JP2004357886A - 誘導加熱式調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】調理容器の外面に凸部を形成することにより、大きなコストアップなしに、電力効率を向上できるようにする。
【解決手段】IHコイル10による誘導加熱により加熱される調理容器(内鍋3)を備えた誘導加熱式調理器において、前記調理容器(内鍋3)の外面に、前記IHコイル10と対向する凸状部33を一体に形成して、調理容器(内鍋3)におけるIHコイル10と対向する部位の表面積を増大させるとともに、IHコイル10との距離も短くなってより強い磁束にさらされるようにし、もって電力効率の向上を図り得るようにしている。
【選択図】 図2
【解決手段】IHコイル10による誘導加熱により加熱される調理容器(内鍋3)を備えた誘導加熱式調理器において、前記調理容器(内鍋3)の外面に、前記IHコイル10と対向する凸状部33を一体に形成して、調理容器(内鍋3)におけるIHコイル10と対向する部位の表面積を増大させるとともに、IHコイル10との距離も短くなってより強い磁束にさらされるようにし、もって電力効率の向上を図り得るようにしている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、電磁誘導コイルによる誘導加熱により加熱調理を行うように構成された誘導加熱式調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電磁誘導コイルによる誘導加熱により加熱される調理容器を備えた誘導加熱式調理器は、従来から良く知られている。例えば、内鍋底部を電磁誘導コイルの誘導加熱により加熱するように構成された誘導加熱式炊飯器がある。
【0003】
このような構成の誘導加熱式炊飯器における内鍋は丸鍋とされているのが通例であり、このような丸鍋を使用した場合、電力効率向上に限界があった。電磁誘導コイルの特性を変化させれば、効率向上も可能ではあるが、条件出しが難しく、またコストアップになる要素が大きい。そこで、大きなコストアップをせずに、内鍋の電力効率向上を図る為に、新たな鍋形状が必要となっている。
【0004】
ところで、誘導加熱式炊飯器の内底部において、磁気遮蔽部材として作用するフェライトコアと対応する位置に内方に向かって凸な凸部を設けることにより、表面積増大部を形成したものが提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−309850号公報(段落番号「0011」、図1)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1に開示されている誘導加熱式炊飯器の場合、内鍋の内底部において、磁気遮蔽部材として作用するフェライトコアと対応する位置に内方に向かって凸な凸部を設けることにより、表面積増大部を形成して、フェライトコアの上部の発熱を分散させ、均一加熱を実現するようにしているが、内鍋の外面においては凸部の形成跡が凹部を形成することとなっていため、この凹部と電磁誘導コイルとの距離は他の部位より遠くならざるを得ず、実質的には発熱量が減っている可能性がある(即ち、内鍋と電磁誘導コイルとの距離が大きくなっているので、結合係数が低くなっている)。
【0007】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、調理容器の外面に凸部を形成することにより、大きなコストアップなしに、電力効率を向上できるようにすることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、電磁誘導コイルによる誘導加熱により加熱される調理容器を備えた誘導加熱式調理器において、前記調理容器の外面に、前記電磁誘導コイルと対向する凸状部を一体に形成している。
【0009】
上記のように構成したことにより、調理容器における電磁誘導コイルと対向する部位の表面積が増大するとともに、電磁誘導コイルとの距離も短くなってより強い磁束にさらされるところから、凸状部が形成されている部位の発熱量が他の部位の発熱量より大きくなる。従って、従来の調理容器と比較して電力効率が向上するし、発熱量の大きい部位と発熱量の小さい部位とを自由に設定できるところから、対流を促進することもできる。
【0010】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第2の手段として、上記第1の手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記凸状部の幅を、前記調理容器の肉厚より大きく設定することもでき、そのようにした場合、凸状部における熱容量が大きくなるところから、発熱量の増大効果による影響力を確保することができる。
【0011】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2の手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記凸状部の高さを、前記調理容器の肉厚より大きく設定することもでき、そのようにした場合、凸状部における熱容量が大きくなるところから、発熱量の増大効果による影響力を確保することができる。
