さに関し、一般に、レンズが薄ければ薄く、表面が滑らかであれば滑らかであるほど、得られる快適さの度合いがそれだけ一層高くなる。加うるに、比較的薄く且つ快適さを更に増すように形作られた周辺部をレンズに設けることが知られている。
【0009】
既存の設計のトーリックコンタクトレンズの大きな欠点は、配向状態が所与の設計について、個々のトーリックレンズ装用者で非常に変わりやすく且つ(或いは)不快であるということにある。レンズの設計及びレンズの材質の他に、患者の要因も又、眼の上に装着されたトーリックコンタクトレンズの配向状態に影響を及ぼし、レンズの配向状態におけるこのばらつきの原因となる。患者の要因、例えば瞬きの仕方及び眼に関するパラメータ、例えば眼瞼、角膜及び結膜の形状並びに解剖学的構造の結果として、望ましくない相互作用(例えば、非対称)又はコンタクトレンズとの不十分な相互作用が生じる場合がある。しかしながら、従来技術の機構と関連した問題の多くは、眼瞼の相互作用を最大限にし、個人相互のレンズの配向状態のばらつきを減少させる安定化機構がうまく働かないという問題のせいである場合がある。
この分野における多大な技術的努力にも関わらず、個人間で一層首尾一貫した安定化特徴を有するトーリックコンタクトレンズが依然として要望されている。
【0010】
【発明の概要】
本発明によれば、厚さ及びバラストの配置が改良されたコンタクトレンズが提供される。本発明のコンタクトレンズは、個人差のあるレンズ配向状態の既知のばらつきを減少させる。さらに、本発明のレンズは、瞬きの際の安定化機構と眼瞼の相互作用を一層効果的にし、好ましくは装用者の快適さを得るのに必要な周辺ゾーンを有する。
【0011】
したがって、一特徴では、本発明は、概ね球面のベース曲率を備えると共に凸状前面、凹状後面及び凸状前面と凹状後面との間の周辺エッジを備えたコンタクトレンズ本体を有するコンタクトレンズを提供する。周辺ゾーンが、凸状前面の周辺エッジに隣接して画定されている。コンタクトレンズ本体は、凸状前面と凹状後面との間の厚さを有し、上側エッジ及び下側エッジを形成するよう非軸対称である。さらに、鉛直経線が、上側エッジから下側エッジに向かって定められ、水平経線が、鉛直経線に垂直に定められる。複数のゾーンが凸状前面上に画定され、複数のゾーンは、周辺ゾーンによって包囲された内側ゾーン及び内側ゾーンのほぼ中央に画定された光学ゾーンを含む。さらに、コンタクトレンズは、プリズムバラスト部分を有し、上記厚さは、鉛直経線に平行に内側ゾーンの少なくともバラスト部分において上側エッジから下側エッジに向かって増大している。内側ゾーンは、光学ゾーンと内側ゾーンの上限との間の上側部分、光学ゾーンと内側ゾーンの下限との間の下側部分及び上側部分と下側部分との間の中間部分とを有する。バラスト部分は、上側部分、中間部分及び下側部分のうち1以上の中に画定され、バラスト部分は、周辺ゾーン及び光学ゾーンを除き、鉛直経線に沿って測って上側部分、中間部分及び下側部分の最も小さな寸法の少なくとも20%の距離にわたる一連の連続した水平断面を有し、各水平断面は、約30μm又は20%(絶対単位で考えていずれか大きい方)以上は変化しない実質的に一様な厚さを有している。
【0012】
一実施形態では、バラスト部分は全体が、上側部分、中間部分及び下側部分のうち1つだけの中に画定される。別の実施形態では、バラスト部分は全体が、上側部分、中間部分及び下側部分のうち2つだけの中に画定される。さらに別の実施形態では、バラスト部分は、上側部分、中間部分及び下側部分の3つ全ての中に画定される。
好ましい実施形態では、テーパした周辺ゾーンの厚さの変化率は、約250μm/mm以下、より好ましくは、約200μm/mm以下である。
【0013】
変形実施形態では、本発明のコンタクトレンズは、概ね球面のベース曲率を備えると共に凸状前面、凹状後面及び凸状前面と凹状後面との間の周辺エッジを備えたコンタクトレンズ本体を有する。レンズの周辺エッジに向かって薄くなるようテーパした周辺ゾーンが、凸状前面の周辺エッジに隣接して画定されている。コンタクトレンズ本体は、凸状前面と凹状後面との間の厚さを有し、上側エッジ及び下側エッジを形成するよう非軸対称である。鉛直経線が、上側エッジから下側エッジに向かって定められ、水平経線が、鉛直経線に垂直に定められる。凸状前面上には複数のゾーンが画定され、複数のゾーンは、周辺ゾーンによって包囲されていて、プリズムバラスト部分が画定された内側ゾーン及び内側ゾーンのほぼ中央に画定された光学ゾーンを含み、上記厚さは、鉛直経線に平行に内側ゾーンの少なくともプリズムバラスト部分において上側エッジから下側エッジに向かって増大している。内側ゾーンと周辺エッジとの間の距離は、225°経線に沿って約1.4mm以下である。
【0014】
本発明の一特徴では、成形コンタクトレンズが、上述の全体的特徴を備えた完全成形コンタクトレンズ本体(即ち、前面と後面の両方について成形されている)を有する。上述のように、成形レンズは、内側ゾーンにプリズムバラスト部分を有し、内側ゾーンと周辺エッジとの間の距離は、225°経線に沿って約1.8mm以下である。変形例として又は所望ならば追加例として、内側ゾーンと周辺エッジとの間の距離は、270°経線に沿って約2.1mm以下であり、他方、180°経線に沿って約1.3mm以下である。
【0015】
望ましくは、周辺ゾーンによって包囲されると共に光学ゾーンの周りに位置するバンドが、実質的に環状である。即ち、上側距離Aが、鉛直経線に沿って内側ゾーン内で光学ゾーンから周辺ゾーンまでのものとして定められる。下側距離Bが、鉛直経線に沿って内側ゾーン内で光学ゾーンから周辺ゾーンまでのものとして定められる。成形プリズムバラスト付きレンズの場合、バンドは、0.33A≦B≦Aの範囲で環状であり、全てのプリズムバラスト付きレンズの場合、環状バンドは、0.55A≦B≦Aの範囲で環状である。
