JP2004363343A - 発光装置およびその形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学特性に優れた発光装置の製造歩留まりを向上させる。
【解決手段】本発明は、発光素子と、該発光素子からの光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を有する光を発光する蛍光体を含有する波長変換部材と、を有する発光装置であり、波長変換部材は、蛍光体と透光性無機部材とを含み、該蛍光体と透光性無機部材とが層状、ストライプ状、格子状、同心円状、ドット状、あるいはこれらの形状を少なくとも二種以上組み合わせた形状で発光素子に積層されてなることを特徴とする。さらには、波長変換部材は、発光素子の側から少なくとも第一の層と、第二の層と、該第二の層と屈折率の異なる第三の層とを順に積層してなり、第一の層は、レンズ形状を有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明用光源、LEDディスプレイ、バックライト光源、信号機、照光式スイッチ、各種センサー及び各種インジケータなどに利用される発光装置およびその形成方法に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、窒化ガリウム系化合物半導体を用いて構成された発光素子と、該発光素子からの光の少なくとも一部を吸収して発光する蛍光体とを組み合わせ、白色系の混色光を得ることができる発光装置が開発され、使用されるようになってきている。これらの発光装置は、例えば、実装基板等の支持体の一部に形成された凹部底面に発光素子が載置されており、さらに凹部内に充填された透光性部材に蛍光物質を含有させることにより波長変換部材とし、該波長変換部材が発光素子を被覆するように構成されている。このような波長変換部材は、例えばエポキシ樹脂やガラスのような透光性部材の材料中に蛍光物質を含有させた後、発光素子が載置された凹部内にディスペンサ等で滴下注入し、熱硬化させることにより形成される(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−99345号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の発光装置および波長変換部材の形成方法には、以下に述べるような問題が生じる。
【0005】
第一に、ガラス等の透光性無機部材を材料として波長変換部材を形成する際、上述したポッティング等の形成方法をとると、比較的割れやすい透光性無機部材を割れ難い厚さに形成しようとしても波長変換部材の膜厚の制御が非常に困難である。また、上述したポッティング等の形成方法は、波長変換部材からの光の取り出し効率や配光性、混色性を考慮した形状に波長変換部材を成型することが容易でない。
【0006】
第二に、発光素子の周辺で蛍光物質の含有量や分布が異なると、発光観測方位によって均一な発光が得られない。波長変換部材中に含有された蛍光物質は、該蛍光物質の含有量や分布などによって発光装置の外部に放出される光量および蛍光体により波長変換された光量を大きく左右するからである。また、発光装置ごとに蛍光物質の含有量や分布が異なると、発光装置ごとに色度、光量等の光学特性のバラツキが生じ、発光装置の製造歩留まりが低下する。
【0007】
第三に、励起吸収スペクトルや発光スペクトルの異なる多種の蛍光体を混合させ波長変換部材に含有させた場合、ある蛍光体により波長変換された光が別の蛍光体に吸収される等の問題が生じ、発光装置から出光する混色光の演色性等の光学特性に影響を与える。このような蛍光体の特性を考慮し、上述したポッティングによる形成方法にてそれぞれ異なる蛍光体を含有する波長変換部材を好ましい形態に配置しようとしても、各波長変換部材を発光観測方位によって均等な配置とすることが困難である。
【0008】
第四に、発光素子を凹部内に載置した後に波長変換部材にて発光素子を被覆する工程を経て発光装置を形成し、所望の発光特性を満たす発光装置のみを得ると、工程や発光装置の構成部材に無駄が生じるため、作業性よく所望の発光装置を形成することができない。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題を解決し、蛍光体の含有量および分布を均一とさせた発光装置を製造歩留まりよく容易に得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために本発明に係る発光装置は、発光素子と、該発光素子からの光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を有する光を発する蛍光体を含有する波長変換部材と、を有する発光装置であって、前記波長変換部材は、前記蛍光体と透光性無機部材とを含み、該蛍光体と透光性無機部材とが層状、ストライプ状、格子状、同心円状、ドット状あるいはこれらの形状を少なくとも二種以上組み合わせた形状で前記発光素子に積層されてなることを特徴とする発光装置である。
【0011】
このように構成すると、発光装置の耐光性を考慮して、ガラス等の透光性無機部材を材料とする波長変換部材が割れ難い厚さおよび形状にされ、信頼性の高い発光装置とすることができる。また、波長変換部材中に含有された蛍光物質は、発光観測方位によって蛍光物質の含有量や分布を一定とすることができ、発光装置の発光観測方位によって均一な発光を得ることができる。
【0012】
また、前記波長変換部材は、前記発光素子の側から少なくとも第一の層と、第二の層と、該第二の層と屈折率の異なる第三の層とを順に積層してなり、前記第一の層は、レンズ形状を有する。レンズ形状は、該第n(n≧1)の層を出射する光を第n+1層と第n+2の層との界面において全反射されない方向へ配光性を制御する形状と有することもできる。このように構成すると、第二の層を透過する光、あるいは第二の層により波長変換され該第二の層を出射する光の取り出し効率が向上する。また、発光装置の発光観測方位によって均一な発光を得ることができる。
【0013】
また、前記波長変換部材は、前記透光性無機部材の成分元素の少なくとも一種を含む緩衝層を介して前記発光素子に対し積層されてもよい。このように構成すると積層体と発光素子との密着性が向上するため、信頼性の高い発光装置とすることができる。
【0014】
また、前記第一の層および前記第二の層は、互いに組成の異なる蛍光体および/又は異なる種類の透光性無機部材をそれぞれ含有する。このように構成すると、発光素子からの光と多種の蛍光体による蛍光との混色光を発光可能な発光装置とすることができる。また、各蛍光体同士の吸収・発光特性を考慮し、発光装置の光学特性が向上するような順番に波長変換部材を積層させた発光装置とすることができる。
【0015】
また、前記透光性無機部材は、IIIA族元素およびIIIB族元素を少なくとも一種以上含む酸化水酸化物または水酸化物からなるものとすることができる。このように構成することにより、高出力の光によっても着色劣化することのない波長変換部材とすることができるため、信頼性の高い発光装置とすることができる。
【0016】
また、前記酸化水酸化物または水酸化物は、結晶水を含む。また、前記透光性無機部材は、少なくともAlを含む水酸化物、酸化水酸化物または酸化物からなる。また、前記透光性無機部材は、少なくともYを含む水酸化物、酸化水酸化物または酸化物からなる。また、前記透光性無機部材は、さらに酸化ホウ素またはホウ酸を含む。このように構成することにより、更に高出力の光によっても着色劣化することのない波長変換部材とすることができるため、更に信頼性の高い発光装置とすることができる。
【0017】
また、前記蛍光体の少なくとも一種は、Nを含み、かつBe、Mg、Ca、Sr、Ba、及びZnから選択された少なくとも一つの元素と、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、及びHfから選択された少なくとも一つの元素とを含み、希土類元素から選択された少なくとも一つの元素で付活された蛍光体としてもよい。このように構成すると、窒化物系蛍光体による蛍光と発光素子からの発光との混色光を発光可能な発光装置とすることができる。
【0018】
また、前記蛍光体の少なくとも一種は、Alを含み、かつY、Lu、Sc、La、Gd、Tb、Eu及びSmから選択された少なくとも一つの元素と、Ga及びInから選択された一つの元素とを含み、希土類元素から選択された少なくとも一つの元素で付活された蛍光体としてもよい。このように構成すると、アルミニウム・ガーネット系蛍光体による蛍光、発光素子からの発光あるいは窒化物系蛍光体による蛍光との混色光を発光可能な発光装置とすることができる。
【0019】
さらに本発明は、発光素子と、該発光素子からの光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を有する光を発する蛍光体を含有する波長変換部材とを有する発光装置の形成方法であって、透光性無機部材を生成するゾル溶液と前記蛍光体との混合物を調整し、前記蛍光体を該混合物中で均一に分散させる第一の工程と、前記混合物を前記発光素子に塗布し、硬化させる第二の工程とを有し、該第二の工程は、発光素子のウエハ、あるいは支持基板に載置された発光素子に対して繰り返し行われることを特徴とする発光装置の形成方法である。このような形成方法とすると、蛍光体の含有量および分布を均一とさせた発光装置を製造歩留まりよく容易に得ることができる。また、第二の工程は、発光素子が半導体ウエハの状態としてある段階、および/または支持基板としてチップ化されるサブマウントのウエハに発光素子が載置された状態としてある段階で、発光素子に対して行われるため、工程や発光装置の構成部材に無駄を生じさせることなく、作業性よく所望の発光装置を形成することができる。さらに、第二の工程は、同一ウエハに対して複数回行われることにより、波長変換部材の膜厚を調整し、波長変換部材に含まれる透光性部材の割れを防ぐことができる。
【0020】
また、前記二の工程は、レーザー照射またはVUV照射を受けた前記発光素子の基板面に対して行われる。このような形成方法をとることにより、波長変換部材と半導体ウエハ表面との密着性を向上させることが容易にできる。
【0021】
また、前記二の工程は、前記ゾル溶液の成分元素の少なくとも一種を含む緩衝層を設けた発光素子に対して行われる。このような形成方法をとることにより、波長変換部材と発光素子との密着性を向上させ、信頼性の高い発光素子とすることができる。
【0022】
また、前記第二の工程は、組成の異なる複数種の蛍光体により行われる。このように形成すると、各種蛍光体の吸収・発光特性を考慮し、発光装置の光学特性が向上するような順に異なる種類の波長変換部材を積層させた発光装置を容易に形成することができる。
【0023】
また、組成の異なるゾル溶液をぞれぞれ含有する複数種の混合物により、前記第二の工程が行われる。このように形成することにより、それぞれ屈折率の異なる多層な波長変換部材を形成することが容易にできる。
【0024】
また、前記ゾル溶液は、少なくともIIIA族元素およびIIIB族元素から選択される1種以上の元素を含む化合物のゾル溶液である。このように形成することにより、高出力の光によっても着色劣化することのない波長変換部材とすることができるため、信頼性の高い発光装置とすることが容易にできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、以下に図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置を例示するものであって、本発明は発光装置を以下に限定するものではない。また、各図面に示す部材の大きさや位置関係などは説明を明確にするために誇張しているところがある。
【0026】
蛍光体と発光素子を有する従来の発光装置は、発光素子の発光を発光観測面方向に反射させるカップの底面に発光素子を載置させ、さらにカップ内に充填された樹脂は、発光素子からの光の少なくとも一部を吸収し波長変換して蛍光を発する蛍光物質を含有する波長変換部材として発光素子を被覆している。このような波長変換部材は、蛍光物質が含有された樹脂材料を発光素子が載置されたカップ内にディスペンサ等で滴下注入し、熱硬化させることにより形成される。
【0027】
しかしながら、上記の形成方法によれば、樹脂材料の代わりにガラス等の透光性無機部材をディスペンサ等で滴下注入し、薄膜かつ割れ難い膜厚に硬化させることは容易でない。
