JP2004360112A - ポリヘキサメチレンアジパミド繊維の延伸捲取方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条をロールで引き取った後、多段延伸を行い、20〜50個/mの交絡を付与し、捲取速度4000m/分以上の速度でドラム状に巻き上げるに際し、トラバース速度を、巻き上げとともに漸増させ、次いで、漸減させ、その際、トラバース速度の最大値と巻き初めのトラバース速度の比、巻き終わりにおけるトラバース速度とトラバース速度の最大値の比等を特定範囲に設定するポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条の延伸捲取方法。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紡糸されたポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条をドラム状パッケージに巻き上げる方法の改良に関するものである。更に詳しくは、毛羽品位及び解舒性が改善され、フォーム崩れが抑制されたポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条の高速捲取方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紡糸されたポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条を引き取りロール前で給油した後、引き取りロールにより引き揃え、引き続いて延伸し、交絡を付与した後、繊維糸条をボビン上に巻き上げ、ドラム状パッケージを形成することは繊維製造工程等では従来より広く行われていた。
【0003】
一方、繊維の製造工程では、生産コストを低減させる目的から、近年、ますます高速化の傾向が強まっており、その工程性の保持の為に、繊維糸条の集束レベルの強化が繊維糸条への要求品質として重要視されている。具体的には、繊維の製造工程において、捲取機の直前で、高圧空気を用いた交絡付与装置により繊維糸条に集束性を付与することが広く行われている。しかしながら、高速捲取において、20個/m以上の交絡レベルを得るためには、交絡付与装置をかなりの高空気圧条件下で運転することが必要である。その結果、捲取時の張力は必然的に大きくなり、結果として、得られるドラム状パッケージにはその中内層端面に膨みが、またその表層中央部に凹みが形成されることが多い。これらはそれぞれ、後で述べる、バルジ及びサドルと称されている。
【0004】
繊維製造工程における生産速度の高速化に伴い、捲取速度が大きくなればなるほど捲取張力が大きくなる。これは、捲取時の繊維繊度が小さくなると、随伴流の空気抵抗により、繊度あたりの張力が大きくなるためである。さらに、繊維糸条は伸張回復の遅れ(遅延回復)によって、巻き上げられた後に収縮力が発生し、巻き上げ中および巻き上げ後に巻きフォームを変形させ、良好な巻きフォームを有するドラム状パッケージを得ることが困難であった。この為、高交絡数を保持する品質の繊維糸条を得るには、パッケージドラムの形状が悪化しない程度に捲取張力が抑制できる条件域のみでの生産を余儀なくされている。
【0005】
特許文献1には、ドラム状パッケージへの繊維糸条巻き上げ方法が開示されている。この文献には、前記問題点の改善方法として、捲取機に回転羽根式のトラバース装置を装着し、巻き始めから巻き終りまでのトラバース速度を漸増・漸減することにより、パッケージ状ドラムのフォーム改良、ひいては繊維糸条の解舒性を改善する方法が提案されている。しかし、特に33〜250dtexのポリヘキサメチレンアジパミド繊維の捲取については、特に4000m/分以上の高速捲取速度領域において捲取張力が高くなり、繊維糸条の遅延回復が著しくなるため、パッケージフォームの適正化が困難な状況にいたることがある。
【0006】
繊維糸条をトラバースさせつつボビン上に捲取ドラム状パッケージを形成する工程の場合、一般に、そのトラバース速度を高くすると、トラバース速度に対しドラム表層に巻かれている糸の追従が遅れる度合いが増加する。そのため、ドラム上に巻かれる時点の繊維糸条トラバース幅(実巻き幅)が狭くなる。この場合、中内層部の端面膨れ(バルジ)を減少させるには、トラバース速度を高く設定することが有効である。しかし、トラバース速度を高く設定して実巻き幅を狭くすると、ドラム端部に滞留する糸量が多くなり、逆に中央部の凹み(サドル)は増大することになる。したがって、トラバース速度を巻き初めから巻き終わりまで一定とする従来法であっては、バルジとサドルをともに小さく抑えることは困難であった。
【0007】
【特許文献1】