本明細書で説明する各特徴及びあらゆる特徴、並びにかかる特徴のうち2以上の各組合せ及びあらゆる組合せは、かかる組合せに含まれる特徴が互いに矛盾しない限り、本発明の範囲に含まれる。
【0016】
本発明の内容は、その追加の特徴及び利点と共に、添付の図面を参照して以下の説明を読むと、最もよく理解でき、図中、同一の部分には同一の参照符号が付けられている。
【0017】
【好ましい実施形態の詳細な説明】
本発明は、安定化コンタクトレンズ、特に、円柱レンズによる矯正方式の乱視用コンタクトレンズを提供する。より広義には、本発明は、眼瞼の瞬き動作と相互作用してレンズを回転的に安定化させる高くされた表面を有するコンタクトレンズを提供する。回転安定性は、非軸対称であるコンタクトレンズには有用である。例えば、トーリックレンズ又は多焦点レンズの回転方位は、適正な矯正のためには維持されなければならない。しかしながら、回転安定性は又、他の専用レンズに望ましい場合があることは理解されるべきである。
【0018】
以下の説明において、本発明のコンタクトレンズの表面の数及び厚さは、レンズが平べったくされているのでレンズの概略側面図に関して説明される。コンタクトレンズは代表的には、基礎となる球面曲率を有し、前面は凸状であり、後面は凹状である。この場合、種々の表面及び光学ゾーンは、ベースをなす球体から成形され又は機械加工される。説明を簡単にするために、図面に示す側面図は、ベース球体を省いた状態で平らにされている。このように、基礎をなす球面曲率に相当する陰影線は、本発明の特定の表面及び厚さを一層明確に示すことができるよう省かれている。好ましい実施形態では、本発明のレンズは、負の球面レンズによる屈折力距離矯正(negative spherical power distance correction)ができると共に、円柱レンズによる矯正のためのトーリック面を有している。
【0019】
かくして、本発明の例示のコンタクトレンズ20は、図1の概略側面図では、平らにされた状態で示されており、レンズ上の種々のゾーンを示すのに陰影を付けていない。レンズ20は、適当な軟質又は硬質材料のレンズ本体を有している。ソフトコンタクトレンズは代表的には、親水性材料、例えばヒドロキシエチルメタクリレート、半無機物質、シリコーンゴム、シリコーンヒドロゲル、ウレタン等で作られる。変形例として、硬質気体透過性材料、例えば、シロキサンアクリレート又はフルオロシロキサンアクリレートを用いてもよい。レンズ本体は、全体が球面の曲率を有し、凹状後面が、角膜に外方に向いた凹状前面と向かい合って接触するようになっている。
【0020】
図1を参照すると、レンズ20は、光学ゾーン22、周辺ゾーン24及び周辺ゾーンによって包囲された内側ゾーン26を有し、光学ゾーン22は、内側ゾーン26の一部をなしている。変形例として、内側ゾーン26を、光学ゾーンと周辺ゾーンとの間に設けてもよい。本明細書において更に説明するように、光学ゾーン22は、円形であってもよく、ドーナツ状であってもよく、又は他の特定の形状のものであってもよい。周辺ゾーン24は、一様な半径方向寸法(幅)を有してもよく、半径方向寸法が変化していてもよい。図示の例示の実施形態では、周辺ゾーン24は、上側端部30のところでは幅の狭い半径方向寸法を有し、下側端部32のところでは幅の広い半径方向寸法を有している。換言すると、内側ゾーン26は、レンズ20を通る鉛直経線又は中心線Z−Z′に沿ってレンズ20の頂部に向かって僅かにオフセットした円形周辺部又はバラスト周辺部34を有している。光学ゾーン22、周辺ゾーン24及び内側ゾーン26相互間において図面に明確に記載されている事項は、これら場所のところに不連続部又はコーナ部が存在していることを意味するものとして受け取るべきではなく、事実、本発明の例示のレンズは、これらゾーン相互間で次第に湾曲した移行部を備えていることは注目されるべきである。
【0021】
レンズエッジ36は、前面と後面の交差部を定めている。周辺ゾーン24は望ましくは、レンズエッジ36のところの方が円形バラスト周辺部34のところよりも薄いものであるようテーパを備えている。この点に関し、周辺ゾーン24は好ましくは、部分円錐形表面を定めている(ただし、基礎なす球面曲率に重ね合わされている)。変形例として、周辺ゾーン24は、部分球面曲率又は他の曲率(即ち、形状)、例えば任意適当な曲率を備えていてもよい。
【0022】
レンズ20の種々の特徴は、他の類似のレンズと比較して装用者の快適さを高めるものと考えられる。事実、或る臨床実験の結果として得られた知見によれば、患者は本発明に従って製造されたレンズの快適さのレベルを確かめるよう工夫された質問に対し、類似のレンズの快適さのレベルに関する質問の場合よりも、より好意的に応答した。
内側ゾーン26は、鉛直経線Z−Z′に沿って3つの部分に分割可能であるのがよい。具体的に説明すると、上側部分40が、バラスト周辺部34の上限と鉛直経線Z−Z′に垂直な想像線42によって示された光学ゾーン22の上限との間に延びている。中間ゾーン44が、垂直線42と光学ゾーン22の下限のところの第2の垂直線46との間に延びている。最後に、下側部分48が、垂直線46とバラスト周辺部34の下限との間に延びている。かくして、光学ゾーン22は、全体が中間部分44の中に位置している。
【0023】