【0028】
また、上記の形成方法による波長変換部材は、蛍光物質が含有された樹脂材料の量を同じくして滴下したとしても、含有される蛍光体の量やその分布状態まで各発光装置ごとに同じくすることは困難である。そのため、発光装置ごとに色度等の光学特性のバラツキが生じ、発光装置の製造歩留まりを低下させる。特に、組成の異なる複数の種類の蛍光体をそれぞれ含有させた波長変換部材を多層に形成した場合、各層の蛍光体の分布状態は層ごとに、さらには発光装置ごとに異なることとなるため、発光装置ごとの光学特性のバラツキはより一層顕著なものとなる。
【0029】
そこで本発明者らは、発光素子と、該発光素子からの光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を有する光を発する蛍光体を含有する波長変換部材と、を有する発光装置であって、特に波長変換部材が、前記蛍光体と透光性無機部材とを含み、発光素子に対して層状、ストライプ状、格子状、同心円状、ドット状あるいはこれらの形状を少なくとも二種以上組み合わせた積層体とすることにより、上術したような発光装置に関する問題を解決するに至った。即ち、各蛍光体をそれぞれの別々の透光性無機部材で結着させ、層状に積層することにより多重構造の波長変換部材を形成するようにする。このように波長変換部材を多重薄膜として構成する場合、それぞれの蛍光物質の光透過率を考慮して、発光素子に対し赤色蛍光物質層、緑色蛍光物質層、及び青色蛍光物質層という順に積層すると、全ての層に均等に励起光を吸収させることができる。そのほか、所望の光学特性が得られるよう、ストライプ状、格子状、またはトライアングル状、ドット状となるように各蛍光体が含まれる各波長変換部材を配置する。また、各波長変換部材の間に間隔を設けて配置させるようにしてもよく、これにより混色性を良好にできる。またさらに、素子の周囲を全て覆うように波長変換部材を形成すると、素子からの光を洩れなく波長変換できるため、蛍光体による波長変換効率が向上し、紫外光を励起光とした場合には、紫外光の漏れを防止できるので好ましい。
[実施の形態1]
図1および図3は、本実施の形態にかかる発光素子の模式的断面図である。また、図2および図4は、本実施の形態にかかる発光素子の形成方法を模式的に示す断面図である。また、図22(a)から図22(d)は、波長変換部材132がそれぞれストライプ状(a)、格子状(b)、同心円状(c)およびドット状(d)に形成された発光素子131を例示する模式的な上面図である。以下、図面に基づき本実施の形態をより詳細に説明する。
【0030】
図1に示されるように、本実施の形態にかかる発光装置は、例えば孔版印刷により形成された波長変換部材101を発光素子の基板102側表面に有する。図1に示される波長変換部材101は、断面が層状であるが、発光素子の基板102側から見て、ストライプ状(図22(a))、格子状(図22(b))、またはトライアングル状、ドット状(図22(d))となるように各形状を組み合わせて波長変換部材を配置してもよい。なお、本発明における塗布方法は、孔版印刷に限定されず、インクジェット塗布、スピンコート塗布およびスプレーコーティング、あるいはそれらを少なくとも一種以上組み合わせた種々の塗布方法とすることができる。本実施の形態にかかる発光素子100、200は、サブマウント基板の表面に施された導電性パターン、あるいは支持体に挿入されたリード電極に対して、発光素子の正負一対の電極が対向するように電気的に接続することにより、図20および図21に示されるような発光装置とすることができる。
【0031】
また、図3に示されるように、本実施の形態にかかる発光素子300は、組成の異なる蛍光体がそれぞれ含有され多層に積層された波長変換部材101、103を発光素子の基板102側に有する。
【0032】
また、本実施の形態の発光素子300は、例えば図5に示されるように、発光素子の電極の位置を除く電極面側の表面と側方端面に対して形成された波長変換部材101、103を有する。このような発光素子300は、発光素子の基板面を実装面に対して固定し、正負一対の両電極を外部電極やリード電極と導電性ワイヤにより接続することにより発光装置とすることができる。
【0033】
ここで、本発明における波長変換部材は、蛍光体が少なくともAl、Ga、Ti、Ge、P、B、Zr、Y、Sn、Pb、Gd、Lu、Sc、Inあるいはアルカリ土類金属の群から選択される1種以上の元素を含む化合物のゾル溶液から生成される透光性無機部材により固着され形成されている。また、本発明における孔版印刷とは、例えば謄写版やスクリーン印刷などの薄膜形成方法をいう。さらに、本発明における孔版とは、例えば謄写版やスクリーン印刷などの薄膜形成方法に使用され、メッシュ状に貫通孔が設けられたマスクをいう。
【0034】
さらに、本発明者らは、透光性無機部材を生成するゾル溶液と蛍光体との混合物を調整し、蛍光体を該混合物中で均一に分散させる第一の工程と、上記混合物を発光素子に塗布し、硬化させる第二の工程とを有し、該第二の工程は、ウエハ状態の発光素子、あるいはサブマウント基板のウエハに載置された発光素子に対して繰り返し行われることを特徴とする発光装置の形成方法とすることにより、上述したような形成方法に関する問題を解決するに至った。即ち、本発明に係る波長変換部材の形成方法は、図2および図4に模式的に示されるように、孔版を用いた形成方法であり、少なくとも以下の工程1から工程4を有することを特徴とする。
【0035】
工程1.少なくとも少なくともAl、Ga、Ti、Ge、P、B、Zr、Y、Sn、Pb、Gd、Lu、Sc、Inあるいはアルカリ土類金属の群から選択される1種以上の元素を含む化合物のゾル溶液と、蛍光体との混合物の粘度を調整し、蛍光体を混合物中で均一に分散させる第一の工程。
【0036】
本工程における少なくとも少なくともAl、Ga、Ti、Ge、P、B、Zr、Y、Sn、Pb、Gd、Lu、Sc、Inあるいはアルカリ土類金属の群から選択される1種以上の元素を含む化合物は、例えばアルミニウムアルコレートのような金属アルコキシドが挙げられる。本工程では、金属アルコキシドのゾル溶液またはコロイド溶液に蛍光体を含有させ、ゾル溶液のゲル化(本明細書中において、「ゲル」とはゾルが流動性を失った固体と液体とからなるコロイド系をいう。)を抑制する安定剤を添加することによって混合液の粘度を調整し、蛍光体が混合液中で均一に分散している状態に撹拌する。ここで、蛍光物質の均一分散性を保持するためには、蛍光体の比重も考慮する必要があるが、粘度は、B型粘度計で5×10PS以上1×10PS以下が好ましく、より好ましくは9×10PS以上3×10PS以下である。このように粘度を調整することによって作業性よく孔版印刷を行うことができる。また、本実施の形態に用いられる上記化合物は、安定剤の量とゾル溶液の種類を適宜選択し溶液粘度を調整することにより、混合液にチキソ性を与えることが容易にできる。チキソ性を有する混合液とすることによって、作業性よく孔版印刷を行うことができる。
【0037】
工程2.ストライプ状、格子状、同心円状、渦巻き状、トライアングル状、ドット状等、所望の形状が得られるようにパターニングされた孔版を発光素子に対して固定配置する第二の工程。
【0038】
発光素子に対して、ストライプ状、格子状、同心円状、渦巻き状、トライアングル状、ドット状等、所望の形状にパターンが設けられた孔版を載置する。このとき、発光素子の電極の位置等、波長変換部材を載置させたくない位置にはマスクとなる側壁110を形成することが好ましい。このようなマスクは、孔版の一部として設けてもよく、波長変換部材の形成後に孔版とともに除去される。また、発光素子に対してスパッタリング等の方法により、透光性部材の成分元素の少なくとも一種を含む緩衝層を予め形成しておくことが好ましい。このように形成することにより、波長変換部材が透光性部材の成分元素の少なくとも一種を含む緩衝層を介して積層した発光素子とすることができ、波長変換部材と発光素子との界面における密着性が向上するため、波長変換部材の剥がれを防止することができる。また、発光素子の基板に波長変換部材を形成する場合、発光素子の基板面に対し、予めレーザ照射またはVUV照射を行っておくことが好ましい。このように表面処理を行った後波長変換部材を形成することにより、波長変換部材と発光素子の基板面との密着性が向上するため、波長変換部材の剥がれを防止することができる。
【0039】
工程3.混合物を貫通孔内に注入し少なくとも発光素子の表面を被覆した後、硬化させる第三の工程。
【0040】
第一の工程で調整された混合液を、蛍光体の均一な分散状態を維持したまま、孔版の貫通孔内に注入して発光素子の表面を被覆する。例えば、図2に示されるように、へら108を発光素子基板102と平行な方向に移動させることにより、へら108の進行方向にある上記混合液を貫通孔内に注入して発光素子基板102面を被覆する。そして、加熱乾燥させることにより、混合液を硬化させる。ゾル溶液がチキソ性を有する場合は、蛍光体の均一な分散状態を維持し、孔版のメッシュ状に設けた貫通孔内に注入して硬化させることが容易にできる。本工程において、波長変換部材の膜厚が所望の膜厚に達するまで孔版印刷と硬化の工程を繰り返すことが好ましい。透光性無機部材にて波長変換部材を形成する際、本発明は、比較的割れやすい透光性無機部材を割れ難い膜厚に容易に制御して形成することができる。また、初回の波長変換部材の形成が終了した後、組成の異なる蛍光体や異種の透光性無機部材の材料をそれぞれ含有させた混合液を多数用いることにより、層毎にそれぞれ異なる波長に変換したり、層毎に屈折率の異なる多層な波長変換部材を有する発光装置とすることが容易にできる。また、ストライプ状、格子状、同心円状、渦巻き状、トライアングル状、ドット状等、所望の形状にパターンが設けられた多種の孔版を使い分けることにより、第n(n≧1)の番目の波長変換部材と、その上に設けられる第n+1番目の波長変換部材の形状を異ならせることができる。また、同じパターンの孔版でも発光素子(半導体ウエハ)に対する孔版の配置を異ならせることにより、例えば、異なる種類の蛍光体が交互に配列されたストライプ形状のように、所望の形状の多層構造とすることができる。
【0041】
工程4.さらに、本発明にかかる波長変換部材の形成は、発光素子がチップ毎に分割される前の段階、即ち発光素子のウエハの状態で、あるいは載置された発光素子を支持する支持基板(例えばサブマント基板)としてチップ毎に分割される前の段階、即ち支持基板のウエハに対して行うことができる。例えば、図2または図4に示されるように、波長変換部材の形成は、発光素子としてチップ毎に分割される前の半導体ウエハのときに、半導体発光素子基板102面に対して行うことができる。また、図14に示されるように、波長変換部材の形成は、発光素子をウエハ状態にあるサブマウント基板に載置した後、サブマウント基板としてチップ毎に分割される前に、サブマウント上面で発光素子の周囲を被覆するように行うこともできる。
【0042】
蛍光体と発光素子とを備える発光装置の従来の形成方法は、発光素子を支持体の一部に形成された凹部内に載置した後、波長変換部材にて発光素子を被覆する工程を経て発光装置を形成し、工程の最終段階で発光特性の検査等を行って所望の光学特性を満たす発光装置のみを得るという方法である。したがって、所望の光学特性を満たさない発光装置に対して費やされた工程、および発光装置の構成部材が無駄となってしまう。また、発光素子毎に光学特性のバラツキが生じ、均一な光学特性を有する発光素子を量産性良く得ることができない。それに対して、本発明による形成方法は、発光素子あるいはサブマウント基板がチップ毎にカットされる前のウエハの段階で波長変換部材を形成し、パッケージ等の支持体の一部に形成された凹部内に載置する前に発光特性の検査を行うため、工程や構成部材の無駄を生じさせることなく、均一な所望の光学特性を有する発光装置を量産性よく形成できる。また、発光素子の側から第一層目、第二層目、…、第n層目(n≧1)と順に波長変換部材を積層させる場合、第一層目の波長変換部材を発光素子毎にカットされる前の半導体ウエハの段階で形成し、第一層目の波長変換部材が形成された発光素子を支持体あるいはサブマウントに固定した後に、第二層目の波長変換部材を形成することもできる。
[実施の形態2]
