JP2004359304A - プラスチックフィルム製袋とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラスチックスフィルム製袋の底部を強化することを課題とする。
【解決手段】平坦にしたプラスチックフィルム管状体より形成されたプラスチック袋において、袋の底縁部に延長部10を設け、この延長部10にそのまま又は1回以上折り重ねた状態でヒートシールしたシール部5を設け、前記底縁部で前記延長部10を前記シール部5と共に本体側に折り返し、前記延長部10の少なくとも一部を前記管状体の本体9側の側面に接着したことを特徴とするプラスチック袋。
【選択図】 図7
【解決手段】平坦にしたプラスチックフィルム管状体より形成されたプラスチック袋において、袋の底縁部に延長部10を設け、この延長部10にそのまま又は1回以上折り重ねた状態でヒートシールしたシール部5を設け、前記底縁部で前記延長部10を前記シール部5と共に本体側に折り返し、前記延長部10の少なくとも一部を前記管状体の本体9側の側面に接着したことを特徴とするプラスチック袋。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラスチック袋の製造方法に関し、特にゴミ袋、買い物袋、粉体や粒状物等の包装袋のような重量物その他比較的大きい力が加わるプラスチック袋において底部を強化する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック製袋は、プラスチックのインフレーション法で作られた管状体を平坦化し、所定の長さに切断し、底部の重畳した上下フィルムを溶融結合等によりヒートシールして閉鎖した底部を形成する方法や、押出成形で作られたプラスチックシートを管状に形成し、重畳する両縦縁を溶融結合し、平坦化した管状体の底部の重畳した上下フィルムを溶融結合等によりヒートシールして閉鎖した底部を形成する方法などがある。
従来の技術では困難な極薄強化フィルムやポリマーアロイ(溶融ブレンドしたもの)もしくは無機材混錬フィルムの開発時に問題となる点の1つに、ヒートシール強度の不足が挙げられる。原料(樹脂)的な要因により、安定的にヒートシール可能な幅が狭い。
例えば、リサイクルPETフレークとポリオレフィン系樹脂のアロイの場合、低温短時間のヒートシールでは(PETが溶融しない場合)、混合しているオレフィンがヒートシールに寄与するが、ゴミ袋や重量物を収容する袋等の比較的高い強度を必要とする用途に使用できるほどの強度が得られない。
高温長時間のヒートシールの場合(PETを溶融させる場合)、JISに規定される強度は、良好な数値が得られている。しかしヒートシール時に加熱溶融された部分の耐衝撃性が激減する。
従来のポリエチレンなど汎用樹脂の場合、低温短時間と高温長時間の間に安定的に高強度のヒートシールが可能となる幅が有る。現在用いているPET樹脂の場合はこの幅が狭い。また用途によっては通気性を要するフィルムが必要であるが、このようなフィルムのシール性は良くないのが通例である。
用途にもよるが、例えばゴミ袋用途の場合、ヒートシール部分に耐衝撃性が必要となる使われ方も容易に想像でき、この点の改善が望まれていた。
今回、PET系樹脂を主体としたフィルムのように、ヒートシールした場合に加熱溶融部分の対衝撃性の低下によって袋形状とすることが困難であったものに対し、対衝撃性を格段に向上させる方法を考案した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように従来のプラスチック袋、特にゴミ袋等のように比較的重い内容物を収納する用途では、底部に最も大きい負荷がかかるにもかかわらず、強度の低いヒートシールが底部に形成されていたため、底部が比較的容易に破損する問題があり、用途が限定される問題がある。
ポリエチレンのようなヒートシール性に富んだ樹脂の場合にはシール部の厚みは厚いほど強度が高くなるといわれている。ところがPETフィルムのような硬い樹脂ではヒートシール部は袋の最も弱い部分となり、良質な袋を製造できない問題がある。
これを図1〜3を参照して説明すると、図1のように2枚の重畳したフィルム2、2にヒートシール用のホットバー1を当ててヒートシールすると、図2のようにヒートシール部が形成されるが、シール部は溶着部5とその両側の未溶融部との境界部3、4からなり、また連続製造においてフィルム2、2に加わる張力のため溶着部5は薄くなる。
こうして形成された袋を使用すると、ヒートシール部は図3のように袋の底部中央に位置し、応力がこの脆弱なヒートシール部に集中し、包装内容物の重量が重い場合にはヒートシール部に沿って開裂が生じることが多い。
【0004】
これに対する従来の対策例を図4〜5により説明するに、フィルム2、2をホットバー1でヒートシールすると同時に袋底部のシール部近傍6で切断する。溶融分に張力がかからないので熱収縮が生じ溶融部分7が盛り上がり、強度が向上するが、溶融部分7と未溶融部分との境界部3、4が脆弱である点は改善されておらず、袋形状にして実使用した場合の応力集中には十分に耐えられない。
【0005】
従って本発明はヒートシール部に応力が集中しない袋構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は底部シールの形成方法を鋭意研究したところ、同じ強度のシール部でも、シール部がプラスチック袋の底端縁からずれて直接荷重がかからない位置に存在すれば、格段に大きい荷重に耐えることができる底部を構成できることを見いだした。