【0012】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第4の手段として、上記第1、第2又は第3の手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記調理容器の内面を面一形状とすることもでき、そのようにした場合、調理容器内の調理物の撹拌あるいは洗浄等が容易となる。
【0013】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第5の手段として、上記第1、第2、第3又は第4手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記凸状部を連続した一連形状とすることもでき、そのようにした場合、発熱量増大部が連続状態となるところから、発熱量増大部の形状設定が容易となる。
【0014】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第6の手段として、上記第1、第2、第3、第4又は第5手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記電磁誘導コイルの反調理器側に、該電磁誘導コイルの磁気を遮蔽するフェライトコアを配設するとともに、前記凸状部を、前記フェライトコアと対向する部位以外に形成することもでき、そのようにした場合、フェライトコアと対向する部位は磁束が集まる部位となるところから発熱量が多い部分となるが、凸状部が形成されている部位も発熱量が増大することとなるところから、全体的に加熱が強い状態で均一加熱ができることとなる。
【0015】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第6の手段として、上記第1、第2、第3、第4又は第5手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記電磁誘導コイルの反調理器側に、該電磁誘導コイルの磁気を遮蔽するフェライトコアを配設するとともに、前記凸状部を、前記フェライトコアと対向する部位に形成することもでき、そのようにした場合、凸状部が形成されている部位の発熱量がより一層増大することとなり、他の部位との発熱量の差が大きくなるところから、対流をより一層促進することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかの好適な実施の形態について詳述する。
【0017】
第1の実施の形態
図1ないし図4には、本願発明の第1の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器が示されている。
【0018】
この誘導加熱式炊飯器は、内部に調理容器である炊飯用の内鍋3を収納し得るように構成され且つ空間部4を有する二重構造の炊飯器本体1と、該炊飯器本体1の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体2とを備えている。
【0019】
前記炊飯器本体1は、外側壁を構成する胴部5aと底壁を構成する底部5bとからなる合成樹脂製の外ケース5と、肩部を構成する合成樹脂製の肩部材6と、内周壁を構成する合成樹脂製の有底筒状の保護枠7とからなっており、前記外ケース5、肩部材6および保護枠7に囲まれて前記空間部4が形成されている。なお、前記保護枠7内には、前記内鍋3が取り出し可能に収納されることとなっている。
【0020】
前記保護枠7の底面中央部には、内鍋温度を検出するための温度検出手段として作用するセンタセンサー8を臨ませるためのセンサー穴9が形成されている。
【0021】
前記センサー穴9を包囲するように炊飯時における加熱手段として作用する環状の電磁誘導コイル(以下、IHコイルという)10が前記保護枠7の底面および該底面から側周面に至る間の湾曲部に対応して配設されている。該IHコイル10は、交番磁界(換言すれば、電磁波)を発生するものであり、該交番磁界の電磁誘導により前記内鍋3に誘導渦電流を発生させ、該誘導渦電流の抵抗熱を利用して内鍋3を加熱するものとされている。なお、内鍋3は、IHコイル10により誘導渦電流を発生させることのできる材質(例えば、磁性体材料)により構成される。
【0022】
前記IHコイル10は、前記保護枠7の底面に対して固定されたコイルダイ11と前記保護枠7の底面との間に挟持されている。符号12はフェライトコアであり、前記IHコイル10の下方において4本が放射状に配設されていて(図2参照)、IHコイル10による磁気が下方に存在する機器に対して影響を及ぼさないように遮蔽する作用をなす。
【0023】
前記センサー穴9内には、前記内鍋3の底部に対して接触するようにしてセンタセンサー8が設けられている。また、前記保護枠7の側周面には、保温時における加熱手段として作用する保温ヒータ13が取り付けられている。保温ヒータ13に代えて電磁誘導コイル(即ち、IHコイル)を採用する場合もある。
【0024】
