JP2004504818A - 末梢血液からの胎児細胞の温和な高富化およびその使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、産物としての胎児細胞を高富化するための方法に関し、母体血液を採取した後にこの血液フラクションおよび遠心分離物に、抗−w抗体、赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原としてのトランスフェリンレセプター分子に特異的に結合する抗−r抗体を有する抗体カクテル、および赤色の有核前駆細胞の表面の抗原としての抗原‐iに特異的に結合する抗‐i抗体、および/または、胎児前駆細胞の細胞内構造、および/または胎児前駆細胞の細胞内分子、および/または胎児前駆細胞の膜断片に特異的に結合する抗 i plus抗体を添加し、細胞調製物から105から107倍富化の胎児細胞を分離することを特徴とする。
Description
【0001】
本発明は、好ましくは母性末梢血液からの産物としての胎児細胞の富化のための方法において、ステップa)で母性血液の採血後に1種または複数種の抗凝血剤を含有する、血液フラクションの調製のための溶液の存在下に血液が等張溶液で希釈され、ステップb)で血液フラクションが有細胞核胎児細胞による細胞フラクションの富化のために遠心分離される前記方法と、疾病の治療および遺伝子−および/またはゲノム分析の同定のための産物の使用とに関する。
【0002】
先行技術において胎児細胞の単離に利用される方法が知られている。前記胎児細胞は、続いてゲノム欠失、遺伝性疾患等々について分析される。母方の末梢血液からの胎児細胞の単離は、羊水穿刺または絨毛膜絨毛生検に基づく従来の方法が流産および感染の危険性を排除しないため、既存の疾病または発育障害の可能な限り早期の発見のために従来の方法の望ましくない重大な欠点を回避することを助けるために望ましい。
【0003】
特に胎児細胞の表面の変化なしに、たとえば一次構造、二次構造および表面で細胞壁もしくは細胞膜の中に配置された化合物の不変性を細胞の温和な処理のための基準として利用できる前記化合物の別の構造の変化なしに、前記胎児細胞を可能な限り温和に獲得することが望ましい。
【0004】
単離した胎児細胞とそのゲノムは、点突然変異、染色体異常、染色体変形のような遺伝性欠陥の分析のために使用することができ、先行技術と異なり事前に羊水または子宮器官から細胞を採取する必要がなく、そのため流産の危険性を排除することができる。
【0005】
セラミド化合物は赤血球細胞の前駆細胞の表面分子である。生後の発育中にポリラクトスアミノグリカンの分枝を生じることが想定される。成人の骨髄中の赤血球の前段階でも起こるこの炭水化物鎖の成熟過程がi−抗原(または抗原−iとも呼ぶ)としてラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミド化合物の減少および抗原−I(またはI−抗原とも呼ぶ)としてラクト−N−イソ−オクタオシル−セラミド化合物の増強を引き起こす。したがって抗原−Iは出産時に全般的に僅かにのみ形成される。約18か月で初めて成人の場合で有する量と濃度に達する。i−抗原は新生児の場合は完全に形成されている。したがって生誕後最初の18か月で失われてしまい、抗原−Iに代わる。
【0006】
ところで母性血液細胞の除去下およびその温和な富化下に胎児細胞の高富化を可能にする必要がある。高富化した胎児細胞のDNAは、分析結果が母性血液細胞のゲノムによって影響を及ぼさず、または全く変化させずに、遺伝子配列の一次構造ないし四次構造について説明を与えることができる。さらに遺伝性疾患のような疾患の治療と、その早期発見および治療に利用できる胎児への直接的侵襲なしに迅速かつ常に前記胎児からの産物もしくは細胞を調製する要望もある。
【0007】
米国特許公報第5437987号に、母性血液から胎児の赤血球細胞が富化され、ポリクロナールの抗体と胎児細胞とからなるコンプレックスが抗−i抗体の添加後に分離される方法が記載されている;この場合ポリクロナール抗体が胎児細胞の表面抗原iに結合する。
【0008】
抗体として、その抗原結合領域が抗原決定基として抗原のGal β−4−GlcNAc β−1−3−Gal β−1−4−GlcNAc β−1−3−Gal β−1−4−Glc鎖と特異的に結合するものが使用される。この線状の炭水化物鎖と対向して配向された抗体は、少なくとも2つの反復するN−アセチル−ラクトスミン単位を結合に必要とする。したがって最も単純なi‐活性構造はラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミドである。ラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミドまたはその誘導体に抗原として結合できる抗体は、本発明の意味で抗原−iと呼ばれる。
【0009】
従来の方法において、抗体抗原コンプレックスの分離のために磁気活性細胞選別法が適用されるが、これは胎児細胞が消滅しつつある僅かな割合および規模で抗体抗原コンプレックスの中に存在するため、あまり充分でない規模でのみ胎児細胞を富化することができる。
【0010】
求めている細胞は、余剰の母性細胞の中に極めて僅かに存在し、そのため胎児細胞が僅かな度合でのみ富化されるが、純粋にはならない。従来得られていた抗体の胎児特異的な性質の欠失によって、基本的に母体の血液細胞によるいわゆる細胞夾雑物を阻止することができない。さらに、磁気活性細胞選別法によっては細胞の分離が不可能である。
【0011】
したがって課題は、胎児細胞について高い富化率を可能にする温和な純化方法もしくは富化法を提供することである。この胎児細胞は産物として診断方法に導入することができる。
【0012】
本発明の課題は主請求項および従属請求項によって解決される。従属請求項は、本発明の有利な実施形態およびさらなる発展形態に関する。
【0013】
本発明は、好ましくは母体末梢血液からの産物としての胎児細胞の高富化のための方法において、
ステップa)で母体血液の採血後に血液フラクションの調製のために抗凝血剤を含有する溶液の存在下に血液が等張溶液によって希釈され、
ステップb)で血液フラクションが有細胞核胎児細胞を有する細胞フラクションの富化のために遠心分離され、前記方法が
ステップc)で前記細胞フラクションに、白血球の細胞内構造および/または白血球の細胞内分子および/または白血球の表面の抗原に特異的に結合する抗−w抗体と、
赤血球の有核前駆細胞の細胞内構造および/または赤血球の有核前駆細胞の細胞内分子および/または赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原に特異的に結合する抗−r抗体とを含有するポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗体からなる抗体カクテルが、好ましくは常温で15〜30分、さらにより有利には10〜20分間添加され、
ならびに
胎児細胞に結合した抗−rおよび抗−iと、必要な場合は抗 i plus抗体を包含する抗体コンプレックスを含有する細胞調製物の形成下に、
赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原としての抗原−iに特異的に結合するポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗−i抗体、
および/または
胎児前駆細胞の細胞内構造および/または胎児前駆細胞の細胞内分子および/または胎児前駆細胞の膜断片に特異的に結合するポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗‐i plus抗体が添加され、
および
ステップd)で前記細胞調製物から、胎児細胞が該胎児細胞に結合した抗−r抗体および/または抗−i抗体、好ましくはおよび/または抗−i plus抗体により、その散光特性および蛍光特性に基づき、胎児細胞の表面および細胞内部の性質ならびに105〜107倍の胎児細胞の富化を有するサイズ分布により、好ましくはその細胞単離に至るまで分離されることを特徴とする方法に関する。
【0014】
本発明の目的は、好ましくは胎児期における遺伝性疾患の治療のために、たとえばゲノム調査による診断方法に導入するために本発明による方法にしたがって製造可能である産物としての細胞フラクションの使用にも関係する。
【0015】
本発明のもう1つの目的は、静脈血液から以下のステップにより製造可能な胎児細胞を含むものである。
ステップa)血液フラクションの調製のため、母体から得られた採取後の血液を、抗凝血物質を含有する等張性溶液の存在下で希釈し、ならびに、
ステップb)有細胞核胎児細胞を有する細胞フラクションの富化の目的でこの血液フラクションを遠心分離し、
ステップc)この細胞フラクションを、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル型の抗体を有する抗体‐カクテルと共に室温で15〜30分間、好ましくは10〜20分間インキュベートし、ここに
‐白血球の細胞内構造および/または白血球の細胞内分子および/または白血球の表面の抗原に特異的に結合する抗‐w抗体、および
‐赤血球の有核前駆細胞の細胞内構造および/または赤血球の有核前駆細胞の細胞内分子および/または赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原に特異的に結合する抗‐r抗体が含まれ、さらに
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原としての抗原‐iに特異的に結合する、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル型の抗‐i抗体、および/または、
‐胎児前駆細胞の細胞内構造および/または胎児前駆細胞の細胞内分子および/または胎児前駆細胞の膜断片に特異的に結合する、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル型の抗 i plus抗体が含まれて、
胎児細胞に結合した抗体の抗−rおよび抗−iと、必要な場合は抗−i plusを包含する抗体コンプレックスからなる細胞調製物が形成され、
ステップd)前記細胞調製物から、胎児細胞が該胎児細胞に結合した抗−r抗体および抗−i抗体、好ましくはおよび/または抗 i plus抗体により、その散光特性および蛍光特性に基づき、胎児細胞の表面および細胞内部の性質ならびに105〜107倍の胎児細胞の富化を有するサイズ分布により、好ましくはその細胞単離に至るまで分離される。
【0016】
本発明の意味において、白血球または胎児前駆細胞の細胞内構造のもとに、たとえばミトコンドリア、小胞体および細胞核のような細胞内小器官が理解されている。
【0017】
本発明の意味において、白血球または胎児前駆細胞の細胞内分子のもとに、たとえば細胞特異的産物または化合物、たとえば酵素のようなタンパク質、胎児ヘモグロビンのようなタンパク質誘導体が理解されている。
【0018】
本発明の意味において、赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原のもとに、たとえばトランスフェリンレセプター分子が理解されている。
【0019】
本発明の意味において、付加もしくは添加のもとに、抗体‐カクテルおよび抗−i抗体および抗 i plus抗体の同時または順次的な添加が理解されている。
【0020】
たとえば順次初めに抗体カクテルを細胞フラクションに添加し、それに続き抗−i抗体を添加し、その後で抗 i plus抗体を添加してよい。
【0021】
同様に、順次初めに抗体カクテルを細胞フラクションに添加し、それに続き、抗i plus抗体を添加し、次いで抗−i抗体を添加することも可能である。
【0022】
また、抗体カクテル、抗−i抗体および抗 i plus抗体を同時に細胞フラクションに添加してもよい。
【0023】
本発明の意味において、付加もしくは添加のもとに、たとえば
ステップc)で初めに抗体カクテルが抗−w抗体と抗−r抗体とからなる混合物として細胞フラクションに添加され、
または
ステップc)で初めに抗−w抗体が細胞フラクションに添加され、その後で抗−r抗体が添加され、
または
ステップc)で初めに抗−r抗体が細胞フラクションに添加され、その後で抗−w抗体が添加される、などの抗体カクテルの同時または順次の添加としても理解されている。
【0024】
本発明の意味において、インキュベーションのもとに同時または順次に抗体カクテルおよび抗−i抗体および抗 i plus抗体の添加が行われ、この際、
ステップc)で初めに抗体カクテルが抗−w抗体と抗−r抗体とからなる混合物として細胞フラクションに添加され、または
ステップc)で初めに抗−w抗体が細胞フラクションに添加され、次いで抗−r抗体が添加され、または
ステップc)で初めに抗−r抗体が細胞フラクションに添加され、次いで抗−w抗体を添加することができる。
【0025】
ステップc)で、抗体カクテル、抗−i抗体または抗‐i plus抗体または抗−i抗体または抗‐i plus抗体の混合物の添加を同時または順次行ってよい。同様に、混合物がポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗−i抗体および/またはポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗 i plus抗体を含有してよい。
【0026】
本発明による方法において、母体の、好ましくは末梢の静脈および/または動脈のような血液から、たとえば腕静脈から血液フラクションが採取され、抗凝血剤として1種または複数種の従来の錯体形成剤を有する容器の中へ移される。錯体形成剤として、エチレンジアミンテトラ酢酸化合物、ヘパリン化合物、クエン酸化合物および/またはその塩類および/またはその誘導体を使用してよい。当業者にとり公知の濃度でエチレンジアミンテトラアセテート化合物もしくはその誘導体がそれに続き処理ステップで中間作用なしの好適な凝固インヒビターとして利用される。
