JP2004505071A - 光学的に純粋な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの連続製造方法 - Google Patents

光学的に純粋な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの連続製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学的に純粋な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの連続製造方法の提供
【解決手段】置換されたカルボン酸誘導体の水素化による、光学的に純粋な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの製造方法の開示である。1ないし50質量%の置換されたカルボン酸誘導体を含む溶液を、触媒で充填され、かつ0.10MPaないし38MPa(15ないし5,500psig)のハロゲン分圧下で50ないし550℃の反応温度に維持された固定ベッド反応器へ、0.1ないし10h−1のWHSV(時間当りの質量空間速度)で供給する。前記触媒は、担体である無機酸化物中に含浸した、触媒有効成分としての貴金属から成る。水素と置換されたカルボン酸誘導体のモル比は、1:1ないし10:1のモル比において維持される。この方法は、光学的に純粋な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを従来技術よりも、より高い純度、より高い収率で製造し得る。さらに、本発明は、比較的に簡単でかつ環境にもやさしく、経済的に好ましいので工業生産にも利用できる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
光学的に純粋な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの連続製造方法
技術分野
本発明は、連続的な方法での光学的に純粋な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、貴金属及び担体からなる触媒で充填された固定ベッド反応器中で、置換されたカルボン酸誘導体を水素化することによって、光学的に純粋な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを連続製造する方法に関する。
【0002】
従来技術
光学的に純粋な置換されたγ−ブチロラクトンは、L−カルニチン及びECHB(エチル(S)−4−シアノ−3−ヒドロキシブチレート)のような薬剤、農薬、化学調味料、及び風味料を含む様々な化合物の合成のための中間体として使用される(米国特許番号5,473,104)。
【0003】
(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの合成方法は、多くの特許に開示されている。例えば、米国特許番号5,292,939、5,319,110及び5,374,773は、水溶性炭化水素の酸化による、置換されたγ−ブチロラクトンの製造方法を開示している。しかしながらこの方法は、反応熱があまりにも高いので、高濃度の反応体を酸化するには不都合であった。前記特許中には、クロマトグラフィー以外の分離方法は記載されていない。また、収率についても言及されていない。そのため、上記特許中に記載された方法は、工業生産に利用するには適していない。
【0004】
出発物質としてL−リンゴ酸又はL−アスパラギン酸を使用したγ−ブチロラクトンの多段階製造方法が報告されている(J.Org.Chem.1981年,46.4319;Synth,Commun.1986年,16,183)。しかしながら、それらは、中間体の光学活性が反応の間維持されず、加えて、大規模製造のために適していないという欠点があった。
【0005】
(S)−リンゴ酸エステル誘導体から出発し、ボラン−ジメチルスルフィド及び水酸化ホウ素ナトリウムの使用によるγ−ブチロラクトンの還元方法が報告されている(Chem.Lett.1984年,1389)。しかしながら、この方法は、製造コストが高いバッチ型であり、工業生産のために適用することが難しい。加えて、還元方法は、多量の廃棄物が発生し、環境に対し有害である。
【0006】
米国特許番号5,808,107は、L−リンゴ酸ジメチルエステルをリチウムクロリド及び水酸化ホウ素ナトリウムで還元し、(S)−3,4−ジヒドロキシブチル酸を得、そして中間体をメタノール溶液中の、HClで処理することによって、光学的に活性な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを製造する方法を開示している。しかしながら、この方法は、複雑なバッチ法で行なわれ、そして環境汚染を引き起こすという欠点を有する。加えて、高価で爆発性還元剤である水酸化ホウ素ナトリウムの使用は、製造コストを増加させ、そのため大規模製造には適していない。多量に使用された場合、反応溶媒として使用されるエーテルは、その麻酔性の特性のために人体に有害な影響を及ぼし得り、かつ爆発の危険性を有する。
【0007】
米国特許番号5,998,663には、炭化水素を酸化してアセトニドを得、次にこの中間体を無機酸(HCl水溶液)で処理することによって、置換されたγ−ブチルラクトンを製造する方法が記載されている。この方法もまた、工程が複雑で、多量の廃棄物が発生するため、工業的に不都合である。