上側部分40、中間部分44及び下側部分48は、本発明の用途では、内側ゾーン26を、特定のバラスト表面を設けることができる別個独立の領域に分割するのに用いられる。しかしながら、これら領域相互間の分割線42,46をずらしてもよく、或いはもっと詳しく言うならば非直線状であってもよいことは言うまでもない。一特徴では、本発明は、内側ゾーン26の1以上の部分に設けられる特定のバラスト又はプリズムバラスト表面/厚さに関し、これら部分を多くの方法で定めることができる。したがって、読者は、部分40,44,48が例示として示されているに過ぎないことは理解されよう。望ましくは、同一厚さ(等厚)のバラスト表面が、部分40,44,48のうち少なくとも1つの少なくとも20%(鉛直寸法の百分率として測定されている)、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも100%で画定される。具体的に説明すると、等厚プリズムバラスト部分は、鉛直経線に沿って、鉛直経線沿いに測定される上側部分、中間部分及び下側部分の最も小さな寸法の少なくとも20%の距離にわたる一連の連続した水平断面(周辺ゾーン及び光学ゾーンを除く)として上側部分40、中間部分44及び下側部分48のうち1以上の中に画定される。「等厚」という用語は、連続した水平断面が各々、約30μm又は20%以上(絶対的な観点でどちらが大きくても)変化しない実質的に一様な厚さを有していることを意味している。特に好ましい構成例では、バラスト表面は、部分40,44,48のうち少なくとも2つ、より好ましくは3つ全てに設けられる。
【0024】
本発明は、回転安定化機構が設けられたコンタクトレンズに関し、かかるコンタクトレンズとしては、バラスト、例えばプリズムバラスト、ペリバラストを備えたレンズやいわゆる「動的に安定化された」レンズが挙げられる。バラスト付きのレンズは、或る程度高くされた表面輪郭をもたらし、眼瞼は、かかる表面輪郭上で拭き取るように動いてレンズを全体としてその光軸回りに配向し直す。プリズムバラストは、光学系中の眼瞼と相互作用するウェッジ又はテーパ付きバラストとなり、他方、ペリバラストが光学系を除く。動的安定化では、米国特許第4,095,878号明細書で分かるように上側及び下側平坦部がレンズに設けられ、眼と相互作用する厚くされた中間部分が後に残る。当業者であれば、本発明を有利に利用できる他のかかる安定化機構が存在することも又理解されよう。
【0025】
図1は又、鉛直経線Z−Z′に対して垂直に(即ち、水平に)延びる。多くの代表的な断面線A−A′、B−B′、C−C′、D−D′、E−E′を示している。これら断面は、ベース球面曲率が図示された状態で図2に示されている。本発明の特徴によれば、バラストを備える図2に示す連続した水平断面が各々、光学ゾーン22及び周辺ゾーン24を除き、実質的に一様な厚さ又は等厚を有している。例えば、バラストを有する図2の断面のうちの1つ、例えばD−D′は、実質的に一様な厚さを有している。変形例として、バラストを有する図2に示す断面が全て、光学ゾーン22及び周辺ゾーン24を除き一様な厚さを有してもよい。
【0026】
望ましくは、実質的に一様な厚さの断面は、一断面内では厚さが約30μm又は約20%(絶対単位で考えていずれか大きい方)以上は変化しない。一実施形態では、断面の厚さは、約15μm又は約10%以上、例えば約10μm又は約7%(絶対単位で考えていずれか大きい方)以上は変化しない。かかるばらつきは、断面が依然として「実質的に一様な」厚さのものであると見なすことができるほど十分小さいものと理解されよう。
【0027】
本発明の例示の実施形態では、内側ゾーン26全体内においてコンタクトレンズ20上にいわゆるプリズムバラストが重ね合わされている。すなわち、レンズ20の頂部のところのバラスト周辺部34と鉛直経線Z−Z′の交差部から、レンズの底部のところの同一の2本の線の交差部まで、厚さが全体として増大している。鉛直経線Z−Z′に沿うこの厚さの分布は、図3にグラフ表示で示されており、周辺ゾーン24の上側端部30は、右側に示され、下側端部32は左側に示されている。右側から始まり、エッジ36からバラスト周辺部34の上限までの上側端部30内の周辺ゾーン24のテーパが示されている。上側部分40内では、厚さは水平線42まで次第に増大している。この厚さは、光学ゾーン22を通って水平線46まで一段と増大している。最も大きな厚さは、バラスト周辺部34の下限に至る下側部分48内にある。レンズはこの場合も又、バラスト周辺部34と下側縁部36との間で周辺ゾーン24内で下方にテーパしている。
【0028】
かくして、図3に示す厚さの分布状態は、上側部分40、中間部分44及び下側部分48の全てを通って延びるレンズ20内のプリズムバラストに相当している。事実、光学ゾーン22は、このプリズムバラストを備えている。重要なこととして、本発明は、一様厚さの水平断面を持つこれら40,44,48のうち少なくとも1つにプリズムバラストを提供する。したがって、図2で分かるように、図示の断面は全て、周辺ゾーン24を除き、これらの幅に沿って一様な厚さを有している。当然のことながら、鉛直経線Z−Z′に平行な上下方向において厚さが次第に増大しているので、各断面の厚さは、断面A−A′から断面E−E′まで増大している。
【0029】
水平断面中の一様な厚さは、従来型レンズとは対照的に、本発明のレンズを安定化させるのに役立つ。具体的に説明すると、本発明のレンズは、一様厚さ又は等厚形態により、眼瞼によりレンズに加わるトルクが小さいので、従来型レンズの装用者よりも多い人数の装用者に適している。等厚バラスト構成は、眼瞼が瞬きの際にレンズを上下に移動させるとき、レンズの各断面全体にわたり一様な接触状態を達成することにより、眼瞼との相互作用を最大にする。これとは対照的に、眼瞼は、従来技術の場合と同様、非一様厚さの水平レンズ断面と相互作用する際、通常の瞬きの間、一層大きな回転トルクを生じさせる。この理由は、レンズが眼上で適切に配向するためには、レンズと眼瞼の相互作用がレンズを横切って(即ち、各水平断面を横切って)極力高くされることが必要であり、レンズが押し出されて所望の配向状態(全体的配向状態)になり、そして瞬きの間、最小の変動(瞬き間配向状態)を行うようになるからである。
【0030】