特開平3−216460号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特に、高交絡数を有するポリヘキサメチレンアジパミドの高速捲取領域、例えば、4000m/分以上の捲取速度領域において、デシテックス当りの捲取張力が高いこと、繊維糸条の遅延回復が著しいこと等による、パッケージフォームの適正化が困難な領域であった捲取方法の改良を目的とする。特に、繊維糸条をボビン上に巻き上げ、ドラム状パッケージを形成する際のトラバース条件を改良することにより、中内層部のバルジや表層中央部のサドルの形成をともに抑制し、同時にリボン巻き、巻段及び耳高を防止し、得られるドラム状パッケージのフォームを改善することを目的とする。
【0009】
さらに、このパッケージフォームの改善により、取扱い性の改善、繊維糸条の解舒性向上による高速解舒への適合性の向上、更には、繊維糸条交絡性能強化によるパッケージの毛羽品位の改善により、高次加工性、特に、高速製織工程における適合性の向上及び高次加工品の品位向上を図ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条に集束性を付与し、引き取りロールで引き取った後、ロール間で多段延伸を行い、延伸された繊維糸条に20〜50個/mの交絡を付与し、捲取速度4000m/分以上の速度で捲取軸方向にトラバースさせつつドラム状に巻き上げるに際し、前記トラバース速度を、巻き上げとともに漸増させ、次いで漸減させ、その際、トラバース速度の最大値が巻き初めのトラバース速度の1.02〜1.15倍であり、巻き終わりにおけるトラバース速度がトラバース速度の最大値の0.60〜0.90倍であり、トラバース速度の最大値は、巻厚みαが、
α=0.03〜0.20R
(式中、Rは満巻パッケージの巻厚みを表す)
の範囲内の捲取時に存在し、かつ、トラバース速度がトラバース速度の最大値に対して5%漸減するまでの巻厚みβが
β=0.40〜0.60R
の範囲内の捲取時に存在し、捲取後の繊度が33〜250dtexであるポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条の延伸捲取方法である。
【0011】
本発明において、ポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条とは、繰返し構成単位の90重量%以上がヘキサメチレンジアミンとアジピン酸からなる高分子重合体からなり、蟻酸相対粘度(95%蟻酸による1%溶液)が35〜100のものである。
紡糸捲取後の繊度は33〜250dtex、好ましくは44〜167dtex、より好ましくは44〜80dtexである。該繊度が33dtex未満の場合、随伴流効果による空気抵抗に抗うように繊維糸条を走行させることによって、捲取張力が著しく高まるため、4000m/分以上の速度で正常な巻きフォームに捲取ることが困難である。繊度が250dtexを越えると、解舒を良好にするための十分な交絡数が得られない。
【0012】
本発明によると、紡糸されたポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条に集束性が付与され、引き取りロールで引き取った後、ロール間で多段延伸を行って、延伸の最終ロールと捲取機の間で繊維糸条に20〜50個/mの交絡が付与され、捲取速度4000m/分以上の速度で捲取軸方向にトラバースさせつつドラム状に巻き上げられる。
紡糸法としては、通常、溶融紡糸法が採用される。紡口から吐出されたポリマーは空冷され、油剤を付与された後、集束装置により集束性が付与され、引き取りロールに引き取られる。集束装置としては、公知の装置を用いることができる。すなわち、圧力空気によって、走行繊維糸条のフィラメント同士を絡ませる流体交絡装置が用いられる。ここで用いる圧力は、引き取りロール前の集束付与においては、通常、50〜300kPaの範囲で適宜選定でき、繊維糸条の集束性を確保するものである。
【0013】
次いで、引き取りロールを離れた繊維糸条は、ロール間で多段に熱延伸される。熱延伸ロール温度は、通常、40〜230℃である。延伸は、ロール間の回転速度比に基づいて多段に延伸できるが、総延伸比は1.5〜6倍が適宜選択できる。
延伸完了後、最終の延伸ロールと巻取機の間で、交絡付与装置により繊維糸条に交絡が付与される。交絡付与に要する圧気は、通常、300〜1000kPaの範囲が適宜選定される。交絡数は20〜50個/mである。交絡数が20個/m未満になると、繊維加工工程での不具合が生ずる。例えば、高速解舒に際しては、張力変動が生じ、経糸ワーパー捲取後の残留張力にムラが生ずるため、製織時に経糸吊りを生じ、織物品位が低下する。交絡数が高ければ繊維加工工程は安定化するが、経済的に交絡を付与する上からは、交絡数は45個/m以下が好ましい。