【0008】
上記のように、従来の方法は、液体又は固体の酸化剤又は還元剤を用いたバッチ型であり、そのため、生産性が低く、並びに廃棄物の多量発生という欠点を有する。さらに従来の方法は、工程が複雑なため、製造収率が低いので工業的に適用するには限界がある。
【0009】
本発明の開示
本発明を導くために、本発明者によって行なわれた光学的に活性な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの製造の徹底的及び完全な研究によって、光学的に活性な置換されたカルボン酸誘導体を水素化するために、無機酸化物担体中に含浸された貴金属を触媒成分として有する触媒は、光学的に純粋な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの合成において非常に有用であり、かつその触媒固定ベッドが連続製造法において目的の化合物の製造を可能にするという発見につながった。
【0010】
従って、本発明の主題は、置換されたカルボン酸誘導体から、光学的に純粋な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの製造方法を提供することであり、そしてそれは、製造収率を改善し、環境にやさしく、そして単純な製造方法である。
【0011】
本発明に基づき、上記主題は、置換されたカルボン酸誘導体から光学的に純粋な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを、水素化によって製造する方法であって、該方法では、1ないし50質量%の前記置換されたカルボン酸誘導体を含む溶液を、触媒で充填され、かつ0.10ないし38MPa(15ないし5,500psig)の水素分圧下で50ないし550℃の反応温度に維持された固定ベッド反応器へ、0.1ないし10h−1のWHSV(時間当りの質量空間速度)で供給し、ここで前記触媒は、触媒有効成分として貴金属及び担体として無機酸化物を有し、前記水素は、前記置換されたカルボン酸誘導体に対して、1:1ないし10:1のモル比において維持される方法の使用によって達成され得る。
【0012】
図面の簡単な説明
図1は、本発明に従った触媒の存在下において、置換されたカルボン酸誘導体が、光学的に純粋な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンへ水素化により転換される際の様々な反応条件下における転換率及び選択性を示すヒストグラムである。
【0013】
本発明を実施するための最良の態様
本発明は、固定ベッド反応器中で、触媒の存在下において、光学的に純粋な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンへの置換されたカルボン酸エステルの連続水素化に関する。その高い製造収率及び生産性により、この連続法は、従来の方法よりもよりはるかに経済的である。本発明の方法は又、その触媒を回収できかつ繰り返し使用できるため、経済的な利益を有する。さらに上記方法は、触媒の濾別のような複雑な後処理を必要としない。
【0014】
本発明に従った水素化で使用するために適当な触媒は、触媒活性成分として貴金属を含む。有用な貴金属は、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、プラチナ(Pt)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)及びそれらの混合物からなる群から選択される。このような触媒有効成分は、担体に対し含浸され、そして担体は、好ましくはアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ジルコニア、チタニア、ゼオライト及び分子篩からなる群から選択される。
【0015】
本発明に従った水素化は、以下の反応式1
【図1】
Figure 2004505071
(式中、Rは、1ないし10個の炭素原子を含む直鎖アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、及びR’は、水素原子又はメチル基を表す。)によって説明され得る。
【0016】
本発明に従って、光学的に純粋な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを製造するための置換されたカルボン酸のエステル化合物を合成するために、メタノール、エタノール及びn−プロパノールのような1ないし10個の炭素原子を有する直鎖アルコール、環状アルコール、又は芳香族アルコールから選択されたアルコールが使用される。アルコールは、使用されたカルボン酸の2.0ないし40当量の量が使用される。カルボン酸としては、例えば、光学的に純粋なリンゴ酸又はシトラマル酸が使用され得る。エステル化反応は、0.07ないし2.1MPa(1ないし300psig)の圧力下で50ないし150℃の温度で、0.1ないし10h−1の範囲の時間当りの質量空間速度(WHSV)で、触媒の非存在下又は存在下で行なわれる。触媒として適当なものは、固体酸であり、好ましくはスルホネート置換された強酸性樹脂である。もしも反応条件が、上記範囲外である場合、カルボン酸エステルの製造収率は低下し、かつ触媒の失活速度は増加する。従って、本発明が有する連続法の利点は損なわれる。
【0017】