鉛直経線の各側に最大厚さの幅の狭いピーク又は箇所を有する従来型レンズは、水平断面を横切って非一様なレンズと眼瞼の相互作用を生じさせがちである。加うるに、従来型レンズの最大厚さのピーク部相互間の水平方向距離は典型的には、上側部分から水平中線まで増大し、次に中線から下側部分まで減少する。これは、レンズと眼瞼の相互作用力を一段と変化させる。
【0031】
レンズ20の水平断面の厚さが一様であると、眼内の正確な回転配向状態を維持する観点において他の類似のレンズと比較してかかるレンズの性能が向上することが判明した。臨床実験の示すところによれば、レンズに付けられた所在マークの位置の経時的なばらつきは殆ど無かった。例えば、一度に20人から成るグループを研究対象として眼の中の種々のレンズについて経時的な所在マークの位置を求め、所在マークの位置の標準偏差を求めた。結果は、本発明のレンズの標準偏差は、他のレンズの標準偏差よりも測定可能な範囲内で小さく、これは本発明のレンズが眼の中で回転不安定性が低いことを意味している。
【0032】
図3で分かるような分布状態を持つコンタクトレンズ20の厚さに関する例示の値が、図4aの地形的表示図で与えられている。図4aに示すコンタクトレンズ20は全体として円形であることは理解されよう。図4aにおいて、内側ゾーン26は、水平及び鉛直格子線により複数の別々のユニットに分割されている。ユニットの各水平の列は、内側ゾーン26全体にわたって一様な厚さを有している。他方、ユニットの鉛直の列に沿う厚さは、上から下へ次第に増大している。例えば、水平の列50は、140μmの一様な厚さを有し、これは光学ゾーンの他の列とは異なっている。鉛直の列52は、頂部において70μmの厚さを持ち、280μmまで次第に増大し、そして周辺ゾーン24の下側部分のすぐ手前で減少し始めている。図4aに記載された値は例示であり、かかる値はヒドロゲルで作られたソフトコンタクトレンズに適している。他の材料で作られたレンズについての値は、特定の材料の光学的性質又は他の性質に応じて様々である。
【0033】
図4aにマップされた互いに別個のユニットは各ユニット内の平均厚さを表していることは読者には理解されよう。すなわち、レンズ20の下方の厚さは、ユニット相互間の段付き境界部のところよりはむしろ漸変する。より一般的に言えば、本願は、コンタクトレンズ中の別個独立のゾーン又は部分を開示しているが、これらゾーンは、本発明の説明を明確にするためだけに示されている。当業者であれば、レンズのこれら互いに異なるゾーン相互間にはっきりとした区別はなく、これらゾーンは互いにスムーズに合体されることは理解されよう。
【0034】
図4aは又、周辺ゾーン24に関してレンズ20の厚さ又はテーパが減少していることを示している。例えば、下側中点のところでは、厚さは210μmから、140μmへ、そして70μmに減少している。これは又、図3のグラフで分かる。周辺ゾーン24内のこのテーパは、レンズ20のエッジの周りにいわゆる快適ゾーンをもたらす。厚さの減少に鑑みて、コンタクトレンズを横切る眼瞼の運動が容易になり、炎症が殆ど生じない。具体的に説明すると、眼瞼は急峻な厚さの変化がある場合よりも、テーパした周辺ゾーン24上で一層容易に動く。
【0035】
例示の実施形態では、レンズ20は、レンズを角膜上に心出しされた状態に維持する角膜フィッティング関係を維持している。好ましいレンズは、角膜被覆を達成するのに十分な直径を有し、最適な安定性が得られてレンズが、装用者の快適さ及び見え方に影響を及ぼす場合のある凝視及び瞬きを行っても弛んだり不安定になったりしないようになる。最適なレンズと角膜のフィッティング関係を得るためのサジタル深さ(後面の凹部深さ)は、約13.0mm〜16.0mmのレンズ直径に関し、約3.0mm〜5.0mmである。レンズ直径はより好ましくは、約13.5mm〜14.8mmである。レンズエッジ36の好ましい厚さは、約120μm以下、より好ましくは約90μm以下である。この点に関し、厚さは、前面の曲率に対して半径方向に測定される。エッジ36の最外部は、前側エッジコーナ部の好ましい丸み付けを有するのがよい。
【0036】
複数の経線をレンズの中心を通って定めるのがよい。好ましい実施形態では、装用者の快適さを最大にするため、バラストゾーン34の端からレンズエッジ36(即ち、周辺ゾーン24内に位置する)までのレンズの半径方向厚さの変化率は、レンズの任意の経線に沿って約250μm/mm以下である。例えば、図4aの地形マップでは、任意の経線に沿い周辺ゾーン24内の厚さの変化率は、約250μm/mm以下である。より好ましくは、周辺ゾーン24内における変化率は、約200μm/mm以下である。
【0037】
周辺ゾーン24と等厚部の有利な相互作用は、レンズの周りで様々に測定される最大厚さ箇所のレンズエッジ36に近接したところに更に例示されている。この原理を説明するため、図7は、光軸を通り、レンズの周りに位置する種々の経線を度(゜)で示しており、3:00の位置で始まって、反時計回りに動いている。当然のことながら、内側ゾーン26内の等厚部では、水平経線に沿う最大厚さ箇所は、光学ゾーンを除く水平経線全体に沿う厚さに一致している。したがって、内側ゾーン26及び任意の経線に沿う最大厚さ箇所の開始部は常時、バラスト周辺部34上に位置している。しかしながら、バラストを施すことが好ましいので、最大厚さは、バラスト周辺部34の周りで変化する。
【0038】
