JPH1152304A - ソフトコンタクトレンズ - Google Patents

ソフトコンタクトレンズ

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Publication number
JPH1152304A
JPH1152304A JP21895597A JP21895597A JPH1152304A JP H1152304 A JPH1152304 A JP H1152304A JP 21895597 A JP21895597 A JP 21895597A JP 21895597 A JP21895597 A JP 21895597A JP H1152304 A JPH1152304 A JP H1152304A
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JP
Japan
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lens
soft contact
contact lens
thickness
sectional thickness
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Application number
JP21895597A
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English (en)
Inventor
Takashi Makabe
隆 真壁
Naoya Baba
尚哉 馬場
Kunihiko Nakada
国彦 中田
Ryozo Ikemoto
良三 池元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄くて酸素透過性が良好で角膜に生理学的に
必要な酸素を供給することができ連続装用が可能であ
り、形状保持能および装用性に優れていて、装用時に大
きな変形や指へのまとわりつきがなく、しかも装用感に
優れ、且つ乾燥しにくいソフトコンタクトレンズを提供
すること。 【解決手段】 レンズの中心厚みが0.025〜0.05
0mmであり、レンズ周辺部の最大断面厚みが0.10
〜0.30mmであって且つ該最大断面厚み位置がレン
ズの光学中心より半径3.5〜6.0mmの範囲にある
本発明のソフトコンタクトレンズにより上記の課題が解
決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄型のソフトコンタ
クトレンズに関する。より詳細には、本発明は、従来に
ない新しいレンズ形状を有する薄型のソフトコンタクト
レンズに関するものであり、本発明のソフトコンタクト
レンズは、薄く、しかも特定のレンズ形状を有している
ことによって、酸素透過性が高くて角膜に生理学的に充
分な酸素を供給することが可能であることにより連続装
用が可能であり、しかも形状保持能および装用性に優れ
ていて、装用時に指に載せたときに大きな変形や指への
まとわりつきがなくて、円滑に装用することができ、そ
の上装用感に優れ且つ乾燥しにくいので、装用したとき
に違和感や乾燥感がないという優れた特性を有してい
る。
【0002】
【従来の技術】ソフトコンタクトレンズは、装用感に優
れていることから現在広く使用されている。ソフトコン
タクトレンズの素材としては、切削研磨加工性に優れて
いてコンタクトレンズへの加工が容易であり且つ適度な
強度および柔軟性を有していて丈夫で取り扱い性に優れ
ることから、含水率が30〜80%のヒドロゲルが広く
用いられており、その代表例として2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート系共重合体ヒドロゲルを挙げることが
できる。しかしながら、そのようなヒドロゲルから製造
したソフトコンタクトレンズは、一般に、酸素透過性が
低くて角膜に生理学的に充分な酸素を供給することが困
難であることから、連続装用すると睡眠中(閉眼時)に
酸素不足が顕著になり、場合によっては角膜損傷などを
引き起こすことがあり、連続装用することができない。
【0003】そのため、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート系共重合体ヒドロゲルで代表される含水率が30
〜80%のヒドロゲルからなるソフトコンタクトレンズ
の酸素透過性を向上させることが従来から提案されてお
り、そのような従来技術としては、(1)ソフトコンタ
クトレンズの厚みを薄くしたもの(薄型ソフトコンタク
トレンズ)、(2)ソフトコンタクトレンズ用素材とし
て、含水率のより高いヒドロゲルを用いたもの、(3)
ソフトコンタクトレンズ用素材として、シリコン含有単
量体やフッ素含有単量体などを共重合させた酸素透過性
の高い共重合体ヒドロゲルを用いたものが知られてい
る。
【0004】上記(1)の従来技術としては、瞬きして
いる間に変形しないような充分な剛性を有し且つ目の曲
率と一致するのに充分な可撓性を兼ね備えるヒドロゲル
を用いて、レンズの最大断面厚みがレンズの円周上の任
意の点で0.15mmを超えないようにした薄型のソフ
トコンタクトレンズが知られており(特開昭53−83
641号公報)、一部には連続装用型のソフトコンタク
トレンズとして実用化されて販売されている。しかしな
がら、この(1)の従来技術による薄型ソフトコンタク
トレンズの場合は、その最大断面厚み部分でさえも厚み
が0.15mm以下であって、レンズ全体の厚さが0.