本発明に従って、光学的に活性な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンへの置換されたカルボン酸エステルの水素化は、0.10ないし38MPa(15ないし5,500psig)の水素分圧下で50ないし150℃の温度で、0.2ないし10h−1の範囲のWHSVで行なわれる。水素化によるこの転換は、好ましくは、6.9ないし28MPa(1,000ないし4,000psig)の水素分圧下で100ないし250℃の温度で、0.2ないし10h−1の範囲のWHSVで導かれ、そしてより好ましくは、8.3ないし21MPa(1,200ないし3,000psig)の水素分圧下で110ないし200℃の温度で、0.3ないし5h−1の範囲のWHSVで導かれる。反応条件が少しでも範囲外である場合、製造収率低下及び触媒の失活速度の増加が起こり、結果として本発明が有する連続法の利点が損なわれる。
【0018】
置換されたカルボン酸のエステル誘導体を所望の化合物へ完全に転換するために、置換されたカルボン酸のエステル誘導体に対する水素のモル比が少なくとも1.0になる必要がある。もしもモル比が約1以上ならば、水素の量は制限されない。しかしながら、経済面を考慮した場合、カルボン酸エステルに対する水素の比は、好ましくは2.0ないし10の範囲に維持される。反応器を通過したが、反応しないで残っている水素は再圧縮され、反応器へ再循環される。反応条件に依存して、反応体は、所望の生成物へ直ちに分離され得るか、又は未反応な反応体をさらに転換するために再循環され、その後分離され得る。
【0019】
置換されたカルボン酸エステルを水素化することによって(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンへ転換するために、反応器へ高粘性のカルボン酸誘導体を円滑に供給するのを効果的にするために、高粘性のカルボン酸誘導体を溶解する適当な溶媒が必要とされる。さらに溶媒には、エステル化及び水素化の間中発生する反応熱を除去すること、及びいかなる反応体、例えばカルボン酸誘導体とも水素とも反応しないことが必要とされる。例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ジオキサン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、水及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが、溶媒として使用され得る。これらのうち、イソプロピルアルコール及び水が好ましく、水がより好ましい。溶媒中において、カルボン酸エステルは、1ないし50質量%の濃度で、好ましくは10ないし40質量%の濃度で維持される。
【0020】
上記で言及したように、本発明に従った水素化は、触媒の助けを得て導かれる。触媒は、触媒有効成分として貴金属を有する。適当な貴金属の例は、Ni、Pd、Pt、Rh、Ir、Ru、Os及びそれらの混合物を含み、好ましくはRuである。触媒活性成分は、ただそれだけの形態で、もしくは担体と組合せて使用され得る。後者の場合、貴金属は担体上に含浸される。担体として適当なものは、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ジルコニア、チタニア、ゼオライト及び分子篩からなる群から選択された無機酸化物である。それらのうち、シリカが最も好ましい。
【0021】
担体は、円形、シリンダ形、顆粒形等のようないかなる形態をもとり得る。機械的特性のために、担体は好ましくは、円形又はシリンダ形である。
【0022】
触媒において、貴金属は、好ましくは、触媒に基づき0.1ないし15質量%の量で、そしてより好ましくは0.5ないし10質量%の量で維持される。例えば、0.1質量%以下の貴金属を含んでいる触媒は、水素化活性及び選択性が低い。これに対し、15質量%以上の貴金属は、経済的に不都合である。
【0023】
担体に貴金属を含浸するために、初期湿式含浸、過剰水含浸、噴霧、及び物理的な混合を含む様々な技術が使用され得る。含浸が完了した後、複合材料は、2時間又は2時間以上、空気又は不活性ガス雰囲気中で焼結させられる。焼結温度は、好ましくは300ないし700℃に、さらに好ましくは300ないし550℃に維持される。例えば、焼結が、300℃以下で行なわれた場合、含浸された金属の前駆体は、完全に分解されない。これに対して、700℃よりも高い焼結温度は、含浸された金属の分散度を低下し、結果として触媒としてあまり機能しない。
【0024】
固定ベッド反応器中は、焼結した触媒で充填される。反応器へ反応体を供給する前に、触媒は、還元状態にされる。こうする為に、触媒は含浸した金属の種類に依存して、少なくとも2時間、水素大気中に50ないし500℃の温度で維持される。
【0025】
担体中に含浸された貴金属を有する触媒系の存在下において、置換されたカルボン酸誘導体が水素化され、光学的に純粋な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが高い収率で得られる。本発明に従って、この水素化における固定ベッド反応器の使用は、方法を連続法に導き、製造収率に大きな改善をもたらした。さらにこの方法は、使用した触媒が容易に回収され得るため、経済的に好ましい。さらに、触媒を濾別する必要がないため、転換の後の生成物回収が容易である。
【0026】