本発明のプリズムバラスト付きレンズの場合、最大厚さ箇所(例えば、バラスト周辺部34)とレンズエッジ36との間の距離は、225゜経線に沿って、厚さとは無関係に約1.4mm以下である。任意タイプのバラスト付きレンズの場合、本発明によれば、225゜経線に沿う最大厚さは、約200〜4,000μm、好ましくは約250〜350μm、より好ましくは約320μmである。最大厚さ箇所(例えば、バラスト周辺部34)とレンズエッジ36との間の距離は、225゜経線に沿って、これ又厚さとは無関係に約1.8mm以下である。ただし、約320μmの厚さが好ましい。完全成形された(即ち、前面と後面の両方が成形された)プリズムバラスト付きレンズの場合、225゜経線に沿って、最大厚さ箇所(即ち、バラスト周辺部34)と周辺エッジとの間の距離は、約1.8mm以下であり、そして望ましくは270゜経線に沿って、最大厚さ箇所と周辺エッジとの間の距離は、約2.1mm以下である。また、180゜経線に沿って、内側ゾーンと周辺エッジとの間の距離は、約1.3mm以下である。一般に、本発明のレンズの周辺ゾーン24は、従来型バラスト付きレンズと比較して比較的幅が狭く、しかも、好ましい厚さになっているので、周辺ゾーン24の快適なテーパ角は比較的小さいものであり、これについては上述した。
【0039】
本発明の好ましいレンズはこの互いに異なる部分相互間の移行部が滑らかであって且つ丸くなっているが、区別された境界部又はコーナ部が排除されることはない。例えば、周辺ゾーン24と内側ゾーン26との間の移行部を円形バラスト周辺部34のところの丸いコーナ部又は不連続部で構成してもよい。経線Z−Z′に沿うバラストゾーン26と周辺ゾーン24との間の移行部(即ち、符号34で示されている)の一例が、図3で分かる。図5a〜図5dは、バラストゾーン内に画定された種々のバラスト部分を有する本発明のコンタクトレンズの幾つかの変形例を示している。説明の目的上、読者は、内側ゾーン26の種々の部分(即ち、上側部分、中間部分及び下側部分)の定義に関し、図1に戻って参照されたい。図5aは、内側ゾーンの下側部分内に画定されたバラスト部分72を備えたコンタクトレンズ70を示している。この場合も又、内側ゾーンは、光学ゾーン74と周辺ゾーン76との間に位置している。図5bは、内側ゾーンの上側部分と中間部分の両方に画定されたバラスト部分82を有する本発明のコンタクトレンズ80を示している。図5cは、内側ゾーン全体にその上側部分、中間部分及び下側部分を通じて画定されたバラスト部分92を有するコンタクトレンズ90を示している。最後に、図5dは、内側ゾーンの下側部分内にのみ画定されたバラスト部分102を有するコンタクトレンズ100を示している。
【0040】
図示していない他の変形例としては、バラスト部分全体を、内側ゾーンの中間部分又は下側部分、或いは上側部分を除く組合せ状態の中間部分と下側部分内に画定することが挙げられる。また、バラスト部分は、光学ゾーンをいわゆる「ペリバラスト」構成で包囲してもよく、或いは、光学ゾーンを通っていわゆる「プリズムバラスト」構成で続いてもよい。
【0041】
図6a〜図6dは、前面に円柱レンズによる矯正が施された本発明の多くの他のコンタクトレンズを示している。具体的に説明すると、トーリック光学ゾーン110が、レンズの上下軸に対して回転した長軸112に沿って差し向けられたレンズの各々に示されている。かくして、レンズについて適正なバラストを施す必要性は、軸112の適正なオフセット配向状態を維持するためには明らかである。
【0042】
図6aは、内側ゾーンの上側部分で始まり、中間部分と下側部分の両方を通って続くバラスト部分122を備えたコンタクトレンズ120を示している。図6bは、全体が内側ゾーンの下側部分内に位置したバラスト部分132を備えたコンタクトレンズ130を示している。図6cは、全体が内側ゾーンの中間部分内に位置したバラスト部分142を備えるコンタクトレンズ140を示している。最後に、図6dは、内側ゾーンの上側部分内にのみ位置するバラスト部分152を備えたレンズ150を示している。
【0043】
図8は、種々のゾーン相互間の移行部を定める線を引いた状態で従来型のプリズムバラストレンズ(クーパービジョン・フレクエンシー・エクセル(エンコア)トーリック(CooperVision Frequency Xcel (Encore) Toric) )を示している。具体的に説明すると、光学ゾーン200は、全体として円形の内側線204でバラストゾーン202から分けられ、バラストゾーンは、全体として円形の外側線208により周辺ゾーン206から分けられている。内側線204は予想されるように光軸OA上にほぼ心出しされるが、外側線208は、鉛直経線210に沿って上方にオフセットされている。その結果、バラストゾーン202は、下側領域よりも上側領域の方が幅が広い。具体的に説明すると、バラストゾーン202の上側半径方向幅Aは、下側半径方向幅Bよりも相当大きい。事実、上側半径方向幅Aは、下側半径方向幅Bの2倍以上である。
【0044】
これとは対照的に、図1で分かるように、本発明のレンズは、実質的に環状の内側ゾーン26を有し、半径方向寸法Aは、半径方向幅Bの約300%以内である。即ち、成形プリズムバラスト付きレンズの場合、バンドは環状であり、0.33A≦B≦Aが保たれる。変形例として、全てのプリズムバラスト付きレンズの場合、環状バンドは、0.55A≦B≦Aの範囲内にある。
【0045】
本発明を様々な光学的屈折力を有するレンズで具体化できることは理解されよう。例えば、本発明のコンタクトレンズは、約−8〜約+8ジオプターの光学的屈折力を有することができる。ただし、この範囲は、限定的であると考えるべきではない。
加うるに、本発明のコンタクトレンズは、一様な厚さのバラスト構成以外の安定化特徴部を更に有することができる。例えば、周辺ゾーンは、動的安定化が得られるよう平らにされた領域を有することができ、或いは、レンズは、中央光学系の外側にペリバラスト安定化手段を有してもよい。
【0046】
本発明を種々の特定の具体例及び実施形態について説明したが、本発明は、これには限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々に実施できることは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明のコンタクトレンズの概略正面図であり、かかるコンタクトレンズ上に画定された種々のゾーンを示す図である。
