JP2004505104A - 不整接触水素化によるエナンチオマー的に純粋な6,8−ジヒドロキシオクタン酸エステルの製造方法 - Google Patents

不整接触水素化によるエナンチオマー的に純粋な6,8−ジヒドロキシオクタン酸エステルの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、一般式(I)(式中、Rは、C〜C20アルキル基、C〜C12シクロアルキル基、C〜C12アラルキル基、または単または二環アリール基を表す)の化合物を製造する方法に関する。式II(式中、Rは、上記の意味を有する)のケトンが、不整水素化される。

Description

【0001】
技術分野
本発明は、一般式I(式中、Rは、C〜C20アルキル基、C〜C12シクロアルキル基、C〜C12アラルキル基、または単核または二核のアリール基を表す)のエナンチオマー的に純粋な6,8−ジヒドロキシオクタン酸エステルの新規製造方法に関する。
【0002】
【化8】
Figure 2004505104
【0003】
本発明はまた、化合物(R)−Iおよび(S)−Iの合成において出発化合物または中間体として用いられるところの、式IIおよびIIIの新規化合物に関する。
【0004】
【化9】
Figure 2004505104
【0005】
先行技術
化合物(R)−Iおよび(S)−Iは公知である。それらは両方共、主として、式IVのエナンチオマー的に純粋なα−リポ酸およびその誘導体の合成のための中間体として用いられる。α−リポ酸は、1,2−ジチオラン−3−ペンタン酸(チオクト酸)である。
【0006】
【化10】
Figure 2004505104
【0007】
α−リポ酸の(R)−エナンチオマー(R)−(+)−IVは、実質的にすべての動物および植物細胞中に少濃度にて存在する天然物質である。α−リポ酸は、α−ケトカルボン酸(たとえば、ピルビン酸)の酸化脱カルボキシルにおいて、補酵素として決定的に重要である。α−リポ酸は薬理学的に活性であり、そして消炎性のおよび抗痛覚性の(鎮痛性の)性質並びに細胞保護性の性質を有する。ラセミα−リポ酸の重要な医薬的適応は、糖尿病性多発神経障害の処置である。より最近の結果(A.Baur等,Klin. Wochenschr.,1991,69,722;J.P.Merin等,FEBS Lett.,1996,394,9)によれば、α−リポ酸は、たぶん、HIV−1およびHTLV IIIBウイルスにより引き起こされる病気の制御において重要性を獲得し得る。
【0008】
α−リポ酸の純粋な光学異性体(RおよびS形、すなわち(R)−α−リポ酸および(S)−α−リポ酸)の場合、ラセミ化合物とは対照的に、(R)−エナンチオマーは主として消炎活性を有し、そして(S)−エナンチオマーは主として抗痛覚活性を有する(EP0427247,1990年11月8日)。これらの2種のエナンチオマーはまた、異なる薬物動態学的性質を有することが分かっている(R.Hermann等,Eur. J. Pharmaceut. Sci.,1996,,167;G.RaddatzおよびH.Bisswanger,J. Biotechnol.,1997,58,89;T.M.Hagen等,FASEB J.,1999,13,411)。それ故、純粋なエナンチオマーの合成は、非常に重要である。
【0009】
エナンチオマー的に純粋なα−リポ酸を製造する公知方法は、α−リポ酸またはその前駆体のラセミ化合物分割、キラル助剤を用いての不整合成、天然に存在する光学活性出発化合物を用いてのキラルプール合成、およびまた微生物合成を包含する(概観記事:J.S.Yadav等,J. Sci. Ind. Res.,1990,49,400;並びにまた:E.Walton等,J. Am. Chem. Soc.,1955,77,5144;D.S.AckerおよびW.J.Wayne,J. Am. Chem. Soc.,1957,79,6483;L.G.ChebotarevaおよびA.M.Yurkevich,Khim.