JP2004359543A - 発泡シリカゲル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 断熱性コーティング材用硬化性組成物などに配合するフィラーとして適した発泡シリカゲル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 硫酸ナトリウムを0.01〜2.00質量%含有した、粒子径0.5〜10.0mmのシリカゲルを、950〜1150℃の温度において、0.05〜5時間焼成することにより、粒子内部は多孔質に形成され、粒子外表面全体が緻密な外被膜により覆われていることを特徴とする発泡シリカゲルが得られ、これは好ましくは粒子中にナトリウムを0.003〜0.65質量%含有し、粒子径が1.0〜10.0mm、比重の平均値が0.05〜0.50のものであり、断熱性コーティング材用硬化性組成物などに配合するフィラーとして適したものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発泡シリカゲルに関し、特に断熱性コーティング材用硬化性組成物などに配合するフィラーとして適した発泡シリカゲル及びその製造方法に関する。
従来、多孔質物質であるシリカゲルを中空体とした中空シリカゲルとしては、シリカゲル粒子を原料としてこれを発泡させて中空シリカ球状体とすることが公知である。
これは、粉砕した粒径が300〜590μmのシリカゲルに、発泡助剤としてアルミナ粉末を10%添加して、電気炉において1100℃の温度で30分熱処理して中空シリカ発泡体を形成するものである(特許文献1参照。)。
しかしながら、本発明者らが詳細に検討したところ、このように発泡剤としてアルミナ粉末を使用して得られる中空シリカ発泡体は、水に投入した場合、いったんは水に浮くものの、長時間は浮遊することができず、すぐに沈降してしまうものであることを確認した。すなわち、アルミナを発泡剤とした中空シリカ粒子の外側被膜(シェル)は、無孔質ではなく、実質的には多孔質である。また、その内部は中空とされているだけで、具体的な構造は不明である。
特開昭59−182223号公報(第3頁、実施例1)。
本発明は、その粒子内部が単なる中空ではなく多孔質であって、これが緻密な被膜で覆われている新規な形態を有する発泡シリカゲル粒子を提供しようとするものである。
本発明者らは、かかる観点から鋭意検討した結果、シリカゲル粒子に微少量のナトリウム塩を存在させた状態で加熱することにより、意外なことに、当該ナトリウムが発泡助剤として作用し、このシリカゲルを効果的に発泡せしめることができること、及び、得られた発泡シリカゲルは、内部は中空ではなく、繊維が絡み合ったごとき多孔質の状態であり、しかも、外壁は、完全に無孔質なシェルを有するものであることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。
A)本発明に従えば、以下の発泡シリカゲルが提供される。
〔1〕
その粒子内部は多孔質に形成され、粒子外表面全体が緻密な外被膜により覆われていることを特徴とする発泡シリカゲル。
〔2〕
粒子中にナトリウムを0.003〜0.65質量%含有する〔1〕項に記載の発泡シリカゲル。
〔3〕
前記発泡シリカゲルが粒子径1.0〜10.0mmのものである〔1〕項又は〔2〕項に記載の発泡シリカゲル。
〔4〕
前記発泡シリカゲルにおいて当該粒子の比重の平均値が0.05〜0.50である〔1〕項〜〔3〕項のいずれかに記載の発泡シリカゲル。
〔5〕
断熱性コーティング材用硬化性組成物又は断熱性硬化体に配合して使用する〔1〕項〜〔4〕項のいずれかに記載の発泡シリカゲル。
B)また本発明に従えば、以下の発泡シリカゲルの製造方法が提供される。
〔6〕