【0007】
簡単に述べると、本発明のプラスチック袋は、平坦にしたプラスチックフィルム管状体より形成されたプラスチック袋において、袋の底縁部に先端側延長部を設け、この延長部にそのまま又は1回以上折り重ねた状態でヒートシール部を設け、前記底縁部で前記延長部を前記ヒートシール部と共に本体側に折り返し、前記延長部の少なくとも一部を前記管状体の本体側の側面に接着したことを特徴とする。
折り返し先端側延長部の本体側への接着は接着剤によっても良いが、シール時の熱を利用して溶融加熱(ヒートシール)後にその部分を袋の側面に圧着させることによることが好ましい。ヒートシールは底端縁の折り曲げの前又は後で行い、次いで本体側面への接着を行うことができる。
【0008】
本発明はまた、プラスチック袋の製造方法に関し、平坦にしたプラスチックフィルム管状体の、完成した袋の底縁部となるべき部分よりも先端側の延長部をそのまま又は1回以上折り重ねた状態でヒートシールすることによりヒートシール部を形成し、前記底縁部で前記先端側延長部を前記ヒートシール部と共に本体側に折り返し、次いで前記先端部を前記管状体の本体側に接着することを特徴とする。
【0009】
前記接着には接着剤を使用しても良いが、好ましくは前記ヒートシール部が未だ接着可能な溶融状態にある間に前記ヒートシール部を前記本体部に押圧することにより行われる。
【0010】
本発明の方法の第2の形態は、平坦にしたプラスチックフィルム管状体の、完成した袋の底縁部となるべき部分よりも先端側の延長部をそのまま又は1回以上折り重ねた状態で前記延長部を前記管状体の本体側に折り返し、次いで上記折り返した延長部の一部又は前記折り重ね部分を前記延長部側からヒートシールしてヒートシール部を形成すると同時に前記ヒートシール部を本体側に接着することを特徴とするプラスチック袋の製造方法である。
この場合にヒートシールは、延長部側からのみホットバーを当てるようにし、これにより本体側のシール部にもろい境界が生じないようにする。ヒートシール部は本体側のフィルムに及んでも良いが、耐荷重性を一層向上させるには延長部のシール部が本体側のフィルムに接着するに十分ではあるが本体側のフィルムを溶融しない程度に行われることが好ましい。
【0011】
上記のように、プラスチック袋の底部の閉鎖を行うヒートシール部は、袋にした際に底端縁となる折り目よりも先端側に形成した後、先端側を折り目で折り返し、接着剤を利用し或いはヒートシール部の余熱を利用してヒートシール部を袋の側面に圧着させる。シール部の強度をさらに上げるには先端部のシールすべき部分を一回以上折り曲げて、その部分をヒートシールする方法が可能である。
【0012】
【作用】
本発明の効果が得られる理由を考察してみるに、従来のシール部は図3のように袋の底部にあるため、内部に大きい重量のものを収容すると矢印のように力が加わり、フィルムの重畳部を直角に引きはがす張力が作用する。このためシール部に不十分な融着部が存在するとそこを起点としてシール部がはがれてしまう。これに対して本発明の底部構造では後で説明するように図8のように延長部のフィルム2、2には2つの矢印のようにフィルムの面に沿った方向の張力が加わるので、延長部のフィルム2、2間の溶着部5を含むシール部が従来と同等に形成されていても、シール部の強度は直角方向に加わる従来の底部構造に比して遙かに大きい力に耐え剥離しにくい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するシール方法は、一般的なバーシール法をはじめ、樹脂を溶融させることのできる方法であれば、なんら制約はない。
本発明で使用するフィルムの素材は、溶融させることのできる樹脂であれば、なんら制約はないが、特に再生PETフィルム等のポリエステルとポリエチレンのようなポリオレフィン系樹脂のアロイのような比較的硬質のフィルムの場合にも本発明は大きい効果を発揮する。特に挙げられるフィルム材質はPET、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等、それらとポリエチレン等のアロイ等があるが、特に限定されない。
通常のヒートシール方法ではシール部分に応力が集中するが、本発明では樹脂を溶融させた部分(ヒートシール部)を応力の集中する点(袋の底端部)からずらす事により、シール部分に応力が集中しない形状をとる。
本発明によると、加熱溶融部分の物性が低下することからヒートシールでの加工が困難であったフィルム(樹脂)に対し、十分なヒートシール強度の付与が可能となる。
ヒートシールはフィルムを部分的に溶融させることができればよく、特別な加熱時間や冷却時間は不要で、短時間での加工が可能であり、高速加工(製袋)に適している。
ヒートシールは、温度と圧力と時間が関係するが、樹脂配合、溶融させることが必要となる膜厚、折り返し回数によって異なる。以下の実施例で説明するように、ヒートシール(延長部のシール)と接着(延長部と本体部の接着)は別々の工程で行う場合(実施例1〜2)とヒートシールの熱を利用して一工程で行う場合(実施例3〜4)があるが、前者の場合には接着剤を使用するかまたはヒートシール直後の溶融状態のヒートシール部を利用する。後者の場合には熱管理を適正に行って本体部が溶融しないようにする。
【0014】
本発明のプラスチック袋の構造と製造方法を以下の実施例により説明する。
実施例1