05〜0.15mmの範囲にあってソフトコンタクトレ
ンズ全体の厚さが極めて薄いために、レンズの形状保持
能が低く、レンズを装用する際に指に載せると、著しい
変形を生じたり、指にまとわりついて、極めて装用しに
くく、装用性に劣っている。しかも、装用中にレンズが
乾燥し易く且つレンズの動きが悪いために、装用感が劣
っている。特に、レンズが乾燥すると、酸素透過性が低
下して、角膜へのメカニカルストレスが増大して、角膜
損傷などを引き起こす原因ともなる。
【0005】また、上記(2)の従来技術としては、8
0%以上の高い含水率を有するグルコマンナン、カラギ
ーナン、寒天、キサンタンガム、ジュランガム、コラー
ゲン、ゼラチン、キトサン、ポリビニルアルコールなど
から得られるヒドロゲルをレンズ用素材に用いたもの
や、2−ヒドロキシエチルメタクリレートよりも含水性
の高い単量体(例えばメタクリル酸、ジメチルアクリル
アミドなど)を共重合させた高含水性ヒドロゲルを用い
たものが知られている。しかしながら、含水率が80%
以上の高含水性ヒドロゲルを用いて製造したソフトコン
タクトレンズは、周囲の湿度が低い時にはレンズが乾燥
してその酸素透過性が低下したり、レンズの動きが異常
なものとなり易く、そのために、酸素不足による角膜で
のメカニカルストレスの増大、それに伴う角膜損傷など
を引き起こし易く、しかも実用に耐え得る強度を有して
いない。
【0006】そこで、含水率が80%以上である高含水
性ヒドロゲルより製造した上記のようなソフトコンタク
トレンズの欠点を解消することを目的として、レンズ周
辺厚みが中心厚みの1.2倍以上であり、且つフロント
カーブ側のレンズを構成する曲面の各接合部でのレンズ
厚みが最大となる位置が、ベースカーブの曲面接合部で
のレンズ厚みが最大となる位置より1.01倍以上レン
ズの外側に位置しているソフトコンタクトレンズが提案
されている(特開平8−286155号公報)。しかしな
がら、このソフトコンタクトレンズでは、レンズの最大
断面厚み部分がレンズの端部に位置しているために、レ
ンズの形状保持能が低く、レンズを装用するために指の
上に載せると大きな変形が生じたり、指にまとわりつい
て装用しにくく、装用性が充分に良好であるとは言え
ず、またレンズが外れ易いという欠点も未だ充分に解消
しておらず、特に度数の低いレンズ(0〜−5ジオプタ
ーのレンズ)ではこれらの問題が顕著である。
【0007】また、上記(3)の従来技術としては、種
々のソフトコンタクトレンズ用の素材が提案されている
が、素材面での改良のみでは、取り扱い性、装用性、装
用感などの点で充分に優れる、連続装用が可能な、充分
に実用性のあるソフトコンタクトレンズが未だ得られて
いないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、薄型
で酸素透過性が高く、そのため角膜に生理学的に充分な
酸素を供給することが可能であり、睡眠中にも角膜での
酸素不足が生じず、連続装用が可能であり、且つ形状保
持能が高くて、装用時に指の上に載せたときに、大きな
変形が生じたり指にまとわりつかず、円滑に装用するこ
とができ、しかも装用感に優れており、装用したときに
異物感がなく、また乾燥しにくくて装用した時に乾燥感
がなく、且つ装用した時に動きが良く、外れにくい、高
品質の薄型ソフトコンタクトレンズを提供することであ