【0014】
捲取速度は、4000m/分以上である。本発明によると、捲取速度4000m/分以上の高速で捲取軸方向にトラバースさせつつドラム状に巻き上げるに際し、前記トラバース速度を巻き上げとともに漸増させ、次いで、漸減させる。巻き上げ途中のトラバース速度の最大値は、巻き初めのトラバース速度の1.02〜1.15倍であり、漸減した後の巻き終わりにおけるトラバース速度は、トラバース速度の最大値の0.60〜0.90倍である。そして、前記トラバース速度の最大値は、巻厚みα=0.03〜0.20R (但し、Rは満巻パッケージの巻厚みを表す)の範囲内の捲取時に存在し、かつ、トラバース速度の最大値に対して5%漸減するまでの巻厚みβ=0.40R〜0.60Rの範囲内に存在する。
【0015】
本発明に係るトラバース速度の漸増・漸減方法を、図1により説明する。
図1は、横軸を捲取ドラムの巻厚みγ、縦軸をトラバース速度としたグラフで、実線は、本発明におけるトラバース速度の漸増・漸減の変化の典型例を示すものである。横軸で示されるドラム状パッケージの巻厚みγに対応して、縦軸で示されるトラバースの速度は、図1に示すように、漸増した後に漸減する。
トラバース速度の最大値(Tmax)が捲取途中に存在し、この最大値は、巻き初めのトラバース速度(Tstart)の1.02〜1.15倍、好ましくは1.05〜1.10倍である。(Tmax/Tstart)の値が1.02倍未満では、パッケージフォーム崩れを防止することは困難である。(Tmax/Tstart)の値が1.15倍を越えると、トラバース速度の急激な変化によるパッケージ端面の硬度変化が大きくなり、パッケージに巻段の発生、最内層部(γ≒0)の潰れの発生、捲取中の端面部と中央部との糸滞留量に極端な差を有することによる解舒性不良の発生、端面部と中央部との糸質差の発生等の問題が生じる。
【0016】
更に、この最大値(Tmax)は、巻厚みαが、α=0.03〜0.20R(式中、Rは満巻パッケージの巻厚みを表す)、好ましくは0.04〜0.10Rの範囲に存在することが、バルジとサドルの低減効果のために必要である。巻厚みがゼロである巻初めから、最大値(Tmax)に達するまでトラバース速度を漸増させればよく、この最大値での捲取は巻厚みの増加に対しα=0.03〜0.20Rの範囲内で最大値を持続してから漸減してもよく、また一方、漸増して最大値に達した後、直ちに漸減させてもよい。最大値を持続させる時間は、β=0.40〜0.60Rを充足する範囲内で任意に設定できる。
【0017】
最大速度範囲から最終巻厚み(γ=R)なるまでのトラバース速度は漸減させればよく、巻き終わりにおけるトラバース速度(Tend)は、前記最大値(Tmax)の0.60〜0.90倍、好ましくは0.65〜0.85倍である。サドルの充分な抑制の為には0.8倍以下がより好ましい。(Tend/Tmax)の値が低すぎると、トラバース速度が高速時の実巻幅と低速時の巻幅との差が広くなり過ぎて、巻段ができたり、端面での糸落ちが発生するので、好ましくは0.65倍以上である。
【0018】
前記トラバース速度の最大値からトラバース速度が5%漸減するまでの巻厚みβは、満巻パッケージの巻厚みRの0.40〜0.60倍、好ましくは0.45〜0.55倍である。バルジの充分な抑制の為には0.40倍以上が必要である。そうすることによって、内層部の巻層部分の膨れを補償するように端面部強度を強くすることができるので、得られるパッケージに於ける中内層部のバルジ発生を抑制することが可能となる。このβの値が低すぎると、パッケージドラムの端面部の強度変化が大きくなり、捲取張力や内部応力歪みの発生による捲取軸方向に発生する巻き締まりにより中内層部の巻層部分の膨れを補償できなくなる。その結果、段がついたり、端面部での糸落ちが発生する問題が生じるため、βは0.40倍以上であることが必要である。βが0.60倍以下であれば、サドル形状の増加(悪化)を招くことなく巻きフォーム形成できる。
【0019】
トラバース速度を上記のように増減変化させる具体的方法として、捲取時間の経過に対してトラバース速度を増減変化させる方法、スピンドルの回転数を取り出し、その回転数より巻厚みを演算して、その巻厚みに対してトラバース速度を増減変化させる方法等が挙げられる。
トラバース速度を増減変化させる方法は、回転羽根により構成されるトラバース装置(例えば、特公昭46−16298号公報)の場合、特に有利であり、更に、トラバース部からパッケージに捲取られる迄の繊維糸条長が長くなってしまうトラバース装置配置の場合に有効である。また、往復カムにより構成されるトラバース装置でも実施可能である。
【0020】