本実施の形態における波長変換部材は、蛍光体と透光性無機部材とを含み、発光素子に対して層状、ストライプ状、格子状、同心円状、渦巻き状、ドット状あるいはこれらの形状を少なくとも二種以上組み合わせた積層体であり、特に、積層体が発光素子の側から第n(n≧1)の層と第n+1の層を順に積層してなり、第nの層は、該第nの層により波長変換された光が第n+1の層と第n+2の層の界面において全反射されない方向へ進行するように光学制御するレンズ形状を有することを特徴とする。即ち、第nの層から出射した光は、該第nの層のレンズ形状により、第n+1の層と第n+2の層の界面に対して、その臨界角θより小さい角度で入射するように進行方向を制御される。なお、本実施の形態においては第nの層に蛍光体が含有されるが、第nの層に蛍光体が含有されない構成としてもよい。この場合、第nの層は、発光素子の側から進行してきた光を波長変換することなく、第n+1層と第n+2の層の界面において全反射されない方向へ進行するように光学制御するレンズ形状を有する。
【0043】
図7および図8に基づき本実施の形態をより詳細に説明する。本実施の形態の発光装置における波長変換部材は、例えば図7に示されるように、発光素子の基板102の側から第一の層701、第二の層702および該第二の層と屈折率の異なる第三の層703が発光素子に対して順に積層された積層体としてなる。さらに、第一の層701は、該第一の層701に含有される蛍光体により波長変換された光が、第二の層702と第三の層703の界面において全反射されない方向へ集光させるレンズ形状を有する。一方、図8に示される波長変換部材は、発光素子の基板102の側から第一の層801、第二の層702および該第二の層と屈折率の異なる第三の層703が順に発光素子に対して層状に積層された積層体としてなる。
【0044】
図7あるいは図8に示されるように、波長変換部材の積層体を構成する第二の層702と第三の層703を発光素子の側から徐々に屈折率が減少していく構成とすることで、発光素子からの光の取り出し効率が向上する。ここで、第二の層と屈折率の異なる第三の層は、透光性無機部材を生成するゾル溶液の種類、あるいは含有される蛍光体の組成を適宜調節することにより容易に形成される。
【0045】
しかし、図8に示されるような屈折率の異なる層を積層させてなる波長変換部材では、第二の層702と第三の層703の界面における臨界角θより大きい角度で第一の層701からの光が該界面に入射することもある。この場合、矢印として示されるように屈折率の異なる第二の層702と第三の層703の界面で発光素子の側から進行してきた光の全反射が起こり、発光観測面方向から出光する光の割合が減少する。そこで、本実施の形態における波長変換部材は、図7に示されるように該界面の直前に形成される第一の層701を特定のレンズ形状とし、該発光素子の側から進行してきた光、あるいは第一の層701により波長変換された光を所定の方向に集光させて波長変換部材から出射させる構成とする。
【0046】
このように構成することにより、波長変換部材を構成する第一の層701から出射する光が、第二の層と第三の層の界面において全反射されたり発光観測面方向とは異なる方向へ進行することを抑制できるため、発光装置からの光の取り出し効率を向上させることができる。
【0047】
以下、本発明の実施の形態における各構成について詳述する。
[波長変換部材]
本発明における波長変換部材とは、LEDチップからの発光を異なる波長を有する光に変換する蛍光体と、該蛍光体を結着させる透光性無機部材とを含み、層状、ストライプ状、格子状、同心円状、渦巻き状、ドット状あるいはこれらの形状を少なくとも二種以上組み合わせた積層体として、発光素子周辺に設けられるものである。
(透光性無機部材)
本発明における透光性無機部材とは、蛍光体同士、あるいは蛍光体を発光素子周辺に結着させる材料であり、波長変換部材の一部を構成する材料である。蛍光体を発光素子の周囲に結着させる材料の具体例としては、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコーンなどの耐候性に優れた透明樹脂も挙げることもできるが、本発明ではシリカゾルのゲル化生成物、更に耐光性に優れたアルミナゾルやイットリアゾルのゲル化生成物、硝子などの透光性無機部材が好適に用いられる。
【0048】
従来のように樹脂の中に蛍光体を分散させた構成では、ほとんどの樹脂が青色光に含まれる紫外線により劣化するために長時間の使用に耐え得る素子を構成することができず、紫外域で発光する発光素子を用いた白色発光装置の実用化はさらに困難であった。これに対して、本発明により形成された透光性無機部材により蛍光体がバインド(結着)されてなる波長変換部材は、従来の樹脂とは異なり無機物であるため、青色系の光〜紫外線による劣化が樹脂に比べて極めて小さく、紫外光を発光する発光装置と組み合わせて用いることもできる。
【0049】
本発明における波長変換部材の具体的な主材料は、無定型金属酸化物、超微粒子金属酸化物を少量の無機酸、有機酸およびアルカリを安定剤として、水または有機溶剤に均一に分散させたゾル溶液が用いられる。無定型金属酸化物、超微粒子金属酸化物を合成する出発原料として、金属アルコラート、金属ジケトナート、金属ハロゲン化合物、又は金属カルボン酸、金属アルキル化合物の加水分解物や、これらを混合して加水分解したものが使用できる。また、金属水酸化物、金属塩化物、金属硝酸塩、金属酸化物微粒子を、水や有機溶媒、又は水と水溶性有機溶媒の混合液中に均一に分散させたコロイド(ゾル)溶液も用いることができる。
【0050】
また、波長変換部材中に蛍光体と共に拡散剤を含有させても良い。具体的な拡散剤としては、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、二酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、これらの酸化物の一種以上の混合物又は上記金属元素成分の複合酸化物、等が好適に用いられる。
【0051】
以下、一例として、アルミニウム化合物、あるいはイットリア化合物を透光性無機部材とする場合について説明する。
【0052】
金属アルコラートとしては、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウム−n−プロポキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム−n−ブトキシド、アルミニウム−sec−ブトキシド、アルミニウム−iso−プロポキシド、アルミニウム−tert−ブトキシド、イットリウムメトキシド、イットリウムエトキシド、イットリウム−n−プロポキシド、イットリウムイソプロポキシド、イットリウム−n−ブトキシド、イットリウム−sec−ブトキシド、イットリウム−iso−プロポキシド、イットリウム−tert−ブトキシド等が利用できる。
【0053】
金属ジケトナートとしては、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネート−ビスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、イットリウムトリスアセチルアセトネート、イットリウムトリスエチルアセトアセテート等が利用できる。
【0054】
金属カルボン酸塩としては、酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、2−エチルヘキサン酸アルミニウム、酢酸イットリウム、プロピオン酸イットリウム、2−エチルヘキサン酸イットリウム等が利用できる。
【0055】
また、金属ハロゲン化物としては、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、塩化イットリウム、臭化イットリウム、ヨウ化イットリウム等が利用できる。
【0056】
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、エチレングリコール、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が利用できる。
(波長変換部材の形成)
従来の波長変換部材の形成方法では、蛍光体を含有する材料を発光素子の全面、即ち上面、側面、角の部分に同じ膜厚均等に配置することができないため、発光素子の全面に蛍光体が均一に分散して配置されなかった。したがって、発光素子の全面からの発光を極めて高い効率で波長変換し、外部に取り出すことが困難であった。一方、本発明にかかる孔版印刷による形成方法では、ウエハ状態の発光素子、あるいはサブマウント基板のウエハに載置された発光素子に対して蛍光体を含有する材料を発光素子の全面、即ち上面、側面、角の部分に同じ膜厚均等に配置することができる。従って、波長変換機能を有する蛍光体がバインド(結着)されてなる波長変換部材を発光素子の全面、即ち上面、側面、および角の部分に同じ膜厚で形成することができるので、発光素子の全面に蛍光体が均一に分散して配置される。それにより、発光素子の全面、即ち上面、側面、および角の部分からの発光を極めて高い効率で波長変換し、均一に外部に取り出すことが可能である。
【0057】
アルミニウム化合物を主成分とする透光性無機部材により蛍光体がバインドされてなる波長変換部材は、アルミニウムアルコレート、あるいはアルミニウムアルコキサイドと高沸点有機溶剤とを所定の割合で混合してなるアルミナゾル中に蛍光体(粉体)を均一に分散させた塗布液を調整して、その蛍光体が分散されたアルミナゾルを発光素子の光取り出し面を覆うように孔版印刷した後、アルミナゾルより生成したアルミナゲル中に含まれるアルミニウム化合物(例えば、AlOOHのようなアルミナ酸化水酸化物、AlあるいはAl(OH))により蛍光体同士を固着させ、さらに発光素子表面に固着させることにより形成することができる。ここで、最終的にアルミナゾルは、酸化水酸化アルミニウムを主成分とし、水酸化アルミニウムあるいは酸化アルミニウム(アルミナ)との架橋構造を有する混合物となる。
【0058】
アルミニウムアルコレート、あるいはアルミニウムアルコキサイドは、塗料の増粘剤、ゲル化剤、硬貨剤、重合触媒、および顔料の分散剤として使用される有機アルミ化合物である。アルミニウムアルコレート、あるいはアルミニウムアルコキサイドの一種であるアルミニウムイソプロポキサイド、アルミニウムエトキサイド、およびアルミニウムブトキサイドは、非常に反応性に富み空気中の水分によってアルミノキサンポリマーを生成し、その後熱を加えるとベーマイト構造を持つ酸化水酸化アルミニウムを生成する。例えば、アルミニウムイソプロポキサイドは、水と容易に反応し最終的には、無定形アルミナ、擬ベーマイト、ベーマイト構造からなる酸化水酸化アルミニウムとなる。ここで、アルミニウムイソプロポキサイドは、硝酸等の安定剤を添加されることにより、ゾルからゲル状態への変化が容易に制御できるため、粘度を調整しチキソ性を有する材料にて波長変換部材を形成することが容易にできる。さらに、アルミニウムイソプロポキサイドを空気中の水分と反応させた後、加熱により生成するアルミニウム化合物にて蛍光体を結着(バインド)させ、発光素子の表面上、および発光素子の表面上以外の支持体上に、波長変換部材として形成することができる。
【0059】
蛍光体を固着させるバインダとして利用可能な材質には、AlやY元素を含む酸化水酸化物、酸化物、水酸化物に限られず、他のIIIA族元素やIIIB族元素を少なくとも一種以上含む酸化水酸化物、酸化物、水酸化物等が利用できる。選択する金属元素は、価数変化し難い3価の安定な金属元素が好ましい。また、酸化水酸化物、酸化物、水酸化物は結晶水を含むことが好ましい。このように構成することにより、酸化水酸化物、酸化物、水酸化物が安定して存在することができる。さらに、透光性無機部材は、酸化ホウ素またはホウ酸を含むことが好ましい。このように構成することにより、割れにくい透光性無機部材とすることができる。また、無色透明であることがより好ましい。例えば、Gd、Lu、Sc、Ga、In等の金属元素を含む金属化合物が利用できる。あるいは、これらの元素を複数組み合わせた複合酸化物、複合酸化水酸化物を利用してもよい。このように本実施の形態で得られる一定価数、好ましくは3価の酸化水酸化物を有する透光性無機部材により形成された波長変換部材は、酸化還元反応を起こし難く、高い耐光性を有し着色劣化がないという特徴がある。従って、無機部材により形成された波長変換部材は、従来技術と比較して光取り出し効率が向上する。
【0060】
本実施の形態における波長変換部材は、上述したアルミニウム化合物により蛍光体がバインドされてなる波長変換部材と同様に、少なくともAl、Ga、Ti、Ge、P、B、Zr、Yあるいはアルカリ土類金属の群から選択される1種以上の元素を含む化合物、例えば金属アルコキシド化合物の一種若しくは複数種を混合したゾル溶液に、蛍光体を含有させ、ゲル化、乾燥させることにより形成することができる。
