例示的な実施形態は、添付の図面を参照して、以下で説明する。説明に役立てるため、図1および2に対して、基準系は、描写されるコンタクトレンズを着用している、直立した、真っすぐ前を見ている人物に関連して定義され、それにより、ページから飛び出す方向は前方向を表し、ページの上方に向かう方向は垂直上方を表す。図1および2では、コンタクトレンズは、その所望の向きで示されている。
本明細書で説明されるある実施形態は、コンタクトレンズの回転安定化メカニズムに関する。ある実施形態では、回転安定化メカニズムの目的は、レシピエントの目に試着した際にレンズを特定の向きに向けやすくするように回転力を提供することであり得る。安定化メカニズムは、コンタクトレンズの厚さプロファイルとして形成することができ、厚さプロファイルは垂直方向に異なり、その結果、レンズが目標の向きにある際に、厚さプロファイルは、まぶたの縁に沿った(またはまぶたの縁にごく接近した)比較的大きな領域にわたる圧力の均一な(または実質的に均一な)広がりをもたらす。
圧力の均一な広がりを達成するため、コンタクトレンズは、曲線の水平な厚さプロファイルで製造することができる。曲線の厚さプロファイルは、直線の水平な厚さプロファイルよりも、レシピエントのまぶたの縁の接触線に酷似するものであり得る。まぶたの縁の形状は、開いた位置での静止時のまぶたを基準にして、瞬きする間の動作中のまぶたを基準にして、または、静止時のまぶたと動作中のまぶたの両方を基準にして定義することができる。例えば、ある実施形態では、レンズの上方および/または下方の領域は、静止時のまぶたに近似する曲線の水平な厚さプロファイルを有し得、より中央に近い領域は、瞬きする間のまぶたの形状(レンズの中央領域を通る際の)に近似する曲線の水平な厚さプロファイルを有し得る。レンズの形状は、曲線の水平な厚さプロファイル間で推移し得る(例えば、関連するまぶたの形状が瞬きする間に平らになる場合は曲線度を徐々に小さくすることによって)。
ある実施形態では、曲線の厚さプロファイルは、異なる回転角度における水平平面とコンタクトレンズの表面との交差線に沿って実質的に一定のレンズの厚さを提供することによって形成することができ、平面は、レンズの後方に回転の固定軸を有する。言い換えれば、厚さは、レンズの中央水平経線からの一定の角距離を定義する線に沿って比較的一定であり、角距離の決定点(回転軸)は、コンタクトレンズの後方にある。回転軸は、レシピエントの上まぶたに対して定義される回転軸に近似するように選択することができる。レシピエントは、特定の個人でも、概念上のレシピエント(例えば、集団、サブ集団または他の指定されたグループのレシピエントからのデータによって定義され、曲線の厚さプロファイルを定義するために使用される回転軸および/または他のパラメータは、このデータを基準にして選択される)でもあり得る。
図1は、本明細書で説明されるような厚さプロファイルを有するコンタクトレンズ100の実施形態の図表示を示す。図1Aは、コンタクトレンズ100の前側の概観を示し、図1Bは、コンタクトレンズ100の垂直中心を通る断面を示す。コンタクトレンズ100は、ハードコンタクトレンズ(例えば、硬質ガス透過性RGP)でも、ソフトコンタクトレンズ(例えば、ハイドロゲルまたはシリコーンハイドロゲル)でも、硬質および軟質材料から形成される組合せレンズ(例えば、軟質周辺シェルの中央に成形された硬質材料)でもあり得る。
コンタクトレンズは、凸状の前面1と、凹状の後面2と、前面1と後面2を接合するエッジ3とを備える。エッジ3の内側では異なる部分を提供することができ、一般に、異なる部分は異なる機能を実行する。ある実施形態では、3つの部分、すなわち、外側周辺部4、内側周辺部5および中央光学部6を提供することができる。中央光学部6は、任意の適切な寸法を有し得る。例えば、中央光学部6は、約3mm〜約8mmの直径を有し得る。内側周辺部5は、最大でおよそ15mmの直径まで延在し得るが、本明細書で説明される曲線の水平な厚さプロファイルが内側周辺部5に提供される場合は、直立して真っすぐ前を見ている際にレシピエントに対して使用する間は少なくとも、レンズを正しい方向に向けるための有効な回転力を提供するのに十分な量だけ、中央光学部6より寸法が大きい。提供される場合、外側周辺部4を内側周辺部5の外側に提供し、約0.5mm〜約2mmだけレンズの寸法を拡大することができる。