この例では、平坦にしたプラスチックフィルム管状体の、完成した袋の底縁部となるべき部分よりも先端側の延長部をヒートシールすることによりシール部を形成し、前記底縁部で前記先端側延長部を前記シール部と共に本体側に折り返し、次いで前記先端部を前記管状体の本体側に接着する方法と得られる袋の底部構造を例示する。
図6〜8はこの実施例によるプラスチック袋の底部構造とその製造方法を説明する断面図である。なお各図において袋本体側の大部分は省略し本発明に関係のある底部のみを示したことに注意されたい。
図6のように、袋は管状に形成したプラスチックフィルムを扁平にし、底部をヒートシールにより閉鎖したものであり、この状態で上下フィルム2、2が重畳状態にある。袋の底縁部となるべき箇所8よりも左側が袋本体9であり、右側がシール部を形成した先端側延長部10である。延長部10にはヒートシールにより上下フィルム2、2を溶融接合したシール部が形成される。このシール部の形成は上に説明した従来技術の任意の手段、例えばホットバーを使用して実施される。得られたシール部は溶着部5とその両側の未溶着部との間の境界部3、4とからなる。
次いでシール部が溶融状態にある間に、図7のように箇所8で延長部10をシール部と共に本体9側へ折り曲げ、本体9の側面に押圧板を使用して押しつける。この状態でシール部を冷却すると延長部10は本体9の側面に接着する。
図8のように箇所8が袋の折り返し部であって、袋として実使用時に応力が集中する袋低部中央の底縁部になるので、内容物の重量による応力はこの部分に集中するが、シール部を構成する比較的脆弱な溶着部5と境界部3、4への応力はフイルムの面に沿った方向に作用するので応力支持能力が大きく向上する。そのため、以下の試験例で示すように大きい応力に対しても高いシール性が得られる。
その理由を考えるに、重い内容物から力Fが袋底部に作用する状態で延長部10のフィルム2、2には2つの矢印で示したようにフィルム面に沿った方向の張力が加わるので、延長部のフィルム2、2間の溶着部5を含むシール部が従来と同等に形成されていても、シール部の強度は、張力がシール部に直角に加わる従来の底部構造(図3参照)に比して、遙かに大きい力に耐え剥離しにくい。
【0015】
実施例2
図9は実施例1の変形であり、この例でもシール部は図6と同様に形成される。次いで溶着部5が溶融状態にある間に、先端側の延長部10を箇所8で折り曲げて本体9の側面に押圧して溶着部5をシール部を本体接着するが、このとき折り曲げ部11で延長部10を折り曲げて4層フィルムとした状態で押圧接着を行う。これにより溶着部5と本体9の間だけでなく折り曲げ部11より先端側のフィルム12も溶着部5に接着する。この例では接着部が増えるので応力支持能力が上がる。また、鎖線で示したように、この形態は長尺のチューブ、巻物フィルム等を連続供給し、12の個所でカットしながら連続製造するのに適している。
【0016】
実施例3
この例は、平坦にしたプラスチックフィルム管状体の、完成した袋の底縁部となるべき部分よりも先端側の延長部を前記管状体の本体側に折り返し、次いで上記折り返した延長部を前記延長部側からヒートシールしてシール部を形成すると同時に前記ヒートシール部を本体側に接着する方法の例である。
図10〜11を参照するに、先ず管状にしたフィルムの延長部10を折り曲げ部8で本体の側面に重畳させる。この状態でホットバー1を延長部10に当てフィルムを加熱してヒートシールする。これにより図11のように、延長部10に境界部3、4を有する溶着部5が形成され、又その熱により本体部9と延長部10との間の接着も同時に行われる。実施例1〜2とは異なりヒートシールと接着が同時に行われるので作業能率の向上に資する。応力はフィルムの面に沿った方向に加わるため大きい応力支持能力が得られる。しかし、本体側まで溶着部を形成すると本体が脆化することが避けられないので、なるべく熱管理を良くして本体が軟化はしても溶融はしないようにすることが好ましい。
図12はその使用状態を示す。袋として実使用する場合の効果は実施例1の場合と同様である。
【0017】
実施例4
この例は実施例3の変形であり、延長部はさらに折り曲げ部11でさらに折り曲げられ、4層のフィルムが重畳した状態の延長部にホットバー1が押圧されてヒートシールされる。この例による袋の製造上の利点は連続製造に適している点であり、実使用上の効果は実施例3の場合と同様である。実施例3で述べた理由でヒートシール時に十分な熱管理を行うことが望ましい。
【0018】
実施例5
図15は実施例4の変形であり、延長部を実施例4よりももう1回折り重ね、ついで本体の側面に重畳させた後、ヒートシールを実施した例である。
この例によるシール部は実施例4のシール部よりもさらに強化されている。
【0019】
以下本発明の試作例を説明する。
試作例
上記実施例にしたがって、次に示す方法及び条件でプラスチックフィルム袋を製作した。
(1)使用したフィルム
実施例で使用したフィルムは、リサイクルPETフレークとポリオレフィン系樹脂の混合物(アロイ)(リサイクルPET75重量%、低密度ポリエチレン20重量%、相溶化剤5%)を通常のインフレーション成形によってチューブ状に成形したものであり、膜厚は25μmで幅は650mmのものを使用した。なおフィルム単体での強度は下記の測定法で最大点荷重25.1N、破断点エネルギー4.36Jであった。
(2)製袋方法
使用機は一般的なバーシール機(ニューロング株式会社、足踏み式バーシール機)を使用してヒートシールを行った。
実施例1により2枚重ねフィルムで構成した延長部の幅全体にわたる長さのホットバーを当てて部分的に溶融後、直ちに折り畳んで袋の本体部分に付着させ、圧板で押圧した状態で冷却して接着した。