【図2】
A−A′〜E−E′により図1のレンズの一連の水平方向断面を示す図である。
【図3】
鉛直経線Z−Z′に沿って見た図1のコンタクトレンズの漸変する厚さを示すグラフ図である。
【図4a】
本発明のコンタクトレンズの略図であり、例示の地形的数値の厚さのマップがかかるコンタクトレンズ上に重ね合わされた状態を示す図である。
【図4b】
本発明のコンタクトレンズの一部のグラフ図であり、コンタクトレンズ上のゾーン相互間の不連続部及び角度的な関係を示す図である。
【図5a】
球面前側光学ゾーン及び実質的に一様な水平方向厚さを持つ様々な領域を有する本発明のコンタクトレンズの側面図である。
【図5b】
球面前側光学ゾーン及び実質的に一様な水平方向厚さを持つ様々な領域を有する本発明のコンタクトレンズの側面図である。
【図5c】
球面前側光学ゾーン及び実質的に一様な水平方向厚さを持つ様々な領域を有する本発明のコンタクトレンズの側面図である。
【図5d】
球面前側光学ゾーン及び実質的に一様な水平方向厚さを持つ様々な領域を有する本発明のコンタクトレンズの側面図である。
前側光学ゾーン及び実質的に一様な水平方向厚さを持つ様々な領域を有する本発明のコンタクトレンズの側面図である。
【図6a】
トーリック前側光学ゾーン及び実質的に一様な水平方向厚さを持つ様々な領域を有する本発明のコンタクトレンズの側面図である。
【図6b】
トーリック前側光学ゾーン及び実質的に一様な水平方向厚さを持つ様々な領域を有する本発明のコンタクトレンズの側面図である。
【図6c】
トーリック前側光学ゾーン及び実質的に一様な水平方向厚さを持つ様々な領域を有する本発明のコンタクトレンズの側面図である。
【図6d】
トーリック前側光学ゾーン及び実質的に一様な水平方向厚さを持つ様々な領域を有する本発明のコンタクトレンズの側面図である。
【図7】
参考のために多数の経線が重ね合わされたコンタクトレンズの概略正面図である。
【図8】
従来技術のコンタクトレンズの概略正面図であり、かかるレンズ上に画定された種々のゾーンを示す図である。

Claims (38)

  1. コンタクトレンズであって、概ね球面のベース曲率を備えると共に凸状前面、凹状後面及び凸状前面と凹状後面との間の周辺エッジを備えたコンタクトレンズ本体を有し、レンズの周辺エッジに向かって薄くなるようテーパした周辺ゾーンが、凸状前面の周辺エッジに隣接して画定され、コンタクトレンズ本体は、凸状前面と凹状後面との間の厚さを有し、上側エッジ及び下側エッジを形成するよう非軸対称であり、鉛直経線が、上側エッジから下側エッジに向かって定められ、水平経線が、鉛直経線に垂直に定められ、複数のゾーンが凸状前面上に画定され、複数のゾーンは、周辺ゾーンによって包囲された内側ゾーン及び内側ゾーンのほぼ中央に画定された光学ゾーンを含み、内側ゾーンは、バラスト部分を有し、前記厚さは、鉛直経線に平行に内側ゾーンの少なくともバラスト部分において上側エッジから下側エッジに向かって増大し、内側ゾーンは、光学ゾーンと内側ゾーンの上限との間の上側部分、光学ゾーンと内側ゾーンの下限との間の下側部分及び上側部分と下側部分との間の中間部分とを有し、バラスト部分は、上側部分、中間部分及び下側部分のうち1以上の中に画定され、バラスト部分は、周辺ゾーン及び光学ゾーンを除き、鉛直経線に沿って測って上側部分、中間部分及び下側部分の最も小さな寸法の少なくとも20%の距離にわたる一連の連続した水平断面を有し、各水平断面は、約30μm又は20%(絶対単位で考えていずれか大きい方)以上は変化しない実質的に一様な厚さを有していることを特徴とするコンタクトレンズ。
  2. 少なくとも1つの水平断面の厚さは、約15μm又は10%(絶対単位で考えていずれか大きい方)以上は変化しないことを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  3. 内側ゾーンと周辺エッジとの間の距離は、225°経線に沿って約1.45mm以下であることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  4. テーパした周辺ゾーンの厚さの変化率は、225°経線に沿って約250μm/mm以下であることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  5. バラスト部分は、プリズムバラストであることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  6. バラスト部分は、鉛直経線に沿って、鉛直経線沿いに測って上側部分、中間部分及び下側部分の最も小さな寸法の少なくとも50%の距離にわたっていることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  7. バラスト部分は全体が、上側部分、中間部分及び下側部分のうち1つだけの中に画定されていることを時ととする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  8. バラスト部分は全体が、上側部分、中間部分及び下側部分のうち2つだけの中に画定されていることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  9. バラスト部分は、上側部分、中間部分及び下側部分の3つ全ての中に画定されていることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  10. バラスト部分は、鉛直経線に沿って、鉛直経線沿いに測って上側部分、中間部分及び下側部分のそれぞれの寸法の少なくとも50%の距離にわたっていることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  11. バラスト部分は、鉛直経線に沿って、鉛直経線沿いに測って上側部分、中間部分及び下側部分のそれぞれの寸法の少なくとも100%の距離にわたっていることを特徴とする請求項10記載のコンタクトレンズ。