硫酸ナトリウムを0.01〜2.00質量%含有した、粒子径0.5〜10.0mmのシリカゲルを焼成することを特徴とする〔1〕項〜〔5〕項のいずれかに記載の発泡シリカゲルの製造方法。
〔7〕
前記リカゲルが硫酸ナトリウムを0.01〜0.3質量%含有するものである〔6〕項に記載の発泡シリカゲルの製造方法。
〔8〕
前記シリカゲルを950〜1150℃で、0.05〜5時間焼成する〔6〕項又は〔7〕項に記載の発泡シリカゲルの製造方法。
C)さらに本発明に従えば、以下の断熱性コーティング材用硬化性組成物又は断熱性硬化体が提供される。
〔9〕
〔1〕項〜〔5〕項のいずれかに記載の発泡シリカゲル又は〔6〕項〜〔8〕項のいずれかの方法で得られた発泡シリカゲルを含有することを特徴とする断熱性コーティング材用硬化性組成物又は断熱性硬化体。
以下、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
(発泡シリカゲル粒子)
本発明の発泡シリカゲル粒子は、その粒子内部は多孔質に形成され、また、粒子外表面全体が緻密な外被膜により覆われていることを特徴とする特異な形態を有する発泡シリカゲルである。
すなわち、後に詳述するように、当該発泡シリカゲルは、粒子内部が単なる中空ではなく、繊維が絡み合ったような多孔質である点で、従来の内部が中空な中空シリカゲルと異なり、また、その外表面が、実質的に水等を通さない緻密な被膜に覆われている点で、アルミナ粉末を添加して発泡させたいわゆる中空シリカ球状体とも異なるものである。
このような、特異な形態を有する本発明の発泡シリカゲルは、発泡剤として硫酸ナトリウムを特定量含有せしめたシリカゲル粒子を焼成して、発泡せしめることにより製造されるものである。
(原体シリカゲル)
本発明においては、発泡させる原体シリカゲルとしては、特に限定するものではないが、通常、平均粒径0.5〜10.0mm、好ましくは1.0〜5.0mmであって、粒子比重約1.0〜2.0、好ましくは1.2〜1.5、さらに好ましくは1.3程度の乾燥用に使用されるものが望ましい。粒径がこれよりあまり小さいものは、発泡せずに収縮のみが起こりやすい。
粒子形状は、例えば破砕した不定形のものでもよいが、球状のものがより好ましい。かかる原体としてのシリカゲルは、市販のものが容易に入手可能であり、また、所望のものを、公知の手段により、合成することも可能である。
球状シリカゲルの代表的な製造方法は、液/液の界面張力を利用して粒子を球形化する方法であって、例えば、特開平6−64915号や特開2001−146416号に記載されているように、界面活性剤を含む非極性有機ハロゲン化物溶媒中、又は炭素数9−12程度の飽和炭化水素溶媒中で、ケイ酸アルカリ(アリカリ金属ケイ酸塩)水溶液を乳化・分散させ、生成した微小分散液滴の液/液界面における界面張力を利用して、個々の液滴を球形化せしめ、次いで、その状態で硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸や炭酸ガス等のゲル化剤と反応せしめてゲル化・固化せしめる方法である。
得られたゲル粒子は、溶媒と分離し、熟成槽でpH1〜5、温度30〜100℃程度の条件下、0.5〜5時間程度熟成処理を行う。熟成停止後、濾過・水洗してシリカヒドロゲル粒子が得られ、これを50〜180℃程度の温度で1〜8時間乾燥し、球状のシリカゲル粒子が得られる。不定形破砕品は、この球形粒子を破砕処理することにより容易に得ることが出来る。
液/液の界面張力を利用して粒子を球形化する方法としては、その他、特開昭61−227913号に記載されているような、ケイ酸アルカリ水溶液を有機溶媒中で乳化・分散させ、同様にして界面張力を利用して液滴を球形化せしめ、炭酸アンモニウム等の炭酸塩を添加して反応・ゲル化させる方法でもよい。