−Farm. Zh.,1980,14,92;A.S.Gopalan等,Tetrahedron Lett.,1989,5705;A.G.Tolstikov等,Bioorg. Khim.,1990,16,1670;L.Dasaradhi等,J. Chem. Soc., Chem. Commun.,1990,729;A.S.Gopalan等,J. Chem. Perkin Trans.,,1990,1897;EP0487986A2,1991年11月14日;R.Bloch等,Tetrahedron,1992,48,453;B.Adger等,J. Chem. Soc.,Chem. Commun.,1995,1563;DE−OS19533881.1,1995年9月13日;DE−OS19533882.1,1995年9月13日;Y.R.Santosh LaxmiおよびD.S.Iyengar,Synthesis,1996,594;M.Bezbarua等,1996,1289;N.W.Fadnavis等,Tetrahedron:Asymmetry,1997,,337;N.W.Fadnavis等,Tetrahedron:Asymmetry,1998,,4109;S.LeeおよびY.Ahn,J.Korean Chem. Soc.,1999,43,128)。
【0010】
これらの方法のうち、α−リポ酸と光学活性α−メチルベンジルアミンとのジアステレオマー塩の形成を経てのラセミ化合物分割(DE−OS4137773.7,1991年11月16日およびDE−OS4427079.8,1994年7月30日)が、これまで最も経済的な変型をなす。しかしながら、ラセミ化合物分離は合成順序の最後の段階まで行われない故、高収率は達成され得ない。
【0011】
エナンチオマー的に純粋なα−リポ酸の製造のための公知の化学接触不整法(DE−OS3629116.1,1986年8月27日;DE−OS19709069.1,1997年3月6日;R.Zimmer等,Tetrahedron:Asymmetry,2000,11,879)は、出発化合物の高コストの故に経済的でない。
【0012】
それ故、本発明の目的は、安価な出発物質を用いて、高い化学的および光学的空間−時間収率にて、α−リポ酸の2種のエナンチオマーに通じる6,8−ジヒドロキシオクタン酸エステル(R)−Iおよび(S)−Iを、所望されるとおりに入手できるようにすることである。
発明の記載
本発明によれば、それは、ルテニウムおよび光学活性ホスフィンから成る錯体の存在下での、式II(式中、Rは、C〜C20アルキル基、C〜C12シクロアルキル基、C〜C12アラルキル基、または単核または二核のアリール基を表す)の8−ヒドロキシ−6−オキソ−オクタン酸エステルの不整化学接触水素化により達成される。
【0013】
化合物IIは新規であり、そして好ましくは白金、パラジウムまたはニッケル触媒の存在下での、7,8−エポキシ−6−オキソ−オクタン酸エステルIIIの選択的水素化により得られ得る。7,8−エポキシ−6−オキソ−オクタン酸エステルIII(これらもまた新規である)の製造は、好ましくはメタノール中過炭酸ナトリウムによっての、式Vの6−オキソ−7−オクテン酸エステルのエポキシ化により、高収率にて可能である。
【0014】
化合物Vは公知であり、そしてラセミα−リポ酸の商業的合成のための安価な出発化合物として用いられる8−クロロ−6−オキソ−オクタン酸エステルからの塩化水素の脱離により得られ得る(M.W.Bullock等,J. Am. Chem. Soc.,1954,76,1828)。
【0015】
【化11】
Figure 2004505104
【0016】
その代わりに、式Iのラセミ6,8−ジヒドロキシオクタン酸エステルが、好ましくは酢酸中次亜塩素酸ナトリウムによっての、第2級ヒドロキシ基のレジオ選択的酸化により、式IIの化合物に変換され得る。式Iのラセミ6,8−ジヒドロキシオクタン酸エステルの製造は公知であり、そしてとりわけブタジエンおよび酢酸から出発して行われ得る(J.Tsuji等,J. Org. Chem.,1978,43,3606)。
【0017】
ルテニウム−ジホスフィン錯体は、化合物IIの不整水素化用の触媒として特に興味深い。典型的なしかし非制限的例として、次の式VIないしXIIのルテニウム錯体が挙げられ得る。すなわち、
[RuHalD](L)          VI
[RuHalAD]           VII
RuDOOCROOCR          VIII
[RuHm+             IX
[RuHal(PR )D]2+Hal    X
[RuHHalD]             XI
[DRu(acac)]           XII
式中、
acacは、アセチルアセトネートを表し、
Dは、一般式XIIIのジホスフィンを表し、
Halは、ハロゲン、特にヨウ素、塩素または臭素を表し、