また実施例1の変形として、上記試作例において延長部にホットバーを当ててシール部を形成し、一旦冷却した後、両面接着テープを介在させて延長部を本体部に押し当てて接着した。これを実施例1*とする。
実施例2により2枚重ねフィルムで構成した延長部に幅全体にわたる長さのホットバーを当てて部分的に溶融後、直ちに底縁に沿った線で折りまげて本体部分に重ね、さらに延長部の自由端側をそれ自身の上に折り返して4枚重ねの延長部とした後、圧板で延長部を本体側に押圧した。
実施例3により延長部を本体側に折り返して重ね、重畳部分に延長部側からホットバーを当ててヒートシールした。これによりシールと本体側への接着を同時に行った。
実施例4により延長部をそれ自身の上に1回折り返した後、延長部を本体側に重ね合わせ、延長部側からホットバーを当ててヒートシールした。これによりシールと本体側への接着を同時に行った。
比較例1として、折り返しを行わずに従来法によりヒートシールしたものを作成した。
参考例として、底部がヒートシールされている市販の低密度ポリエチレン製ゴミ袋(参考例1)、高密度ポリエチレン製ゴミ袋(参考例2)及び高密度ポリエチレン製レジ袋(参考例3)を試験した。
【0020】
(3)以上の試作品及び参考例の製品を試験した。試験方法はつぎの通りである。
a)最大点荷重破断点エネルギーの測定方法
JIS0238に従った。試験機は、株式会社オリエンテック製、テンシロン万能試験機(RTC1250)を使用した。
b)対衝撃試験方法
袋形状に成型したフィルムの耐衝撃性試験方法。
袋内部に3kgの水を入れ、30cmの上下動を4回/秒の割合で行った。
破袋が発生した時点で終了とし、破袋までに要した上下動の回数を計測した。
【0021】
(4)試験結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
評価結果を基にした考察
比較例1から分かるように、リサイクルPETとポリオレフィン系樹脂のアロイのフィルムにおいて最も問題となっていた点は、現行の製品(参考例1〜3)に比較して、袋底部(ヒートシール部分)の耐衝撃性が低すぎる事であったが、実施例1〜4の試作例に示すように、本発明を採用することにより対衝撃及び応力支持能力が大幅に改善される。実施例1*は両面接着テープ(粘着性のもの)を接着に用いた場合であるが、充分に袋の底部強度が付与できたものであり、実際には接着剤で恒久的に接着すればさらに耐久強度が向上することを示す。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明によるとシール部を底部延長部に形成し、底縁に沿って折り返して本体部に接着しただけで底縁にシール部が形成されている従来品に比して非常に高い耐荷重及び耐衝撃強度を有する袋が提供できる。特にPETとポリオレフィン系樹脂のアロイの場合にも大きい効果があることは注目すべきことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来法によるプラスチック袋の底部のヒートシールを示す図である。
【図2】従来法でヒートシールしたシール部の状態を説明する図である。
【図3】従来法によるシール部を有するプラスチック袋の底部概念図である。
【図4】他の従来法とシール部を説明する図である。
【図5】本発明の第1実施例によるシール法の最初の段階に示す図である。
【図6】本発明の第1実施例によるシール法の第2工程を示す図である。
【図7】本発明の第1実施例により得られたシール部の構造を有する袋の使用状態を示す図である。
【図8】本発明の第2実施例によるヒートシールを示す図である。
【図9】本発明の第2実施例により得られたシール部を有する袋底部を示す図である。
【図10】本発明の第3実施例によるヒートシールを示す図である。
【図11】本発明の第3実施例により得られたシール部を有する袋底部を示す図である。
【図12】本発明の第3実施例により得られたシール部を有する袋の使用状態を示す図である。
【図13】本発明の第4実施例によるヒートシールを示す図である。
【図14】本発明の第4実施例により得られたシール部を有する袋の使用状態を示す図である。
【図15】本発明の第5実施例より得られたシール部を有する袋の使用状態を示す図である。
【符号の説明】
1 ホットバー
2 プラスチックフィルム
3、4 境界部
5 溶着部(シール部)
8 折り曲げ部(箇所)
9 本体部
10 延長部
11 折り曲げ部
12 先端側フィルム
【発明の属する技術分野】
本発明はプラスチック袋の製造方法に関し、特にゴミ袋、買い物袋、粉体や粒状物等の包装袋のような重量物その他比較的大きい力が加わるプラスチック袋において底部を強化する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック製袋は、プラスチックのインフレーション法で作られた管状体を平坦化し、所定の長さに切断し、底部の重畳した上下フィルムを溶融結合等によりヒートシールして閉鎖した底部を形成する方法や、押出成形で作られたプラスチックシートを管状に形成し、重畳する両縦縁を溶融結合し、平坦化した管状体の底部の重畳した上下フィルムを溶融結合等によりヒートシールして閉鎖した底部を形成する方法などがある。
従来の技術では困難な極薄強化フィルムやポリマーアロイ(溶融ブレンドしたもの)もしくは無機材混錬フィルムの開発時に問題となる点の1つに、ヒートシール強度の不足が挙げられる。原料(樹脂)的な要因により、安定的にヒートシール可能な幅が狭い。