前記炊飯器本体1の底部(即ち、外ケース底部5bの内底部)には、前記IHコイル10の通電制御を行うためのパワートランジスタおよび整流用ダイオードブリッジ(図示省略)等の電子部品を冷却するヒートシンク14へ冷却風を圧送する電子部品冷却用ファン15が配設されている。また、前記炊飯器本体1の底壁(具体的には、外ケース底部5b)には、前記電子部品冷却用ファン15に対向して空気入口16,16・・が形成されている。符号17は前記電子部品が配設されている電源基板である。
【0025】
一方、前記蓋体2は、外面を構成する合成樹脂製の上板18と、内面を構成する合成樹脂製の下板19とによって構成されている。この蓋体2は、前記肩部材6の一側に形成されたヒンジユニット20を介して炊飯器本体1に対して弧回動自在且つ着脱自在に取り付けられている。符号21は蓋体2内に配設された断熱材である。
【0026】
そして、前記蓋体2の中央部には、前記上板18から垂設された筒部22が形成されており、該筒部22内には、炊飯時に発生する水蒸気を外部へ排出するための蒸気排出通路23を有するスチームキャップ24が着脱自在に取り付けられている。
【0027】
前記蓋体2の下面には、該蓋体2の閉止時に前記内鍋3の開口部を密閉するための放熱板25が取り付けられている。該放熱板25は、アルミ合金等の熱良導体からなっている。符号26は放熱板25の周縁と内鍋3の開口部との間をシールするシールパッキン、27は放熱板25と蓋体下板19との間をシールするシールパッキンである。
【0028】
前記肩部材6には、肩ヒータ28が設けられている。該肩ヒータ28に対しては、前記蓋体2の閉止時に前記放熱板25の外周縁が圧接されることとなっており、放熱板25は肩ヒータ28からの熱伝導により加熱されることとなっている。この肩ヒータ28は、断面逆U字状のヒータリング29と、該ヒータリング29内に配設された発熱体30とからなっている。
【0029】
図面中、符号31はロック機構、32は各種操作スイッチ類(例えば、炊飯スイッチ、予約スイッチ等)および表示装置として作用する液晶表示装置を備えた操作パネル部である。
【0030】
本実施の形態においては、前記内鍋3の電力効率を向上させる目的で、該内鍋3の外面には、前記IHコイル10と対向する凸状部33,33・・が一体に形成されている。該凸状部33の形状は特に限定されないが、本実施の形態においては、8本の放射状の凸状部33,33・・とされており、前記フェライトコア12,12・・と対向する部位以外において、前記内鍋3の底部中央部を除く部位から湾曲面にかけて形成されている(図2および図3参照)。また、前記内鍋3の内面は面一形状とされており、このようにしたことにより、内鍋3内の調理物の撹拌あるいは洗浄等が容易となる。
【0031】
また、前記各凸状部33の幅Dは、前記内鍋3の肉厚tより大きく、各凸状部33の高さHは、前記内鍋3の肉厚tより大きく設定されている(図4参照)。このようにすると、各凸状部33における熱容量が大きくなるところから、発熱量の増大効果による影響力を確保することができる。
【0032】
上記のように構成したことにより、内鍋3におけるIHコイル10と対向する部位の表面積が増大するとともに、IHコイル10との距離も短くなってより強い磁束にさらされるところから、凸状部33,33・・が形成されている部位の発熱量が他の部位の発熱量より大きくなる。一方、フェライトコア12,12・・と対向する部位は、磁束が集まる部位となるところから発熱量が多い部分となる。従って、全体的に加熱が強い状態で均一加熱ができることとなり、従来の内鍋と比較して電力効率が向上する。
【0033】
ところで、上記とは逆に、フェライトコア12,12・・と対向する部位に凸状部33,33・・を形成することもできる。その場合、凸状部33,33・・の発熱量が、表面積の増大および距離の短縮とフェライトコア12,12・・による磁束の集中とに起因して大幅に増大することとなる。従って、凸状部33,33・・が形成されている部位と他の部位とにおける発熱量に大きな差が生ずることとなり、対流促進に寄与することとなる。
【0034】
なお、前記各凸状部33の高さは、一様とは限らず、内鍋3の底部においては中心側から外周側に向かうにしたがって高さが高くなるように形成してもよく、その場合、内鍋3の底部における凸状部33,33・・の下面が面一となるように形成すれば、内鍋3を取り出した時に安定した姿勢で置くことができる。
【0035】
第2の実施の形態
図5には、本願発明の第2の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器である誘導加熱式炊飯器に用いられる内鍋が示されている。
【0036】
この場合、放射状の凸状部33,33・・は、内鍋3の底面中央部(センタセンサー8が当接される部分を除く中央部)において円弧形状の凸状部33′,33′・・で結合されている。このようにすると、内鍋3の底面における中央部における発熱量がより増大するところから、内鍋3内においては中心部から外側に向かう対流(即ち、外対流)が起き易くなる。その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0037】
第3の実施の形態
図6および図7には、本願発明の第3の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器である誘導加熱式炊飯器に用いられる内鍋が示されている。
【0038】