り、特に度数が0〜−5ジオプターであるような度数の
低いレンズである場合にも、前記した種々の優れる特性
を発揮し得る薄型のソフトコンタクトレンズを提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らは鋭意検討を重ねてきた。その結果、ソフト
コンタクトレンズの形状を従来のものとは大きく異なる
特定の形状(レンズ設計)にすることによって、上記の
課題が解決されることを見出した。すなわち、ソフトコ
ンタクトレンズにおいて、レンズの中心厚みを0.02
5〜0.050mmにし、レンズ周辺部の最大断面厚み
を0.10〜0.30mmとし、且つレンズ周辺部の前
記最大断面厚み位置がレンズの光学中心より半径3.5
〜6.0mmの範囲にあるようにすると、薄型で酸素透
過性が高くて角膜に生理学的に充分な酸素を供給するこ
とが可能であり、しかも、形状保持性に優れていて、装
用時に大きな変形が生じたり指にまとわりつかず、円滑
に装用することができ、しかも装用したときに異物感や
乾燥感がなくて装用感に優れ、且つ外れにくい、連続装
用が可能な、高品質の薄型ソフトコンタクトレンズが得
られること、この薄型のソフトコンタクトレンズは度数
が0〜−5ジオプターであるような度数の低いソフトコ
ンタクトレンズである場合に特に前記の特性を効果的に
発揮することを見出して本発明を完成した。
【0010】したがって、本発明は、レンズの中心厚み
が0.025〜0.050mmであり、レンズ周辺部の
最大断面厚みが0.10〜0.30mmであって且つ前
記の最大断面厚み位置がレンズの光学中心より半径3.
5〜6.0mmの範囲にあることを特徴とするソフトコ
ンタクトレンズである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明のソフトコンタクトレンズでは、レンズ
の中心厚みが0.025〜0.050mmである(以下
この点を「要件」ということがある)ことが必要であ
り、レンズの中心厚みをこの範囲にあることによって、
薄型のソフトコンタクトレンズとなって、レンズの酸素
透過性が高くなり、連続装用時に必要な酸素を角膜に供
給することが可能になり、しかもレンズの形状保持能が
良好に保たれて、装用時に指に載せるとレンズが大きく
変形したり指にまとわりつかず、良好に装用できる。そ
れに対して、レンズの中心厚みが0.025mm未満で
あると、レンズの形状保持能が低下して装用性が不良と
なり、一方0.050mmを超えると酸素透過性が低下
して、特に閉眼時(睡眠中)に角膜に必要量の酸素が供
給されなくなり、連続装用ができなくなる。本発明のソ
フトコンタクトレンズでは、レンズの中心厚みが0.0
30〜0.045mmの範囲であることが、酸素透過性
および形状保持能などの点から好ましい。ここで、本明
細書でいう「レンズの中心厚み」とは、レンズの光学部
の中心部分(光学中心)の厚みをいう。
【0012】さらに、本発明のソフトコンタクトレンズ
では、レンズ周辺部の最大断面厚みが0.10〜0.3
0mmである(以下この点を「要件」ということがあ
る)ことが必要であり、0.15〜0.25mmである
ことが好ましく、0.17〜0.22mmであることが
より好ましい。本発明のソフトコンタクトレンズでは、
レンズ周辺部の最大断面厚みが前記した0.10〜0.