一方、気/液の表面張力を利用して、球形シリカゲルを得る方法を採用することも可能であり、例えば、特公昭48−13834号に記載されているように、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸水溶液を混合してシリカゾルを短時間で生成させると同時に、気体中に放出し、当該気体中で球形粒子としてゲル化させることができる。
より具体的には、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸水溶液とを、放出口を備えた容器内に別個の導入口から導入して、瞬間的に均一混合し、SiO2 濃度換算で130g/l以上、pH7〜9であるシリカゾルを生成せしめ、直ちに上記放出口から、空気等の気体媒体中に放出し、空中でゲル化させる方法である。落下地点には、水を張った熟成槽を置いておき、ここに落下せしめて数分〜数10分熟成させる。
これに硫酸等の酸を添加してpHを下げて水洗後、固/液分離することにより球状のシリカヒドロゲルが得られ、さらに50〜180℃程度の温度において十分乾燥することにより、球形のシリカゲル粒子を得ることができる。不定形破砕品は、同様に、この球形粒子を破砕処理することにより容易に得られる。なお、シリカヒドロゲルを形成させる場合にpH調節剤として添加する硫酸の量と水洗の程度を変更することにより、得られるシリカゲル中に特定量の硫酸ナトリウムを適宜含有させることもできる。
(硫酸ナトリウム含有量)
本発明においては、このようなシリカゲル粒子に、硫酸ナトリウムを0.01〜2.00質量%、好ましくは0.01〜1.00質量%含有せしめて加熱、発泡させる。
本発明者らが見出したところによれば、硫酸ナトリウム由来のナトリウムの存在は、シリカゲルの融点を低下させて、シリカゲル内部の吸着水その他の発泡ガスにより当該シリカゲルを内部から外方へ塑性変形せしめて連続気泡を形成するために必須のものであって、その量が少なすぎると、実質的に発泡が起こらず、一方その量がこれより過剰であると、シリカゲル内部も溶解、収縮して発泡体を形成できず、また、ガラス化が起こるため、やはり発泡の程度がきわめて低くなる。
このように、ナトリウムの範囲が上記規定外のシリカゲルは、発泡性が充分ではないため充分に比重が低いものとならず、また仮に発泡粒子を形成した場合でも緻密な被膜形成性に欠けるため、水に投入された場合、長時間浮遊することはなく、短時間で沈んでしまうのである。
すなわち、シリカゲルに含有させる硫酸ナトリウムの量を上記規定された範囲とすることにより、その表面に無孔質に近い緻密な外被膜を有し、粒子内部は連続気泡の多孔質であるような発泡シリカゲルが形成される。
(焼成)
硫酸ナトリウム含有シリカゲルの焼成は、空気又は空気以外のガス雰囲気下で、950〜1150℃、好ましくは980〜1100℃の温度で、0.05〜5時間、好ましくは0.1〜2時間焼成することにより得られる。この条件で焼成することにより、原体シリカゲルは適度に発泡し、粒子形状が球形で、より小さい比重の発泡シリカゲル粒子が得られる。
焼成を実施するための焼成装置としては、硫酸ナトリウム含有原体シリカゲルを収容し、上記規定する温度で焼成しうるものであれば、如何なる形式の炉であってもよく、例えば、回分式あるいは連続式の、箱型炉、ロータリーキルン等回転炉、トンネル炉、流動層炉等を適用することができ、また、加熱の方法としては、電気加熱式、熱風加熱式、直火加熱式、赤外線加熱等のいずれも適用できる。
このようにして、硫酸ナトリウム含有シリカゲルを焼成することにより、焼成時に離脱するシリカゲル中の結合水や、反応分解して発生するSO3 ガスなどが発泡ガスとなって、当該シリカゲル粒子を内部から発泡膨張せしめ、比重の小さな球形シリカ粒子が形成されると推定される。
(発泡シリカゲルの形態的特徴等)