およびRは、同じまたは異なり、そしてハロゲン特にフッ素、塩素または臭素により所望により置換されているところの、9個までの炭素原子好ましくは4個までの炭素原子を有するアルキルを表し、あるいは1から4個の炭素原子を有するアルキルにより所望により置換されているフェニルを表し、あるいはα−アミノアルキル酸(好ましくは4個までの炭素原子を有する)を表し、あるいは一緒に4個までの炭素原子を有するアルキリデン基を形成し、
およびRは、同じまたは異なり、そして所望により置換されたフェニル(好ましくは、1から4個の炭素原子を有するアルキルによりまたはハロゲンにより置換されている)を表し、
Yは、Cl、Br、I、ClO、BFまたはPFを表し、
Aは、p−シメンのような、未置換または置換ベンゼン環を表し、
Lは、アセトン、第3級アミンまたはジメチルホルムアミドのような中性配位子を表し、
nおよびmは各々、1または2を表し、
xは、0または1を表し、
しかも式IXにおいて、x=0であるときnは1を表しかつmは2を表し、そしてx=1であるときnは2を表しかつmは1を表す。
【0018】
式VIないしXIIの錯体は、本質的に公知の方法により製造され得る(VIおよびXI:EP174057およびJ.P.Genet等,Tetrahedron Asymmetry,1994,,675;VII:EP366390;VII:EP245959およびEP272787;IX:EP256634;X:EP470756;XII:P.Stahly等,Organometallics,1993,1467)。
【0019】
光学活性ジホスフィン配位子として、一般式XIIIの化合物が用いられる。すなわち、
【0020】
【化12】
Figure 2004505104
【0021】
式中、
Qは、二つのP原子を架橋しかつ2から24個の炭素原子および所望により1から4個のヘテロ原子好ましくはO、S、NおよびSiを有する基を表し、しかも該架橋は該炭素原子の少なくとも2個および所望により該ヘテロ原子の1から4個により形成され、
〜Rは、同じまたは異なり、そして1から18個の炭素原子を有するアルキル基、5から7個の炭素原子を有するシクロアルキル基または6から12個の炭素原子を有するアリール基を表す。
【0022】
次の配位子が、エナンチオマー的に純粋な形態にて用いられる特に好ましいキラルジホスフィンの例として挙げられ得る。すなわち、
【0023】
【化13】
Figure 2004505104
【0024】
簡潔のためにラセミ構造として上記に列挙された配位子は、それらのエナンチオマー的に純粋な形態にて知られている化合物である(BINAP:R.Noyori等,J. Am. Chem. Soc.,1980,102,7932;BIMOP、FUPMOP、BIFUP:M.Murata等,Synlett,1991,827;BIBHEMP:R.Schmid等,Helv. Chim. Acta,1988,71,697;MeO−BIPHEP:R.Schmid等,Helv. Chim. Acta,1991,74,370;BICHEP:A.Miyashita等,Chem. Lett.,1989,1849;DuPHOS:M.Burk等,Organometallics,1990,,2653;BPE:M.Burk等,J. Am. Chem. Soc.,1995,117,4423;BIBFUP:EP643065;CHIRAPHOS:B.Bosnich等,J. Am. Chem. Soc.,1977,99,6262;XIV:WO96/01831)。
【0025】
上記に記載された式VIないしXIIのの光学活性ルテニウム−ジホスフィン錯体の存在下での式IIの化合物の不整水素化は、反応条件下で不活性である適当な有機溶媒中で行われ得る。かかる溶媒として、メタノールまたはエタノールのようなアルコール、メチレンクロライドまたはジクロロエタンのような塩素化炭化水素、テトラヒドロフランまたはジオキサンのような環式エーテル、たとえばエチルアセテートのようなエステル、ベンゼンまたはトルエンのような芳香族炭化水素、またはまたそれらの混合物、等が特に挙げられ得る。溶媒としてのアルコール中で行う場合にあり得るケタール形成を抑制するために、10vol.%までの水が添加され得る。基質濃度は、好ましくは5から50vol.%特に20から40vol.%である。
【0026】