  12. バラスト部分は、光学ゾーンを含む内側ゾーン全体上に画定されていることを特徴とする請求項11記載のコンタクトレンズ。
  13. バラスト部分は、光学ゾーンを除く内側ゾーン全体上に画定されていることを特徴とする請求項11記載のコンタクトレンズ。
  14. 凸状前面と凹状後面のいずれか一方に設けられた円柱レンズによる矯正手段を更に有していることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  15. 円柱レンズによる矯正手段は、凹状後面上に設けられ、凸状前面の光学ゾーンは、球面レンズによる矯正手段を有していることを特徴とする請求項14記載のコンタクトレンズ。
  16. 内側ゾーンは、レンズの周囲に沿ってぐるりと実質的に一様な半径方向幅のものであることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  17. 周辺ゾーンによって包囲されると共に光学ゾーンの周りに位置するバンドが、実質的に環状であり、上側距離Aは、鉛直経線に沿って内側ゾーン内で光学ゾーンから周辺ゾーンまでのものとして定められ、下側距離Bは、鉛直経線に沿って内側ゾーン内で光学ゾーンから周辺ゾーンまでのものとして定められ、0.25A≦B≦Aであることを特徴とする請求項16記載のコンタクトレンズ。
  18. コンタクトレンズ本体は、ソフトコンタクトレンズであることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  19. バラスト部分は、ペリバラストであることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  20. コンタクトレンズは、動的安定化機構を更に有していることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  21. コンタクトレンズは、負の球面レンズによる屈折力距離矯正手段を更に有していることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  22. コンタクトレンズであって、概ね球面のベース曲率を備えると共に凸状前面、凹状後面及び凸状前面と凹状後面との間の周辺エッジを備えたコンタクトレンズ本体を有し、レンズの周辺エッジに向かって薄くなるようテーパした周辺ゾーンが、凸状前面の周辺エッジに隣接して画定され、コンタクトレンズ本体は、凸状前面と凹状後面との間の厚さを有し、上側エッジ及び下側エッジを形成するよう非軸対称であり、鉛直経線が、上側エッジから下側エッジに向かって定められ、水平経線が、鉛直経線に垂直に定められ、凸状前面上には複数のゾーンが画定され、複数のゾーンは、周辺ゾーンによって包囲されていて、プリズムバラスト部分が画定された内側ゾーン及び内側ゾーンのほぼ中央に画定された光学ゾーンを含み、前記厚さは、鉛直経線に平行に内側ゾーンの少なくともプリズムバラスト部分において上側エッジから下側エッジに向かって増大し、内側ゾーンと周辺エッジとの間の距離は、225°経線に沿って約1.4mm以下であることを特徴とするコンタクトレンズ。
  23. テーパした周辺ゾーンの厚さの変化率は、225°経線に沿って約250μm/mm以下であることを特徴とする請求項22記載のコンタクトレンズ。
  24. テーパした周辺ゾーンの厚さの変化率は、225°経線に沿って約200μm/mm以下であることを特徴とする請求項22記載のコンタクトレンズ。
  25. レンズの225°経線に沿う最大厚さは、約200〜400μmであることを特徴とする請求項22記載のコンタクトレンズ。
  26. レンズの225°経線に沿う最大厚さは、約250〜350μmであることを特徴とする請求項25記載のコンタクトレンズ。
  27. 内側ゾーンは、光学ゾーンと内側ゾーンの上限との間の上側部分、光学ゾーンと内側ゾーンの下限との間の下側部分及び上側部分と下側部分との間の中間部分とを有し、プリズムバラスト部分は、上側部分、中間部分及び下側部分のうち1以上の中に画定され、プリズムバラスト部分は、周辺ゾーン及び光学ゾーンを除き、鉛直経線に沿って測って上側部分、中間部分及び下側部分の最も小さな寸法の少なくとも20%の距離にわたる一連の連続した水平断面を有し、各水平断面は、約30μm又は20%(絶対単位で考えていずれか大きい方)以上は変化しない実質的に一様な厚さを有していることを特徴とする請求項22記載のコンタクトレンズ。
  28. 内側ゾーンと周辺エッジとの間の距離は、270°経線に沿って約1.8mm以下であることを特徴とする請求項22記載のコンタクトレンズ。
  29. 成形コンタクトレンズであって、概ね球面のベース曲率を備えると共に凸状前面、凹状後面及び凸状前面と凹状後面との間の周辺エッジを備えた完全成形コンタクトレンズ本体を有し、レンズの周辺エッジに向かって薄くなるようテーパした周辺ゾーンが、凸状前面の周辺エッジに隣接して画定され、コンタクトレンズ本体は、凸状前面と凹状後面との間の厚さを有し、上側エッジ及び下側エッジを形成するよう非軸対称であり、鉛直経線が、上側エッジから下側エッジに向かって定められ、水平経線が、鉛直経線に垂直に定められ、複数のゾーンが凸状前面上に画定され、複数のゾーンは、周辺ゾーンによって包囲されていて、プリズムバラスト部分が画定された内側ゾーン及び内側ゾーンのほぼ中央に画定された光学ゾーンを含み、前記厚さは、鉛直経線に平行に内側ゾーンの少なくともプリズムバラスト部分において上側エッジから下側エッジに向かって増大し、内側ゾーンと周辺エッジとの間の距離は、225°経線に沿って約1.8mm以下であることを特徴とするコンタクトレンズ。