図1はかくして形成された本発明の発泡シリカゲル粒子を示す光学顕微鏡写真である。その外観は球状であることが認められる。また本発明の発泡シリカゲル粒子の断面を電子顕微鏡写真で観察すると、粒子内部は、発生ガスにより多孔質(連続気泡)に形成され、繊維が絡み合ったごとき状態であることが認められる。一方、その外表面は、無孔質に近い極めて緻密な被膜により覆われていることが認められる。
このように本発明の発泡シリカゲル粒子は、従来のいわゆる中空シリカゲルと異なり、粒子内部は、発生ガスにより多孔質(連続気泡)に形成されているが、粒子外表面全体は、無孔質に近い極めて緻密な外被膜により覆われているため、内部の連続気泡は、当該外被膜により遮断され、粒子表面までは到達しないという特異な形態を有しているものである。当該緻密な外被膜の存在により、外気や水分は、粒子内には進入しないため、特に断熱性コーティング材用硬化性組成物に用いる多孔質粒子として望ましいものである。
本発明の発泡シリカゲル中のナトリウムの含有量は、0.003〜0.65質量%、さらに好ましくは0.015〜0.15質量%、最も好ましくは0.015〜0.10質量%のものである。このように、ナトリウム含有量を上記規定された範囲とすることは、その表面に無孔質に近い緻密な被膜を有し、粒子内部は連続気泡の多孔質であるような発泡シリカゲルを形成するのに極めて重要な要件である。
本発明の発泡シリカゲルは、その粒子径が、1.0〜10.0mm、粒子の比重の平均値(20粒の平均値)が0.05〜0.50のものであり、さらに好ましくは、粒子径が、1.0〜8.0mm、粒子の比重の平均値(20粒の平均値)が0.07〜0.30のものである。この数値は、当該発泡シリカゲルが、断熱性コーティング材用硬化性組成物における断熱機能材料として使用する場合において、特に好ましいものである。
なお、発泡シリカゲルと、一件類似に見える発泡シリカゲル粒子に、すでに述べた、アルミナを10%添加して発泡させた、特許文献1で提案されている、いわゆる「中空シリカ球状体」があるが、かかる「中空シリカ球状体」は、水に投入すると、一旦は浮くものの、当該被膜は、緻密なものではなく、開口部が多数あって、粒子内に水が進入するため、長時間浮遊状態を維持出来ないことから、本発明の発泡シリカゲルとは、本質的に差異があるものである。
(用途)
本発明の発泡シリカゲルは、このように内部が連続気泡であって、軽量であるとともに、かつ、その外表面は緻密な被膜で被覆されているため、水中に投入して長時間経過(例えば100時間以上)しても沈むことはない。このように、当該発泡シリカゲルは、水などの液体に接触しても、液体の粒子内部への浸入を防止できるものであるため、断熱性コーティング材用硬化性組成物に用いる多孔質粒子として、特に望ましい。
また、本発明の発泡シリカゲルは、中空シリカゲルとも異なり、粒子内部は中空ではなく、繊維状に絡み合った連続気泡からなっているため、強度的に強く、断熱性硬化体に配合された場合、より高温度まで熱に耐えて変形しにくく、断熱壁等により高い断熱性を付与できるのである。
さらにまた、本発明の発泡シリカゲルは、断熱性コーティング材用硬化性組成物以外の用途として、軽量かつ液が粒子内に進入しないため安定的に浮く特性を利用して、断熱用充填材、液面浮上断熱材、樹脂やセメント硬化体用の軽量化用中空充填材、浮材、包装用の軽量クッション材料、燃焼する油面の消火剤、触媒担体など広い用途範囲に好適に使用できるものである。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲がこれに限定されるものではない。また、単に部とあるのは、とくに断りなき限り質量部を示す。
〔実施例1〕(発泡シリカゲルの製造)