ポリアミドフィラメント繊維糸条を4000m/分以上の高速で巻き上げる場合、高速であるほど熱延伸ロールでの熱セットが不十分になり、内部応力歪みを残した状態で捲取られる。その結果、捲取中に大きな収縮力が発現して、捲取軸方向を締め付ける力が大きくなるが、本発明の捲取方法は、捲取フォームを悪化させないために有用である。
本発明のポリアミドフィラメント繊維糸条の繊度が250dtex以下のような細い繊維糸条の場合、延伸ロールが高速回転することにより発生する随伴流にうち勝って安定した捲取を行うために、捲取張力を高めに設定することが必要となり、0.15cN/dtex以上の捲取張力とするような場合に本発明のトラバース速度条件を適用することが特に有効である。
【0021】
トラバース速度を増減制御させるためには、例えば、巻厚み又は巻時間に対するトラバースの増減変化を予めコンピュータに入力しておき、その入力データに対応させてトラバースモータのインバータ周波数を変化させる方法のように、トラバース速度を連続的に増減変化させることのできる方法が好ましい。トラバース速度を設定することと綾角を設定することは同等である。トラバースした繊維糸条がドラム上に巻上げられる方向とパッケージドラムの回転軸に直角な面との角度を綾角θとすると、(トラバース速度)=(捲取速度)×(tanθ)である。
【0022】
トラバース速度を綾角として入力する場合の綾角の入力点数としては、内層から表層に向かって6点以上の多点設定により、綾角設定ポイントを通過後、次の設定ポイントまで直線的に綾角が変化し、その変化が全体として緩やかに進行するように設定することが好ましい。また、巻厚み方向をさらに小区間に区切り、接点切替方式等により多段階に増減変化させることもできる。
さらに、本発明に係るトラバース速度増減方式は、リボン巻きを防ぐため、±(1〜5)%幅の短周期の揺動手段を適用する手法を組みあわせることも有効である。この場合、増減変化させるトラバース速度の水準はその揺動の中心値で代表させる。
【0023】
本発明によると、トラバース速度を巻き初めから漸増させていくと、中内層部端面の膨れ部分の巻き上げに相当する捲取途中(特に、巻厚みα=0.03〜0.20Rの範囲内での捲取時)で、トラバース速度が巻き初めトラバース速度の1.02〜1.15倍の最高速(Tmax)となる領域が存在し、内層からTmaxとなる巻厚みに至るまでは、捲取張力や内部応力歪みの発現による捲取軸方向に発生する巻き締まりに対する端面部の強度を強くすることができる。このように、中内層部の巻層部分が膨れを補償するように端面部強度を強くすることができるので、得られるパッケージに於けるバルジ発生を抑制することが可能となる。
【0024】
一旦、トラバース速度が最大となって(Tmax)、それを維持した後に漸減させるか、または、維持することなく漸減させてもよい。
トラバース速度を最大値から漸減させ、トラバース速度の最大値(Tmax)に対して、5%漸減するまでの巻厚みβが、満巻パッケージの巻厚みRの0.40〜0.60倍であるため、内層から中層にかけての端面部強度を内層部の端面部強度に対して徐々に低下させることができるので、中層部のバルジを抑制することができる。
さらに、巻き終わり(満巻時:γ=R)におけるトラバース速度(Tend)が、最高トラバース速度(Tmax)の0.6〜0.9倍であるので、中層から表層(γ=R)にかけてのドラム中央部糸滞留量を多くすることができ、この結果、サドルの発生を抑制することができる。
【0025】
このように、トラバース速度を増減変化させることにより、ドラムの内層(γ=0)から中内層、中層(γ=0.5R)、表層(γ=R)へと至る端面部と中央部との糸滞留分布を、捲取張力や内部応力歪みの発生による捲取軸方向に発生する巻き締まりに対して、パッケージ全体のフォーム変化を補償するように、巻厚みに応じて変化させることができる。そのため、得られるパッケージにおいては、内層、中内層、中層、表層の全ての層にわたってドラム幅がほぼ同じとなり、バルジが極めて低いパッケージとなる。さらに、ドラム内部で発生する繊維糸条の収縮応力によって端面部が膨らむ傾向が徐々に漸減してくる中層から表層にかけて、トラバース速度の低減率を中内層〜中層に至る部分よりも大きくしているので、サドルも低レベルに抑えることができる。
【0026】
本発明では、巻厚みに応じた端面部強度の制御を、トラバース速度を漸減させるという手段により行うので、端面部強度を連続的に徐々に変化させることができ、したがって、得られるパッケージに不連続な無理がかからず、巻崩れのようなトラブルを引き起こさない、優れたパッケージフォームとすることができる。