反応は、好ましくは、おおよそ10℃から140℃特におおよそ20℃から70℃の温度にて、おおよそ1から100バール特に4から50パールの水素圧下で行われ得る。反応時間は、一般に2から48時間たいてい6から24時間である。錯体VIないしXII中のルテニウムと水素化される化合物IIの間のモル比は、有利にはおおよそ0.001からおおよそ5mol%好ましくはおおよそ0.005からおおよそ0.2mol%である。
【0027】
反応において、式Iの所望エナンチオマーが、適切な立体配置を有する式XIIIの光学活性ジホスフィン配位子を選ぶことにより得られ得る。従って、たとえば、(R)−(+)−BINAPの使用は式(R)−Iの生成物を生じ、そして(S)−(−)−BINAPの使用は式(S)−Iの生成物を生じる。
【0028】
化合物(S)−Iおよび(R)−Iは、公知の方法で(J.D.Gopalan等,Tetrahedron Lett.,1985,2535)、
a)これらの化合物を有機溶液中でスルホン酸クロライドおよび第3級窒素塩基でIのビススルホン酸エステルに変換し、
b)この化合物を極性溶媒中で硫黄およびアルカリ金属硫化物と反応させてα−リポ酸エステルを形成させ、そして
c)所望により、このエステルをそれぞれのα−リポ酸の純粋なエナンチオマーに変換する
ことにより、式IVのエナンチオマー的に純粋なα−リポ酸を製造するために用いられる。この方法において、化合物(R)−Iは(S)−(−)−α−リポ酸を生じ、そして化合物(S)−Iは(R)−(+)−α−リポ酸を生じる。
【0029】
本発明による方法により製造された化合物(R)−Iおよび(S)−I並びに(R)−(+)−IVおよび(S)−(−)−IVは、一般に、90から99%の光学収率に相当する高いエナンチオマー過剰率を有する。
【0030】
エナンチオマー比率は、光学活性カラムでのキラルHPLCまたはGCにより直接的に測定される。
【0031】
本発明により、式IVのエナンチオマー的に純粋なα−リポ酸の製造のための中間体として、一般式I(R=C〜C20アルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C12アラルキル、または単核または二核のアリール)のエナンチオマー的に純粋な6,8−ジヒドロキシオクタン酸エステルを、経済的態様にて並びに高い化学および光学収率にて入手できるようにすることが可能である。
【0032】
次の例は本発明を例示するが、しかし本発明を限定しない。
例1
43.5mg(0.087mmol)の[RuCl(C)]、113.7mg(0.183mmol)の(R)−BINAPおよび3mlのジメチルホルムアミドを、アルゴン下で20mlシュレンクフラスコ中に入れた。この赤褐色懸濁液を、100℃にて10分間加熱した。その際に透明になったこの溶液を冷却し、そして真空(1ないし0.1mmHg)中で50℃にて激しく撹拌しながら1時間の時間にわたって濃縮した。残存した橙褐色固体を1mlのテトラヒドロフラン中に採取し、そしてこの形態にて不整水素化におけるRu−(R)−−BINAP触媒として用いた。
例2
43.5mg(0.087mmol)の[RuCl(C)]、113.7mg(0.183mmol)の(S)−BINAPおよび3mlのジメチルホルムアミドを、アルゴン下で20mlシュレンクフラスコ中に入れた。この赤褐色懸濁液を、100℃にて10分間加熱した。その際に透明になったこの溶液を冷却し、そして真空(1ないし0.1mmHg)中で50℃にて激しく撹拌しながら1時間の時間にわたって濃縮した。残存した橙褐色固体を1mlのテトラヒドロフラン中に採取し、そしてこの形態にて不整水素化におけるRu−(S)−−BINAP触媒として用いた。
例3
100mlオートクレーブに、アルゴン下で、3.8g(20mmol)の8−ヒドロキシ−6−オキソ−オクタン酸メチルエステル、例1下で製造されたRu−(R)−BINAP触媒溶液、および20mlの酸素不含メタノールを装填した。60℃にて、40バール純Hの定圧で、強力に撹拌しながら、水素化を20時間行った。反応が完了した時、ロータリーエバポレーターを用いて、溶媒を蒸留除去した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,エチルアセテート/n−ヘキサン)による残渣の精製により、96%のエナンチオマー過剰率(キラルGC)を有する3.2g(85%)の(R)−6,8−ジヒドロキシオクタン酸メチルエステルが得られた。
例4