固定ベッド反応器系を使用することによって、本発明は、従来の方法でおこなうよりも、反応空間当りで高い製造収率を示し、触媒の繰返し使用のために経済的な利益を有し、そして触媒を濾別する必要なしに生成物を回収することが容易である。固定ベッド反応器系において、反応器の形態、又は反応体の供給もしくは流れ方向に関して制限はない。反応体がお互いに円滑に接触するために、反応体である炭化水素と水素が一緒に下部に流れ、そして全体に渡って均一に分散するトリクル(trickle)ベッド型反応器が好ましくは使用される。
【0027】
反応器からの流出液は、溶媒回収装置へと通され、そこで溶媒は、少なくとも一部が生成物から分離される。この目的のため、蒸留塔又はフラッシュ蒸発器のようないかなる回収装置が反応器系へ備えられ得る。回収装置の下部から流れ出る生成物又は濃縮物は、真空蒸留装置へ移送される。
【0028】
本発明のより高い理解は、説明のために示された以下の実施例から、得られ得るが、制限はされない。
【0029】
【実施例】
実施例1
触媒の調製
二次蒸留水を含む100ccフラスコ中に、ルテニウムクロリド(RuCl)17.9gを加え、ルテニウム水溶液を得た。速度調節が可能なモーターを備えた、金属を含浸するための容器中に、シリカ(1/8インチ円筒形)100gを加え、その後、その容器を回転させながら、ルテニウム溶液を注ぎ込んだ。その結果、ルテニウム溶液は、シリカ上に均一に分散された。ルテニウム溶液を注ぎ込むのが完了した後30分間、容器をさらに同じ速度で回転させた。次に、その結果生じたルテニウム−担体触媒を、マッフル炉中で、空気雰囲気下において550℃で6時間、焼結させた。触媒は、蛍光X線分析によって測定した場合、3.0質量%のルテニウム含量を有することが発見された。
【0030】
実施例2
ジメチル(S)−マレートの連続製造
ステレンレス鋼316で製造された自動高圧反応器を、固体酸触媒25gで充填させた。窒素でパージした後、反応器の内部を室温から84℃に加熱し、そして0.7MPa(100psig)の圧力において維持した。L−リンゴ酸を8当量のメタノール中に溶解させ、そしてその結果生じた溶液を4.0h−1のWHSV(時間当りの質量空間速度)で反応器中へ供給し、標題の化合物を90%の収率で得た。:転換率99%。選択度99%。
【0031】
反応器からの流出液は、減圧下で蒸留され、純度99.8%及び光学純度99.9%のジメチル(S)−マレートを90%の分離収率において分離した。製造はバッチ型において効果的であり得る。この場合、反応時間は、2ないし4時間とされる。
【0032】
実施例3から8
(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの連続製造
ステレンレス鋼316製の自動高圧反応器(内径2.52cm×長さ60cm)中を実施例1で調製された触媒50gで充填させた。触媒は、分当り1℃の速度において、350℃まで温度を上昇させることによって還元状態へ転換され、そして水素雰囲気中でこの温度において6時間維持される。冷却した後、反応器の内部は、窒素ガスでパージされる。反応器の内部が、分当り1℃の速度で室温から145℃まで加熱される間に、水素が、100sccmの速度で供給される。水素は、反応に必要な量の2倍の量で加えられる。実施例2で調製したジメチル(S)−マレートを、水中に溶解させ、30質量%の溶液を得た。このジメチル(S)−マレート溶液を、以下の表1に示した条件下で供給した。反応生成物を9時間毎に回収し、そして炎イオン化検出器(FID)を用いたガスクロマトグラフィー(60cm×0.25mm×0.25μmのβ−DEXカラム)によって分析した。その結果を、以下の表1で示す。
【表1】
Figure 2004505071
【0033】
実施例9から12
(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの連続製造
以下の表2に示したような溶媒に交換し、ジメチル(S)−マレートの水素化を、実施例3と同様の方法で、18MPa(2,628psig)の水素分圧下で145℃の温度において、反応体を0.5h−1のWHSV(時間当りの質量空間速度)で供給することによって実施した。転換率及び選択度を測定し、その結果を以下の表2に示す。
【表2】
Figure 2004505071
【0034】
実施例13
低圧水素化及び生成物再循環
実施例1で調製した触媒の存在下、10MPa(1,460psig)と言う低い水素分圧までを使用したことを除いて実施例6と同様の方法で水素化工程を行なった。反応器からの生成物流出液を2回以上再循環させた。再循環の間、触媒の失活は観察されず、転換率及び選択度が改善された。その結果を以下の表3に示す。
【表3】
Figure 2004505071
【0035】
実施例14
(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの長期間連続反応
実施例1で調製した触媒を使用し、実施例2で記載されたのと同様の反応器で、長期間連続転換反応を行なった。500時間の反応の後でさえ、触媒の失活は、観察されなかった。その結果を以下の表4に示す。
【表4】
Figure 2004505071
【0036】
実施例15
(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの分離