図2〜4は、巻取機により、熱延伸後のポリアミドフィラメント繊維糸条を紙管(1)に巻き付けて、ドラム状パッケージに巻上げられた状態を表す縦断面図である。ポリアミドフィラメント繊維糸条によって糸管(1)から外側へ向かう巻上げ層(2)が形成されている。図2は、理想的なフォーム形状を有するドラム状パッケージの状態を表す縦断面図である。図3は、比較例1によって得られた、バルジは比較的良好であるが、サドル(S)が不満足なドラム状パッケージの状態を表す縦断面図である。ドラム状パッケージのサドル(S)の程度は、ドラムの中央部の径(c)と最大ドラム径(d)の差としてサドルを評価する。図4は、比較例2によって得られたバルジ(B)が大きく発生して不満足なドラム状パッケージの状態を表す縦断面図である。ドラム状パッケージのバルジ(B)の程度は、巻き終りのドラム幅(a)と最大ドラム幅(b)の差として評価する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
本発明における、捲取効果の評価の方法は以下のとおりである。
(1)バルジ及びサドル
バルジは、図3に示すように巻き終りのドラム幅 a、最大ドラム幅 bを計測し、(b−a)(mm)で算出した値である。
サドルは、図3に示すようにドラムの中央部の径 c、最大ドラム径 d を計測し、(d−c)(mm)で算出した値である。
(2)交絡数
繊維糸条の交絡数は、下記に示す水浸法により測定する。
長さ100cmの繊維糸条を浸漬することが可能な専用バスに新鮮な蒸留水を入れ、この水中に繊維糸条を浸漬してフィラメントを開繊させ、100cm長の中で、繊維糸条の全フィラメントが完全に交絡している箇所をカウントして交絡数(個/m)とし、N=10回の平均値をそのパッケージ繊維糸条の交絡数とする。
【0028】
(3)解舒時の糸切れ発生と毛羽
糸切れ及び毛羽は、高速ワーパーにおいて、ドラム状パッケージから繊維糸条を解舒距離40cm、解舒速度800m/分の条件で整経を行い、解舒した際の糸切れの発生割合(回数/パッケージ)と、解舒毛羽を測定する。糸切れは5回/パッケージ以下、解舒毛羽は30ケ/108m以下を良好とする。
(4)停台率
経糸因による停台率で評価する。停台率は経毛羽や開口不良などの経糸因による織機停止回数をカウントし、経糸の糸長106mあたりの停台率で示す。停台率は、2回/106m以下を良好な製織性が得られていると判断する。経糸は、糊剤を付けないNOS(ノンサイジング)で、整経を行う。
【0029】
(5)織物品位
織機を運転して評価する。織機の運転は、回転数550rpmで行う。織物品位の評価は、経糸繊度は経糸のCF値(経糸密度×√(経糸繊度))が約1100の領域で実施する。例えば、繊度が30〜44dtexの場合、経糸密度=167本/2.54cm、緯糸密度=110本/2.54cmの条件にてウォータージェットルームを用いて実施し、経糸繊度が78dtex、155dtex、235dtexの場合には、(経糸密度×緯糸密度)を各々(125×83)本/2.54cm、(89×59)本/2.54cm、(72×48)本/2.54cmとする。
【0030】
得られた織物の品位は、経吊りの軽微の程度で判定する。織物品位(経吊り)の判定は、織物を検反機にて速度10m/分で流し、織物の経吊り品位を5段階に分け、官能評価を行う。
経吊りの全くない良好な織物を5点、やや経吊りが見えるがほとんど気にならない織物を4点、経吊りが少し見える織物を3点、経吊りが見える織物を2点、経吊りが見えて経吊りが気になる織物を1点とする。
評価は5人で行い、平均点が3〜5点の織物を経吊りのない良好な織物(○)とする。
【0031】
【実施例1】
蟻酸相対粘度VRが45であるポリヘキサメチレンアジパミドを295℃で溶融紡糸し、冷却固化させ、給油した。引き取りロール前で集束性付与後、第1ゴデットロールで引取った。次いで、第2ゴデットロールで熱延伸し、最終ロールと捲取機の間に設けた交絡付与装置により高圧空気により交絡を付与した。回転羽根で構成されるトラバース装置により繊維糸条をトラバースさせ、捲取速度4500m/分、捲取張力8.4gの条件で、巻厚みが116mmのドラム状パッケージに巻き上げた。延伸条件は、延伸比2.1、最終ロール温度180℃、最終ロールと捲取機の間の速度比は0.952とした。巻き上げた繊維糸条の交絡数は35個/mであり、繊度は44dtex/30fであった。
【0032】
この巻取の際、図1に示すように、巻厚みγに応じてトラバース速度を漸増・漸減させた。このトラバース速度制御は、予めコンピュータに入力しておいた巻厚みとトラバース速度との制御データにより、トラバースモータ用インバータの周波数を連続的に増減変化させることにより行った。すなわち、巻初めのトラバース速度(Tstart)を綾角換算値で7.3度とし、巻初めよりトラバース速度を漸増させた。巻厚みが6mm時のトラバース速度を綾角で7.9度の最大値(Tmax)とした。それ以後、トラバース速度を漸減させ、巻厚み55mmまでは巻厚み10mmごとにトラバース速度を綾角で0.1度の率で漸減させ、巻き終わりのトラバース速度(Tend)を6.3度(=Tmax×0.797)とした。このトラバース速度には、リボン巻回避のため、2.0秒間周期、±2.0%の揺動をかけた。得られたパッケージフォームは、図2及び表1、2に示すとおり、バルジもサドルも小さく、優れていた。