外側周辺部4は、エッジ3と内側周辺部5との間の円滑な推移を提供することができ、コンタクトレンズが均一のエッジ厚さを有することを可能にし得る。図1Bから最も良く分かるように、図1に示されるコンタクトレンズは、プリズムバラストタイプのレンズであり、回転安定化を提供するためにレンズの下部に向けて厚さが増加する。図1の実施形態に示されるように、外側周辺部4は、レンズの上部よりも下部の方が広い可能性がある。ある実施形態では、これにより、内側周辺部5の比較的厚い下部と周辺3との間のより大きな推移距離が提供され得る。ある実施形態では、外側周辺部4の外側端は、円滑なエッジ3を生み出すように湾曲させることができ、それにより、快適性の向上/炎症の緩和を行うことができる。
ある実施形態では、内側周辺部5は、目の上でのレンズの位置付けを支援することができる。以下でさらに詳細に説明されるように、ある実施形態では、主要な回転安定化力を提供するのはこの部分である。この部分におけるコンタクトレンズ100の厚さは、回転安定化メカニズムに対する要件に従って異なる。一般に、この部分におけるレンズの厚さは、0.08mm〜0.4mm(例えば、0.08mm〜0.2mm、0.08mm〜0.3mm、0.1mm〜0.2mm、0.1mm〜0.3mm、0.1mm〜0.4mm、0.15mm〜0.25mm、0.15mm〜0.3mm、0.15mm〜0.35mmまたは0.15mm〜0.4mm)と異なり得る。ある実施形態では、内側周辺部の厚さは、約0.1mm、0.15mm、0.2mm、0.25mm、0.3mm、0.35mmまたは0.4mmだけ異なり得る。炎症または不快感を引き起こし得る不連続性を回避するため、任意の所定の半分の経線に沿った内側周辺部5の外側端および外側周辺部6の内側端の厚さは等しくあり得、レンズ設計プロセスは、これらの部分間の推移における厚さのこの均等性を生み出すために制約を受ける可能性がある。あるいは、ある実施形態では、円滑な推移部は、部分間で定義することができる(例えば、半径方向幅が約0.2mm〜約0.5mmの範囲内の推移部)。内側周辺部5と中央光学部6との間の推移に対しても同じ手法を取ることができる。
中央光学部6は、視力矯正光学を提供する。視力矯正光学は、レシピエントに対する要件に応じて、本明細書で説明される実施形態間で大幅に異なり得る。例えば、視力矯正光学は、近視、遠視、乱視、コマの任意の組合せを矯正すること、および/または、老眼用の多焦点レンズを提供するかもしくは近視の進行に対処するための刺激を提供することができる。安定化メカニズムは、視力矯正光学が回転非対称である際に、特定の有用性を有し得る。例えば、プリズムバラストレンズは、「プリズムフリー光学」タイプのものでも、プリズム光学部を有するものでもあり得る。前者は、本質的に平行な中央光学部6を通る垂直な厚さプロファイルを有し得、後者は、内側周辺部5のものと大体一致するように下方に向けて増加する厚さプロファイルを有する。
図1および2では、中央光学部6は円形またはディスク状で示されているが、形状は、前面および後面の何れかまたは両方に対して異なり得る。例えば、トーリックコンタクトレンズの場合、球面度数を含む前面光学部は円形であり得るが、円柱度数を有する後面光学部は楕円形の形状であり得る。
上記で説明されるように、コンタクトレンズが安定化メカニズムから恩恵を受けることができる典型的な状況は、視力矯正光学が特定の向きでより効果的である場合である。これが起こり得る一般的なシナリオは、乱視を矯正するためのトーリックレンズである。また、本明細書で説明されるように、図1に示される例示的なレンズに対する特定の向きは、ページに示されている通りのものである(すなわち、着用者の垂直上方は、ページの上方に向かう方向と合致すると想定する)。
図1Aを具体的に参照すると、概して水平な破線は、一定の厚さ(または少なくとも実質的に一定の厚さ)の線を表す。M−Mとマーク付けされた中央水平経線に沿っては別として、一定の厚さの線は曲線である。レンズの上半球の一定の厚さの曲線はA−Aとマーク付けされ、レンズの下半球の一定の厚さの曲線はB−Bとマーク付けされている。線A−AおよびB−Bは異なる厚さを表し得るが、ある実施形態では、線A−Aのいくつかまたはすべてが対応する線B−Bと同じ厚さ(または実質的に同じ厚さ)を有し得ることが理解されよう。曲線は、一定の厚さの線が仮に直線であった場合と比べて、コンタクトレンズ100の前面1において人間の着用者のまぶたの縁のプロファイルとより厳密に一致する。厳密に一致するプロファイルにより、まぶたとレンズとの間の圧力は、レンズが所望の向きまたは所望の向き近くにある場合に特に、より広く分布させることができる。本明細書で説明される例から理解されるように、概して水平な破線は、レンズの一般的な厚さプロファイルを表し、実施形態は、示されるものとは形状が異なる一定の厚さの線を有するようになるが、依然として、曲線によって形成されるかまたは特徴付けられる。