【0061】
波長変換部材は、同一の発光素子上にアルミナゾルから生成した化合物により蛍光体がバインドされてなる波長変換部材のみ、あるいは上記多種のゾル溶液から生成した化合物により蛍光体がバインドされてなる波長変換部材のみを多層に形成させてもよいし、同一の発光素子上に二種以上の層からなる波長変換部材を形成させてもよい。本発明における孔版印刷による波長変換部材の形成方法によれば、孔版印刷用のマスクの厚さを変更することにより、あるいは複数回に分けて印刷することにより波長変換部材の膜厚を制御することも可能であるから、割れにくい膜厚の透光性無機部材からなる波長変換部材を容易に形成することができる。また、複数の発光素子に対して、同じ形状の波長変換部材を容易に形成させることができる。例えば、同一の発光素子の上に、まずアルミナゾルを材料として波長変換部材を形成し、その上にイットリアゾルを材料として波長変換部材を形成する。ここで、蛍光体は二つの層の両方に含まれてもよいし、一つの層のみに含まれてもよいし、二つの層の両方に含まれなくても構わない。窒化ガリウム系化合物半導体の屈折率、および種類の異なるゾル溶液から生成された波長変換部材の屈折率が、発光素子の表面から遠離る方向に小さくなるように構成すると、光の取り出し効率を向上させることができる。これは、波長変換部材と外気あるいは窒化物半導体発光素子との界面に急激な屈折率差が生じる場合、該界面において発光素子から取り出した光の一部の反射が起こり得るため、光の取り出し効率の低下を招きやすいからと考えられる。
[蛍光体]
本願発明に用いられる蛍光体は、該蛍光体の結着材としての透光性無機部材ととにもに波長変換部材中に含有され、発光素子から放出された可視光や紫外光の少なくとも一部を吸収し異なる波長を有する光に波長変換するための物質である。
【0062】
本発明に用いられる蛍光体としては、少なくとも発光素子から発光された光で励起されて発光する蛍光体をいう。本実施の形態において、蛍光体として紫外光により励起されて所定の色の光を発生する蛍光体も用いることができ、具体例として、例えば、
(1)Ca10(POFCl:Sb,Mn
(2)M(POCl:Eu(但し、MはSr、Ca、Ba、Mgから選択される少なくとも一種)
(3)BaMgAl1627:Eu
(4)BaMgAl1627:Eu、Mn
(5)3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn
(6)YS:Eu
(7)MgAs11:Mn
(8)SrAl1425:Eu
(9)(Zn、Cd)S:Cu
(10)SrAl:Eu
(11)Ca10(POClBr:Mn、Eu
(12)ZnGeO:Mn
(13)GdS:Eu、及び
(14)LaS:Eu等が挙げられる。
【0063】
また、これらの蛍光体は、多層に構成される波長変換部材において、一層中に単独で含有させても良いし、異なる種類の蛍光体を混合して含有させてもよい。さらに、異なる種類の蛍光体を層毎に単独で含有させても良いし、混合して用いてもよい。
【0064】
発光素子が発光した光と、蛍光体が発光した光が補色関係などにある場合、それぞれの光を混色させることで、発光装置は白色系の混色光を発光することができる。具体的には、発光素子からの光と、それによって励起され発光する蛍光体の光がそれぞれ光の3原色(赤色系、緑色系、青色系)に相当する場合や発光素子が発光した青色の光と、それによって励起され発光する蛍光体の黄色の光が挙げられる。
【0065】
発光装置の発光色は、蛍光体と蛍光体の結着剤として働く各種樹脂やガラスなどの無機部材などとの比率、蛍光体の沈降時間、蛍光体の形状などを種々調整する、あるいは発光素子の発光波長を選択することにより電球色など任意の白色系の色調を提供させることができる。発光装置の外部には、発光素子からの光と蛍光体からの光がモールド部材を効率よく透過することが好ましい。
【0066】
本実施の形態において使用される蛍光体は、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(以下、「YAG系蛍光体」と呼ぶことがある。)に代表されるアルミニウム・ガーネット系蛍光体と、赤色系の光を発光可能な蛍光体、特に窒化物蛍光体とを組み合わせたものとすることができる。これらのYAG系蛍光体および窒化物系蛍光体は、複数の層から構成される波長変換部材中に別々に含有させることができる。以下、それぞれの蛍光体について詳細に説明していく。
(アルミニウム・ガーネット系蛍光体)
本実施の形態に用いられるアルミニウム・ガーネット系蛍光体とは、Alを含み、かつY、Lu、Sc、La、Gd、Tb、Eu及びSmから選択された少なくとも一種の元素と、Ga及びInから選択された一種の元素とを含み、希土類元素から選択された少なくとも一種の元素で付活された蛍光体であり、発光素子から発光された可視光や紫外線で励起されて発光する蛍光体である。例えば、YAG系蛍光体の他、Tb2.95Ce0.05Al12、Y2.90Ce0.05Tb0.05Al12、Y2.94Ce0.05Pr0.01Al12、Y2.90Ce0.05Pr0.05Al12等が挙げられる。特に本実施の形態において、CeあるいはPrで付活され組成の異なる2種類以上のイットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体も利用することができる。例えば、YAlO:Ce、YAl12Y:Ce(YAG:Ce)やYAl:Ce、更にはこれらの混合物などが挙げられる。またBa、Sr、Mg、Ca、Znの少なくとも一種が含有されていてもよく、さらにSiを含有させることによって、結晶成長の反応を抑制し蛍光物質の粒子を揃えることもできる。ここで、Ceで付活されたYAG系蛍光体は特に広義に解釈するものとし、イットリウムの一部あるいは全体を、Lu、Sc、La、Gd及びSmからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素に置換され、あるいは、アルミニウムの一部あるいは全体をBa、Tl、Ga、Inの何れが又は両方で置換され蛍光作用を有する蛍光体を含む広い意味に使用する。更に詳しくは、一般式(YGd1−zAl12:Ce(但し、0<z≦1)で示されるフォトルミネッセンス蛍光体や一般式(Re1−aSmRe’12:Ce(但し、0≦a<1、0≦b≦1、Reは、Y、Gd、La、Scから選択される少なくとも一種、Re’は、Al、Ga、Inから選択される少なくとも一種である。)で示されるフォトルミネッセンス蛍光体である。本実施の形態におけるフォトルミネッセンス蛍光体は、Al、Ga、Y、Gd及びSmの含有量が異なる2種以上の蛍光体とすることができる。
【0067】
発光層に窒化物系化合物半導体を用いた発光素子から発光した青色系の光と、青色光を吸収させるためボディーカラーが黄色である蛍光体から発光する緑色系及び赤色系の光と、或いは、黄色系の光であってより緑色系及びより赤色系の光を混色表示させると所望の白色系発光色表示を行うことができる。発光装置はこの混色を起こさせるために蛍光体の粉体やバルクをエポキシ樹脂、アクリル樹脂或いはシリコーン樹脂などの各種樹脂や酸化珪素、酸化アルミニウムなどの無機物中に含有させることが好ましい。このように蛍光体が含有されたものは、LEDチップからの光が透過する程度に薄く形成させたドット状のものや層状ものなど用途に応じて種々用いることができる。蛍光体と樹脂などとの比率や塗布、充填量を種々調整すること及び発光素子の発光波長を選択することにより白色を含め電球色など任意の色調を提供させることができる。
【0068】
また、2種類以上の蛍光体をそれぞれ発光素子からの入射光に対して順に配置させることによって効率よく発光可能な発光装置とすることができる。即ち、反射部材を有する発光素子上には、長波長側に吸収波長があり長波長に発光可能な蛍光体が含有された波長変換部材と、それよりも長波長側に吸収波長がありより長波長に発光可能な波長変換部材とを積層などさせることで反射光を有効利用することができる。
【0069】
YAG系蛍光体を使用すると、放射照度として(Ee)=0.1W・cm−2以上1000W・cm−2以下のLEDチップと接する或いは近接して配置された場合においても高効率に十分な耐光性を有する発光装置とすることができる。
【0070】
本実施の形態に用いられるセリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体である緑色系が発光可能なYAG系蛍光体では、ガーネット構造のため、熱、光及び水分に強く、励起吸収スペクトルのピーク波長が420nmから470nm付近にさせることができる。また、発光ピーク波長λpも510nm付近にあり700nm付近まで裾を引くブロードな発光スペクトルを持つ。一方、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体である赤色系が発光可能なYAG系蛍光体でも、ガーネット構造であり熱、光及び水分に強く、励起吸収スペクトルのピーク波長が420nmから470nm付近にさせることができる。また、発光ピーク波長λpが600nm付近にあり750nm付近まで裾を引くブロードな発光スペクトルを持つ。
【0071】
ガーネット構造を持ったYAG系蛍光体の組成の内、Alの一部をGaで置換することで発光スペクトルが短波長側にシフトし、また組成のYの一部をGd及び/又はLaで置換することで、発光スペクトルが長波長側へシフトする。このようなYAG系蛍光体は、例えば化学量論比より過剰の置換元素が添加されるように調整した原料を焼成することにより得ることもできる。Yの置換が2割未満では、緑色成分が大きく赤色成分が少なくなる。また、8割以上では、赤み成分が増えるものの輝度が急激に低下する。また、励起吸収スペクトルについても同様に、ガーネット構造を持ったYAG系蛍光体の組成の内、Alの一部をGaで置換することで励起吸収スペクトルが短波長側にシフトし、また組成のYの一部をGd及び/又はLaで置換することで、励起吸収スペクトルが長波長側へシフトする。YAG系蛍光体の励起吸収スペクトルのピーク波長は、発光素子の発光スペクトルのピーク波長より短波長側にあることが好ましい。このように構成すると、発光素子に投入する電流を増加させた場合、励起吸収スペクトルのピーク波長は、発光素子の発光スペクトルのピーク波長にほぼ一致するため、蛍光体の励起効率を低下させることなく、色度ズレの発生を抑えた発光装置を形成することができる。
【0072】
このような蛍光体は、Y、Gd、Ce、La、Al、Sm、Pr、Tb及びGaの原料として酸化物、又は高温で容易に酸化物になる化合物を使用し、それらを化学量論比で十分に混合して原料を得る。又は、Y、Gd、Ce、La、Sm、Pr、Tbの希土類元素を化学量論比で酸に溶解した溶解液を蓚酸で共沈したものを焼成して得られる共沈酸化物と、酸化アルミニウム、酸化ガリウムとを混合して混合原料を得る。これにフラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物、あるいはNHClを適量混合して坩堝に詰め、空気中1350〜1450°Cの温度範囲で2〜5時間焼成して焼成品を得、次に焼成品を水中でボールミルして、洗浄、分離、乾燥、最後に篩を通すことで得ることができる。また、別の実施の形態における蛍光体の製造方法では、蛍光体の原料を混合した混合原料とフラックスからなる混合物を、大気中又は弱還元雰囲気中にて行う第一焼成工程と、還元雰囲気中にて行う第二焼成工程とからなる、二段階で焼成することが好ましい。ここで、弱還元雰囲気とは、混合原料から所望の蛍光体を形成する反応過程において必要な酸素量は少なくとも含むように設定された弱い還元雰囲気のことをいい、この弱還元雰囲気中において所望とする蛍光体の構造形成が完了するまで第一焼成工程を行うことにより、蛍光体の黒変を防止し、かつ光の吸収効率の低下を防止できる。また、第二焼成工程における還元雰囲気とは、弱還元雰囲気より強い還元雰囲気をいう。このように二段階で焼成すると、励起波長の吸収効率の高い蛍光体が得られる。従って、このように形成された蛍光体にて発光装置を形成した場合に、所望とする色調を得るために必要な蛍光体量を減らすことができ、光取り出し効率の高い発光装置を形成することができる。
【0073】