100mlオートクレーブに、アルゴン下で、3.8g(20mmol)の8−ヒドロキシ−6−オキソ−オクタン酸メチルエステル、例2下で製造されたRu−(S)−BINAP触媒溶液、および20mlの酸素不含メタノールを装填した。60℃にて、40バール純Hの定圧で、強力に撹拌しながら、水素化を20時間行った。反応が完了した時、ロータリーエバポレーターを用いて、溶媒を蒸留除去した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,エチルアセテート/n−ヘキサン)による残渣の精製により、96%のエナンチオマー過剰率(キラルGC)を有する3.1g(82%)の(S)−6,8−ジヒドロキシオクタン酸メチルエステルが得られた。
例5
100mlの次亜塩素酸ナトリウム水溶液(10〜13%の活性塩素)を、200mlの氷酢酸中の16.6g(87mmol)の6,8−ジヒドロキシオクタン酸メチルエステルに、室温にて45分の時間にわたって滴加した。室温にて更に3時間撹拌した後、180mlのイソプロパノールを添加して過剰の次亜塩素酸ナトリウムを破壊し、そして撹拌を10分間行った。次いで、この反応混合物を1,200mlの水に添加し、そしてメチレンクロライドで数回抽出した。一緒にされた有機相を、冷飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥した後、ロータリーエバポレーターを用いて、溶媒を蒸留除去した。13.0g(80%)の8−ヒドロキシ−6−オキソ−オクタン酸メチルエステルが得られた。
13C−NMR(CDCl):δ=23.4、25.3、34.0、42.8、45.2、51.7、57.9、174.1、211.0。
例6
100mlオートクレーブに、アルゴン下で、9.4g(50mmol)の7,8−エポキシ−6−オキソ−オクタン酸メチルエステル、0.4gの酸化白金(IV)触媒、および50mlのエチルアセテートを装填した。20℃にて、50バール純Hの定圧で、強力に撹拌しながら、水素化を16時間行った。反応が完了した時、触媒を濾別し、そしてロータリーエバポレーターを用いて、溶媒を蒸留除去した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、エチルアセテート/n−ヘキサン)による残渣の精製により、6.3g(67%)の8−ヒドロキシ−6−オキソ−オクタン酸メチルエステルが得られた。
例7
39.1g(250mmol)の過炭酸ナトリウムを、210mlのメタノール中の13.9g(82mmol)の6−オキソ−7−オクテン酸メチルエステルに、室温にて2時間の時間にわたって、撹拌しながら、4つの部分に分けて添加した。室温にて更に1時間撹拌した後、この反応混合物を1,000mlの水に添加し、そしてメチレンクロライドで数回抽出した。一緒にされた有機相を、水で洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥した後、ロータリーエバポレーターを用いて、溶媒を蒸留除去した。13.5g(88%)の7,8−エポキシ−6−オキソ−オクタン酸メチルエステルが得られた。
13C−NMR(CDCl):δ=21.8、23.2、32.4、41.5、50.1、57.4、66.5、172.5、207.4。

Claims (8)

  1. 一般式I
    Figure 2004505104
    〔式中、Rは、C〜C20アルキル基、C〜C12シクロアルキル基、C〜C12アラルキル基、または単核または二核のアリール基を表す〕
    の化合物の製造方法において、式II
    Figure 2004505104
    〔式中、Rは、上記に定義されたとおりである〕
    のケトンを不整水素化に供することを特徴とする方法。
  2. 式VIないしXIIのルテニウム−ジホスフィン錯体
    [RuHalD](L)          VI
    [RuHalAD]           VII
    RuDOOCROOCR          VIII
    [RuHm+             IX
    [RuHal(PR )D]2+Hal    X
    [RuHHalD]             XI
    [DRu(acac)]           XII
    〔式中、acacは、アセチルアセトネートを表し、
    Dは、一般式XIIIのジホスフィンを表し、
    Halは、ハロゲン、特にヨウ素、塩素または臭素を表し、