【0027】
本発明の意味において、本発明による方法にしたがって富化され得て、かつ富化可能でもある胎児細胞のもとに、赤血球の胎児有細胞核前駆細胞が理解されている。被富化胎児細胞は、細胞核とトランスフェリンレセプターとを有する。
【0028】
本発明の意味において、トランスフェリンレセプターのもとに、細胞内への鉄イオン伝達物質の機能を担い、成熟した赤血球の細胞表面上に見い出されなくなるような化合物が理解されている。トランスフェリンは細胞内への鉄イオン伝達物質である。
【0029】
赤血球の前駆細胞からの成熟した細胞、すなわち無核赤血球は、本質的にその表面上にトランスフェリンレセプターをもたない。
【0030】
血液フラクションは、密度勾配遠心分離ステップに投じられる。密度勾配法において、本質的に有核胎児前駆細胞を分画からの他の細胞の該前駆細胞の様々な密度に基づいて富化できるが、同時に全分画中に出現する、いわゆるシュリーレン赤血球(Schlierung Erythocyten)のために細胞フラクションの中にも見い出される。
【0031】
有核細胞は、重力の影響下にその密度にしたがって、上部分画と、血液フラクションの希釈血漿と、クッションとしてのサッカロースからなる成分を有する下部分画との間の境界層(バッフィコート層とも呼ぶ)の中で富化される。
【0032】
サッカロースポリマー成分は、たとえば分子量70,000〜400,000ダルトン、好ましくは400,000ダルトンを有するサッカロースからなる合成ポリマー、たとえばフィコル、好ましくはコロイド状の、ポリビニルピロリドンを被覆したペルコル等々のようなシリカ粒子としてよい。サッカロースポリマー成分は、pH値7.2〜7.4の間、好ましくは7.2を有する緩衝生理食塩水からなる等張溶液の中にある。
【0033】
緩衝剤として、リン酸カリウム−および/またはリン酸ナトリウム緩衝剤、NaH2PO4、NaN3を含むまたは含まないNa3HPO4のような、従来の塩化ナトリウムを含有するものを使用してよい。
【0034】
そこでサッカロースポリマー等張溶液からなるクッションを、血液フラクションを用いて、必要な場合は体積比1:1(体積:体積)でその先行する希釈後にリン酸緩衝食塩緩衝液を用いて層状被覆してもよい;サッカロースポリマー溶液1体積部に血液フラクション1体積部が添加される。
【0035】
60分間まで、好ましくは約15〜60秒間、さらに好ましくは45秒間以上の800xgでの遠心分離後、赤色の、しかし物理的により高密度の赤血球がサッカロースクッションの中へ沈殿する。より低密度の有核胎児細胞は、クッションの上方に位置する希釈された血液フラクションと高密度な下方のクッションとの間の境界層に、いわゆるバッフィコート層とし集積する。規則的に白色の環として見えるバッフィコート層が容器の中へ移され、バッフィコート層の細胞フラクションがリン酸緩衝食塩緩衝液を用いて洗浄される。
【0036】
次に、洗浄した細胞フラクションが抗体インキュベーションに添加される。細胞フラクションは下記を含有してよい:
‐i−抗原および抗原−rおよび/または抗原‐i‐plusを有する赤血球の胎児有細胞核前駆細胞、
‐一部、i−抗原を含有し、トランスフェリンレセプターを含有しない胎児無細胞核赤血球、つまり成熟した赤血球、
‐一部、I−抗原およびトランスフェリンレセプターを有する赤血球の母性有細胞核前駆細胞、およびさらに
‐一部、I−抗原を有し、トランスフェリンレセプターを有さない母性無細胞核赤血球、つまり成熟した赤血球。
【0037】
密度勾配法に基づき富化された細胞フラクションの有核細胞は、通常、細胞フラクション内の胎児細胞20〜50個に比べ多数の母性細胞(1〜4x107細胞)を有する。
【0038】
以下の富化ステップにおいて、たとえばモノクロナール型および/またはポリクロナール型の種々の抗体の抗体カクテルが、抗体コンプレックスからなる細胞調製物を調製するために添加される。そこでステップc)で初めに抗体カクテルを抗−w抗体と抗−r抗体からなる混合物として細胞フラクションに添加してよく、あるいは
ステップc)で初めに抗−w抗体を細胞フラクションに添加し、次に抗−r抗体を添加してよく、あるいは
ステップc)で初めに抗−r抗体を細胞フラクションに添加し、次に抗−w抗体を添加してよい。
【0039】
したがって、好ましくは母性末梢血液からなる産物として胎児細胞の高富化のための方法を、以下のステップにより提供することができる。
ステップa)で母体血液の採血後に抗凝血剤を含有する血液フラクションの調製のための溶液の存在下に血液が等張溶液で希釈され、
ステップb)で血液フラクションが有細胞核胎児細胞による細胞フラクションの富化のために、好ましくは密度勾配を利用して遠心分離され、これは、
ステップc)で細胞フラクションに、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル型の抗体を有する抗体‐カクテルを好ましくは過剰量にて添加され、室温で5〜30分間、好ましくは10〜20分間、または5分または10分間インキュベートされ、ここには以下:
‐白血球の表面の抗原に特異的に結合可能な抗−w抗体、
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原としてのトランスフェリンレセプター分子に特異的に結合可能な抗−r抗体、
および/または
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原としての抗原−iに特異的に結合する抗体抗原−i、および好ましくは
‐胎児前駆細胞の膜断片に特異的に結合可能な抗 i plus抗体が含有されもよく、
胎児細胞に結合した抗体の抗−rおよび抗−iと必要な場合は抗−i plusを包含する抗体コンプレックスを含有する細胞調製物が形成され、
ステップd)細胞調製物から、胎児細胞が該胎児細胞に結合した抗−r抗体および/または抗−i抗体、好ましくはおよび/または抗−i plus抗体により、その散光特性および蛍光特性に基づき、胎児細胞の表面および細胞内部の性質ならびに105〜107倍の胎児細胞の富化を有するサイズ分布により、好ましくはその細胞単離に至るまで分離される。
【0040】
同様に、遺伝性疾患の治療のために、好ましくは胎児年齢で、たとえばゲノム調査による診断方法に導入するために、本発明による方法にしたがって製造可能である産物として細胞フラクションの使用を提供することができる。
【0041】
同様に、以下のステップにより製造可能な、静脈血からなる胎児細胞を提供することができる。
ステップa)血液フラクションの調製のための抗凝血剤を含有する等張溶液の存在下における、母体の調製血液の採血後の希釈と、
ステップb)有細胞核胎児細胞による細胞フラクションの富化のための、血液フラクションの遠心分離、好ましくは密度勾配遠心分離、
ステップc)細胞フラクションと、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル型の抗体を有する抗体‐カクテルとの、室温で5〜30分間、好ましくは10〜20分間、または5分または10分間のインキュベーション、ここには以下:
‐白血球の表面の抗原に特異的に結合可能な抗−w抗体、
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原としてのトランスフェリンレセプター分子に特異的に結合可能な抗−r抗体、
および
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原としての抗原−iに特異的に結合する抗−i抗体、および/または、
‐胎児前駆細胞の膜断片に特異的に結合可能な抗 i plus抗体が含有され、
ここで胎児細胞に結合した抗−r抗体および抗−i抗体および/または抗−i‐plus抗体を包含してもよい抗体コンプレックスからなる細胞調製物の形成下で含有され、
ステップd)胎児細胞に結合した抗−r抗体および抗−i抗体、好ましくはおよび/または抗 i plus抗体により、その散光特性および蛍光特性に基づき、胎児細胞の表面および細胞内部の性質ならびに105〜107倍の胎児細胞の富化を有するサイズ分布により、細胞調製物からの胎児細胞の好ましくはその細胞単離に至るまでの分離。
【0042】
抗体カクテルは、本発明による方法の実施形態において、以下のモノクロナール型および/またはポリクロナール型の抗体を包含してよい:
白血球、リンパ球のような、白血球に対して特異的である表面抗原に対する抗−w抗体、および
表面抗原に対して、ここでは赤血球の赤色のまだ有核の前駆細胞にとり特異的であるトランスフェリンレセプターに対する抗−r抗体、
表面抗原に対する、抗原−iに対する抗−i抗体
および/または
胎児有細胞核細胞に対して特異的である胎児前駆細胞の膜断片に対する、抗‐i plus抗体。
【0043】
抗体カクテルの添加に基づき、白血球、リンパ球のような白血球への抗−w抗体の結合によって有核白血球が抗−w抗体で標識され、廃棄される。
【0044】
本発明による方法の別の富化ステップにおいて、たとえばモノクロナール型および/またはポリクロナール型の種々の抗体の抗体カクテルが、抗体コンプレックスから細胞調製物を調製するために添加される。
【0045】
本発明による方法の抗体カクテルは、以下のモノクロナール型および/またはポリクロナール型の抗体を包含してよい:
白血球の細胞内構造および/または白血球の細胞内分子および/または、白血球、リンパ球のような白血球の表面の抗原に特異的に結合する抗−w抗体と、
赤血球の有核前駆細胞の細胞内構造および/または赤血球の有核前駆細胞の細胞内分子および/または赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原に特異的に結合し、たとえば表面抗原に対して、トランスフェリンレセプターに対しても、赤血球の赤色のまだ有核の前駆細胞にとり特異的である抗−r抗体。
さらに、
抗原−iに対するポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗−i抗体および
胎児前駆細胞の細胞内構造および/または胎児前駆細胞の細胞内分子および/または胎児前駆細胞の膜断片に特異的に結合し、胎児有細胞核細胞にとり特異的であるポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗‐i‐plus抗体を、
たとえば細胞フラクションとの同時のインキュベーションを行うべき場合、抗体カクテルが細胞フラクションに添加される前に、前記抗体カクテルに添加してよい。
【0046】
同様に、たとえば細胞フラクションとのインキュベーションを同時に行うべき場合、抗−i抗体のみを抗体カクテルに添加してよい。同様に、たとえば細胞フラクションとのインキュベーションを同時に行うべき場合、抗−i plus抗体のみを抗体カクテルに添加してよい。
【0047】
順次行ってよいインキュベーションの場合は、
細胞フラクションに、まず初めに抗体カクテルを添加し、それに続き抗体カクテルとの細胞フラクションのインキュベーション後に、抗‐i plus抗体または抗−i抗体を細胞フラクション‐抗体カクテルに添加してよく、
または、
細胞フラクションに、初めに抗体カクテルを添加し、それに続き抗体カクテルとの細胞フラクションのインキュベーション後に、抗−i抗体を抗‐i plus抗体と共に細胞フラクション‐抗体カクテルに添加してよい。
【0048】
さらに、胎児無核赤血球が抗原−iへの抗−i抗体の結合によって標識され、これらは廃棄されてもよい。
【0049】
さらに、富化されるべき、赤血球の胎児のまだ有核の前駆細胞が、
トランスフェリンレセプターへのもしくは赤血球の有核前駆細胞にとり特異的である表面の抗原への前記トランスフェリンレセプターの結合のような、たとえば赤血球の有核前駆細胞の細胞内構造の抗原および/または赤血球の有核前駆細胞の細胞内分子の抗原および/または赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原へ特異的に結合する抗−r抗体の結合による前記抗−r抗体の結合によって、
および
抗原−iへの抗−i抗体の結合によって、
および/または
必要がある場合、好ましくは胎児細胞の特異的富化をさらに努力して高めることができるようにするため、
胎児前駆細胞および/または胎児前駆細胞の細胞内分子および/または胎児前駆細胞の膜断片に対し特異的に結合する細胞内構造への抗 i plus抗体の結合によって、標識される。
【0050】
このように、赤血球の富化されるべき胎児のまだ有核の前駆細胞は、例えば前駆細胞の表面におよび/または表面上に抗−i抗体および抗−r抗体を有してよい。同様に、赤血球の富化されるべき胎児のまだ有核の前駆細胞は、たとえば前記前駆細胞の表面におよび/または表面上に、たとえば後続のステップd)で特異的に細胞分離を高めるために、抗−i抗体、抗−r抗体および抗‐i plus抗体をも有してよい。
【0051】
母体の成熟した赤血球は、トランスフェリンレセプターおよび抗原−iおよび/または抗原‐i‐plusの欠失に起因して、抗−w、抗−r、抗−iおよび/または抗 i plus抗体によって標識できず、もしくは抗−w、抗−r、抗−iおよび抗 i plus抗体に特異的に結合できず、これらは廃棄されるべきこととなる。
【0052】
本発明による胎児細胞の本発明による方法もしくは調製の特別の実施形態において、もう1つの中間ステップを方法ステップd)の前で実施してよい;細胞の磁気的な富化方法もしくは減損方法は、商業的に入手しうる、たとえば部分的に前記抗−r抗体および抗−w抗体に含まれる抗体を使用する;しかしこの方法では抗−iもしくは抗‐i‐plus種の抗体を含有できない。遠心分離後に、上記型の抗体、たとえば抗−wならびに抗−rによる磁気活性細胞選別法の付加的使用によって、本発明による方法を時間的に選別時に加速させることができる。また磁気活性細胞選別の使用は、本発明による方法の上記方法ステップもしくは本発明による胎児細胞の調製との組合せで、胎児細胞の純化の加速化を可能にする。