実施例1で調製した触媒50gを使用して、実施例2で記載されたのと同様の反応器で水素化反応を行なった。水素化の間、水素分圧を17MPa(2,438psig)に維持し、反応温度及びWHSV(時間当りの質量空間速度)を様々に変化させた。200時間の水素化の後、選択度75.2質量%の(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを含む溶液30リットルを得た。この溶液を、10%NaHCO水溶液で中和し、そして溶媒を除去し、その後、(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを回収するために、残滓を酢酸エチルで3回抽出した。減圧蒸留器を備えた10Lのガラス反応器中で、抽出物を100mbr下で60℃において蒸留し、溶媒を蒸発させた。薄膜蒸発機中で、濃縮物をさらに、0.6ないし1.7トル下で100ないし120℃の温度で蒸留し、純度99.0%の(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを65%の分離収率で得た。
【0037】
上記したように、本発明は、光学的に純粋な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを、従来技術よりも、より高い純度、より高い収率で製造し得る。本発明は、比較的に簡単でかつ環境にもやさしい上に、経済的に好ましいので工業生産にも利用できる。
【0038】
本発明は、実例的な方法で記載されており、使用した用語は、記載の制限よりむしろ記載の本質を意図すると理解されるべきである。本発明の様々な変更及び変形が上記教唆の観点から可能である。そのため、書き添えられた請求項の範囲内で、本発明は特定の記載された方法とは別の方法でも行われ得ると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に従った触媒の存在下において、置換されたカルボン酸誘導体が、光学的に純粋な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンへ水素化により転換される際の様々な反応条件下における転換率及び選択性を示すヒストグラムを示す。

Claims (13)

  1. 置換されたカルボン酸誘導体から光学的に純粋な(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを、水素化によって製造する方法であって、該方法は、1ないし50質量%の前記置換されたカルボン酸誘導体を含有する溶液を、触媒で充填され、かつ0.10ないし38MPa(15ないし5,500psig)の水素分圧下で50ないし550℃の反応温度に維持された固定ベッド反応器へ、0.1ないし10h−1のWHSV(時間当りの質量空間速度)で供給し、ここで、前記触媒は、触媒有効成分として貴金属及び担体として無機酸化物を有し、前記水素は、前記置換されたカルボン酸誘導体に対して、1:1ないし10:1のモル比において維持される方法。
  2. 前記貴金属が、パラジウム(Pd)、プラチナ(Pt)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)及びこれらの混合物からなる群から選択される請求項1記載の方法。
  3. 前記貴金属が、前記触媒に基づき0.1ないし15質量%の量で、前記無機酸担体上に含浸されている請求項1記載の方法。
  4. 前記反応温度が、100ないし250℃に維持される請求項1記載の方法。
  5. 前記水素分圧が、8.3ないし21Mpa(1,200ないし3,000psig)に維持される請求項1記載の方法。
  6. 反応体が、0.2ないし5.0h−1のWHSV(時間当りの質量空間速度)で供給される請求項1記載の方法。
  7. 前記溶液が、前記カルボン酸誘導体を10ないし40質量%の量で含有する請求項1記載の方法。
  8. 溶媒が、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ジオキサン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、水及びこれらの混合物からなる群から選択される請求項1記載の方法。
  9. 前記無機酸化物担体が、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ジルコニア、チタニア、ゼオライト及び分子篩からなる群から選択される請求項1記載の方法。
  10. 前記固定ベッド反応器が、トリクル(trickle)ベッド反応器である請求項1記載の方法。
  11. 前記置換カルボン酸誘導体が、カルボン酸とアルコールを、固体酸の存在下において、0.07ないし2.1Mpa(1.0ないし300psig)の反応圧力下で50ないし150℃の反応温度に維持された反応器中で、0.5ないし10h−1の範囲内に調節されたWHSV(時間当りの質量空間速度)で反応させることによって調製され、前記アルコールは、1ないし10個の炭素原子を含む直鎖アルコール、環状アルコール及び芳香族アルコールからなる群から選択され、そして前記カルボン酸の2.0ないし4.0当量の量で使用される請求項1記載の方法。
  12. 前記固体酸が、スルホネート置換強酸性樹脂である請求項11記載の方法。
  13. 前記カルボン酸が、光学的に純粋なリンゴ酸又はシトラマル酸である請求項11記載の方法。
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