例えば、リサイクルPETフレークとポリオレフィン系樹脂のアロイの場合、低温短時間のヒートシールでは(PETが溶融しない場合)、混合しているオレフィンがヒートシールに寄与するが、ゴミ袋や重量物を収容する袋等の比較的高い強度を必要とする用途に使用できるほどの強度が得られない。
高温長時間のヒートシールの場合(PETを溶融させる場合)、JISに規定される強度は、良好な数値が得られている。しかしヒートシール時に加熱溶融された部分の耐衝撃性が激減する。
従来のポリエチレンなど汎用樹脂の場合、低温短時間と高温長時間の間に安定的に高強度のヒートシールが可能となる幅が有る。現在用いているPET樹脂の場合はこの幅が狭い。また用途によっては通気性を要するフィルムが必要であるが、このようなフィルムのシール性は良くないのが通例である。
用途にもよるが、例えばゴミ袋用途の場合、ヒートシール部分に耐衝撃性が必要となる使われ方も容易に想像でき、この点の改善が望まれていた。
今回、PET系樹脂を主体としたフィルムのように、ヒートシールした場合に加熱溶融部分の対衝撃性の低下によって袋形状とすることが困難であったものに対し、対衝撃性を格段に向上させる方法を考案した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように従来のプラスチック袋、特にゴミ袋等のように比較的重い内容物を収納する用途では、底部に最も大きい負荷がかかるにもかかわらず、強度の低いヒートシールが底部に形成されていたため、底部が比較的容易に破損する問題があり、用途が限定される問題がある。
ポリエチレンのようなヒートシール性に富んだ樹脂の場合にはシール部の厚みは厚いほど強度が高くなるといわれている。ところがPETフィルムのような硬い樹脂ではヒートシール部は袋の最も弱い部分となり、良質な袋を製造できない問題がある。
これを図1〜3を参照して説明すると、図1のように2枚の重畳したフィルム2、2にヒートシール用のホットバー1を当ててヒートシールすると、図2のようにヒートシール部が形成されるが、シール部は溶着部5とその両側の未溶融部との境界部3、4からなり、また連続製造においてフィルム2、2に加わる張力のため溶着部5は薄くなる。
こうして形成された袋を使用すると、ヒートシール部は図3のように袋の底部中央に位置し、応力がこの脆弱なヒートシール部に集中し、包装内容物の重量が重い場合にはヒートシール部に沿って開裂が生じることが多い。
【0004】
これに対する従来の対策例を図4〜5により説明するに、フィルム2、2をホットバー1でヒートシールすると同時に袋底部のシール部近傍6で切断する。溶融分に張力がかからないので熱収縮が生じ溶融部分7が盛り上がり、強度が向上するが、溶融部分7と未溶融部分との境界部3、4が脆弱である点は改善されておらず、袋形状にして実使用した場合の応力集中には十分に耐えられない。
【0005】
従って本発明はヒートシール部に応力が集中しない袋構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は底部シールの形成方法を鋭意研究したところ、同じ強度のシール部でも、シール部がプラスチック袋の底端縁からずれて直接荷重がかからない位置に存在すれば、格段に大きい荷重に耐えることができる底部を構成できることを見いだした。
【0007】
簡単に述べると、本発明のプラスチック袋は、平坦にしたプラスチックフィルム管状体より形成されたプラスチック袋において、袋の底縁部に先端側延長部を設け、この延長部にそのまま又は1回以上折り重ねた状態でヒートシール部を設け、前記底縁部で前記延長部を前記ヒートシール部と共に本体側に折り返し、前記延長部の少なくとも一部を前記管状体の本体側の側面に接着したことを特徴とする。
折り返し先端側延長部の本体側への接着は接着剤によっても良いが、シール時の熱を利用して溶融加熱(ヒートシール)後にその部分を袋の側面に圧着させることによることが好ましい。ヒートシールは底端縁の折り曲げの前又は後で行い、次いで本体側面への接着を行うことができる。
【0008】
本発明はまた、プラスチック袋の製造方法に関し、平坦にしたプラスチックフィルム管状体の、完成した袋の底縁部となるべき部分よりも先端側の延長部をそのまま又は1回以上折り重ねた状態でヒートシールすることによりヒートシール部を形成し、前記底縁部で前記先端側延長部を前記ヒートシール部と共に本体側に折り返し、次いで前記先端部を前記管状体の本体側に接着することを特徴とする。
【0009】
前記接着には接着剤を使用しても良いが、好ましくは前記ヒートシール部が未だ接着可能な溶融状態にある間に前記ヒートシール部を前記本体部に押圧することにより行われる。
【0010】
本発明の方法の第2の形態は、平坦にしたプラスチックフィルム管状体の、完成した袋の底縁部となるべき部分よりも先端側の延長部をそのまま又は1回以上折り重ねた状態で前記延長部を前記管状体の本体側に折り返し、次いで上記折り返した延長部の一部又は前記折り重ね部分を前記延長部側からヒートシールしてヒートシール部を形成すると同時に前記ヒートシール部を本体側に接着することを特徴とするプラスチック袋の製造方法である。
この場合にヒートシールは、延長部側からのみホットバーを当てるようにし、これにより本体側のシール部にもろい境界が生じないようにする。ヒートシール部は本体側のフィルムに及んでも良いが、耐荷重性を一層向上させるには延長部のシール部が本体側のフィルムに接着するに十分ではあるが本体側のフィルムを溶融しない程度に行われることが好ましい。