また、得られたドラム状パッケージから、糸条を解舒距離40cm、解舒速度800m/minの条件で、表層から内層に至って解舒性及び解舒張力変動状況を確認したが異常は認められなかった。
【0033】
【実施例2】
実施例1と同じポリマー・紡糸・延伸条件により、捲取速度4500m/分、巻厚みが116mmのドラム状パッケージに巻き上げた。巻き上げた繊維糸条の交絡数は、25個/mであり、繊度は33dtex/10fであった。
巻取の際、実施例1と同様に、巻厚みγに応じてトラバース速度を漸増・漸減させ、トラバース速度制御も実施例1と同様の方法で行った。すなわち、巻き初めのトラバース速度(Tstart)を綾角換算値で7.3度とした。巻き初めよりトラバース速度を漸増させ、巻厚みが6mm時のトラバース速度を8.1度の最大値(Tmax)とした。それ以後、トラバース速度を漸減させた。巻厚み56mmまでは巻厚み10mmごとにトラバース速度を綾角で0.1度の率で漸減させ、巻き終わりのトラバース速度(Tend)を綾角で6.3度(=Tmax×0.778)とした。トラバース速度には、リボン巻回避のため、2.0秒間周期、±2.0%の揺動をかけて行った。
【0034】
得られたパッケージフォームは、表1、2に示すとおり、バルジもサドルも小さく、リボン巻きもなく、優れていた。得られたドラム状パッケージから、実施例1と同様の条件で、表層から内層に至って解舒性及び解舒張力変動状況を確認したが異常は認められなかった。
【0035】
【実施例3】
実施例1と同じポリマー・紡糸・延伸条件により、捲取速度4500m/分、巻厚みが116mmのドラム状パッケージに巻き上げた。巻き上げた繊維糸条の交絡数は、43個/mであり、繊度は44dtex/30fであった。
捲取の際、実施例1と同様に、巻厚みγに応じてトラバース速度を漸増・漸減させた。トラバース速度制御も実施例1と同様の方法にて行った。すなわち、巻き初めのトラバース速度(Tstart)を綾角換算値で7.5度とした。巻き初めよりトラバース速度を漸増させ、巻厚みが6mm時のトラバース速度を綾角で8.3度の最大値(Tmax)とした。それ以後、トラバース速度を漸減させ、巻厚み46mmまでは巻厚み10mmごとにトラバース速度を綾角で0.1度の率で漸減させ、巻き終わりのトラバース速度(Tend)を5.9度(=Tmax×0.711)とした。トラバース速度には、リボン巻回避のため、2.0秒間周期、±2.0%の揺動をかけて行った。
【0036】
得られたパッケージフォームは、表1、2に示すとおり、バルジもサドルも小さく、リボン巻きもなく、優れていた。得られたドラム状パッケージから、実施例1と同様の条件で、表層から内層に至って解舒性及び解舒張力変動状況を確認したが、異常は認められなかった。
【0037】
【実施例4】
実施例1と同じポリマー・紡糸・延伸条件で、捲取速度5000m/分、巻厚みが116mmのドラム状パッケージに巻き上げた。巻き上げた繊維糸条の交絡数は、35個/mであり、繊度は78dtex/30fであった。
巻取の際、実施例1と同様に、巻厚みγに応じてトラバース速度を漸増・漸減させた。トラバース速度制御も実施例1と同様の方法で行った。すなわち、巻き初めのトラバース速度(Tstart)を綾角換算値で7.3度とした。巻き初めよりトラバース速度を漸増させ、巻厚みが11mm時のトラバース速度を綾角で7.9度の最大値(Tmax)とした。それ以後、トラバース速度を漸減させ、巻厚み71mmまでは巻厚み10mmごとにトラバース速度を綾角で0.1度の率で漸減させ、巻き終わりのトラバース速度(Tend)を6.3度(=Tmax×0.797)とした。トラバース速度には、リボン巻回避のため、2.0秒間周期、±2.0%の揺動をかけて行った。
【0038】
得られたパッケージフォームは、表1、2に示すとおり、バルジもサドルも小さく、リボン巻きもなく、優れていた。得られたドラム状パッケージから、実施例1と同様の条件で、表層から内層に至って解舒性及び解舒張力変動状況を確認したが異常は認められなかった。
【0039】
【実施例5】
実施例1と同じポリマー・紡糸・延伸条件により、巻取速度4200m/分、巻厚みが116mmのドラム状パッケージに巻き上げた。巻き上げた繊維糸条の交絡数は、35個/mであり、繊度は155dtex/70fであった。