組成の異なる2種類以上のセリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体は、混合させて用いても良いし、それぞれ独立して配置させても良い。蛍光体をそれぞれ独立して配置させる場合、発光素子から光をより短波波長側で吸収発光しやすい蛍光体、それよりも長波長側で吸収発光しやすい蛍光体の順に配置させることが好ましい。これによって効率よく吸収及び発光させることができる。
(窒化物系蛍光体)
本発明で使用される第1の蛍光体は、Nを含み、かつBe、Mg、Ca、Sr、Ba、及びZnから選択された少なくとも一種の元素と、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、及びHfから選択された少なくとも一種の元素とを含み、希土類元素から選択された少なくとも一種の元素で付活された窒化物系蛍光体である。また、本実施の形態に用いられる窒化物系蛍光体としては、LEDチップ102から発光された可視光、紫外線、及びYAG系蛍光体からの発光を吸収することによって励起され発光する蛍光体をいう。特に本発明に係る蛍光体は、Mnが添加されたSr−Ca−Si−N:Eu、Ca−Si−N:Eu、Sr−Si−N:Eu、Sr−Ca−Si−O−N:Eu、Ca−Si−O−N:Eu、Sr−Si−O−N:Eu系シリコンナイトライドである。この蛍光体の基本構成元素は、一般式LSi(2/3X+4/3Y):Eu若しくはLSi(2/3X+4/3Y−2/3Z):Eu(Lは、Sr、Ca、SrとCaのいずれか。)で表される。一般式中、X及びYは、X=2、Y=5又は、X=1、Y=7であることが好ましいが、任意のものも使用できる。具体的には、基本構成元素は、Mnが添加された(SrCa1−XSi:Eu、SrSi:Eu、CaSi:Eu、SrCa1−XSi :Eu、SrSi10:Eu、CaSi10:Euで表される蛍光体を使用することが好ましいが、この蛍光体の組成中には、Mg、Sr、Ca、Ba、Zn、B、Al、Cu、Mn、Cr及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が含有されていてもよい。但し、本発明は、この実施の形態及び実施例に限定されない。
Lは、Sr、Ca、SrとCaのいずれかである。SrとCaは、所望により配合比を変えることができる。
蛍光体の組成にSiを用いることにより安価で結晶性の良好な蛍光体を提供することができる。
【0074】
発光中心に希土類元素であるユウロピウムEuを用いる。ユウロピウムは、主に2価と3価のエネルギー準位を持つ。本発明の蛍光体は、母体のアルカリ土類金属系窒化ケイ素に対して、Eu2+を付活剤として用いる。Eu2+は、酸化されやすく、3価のEuの組成で市販されている。しかし、市販のEuでは、Oの関与が大きく、良好な蛍光体が得られにくい。そのため、EuからOを、系外へ除去したものを使用することが好ましい。たとえば、ユウロピウム単体、窒化ユウロピウムを用いることが好ましい。但し、Mnを添加した場合は、その限りではない。
【0075】
添加物であるMnは、Eu2+の拡散を促進し、発光輝度、エネルギー効率、量子効率等の発光効率の向上を図る。Mnは、原料中に含有させるか、又は、製造工程中にMn単体若しくはMn化合物を含有させ、原料と共に焼成する。但し、Mnは、焼成後の基本構成元素中に含有されていないか、含有されていても当初含有量と比べて少量しか残存していない。これは、焼成工程において、Mnが飛散したためであると思われる。
蛍光体には、基本構成元素中に、若しくは、基本構成元素とともに、Mg、Sr、Ca、Ba、Zn、B、Al、Cu、Mn、Cr、O及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有する。これらの元素は、粒径を大きくしたり、発光輝度を高めたりする等の作用を有している。また、B、Al、Mg、Cr及びNiは、残光を抑えることができるという作用を有している。
【0076】
このような窒化物系蛍光体は、LEDチップ102によって発光された青色光の一部を吸収して黄から赤色領域の光を発光する。窒化物系蛍光体をYAG系蛍光体と共に上記の構成を有する発光装置に使用して、発光素子により発光された青色光と、窒化物系蛍光体による黄色から赤色光とが混色により暖色系の白色に発光する発光装置を提供する。窒化物系蛍光体の他に加える蛍光体には、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質が含有されていることが好ましい。前記イットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質を含有することにより、所望の色度に調節することができるからである。セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質は、LEDチップ102により発光された青色光の一部を吸収して黄色領域の光を発光する。ここで、LEDチップ102により発光された青色光と、イットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質の黄色光とが混色により青白い白色に発光する。従って、このイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質と赤色発光する蛍光体とを、波長変換部材101中に一緒に混合し、LEDチップ102により発光された青色光とを組み合わせることにより白色系の混色光を発光する発光装置を提供することができる。特に好ましいのは、色度が色度図における黒体放射の軌跡上に位置する白色の発光装置である。但し、所望の色温度の発光装置を提供するため、イットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質の蛍光体量と、赤色発光の蛍光体量を適宜変更することもできる。この白色系の混色光を発光する発光装置は、特殊演色評価数R9の改善を図っている。従来の青色発光素子とセリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質との組合せのみの白色に発光する発光装置は、色温度Tcp=4600K付近において特殊演色評価数R9がほぼ0に近く、赤み成分が不足していた。そのため特殊演色評価数R9を高めることが解決課題となっていたが、本発明において赤色発光の蛍光体をイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質と共に用いることにより、色温度Tcp=4600K付近において特殊演色評価数R9を40付近まで高めることができる。
【0077】
次に、本発明に係る蛍光体((SrCa1−XSi:Eu)の製造方法を説明するが、本製造方法に限定されない。上記蛍光体には、Mn、Oが含有されている。
【0078】
原料のSr、Caを粉砕する。原料のSr、Caは、単体を使用することが好ましいが、イミド化合物、アミド化合物などの化合物を使用することもできる。また原料Sr、Caには、B、Al、Cu、Mg、Mn、Alなどを含有するものでもよい。原料のSr、Caは、アルゴン雰囲気中、グローブボックス内で粉砕を行う。粉砕により得られたSr、Caは、平均粒径が約0.1μmから15μmであることが好ましいが、この範囲に限定されない。Sr、Caの純度は、2N以上であることが好ましいが、これに限定されない。より混合状態を良くするため、金属Ca、金属Sr、金属Euのうち少なくとも1以上を合金状態としたのち、窒化し、粉砕後、原料として用いることもできる。
【0079】
原料のSiを粉砕する。原料のSiは、単体を使用することが好ましいが、窒化物化合物、イミド化合物、アミド化合物などを使用することもできる。例えば、Si、Si(NH、MgSiなどである。原料のSiの純度は、3N以上のものが好ましいが、Al、Mg、金属ホウ化物(CoB、NiB、CrB)、酸化マンガン、HBO、B、CuO、CuOなどの化合物が含有されていてもよい。Siも、原料のSr、Caと同様に、アルゴン雰囲気中、若しくは、窒素雰囲気中、グローブボックス内で粉砕を行う。Si化合物の平均粒径は、約0.1μmから15μmであることが好ましい。
【0080】
次に、原料のSr、Caを、窒素雰囲気中で窒化する。この反応式を、以下の式1および式2にそれぞれ示す。
【0081】
3Sr + N → Sr ・・・(式1)
3Ca + N → Ca ・・・(式2)
Sr、Caを、窒素雰囲気中、600〜900℃、約5時間、窒化する。Sr、Caは、混合して窒化しても良いし、それぞれ個々に窒化しても良い。これにより、Sr、Caの窒化物を得ることができる。Sr、Caの窒化物は、高純度のものが好ましいが、市販のものも使用することができる。
【0082】
原料のSiを、窒素雰囲気中で窒化する。この反応式を、以下の式3に示す。
【0083】
3Si + 2N → Si ・・・(式3)
ケイ素Siも、窒素雰囲気中、800〜1200℃、約5時間、窒化する。これにより、窒化ケイ素を得る。本発明で使用する窒化ケイ素は、高純度のものが好ましいが、市販のものも使用することができる。
【0084】
Sr、Ca若しくはSr−Caの窒化物を粉砕する。Sr、Ca、Sr−Caの窒化物を、アルゴン雰囲気中、若しくは、窒素雰囲気中、グローブボックス内で粉砕を行う。
同様に、Siの窒化物を粉砕する。また、同様に、Euの化合物Euを粉砕する。Euの化合物として、酸化ユウロピウムを使用するが、金属ユウロピウム、窒化ユウロピウムなども使用可能である。このほか、原料のNは、イミド化合物、アミド化合物を用いることもできる。酸化ユウロピウムは、高純度のものが好ましいが、市販のものも使用することができる。粉砕後のアルカリ土類金属の窒化物、窒化ケイ素及び酸化ユウロピウムの平均粒径は、約0.1μmから15μmであることが好ましい。
【0085】
上記原料中には、Mg、Sr、Ca、Ba、Zn、B、Al、Cu、Mn、Cr、O及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が含有されていてもよい。また、Mg、Zn、B等の上記元素を以下の混合工程において、配合量を調節して混合することもできる。これらの化合物は、単独で原料中に添加することもできるが、通常、化合物の形態で添加される。この種の化合物には、HBO、Cu、MgCl、MgO・CaO、Al、金属ホウ化物(CrB、Mg、AlB、MnB)、B、CuO、CuOなどがある。
【0086】
上記粉砕を行った後、Sr、Ca、Sr−Caの窒化物、Siの窒化物、Euの化合物Euを混合し、Mnを添加する。これらの混合物は、酸化されやすいため、Ar雰囲気中、又は、窒素雰囲気中、グローブボックス内で、混合を行う。
【0087】
最後に、Sr、Ca、Sr−Caの窒化物、Siの窒化物、Euの化合物Euの混合物をアンモニア雰囲気中で、焼成する。焼成により、Mnが添加された(SrCa1−XSi:Euで表される蛍光体を得ることができる。ただし、各原料の配合比率を変更することにより、目的とする蛍光体の組成を変更することができる。
【0088】
焼成は、管状炉、小型炉、高周波炉、メタル炉などを使用することができる。焼成温度は、1200から1700℃の範囲で焼成を行うことができるが、1400から1700℃の焼成温度が好ましい。焼成は、徐々に昇温を行い1200から1500℃で数時間焼成を行う一段階焼成を使用することが好ましいが、800から1000℃で一段階目の焼成を行い、徐々に加熱して1200から1500℃で二段階目の焼成を行う二段階焼成(多段階焼成)を使用することもできる。蛍光体の原料は、窒化ホウ素(BN)材質のるつぼ、ボートを用いて焼成を行うことが好ましい。窒化ホウ素材質のるつぼの他に、アルミナ(Al)材質のるつぼを使用することもできる。
【0089】
以上の製造方法を使用することにより、目的とする蛍光体を得ることが可能である。
【0090】
本実施の形態において、赤味を帯びた光を発光する蛍光体として、特に窒化物系蛍光体について説明したが、本発明においては、上述したYAG系蛍光体と赤色系の光を発光可能な他の蛍光体とを備える発光装置とすることも可能である。このような赤色系の光を発光可能な蛍光体は、波長が400〜600nmの光によって励起されて発光する蛍光体であり、例えば、YS:Eu、LaS:Eu、CaS:Eu、SrS:Eu、ZnS:Mn、ZnCdS:Ag,Al、ZnCdS:Cu,Al等が挙げられる。このようにYAG系蛍光体とともに赤色系の光を発光可能な蛍光体を使用することにより発光装置の演色性を向上させることが可能である。