【0011】
上記のように、プラスチック袋の底部の閉鎖を行うヒートシール部は、袋にした際に底端縁となる折り目よりも先端側に形成した後、先端側を折り目で折り返し、接着剤を利用し或いはヒートシール部の余熱を利用してヒートシール部を袋の側面に圧着させる。シール部の強度をさらに上げるには先端部のシールすべき部分を一回以上折り曲げて、その部分をヒートシールする方法が可能である。
【0012】
【作用】
本発明の効果が得られる理由を考察してみるに、従来のシール部は図3のように袋の底部にあるため、内部に大きい重量のものを収容すると矢印のように力が加わり、フィルムの重畳部を直角に引きはがす張力が作用する。このためシール部に不十分な融着部が存在するとそこを起点としてシール部がはがれてしまう。これに対して本発明の底部構造では後で説明するように図8のように延長部のフィルム2、2には2つの矢印のようにフィルムの面に沿った方向の張力が加わるので、延長部のフィルム2、2間の溶着部5を含むシール部が従来と同等に形成されていても、シール部の強度は直角方向に加わる従来の底部構造に比して遙かに大きい力に耐え剥離しにくい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するシール方法は、一般的なバーシール法をはじめ、樹脂を溶融させることのできる方法であれば、なんら制約はない。
本発明で使用するフィルムの素材は、溶融させることのできる樹脂であれば、なんら制約はないが、特に再生PETフィルム等のポリエステルとポリエチレンのようなポリオレフィン系樹脂のアロイのような比較的硬質のフィルムの場合にも本発明は大きい効果を発揮する。特に挙げられるフィルム材質はPET、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等、それらとポリエチレン等のアロイ等があるが、特に限定されない。
通常のヒートシール方法ではシール部分に応力が集中するが、本発明では樹脂を溶融させた部分(ヒートシール部)を応力の集中する点(袋の底端部)からずらす事により、シール部分に応力が集中しない形状をとる。
本発明によると、加熱溶融部分の物性が低下することからヒートシールでの加工が困難であったフィルム(樹脂)に対し、十分なヒートシール強度の付与が可能となる。
ヒートシールはフィルムを部分的に溶融させることができればよく、特別な加熱時間や冷却時間は不要で、短時間での加工が可能であり、高速加工(製袋)に適している。
ヒートシールは、温度と圧力と時間が関係するが、樹脂配合、溶融させることが必要となる膜厚、折り返し回数によって異なる。以下の実施例で説明するように、ヒートシール(延長部のシール)と接着(延長部と本体部の接着)は別々の工程で行う場合(実施例1〜2)とヒートシールの熱を利用して一工程で行う場合(実施例3〜4)があるが、前者の場合には接着剤を使用するかまたはヒートシール直後の溶融状態のヒートシール部を利用する。後者の場合には熱管理を適正に行って本体部が溶融しないようにする。
【0014】
本発明のプラスチック袋の構造と製造方法を以下の実施例により説明する。
実施例1
この例では、平坦にしたプラスチックフィルム管状体の、完成した袋の底縁部となるべき部分よりも先端側の延長部をヒートシールすることによりシール部を形成し、前記底縁部で前記先端側延長部を前記シール部と共に本体側に折り返し、次いで前記先端部を前記管状体の本体側に接着する方法と得られる袋の底部構造を例示する。
図6〜8はこの実施例によるプラスチック袋の底部構造とその製造方法を説明する断面図である。なお各図において袋本体側の大部分は省略し本発明に関係のある底部のみを示したことに注意されたい。
図6のように、袋は管状に形成したプラスチックフィルムを扁平にし、底部をヒートシールにより閉鎖したものであり、この状態で上下フィルム2、2が重畳状態にある。袋の底縁部となるべき箇所8よりも左側が袋本体9であり、右側がシール部を形成した先端側延長部10である。延長部10にはヒートシールにより上下フィルム2、2を溶融接合したシール部が形成される。このシール部の形成は上に説明した従来技術の任意の手段、例えばホットバーを使用して実施される。得られたシール部は溶着部5とその両側の未溶着部との間の境界部3、4とからなる。
次いでシール部が溶融状態にある間に、図7のように箇所8で延長部10をシール部と共に本体9側へ折り曲げ、本体9の側面に押圧板を使用して押しつける。この状態でシール部を冷却すると延長部10は本体9の側面に接着する。
図8のように箇所8が袋の折り返し部であって、袋として実使用時に応力が集中する袋低部中央の底縁部になるので、内容物の重量による応力はこの部分に集中するが、シール部を構成する比較的脆弱な溶着部5と境界部3、4への応力はフイルムの面に沿った方向に作用するので応力支持能力が大きく向上する。そのため、以下の試験例で示すように大きい応力に対しても高いシール性が得られる。
その理由を考えるに、重い内容物から力Fが袋底部に作用する状態で延長部10のフィルム2、2には2つの矢印で示したようにフィルム面に沿った方向の張力が加わるので、延長部のフィルム2、2間の溶着部5を含むシール部が従来と同等に形成されていても、シール部の強度は、張力がシール部に直角に加わる従来の底部構造(図3参照)に比して、遙かに大きい力に耐え剥離しにくい。
【0015】
実施例2