捲取の際、実施例1と同様に、巻厚みγに応じてトラバース速度を漸増・漸減させた。トラバース速度制御も実施例1と同様の方法で行った。すなわち、巻き初めのトラバース速度(Tstart)を綾角換算値で7.3度とした。巻き初めよりトラバース速度を漸増させ、巻厚みが9mm時のトラバース速度を綾角で7.9度の最大値(Tmax)とした。それ以後、トラバース速度を漸減させ、巻厚み63mmまでは巻厚み10mmごとにトラバース速度を綾角で0.1度の率で漸減させ、巻き終わりのトラバース速度(Tend)を6.3度(=Tmax×0.797)とした。トラバース速度には、リボン巻回避のため、2.0秒間周期、±2.0%の揺動をかけて行った。
【0040】
得られたパッケージフォームは、第1表に示すとおり、バルジもサドルも小さく、リボン巻きもなく、優れていた。得られたドラム状パッケージから、実施例1と同様の条件で、表層から内層に至って解舒性及び解舒張力変動状況を確認したが異常は認められなかった。
【0041】
【実施例6】
実施例1と同じポリマー・紡糸・延伸条件により、捲取速度4500m/分、巻厚みが116mmのドラム状パッケージに巻き上げた。巻き上げた繊維糸条の交絡数は、40個/mであり、繊度は235dtex/80fであった。
捲取の際、実施例1と同様に、巻厚みγに応じてトラバース速度を漸増・漸減させ、トラバース速度制御も実施例1と同様の方法により行った。すなわち、巻き初めのトラバース速度(Tstart)を綾角換算値で7.3度とした。巻き初めよりトラバース速度を漸増させ、巻厚みが9mm時のトラバース速度を綾角で7.9度の最大値(Tmax)とした。それ以後、トラバース速度を漸減させ、巻厚み63mmまでは巻厚み10mmごとにトラバース速度を綾角で0.1度の率で漸減させ、巻き終わりのトラバース速度(Tend)を6.3度(=Tmax×0.797)とした。このトラバース速度には、リボン巻回避のため、2.0秒間周期、±2.0%の揺動をかけて行った。
【0042】
得られたパッケージフォームは、表1、2に示すとおりバルジもサドルも小さくリボン巻きもなく、優れていた。得られたドラム状パッケージから、実施例1と同様の条件で、表層から内層に至って解舒性及び解舒張力変動状況を確認したが異常は認められなかった。
【0043】
【比較例1〜4】
比較例1として、トラバース速度を巻き初めより巻き終わりまで綾角を7.6度の一定とし、実施例1と同様にリボン巻き防止の揺動をかけた条件とした以外は、上記と全く同一の条件下で巻取を行った。
比較例2として、巻き初めのトラバース速度(Tstart)を綾角換算値で6.6度(Tmax/Tstart=1.20)とし、巻き初めよりトラバース速度を漸増させ、巻厚みが26mm時のトラバース速度を綾角で7.9度の最大値(Tmax)とした。それ以後、トラバース速度を漸減させ、トラバース速度の最大値に対して5%漸減時のトラバース速度を、巻厚み56mm(β=0.505)の位置に設定し、巻き終わりのトラバース速度(Tend)を綾角で5.0度(=Tmax×0.633)とした。このトラバース速度には、リボン巻回避のため、2.0秒間周期、±2.0%の揺動をかけて行った。比較例1で得られたパッケージのフォームを図3に、比較例2の結果を図4に示す。
【0044】
比較例3として、引き取りロール前に設けた集束付与装置での集束性付与を行わない以外は、実施例1と同一の条件下で捲取を行った。
比較例4として、最終ロールと捲取機の間に設けた交絡付与装置での交絡付与を繊維糸条の交絡数15個/mに調整した以外は、実施例1と同一の条件下で捲取を行った。この時の捲取張力は 7.5gであった。
【0045】
比較例1において得られたパッケージは、バルジは良好であるがサドルは不満足であった。比較例2において得られたパッケージは、バルジが大きく発生して不満足な結果であり、バルジとサドルの両方を満足することができなかった。比較例3において得られたパッケージは、フィラメント単糸切れによる毛羽が多数発生して、低品位のパッケージしか得られなかった。比較例4において得られたパッケージは、フォームが改善されて実施例を上回る良好なフォームのパッケージを得ることができたが、このパッケージでは、織物工程での経糸の上下動の際、繊維糸条同士の接触により生じたと推定されるルーズヤーンが原因による停台回数が多く、目標を達することに至らなかった。
【0046】
【比較例5〜7】
比較例5として、β値を0.253とした以外は実施例1と同じにして捲取を行った。得られた巻きパッケージは耳高であり解舒時の糸切が多く、毛羽も多いものであった。
比較例6として、繊度を22dtex/7fとした以外は実施例1と同一の条件下で捲取を行った。高速捲取条件下で繊維糸条の揺れを制御して捲取工程性を確保するため、0.25cN/dtexの高捲取張力水準での捲取を余儀なくされた。
得られたパッケージは、バルジ・サドルともに大きく、不満足な結果であり、良好なフォームを得ることができなかった。解舒時の糸切れ発生率や織物工程における停台率も実施例1と比較してやや劣位のレベルであった。