【0053】
もう1つの方法ステップにおいて、細胞調製物がフローサイトメーター法にかけられる。この方法によって、種々の抗体を用いて標識した細胞を標識した抗体と細胞とに基づき独自の様々な光散乱性および/または種々の算出した蛍光性に分け、互いに分離することができる。
【0054】
それに対応して抗体で標識した細胞がバイパスフロー法で個別懸濁液として測定室内でレーザ光によって励起され、光がそれに続き透過光検出器、散乱光検出器および蛍光検出器を利用して特性化される。さらに液流が偏向板を通過し、上記性質を利用して胎性として特徴づけられた細胞は、該細胞を液体噴射から側方に偏向させる電気パルスを受ける。それによって胎児細胞を純粋になるまで特に、たとえば微量滴定プレートのような対応する容器内に、個別細胞として選別することができる。
【0055】
フローサイトメーター法に基づき、胎児の赤血球前駆細胞が表面抗原iおよび/または表面抗原i plusによって胎児細胞として充分な方法で温和に富化される。
【0056】
ポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗体は、細胞、組織または器官から単離または精製した、天然のような抗原によって、および/または化学的に合成した抗原によって誘導されることができる。
【0057】
抗体カクテルステップのために準備される抗体は、たとえば
特異的に天然型(細胞から単離可能)および/または合成型(化学的に製造可能)のラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミド化合物または天然型(細胞から単離可能)および/または合成型(化学的に製造可能)のそれらの誘導体を有する抗−iとして、および/または
特異的に胎児前駆細胞の細胞内構造および/または胎児前駆細胞の細胞内分子および/または赤血球の胎児前駆細胞の膜断片を有する抗 i plusとして反応させることができるような抗体である。
【0058】
抗−iのための特異性を有する抗体はIgMクラスに帰属してよい。
【0059】
本発明の意味において、抗体のもとに、抗原iと特異的に反応できるような抗体も理解されている。特異的な抗体は、抗原の刺激作用の結果として産生される免疫グロブリンを表すことができる。
【0060】
ポリクロナール抗体は、ウマ、ヒツジ、マウスおよび/またはイエウサギ等々のような、各種の脊椎動物から製造することができる。モノクロナール抗体は、たとえばウマ、ヒツジ、マウスおよび/またはイエウサギ等々のような、各種の脊椎動物のBリンパ球から製造可能にすることができる。
【0061】
本発明の意味において、モノクロナール抗体のもとに、ラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミド化合物および/または化学的に合成でき、または細胞から天然精製可能にすることができる前記化合物の誘導体のような、ただ1つの抗原決定基に対してのみ特異的に配向したような免疫グロブリンが理解されている。
【0062】
モノクロナール抗体の抗−w、抗−rおよび抗−i、抗‐i plusは、従来のハイブリドーマ技術で合成可能である。この場合、ただ1つの抗体生成Bリンパ球が培養中にクローン化され、それによってモノクロナール抗体の抗−i、抗−rまたは抗−wまたは抗‐i plusを多量に得ることができる。たとえば抗原としてラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミド化合物に対して免疫化したマウスのBリンパ球が無制限に分裂しうるBリンパ球腫瘍の細胞と融合される。発生した融合産物から従来の選別媒体の使用によって一方で、たとえば抗−i抗体を製造し、他方で培養中で無制限に分裂する能力を得たハイブリッド細胞が選別される。前記ハイブリドーマ細胞の各個別細胞が永続的に増殖し、その際に一定のモノクロナール抗体を製造する個別細胞クローンの出発点である。
【0063】
モノクロナール抗体の抗−w、抗−r、抗−iおよび/または抗‐i plusは、同時にフルオロクロム抗体の調製のためにフルオレセイン−イソチオシアネート化合物(FITC)、PE等々と結合してよい。また大きく希釈する場合、抗原に結合可能である抗体は、蛍光標識によって検出可能であり、細胞選別法の収率を高める。
【0064】
抗−w抗体、抗−r抗体、抗−i抗体、抗‐i plus抗体として、マウス、ラット、イエウサギ、ヒツジ、ウマ等のような、哺乳動物のような脊椎動物で当業者に公知の方法にしたがって誘発および単離できるポリクロナール抗体も使用してよい。たとえば抗−i抗体は、マウス、ラット、イエウサギ、ヒツジ、ウマ等のような、脊椎動物、たとえば哺乳動物における天然型および/または合成型および/またはその天然型および/または合成型の誘導体のラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミドの添加によって、当業者に公知の方法にしたがって誘発および単離することができる。
【0065】
同様にポリクロナール抗体の抗‐i plusは抗体の様々な種からなる混合物としてよく、前記混合物は胎児前駆細胞の細胞内構造および/または胎児前駆細胞に対して特異的である細胞内分子および/または胎児前駆細胞に対して特異的である膜断片、たとえばマウス、ラット、イエウサギ、ヒツジ、ウマ等のような、脊椎動物、たとえば哺乳動物における赤血球の胎児前駆細胞のような、胎児の、好ましくは有核細胞の膜断片の処理によって誘発および富化または従来の方法で精製することができる。この混合物は、たとえば抗原−iに対して特異的であり、もしくは抗原−iに結合し、および表面分子もしくは赤血球の胎児前駆細胞のような、胎児細胞の膜断片の表面分子に特異的に結合し、もしくは前記表面分子と反応できる1つまたはそれ以上の種を含有する抗体としての種としてよい。
【0066】
抗体カクテルは、フルオレセイン−、フィコエリトリンおよび/またはペリジニン クロロフィル プロテイン(PerCP)を標識した、モノクロナール型、ポリクロナール型またはそれらの混合物の抗体(抗体あたり20μl)を0.1〜10.00μg、好ましくは0.2〜5.0μg、さらに有利には0.2μgタンパク質/μl抗体カクテルを、好ましくはPBSの中に含有してよい。
【0067】
抗体として細胞フラクションと同時にインキュベートするために以下の抗体カクテルを含有してよい:
‐白血球の表面の抗原に特異的に結合する、好ましくはPBS中に、0.1〜10.00μg、好ましくは0.2〜5.0μg、さらに好ましくは0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を有する抗−w抗体20μl、
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原に特異的に結合する、好ましくはPBSの中に、0.1〜10.00μg、好ましくは0.2〜5.0μg、さらに有利には0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を有する抗−r抗体20μl、
および
‐赤色の前駆細胞上の胎児抗原−iに特異的に結合する、好ましくはPBSの中に、0.1〜10.00μg、好ましくは0.2〜5.0μg、さらに有利には0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を有する抗−i抗体20μl。
【0068】
細胞調製物と抗体カクテルの混合比は、細胞調製物の中の実質的に105〜109、好ましくは107有細胞核細胞に対して、抗体カクテル0.1〜100.0μl、好ましくは10.0〜60.0μl、好ましくは20.0〜40.0μl、さらに有利には20μlにしてよい。
【0069】
もう1つの有利な調合物の中に、細胞フラクションと同時にインキュベートするために以下の抗体カクテルを含有してよい:
‐白血球の表面の抗原に特異的に結合する、好ましくはPBSの中に、0.1〜10.00μg、好ましくは0.2〜5.0μg、さらに有利には0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を有する抗−w抗体20μl、
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原に特異的に結合する、好ましくはPBSの中に、0.1〜10.00μg、好ましくは0.2〜5.0μg、さらに有利には0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を有する抗−r抗体20μl、
‐赤色の前駆細胞上の胎児抗原−iに特異的に結合する、好ましくはPBSの中に、0.1〜10.00μg、好ましくは0.2〜5.0μg、さらに有利には0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を有する抗−i抗体20μl、
および/または
‐好ましくは抗原−iも膜表面上に含有する、胎児有細胞核細胞に対して特異的である胎児の赤色の前駆細胞の膜断片に対する、好ましくはPBSの中に、0.1〜10.00μg、好ましくは0.2〜5.0μg、さらに有利には0.2μg、タンパク質/μl抗体溶液を有する抗−i plus抗体。
【0070】
同様に、上記濃度および量比で抗体を順次細胞フラクションに添加してもよい;たとえば添加物として
ステップc)で初めに抗体カクテルを抗−w抗体および抗−r抗体からなる混合物として、および
次に抗−iおよび/または抗‐i‐plusを
または
ステップc)で初めに抗体カクテルを抗−w抗体および抗−r抗体からなる混合物として、および
次に抗‐i‐plusおよび/または抗−iを、
または
ステップc)で初めに抗−w抗体および次に抗−r抗体を、
次いで抗−iおよび/または抗i‐plusを
または
ステップc)で初めに抗−w抗体および次に抗−r抗体を、
次に抗‐i‐plusおよび/または抗−iを
または
ステップc)で初めに抗−r抗体および次に抗−w抗体を、
次いで抗−iおよび/または抗‐i‐plusを
または
ステップc)で初めに抗−r抗体および次に抗−w抗体を、
次に抗‐i‐plusおよび/または抗−iを挙げることができる。
【0071】
抗‐i plus抗体は抗原−iと特異的に反応することができる;同様に抗‐i plus抗体は抗体の様々な種からなる混合物であってよく、たとえば1つの抗体が抗原−iに対して特異的であり、別の抗体が赤血球の胎児前駆細胞のような胎児細胞の膜断片の表面分子に特異的に結合し、もしくは前記表面分子と結合することができる。本発明の方法によるこの特別の実施形態においても、細胞調製物と抗体カクテルの混合比は、細胞調製物の中の有細胞核細胞105〜109、好ましくは107に対して抗体カクテル0.1〜100.0μl、好ましくは10.0〜60.0μl、好ましくは20.0〜40.0μl、さらに有利には20μlとしてよい。
【0072】
ラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミド化合物は天然に存在する物質で、表面抗原であり、これは天然型の化合物として前駆細胞から単離可能もしくは調製可能な、あるいは合成型の化合物として化学的に合成可能なものであってもよく、さらに健常な成人では血中に検出できない胎児細胞のための指標である。ラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミド化合物は、通常名称iと呼ばれる。これは反復するN−アセチルラクトスアミン単位からなる線状の非分枝の炭水化物鎖である糖分子からなる鎖である。最も簡単なi活性グルコースフィンゴリピドはラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミドである。
【0073】
同様に、ラクト−N−イソ−オクタオシル−セラミド化合物に対しておよび/またはその誘導体に対して特異的に反応する抗体を抗体カクテルの中に導入することも可能である。
【0074】
健常の成人の場合は抗原iが赤血球生成細胞上に、つまりラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミド化合物が検出されないため、この抗原iは末梢血液の細胞に好適な胎児マーカーである。全ての実験は、成人が抗原iを赤血球生成細胞上にはもたないが、胎児、新生児および小児、さらにまた妊婦の血液中には抗原iが表面化合物として見い出されることを示す。
【0075】
抗体カクテルの中に含有される抗体は統一された単一特異性をもつモノクロナール抗体である。このモノクロナール抗体は従来の当業者に公知のステップにしたがって合成される。抗原iは糖分子として制限された免疫原性作用を有しうるため、以下のように抗原iに対する抗体が実験用動物において製造される。
【0076】
1.ヒトのラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミド化合物の天然形態に対するもの
この目的のために、純粋の細胞が新生児の血液から従来の高性能細胞選別機を利用して時間のかかる方法(たとえばベクトン ディッキンソン、ヴァンテージSE)で単離され、これらは抗原ラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミド化合物としてのiを細胞の表面上に有する。これらの細胞は、たとえばイエウサギでポリクロナール抗血清の製造用としても、たとえばマウスでモノクロナール抗体の製造用としても利用される。
2.同様に、当業者の公知の方法にしたがって、抗原iラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミドの化学合成形態に対する抗体を製造することも可能であり、抗原iが純粋形態で製造され、上記第1項に記載したように使用することができる。