図9は実施例1の変形であり、この例でもシール部は図6と同様に形成される。次いで溶着部5が溶融状態にある間に、先端側の延長部10を箇所8で折り曲げて本体9の側面に押圧して溶着部5をシール部を本体接着するが、このとき折り曲げ部11で延長部10を折り曲げて4層フィルムとした状態で押圧接着を行う。これにより溶着部5と本体9の間だけでなく折り曲げ部11より先端側のフィルム12も溶着部5に接着する。この例では接着部が増えるので応力支持能力が上がる。また、鎖線で示したように、この形態は長尺のチューブ、巻物フィルム等を連続供給し、12の個所でカットしながら連続製造するのに適している。
【0016】
実施例3
この例は、平坦にしたプラスチックフィルム管状体の、完成した袋の底縁部となるべき部分よりも先端側の延長部を前記管状体の本体側に折り返し、次いで上記折り返した延長部を前記延長部側からヒートシールしてシール部を形成すると同時に前記ヒートシール部を本体側に接着する方法の例である。
図10〜11を参照するに、先ず管状にしたフィルムの延長部10を折り曲げ部8で本体の側面に重畳させる。この状態でホットバー1を延長部10に当てフィルムを加熱してヒートシールする。これにより図11のように、延長部10に境界部3、4を有する溶着部5が形成され、又その熱により本体部9と延長部10との間の接着も同時に行われる。実施例1〜2とは異なりヒートシールと接着が同時に行われるので作業能率の向上に資する。応力はフィルムの面に沿った方向に加わるため大きい応力支持能力が得られる。しかし、本体側まで溶着部を形成すると本体が脆化することが避けられないので、なるべく熱管理を良くして本体が軟化はしても溶融はしないようにすることが好ましい。
図12はその使用状態を示す。袋として実使用する場合の効果は実施例1の場合と同様である。
【0017】
実施例4
この例は実施例3の変形であり、延長部はさらに折り曲げ部11でさらに折り曲げられ、4層のフィルムが重畳した状態の延長部にホットバー1が押圧されてヒートシールされる。この例による袋の製造上の利点は連続製造に適している点であり、実使用上の効果は実施例3の場合と同様である。実施例3で述べた理由でヒートシール時に十分な熱管理を行うことが望ましい。
【0018】
実施例5
図15は実施例4の変形であり、延長部を実施例4よりももう1回折り重ね、ついで本体の側面に重畳させた後、ヒートシールを実施した例である。
この例によるシール部は実施例4のシール部よりもさらに強化されている。
【0019】
以下本発明の試作例を説明する。
試作例
上記実施例にしたがって、次に示す方法及び条件でプラスチックフィルム袋を製作した。
(1)使用したフィルム
実施例で使用したフィルムは、リサイクルPETフレークとポリオレフィン系樹脂の混合物(アロイ)(リサイクルPET75重量%、低密度ポリエチレン20重量%、相溶化剤5%)を通常のインフレーション成形によってチューブ状に成形したものであり、膜厚は25μmで幅は650mmのものを使用した。なおフィルム単体での強度は下記の測定法で最大点荷重25.1N、破断点エネルギー4.36Jであった。
(2)製袋方法
使用機は一般的なバーシール機(ニューロング株式会社、足踏み式バーシール機)を使用してヒートシールを行った。
実施例1により2枚重ねフィルムで構成した延長部の幅全体にわたる長さのホットバーを当てて部分的に溶融後、直ちに折り畳んで袋の本体部分に付着させ、圧板で押圧した状態で冷却して接着した。
また実施例1の変形として、上記試作例において延長部にホットバーを当ててシール部を形成し、一旦冷却した後、両面接着テープを介在させて延長部を本体部に押し当てて接着した。これを実施例1*とする。
実施例2により2枚重ねフィルムで構成した延長部に幅全体にわたる長さのホットバーを当てて部分的に溶融後、直ちに底縁に沿った線で折りまげて本体部分に重ね、さらに延長部の自由端側をそれ自身の上に折り返して4枚重ねの延長部とした後、圧板で延長部を本体側に押圧した。
実施例3により延長部を本体側に折り返して重ね、重畳部分に延長部側からホットバーを当ててヒートシールした。これによりシールと本体側への接着を同時に行った。
実施例4により延長部をそれ自身の上に1回折り返した後、延長部を本体側に重ね合わせ、延長部側からホットバーを当ててヒートシールした。これによりシールと本体側への接着を同時に行った。
比較例1として、折り返しを行わずに従来法によりヒートシールしたものを作成した。
参考例として、底部がヒートシールされている市販の低密度ポリエチレン製ゴミ袋(参考例1)、高密度ポリエチレン製ゴミ袋(参考例2)及び高密度ポリエチレン製レジ袋(参考例3)を試験した。
【0020】
(3)以上の試作品及び参考例の製品を試験した。試験方法はつぎの通りである。
a)最大点荷重破断点エネルギーの測定方法
JIS0238に従った。試験機は、株式会社オリエンテック製、テンシロン万能試験機(RTC1250)を使用した。
b)対衝撃試験方法
袋形状に成型したフィルムの耐衝撃性試験方法。
袋内部に3kgの水を入れ、30cmの上下動を4回/秒の割合で行った。
破袋が発生した時点で終了とし、破袋までに要した上下動の回数を計測した。
【0021】
(4)試験結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
評価結果を基にした考察