図1Aでは、一定の厚さの線A−A、B−BおよびM−Mは、内側周辺部5を超えて延在し、外側周辺部4および中央光学部6も通過する。しかし、これは、線A−AおよびB−Bの曲線形状をより良く示すためである。ある実施形態では、外側周辺部4および中央光学部6内では、レンズの厚さは、線A−A、B−BおよびM−Mに沿って一定ではない場合がある。代わりに、厚さは、内側周辺部5とエッジ3との間で推移するための外側周辺部4の場合や、この部分の必要な屈折特性による中央光学部4の場合は異なり得る。言い換えれば、ある実施形態では、一定の厚さの線は、内側周辺部5にのみ適用することができる。本明細書で論じられる図2は、内側周辺部には含まれるが、中央光学部6または外側周辺部4には含まれない、一定の厚さを表す破線を示す。
図2は、ある実施形態によるコンタクトレンズ200を示す。コンタクトレンズ200は、ダブルスラブオフタイプのコンタクトレンズであり、レンズの厚さは、レンズの上部および下部に向けて中央経線から離れるに従って低減する。コンタクトレンズ200は、エッジ3、外側周辺部4、内側周辺部5および中央光学部6を含む。これらの部分は、コンタクトレンズ100に対して本明細書で説明される部分と同様でも、コンタクトレンズ100に対して本明細書で説明される部分の機能を実行することもできる。それに従って、部分に関する詳細な説明は繰り返さず、同様の特徴を表すために同様の参照番号が図1および2で使用される。
図2に示されるダブルスラブオフタイプのコンタクトレンズの実施形態は、水平中央経線にわたって実質的に対称的な厚さプロファイルを有する。それに従って、外側周辺部4は、コンタクトレンズ200の周囲で実質的に一定の幅を有し、内側周辺部は、実質的にコンタクトレンズ200の中心にある。ある実施形態は、例えば、ダブルスラブオフタイプのコンタクトレンズと何らかのプリズムバラストの組合せを提供するため、非対称的であり得る。
図3は、図1に示される実質的に一定の厚さの曲線A−AおよびB−Bの特定方法の実施形態を示す。図2に示されるコンタクトレンズにも同じ特定方法を使用することができる。
図3は、コンタクトレンズ300の実施形態の局所断面図を示す。コンタクトレンズ300は、プリズムバラストタイプの回転安定化メカニズムを含む、図1に示されるタイプのものであり得る。示されるように、コンタクトレンズ300は、エッジ3と、中央光学部6の外側の周辺部8とを有する。中央光学部6と周辺部8との間は、中央光学部6と周辺部8とを一体化するための実質的に円滑な第1の推移部10である。同様に、周辺部とエッジとを一体化するための第2の推移部12が周辺部8とエッジ3との間に提供される。
ある実施形態では、実質的に一定の厚さの線(例えば、図1からの線A−AおよびB−B)は、平面Cとコンタクトレンズ300との交差部分によって形成され、平面は、回転軸Dを中心に異なる角度位置で位置する。図3から分かるように、本発明の実施形態のレンズの厚さプロファイルは、厚さプロファイルが水平に実質的に一定であるレンズ(その場合、平面Cは互いに平行である)とは異なる。一実施形態では、開閉の際にまぶたが回転する軸の近似として、回転軸Dが固定される。眼球は完全な球形ではなく、まぶたは瞬きするたびに非常に大きな適合性によって伸縮および変形する軟組織である。それに従って、ある実施形態では、より正確な近似は、瞬きの動作と共に前面/後面および上方/下方の方向に回転軸Dを周回できるようにすることによって達成することができる。例えば、レシピエント/レシピエントグループの異なるアイラインの位置における曲線を測定し、例えば、まぶたの形状と実質的に一定の厚さの線との間の距離の二乗の和を最小化するという決定を通じるような最良適合分析技法を使用して許容可能な適合を提供するように回転軸Dを調整することができる。曲線を作成するため、レシピエントまたはレシピエントグループに対する様々な代替の適合技法を使用できることや、代わりに、レンズの製造が可能な精度に従ってこれとは異なるまぶたの縁およびその動きの実際の測定値を使用してレンズを製造できることが理解されよう。回転軸は、一般に、コンタクトレンズの約5〜14mm(例えば、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm。ただし、回転軸の位置は整数間隔に制約されないことが理解されよう)後方に位置し得る。