硫酸ナトリウムを0.15質量%含有する粒子径2.5mmの乾燥されたシリカゲル(洞海化学工業社製シリカゲル、商品名Sゲル、粒子形状は不定形、粒子の平均比重1.32)200gを原体として、白金製ルツボに入れ、空気雰囲気下で、1100℃で、0.5時間焼成した。放出されるシリカゲル中の結合水等が発泡ガスとなって、シリカゲル粒子が発泡膨張して、比重の小さな球形シリカ粒子(発泡シリカゲル)が得られた。この発泡シリカゲルの平均粒子径は、4.0mmであり、粒子の平均比重(20粒の平均値)は、0.14であった。この発泡シリカゲル中のナトリウム含有量は、0.047質量%であった。
得られた発泡シリカゲルの外観の光学顕微鏡写真は図1に類似するものであり、その断面を電子顕微鏡で観察すると、粒子内部は多孔質に形成されており、また粒子の外被膜は、きわめた緻密で、実質的に無孔質であることが認められた。さらに当該粒子を水中に投入して100時間経過しても、水に沈むことはなかった。このように、本発明の発泡シリカゲルは、緻密な外被膜に覆われているため、水などの液体に接触しても、液体の粒子内部への浸入を防止できるものであった。
〔実施例2〕(発泡シリカゲルの製造)
硫酸ナトリウムを0.20質量%含有する粒子径3.0mmの乾燥されたシリカゲル(洞海化学工業社製シリカゲル、商品名パール、粒子形状は球形、粒子の平均比重1.31(20粒の平均値))200gを、白金製ルツボに入れ、空気雰囲気下で、1050℃で、0.5時間焼成した。放出されるシリカゲル中の結合水等が発泡ガスとなって、シリカゲル粒子が発泡膨張して、比重の小さな球形シリカ粒子が得られた。この発泡シリカゲルの平均粒子径は、4.7mmであり、粒子の平均比重(20粒の平均値)は、0.13であった。この発泡シリカゲル中のナトリウム含有量は、0.061質量%であった。
得られた発泡シリカゲルの外観は図1に類似するものであり、また、その粒子は、粒子の外被膜が緻密であり無孔質に近く、粒子断面は、実施例1とほぼ同様なものであった。当該粒子を水中に投入して100時間経過しても、水に沈むことはなく、水などの液体に接触しても、液体の粒子内部への浸入を防止できるものであることが確認された。
〔実施例3〕(発泡シリカゲルを含有する断熱コーティング材用硬化性組成物及び断熱性硬化体)
(1)SiO2 /Na2 O=3.0(モル比)、SiO2 濃度21.0質量%であるケイ酸ナトリウム水溶液2000ml/minと、硫酸濃度20.0質量%の硫酸水溶液とを、瞬間的に均一混合、空中に放出し、空中でゲルせしめ、水を張った熟成槽中でpHを6に調整、粗粉砕しシリカヒドロゲルを得た。
容量50000mlのオートクレーブ(電気加熱式、アンカ−型撹拌羽根付き)に、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が12.0になるように、上記シリカヒドロゲル23.7kg及びケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2 28.75質量%、Na2 O9.3質量%、SiO2 /Na2 O=3.17(モル比))5.5kgを仕込み、これにイオン交換水を10.7kgを加え、185℃で8時間水熱処理を行った。系内の総シリカ濃度は、SiO2 として15質量%であった。
水熱処理後のスラリーは、濾布式竪型遠心分離機(東興機械社製、TU−18型)を用いて濾過水洗を行い、有姿含水率69.7質量%(固形分濃度30.3質量%)の葉状シリカ3次凝集体粒子の湿ケーキを得た。
(2)当該シリカ3次凝集体粒子の湿ケーキ1000g( 固形分濃度:30.3質量%) に水1020gを加えてリパルプし、 固形分15質量%のシリカスラリーを調製し、当該スラリーを媒体撹拌ビーズミル(シンマルエンタープライゼズ社製、ダイノーミルKDL−PILOT A型 (ベッセル容量1.4L、直径0.5mmジルコニアビーズ80%充填) )でシャフト回転数3400rpm、流量30L/hで1回通過し、シリカ3次凝集体粒子の解砕・分散化を行い、自己造膜性のある葉状シリカ2次粒子スラリー(固形分15%、平均粒子径:1.6μm)を得た。