【0047】
比較例7として、巻き初めのトラバース速度(Tstart)を綾角換算値で6.6度とし、巻き初めよりトラバース速度を漸増させた。巻厚みが20〜40mm時のトラバース速度を8.2度の最大値(Tmax=Ts×1.242)とし、それ以後、トラバース速度を漸減させ、トラバース速度の最大値に対して5%漸減時のトラバース速度を、巻厚み61mm(β=0.526)の位置に設定し、巻き終わりのトラバース速度(Tend)を綾角で6.5度(=Tmax×0.793)とした。このトラバース速度には、リボン巻回避のため、1.5秒周期、±2%の揺動をかけて行った条件以外は、実施例1と同一の条件下で巻取を行った。
【0048】
得られたパッケージは、バルジは内中層にかけて膨らみがやや目立ち、サドルもやや不満足な結果であった。解舒時の糸切れ発生率や織物工程における停台率も実施例1と同等のレベルであった。
これらの結果を表1及び2にまとめて示す。
表1及び2の結果から、トラバース速度を本発明にしたがって増減変化させた場合は、トラバース速度一定の従来法に対し、バルジ及びサドルの双方ともバランス良く低減し、しかもリボン巻も無く、パッケージ形状の優れたドラム状パッケージとすることができた。また、解舒張力変動が内層、中層、表層のどの層でも小さくなり、解舒時の輪抜けもほぼ完全に抑えることができた。
【0049】
生産速度の高速化及び交絡付与装置により、繊維糸条に高交絡性能を付与するために、巻き上げ時の高巻取張力となる条件、加えて繊維糸条の遅延回復の遅れによる、巻き上げられた後に発生する収縮力の発生が共存する環境に於いても、フォームの良好なパッケージを得ることができたことがわかる。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】
本発明の方法により、バルジ及びサドルの生成をともに十分に小さく抑えることができ、しかも、リボン巻きも防止でき、フォームが極めて良好なドラム状パッケージを得ることができる。
本発明は、特に、ポリヘキサメチレンアジパミドに於ける4000m/分以上の捲取速度領域において、デニール当りの捲取張力が高かったり、繊維糸条の遅延回復力が高かったりして、パッケージフォームの適正化が困難な領域の捲取方法の改良に関するものであり、繊維糸条をボビン上に巻上げドラム状パッケージを形成する際のトラバース条件を改良することにより、中内層部のバルジや表層端部のサドルの形成をともに抑制し、同時にリボン巻きも防止し、得られるドラム状パッケージのフォームの改善が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】巻厚み(巻径)γに対するトラバース速度の変化を表すグラフである。
【図2】実施例1のドラム状パッケージ縦断面図である。
【図3】比較例1のドラム状パッケージ縦断面図であり、サドルを評価する際の計測部位を示す図である。
【図4】ドラム状パッケージ縦断面図であり、バルジを評価する際の計測部位を示す図である。
Claims (1)
- ポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条に集束性を付与し、引き取りロールで引き取った後、ロール間で多段延伸を行い、延伸された繊維糸条に20〜50個/mの交絡を付与し、捲取速度4000m/分以上の速度で捲取軸方向にトラバースさせつつドラム状に巻き上げるに際し、前記トラバース速度を、巻き上げとともに漸増させ、次いで漸減させ、その際、トラバース速度の最大値が巻き初めのトラバース速度の1.02〜1.15倍であり、巻き終わりにおけるトラバース速度がトラバース速度の最大値の0.60〜0.90倍であり、トラバース速度の最大値は、巻厚みαが、
α=0.03〜0.20R
(式中、Rは満巻パッケージの巻厚みを表す)
の範囲内の捲取時に存在し、かつ、トラバース速度がトラバース速度の最大値に対して5%漸減するまでの巻厚みβが
β=0.40〜0.60R
の範囲内の捲取時に存在し、捲取後の繊度が33〜250dtexであるポリヘキサメチレンアジパミド繊維糸条の延伸捲取方法。
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JP2011214161A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Toray Ind Inc | 織物用チーズ状パッケージ及びそれを用いた織物及び繊維製品 |
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-
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