したがって、ある実施形態では、厚さプロファイルの定義は、周辺部8ならびに曲線A−AおよびB−Bにわたって必要な全厚さ変化の組合せによって定義することができる。ある実施形態では、厚さは、垂直方向に実質的に線形に増加し得る。ある実施形態では、厚さの増加率は、例えば、コンタクトレンズの比較的より厚いベースを提供するため、変更することができる。図3を参照して上記で説明されるように、曲線は、平面とコンタクトレンズの表面との交差部分によって定義することも、直線である一定の厚さの線を有するレンズと比べて圧力が達成される領域を増加させる他の技法によって定義することもできる。例えば、他の実施形態では、平面Cの回転軸の位置は固定されない場合がある。ある実施形態では、回転軸の位置は、水平中央経線の上方の一定の厚さの線と水平中央経線の下方の一定の厚さの線との間で異なり得る。この実施形態では、回転軸の位置は、特定のレシピエントまたは集団、サブ集団もしくは他のグループの平均としてのものの上まぶたと下まぶたとの間のプロファイルの違いに関して選択することができる。ある実施形態では、曲線は、実際のまぶたの境界の測定値を考慮して定義することができ、測定値は、例えば、まぶたを閉じるビデオを取ること(任意選択で、本発明に従って設計されたコンタクトレンズが目の上に位置する際のものと同様の目の表面の位置になるように参照コンタクトレンズを着用する際に)によって捕捉することができる。次いで、ビデオを分析して、瞬きする間の複数の異なる位置におけるまぶたの境界の形状を特定し、その境界と一致するものとして一定の厚さの線を定義することができる。また、参照コンタクトレンズは、当てた際にレンズが位置しそうな角膜上の位置のおおよその基準を提供するため、一定の厚さの曲線を有するレンズに含まれることが意図されるタイプのバラストも含み得る。
ある実施形態では、厚さプロファイルの定義が決定され、光学部6の屈折特性から生じる形状要件が決定または受信された時点で、従来の技法を使用してレンズを製造することができる。これらの技法は、機械旋盤加工および両面または片面成形を含む。上記で説明される一定の厚さの曲線は、例えば、製造公差または他の因子に起因する、何らかの変形例を含み得るが、一般に、線は、レンズの同じ部分を横断する水平な直線と比べて、コンタクトレンズを装着したレシピエントのまぶたの一方または両方の縁の接触線とより厳密に一致する。
図4は、図3を参照して本明細書で説明される方法の実施形態を示す。レンズ300は、薄い領域301、303と、中央の中間の厚さの領域305、307と、厚い領域309、311とを含む、異なる様々な厚さを有する領域を備える。図3に示される実施形態と同様に、図4のレンズ300は、エッジ3と、周辺部とエッジ3との間の推移部312とを有する。
厚さプロファイルは、等高線321、323、325、327、329によって示される。上記で述べられるように、レンズを縦断して垂直に最も薄いものから最も厚いものへの一般的な変化がある(目標の向きと呼ぶ)。ある実施形態では、等高線321、323、325、327のひざ状のものによって示されるように、エッジ3に近づくにつれて、レンズの後部における一般的なレンズの厚さの低減もある。いくつかの実施形態では、レンズは、推移部312の境界において実質的に同じ厚さを有し得、例えば、着用者の快適性を向上することができる。図4の特定の実施形態に示されるように、この厚さは、レンズの最も薄い領域に提供される厚さに実質的に等しくあり得る。
領域301、303、305、307、309、311の各々におけるレンズ300の厚さは、各領域全体を通じて一定ではないが、隣接する領域との漸進的で円滑な推移を含む。したがって、個々の領域301、303、305、307、309、311の各々は、特定の厚さを示さないが、代わりに、様々な厚さを示す。さらに、レンズ300の断面の厚さが断面331によって示され、断面331は、最も厚い領域311の周りで最も厚く、最も薄い領域301の周りで最も薄い。
ある実施形態では、実質的に一定の厚さの曲線を少なくとも部分的に含む等高線は、その曲線の全体的な特性を保持しながら、平面Cからある程度逸れる可能性がある。このことは、図4では、例えば、等高線321および329によって示される。示されるように、等高線の一般角と平面Cの一般角との間には相違があり得る。
図5Aおよび5Bにはさらなる実施形態が示される。これらの実施形態は、図2に示される実施形態の特徴のいくつかを含み、同様の特徴は、同じ参照番号を含む。