  30. 225°経線に沿う最大厚さは、約200〜400μmであることを特徴とする請求項29記載のコンタクトレンズ。
  31. 内側ゾーンは、光学ゾーンと内側ゾーンの上限との間の上側部分、光学ゾーンと内側ゾーンの下限との間の下側部分及び上側部分と下側部分との間の中間部分とを有し、プリズムバラスト部分は、上側部分、中間部分及び下側部分のうち1以上の中に画定され、プリズムバラスト部分は、周辺ゾーン及び光学ゾーンを除き、鉛直経線に沿って測って上側部分、中間部分及び下側部分の最も小さな寸法の少なくとも20%の距離にわたる一連の連続した水平断面を有し、各水平断面は、約30μm又は20%(絶対単位で考えていずれか大きい方)以上は変化しない実質的に一様な厚さを有していることを特徴とする請求項29記載のコンタクトレンズ。
  32. 内側ゾーンと周辺エッジとの間の距離は、270°経線に沿って約2.1mm以下であることを特徴とする請求項29記載のコンタクトレンズ。
  33. 内側ゾーンと周辺エッジとの間の距離は、180°経線に沿って約1.3mm以下であることを特徴とする請求項29記載のコンタクトレンズ。
  34. 成形コンタクトレンズであって、概ね球面のベース曲率を備えると共に凸状前面、凹状後面及び凸状前面と凹状後面との間の周辺エッジを備えた完全成形コンタクトレンズ本体を有し、レンズの周辺エッジに向かって薄くなるようテーパした周辺ゾーンが、凸状前面の周辺エッジに隣接して画定され、コンタクトレンズ本体は、凸状前面と凹状後面との間の厚さを有し、上側エッジ及び下側エッジを形成するよう非軸対称であり、鉛直経線が、上側エッジから下側エッジに向かって定められ、水平経線が、鉛直経線に垂直に定められ、複数のゾーンが凸状前面上に画定され、複数のゾーンは、周辺ゾーンによって包囲されていて、プリズムバラスト部分が画定された内側ゾーン及び内側ゾーンのほぼ中央に画定された光学ゾーンを含み、前記厚さは、鉛直経線に平行に内側ゾーンの少なくともプリズムバラスト部分において上側エッジから下側エッジに向かって増大し、内側ゾーンと周辺エッジとの間の距離は、180°経線に沿って約1.3mm以下であることを特徴とするコンタクトレンズ。
  35. 内側ゾーンと周辺エッジとの間の距離は、270°経線に沿って約2.1mm以下であることを特徴とする請求項34記載のコンタクトレンズ。
  36. 内側ゾーンは、光学ゾーンと内側ゾーンの上限との間の上側部分、光学ゾーンと内側ゾーンの下限との間の下側部分及び上側部分と下側部分との間の中間部分とを有し、プリズムバラスト部分は、上側部分、中間部分及び下側部分のうち1以上の中に画定され、プリズムバラスト部分は、周辺ゾーン及び光学ゾーンを除き、鉛直経線に沿って測って上側部分、中間部分及び下側部分の最も小さな寸法の少なくとも20%の距離にわたる一連の連続した水平断面を有し、各水平断面は、約30μm又は20%(絶対単位で考えていずれか大きい方)以上は変化しない実質的に一様な厚さを有していることを特徴とする請求項34記載のコンタクトレンズ。
  37. コンタクトレンズであって、概ね球面のベース曲率を備えると共に凸状前面、凹状後面及び凸状前面と凹状後面との間の周辺エッジを備えたコンタクトレンズ本体を有し、レンズの周辺エッジに向かって薄くなるようテーパした周辺ゾーンが、凸状前面の周辺エッジに隣接して画定され、コンタクトレンズ本体は、凸状前面と凹状後面との間の厚さを有し、上側エッジ及び下側エッジを形成するよう非軸対称であり、鉛直経線が、上側エッジから下側エッジに向かって定められ、水平経線が、鉛直経線に垂直に定められ、凸状前面上には複数のゾーンが画定され、複数のゾーンは、周辺ゾーンによって包囲されていて、バラスト部分が画定された内側ゾーン及び内側ゾーンのほぼ中央に画定された光学ゾーンを含み、前記厚さは、鉛直経線に平行に内側ゾーンの少なくともバラスト部分において上側エッジから下側エッジに向かって増大しており、周辺ゾーンによって包囲されると共に光学ゾーンの周りに位置するバンドが、実質的に環状であり、上側距離Aは、鉛直経線に沿って内側ゾーン内で光学ゾーンから周辺ゾーンまでのものとして定められ、下側距離Bは、鉛直経線に沿って内側ゾーン内で光学ゾーンから周辺ゾーンまでのものとして定められ、0.55A≦B≦Aであることを特徴とするコンタクトレンズ。
  38. 成形コンタクトレンズであって、概ね球面のベース曲率を備えると共に凸状前面、凹状後面及び凸状前面と凹状後面との間の周辺エッジを備えたコンタクトレンズ本体を有し、レンズの周辺エッジに向かって薄くなるようテーパした周辺ゾーンが、凸状前面の周辺エッジに隣接して画定され、コンタクトレンズ本体は、凸状前面と凹状後面との間の厚さを有し、上側エッジ及び下側エッジを形成するよう非軸対称であり、鉛直経線が、上側エッジから下側エッジに向かって定められ、水平経線が、鉛直経線に垂直に定められ、凸状前面上には複数のゾーンが画定され、複数のゾーンは、周辺ゾーンによって包囲されていて、成形プリズムバラスト部分が画定された内側ゾーン及び内側ゾーンのほぼ中央に画定された光学ゾーンを含み、前記厚さは、鉛直経線に平行に内側ゾーンの少なくともバラスト部分において上側エッジから下側エッジに向かって増大しており、周辺ゾーンによって包囲されると共に光学ゾーンの周りに位置するバンドが、実質的に環状であり、上側距離Aは、鉛直経線に沿って内側ゾーン内で光学ゾーンから周辺ゾーンまでのものとして定められ、下側距離Bは、鉛直経線に沿って内側ゾーン内で光学ゾーンから周辺ゾーンまでのものとして定められ、0.33A≦B≦Aであることを特徴とするコンタクトレンズ。
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