【0077】
従来の方法と対比される本発明による方法の長所は、特に、
母性細胞による不純物のない胎児細胞の富化の可能性、
腹腔感染の危険性のない簡単な静脈穿刺による、好ましくは母性末梢血液からの胎児細胞の単離、
細胞を羊水または子宮器官から採取する必要性なしに、点突然変異、染色体異常、異数体のような、たとえば遺伝性欠陥に対する、遺伝子配列の診断方法への使用、疾病の治療、出生前診断のための本発明による方法にしたがって準備された細胞の調製、
たとえば羊水穿刺、脊索穿刺または絨毛膜絨毛生検の危険性のある方法を廃止して、既存の疾病または発育障害の可能な限り早期の発見のための早期発見検査に使用するための細胞の調製、ならびに
流産の危険性の低減である。
【0078】
(実施例)
本発明による教示の有利な実施形態および継続形成は、その他の点で有利な実施例の説明との関係で形式的に大きく拡大した方法で説明する。
【0079】
母性静脈血の採血は抗凝血剤を含有するリン酸緩衝等張溶液pH7.2、0.9%(w/v)NaCl、150mM、NaH2PO4/Na3HPO4、好ましくは保存用のNaN3を含み、(PBS)の中で25℃で血液フラクションの調製のために希釈される。血液フラクションは室温でバッフィコート層として有核胎児細胞による細胞フラクションの富化のために45秒間800xgで遠心分離される。
【0080】
次に白色様のバッフィコート層が細胞フラクション(たとえば1−4x107細胞)として、細胞調製物の調製のために20分間室温でモノクロナール型の抗体から抗体カクテルと共にインキュベートされる。
【0081】
抗体カクテルはフルオレセイン−、フィコエリトリンおよび/またはペリジニン クロロフィル プロテイン(PerCP)を標識した、PBSの中に抗体カクテル0.2μgタンパク質/μlを有するモノクロナール型の抗体(抗体あたり20μl)を含有する。
【0082】
抗体として、抗体カクテルは実施例において細胞フラクションと同時にインキュベーションするために次を含む:
‐白血球の表面の抗原に特異的に結合する、好ましくはPBSの中に0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を含む抗−w抗体20μl、
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原に特異的に結合する、たとえばPBSの中に0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を有する抗−r抗体20μl、および
‐赤色の前駆細胞上の胎児抗原iに特異的に結合する、好ましくはPBSの中に0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を含む抗−i抗体20μl。
【0083】
混合比は細胞調製物の中に105〜109、好ましくは107有細胞核細胞に対して抗体カクテル20μlになる。
【0084】
実施例のさらに他の調合物の中に、細胞フラクションと同時にインキュベートするための抗体カクテルが次を含む:
‐白血球の表面の抗原に特異的に結合する、好ましくはPBSの中に、0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を含む抗−w抗体20μl、
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原に特異的に結合する、好ましくはPBSの中に、0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を有する抗−r抗体20μl、
‐赤色の前駆細胞上の胎児抗原−iに特異的に結合する、好ましくはPBSの中に、0.2μgタンパク/μl抗体溶液を含む抗−i抗体20μl、および/または、
‐好ましくは膜表面上の抗原−iも含む、胎児有細胞核細胞に対して特異的である胎児前駆細胞の膜断片に対して好ましくはPBSの中に、0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を含む抗‐i‐plus抗体20μl。この混合比は細胞調製物の中の107有細胞核細胞に対して抗体カクテル20μlになる。
【0085】
実施例のさらなる1つの調製物において、抗体カクテルは最初に細胞フラクションでインキュベートされる抗−w抗体および抗−r抗体だけを含有し、それに続き抗体カクテル‐細胞フラクションに、抗−i抗体および/または抗‐i‐plus抗体の順次の添加が行われる。
【0086】
抗体カクテル
‐白血球の表面の抗原に特異的に結合し、0.2μgタンパク質/μl抗体溶液、好ましくはPBS中にある抗‐w抗体の20μl、および
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原に特異的に結合し、0.2μgタンパク質/μl抗体溶液、好ましくはPBS中にある抗‐r抗体の20μl、
但し、細胞調製物における混合比率は、抗体‐カクテル20μlに対し、有細胞核細胞105〜109となり、107となるのが好ましい。
【0087】
引き続いて、この抗体カクテル‐細胞フラクションに、
‐赤色の前駆細胞上の胎児抗原−iに特異的に結合し、0.2μgタンパク質/μl抗体溶液、好ましくはPBS中にある抗‐i抗体の20μl、
または
‐好ましくは膜表面上の抗原−iも含む、胎児有細胞核細胞に対して特異的である胎児前駆細胞の膜断片に対して好ましくはPBSの中に、0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を含む抗‐i‐plus抗体20μlのいずれかがさらに添加される。
【0088】
引き続いてさらに別の実施例において、上記抗体カクテル‐細胞フラクションに、
‐赤色の前駆細胞上の胎児抗原−iに特異的に結合し、0.2μgタンパク質/μl抗体溶液、好ましくはPBS中にある抗‐i抗体の20μl、および
‐胎児前駆細胞の膜断片、好ましくは膜表面上に抗原‐iをさらに含有し、有核胎児細胞に対して特異的で、0.2μgタンパク質/μl抗体溶液、好ましくはPBS中にある抗‐i plus抗体の20μlからなる混合物が付け加えられる。
【0089】
ラクト‐N‐ノル‐ヘキサオシルセラミドへの特異的結合を有する抗体の一種、および天然型のラクト‐N‐ノル‐ヘキサオシルセラミドに対し、および胎児細胞の膜断片に対する免疫性を付与したマウスおよび/またはラビットなどの脊椎動物のB‐リンパ球から用意され、さらに化学合成されたラクト‐N‐ノル‐ヘキサオシルセラミドに対する免疫性を付与したマウスおよび/またはウサギのB‐リンパ球から用意される抗‐i抗体の一種が抗‐i抗体として供給される。
【0090】
赤色の前駆細胞の膜断片、細胞内構造および/または細胞内分子への特異的結合を有する抗体、および赤色の前駆細胞の膜断片、細胞内構造および/または細胞内分子に対する免疫性を付与したマウスおよび/または例えば脊椎動物の別の種のB‐リンパ球に由来する抗‐i‐plus抗体が、抗‐i‐plus抗体として用意される。
【0091】
さらに別の実施例において、細胞フラクション(例えば1〜4×107細胞)としての白色様のバッフィーコート層は、ポリクロナール型の抗体からなる抗体‐カクテルと室温にて20分間インキュベートされ、細胞調製物の調製が行われる。ウサギ、ヒツジまたはウマから富化もしくは分離されたポリクローナルを有するこの抗体‐カクテルは、フルオレセイン‐、フィコエリトリンおよび/またはペリジニンクロロフィルプロテイン(PerCP)標識されたポリクローナル型の抗体(各抗体20μ)を0.2μgタンパク質/μlで、好ましくはPBS中に上記組成で含有し、インキュベーション条件は、モノクローナル抗体を用いた上述のとおりに実施される。
【0092】
ポリクローナルおよび/またはモノクローナル抗体とのインキュベーションの後に、これらは細胞調製物から、蛍光標識された抗体が結合した胎児細胞を用いた透過光特性、散乱光特性、蛍光の特性の利用の下、フローサイトメーター(例えばTyp Becton Dickinson,Vantage SE)を用いて、ならびに該胎児細胞のサイズ細胞およびその現存する細胞コンパートメントにも基づいて、105〜107倍の単離調製にまで該胎児細胞が分離される。
本発明は、好ましくは母性末梢血液からの産物としての胎児細胞の富化のための方法において、ステップa)で母性血液の採血後に1種または複数種の抗凝血剤を含有する、血液フラクションの調製のための溶液の存在下に血液が等張溶液で希釈され、ステップb)で血液フラクションが有細胞核胎児細胞による細胞フラクションの富化のために遠心分離される前記方法と、疾病の治療および遺伝子−および/またはゲノム分析の同定のための産物の使用とに関する。
【0002】
先行技術において胎児細胞の単離に利用される方法が知られている。前記胎児細胞は、続いてゲノム欠失、遺伝性疾患等々について分析される。母方の末梢血液からの胎児細胞の単離は、羊水穿刺または絨毛膜絨毛生検に基づく従来の方法が流産および感染の危険性を排除しないため、既存の疾病または発育障害の可能な限り早期の発見のために従来の方法の望ましくない重大な欠点を回避することを助けるために望ましい。
【0003】
特に胎児細胞の表面の変化なしに、たとえば一次構造、二次構造および表面で細胞壁もしくは細胞膜の中に配置された化合物の不変性を細胞の温和な処理のための基準として利用できる前記化合物の別の構造の変化なしに、前記胎児細胞を可能な限り温和に獲得することが望ましい。
【0004】
単離した胎児細胞とそのゲノムは、点突然変異、染色体異常、染色体変形のような遺伝性欠陥の分析のために使用することができ、先行技術と異なり事前に羊水または子宮器官から細胞を採取する必要がなく、そのため流産の危険性を排除することができる。
【0005】
セラミド化合物は赤血球細胞の前駆細胞の表面分子である。生後の発育中にポリラクトスアミノグリカンの分枝を生じることが想定される。成人の骨髄中の赤血球の前段階でも起こるこの炭水化物鎖の成熟過程がi−抗原(または抗原−iとも呼ぶ)としてラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミド化合物の減少および抗原−I(またはI−抗原とも呼ぶ)としてラクト−N−イソ−オクタオシル−セラミド化合物の増強を引き起こす。したがって抗原−Iは出産時に全般的に僅かにのみ形成される。約18か月で初めて成人の場合で有する量と濃度に達する。i−抗原は新生児の場合は完全に形成されている。したがって生誕後最初の18か月で失われてしまい、抗原−Iに代わる。
【0006】
ところで母性血液細胞の除去下およびその温和な富化下に胎児細胞の高富化を可能にする必要がある。高富化した胎児細胞のDNAは、分析結果が母性血液細胞のゲノムによって影響を及ぼさず、または全く変化させずに、遺伝子配列の一次構造ないし四次構造について説明を与えることができる。さらに遺伝性疾患のような疾患の治療と、その早期発見および治療に利用できる胎児への直接的侵襲なしに迅速かつ常に前記胎児からの産物もしくは細胞を調製する要望もある。
【0007】
米国特許公報第5437987号に、母性血液から胎児の赤血球細胞が富化され、ポリクロナールの抗体と胎児細胞とからなるコンプレックスが抗−i抗体の添加後に分離される方法が記載されている;この場合ポリクロナール抗体が胎児細胞の表面抗原iに結合する。
【0008】
抗体として、その抗原結合領域が抗原決定基として抗原のGal β−4−GlcNAc β−1−3−Gal β−1−4−GlcNAc β−1−3−Gal β−1−4−Glc鎖と特異的に結合するものが使用される。この線状の炭水化物鎖と対向して配向された抗体は、少なくとも2つの反復するN−アセチル−ラクトスミン単位を結合に必要とする。したがって最も単純なi‐活性構造はラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミドである。ラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミドまたはその誘導体に抗原として結合できる抗体は、本発明の意味で抗原−iと呼ばれる。
【0009】
従来の方法において、抗体抗原コンプレックスの分離のために磁気活性細胞選別法が適用されるが、これは胎児細胞が消滅しつつある僅かな割合および規模で抗体抗原コンプレックスの中に存在するため、あまり充分でない規模でのみ胎児細胞を富化することができる。
【0010】
求めている細胞は、余剰の母性細胞の中に極めて僅かに存在し、そのため胎児細胞が僅かな度合でのみ富化されるが、純粋にはならない。従来得られていた抗体の胎児特異的な性質の欠失によって、基本的に母体の血液細胞によるいわゆる細胞夾雑物を阻止することができない。さらに、磁気活性細胞選別法によっては細胞の分離が不可能である。
【0011】
したがって課題は、胎児細胞について高い富化率を可能にする温和な純化方法もしくは富化法を提供することである。この胎児細胞は産物として診断方法に導入することができる。
【0012】
本発明の課題は主請求項および従属請求項によって解決される。従属請求項は、本発明の有利な実施形態およびさらなる発展形態に関する。
【0013】
本発明は、好ましくは母体末梢血液からの産物としての胎児細胞の高富化のための方法において、
ステップa)で母体血液の採血後に血液フラクションの調製のために抗凝血剤を含有する溶液の存在下に血液が等張溶液によって希釈され、
ステップb)で血液フラクションが有細胞核胎児細胞を有する細胞フラクションの富化のために遠心分離され、前記方法が
ステップc)で前記細胞フラクションに、白血球の細胞内構造および/または白血球の細胞内分子および/または白血球の表面の抗原に特異的に結合する抗−w抗体と、