【0091】
以上のようにして形成されるアルミニウム・ガーネット系蛍光体、および窒化物系蛍光体に代表される赤色系の光を発光可能な蛍光体は、発光素子の周囲に一層からなる波長変換部材中に二種類以上存在してもよいし、二層からなる波長変換部材中にそれぞれ一種類あるいは二種類以上存在してもよい。このような構成にすると、異なる種類の蛍光体からの光の混色による混色光が得られる。この場合、各蛍光物質から発光される光をより良く混色しかつ色ムラを減少させるために、各蛍光体の平均粒径及び形状は類似していることが好ましい。また、窒化物蛍光体は、アルミニウム・ガーネット系蛍光体の発光スペクトルのピーク波長領域を含む広い波長領域に渡って吸収スペクトルを有する場合がある。このような場合は、窒化物系蛍光体が、アルミニウム・ガーネット系蛍光体により波長変換された光の一部を吸収してしまう場合があることを考慮し、窒化系蛍光体がアルミニウム・ガーネット系蛍光体より発光素子に近い位置に配置されるように波長変換部材を積層させることが好ましい。このように構成することによって、アルミニウム・ガーネット系蛍光体により波長変換された光の一部が窒化物系蛍光体に吸収されてしまうことがなくなり、アルミニウム・ガーネット系蛍光体と窒化物系蛍光体とを混合して含有させた場合、あるいはアルミニウム・ガーネット系蛍光体が窒化系蛍光体より発光素子に近い位置に配置された場合と比較して、両蛍光体および発光素子からの光による混色光の演色性を向上させることができる。
(アルカリ土類金属塩)
本実施の形態における発光装置は、発光素子が発光した光の一部を吸収し、その吸収した光の波長と異なる波長を有する光を発光する蛍光体として、ユウロピウムで付活されたアルカリ土類金属珪酸塩を有することもできる。該アルカリ土類金属珪酸塩は、以下のような一般式で表されるアルカリ土類金属オルト珪酸塩が好ましい。
(2−x−y)SrO・x(Ba,Ca)O・(1−a−b−c−d)SiO・aPbAlcBdGeO:yEu2+(式中、0<x<1.6、0.005<y<0.5、0<a、b、c、d<0.5である。)、
(2−x−y)BaO・x(Sr,Ca)O・(1−a−b−c−d)SiO・aPbAlcBdGeO:yEu2+(式中、0.01<x<1.6、0.005<y<0.5、0<a、b、c、d<0.5である。)
ここで、好ましくは、a、b、cおよびdの値のうち、少なくとも一つが0.01より大きい。
【0092】
本実施の形態における発光装置は、アルカリ土類金属塩からなる蛍光体として、上述したアルカリ土類金属珪酸塩の他、ユウロピウムおよび/またはマンガンで付活されたアルカリ土類金属アルミン酸塩やY(V,P,Si)O:Eu、または次式で示されるアルカリ土類金属−マグネシウム−二珪酸塩を有することもできる。
【0093】
Me(3−x−y)MgSi:xEu,yMn(式中、0.005<x<0.5、0.005<y<0.5、Meは、Baおよび/またはSrおよび/またはCaを示す。)
次に、本実施の形態におけるアルカリ土類金属珪酸塩からなる蛍光体の製造工程を説明する。
【0094】
アルカリ土類金属珪酸塩の製造のために、選択した組成に応じて出発物質アルカリ土類金属炭酸塩、二酸化珪素ならびに酸化ユウロピウムの化学量論的量を密に混合し、かつ、蛍光体の製造に常用の固体反応で、還元性雰囲気のもと、温度1100℃および1400℃で所望の蛍光体に変換する。この際、0.2モル未満の塩化アンモニウムまたは他のハロゲン化物を添加することが好ましい。また、必要に応じて珪素の一部をゲルマニウム、ホウ素、アルミニウム、リンで置換することもできるし、ユウロピウムの一部をマンガンで置換することもできる。
【0095】
上述したような蛍光体、即ち、ユウロピウムおよび/またはマンガンで付活されたアルカリ土類金属アルミン酸塩やY(V,P,Si)O:Eu、YS:Eu3+の一つまたはこれらの蛍光体を組み合わせることによって、所望の色温度を有する発光色および高い色再現性を得ることができる。
(有機蛍光体)
上述した無機蛍光体の他に、透光性無機部材のゾル溶液中に均一に溶解する有機蛍光体を利用することもできる。透光性無機部材のゾル溶液の多くは有機物で構成されているため、有機蛍光体の多くは該ゾル溶液に溶解し、透明となる。有機蛍光体として例えば、ポリシラザン溶液に均一に溶解する(HFA)Tb(TPPO)や(HFA)Eu(TPPO)を挙げることができる。ここで、(HFA)Tb(TPPO)の構造式を以下の[化1]に示す。
【0096】
【化1】
Figure 2004363343
【0097】
(HFA)Tb(TPPO)は、例えば酢酸テルビウムを出発原料とし、中心金属をTbとする。紫外線領域の光で励起され緑色系の発光が観測できる。また、上記(HFA)Eu(TPPO)は、赤色系の発光をするため、(HFA)Tb(TPPO)や緑色系の発光をする他の有機蛍光体ともに波長変換部材中に含有させることによって、該波長変換部材が白色系の混色光を発光するようにすることもできる。透光性無機部材の材料に均一に溶解する有機蛍光体は、上述したYAG系蛍光体や窒化物系蛍光体のような粒子状蛍光体と異なり、薄膜での波長変換部材の形成が可能であり、波長変換部材中で沈降することなく一様に分散して存在させることができる。さらに、発光素子の保護膜作成工程の中で、発光素子の保護膜としての機能も兼ね備えた波長変換部材を発光素子表面に形成し、波長変換部材の形成工程を簡略化することができる。
[発光素子]
本実施の形態において使用される発光素子は、例えばLEDチップである。蛍光体と発光素子とを組み合わせ、蛍光体を励起させることによって波長変換した光を出光させる発光装置とする場合、蛍光体を励起可能な波長の光を出光するLEDチップが使用される。LEDチップは、MOCVD法等により基板上にGaAs、InP、GaAlAs、InGaAlP、InN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等の半導体を発光層として形成させる。半導体の構造としては、MIS接合、PIN接合やPN接合などを有するホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルへテロ構成のものが挙げられる。半導体層の材料やその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。また、半導体活性層を量子効果が生ずる薄膜に形成させた単一量子井戸構造や多重量子井戸構造とすることもできる。好ましくは、蛍光体を効率良く励起できる比較的短波長を効率よく発光可能な窒化物系化合物半導体(一般式InGaAlN、ただし、0≦i、0≦j、0≦k、i+j+k=1)である。
【0098】
窒化ガリウム系化合物半導体を使用した場合、半導体基板にはサファイヤ、スピネル、SiC、Si、ZnO、GaN等の材料が好適に用いられる。結晶性の良い窒化ガリウムを形成させるためにはサファイヤ基板を用いることがより好ましい。サファイヤ基板上に半導体膜を成長させる場合、GaN、AlN等のバッファー層を形成しその上にPN接合を有する窒化ガリウム半導体を形成させることが好ましい。また、サファイア基板上にSiOをマスクとして選択成長させたGaN単結晶自体を基板として利用することもできる。この場合、各半導体層の形成後SiOをエッチング除去させることによって発光素子とサファイア基板とを分離させることもできる。窒化ガリウム系化合物半導体は、不純物をドープしない状態でN型導電性を示す。発光効率を向上させるなど所望のN型窒化ガリウム半導体を形成させる場合は、N型ドーパントとしてSi、Ge、Se、Te、C等を適宜導入することが好ましい。一方、P型窒化ガリウム半導体を形成させる場合は、P型ドーパンドであるZn、Mg、Be、Ca、Sr、Ba等をドープさせる。
【0099】
窒化ガリウム系化合物半導体は、P型ドーパントをドープしただけではP型化しにくいためP型ドーパント導入後に、炉による加熱、低速電子線照射やプラズマ照射等によりアニールすることでP型化させることが好ましい。具体的な発光素子の層構成としては、窒化ガリウム、窒化アルミニウムなどを低温で形成させたバッファ層を有するサファイア基板や炭化珪素上に、窒化ガリウム半導体であるN型コンタクト層、窒化アルミニウム・ガリウム半導体であるN型クラッド層、Zn及びSiをドープさせた窒化インジュウムガリウム半導体である活性層、窒化アルミニウム・ガリウム半導体であるP型クラッド層、窒化ガリウム半導体であるP型コンタクト層が積層されたものが好適に挙げられる。LEDチップを形成させるためにはサファイア基板を有するLEDチップの場合、エッチングなどによりP型半導体及びN型半導体の露出面を形成させた後、半導体層上にスパッタリング法や真空蒸着法などを用いて所望の形状の各電極を形成させる。SiC基板の場合、基板自体の導電性を利用して一対の電極を形成させることもできる。
【0100】
次に、形成された半導体ウエハ等をダイヤモンド製の刃先を有するブレードが回転するダイシングソーにより直接フルカットするか、又は刃先幅よりも広い幅の溝を切り込んだ後(ハーフカット)、外力によって半導体ウエハを割る。あるいは、先端のダイヤモンド針が往復直線運動するスクライバーにより半導体ウエハに極めて細いスクライブライン(経線)を例えば碁盤目状に引いた後、外力によってウエハを割り半導体ウエハからチップ状にカットする。このようにして窒化物系化合物半導体であるLEDチップ102を形成させることができる。ここで、本発明では特に波長変換部材を形成させた後にカットを行うことができる。発光素子と該発光素子からの発光が蛍光体により波長変換された光との混色光の光学特性を半導体ウエハ状態で行うことができるため、所望の発光特性を有する発光装置を歩留まりよく形成することができる。
【0101】
蛍光体を励起させて発光させる本発明の発光装置においては、蛍光体との補色等を考慮してLEDチップの主発光波長は350nm以上530nm以下が好ましい。
[導電性ワイヤ911]
発光素子の固定方法としては、発光素子の少なくとも一方の電極をリード電極にそれぞれ対向させ導電部材を介して電気的に接続させる方法や、発光素子の基板側を接着剤により固定し発光素子の電極を導電性ワイヤによりリード電極と接続する方法を用いることができる。後者の方法を採用した場合、例えば、発光素子チップをエポキシ樹脂等にて一方のリード電極上にダイボンド固定した後、発光素子チップの各電極とリード電極とをそれぞれ導電性ワイヤにて接続する。導電性ワイヤとしては、LEDチップの電極とのオーミック性、機械的接続性、電気伝導性及び熱伝導性がよいものが求められる。熱伝導度としては0.01cal/(s)(cm)(℃/cm)以上が好ましく、より好ましくは0.5cal/(s)(cm)(℃/cm)以上である。また、作業性などを考慮して導電性ワイヤーの直径は、好ましくは、Φ10μm以上、Φ45μm以下である。特に、蛍光体が含有された波長変換部材と蛍光体が含有されていないモールド部材との界面で導電性ワイヤーが断線しやすい。それぞれ同一材料を用いたとしても蛍光体が入ることにより実質的な熱膨張量が異なるため断線しやすいと考えられる。そのため、導電性ワイヤーの直径は、25μm以上がより好ましく、発光面積や扱い易さの観点から35μm以下がより好ましい。
【0102】
このような導電性ワイヤとして具体的には、金、銅、白金、アルミニウム等の金属及びそれらの合金を用いた導電性ワイヤーが挙げられる。このような導電性ワイヤは、各LEDチップの電極と、インナー・リード及びマウント・リードなどと、をワイヤーボンディング機器によって容易に接続させることができる。
[モールド部材]