30mmの範囲であることによって、レンズの形状保持
能が良好となり、装用のために指に載せた時に大きな変
形や指へのまつわりつきがなくなって、装用性に優れた
ものとなり、しかもレンズの周辺部および光学部をも含
めたレンズ全体の乾燥が防止されて、矯正視力が安定し
且つ装用感に優れたものとなる。それに対して、レンズ
周辺部の最大断面厚みが0.10mm未満であると、レ
ンズの形状保持能が低下して、装用時にレンズが大きく
変形したり指にまとわりついて、装用性の劣ったものと
なり、一方0.30mmを超えると、レンズが厚くなり
過ぎて、異物感を生じるようになり、装用感の劣ったも
のとなる。ここで、本明細書でいう「レンズ周辺部」と
は、レンズの光学部より外側にある部分をいう。また、
レンズ周辺部の断面厚みは、レンズをその光学中心を通
って対称に切断した断面におけるレンズ周辺部に相当す
る部分の厚みをいう。レンズ周辺部の断面厚みは、例え
ば、レンズの前記した断面を拡大撮影して得られる写真
から測定することができる。
【0013】さらに、本発明のソフトコンタクトレンズ
では、上記したレンズ周辺部の最大断面厚み位置がレン
ズの光学中心より半径3.5〜6.0mmの範囲にある
(以下この点を「要件」ということがある)ことが必
要であり、4.0〜5.5mmの範囲にあることが好ま
しく、4.0〜5.0mmの範囲にあることがより好ま
しい。これによってソフトコンタクトレンズの形状保持
能が良好になり、装用時に指にのせても大きな変形や指
へのまつわりつきがなくなり、装用性に優れるものとな
る。レンズ周辺部の最大断面厚み位置が、レンズの光学
中心から半径3.5mm以内にある場合は、レンズの光
学部が小さくなり過ぎて、視力矯正が不充分になり、一
方レンズの光学中心から半径6.0mmよりも外側にあ
る場合は、レンズの形状保持能が低下して、装用性が不
良になる。
【0014】また、上記した要件〜要件を備える本
発明のソフトコンタクトレンズにおいては、前記したレ
ンズ周辺部の最大断面厚み位置が、フロントカーブ側の
曲面接合部にあり、且つ該フロントカーブ側の曲面接合
部がベースカーブ側の曲面接合部よりも内側に位置して
いることが好ましい。本発明のソフトコンタクトレンズ
がこのような要件を有することによって、その形状保持
能が一層良好になって、装用時に指の上で大きく変形し
たり指にまつわることが一層良好に防止されて、装用性
に一層優れるものとなり、しかも装用感に優れるものと
なる。
【0015】本発明のソフトコンタクトレンズでは、上
記した要件、特に要件〜要件以外の点は特に制限さ
れず、例えば、レンズ直径、レンズの光学部の直径、光
学中心の以外の光学部の厚み、フロントカーブ側のレン
ズ周辺部の半径(曲率半径)、ベースカーブ側の半径
(曲率半径)、ベべルカーブ半径(曲率半径)、ベベル
幅、エッジ厚みなどの寸法は適宜決めることができる。
一般的には、レンズ直径を12.0〜15.0mmおよ
び光学部の直径を7.0〜12.0mmにし、且つレン
ズの中心厚みを0.025〜0.050mmの範囲に
し、さらにフロントカーブ側のレンズ周辺部の半径(曲
率半径)を6.0〜10.0mm、ベースカーブ側の半
径(曲率半径)を7.0〜10.0mm、ベべルカーブ
半径(曲率半径)を8.0〜12.0mm、ベベル幅を
0〜2mm、エッジ厚みを0.05〜0.2mmにする
ことが、取り扱い性、装用性、装用感などにより優れる
ソフトコンタクトレンズが得られる点から好ましい。
【0016】また、本発明のソフトコンタクトレンズで
は、レンズ周辺部の最大断面厚み位置からレンズのエッ
ジ部に向かってその断面厚みが徐々に且つ滑らかに低減
していることが好ましい。そして、本発明のソフトコン
タクトレンズは、レンズの度数が0〜−5.00ジオプ
ターである度数の低い薄型のソフトコンタクトレンズと
したときに、上記した種々の優れた特性を一層効果的に
発揮することができる。
【0017】本発明のソフトコンタクトレンズを構成す
る材料としては、ソフトコンタクトレンズに従来から使
用されている重合体のいずれもが使用できる。そのうち
でも、レンズの形状保持能を保持するのに必要な剛性を
有し、且つ良好な装用感を維持するのに必要な柔軟性を
有し、更にレンズの薄型化に耐え得る機械的強度を有し
ている、含水率が30%以上の重合体ヒドロゲルが好ま
しく用いられ、含水率が30〜80%の重合体ヒドロゲ
ルが好ましく用いられる。そのようなヒドロゲルとして
は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリ
セリンモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピ
ロリドンおよびジメチルアクリルアミドから選ばれる単
量体の少なくとも1種から誘導される構造単位を有する
重合体よりなるヒドロゲルを挙げることができ、特に2
−ヒドロキシエチルメタクリレート系共重合体よりなる
ヒドロゲルが好ましく用いられる。なお、本明細書でい
うヒドロゲルの含水率は、以下の実施例の項に記載する
方法で測定した値をいう。
【0018】本発明のソフトコンタクトレンズの製造方
法は特に制限されず、レンズを構成する材料の種類、レ
ンズの形状、度数などに応じて、適当な製造法を採用す
ればよく、例えば重合体(重合体塊)を切削し研磨加工
する切削研磨法、レンズの形状に相当する型中に単量体
組成物を注入してキャスト重合を行うと同時にレンズ成
形品を製造する方法、レンズの片面のみを型内でキャス
ト重合して成形し、他面を切削研磨加工する方法、一定
速度で回転している型内に単量体組成物を注入してレン
ズを成形するスピンキャスト法などを挙げることができ
る。
【0019】
【実施例】以下に本発明について実施例などにより具体
的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されな
い。以下の例において、レンズ用材料の含水率および引
張強度、並びにソフトコンタクトレンズの酸素透過係
数、形状保持能・装用性および装用感は次のようにして
測定または評価した。
【0020】(1)レンズ用材料の含水率:重合によっ
て得られたレンズ用材料(重合体)を直径15mmおよ
び厚さ0.2mmになるように切断して円形フイルム状
の試験片を製造した。この試験片を25℃の生理食塩水
中に一晩以上浸漬して飽和状態になるまで水和膨潤させ
た後、生理食塩水より取り出して表面に付着している余
分の水を吸水紙を用いてすばやく吸い取って、試験片の
重量(Wa)を測定した。次いで、水和膨潤させた試験
片をその重量が一定になるまで100℃の温度で脱水乾
燥して、そのときの重量(Wb)を測定し、下記の式に
より、含水率を算出した。
【0021】
【数1】 含水率(重量%)={(Wa−Wb)/Wa}×100
【0022】(2)レンズ用材料の引張強度:重合によ
って得られたレンズ用材料(重合体)を長さ10mm、
厚さ0.3mmおよび幅2mmの短冊状の平板に切断し
て試験片を製造した。この試験片の両端を試験機(島津
製作所製「オートグラフ IM−100型」)のつかみ
具に固定し、25℃の蒸留水中で、50mm/分の引張
速度で試験片が破断するまで引っ張って、破断時の応力
を読み取って引張強度とした。
【0023】(3)ソフトコンタクトレンズの酸素透過
係数:重合により得られたレンズ用材料(重合体)を直
径15mm、厚さ10mmになるように切断し、これを
常法によって切削研磨加工してレンズ形状物とした後、
それを25℃の生理食塩水中で一晩水和膨潤させ、ベー
スカーブ8.7mm、度数0ジオプトリーおよび直径1
3.5mmで、厚みがそれぞれ0.05mm、0.10
mm、0.15mmおよび0.20mmの4枚のソフト
コンタクトレンズを作製した。これらのレンズの35℃
における蒸留水中での酸素透過率を製科研式フイルム酸
素透過率計(理科精機工業株式会社製)により測定し
た。得られた測定値を、厚さの逆数をX軸として、酸素
透過率の逆数をY軸とするグラフ上にプロットし、回帰
直線のY切片を読みとり、その逆数を酸素透過係数とし
た。
【0024】(4)ソフトコンタクトレンズの形状保持
能・装用性:以下の例で得られたソフトコンタクトレン
ズを、10名のパネラー(ソフトコンタクトレンズの装
用経験者)に指を用いて装用してもらい、その際に、指
の上に載せたときにレンズの形状保持能が良好で変形が
少なく且つ指へのまつわりがなくて円滑に装用できた場
合を良好として、一方指の上に載せたときにレンズの形
状保持能が低くて変形が大きかったり、指へのまつわり
が大きくて、装用が円滑に行えなかった場合を不良とし
て判定してもらい、良好と判定したパネラーの合計数お
よび不良と判定したパネラーの合計数のそれぞれを求め
た。
【0025】(4)ソフトコンタクトレンズの装用感:
以下の例で得られたソフトコンタクトレンズを、10名
のパネラー(ソフトコンタクトレンズの装用経験者)に
装用してもらい、違和感および乾燥感の有無をそれぞれ
判定してもらい、違和感がないとしたパネラーの合計数
および違和感があるとしたパネラーの合計数、並びに乾
燥感がないとしたパネラーの合計数および乾燥感がある
としたパネラーの合計数をそれぞれ求めた。
【0026】《実施例1〜5》 (1) 2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよびジ
エチレングリコールジメタクリレートを99.9:0.