比較例1から分かるように、リサイクルPETとポリオレフィン系樹脂のアロイのフィルムにおいて最も問題となっていた点は、現行の製品(参考例1〜3)に比較して、袋底部(ヒートシール部分)の耐衝撃性が低すぎる事であったが、実施例1〜4の試作例に示すように、本発明を採用することにより対衝撃及び応力支持能力が大幅に改善される。実施例1*は両面接着テープ(粘着性のもの)を接着に用いた場合であるが、充分に袋の底部強度が付与できたものであり、実際には接着剤で恒久的に接着すればさらに耐久強度が向上することを示す。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明によるとシール部を底部延長部に形成し、底縁に沿って折り返して本体部に接着しただけで底縁にシール部が形成されている従来品に比して非常に高い耐荷重及び耐衝撃強度を有する袋が提供できる。特にPETとポリオレフィン系樹脂のアロイの場合にも大きい効果があることは注目すべきことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来法によるプラスチック袋の底部のヒートシールを示す図である。
【図2】従来法でヒートシールしたシール部の状態を説明する図である。
【図3】従来法によるシール部を有するプラスチック袋の底部概念図である。
【図4】他の従来法とシール部を説明する図である。
【図5】本発明の第1実施例によるシール法の最初の段階に示す図である。
【図6】本発明の第1実施例によるシール法の第2工程を示す図である。
【図7】本発明の第1実施例により得られたシール部の構造を有する袋の使用状態を示す図である。
【図8】本発明の第2実施例によるヒートシールを示す図である。
【図9】本発明の第2実施例により得られたシール部を有する袋底部を示す図である。
【図10】本発明の第3実施例によるヒートシールを示す図である。
【図11】本発明の第3実施例により得られたシール部を有する袋底部を示す図である。
【図12】本発明の第3実施例により得られたシール部を有する袋の使用状態を示す図である。
【図13】本発明の第4実施例によるヒートシールを示す図である。
【図14】本発明の第4実施例により得られたシール部を有する袋の使用状態を示す図である。
【図15】本発明の第5実施例より得られたシール部を有する袋の使用状態を示す図である。
【符号の説明】
1 ホットバー
2 プラスチックフィルム
3、4 境界部
5 溶着部(シール部)
8 折り曲げ部(箇所)
9 本体部
10 延長部
11 折り曲げ部
12 先端側フィルム
Claims (9)
- 平坦にしたプラスチックフィルム管状体より形成されたプラスチック袋において、袋の底縁部に延長部10を設け、この延長部10にそのまま又は1回以上折り重ねた状態でヒートシールしたシール部5を設け、前記底縁部で前記延長部10を前記シール部5と共に本体側に折り返し、前記延長部10の少なくとも一部を前記管状体の本体9側の側面に接着したことを特徴とするプラスチック袋。
- 前記接着の位置は前記シール部である請求項1の袋。
- 平坦にしたプラスチックフィルム管状体の、完成した袋の底縁部となるべき部分よりも先端側の延長部10をそのまま又は1回以上折り重ねた状態でヒートシールすることによりシール部5を形成し、前記底縁部で前記先端側延長部を前記シール部5と共に本体側に折り返し、次いで前記先端部を前記管状体の本体側に接着することを特徴とするプラスチック袋の製造方法。
- 前記接着は前記シール部5が未だ接着可能な溶融状態にある間に前記シール部5を前記本体部に押圧することにより行われる請求項2の製造方法。
- 前記接着は接着剤を使用して行われる請求項2の製造方法。
- 平坦にしたプラスチックフィルム管状体の、完成した袋の底縁部となるべき部分よりも先端側の延長部10をそのまま又は1回以上折り重ねた状態で前記延長部10を前記管状体の本体9側に折り返し、次いで上記折り返した延長部の一部又は前記折り重ね部分を前記延長部10側からヒートシールしてシール部5を形成すると同時に前記シール部5を本体9側に接着することを特徴とするプラスチック袋の製造方法。
- 前記ヒートシールは、前記本体側を溶融しない程度に行われる請求項6の製造方法。
- プラスチックフィルムがポリエステルとポリオレフィン系樹脂のアロイである請求項1または2の袋。
- プラスチックフィルムがポリエステルとポリオレフィン系樹脂のアロイである請求項3〜7のいずれかの製造方法。
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JP2003160753A JP2004359304A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | プラスチックフィルム製袋とその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012245999A (ja) * | 2011-05-26 | 2012-12-13 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 自立充填パウチ |
JP2015221674A (ja) * | 2014-05-22 | 2015-12-10 | 東洋製罐株式会社 | パウチ及びその製造方法 |
-
2003
- 2003-06-05 JP JP2003160753A patent/JP2004359304A/ja not_active Withdrawn
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