モールド部材は、発光ダイオードの用途に応じてLEDチップ、導電性ワイヤ、波長変換部材などを外部環境から保護するために設けることができる。モールド部材は、一般には樹脂を用いて形成させることができる。また、蛍光体を含有させることによって視野角を増やすことができるが、樹脂モールドに拡散剤を含有させることによってLEDチップからの指向性を緩和させ視野角をさらに増やすことができる。更にまた、モールド部材を所望の形状にすることによってLEDチップからの発光を集束させたり拡散させたりするレンズ効果を持たせることができる。従って、モールド部材は複数積層した構造でもよい。具体的には、凸レンズ形状、凹レンズ形状さらには、発光観測面から見て楕円形状やそれらを複数組み合わせた物である。モールド部材の具体的材料としては、主としてエポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂などの耐候性に優れた透明樹脂や硝子などが好適に用いられる。特に、上述したガラス質の透光性無機部材にてモールド部材を形成する場合は、ゾル溶液の粘度を調節することにより形成可能である。また、拡散剤としては、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、二酸化珪素等が好適に用いられる。さらに、拡散剤に加えてモールド部材中にも蛍光体を含有させることもできる。したがって、蛍光体はモールド部材中に含有させてもそれ以外の波長変換部材などに含有させて用いてもよい。また、波長変換部材を蛍光体が含有された透光性無機部材、モールド部材を透光性樹脂などとした異なる部材を用いて形成させても良い。この場合、生産性良くより水分などの影響が少ない発光装置とすることができる。また、屈折率差を小さくすることを考慮してモールド部材と波長変換部材とを同じ材料を用いて形成させても良い。本願発明においてモールド部材に拡散剤や着色剤を含有させることは、発光観測面側から見た蛍光体の着色を隠すことができる。なお、蛍光体の着色とは、本願発明の蛍光体が強い外光からの光のうち、青色成分を吸収し発光する。そのため黄色に着色しているように見えることである。特に、凸レンズ形状などモールド部材の形状によっては、着色部が拡大されて見えることがある。このような着色は、意匠上など好ましくない場合がある。モールド部材に含有された拡散剤は、モールド部材を乳白色に着色剤は所望の色に着色することで着色を見えなくさせることができる。したがって、このような発光観測面側から蛍光体の色が観測されることはない。
【0103】
また、LEDチップから放出される光の主発光波長が430nm以上では、光安定化剤である紫外線吸収剤をモールド部材中に含有させた方が耐候性上より好ましい。
【0104】
【実施例】
以下、本発明に係る実施例について詳述する。なお、本発明は以下に示す実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
(実施例1)
図1は、本実施例にかかる発光素子の模式的断面図を示し、図2は、本実施例にかかる波長変換部材の孔版印刷による形成方法を模式的に示す。
【0105】
図1に示すように、本実施例にかかる発光素子は、発光素子であるLEDチップ100のサファイア基板102の表面に波長変換部材101が形成されている。LEDチップ100は、発光層として単色性発光ピークが可視光である475nmのIn0.2Ga0.8N半導体を有する窒化物半導体発光素子を用いる。より具体的には、LEDチップ100は、洗浄させたサファイア基板上にTMG(トリメチルガリウム)ガス、TMI(トリメチルインジウム)ガス、窒素ガス及びドーパントガスをキャリアガスと共に流し、MOCVD法で窒化物半導体を成膜させることにより形成させることができる。ドーパントガスとしてSiHとCpMgを切り替えることによってn型窒化物半導体やp型窒化物半導体となる層を形成させる。
【0106】
LEDチップ100の素子構造としては、サファイア基板102上に、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、Siドープのn型電極が形成されn型コンタクト層となるGaN層、アンドープの窒化物半導体であるn型GaN層、次に発光層を構成するバリア層となるGaN層、井戸層を構成するInGaN層、バリア層となるGaN層を1セットとしGaN層に挟まれたInGaN層を5層積層させた多重量子井戸構造としてある。発光層上にはMgがドープされたp型クラッド層としてAlGaN層、Mgがドープされたp型コンタクト層であるGaN層を順次積層させた構成としてある。(なお、サファイア基板102上には低温でGaN層を形成させバッファ層とさせてある。また、p型半導体は、成膜後400℃以上でアニールさせてある。)
次に、エッチングによりサファイア基板102上の窒化物半導体に同一面側で、pn各コンタクト層表面を露出させる。各コンタクト層上に、スパッタリング法を用いて正負各台座電極をそれぞれ形成させる。なお、p型窒化物半導体上の全面には金属薄膜を透光性電極として形成させた後に、透光性電極の一部に台座電極を形成させる。
【0107】
次に、波長変換部材中101に分散させて含有させる蛍光物質を形成する。本実施例における蛍光物質は、Y、Gd、Al、及びCeのそれぞれの酸化物を化学量論比により混合し混合原料を得る。これにフラックスを混合して坩堝に詰め、ボールミル混合機にて2時間混合する。ボールを取り除いた後、弱還元雰囲気中1400℃〜1600℃にて6時間焼成し、更に還元雰囲気中1400℃〜1600℃にて6時間焼成する。焼成品を水中でボールミルして、洗浄、分離、乾燥、最後に篩を通して中心粒径が8μmである(Y0.8Gd0.22.750Al12:Ce0.250蛍光物質を形成する。
【0108】
安定剤として硝酸を添加したアルミナゾル溶液100重量部に対して、上記蛍光物質を150重量部添加した混合液を粘度調整し、蛍光体が混合液中で均一に分散するように調整する。
【0109】
半導体ウエハの基板面側にステンレス製孔版を配置する。このとき、孔版は、後の工程で発光素子毎に分割するのを容易にするため、基板上面上のスクライブライン形成位置をマスクし、発光素子の基板面の一部が露出するような貫通孔がメッシュ状に設けられている。孔版を配置後、混合液を孔版の貫通孔内に充填することにより孔版印刷を行い乾燥させる。乾燥は、室温にて自然乾燥を1時間、温度100℃にて10分間、温度200℃〜250℃にて30分間行う。このような乾燥を行うことにより、波長変換部材の割れを防止することができる。また、波長変換部材に対してサファイア基板上への十分な接着力を与えることができる。
【0110】
最終的に蛍光体が含有されたアルミナゾル溶液が硬化し、発光観測方位によって均一な膜厚数十μmの波長変換部材101が発光素子のサファイア基板102上面に形成される。
【0111】
サファイア基板102上面に波長変換部材101が積層された半導体ウエハにスクライブラインを引いた後、外力により発光素子毎に分割する。このように波長変換部材が形成された発光素子は、サファイア基板側から、発光層からの光と蛍光体により波長変換された光との混色光を発光することができる。
【0112】
最後に、波長変換部材101が形成された発光素子100の電極104、105を実装基板に設けられた導電性パターンに対向させ、導電性部材にて電気的に接続する。さらに、発光素子100および波長変換部材101を樹脂で被覆することにより発光装置を形成する。
【0113】
以上のように形成される本実施例の発光装置において、LEDチップから出光した光の一部が波長変換部材に含有される蛍光物質により波長変換され、モールド部材から出光する混色光は観測方位によって均一に観測される。また、透光性無機部材が割れにくい厚さに形成されているため、信頼性の高い発光装置とすることができる。
(実施例2)
本実施例では、図3および図4に示されるように、窒化物系蛍光体(Sr0. Ca0.3Si:Euを含有する波長変換部材を形成した後、該波長変換部材の上に実施例1と同様にYAG系蛍光体である(Y0.8Gd0.22.750Al12:Ce0.250蛍光物質を含有する波長変換部材を形成する。ここで、上記窒化物蛍光体は、上記YAG系蛍光体の発光スペクトルのピーク波長領域に広い吸収スペクトル領域を有している。
【0114】
まず、窒化物系蛍光体(Sr0.7Ca0.3Si:Euを含有するアルミナゾル溶液を材料として半導体ウエハの基板側に対して孔版印刷を行う。このとき、窒化物蛍光体を含有する波長変換部材を形成するための第一の孔版111は、発光素子毎に分割するのを容易にするため、基板上面上のスクライブライン形成位置をマスクし、また、発光素子の基板面の一部が露出するような貫通孔が設けられている。窒化物蛍光体を含有する波長変換部材101を形成した後、第一の孔版111をそのまま配置し、第一の孔版111と貫通孔の位置を同じくした状態で第二の孔版112を第一の孔版111の上に配置する。次に、窒化物蛍光体を含有する波長変換部材101の上に(Y0.8Gd0.22.750Al12:Ce0.250蛍光物質を含有する波長変換部材103を形成する。波長変換部材103を形成した後、第一の孔版111および第二の孔版112を取り除き、発光素子毎にカットすることにより、図3に示されるような発光素子200とすることができる。
【0115】
最後に、波長変換部材が形成された発光素子200の電極104、105を実装基板に設けられた導電性パターンに対向させ、電気的に接続する。さらに、発光素子200および波長変換部材101、103を樹脂で被覆することにより発光装置を形成する。
【0116】
このように複数の蛍光体を組み合わせることにより、YAG系蛍光体により波長変換された光が窒化物系蛍光体に吸収されることがなくなり、発光素子と蛍光体との混色光の演色性を向上させた発光装置とすることができる。また、透光性無機部材が割れにくい厚さに形成されているため、信頼性の高い発光装置とすることができる。
(実施例3)
図5は、本実施例にかかる発光素子300を模式的に示す断面図である。発光素子の電極が形成されている位置にマスクを施し、他の実施例と同様に孔版印刷を行うことにより、発光素子の電極が形成されている面および側方端面に対して、発光観測方位によって均一な膜厚の波長変換部材を形成する。導電性ワイヤにて発光素子の電極とリード電極とを接続し、波長変換部材、発光素子および導電性ワイヤをモールド部材で被覆することにより発光装置を形成する。本実施例の構成とすることにより、発光素子と蛍光体との混色光が発光観測面方向において均一に観測される発光装置とすることができる。また、透光性無機部材が割れにくい厚さに形成されているため、信頼性の高い発光装置とすることができる。
(実施例4)
図9から図18は、本実施例にかかる発光素子910の製造工程を模式的に示す断面図である。図18に示されるような波長変換部材101を有する発光素子910を作成する。以下、図9から図18を参照しながら工程順に発光素子910の作成方法を説明する。
【0117】
サブマウント基板902の表面に導電性部材901を配置し(図9)、正電極と負電極とを分離する絶縁部904を有する導電性パターンとする(図10)。
【0118】
サブマウント基板902の材料は、半導体発光素子と熱膨張係数がほぼ等しいもの、例えば窒化物半導体発光素子に対して窒化アルミニウムが好ましい。このような材料を使用することにより、サブマウント基板902と発光素子900との間に発生する熱応力を緩和することができる。あるいは、サブマウント基板901の材料は、p型半導体領域おおびn型半導体領域を有する保護素子として形成可能であり、比較的放熱性がよく安価でもあるシリコンが好ましい。また、導電性部材901は、反射率の高い銀や金、アルミニウムを使用することが好ましい。
【0119】
発光装置の信頼性を向上させるため、発光素子900の正負両電極間と絶縁部904との間に生じた隙間にはアンダフィル材905が充填される。まず、上記サブマウント基板902の絶縁部904の周辺にアンダフィル材905が配置される(図11)。アンダフィル材905は、例えばシリコン樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂である。アンダフィル材905の熱応力を緩和させるため、さらに窒化アルミニウム、酸化アルミニウム及びそれらの複合混合物等がエポキシ樹脂に混入されてもよい。アンダフィルの量は、発光素子の正負両電極間とサブマウント基板902との間に生じた隙間を埋めることができる量である。
【0120】
発光素子900の正負両電極をサブマウント基板902に設けた上記導電性パターンの正負両電極にそれぞれ対向させ、バンプ906にて接合し固定する(図12)。なお、サブマウントを保護素子としたときは、発光素子の正電極および負電極と保護素子のn型半導体領域およびp型半導体領域とをそれぞれ接続する。まず、発光素子の正負両電極に対して導電性部材であるバンプ906を形成する。なお、サブマウント基板902の導電性パターンの正負両電極に対してバンプ906を形成してもよい。サブマウント基板902の絶縁部904付近に配したアンダフィル材905が軟化しているとき(図11)、発光素子900の正負両電極が、バンプ906を介して上記導電性パターンの正負両電極と対向される。次に、荷重、熱および超音波により発光素子の正負両電極、バンプ906および上記導電性パターンは熱圧着される。このとき、バンプ906と上記導電性パターンの正負両電極との間のアンダフィルは排除され、発光素子の電極と上記導電性パターンの導通が図られる。導電性部材であるバンプ906の材料は、例えばAu、共晶ハンダ(Au−Sn)、Pb−Sn、鉛フリーハンダ等である。