1の重量比で含有する単量体混合物10.0gに熱活性
化重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.0
1gを添加して、ポリプロピレン製試験管(容量20m
l)に入れて、窒素置換後に密封した。これを55℃の
恒温水槽中に24時間浸漬した後、100℃の熱風循環
式加熱装置に移して2時間保持して、重合を完結させ
た。冷却後に、試験管から2−ヒドロキシエチルメタク
リレート系共重合体(レンズ用材料)を取り出した。 (2) 上記(1)で得られたレンズ用材料(共重合
体)を切削研磨加工してレンズ形状物を製造した後、生
理食塩水中にそのレンズ形状物を浸漬して室温で18時
間以上膨潤させ、滅菌処理を行って、下記の表1に示す
各部寸法および度数を有する2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート共重合体ヒドロゲル製のソフトコンタクトレ
ンズをそれぞれ製造した。 (3) 上記(1)で得られたレンズ用材料の含水率お
よび引張強度を上記した方法で測定すると共に、上記
(2)で得られたソフトコンタクトレンズの酸素透過係
数の算出並びに形状保持能・装用性および装用感の評価
を上記した方法で行ったところ、下記の表2に示すとお
りであった。
【0027】《比較例1〜4》 (1) 実施例1〜5の(1)と全く同じに行って、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート系共重合体(レンズ
用材料)を製造した。 (2) 上記(1)で得られたレンズ用材料(共重合
体)を切削研磨加工してレンズ形状物を製造した後、生
理食塩水中にそのレンズ形状物を浸漬して室温で18時
間以上膨潤させ、滅菌処理を行って、下記の表1に示す
各部寸法および度数を有する2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート共重合体ヒドロゲル製のソフトコンタクトレ
ンズをそれぞれ製造した。 (3) 上記(1)で得られたレンズ用材料の含水率お
よび引張強度を上記した方法で測定すると共に、上記
(2)で得られたソフトコンタクトレンズの酸素透過係
数の算出並びに形状保持能・装用性および装用感の評価
を上記した方法で行ったところ、下記の表2に示すとお
りであった。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】上記の表1および表2の結果から、レンズ
の中心厚みが0.025〜0.050mmの範囲である
という要件、レンズ周辺部の最大断面厚みが0.10
〜0.30mmであるという要件、および該最大断面
厚み位置がレンズの光学中心より半径3.5〜6.0m
mの範囲にあるという要件のすべてを満足する実施例
1〜5のソフトコンタクトレンズは、形状保持能・装用
性および装用感に優れていて、指の上に載せて装用する
際に変形が少なく、指へのまつわりがなくて、円滑に装
用でき、しかも装用したときに違和感および乾燥感がな
いことがわかる。
【0031】それに対して、上記の表1および表2の結
果から、上記の要件および要件は満足するが、レン
ズ周辺部の最大断面厚みが0.080mmであって本発
明の範囲から外れる比較例1のソフトコンタクトレンズ
(本発明におけるよりもレンズ周辺部の最大断面厚みが
小さいソフトコンタクトレンズ)は、形状保持能・装用
性が極めて不良であり、しかも乾燥し易くて装用したと
きに乾燥感を生じ、装用感が不良であることがわかる。
また、上記の要件および要件は満足するが、レンズ
周辺部の最大断面厚みが0.35mmであって本発明の
範囲から外れる比較例2のソフトコンタクトレンズ(本
発明におけるよりもレンズ周辺部の最大断面厚みが大き
いソフトコンタクトレンズ)は、装用したときに違和感
が大きく、装用感に劣っていることがわかる。
【0032】さらに、上記の表1および表2の結果か