赤血球の有核前駆細胞の細胞内構造および/または赤血球の有核前駆細胞の細胞内分子および/または赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原に特異的に結合する抗−r抗体とを含有するポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗体からなる抗体カクテルが、好ましくは常温で15〜30分、さらにより有利には10〜20分間添加され、
ならびに
胎児細胞に結合した抗−rおよび抗−iと、必要な場合は抗 i plus抗体を包含する抗体コンプレックスを含有する細胞調製物の形成下に、
赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原としての抗原−iに特異的に結合するポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗−i抗体、
および/または
胎児前駆細胞の細胞内構造および/または胎児前駆細胞の細胞内分子および/または胎児前駆細胞の膜断片に特異的に結合するポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗‐i plus抗体が添加され、
および
ステップd)で前記細胞調製物から、胎児細胞が該胎児細胞に結合した抗−r抗体および/または抗−i抗体、好ましくはおよび/または抗−i plus抗体により、その散光特性および蛍光特性に基づき、胎児細胞の表面および細胞内部の性質ならびに105〜107倍の胎児細胞の富化を有するサイズ分布により、好ましくはその細胞単離に至るまで分離されることを特徴とする方法に関する。
【0014】
本発明の目的は、好ましくは胎児期における遺伝性疾患の治療のために、たとえばゲノム調査による診断方法に導入するために本発明による方法にしたがって製造可能である産物としての細胞フラクションの使用にも関係する。
【0015】
本発明のもう1つの目的は、静脈血液から以下のステップにより製造可能な胎児細胞を含むものである。
ステップa)血液フラクションの調製のため、母体から得られた採取後の血液を、抗凝血物質を含有する等張性溶液の存在下で希釈し、ならびに、
ステップb)有細胞核胎児細胞を有する細胞フラクションの富化の目的でこの血液フラクションを遠心分離し、
ステップc)この細胞フラクションを、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル型の抗体を有する抗体‐カクテルと共に室温で15〜30分間、好ましくは10〜20分間インキュベートし、ここに
‐白血球の細胞内構造および/または白血球の細胞内分子および/または白血球の表面の抗原に特異的に結合する抗‐w抗体、および
‐赤血球の有核前駆細胞の細胞内構造および/または赤血球の有核前駆細胞の細胞内分子および/または赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原に特異的に結合する抗‐r抗体が含まれ、さらに
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原としての抗原‐iに特異的に結合する、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル型の抗‐i抗体、および/または、
‐胎児前駆細胞の細胞内構造および/または胎児前駆細胞の細胞内分子および/または胎児前駆細胞の膜断片に特異的に結合する、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル型の抗 i plus抗体が含まれて、
胎児細胞に結合した抗体の抗−rおよび抗−iと、必要な場合は抗−i plusを包含する抗体コンプレックスからなる細胞調製物が形成され、
ステップd)前記細胞調製物から、胎児細胞が該胎児細胞に結合した抗−r抗体および抗−i抗体、好ましくはおよび/または抗 i plus抗体により、その散光特性および蛍光特性に基づき、胎児細胞の表面および細胞内部の性質ならびに105〜107倍の胎児細胞の富化を有するサイズ分布により、好ましくはその細胞単離に至るまで分離される。
【0016】
本発明の意味において、白血球または胎児前駆細胞の細胞内構造のもとに、たとえばミトコンドリア、小胞体および細胞核のような細胞内小器官が理解されている。
【0017】
本発明の意味において、白血球または胎児前駆細胞の細胞内分子のもとに、たとえば細胞特異的産物または化合物、たとえば酵素のようなタンパク質、胎児ヘモグロビンのようなタンパク質誘導体が理解されている。
【0018】
本発明の意味において、赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原のもとに、たとえばトランスフェリンレセプター分子が理解されている。
【0019】
本発明の意味において、付加もしくは添加のもとに、抗体‐カクテルおよび抗−i抗体および抗 i plus抗体の同時または順次的な添加が理解されている。
【0020】
たとえば順次初めに抗体カクテルを細胞フラクションに添加し、それに続き抗−i抗体を添加し、その後で抗 i plus抗体を添加してよい。
【0021】
同様に、順次初めに抗体カクテルを細胞フラクションに添加し、それに続き、抗i plus抗体を添加し、次いで抗−i抗体を添加することも可能である。
【0022】
また、抗体カクテル、抗−i抗体および抗 i plus抗体を同時に細胞フラクションに添加してもよい。
【0023】
本発明の意味において、付加もしくは添加のもとに、たとえば
ステップc)で初めに抗体カクテルが抗−w抗体と抗−r抗体とからなる混合物として細胞フラクションに添加され、
または
ステップc)で初めに抗−w抗体が細胞フラクションに添加され、その後で抗−r抗体が添加され、
または
ステップc)で初めに抗−r抗体が細胞フラクションに添加され、その後で抗−w抗体が添加される、などの抗体カクテルの同時または順次の添加としても理解されている。
【0024】
本発明の意味において、インキュベーションのもとに同時または順次に抗体カクテルおよび抗−i抗体および抗 i plus抗体の添加が行われ、この際、
ステップc)で初めに抗体カクテルが抗−w抗体と抗−r抗体とからなる混合物として細胞フラクションに添加され、または
ステップc)で初めに抗−w抗体が細胞フラクションに添加され、次いで抗−r抗体が添加され、または
ステップc)で初めに抗−r抗体が細胞フラクションに添加され、次いで抗−w抗体を添加することができる。
【0025】
ステップc)で、抗体カクテル、抗−i抗体または抗‐i plus抗体または抗−i抗体または抗‐i plus抗体の混合物の添加を同時または順次行ってよい。同様に、混合物がポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗−i抗体および/またはポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗 i plus抗体を含有してよい。
【0026】
本発明による方法において、母体の、好ましくは末梢の静脈および/または動脈のような血液から、たとえば腕静脈から血液フラクションが採取され、抗凝血剤として1種または複数種の従来の錯体形成剤を有する容器の中へ移される。錯体形成剤として、エチレンジアミンテトラ酢酸化合物、ヘパリン化合物、クエン酸化合物および/またはその塩類および/またはその誘導体を使用してよい。当業者にとり公知の濃度でエチレンジアミンテトラアセテート化合物もしくはその誘導体がそれに続き処理ステップで中間作用なしの好適な凝固インヒビターとして利用される。
【0027】
本発明の意味において、本発明による方法にしたがって富化され得て、かつ富化可能でもある胎児細胞のもとに、赤血球の胎児有細胞核前駆細胞が理解されている。被富化胎児細胞は、細胞核とトランスフェリンレセプターとを有する。
【0028】
本発明の意味において、トランスフェリンレセプターのもとに、細胞内への鉄イオン伝達物質の機能を担い、成熟した赤血球の細胞表面上に見い出されなくなるような化合物が理解されている。トランスフェリンは細胞内への鉄イオン伝達物質である。
【0029】
赤血球の前駆細胞からの成熟した細胞、すなわち無核赤血球は、本質的にその表面上にトランスフェリンレセプターをもたない。
【0030】
血液フラクションは、密度勾配遠心分離ステップに投じられる。密度勾配法において、本質的に有核胎児前駆細胞を分画からの他の細胞の該前駆細胞の様々な密度に基づいて富化できるが、同時に全分画中に出現する、いわゆるシュリーレン赤血球(Schlierung Erythocyten)のために細胞フラクションの中にも見い出される。
【0031】
有核細胞は、重力の影響下にその密度にしたがって、上部分画と、血液フラクションの希釈血漿と、クッションとしてのサッカロースからなる成分を有する下部分画との間の境界層(バッフィコート層とも呼ぶ)の中で富化される。
【0032】
サッカロースポリマー成分は、たとえば分子量70,000〜400,000ダルトン、好ましくは400,000ダルトンを有するサッカロースからなる合成ポリマー、たとえばフィコル、好ましくはコロイド状の、ポリビニルピロリドンを被覆したペルコル等々のようなシリカ粒子としてよい。サッカロースポリマー成分は、pH値7.2〜7.4の間、好ましくは7.2を有する緩衝生理食塩水からなる等張溶液の中にある。
【0033】
緩衝剤として、リン酸カリウム−および/またはリン酸ナトリウム緩衝剤、NaH2PO4、NaN3を含むまたは含まないNa3HPO4のような、従来の塩化ナトリウムを含有するものを使用してよい。
【0034】
そこでサッカロースポリマー等張溶液からなるクッションを、血液フラクションを用いて、必要な場合は体積比1:1(体積:体積)でその先行する希釈後にリン酸緩衝食塩緩衝液を用いて層状被覆してもよい;サッカロースポリマー溶液1体積部に血液フラクション1体積部が添加される。
【0035】
60分間まで、好ましくは約15〜60秒間、さらに好ましくは45秒間以上の800xgでの遠心分離後、赤色の、しかし物理的により高密度の赤血球がサッカロースクッションの中へ沈殿する。より低密度の有核胎児細胞は、クッションの上方に位置する希釈された血液フラクションと高密度な下方のクッションとの間の境界層に、いわゆるバッフィコート層とし集積する。規則的に白色の環として見えるバッフィコート層が容器の中へ移され、バッフィコート層の細胞フラクションがリン酸緩衝食塩緩衝液を用いて洗浄される。
【0036】
次に、洗浄した細胞フラクションが抗体インキュベーションに添加される。細胞フラクションは下記を含有してよい:
‐i−抗原および抗原−rおよび/または抗原‐i‐plusを有する赤血球の胎児有細胞核前駆細胞、
‐一部、i−抗原を含有し、トランスフェリンレセプターを含有しない胎児無細胞核赤血球、つまり成熟した赤血球、
‐一部、I−抗原およびトランスフェリンレセプターを有する赤血球の母性有細胞核前駆細胞、およびさらに
‐一部、I−抗原を有し、トランスフェリンレセプターを有さない母性無細胞核赤血球、つまり成熟した赤血球。
【0037】
密度勾配法に基づき富化された細胞フラクションの有核細胞は、通常、細胞フラクション内の胎児細胞20〜50個に比べ多数の母性細胞(1〜4x107細胞)を有する。
【0038】
以下の富化ステップにおいて、たとえばモノクロナール型および/またはポリクロナール型の種々の抗体の抗体カクテルが、抗体コンプレックスからなる細胞調製物を調製するために添加される。そこでステップc)で初めに抗体カクテルを抗−w抗体と抗−r抗体からなる混合物として細胞フラクションに添加してよく、あるいは
ステップc)で初めに抗−w抗体を細胞フラクションに添加し、次に抗−r抗体を添加してよく、あるいは
ステップc)で初めに抗−r抗体を細胞フラクションに添加し、次に抗−w抗体を添加してよい。
【0039】
したがって、好ましくは母性末梢血液からなる産物として胎児細胞の高富化のための方法を、以下のステップにより提供することができる。
ステップa)で母体血液の採血後に抗凝血剤を含有する血液フラクションの調製のための溶液の存在下に血液が等張溶液で希釈され、
ステップb)で血液フラクションが有細胞核胎児細胞による細胞フラクションの富化のために、好ましくは密度勾配を利用して遠心分離され、これは、
ステップc)で細胞フラクションに、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル型の抗体を有する抗体‐カクテルを好ましくは過剰量にて添加され、室温で5〜30分間、好ましくは10〜20分間、または5分または10分間インキュベートされ、ここには以下:
‐白血球の表面の抗原に特異的に結合可能な抗−w抗体、
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原としてのトランスフェリンレセプター分子に特異的に結合可能な抗−r抗体、
および/または
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原としての抗原−iに特異的に結合する抗体抗原−i、および好ましくは
‐胎児前駆細胞の膜断片に特異的に結合可能な抗 i plus抗体が含有されもよく、
胎児細胞に結合した抗体の抗−rおよび抗−iと必要な場合は抗−i plusを包含する抗体コンプレックスを含有する細胞調製物が形成され、
ステップd)細胞調製物から、胎児細胞が該胎児細胞に結合した抗−r抗体および/または抗−i抗体、好ましくはおよび/または抗−i plus抗体により、その散光特性および蛍光特性に基づき、胎児細胞の表面および細胞内部の性質ならびに105〜107倍の胎児細胞の富化を有するサイズ分布により、好ましくはその細胞単離に至るまで分離される。
【0040】
同様に、遺伝性疾患の治療のために、好ましくは胎児年齢で、たとえばゲノム調査による診断方法に導入するために、本発明による方法にしたがって製造可能である産物として細胞フラクションの使用を提供することができる。
【0041】
同様に、以下のステップにより製造可能な、静脈血からなる胎児細胞を提供することができる。