【0121】
発光素子の基板側からスクリーン版907を配置する(図13)。なお、スクリーン版907の代わりとして、導電性ワイヤ911のボールボンディング位置やパーティングライン形成位置等、波長変換部材101を形成させない位置にメタルマスクを配置しても構わない。
【0122】
チキソ性を有するアルミナゾルに蛍光体を含有させた材料を調整し、スキージ(へら)908を使ってスクリーン印刷を行う(図14)。
【0123】
スクリーン板907を取り外し(図15)、蛍光体を含有させた材料を硬化させ(図16)、パーティングラインに沿って発光素子毎にカットする(図17)と、波長変換部材101を有する発光素子910が完成する(図18)。
【0124】
さらに、図19、図20および図21(図20のAA‘における断面図)に示されるように、上記発光素子910をパッケージ912の凹部底面913にAgペーストを接着剤として固定し、導電性ワイヤ911にて凹部底面913に一部露出させたリード電極914とサブマウント基板902に設けた導電性パターンとを接続して発光装置とすることができる。ここで、本実施例における発光装置は、発光装置の配光性を制御するためのレンズ915、および発光素子の放熱性を向上させ、発光素子を載置するための凹部底面が一部に形成される金属基体916を有する。また、レンズ915の下面とパッケージ912の凹部の内壁面との隙間にはシリコーン樹脂等のモールド部材を配置することが好ましい。このように構成することにより、発光素子からの光の取り出しを向上させ、信頼性の高い発光装置とすることができる。
【0125】
本実施例における発光装置は、波長変換部材中に含有された蛍光物質の含有量や分布がほぼ均一であり、発光装置ごとに色度、光量等の光学特性のバラツキが生じにくい。また、発光装置の形成工程や発光装置の構成部材に無駄を生じさせることなく、所望の発光装置を均一に形成することができるため、量産性に優れる。
(実施例5)
図7は、本実施例に係る発光装置の模式的な断面図である。図7に示されるように、本実施例にかかる波長変換部材の積層体は、発光素子の側から第一の層701と、第二の層702と、該第二の層と屈折率の異なる第三の層703とを発光素子に対して順に積層してなる。第一の層701は、イットリアを主成分とする透光性無機部材(屈折率;n=1.8)により窒化物系蛍光体が結着されてなる。該第一の層701は、砲弾型のレンズ形状を有するドットの集合体として、発光素子の基板側へストライプ状、格子状あるいは同心円状に多数配列してなる。また、第二の層702は、イットリアを主成分とする透光性無機部材(屈折率;n=1.8)からなり、第三の層703は、アルミナを主成分とする透光性無機部材(屈折率;n=1.7)によりアルミニウム・ガーネット系蛍光体が結着されてなる。さらに、本実施例にかかる波長変換部材の積層体における第一の層701は、該第一の層701により波長変換された光が第二の層702と第三の層703との界面において全反射されない方向へ進行するように光学制御するレンズ形状を有する。即ち、第一の層701から出射した光は、第二の層702と第三の層703によって形成される界面の臨界角θ(θ=sin−1/n=sin−10.94)より小さい角度で界面に入射するように進行方向を制御される。従って、発光素子(屈折率2.5)の基板102の側から出光した光は、第一の層701に含有される窒化物系蛍光体により波長変換され、該波長変換された光は、第二の層702と第三の層703との界面において全反射されることなく発光観測面方向から出射し観測される。
【0126】
このように構成することにより、第一の層701から出光する光は、第二の層702と第三の層702の界面において全反射されることがなく、発光観測面方向とは異なる方向へ進行することが抑制されるため、波長変換された光の取り出し効率を向上させることができる。
【0127】
【発明の効果】
本発明は、蛍光体の含有量および分布を均一とさせた発光装置を製造歩留まりよく容易に得ることができる。ガラス等の比較的割れやすい透光性無機部材を材料として波長変換部材を形成する際、透光性無機部材を割れ難い厚さに形成することが容易にできる。また、波長変換部材中に含有された蛍光物質の含有量や分布がほぼ均一となるため、発光装置ごとに色度、光量等の光学特性のバラツキが生じにくくなり、発光装置の製造歩留まりが向上する。また、励起吸収スペクトルや発光スペクトルの異なる複数種の蛍光体を混合させることなく、複数種の蛍光体をそれぞれ含有する多層な波長変換部材を形成することにより、発光装置から出光する混色光の演色性を良好にすることができる。また、工程や発光装置の構成部材に無駄を生じさせることなく、作業性よく所望の発光装置を形成することができる。
【0128】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例にかかる発光素子の模式的な断面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例にかかる波長変換部材の形成方法を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明の一実施例にかかる発光素子の模式的な断面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施例にかかる波長変換部材の形成方法を示す模式図である。
【図5】図5は、本発明の一実施例にかかる発光素子の模式的な断面図である。
【図6】図6は、本発明の一実施例にかかる発光素子の模式的な上面図である。
【図7】図7は、本発明の一実施例にかかる発光素子の模式的な断面図である。
【図8】図8は、本発明の一実施例にかかる発光素子の模式的な断面図である。
【図9】図9は、本発明の一実施例にかかる形成工程を示す模式的な断面図である。
【図10】図10は、本発明の一実施例にかかる形成工程を示す模式的な断面図である。
【図11】図11は、本発明の一実施例にかかる形成工程を示す模式的な断面図である。
【図12】図12は、本発明の一実施例にかかる形成工程を示す模式的な断面図である。
【図13】図13は、本発明の一実施例にかかる形成工程を示す模式的な断面図である。
【図14】図14は、本発明の一実施例にかかる形成工程を示す模式的な断面図である。
【図15】図15は、本発明の一実施例にかかる形成工程を示す模式的な断面図である。
【図16】図16は、本発明の一実施例にかかる形成工程を示す模式的な断面図である。
【図17】図17は、本発明の一実施例にかかる形成工程を示す模式的な断面図である。
【図18】図18は、本発明の一実施例にかかる形成工程を示す模式的な断面図である。
【図19】図19は、本発明の一実施例にかかる発光装置の模式的な断面図である。
【図20】図20は、本発明の一実施例にかかる発光装置の模式的な上面図である。
【図21】図21は、本発明の一実施例にかかる発光装置の模式的な断面図である。
【図22】図22は、本発明の一実施例にかかる発光素子の模式的な上面図である。
【符号の説明】
100、200、300、900、131・・・発光素子
101、103、132・・・波長変換部材
102・・・半導体発光素子基板
104・・・正電極
105・・・負電極
106・・・孔版
107・・・透光性無機部材
108・・・へら
109・・・蛍光体
110・・・マスクとなる側壁
111・・・第一の孔版
112・・・第二の孔版
701、801・・・第一の層
702・・・第二の層
703・・・第三の層
901・・・導電性部材
902・・・サブマウント基板
903・・・パーティングライン
904・・・絶縁部
905・・・アンダフィル材
906・・・バンプ
907・・・スクリーン版
908・・・スキージ
909・・・波長変換部材の形成材料
910・・・波長変換部材を有する発光素子
911・・・導電性ワイヤ
912・・・パッケージ
913・・・凹部底面
914・・・リード電極
915・・・レンズ
916・・・金属基体

Claims (17)

  1. 発光素子と、該発光素子からの光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を有する光を発光する蛍光体を含有する波長変換部材と、を有する発光装置であって、
    前記波長変換部材は、前記蛍光体と透光性無機部材とを含み、該蛍光体と透光性無機部材とが層状、ストライプ状、格子状、同心円状、ドット状、あるいはこれらの形状を少なくとも二種以上組み合わせた形状で前記発光素子に積層されてなることを特徴とする発光装置。
  2. 前記波長変換部材は、前記発光素子の側から少なくとも第一の層と、第二の層と、該第二の層と屈折率の異なる第三の層とを順に積層してなり、前記第一の層は、レンズ形状を有する請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記波長変換部材は、前記透光性無機部材の成分元素の少なくとも一種を含む緩衝層を介して前記発光素子に対し積層されてなる請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記第一の層および前記第二の層は、互いに組成の異なる蛍光体および/又は異なる種類の透光性無機部材をそれぞれ含有する請求項1乃至3に記載の発光装置。
  5. 前記透光性無機部材は、IIIA族元素およびIIIB族元素を少なくとも一種以上含む酸化水酸化物または水酸化物からなる請求項1乃至4に記載の発光装置。
  6. 前記酸化水酸化物または水酸化物は、結晶水を含む請求項5に記載の発光装置。
  7. 前記透光性無機部材は、少なくともAlを含む水酸化物、酸化水酸化物または酸化物からなる請求項1乃至6に記載の発光装置。
  8. 前記透光性無機部材は、少なくともYを含む水酸化物、酸化水酸化物または酸化物からなる請求項1乃至7に記載の発光装置。
  9. 前記透光性無機部材は、さらに酸化ホウ素またはホウ酸を含む請求項8に記載の発光装置。
  10. 前記蛍光体の少なくとも一種は、Nを含み、かつBe、Mg、Ca、Sr、Ba、及びZnから選択された少なくとも一つの元素と、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、及びHfから選択された少なくとも一つの元素とを含み、希土類元素から選択された少なくとも一つの元素で付活された蛍光体である請求項1乃至9に記載の発光装置。
  11. 前記蛍光体の少なくとも一種は、Alを含み、かつY、Lu、Sc、La、Gd、Tb、Eu及びSmから選択された少なくとも一つの元素と、Ga及びInから選択された一つの元素とを含み、希土類元素から選択された少なくとも一つの元素で付活された蛍光体である請求項1乃至10に記載の発光装置。
  12. 発光素子と、該発光素子からの光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を有する光を発する蛍光体を含有する波長変換部材とを有する発光装置の形成方法であって、
    透光性無機部材を生成するゾル溶液と前記蛍光体との混合物を調整し、前記蛍光体を該混合物中で均一に分散させる第一の工程と、
    前記混合物を前記発光素子に塗布し、硬化させる第二の工程とを有し、
    該第二の工程は、発光素子のウエハおよび/または支持基板に載置された発光素子に対して繰り返し行われることを特徴とする発光装置の形成方法。
  13. 前記二の工程は、レーザー照射またはVUV照射を受けた前記発光素子の基板面に対して行われる請求項12に記載の発光装置の形成方法。
  14. 前記二の工程は、前記ゾル溶液の成分元素の少なくとも一種を含む緩衝層を設けた前記発光素子に対して行われる請求項12または13に記載の発光装置の形成方法。
  15. 前記第二の工程は、組成の異なる複数種の蛍光体により行われる請求項12乃至14に記載の発光装置の形成方法。
  16. 組成の異なるゾル溶液をぞれぞれ含有する複数種の混合物により、前記第二の工程が行われる請求項12乃至15に記載の発光装置の形成方法。
  17. 前記ゾル溶液は、少なくともIIIA族元素およびIIIB族元素から選択される1種以上の元素を含む化合物のゾル溶液である請求項12乃至16に記載の発光装置の形成方法。
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