この場合、凸状部33は、IHコイル10と対向する内鍋3の湾曲面に形成されており、内鍋3の外周側に向かって凸な部分33aと内鍋3の中央側に凸な部分33bとを交互に6個ずつ有する連続する一連の環形状とされている。そして、この凸状部33は、フェライトコア12,12・・と対向する部位を避けて形成されている。このようにすると、発熱量増大部が連続状態となるところから、発熱量増大部の形状設定が容易となる。その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0039】
第4の実施の形態
図8および図9には、本願発明の第4の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器である誘導加熱式炊飯器に用いられる内鍋が示されている。
【0040】
この場合、凸状部33は、内鍋3の底面から側面にかけて形成されており、内鍋3の底面中央側(センタセンサー8が当接される部分を除く中央部)を中心起点とする連続する一連の渦巻き形状とされている。このようにすると、発熱量増大部が連続状態となるところから、発熱量増大部の形状設定が容易となる。その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0041】
第5の実施の形態
図10には、本願発明の第5の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器である誘導加熱式炊飯器に用いられる内鍋が示されている。
【0042】
この場合、内鍋3の底面中央側(センタセンサー8が当接される部分を除く中央部)を最小円とする複数の同心円形状の凸状部33A,33B・・が内鍋3の底面から湾曲面上部にかけて形成されている。この場合、内鍋3の底面における最外側の凸状部33Dの高さを、それより中央側の凸状部33A,33B,33Cより高くすると、内鍋3を取り出して置くとき安定した姿勢を確保できる。その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0043】
第6の実施の形態
図11には、本願発明の第6の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器である誘導加熱式炊飯器に用いられる内鍋が示されている。
【0044】
この場合、内鍋3の底面から湾曲面にかけて多数の円形に隆起した凸状部33,33・・が形成されている。この場合、これらの凸状部33,33・・の形成密度は、内鍋3の底面中央側において多く、内鍋3の湾曲面側において少なくされている。このようにすると、内鍋3の底面における中央部における発熱量が湾曲面における外周側における発熱量より大きくなるところから、内鍋3内においては中心部から外側に向かう対流(即ち、外対流)が起き易くなる。その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0045】
本願発明における凸状部は、上記実施の形態において説明したものに限定されることはなく、その形状、個数、配列等は、自由に設定することができる。
【0046】
また、上記説明では、誘導加熱式炊飯器を実施の形態としているが、本願発明は、他の誘導加熱式調理器にも適用可能なことは勿論である。
【0047】
【発明の効果】
本願発明の第1の手段によれば、電磁誘導コイルによる誘導加熱により加熱される調理容器を備えた誘導加熱式調理器において、前記調理容器の外面に、前記電磁誘導コイルと対向する凸状部を一体に形成して、調理容器における電磁誘導コイルと対向する部位の表面積を増大させるとともに、電磁誘導コイルとの距離も短くなってより強い磁束にさらされるようにしたので、凸状部が形成されている部位の発熱量が他の部位の発熱量より大きくなり、従来の調理容器と比較して電力効率が向上するし、発熱量の大きい部位と発熱量の小さい部位とを自由に設定できるところから、対流を促進することもできるという効果がある。
【0048】
本願発明の第2の手段におけるように、上記第1の手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記凸状部の幅を、前記調理容器の肉厚より大きく設定することもでき、そのようにした場合、凸状部における熱容量が大きくなるところから、発熱量の増大効果による影響力を確保することができる。
【0049】
本願発明の第3の手段におけるように、上記第1又は第2の手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記凸状部の高さを、前記調理容器の肉厚より大きく設定することもでき、そのようにした場合、凸状部における熱容量が大きくなるところから、発熱量の増大効果による影響力を確保することができる。
【0050】
本願発明の第4の手段におけるように、上記第1、第2又は第3の手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記調理容器の内面を面一形状とすることもでき、そのようにした場合、調理容器内の調理物の撹拌あるいは洗浄等が容易となる。
【0051】
本願発明の第5の手段におけるように、上記第1、第2、第3又は第4手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記凸状部を連続した一連形状とすることもでき、そのようにした場合、発熱量増大部が連続状態となるところから、発熱量増大部の形状設定が容易となる。