ステップa)血液フラクションの調製のための抗凝血剤を含有する等張溶液の存在下における、母体の調製血液の採血後の希釈と、
ステップb)有細胞核胎児細胞による細胞フラクションの富化のための、血液フラクションの遠心分離、好ましくは密度勾配遠心分離、
ステップc)細胞フラクションと、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル型の抗体を有する抗体‐カクテルとの、室温で5〜30分間、好ましくは10〜20分間、または5分または10分間のインキュベーション、ここには以下:
‐白血球の表面の抗原に特異的に結合可能な抗−w抗体、
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原としてのトランスフェリンレセプター分子に特異的に結合可能な抗−r抗体、
および
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原としての抗原−iに特異的に結合する抗−i抗体、および/または、
‐胎児前駆細胞の膜断片に特異的に結合可能な抗 i plus抗体が含有され、
ここで胎児細胞に結合した抗−r抗体および抗−i抗体および/または抗−i‐plus抗体を包含してもよい抗体コンプレックスからなる細胞調製物の形成下で含有され、
ステップd)胎児細胞に結合した抗−r抗体および抗−i抗体、好ましくはおよび/または抗 i plus抗体により、その散光特性および蛍光特性に基づき、胎児細胞の表面および細胞内部の性質ならびに105〜107倍の胎児細胞の富化を有するサイズ分布により、細胞調製物からの胎児細胞の好ましくはその細胞単離に至るまでの分離。
【0042】
抗体カクテルは、本発明による方法の実施形態において、以下のモノクロナール型および/またはポリクロナール型の抗体を包含してよい:
白血球、リンパ球のような、白血球に対して特異的である表面抗原に対する抗−w抗体、および
表面抗原に対して、ここでは赤血球の赤色のまだ有核の前駆細胞にとり特異的であるトランスフェリンレセプターに対する抗−r抗体、
表面抗原に対する、抗原−iに対する抗−i抗体
および/または
胎児有細胞核細胞に対して特異的である胎児前駆細胞の膜断片に対する、抗‐i plus抗体。
【0043】
抗体カクテルの添加に基づき、白血球、リンパ球のような白血球への抗−w抗体の結合によって有核白血球が抗−w抗体で標識され、廃棄される。
【0044】
本発明による方法の別の富化ステップにおいて、たとえばモノクロナール型および/またはポリクロナール型の種々の抗体の抗体カクテルが、抗体コンプレックスから細胞調製物を調製するために添加される。
【0045】
本発明による方法の抗体カクテルは、以下のモノクロナール型および/またはポリクロナール型の抗体を包含してよい:
白血球の細胞内構造および/または白血球の細胞内分子および/または、白血球、リンパ球のような白血球の表面の抗原に特異的に結合する抗−w抗体と、
赤血球の有核前駆細胞の細胞内構造および/または赤血球の有核前駆細胞の細胞内分子および/または赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原に特異的に結合し、たとえば表面抗原に対して、トランスフェリンレセプターに対しても、赤血球の赤色のまだ有核の前駆細胞にとり特異的である抗−r抗体。
さらに、
抗原−iに対するポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗−i抗体および
胎児前駆細胞の細胞内構造および/または胎児前駆細胞の細胞内分子および/または胎児前駆細胞の膜断片に特異的に結合し、胎児有細胞核細胞にとり特異的であるポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗‐i‐plus抗体を、
たとえば細胞フラクションとの同時のインキュベーションを行うべき場合、抗体カクテルが細胞フラクションに添加される前に、前記抗体カクテルに添加してよい。
【0046】
同様に、たとえば細胞フラクションとのインキュベーションを同時に行うべき場合、抗−i抗体のみを抗体カクテルに添加してよい。同様に、たとえば細胞フラクションとのインキュベーションを同時に行うべき場合、抗−i plus抗体のみを抗体カクテルに添加してよい。
【0047】
順次行ってよいインキュベーションの場合は、
細胞フラクションに、まず初めに抗体カクテルを添加し、それに続き抗体カクテルとの細胞フラクションのインキュベーション後に、抗‐i plus抗体または抗−i抗体を細胞フラクション‐抗体カクテルに添加してよく、
または、
細胞フラクションに、初めに抗体カクテルを添加し、それに続き抗体カクテルとの細胞フラクションのインキュベーション後に、抗−i抗体を抗‐i plus抗体と共に細胞フラクション‐抗体カクテルに添加してよい。
【0048】
さらに、胎児無核赤血球が抗原−iへの抗−i抗体の結合によって標識され、これらは廃棄されてもよい。
【0049】
さらに、富化されるべき、赤血球の胎児のまだ有核の前駆細胞が、
トランスフェリンレセプターへのもしくは赤血球の有核前駆細胞にとり特異的である表面の抗原への前記トランスフェリンレセプターの結合のような、たとえば赤血球の有核前駆細胞の細胞内構造の抗原および/または赤血球の有核前駆細胞の細胞内分子の抗原および/または赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原へ特異的に結合する抗−r抗体の結合による前記抗−r抗体の結合によって、
および
抗原−iへの抗−i抗体の結合によって、
および/または
必要がある場合、好ましくは胎児細胞の特異的富化をさらに努力して高めることができるようにするため、
胎児前駆細胞および/または胎児前駆細胞の細胞内分子および/または胎児前駆細胞の膜断片に対し特異的に結合する細胞内構造への抗 i plus抗体の結合によって、標識される。
【0050】
このように、赤血球の富化されるべき胎児のまだ有核の前駆細胞は、例えば前駆細胞の表面におよび/または表面上に抗−i抗体および抗−r抗体を有してよい。同様に、赤血球の富化されるべき胎児のまだ有核の前駆細胞は、たとえば前記前駆細胞の表面におよび/または表面上に、たとえば後続のステップd)で特異的に細胞分離を高めるために、抗−i抗体、抗−r抗体および抗‐i plus抗体をも有してよい。
【0051】
母体の成熟した赤血球は、トランスフェリンレセプターおよび抗原−iおよび/または抗原‐i‐plusの欠失に起因して、抗−w、抗−r、抗−iおよび/または抗 i plus抗体によって標識できず、もしくは抗−w、抗−r、抗−iおよび抗 i plus抗体に特異的に結合できず、これらは廃棄されるべきこととなる。
【0052】
本発明による胎児細胞の本発明による方法もしくは調製の特別の実施形態において、もう1つの中間ステップを方法ステップd)の前で実施してよい;細胞の磁気的な富化方法もしくは減損方法は、商業的に入手しうる、たとえば部分的に前記抗−r抗体および抗−w抗体に含まれる抗体を使用する;しかしこの方法では抗−iもしくは抗‐i‐plus種の抗体を含有できない。遠心分離後に、上記型の抗体、たとえば抗−wならびに抗−rによる磁気活性細胞選別法の付加的使用によって、本発明による方法を時間的に選別時に加速させることができる。また磁気活性細胞選別の使用は、本発明による方法の上記方法ステップもしくは本発明による胎児細胞の調製との組合せで、胎児細胞の純化の加速化を可能にする。
【0053】
もう1つの方法ステップにおいて、細胞調製物がフローサイトメーター法にかけられる。この方法によって、種々の抗体を用いて標識した細胞を標識した抗体と細胞とに基づき独自の様々な光散乱性および/または種々の算出した蛍光性に分け、互いに分離することができる。
【0054】
それに対応して抗体で標識した細胞がバイパスフロー法で個別懸濁液として測定室内でレーザ光によって励起され、光がそれに続き透過光検出器、散乱光検出器および蛍光検出器を利用して特性化される。さらに液流が偏向板を通過し、上記性質を利用して胎性として特徴づけられた細胞は、該細胞を液体噴射から側方に偏向させる電気パルスを受ける。それによって胎児細胞を純粋になるまで特に、たとえば微量滴定プレートのような対応する容器内に、個別細胞として選別することができる。
【0055】
フローサイトメーター法に基づき、胎児の赤血球前駆細胞が表面抗原iおよび/または表面抗原i plusによって胎児細胞として充分な方法で温和に富化される。
【0056】
ポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗体は、細胞、組織または器官から単離または精製した、天然のような抗原によって、および/または化学的に合成した抗原によって誘導されることができる。
【0057】
抗体カクテルステップのために準備される抗体は、たとえば
特異的に天然型(細胞から単離可能)および/または合成型(化学的に製造可能)のラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミド化合物または天然型(細胞から単離可能)および/または合成型(化学的に製造可能)のそれらの誘導体を有する抗−iとして、および/または
特異的に胎児前駆細胞の細胞内構造および/または胎児前駆細胞の細胞内分子および/または赤血球の胎児前駆細胞の膜断片を有する抗 i plusとして反応させることができるような抗体である。
【0058】
抗−iのための特異性を有する抗体はIgMクラスに帰属してよい。
【0059】
本発明の意味において、抗体のもとに、抗原iと特異的に反応できるような抗体も理解されている。特異的な抗体は、抗原の刺激作用の結果として産生される免疫グロブリンを表すことができる。
【0060】
ポリクロナール抗体は、ウマ、ヒツジ、マウスおよび/またはイエウサギ等々のような、各種の脊椎動物から製造することができる。モノクロナール抗体は、たとえばウマ、ヒツジ、マウスおよび/またはイエウサギ等々のような、各種の脊椎動物のBリンパ球から製造可能にすることができる。
【0061】
本発明の意味において、モノクロナール抗体のもとに、ラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミド化合物および/または化学的に合成でき、または細胞から天然精製可能にすることができる前記化合物の誘導体のような、ただ1つの抗原決定基に対してのみ特異的に配向したような免疫グロブリンが理解されている。
【0062】
モノクロナール抗体の抗−w、抗−rおよび抗−i、抗‐i plusは、従来のハイブリドーマ技術で合成可能である。この場合、ただ1つの抗体生成Bリンパ球が培養中にクローン化され、それによってモノクロナール抗体の抗−i、抗−rまたは抗−wまたは抗‐i plusを多量に得ることができる。たとえば抗原としてラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミド化合物に対して免疫化したマウスのBリンパ球が無制限に分裂しうるBリンパ球腫瘍の細胞と融合される。発生した融合産物から従来の選別媒体の使用によって一方で、たとえば抗−i抗体を製造し、他方で培養中で無制限に分裂する能力を得たハイブリッド細胞が選別される。前記ハイブリドーマ細胞の各個別細胞が永続的に増殖し、その際に一定のモノクロナール抗体を製造する個別細胞クローンの出発点である。
【0063】
モノクロナール抗体の抗−w、抗−r、抗−iおよび/または抗‐i plusは、同時にフルオロクロム抗体の調製のためにフルオレセイン−イソチオシアネート化合物(FITC)、PE等々と結合してよい。また大きく希釈する場合、抗原に結合可能である抗体は、蛍光標識によって検出可能であり、細胞選別法の収率を高める。
【0064】
抗−w抗体、抗−r抗体、抗−i抗体、抗‐i plus抗体として、マウス、ラット、イエウサギ、ヒツジ、ウマ等のような、哺乳動物のような脊椎動物で当業者に公知の方法にしたがって誘発および単離できるポリクロナール抗体も使用してよい。たとえば抗−i抗体は、マウス、ラット、イエウサギ、ヒツジ、ウマ等のような、脊椎動物、たとえば哺乳動物における天然型および/または合成型および/またはその天然型および/または合成型の誘導体のラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミドの添加によって、当業者に公知の方法にしたがって誘発および単離することができる。
【0065】
同様にポリクロナール抗体の抗‐i plusは抗体の様々な種からなる混合物としてよく、前記混合物は胎児前駆細胞の細胞内構造および/または胎児前駆細胞に対して特異的である細胞内分子および/または胎児前駆細胞に対して特異的である膜断片、たとえばマウス、ラット、イエウサギ、ヒツジ、ウマ等のような、脊椎動物、たとえば哺乳動物における赤血球の胎児前駆細胞のような、胎児の、好ましくは有核細胞の膜断片の処理によって誘発および富化または従来の方法で精製することができる。この混合物は、たとえば抗原−iに対して特異的であり、もしくは抗原−iに結合し、および表面分子もしくは赤血球の胎児前駆細胞のような、胎児細胞の膜断片の表面分子に特異的に結合し、もしくは前記表面分子と反応できる1つまたはそれ以上の種を含有する抗体としての種としてよい。
【0066】
抗体カクテルは、フルオレセイン−、フィコエリトリンおよび/またはペリジニン クロロフィル プロテイン(PerCP)を標識した、モノクロナール型、ポリクロナール型またはそれらの混合物の抗体(抗体あたり20μl)を0.1〜10.00μg、好ましくは0.2〜5.0μg、さらに有利には0.2μgタンパク質/μl抗体カクテルを、好ましくはPBSの中に含有してよい。
【0067】
抗体として細胞フラクションと同時にインキュベートするために以下の抗体カクテルを含有してよい:
‐白血球の表面の抗原に特異的に結合する、好ましくはPBS中に、0.1〜10.00μg、好ましくは0.2〜5.0μg、さらに好ましくは0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を有する抗−w抗体20μl、
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原に特異的に結合する、好ましくはPBSの中に、0.1〜10.00μg、好ましくは0.2〜5.0μg、さらに有利には0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を有する抗−r抗体20μl、
および
‐赤色の前駆細胞上の胎児抗原−iに特異的に結合する、好ましくはPBSの中に、0.1〜10.00μg、好ましくは0.2〜5.0μg、さらに有利には0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を有する抗−i抗体20μl。
【0068】
細胞調製物と抗体カクテルの混合比は、細胞調製物の中の実質的に105〜109、好ましくは107有細胞核細胞に対して、抗体カクテル0.1〜100.0μl、好ましくは10.0〜60.0μl、好ましくは20.0〜40.0μl、さらに有利には20μlにしてよい。
【0069】
もう1つの有利な調合物の中に、細胞フラクションと同時にインキュベートするために以下の抗体カクテルを含有してよい:
‐白血球の表面の抗原に特異的に結合する、好ましくはPBSの中に、0.1〜10.00μg、好ましくは0.2〜5.0μg、さらに有利には0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を有する抗−w抗体20μl、
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原に特異的に結合する、好ましくはPBSの中に、0.1〜10.00μg、好ましくは0.2〜5.0μg、さらに有利には0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を有する抗−r抗体20μl、
‐赤色の前駆細胞上の胎児抗原−iに特異的に結合する、好ましくはPBSの中に、0.1〜10.00μg、好ましくは0.2〜5.0μg、さらに有利には0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を有する抗−i抗体20μl、
および/または
‐好ましくは抗原−iも膜表面上に含有する、胎児有細胞核細胞に対して特異的である胎児の赤色の前駆細胞の膜断片に対する、好ましくはPBSの中に、0.1〜10.00μg、好ましくは0.2〜5.0μg、さらに有利には0.2μg、タンパク質/μl抗体溶液を有する抗−i plus抗体。
【0070】
同様に、上記濃度および量比で抗体を順次細胞フラクションに添加してもよい;たとえば添加物として
ステップc)で初めに抗体カクテルを抗−w抗体および抗−r抗体からなる混合物として、および
次に抗−iおよび/または抗‐i‐plusを
または
ステップc)で初めに抗体カクテルを抗−w抗体および抗−r抗体からなる混合物として、および
次に抗‐i‐plusおよび/または抗−iを、
または
ステップc)で初めに抗−w抗体および次に抗−r抗体を、
次いで抗−iおよび/または抗i‐plusを
または
ステップc)で初めに抗−w抗体および次に抗−r抗体を、
次に抗‐i‐plusおよび/または抗−iを
または
ステップc)で初めに抗−r抗体および次に抗−w抗体を、
次いで抗−iおよび/または抗‐i‐plusを
または
ステップc)で初めに抗−r抗体および次に抗−w抗体を、
次に抗‐i‐plusおよび/または抗−iを挙げることができる。
【0071】
抗‐i plus抗体は抗原−iと特異的に反応することができる;同様に抗‐i plus抗体は抗体の様々な種からなる混合物であってよく、たとえば1つの抗体が抗原−iに対して特異的であり、別の抗体が赤血球の胎児前駆細胞のような胎児細胞の膜断片の表面分子に特異的に結合し、もしくは前記表面分子と結合することができる。本発明の方法によるこの特別の実施形態においても、細胞調製物と抗体カクテルの混合比は、細胞調製物の中の有細胞核細胞105〜109、好ましくは107に対して抗体カクテル0.1〜100.0μl、好ましくは10.0〜60.0μl、好ましくは20.0〜40.0μl、さらに有利には20μlとしてよい。
【0072】
ラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミド化合物は天然に存在する物質で、表面抗原であり、これは天然型の化合物として前駆細胞から単離可能もしくは調製可能な、あるいは合成型の化合物として化学的に合成可能なものであってもよく、さらに健常な成人では血中に検出できない胎児細胞のための指標である。ラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミド化合物は、通常名称iと呼ばれる。これは反復するN−アセチルラクトスアミン単位からなる線状の非分枝の炭水化物鎖である糖分子からなる鎖である。最も簡単なi活性グルコースフィンゴリピドはラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミドである。
【0073】
同様に、ラクト−N−イソ−オクタオシル−セラミド化合物に対しておよび/またはその誘導体に対して特異的に反応する抗体を抗体カクテルの中に導入することも可能である。
【0074】
健常の成人の場合は抗原iが赤血球生成細胞上に、つまりラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミド化合物が検出されないため、この抗原iは末梢血液の細胞に好適な胎児マーカーである。全ての実験は、成人が抗原iを赤血球生成細胞上にはもたないが、胎児、新生児および小児、さらにまた妊婦の血液中には抗原iが表面化合物として見い出されることを示す。
【0075】
抗体カクテルの中に含有される抗体は統一された単一特異性をもつモノクロナール抗体である。このモノクロナール抗体は従来の当業者に公知のステップにしたがって合成される。抗原iは糖分子として制限された免疫原性作用を有しうるため、以下のように抗原iに対する抗体が実験用動物において製造される。
【0076】
1.ヒトのラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミド化合物の天然形態に対するもの
この目的のために、純粋の細胞が新生児の血液から従来の高性能細胞選別機を利用して時間のかかる方法(たとえばベクトン ディッキンソン、ヴァンテージSE)で単離され、これらは抗原ラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミド化合物としてのiを細胞の表面上に有する。これらの細胞は、たとえばイエウサギでポリクロナール抗血清の製造用としても、たとえばマウスでモノクロナール抗体の製造用としても利用される。
2.同様に、当業者の公知の方法にしたがって、抗原iラクト−N−ノル−ヘキサオシル−セラミドの化学合成形態に対する抗体を製造することも可能であり、抗原iが純粋形態で製造され、上記第1項に記載したように使用することができる。
【0077】
従来の方法と対比される本発明による方法の長所は、特に、
母性細胞による不純物のない胎児細胞の富化の可能性、
腹腔感染の危険性のない簡単な静脈穿刺による、好ましくは母性末梢血液からの胎児細胞の単離、
細胞を羊水または子宮器官から採取する必要性なしに、点突然変異、染色体異常、異数体のような、たとえば遺伝性欠陥に対する、遺伝子配列の診断方法への使用、疾病の治療、出生前診断のための本発明による方法にしたがって準備された細胞の調製、
たとえば羊水穿刺、脊索穿刺または絨毛膜絨毛生検の危険性のある方法を廃止して、既存の疾病または発育障害の可能な限り早期の発見のための早期発見検査に使用するための細胞の調製、ならびに
流産の危険性の低減である。
【0078】
(実施例)
本発明による教示の有利な実施形態および継続形成は、その他の点で有利な実施例の説明との関係で形式的に大きく拡大した方法で説明する。
【0079】
母性静脈血の採血は抗凝血剤を含有するリン酸緩衝等張溶液pH7.2、0.9%(w/v)NaCl、150mM、NaH2PO4/Na3HPO4、好ましくは保存用のNaN3を含み、(PBS)の中で25℃で血液フラクションの調製のために希釈される。血液フラクションは室温でバッフィコート層として有核胎児細胞による細胞フラクションの富化のために45秒間800xgで遠心分離される。
【0080】
次に白色様のバッフィコート層が細胞フラクション(たとえば1−4x107細胞)として、細胞調製物の調製のために20分間室温でモノクロナール型の抗体から抗体カクテルと共にインキュベートされる。
【0081】
抗体カクテルはフルオレセイン−、フィコエリトリンおよび/またはペリジニン クロロフィル プロテイン(PerCP)を標識した、PBSの中に抗体カクテル0.2μgタンパク質/μlを有するモノクロナール型の抗体(抗体あたり20μl)を含有する。
【0082】
抗体として、抗体カクテルは実施例において細胞フラクションと同時にインキュベーションするために次を含む:
‐白血球の表面の抗原に特異的に結合する、好ましくはPBSの中に0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を含む抗−w抗体20μl、
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原に特異的に結合する、たとえばPBSの中に0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を有する抗−r抗体20μl、および
‐赤色の前駆細胞上の胎児抗原iに特異的に結合する、好ましくはPBSの中に0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を含む抗−i抗体20μl。
【0083】
混合比は細胞調製物の中に105〜109、好ましくは107有細胞核細胞に対して抗体カクテル20μlになる。
【0084】
実施例のさらに他の調合物の中に、細胞フラクションと同時にインキュベートするための抗体カクテルが次を含む:
‐白血球の表面の抗原に特異的に結合する、好ましくはPBSの中に、0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を含む抗−w抗体20μl、
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原に特異的に結合する、好ましくはPBSの中に、0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を有する抗−r抗体20μl、
‐赤色の前駆細胞上の胎児抗原−iに特異的に結合する、好ましくはPBSの中に、0.2μgタンパク/μl抗体溶液を含む抗−i抗体20μl、および/または、
‐好ましくは膜表面上の抗原−iも含む、胎児有細胞核細胞に対して特異的である胎児前駆細胞の膜断片に対して好ましくはPBSの中に、0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を含む抗‐i‐plus抗体20μl。この混合比は細胞調製物の中の107有細胞核細胞に対して抗体カクテル20μlになる。
【0085】
実施例のさらなる1つの調製物において、抗体カクテルは最初に細胞フラクションでインキュベートされる抗−w抗体および抗−r抗体だけを含有し、それに続き抗体カクテル‐細胞フラクションに、抗−i抗体および/または抗‐i‐plus抗体の順次の添加が行われる。
【0086】
抗体カクテル
‐白血球の表面の抗原に特異的に結合し、0.2μgタンパク質/μl抗体溶液、好ましくはPBS中にある抗‐w抗体の20μl、および
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原に特異的に結合し、0.2μgタンパク質/μl抗体溶液、好ましくはPBS中にある抗‐r抗体の20μl、
但し、細胞調製物における混合比率は、抗体‐カクテル20μlに対し、有細胞核細胞105〜109となり、107となるのが好ましい。
【0087】
引き続いて、この抗体カクテル‐細胞フラクションに、
‐赤色の前駆細胞上の胎児抗原−iに特異的に結合し、0.2μgタンパク質/μl抗体溶液、好ましくはPBS中にある抗‐i抗体の20μl、
または
‐好ましくは膜表面上の抗原−iも含む、胎児有細胞核細胞に対して特異的である胎児前駆細胞の膜断片に対して好ましくはPBSの中に、0.2μgタンパク質/μl抗体溶液を含む抗‐i‐plus抗体20μlのいずれかがさらに添加される。
【0088】
引き続いてさらに別の実施例において、上記抗体カクテル‐細胞フラクションに、
‐赤色の前駆細胞上の胎児抗原−iに特異的に結合し、0.2μgタンパク質/μl抗体溶液、好ましくはPBS中にある抗‐i抗体の20μl、および
‐胎児前駆細胞の膜断片、好ましくは膜表面上に抗原‐iをさらに含有し、有核胎児細胞に対して特異的で、0.2μgタンパク質/μl抗体溶液、好ましくはPBS中にある抗‐i plus抗体の20μlからなる混合物が付け加えられる。
【0089】
ラクト‐N‐ノル‐ヘキサオシルセラミドへの特異的結合を有する抗体の一種、および天然型のラクト‐N‐ノル‐ヘキサオシルセラミドに対し、および胎児細胞の膜断片に対する免疫性を付与したマウスおよび/またはラビットなどの脊椎動物のB‐リンパ球から用意され、さらに化学合成されたラクト‐N‐ノル‐ヘキサオシルセラミドに対する免疫性を付与したマウスおよび/またはウサギのB‐リンパ球から用意される抗‐i抗体の一種が抗‐i抗体として供給される。
【0090】