ら、上記の要件および要件は満足するが、レンズ周
辺部の最大断面厚み位置がレンズの光学中心より6.2
5mmの位置にあって本発明の範囲から外れる比較例3
(本発明におけるよりもレンズ周辺部の最大断面厚み位
置が外側にあるソフトコンタクトレンズ)は、形状保持
能および装用性が極めて不良であることがわかる。ま
た、上記の要件は満足するが、レンズの中心厚みが
0.100mmであって本発明の範囲から外れ(本発明
におけるよりも中心厚みが厚く)、且つレンズ周辺部の
最大断面厚み位置がレンズの光学中心から6.25mm
の位置にあって本発明の範囲から外れる比較例4(本発
明におけるよりもレンズ周辺部の最大断面厚み位置が外
側にあるソフトコンタクトレンズ)は、装用した時に違
和感があり、装用感に劣っていることがわかる。
【0033】
【発明の効果】本発明のソフトコンタクトレンズは、薄
く、それにより酸素透過性が高くて、睡眠中などの閉眼
時にも角膜に生理学的に必要な酸素を供給することがで
きるために連続装用が可能である。さらに、本発明のソ
フトコンタクトレンズは、形状保持能および装用性に優
れていて、装用時に指に載せたときに大きな変形や指へ
のまとわりつきがなくて、極めて円滑に且つ簡単に装用
することができる。そして、本発明のソフトコンタクト
レンズは、装用感に優れており、装用した時に異物感が
ない。また、本発明のソフトコンタクトレンズは乾燥し
にくいので、酸素透過性が低下せず、しかも装用した時
に乾燥感が生じない。また、本発明のソフトコンタクト
レンズは装用したときに良好に動くことができるので、
視力矯正力が高く、しかも目から脱落しない。そして、
本発明のソフトコンタクトレンズは、度数が0〜−5ジ
オプターであるような度数の低いレンズである場合に、
特に前記した種々の優れる特性を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池元 良三 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズの中心厚みが0.025〜0.0
    50mmであり、レンズ周辺部の最大断面厚みが0.1
    0〜0.30mmであって且つ前記の最大断面厚み位置
    がレンズの光学中心より半径3.5〜6.0mmの範囲
    にあることを特徴とするソフトコンタクトレンズ。
  2. 【請求項2】 前記の最大断面厚み位置が、レンズのフ
    ロントカーブ側の曲面接合部にあり、且つ該フロントカ
    ーブ側の曲面接合部がレンズのベースカーブ側の曲面接
    合部よりも内側に位置する請求項1に記載のソフトコン
    タクトレンズ。
  3. 【請求項3】 レンズの度数が0〜−5.00ジオプタ
    ーである請求項1または2に記載のソフトコンタクトレ
    ンズ。
  4. 【請求項4】 含水率が30%以上である請求項1〜3
    のいずれか1項に記載のソフトコンタクトレンズ。
  5. 【請求項5】 含水率が30〜80%である請求項1〜
    4のいずれか1項に記載のソフトコンタクトレンズ。
  6. 【請求項6】 2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
    ート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリアル
    キレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−ビニ
    ル−2−ピロリドンおよびジメチルアクリルアミドから
    選ばれる単量体の少なくとも1種から誘導される構造単
    位を有する重合体よりなるヒドロゲルから形成されてい
    る請求項1〜6のいずれか1項に記載のソフトコンタク
    トレンズ。
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