    およびRは、同じまたは異なり、そしてハロゲン特にフッ素、塩素または臭素により所望により置換されているところの、9個までの炭素原子好ましくは4個までの炭素原子を有するアルキルを表し、あるいは1から4個の炭素原子を有するアルキルにより所望により置換されているフェニルを表し、あるいはα−アミノアルキル酸(好ましくは4個までの炭素原子を有する)を表し、あるいは一緒に4個までの炭素原子を有するアルキリデン基を形成し、
    およびRは、同じまたは異なり、そして所望により置換されたフェニル(好ましくは、1から4個の炭素原子を有するアルキルによりまたはハロゲンにより置換されている)を表し、
    Yは、Cl、Br、I、ClO、BFまたはPFを表し、
    Aは、p−シメンのような、未置換または置換ベンゼン環を表し、
    Lは、アセトン、第3級アミンまたはジメチルホルムアミドのような中性配位子を表し、
    nおよびmは各々、1または2を表し、
    xは、0または1を表し、
    しかも式IXにおいて、x=0であるときnは1を表しかつmは2を表し、そしてx=1であるときnは2を表しかつmは1を表し、
    しかも光学活性ジホスフィン配位子Dとして、一般式XIII
    Figure 2004505104
    (式中、Qは、二つのP原子を架橋しかつ2から24個の炭素原子および所望により1から4個のヘテロ原子好ましくはO、S、NおよびSiを有する基を表し、しかも該架橋は該炭素原子の少なくとも2個および所望により該ヘテロ原子の1から4個により形成され、
    〜Rは、同じまたは異なり、そして1から18個の炭素原子を有するアルキル基、5から7個の炭素原子を有するシクロアルキル基または6から12個の炭素原子を有するアリール基を表す)
    の化合物が用いられる〕
    の存在下で、不整水素化を行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 不整水素化を、おおよそ10℃からおおよそ140℃の温度にて、おおよそ1から100バールの圧力下で行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 不整水素化を、2から48時間の反応時間で、おおよそ0.001からおおよそ5mol%の、錯体VIないしXII中のルテニウムと水素化される化合物IIの間のモル比で行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  5. 一般式II
    Figure 2004505104
    〔式中、Rは、C〜C20アルキル基、C〜C12シクロアルキル基、C〜C12アラルキル基、または単核または二核のアリール基を表す〕
    の8−ヒドロキシ−6−オキソ−オクタン酸エステル。
  6. 一般式III
    Figure 2004505104
    〔式中、Rは、C〜C20アルキル基、C〜C12シクロアルキル基、C〜C12アラルキル基、または単核または二核のアリール基を表す〕
    の7,8−エポキシ−6−オキソ−オクタン酸エステル。
  7. 式(R)−(+)−IV
    Figure 2004505104
    の(R)−(+)−α−リポ酸の製造方法において、請求項1に記載の化合物IIを不整水素化に付して化合物(S)−Iを形成させ、そしてこれらの化合物を公知の方法で、
    a)有機溶液中でスルホン酸クロライドおよび第3級窒素塩基で(S)−Iのビススルホン酸エステルに変換し、
    b)工程a)において得られた化合物を極性溶媒中で硫黄およびアルカリ金属硫化物と反応させて(R)−(+)−α−リポ酸エステルを形成させ、そして
    c)所望により、このエステルを(R)−(+)−α−リポ酸に変換する
    ことを特徴とする方法。
  8. 式(S)−(−)−IV
    Figure 2004505104
    の(S)−(−)−α−リポ酸の製造方法において、請求項1に記載の化合物IIを不整水素化に付して化合物(R)−Iを形成させ、そしてこれらの化合物を公知の方法で
    a)有機溶液中でスルホン酸クロライドおよび第3級窒素塩基で(R)−Iのビススルホン酸エステルに変換し、
    b)工程a)において得られた化合物を極性溶媒中で硫黄およびアルカリ金属硫化物と反応させて(S)−(−)−α−リポ酸エステルを形成させ、そして
    c)所望により、このエステルを(S)−(−)−α−リポ酸に変換する
    ことを特徴とする方法。
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