赤色の前駆細胞の膜断片、細胞内構造および/または細胞内分子への特異的結合を有する抗体、および赤色の前駆細胞の膜断片、細胞内構造および/または細胞内分子に対する免疫性を付与したマウスおよび/または例えば脊椎動物の別の種のB‐リンパ球に由来する抗‐i‐plus抗体が、抗‐i‐plus抗体として用意される。
【0091】
さらに別の実施例において、細胞フラクション(例えば1〜4×107細胞)としての白色様のバッフィーコート層は、ポリクロナール型の抗体からなる抗体‐カクテルと室温にて20分間インキュベートされ、細胞調製物の調製が行われる。ウサギ、ヒツジまたはウマから富化もしくは分離されたポリクローナルを有するこの抗体‐カクテルは、フルオレセイン‐、フィコエリトリンおよび/またはペリジニンクロロフィルプロテイン(PerCP)標識されたポリクローナル型の抗体(各抗体20μ)を0.2μgタンパク質/μlで、好ましくはPBS中に上記組成で含有し、インキュベーション条件は、モノクローナル抗体を用いた上述のとおりに実施される。
【0092】
ポリクローナルおよび/またはモノクローナル抗体とのインキュベーションの後に、これらは細胞調製物から、蛍光標識された抗体が結合した胎児細胞を用いた透過光特性、散乱光特性、蛍光の特性の利用の下、フローサイトメーター(例えばTyp Becton Dickinson,Vantage SE)を用いて、ならびに該胎児細胞のサイズ細胞およびその現存する細胞コンパートメントにも基づいて、105〜107倍の単離調製にまで該胎児細胞が分離される。
Claims (27)
- 母体末梢血液からの産物として胎児有細胞核細胞を高富化するための方法において、
ステップa)で母体血液の採血後に血液フラクションの調製のために抗凝血剤を含有する溶液の存在下に血液が等張溶液によって希釈され、ならびに
ステップb)で前記血液フラクションが有細胞核胎児細胞を有する細胞フラクションの富化のために遠心分離され、前記方法が
ステップc)で前記細胞フラクションに、
‐白血球の細胞内構造および/または白血球の細胞内分子および/または白血球の表面の抗原に特異的に結合する抗−w抗体と、
‐赤血球の有核前駆細胞の細胞内構造および/または赤血球の有核前駆細胞の細胞内分子および/または赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原に特異的に結合する抗−r抗体とを含有するポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗体を有する抗体カクテルが添加され、引き続いて、
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原としての抗原−iに特異的に結合するポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗−i抗体、
および/または
‐胎児前駆細胞の細胞内構造および/または胎児前駆細胞の細胞内分子および/または胎児前駆細胞の膜断片に特異的に結合するポリクロナールおよび/またはモノクロナール型の抗 i plus抗体が添加されて、
抗体コンプレックスからなる細胞調製物の形成が行われ、
ならびに、
ステップd)で前記細胞調製物から、胎児細胞が該胎児細胞に結合した抗−r抗体および抗−i抗体、および/または抗−i‐plusにより、その散光特性および蛍光特性に基づき、その表面および細胞内部の性質ならびに105〜107倍の胎児細胞の富化を有するサイズ分布により分離されることを特徴とする方法。 - 前記ステップc)において、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル型の抗体からなる抗体カクテルが、室温で5〜30分間、細胞フラクションに加えられることを特徴とする、請求項1に記載の母体末梢血液からの産物として胎児細胞を高富化するための方法。
- 前記ステップc)において、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル型の抗体からなる抗体カクテルが、室温で10〜20分間、細胞フラクションに加えられることを特徴とする、請求項1または2に記載の母体末梢血液からの産物として胎児細胞を高富化するための方法。
- 前記ステップd)において、前記細胞調製物から、胎児細胞が該胎児細胞に結合した抗−r抗体および抗−i抗体、および/または抗−i plus抗体により、その散光特性および蛍光特性に基づき、その表面および細胞内部の性質ならびに105〜107倍の胎児細胞の富化を有するサイズ分布により分離されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の母体末梢血液からの産物として胎児細胞を高富化するための方法。
- 前記ステップa)において、静脈性および/動脈性の母体血液が採取されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の母体末梢血液からの産物として胎児細胞を高富化するための方法。
- 前記ステップa)において、血液が、pH7.2〜7.4のバッファーを有するNaCl含有溶液で希釈されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の母体末梢血液からの産物として胎児細胞を高富化するための方法。
- 前記ステップb)において、血液フラクションが、0.1〜60分間の800×gで遠心分離されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の、母体末梢血液からの産物として胎児細胞を高富化するための方法。
- 前記ステップb)において、血液フラクションが、15〜60秒の800×gで遠心分離されることを特徴とする、請求項7に記載の母体末梢血液からの産物として胎児細胞を高富化するための方法。
- 抗体として、脊椎動物、好ましくはウマ、ヒツジおよび/またはイエウサギからのポリクローナル抗体が用いられることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の母体末梢血液からの産物として胎児細胞を高富化するための方法。
- 抗体として、脊椎動物、好ましくはマウスおよび/またはラットからのモノクローナル抗体が用いられることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の母体末梢血液からの産物として胎児細胞を高富化するための方法。
- 前記ステップd)において、その細胞表面に結合した抗‐r抗体および抗‐i抗体により結合した胎児細胞が、フローサイトメーターを用いることで細胞調製物から分離されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の、母体末梢血液からの産物として胎児細胞を高富化するための方法。
- 前記ステップd)において、その細胞表面に結合した抗‐r抗体および抗‐i抗体および/または抗−i plus抗体により結合した胎児細胞が、フローサイトメーターを用いることで細胞調製物から分離されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の母体末梢血液からの産物として胎児細胞を高富化するための方法。
- 抗‐i抗体として、ラクト‐N‐ノル‐ヘキサオシルセラミドとの特異的結合を有する抗体が用いられることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の母体末梢血液からの産物として胎児細胞を高富化するための方法。
- 抗‐i抗体として、天然型のラクト‐N‐ノル‐ヘキサオシルセラミドに対して免疫化した脊椎動物、好ましくはマウス、ラットおよび/またはイエウサギのB‐リンパ球から調製されたモノクローナル抗体が用いられることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の母体末梢血液からの産物として胎児細胞を高富化するための方法。
- 抗‐i抗体として、化学合成型のラクト‐N‐ノル‐ヘキサオシルセラミドに対して免疫化した脊椎動物、好ましくはマウスおよび/またはラットのB‐リンパ球から調製されたモノクローナル抗体が用いられることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の母体末梢血液からの産物として胎児細胞を高富化するための方法。
- 抗‐i抗体として、天然型のラクト‐N‐ノル‐ヘキサオシルセラミドに対して免疫化した脊椎動物、好ましくはマウス、ラットおよび/またはイエウサギの血液から分離されたポリクローナル抗体が用いられることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の母体末梢血液からの産物として胎児細胞を高富化するための方法。
- 抗‐i抗体として、化学合成型のラクト‐N‐ノル‐ヘキサオシルセラミドに対して免疫化した脊椎動物、好ましくはマウスおよび/またはラットの血液から分離されたポリクローナル抗体が用いられることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の母体末梢血液からの産物として胎児細胞を高富化するための方法。
- 抗‐i plus抗体として、胎児前駆細胞の細胞内構造および/または胎児前駆細胞の細胞内分子および/または胎児前駆細胞の膜断片に対して免疫化した脊椎動物、好ましくはマウス、ラットおよび/またはイエウサギのB‐リンパ球から調製されたモノクローナル抗体が用いられることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の母体末梢血液からの産物として胎児細胞を高富化するための方法。
- 抗‐i plus抗体として、胎児前駆細胞の細胞内構造および/または胎児前駆細胞の細胞内分子および/または胎児前駆細胞の膜断片に対する免疫性を付与された脊椎動物、好ましくはマウス、ラットおよび/またはイエウサギの血液から分離されたポリクローナル抗体が用いられることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の母体末梢血液からの産物として胎児細胞を高富化するための方法。
- 遺伝性疾患の処置のための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の産物の使用。
- 胎児期における遺伝性疾患の処置のための、請求項20項に記載の産物の使用。
- ゲノム検査のための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の産物の使用。
- 胎児のゲノム検査のための、請求項22項に記載の産物の使用。
- 以下のステップ:
ステップa)血液フラクションの調製のため、母体から得られた採取後の血液を、一種または一種以上の抗凝血物質を含有する等張性溶液の存在下で希釈し、ならびに、
ステップb)有細胞核胎児細胞を有する細胞フラクションの富化の目的でこの血液フラクションを遠心分離し、
ステップc)この細胞フラクションを、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル型の抗体を有する抗体カクテルと共に室温で15〜30分間、好ましくは10〜20分間インキュベートし、ここに
‐白血球の細胞内構造および/または白血球の細胞内分子および/または白血球の表面の抗原に特異的に結合する抗‐w抗体、および
‐赤血球の有核前駆細胞の細胞内構造および/または赤血球の有核前駆細胞の細胞内分子および/または赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原に特異的に結合する抗‐r抗体が含まれ、さらに
‐赤血球の有核前駆細胞の表面の抗原としての抗原‐iに特異的に結合する、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル型の抗‐i抗体、および/または、
‐胎児前駆細胞の細胞内構造および/または胎児前駆細胞の細胞内分子および/または胎児前駆細胞の膜断片に特異的に結合する、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル型の抗 i plus抗体により、
胎児細胞に結合した抗体の抗−r、抗−iおよび/または抗−i‐plusを包含する抗体コンプレックスからなる細胞調製物が形成され、さらに
ステップd)この細胞調製物から、胎児細胞を、該胎児細胞に結合した抗体により、その散光特性および蛍光特性に基づき、その表面および細胞内部の性質ならびに105〜107倍の胎児細胞の富化を有するサイズ分布により分離する、
ことにより、静脈性および/または動脈性の母体血液から調製可能な、胎児細胞。 - 抗体カクテル、抗‐i抗体および/または抗 i plus抗体の添加が、同時にまたは連続して行われることを特徴とする、請求項24に記載の静脈性および/または動脈性の母体血液からの胎児細胞。
- 前記ステップc)において、細胞フラクションを、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル型の抗体からなる抗体カクテルと室温で10〜20分間インキュベーションすることにより調整可能である、請求項24または25に記載の静脈性および/または動脈性の母体血液からの胎児細胞。
- 抗‐i抗体として、
‐天然型および/またはその天然型の誘導体のラクト‐N‐ノル‐ヘキサオシルセラミドに対して免疫化した脊椎動物、好ましくはマウスおよび/またはラットのB‐リンパ球から、および/または、
‐化学合成型および/またはその化学合成型の誘導体のラクト‐N‐ノル‐ヘキサオシルセラミドに対して免疫化した脊椎動物、好ましくはマウスおよび/またはラットのB‐リンパ球から調製されるモノクローナル抗体を使用することを特徴とする請求項24〜26のいずれか1項に記載の静脈性および/または動脈性の母体血液からの胎児細胞。
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