図5Aを参照すると、その違いは、中央領域の周囲の一定の厚さの線である。図5Aに示されるように、中央経線M−Mにおける実質的に一定の厚さの実質的な直線に加えて、中央経線M−Mの上方および下方の近位領域におけるレンズの厚さも実質的に線形である。このことは、例えば、中央経線M−Mの上方の実質的に一定の厚さの直線C−Cおよび中央経線の下方の実質的に一定の厚さの直線D−Dによって示される。
中央経線M−Mの上方および下方の近位領域を超える位置では、実質的に一定の厚さの線は、線A−AおよびB−Bなどの曲線である。これらの線は、図2を参照して説明されるものと同様である。近位領域は、中央光学部6の約50%〜100%(例えば、中央光学部6の50%、60%、70%、80%または90%)を占めることができる。
図5Bを参照すると、実質的に一定の厚さの線のいくつかは、中央光学部6の約50%〜100%を占める、上記で説明される近位領域における段階的形式を含む。例えば、中央経線M−Mの上方の近位領域における線E−Eを参照すると、線は、中央光学部6の近位の位置では実質的な直線区分521を有し、それに続いて、外側周辺部4の近位の位置では偏位区分523を有する。偏位区分は、例えば、曲線形状または実質的な直線として特徴付けることができる。同様に、中央経線M−Mの下方の近位領域に位置する線F−Fは、実質的な直線区分525を有し、それに続いて、偏位区分527を有する。全体的に見ると、線E−EおよびF−Fは、依然として、一定の厚さの直線と比べて、静止時および/または瞬きする間のまぶたの形状に密接に従うことができる。さらに、さらなる実施形態では、光学部6の外側のレンズの上方および下方の領域も、段階的形式の実質的に一定の厚さの線によって特徴付けることができる。
中央経線M−Mの上方および下方の近位領域を超える位置では、実質的に一定の厚さの線は、線A−AおよびB−Bなどの曲線である。中央経線M−Mにおける実質的に一定の厚さの線は、実質的な直線である。これらの線A−A、B−BおよびM−Mは、図2を参照して上記で説明されるものと同様である。
前述の説明で説明されるものに対するさらなる代替の実施形態を形成できることが理解されよう。例えば、部分間の境界の位置を変更することができ、部分の形状は、一般的な円形/環状とは異なり得、一定の厚さの曲線を有する厚さプロファイルは、外側周辺部4および内側周辺部5(その場合、レンズは、エッジ3への、例えば約0.2〜0.5mmの狭い推移部を含み得る)を通じて延在し得る。いくつかの実施形態では、特定のハードコンタクトレンズでは、外側周辺部4を省略することができる。外側周辺部4が省略される場合、レンズは、内側周辺部5の外側端に、エッジ3への狭い推移部12を含み得る。ある実施形態では、曲線の厚さプロファイルは、レンズの1つの領域に提供することができる(別の領域には提供しない)。例えば、一定の厚さの曲線は、レンズ上の上まぶたが移動する領域にわたって提供することができる。下まぶたが移動する領域では、例えば、一定の厚さの実質的な直線などの異なる手法を使用することができる。同様に、上半球および下半球の一部分には、本明細書で説明される一定の厚さの曲線を提供することができ、残りの部分は、異なる厚さプロファイルを含む。例えば、上半球および/または下半球の約20%、約25%、約30%、約35%または約40%が一定の厚さの曲線を含み得る。一定の厚さの曲線を有する部分は、レンズの上方および下方のエッジに向けて提供することができる(レンズが所望の向きにある際)。
それに加えて、いくつかのレシピエント/レシピエントグループの場合、有効なピボット軸は、レンズの垂直中心に収まらずに、描かれる平行軸の下方または上方に収まる場合がある。この場合、図3に示される回転軸Dは、中央経線M−Mの上向きまたは下向きの合成シフトで相応にシフトすることができる。さらに、特定のレシピエント/レシピエントグループの場合、有効なピボット軸は、レンズの中心軸に垂直であり得る(すなわち、レンズの左側のピボットポイントは、右側のものとは異なる位置を有する)。これらの変形例では、レンズは非対称になり、左右のバージョンを製造して取りそろえなければならなくなる。特定に役立てるため、例えば、異なる色合いまたはレンズの一方もしくは両方のエッジ近くへの顕著なしるし付けを通じて、左右のレンズをマーク付けすることができる。
また、この明細書で開示および定義される実施形態は、テキストもしくは図面で述べられるかまたはテキストもしくは図面から明らかである個々の特徴のうちの2つ以上のすべての代替の組合せまで拡大されることも理解されよう。これらの異なる組合せのすべては、本発明の様々な代替の態様を構成する。