(3)当該葉状シリカ2次粒子からなるスラリーを40g、実施例1に記載した平均粒子径4.0mm、粒子の平均比重0.14の球状の発泡シリカゲル粒子を8g、及び水15gをビーカーに入れ、撹拌混合し、スラリー状の断熱性コーティング材用硬化性組成物とした。
(4)ステンレス製板(100mm×100mm×1mm厚)を用意し、コテを使って、ステンレス板上に、当該断熱性コーティング材用硬化性組成物のスラリーを塗布し、室温で乾燥し試験片とした。
塗装量は、固形分換算で約1400g/m2 であり、塗層厚みは約6.5mmであった。塗膜の外観は、発泡シリカゲルを粒とするオコシ状であった。
ここで、発泡シリカゲルと葉状シリカ2次粒子との固形分での質量比は、57:43である。
次に上記の塗布乾燥された試験片を、塗層側を上にして、165℃に保持したホットプレート上に乗せ、1時間後の塗層側表面温度を、表面温度計(TLV社製、PK1型)で測定したところ65℃であった。
〔比較例1〕
実施例3に記載したものと同じステンレス板で、塗装を施してないものを、100℃に保持したホットプレート上に乗せ、1時間後の板表面温度を表面温度計(TLV社製、PK1型)で測定したところ100℃であった。
本発明の発泡シリカゲルは、内部が連続気泡であって、軽量であり、かつ、その外表面は緻密な被膜で被覆されるという新規な形態をしているため、水中に投入して長時間沈むことはない。すなわち、外気や水分が粒子内には浸入しないので、断熱性コーティング材用硬化性組成物に用いる多孔質粒子として好適に使用されるものである。
また、本発明の発泡シリカゲルは、中空シリカゲルと異なり、粒子内部は中空ではなく、繊維状に絡み合った連続気泡からなっているため、強度的に強く、断熱性硬化体に配合された場合、より高温度まで熱に耐えて変形しにくく、断熱壁等により高い断熱性を付与できる。
さらにまた、本発明の発泡シリカゲルは、軽量であり、かつ液が粒子内に進入せず安定的に浮遊する特性を利用して、断熱用充填材、液面浮上断熱材、樹脂やセメント硬化体用の軽量化用中空充填材、浮材、包装用の軽量クッション材料、燃焼する油面の消火剤、触媒担体用など広い分野において好適に使用できるものである。
発泡シリカゲル粒子の光学顕微鏡写真である。

Claims (9)

  1. その粒子内部は多孔質に形成され、粒子外表面全体が緻密な外被膜により覆われていることを特徴とする発泡シリカゲル。
  2. 粒子中にナトリウムを0.003〜0.65質量%含有する請求項1に記載の発泡シリカゲル。
  3. 前記発泡シリカゲルが粒子径1.0〜10.0mmのものである請求項1又は2に記載の発泡シリカゲル。
  4. 前記発泡シリカゲルにおいて当該粒子の比重の平均値が0.05〜0.50である請求項1〜3のいずれかに記載の発泡シリカゲル。
  5. 断熱性コーティング材用硬化性組成物又は断熱性硬化体に配合して使用する請求項1〜4のいずれかに記載の発泡シリカゲル。
  6. 硫酸ナトリウムを0.01〜2.00質量%含有した、粒子径0.5〜10.0mmのシリカゲルを焼成することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発泡シリカゲルの製造方法。
  7. 前記シリカゲルが硫酸ナトリウムを0.01〜0.3質量%含有するものである請求項6に記載の発泡シリカゲルの製造方法。
  8. 前記シリカゲルを950〜1150℃で、0.05〜5時間焼成する請求項6又は7に記載の発泡シリカゲルの製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の発泡シリカゲル又は請求項6〜8のいずれかの方法で得られた発泡シリカゲルを含有することを特徴とする断熱性コーティング材用硬化性組成物又は断熱性硬化体。
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