【0052】
本願発明の第6の手段におけるように、上記第1、第2、第3、第4又は第5手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記電磁誘導コイルの反調理器側に、該電磁誘導コイルの磁気を遮蔽するフェライトコアを配設するとともに、前記凸状部を、前記フェライトコアと対向する部位以外に形成することもでき、そのようにした場合、フェライトコアと対向する部位は磁束が集まる部位となるところから発熱量が多い部分となるが、凸状部が形成されている部位も発熱量が増大することとなるところから、全体的に加熱が強い状態で均一加熱ができることとなる。
【0053】
本願発明の第6の手段におけるように、上記第1、第2、第3、第4又は第5手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記電磁誘導コイルの反調理器側に、該電磁誘導コイルの磁気を遮蔽するフェライトコアを配設するとともに、前記凸状部を、前記フェライトコアと対向する部位に形成することもでき、そのようにした場合、凸状部が形成されている部位の発熱量がより一層増大することとなり、他の部位との発熱量の差が大きくなるところから、対流をより一層促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器の縦断面図である。
【図2】本願発明の第1の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器における内鍋の底面図である。
【図3】図2のIII−III断面図である。
【図4】図2のIV−IV拡大断面図である。
【図5】本願発明の第2の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器における内鍋の底面図である。
【図6】本願発明の第3の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器における内鍋の側面図である。
【図7】本願発明の第3の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器における内鍋の底面図である。
【図8】本願発明の第4の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器における内鍋の側面図である。
【図9】本願発明の第4の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器における内鍋の底面図である。
【図10】本願発明の第5の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器における内鍋の底面図である。
【図11】本願発明の第6の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器における内鍋の底面図である。
【符号の説明】
3は調理容器(内鍋)、10は電磁誘導コイル(IHコイル)、12はフェライトコア、33,33′,33A,33B・・は凸状部、Dは幅、Hは高さ、tは肉厚。
【発明の属する技術分野】
本願発明は、電磁誘導コイルによる誘導加熱により加熱調理を行うように構成された誘導加熱式調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電磁誘導コイルによる誘導加熱により加熱される調理容器を備えた誘導加熱式調理器は、従来から良く知られている。例えば、内鍋底部を電磁誘導コイルの誘導加熱により加熱するように構成された誘導加熱式炊飯器がある。
【0003】
このような構成の誘導加熱式炊飯器における内鍋は丸鍋とされているのが通例であり、このような丸鍋を使用した場合、電力効率向上に限界があった。電磁誘導コイルの特性を変化させれば、効率向上も可能ではあるが、条件出しが難しく、またコストアップになる要素が大きい。そこで、大きなコストアップをせずに、内鍋の電力効率向上を図る為に、新たな鍋形状が必要となっている。
【0004】
ところで、誘導加熱式炊飯器の内底部において、磁気遮蔽部材として作用するフェライトコアと対応する位置に内方に向かって凸な凸部を設けることにより、表面積増大部を形成したものが提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−309850号公報(段落番号「0011」、図1)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1に開示されている誘導加熱式炊飯器の場合、内鍋の内底部において、磁気遮蔽部材として作用するフェライトコアと対応する位置に内方に向かって凸な凸部を設けることにより、表面積増大部を形成して、フェライトコアの上部の発熱を分散させ、均一加熱を実現するようにしているが、内鍋の外面においては凸部の形成跡が凹部を形成することとなっていため、この凹部と電磁誘導コイルとの距離は他の部位より遠くならざるを得ず、実質的には発熱量が減っている可能性がある(即ち、内鍋と電磁誘導コイルとの距離が大きくなっているので、結合係数が低くなっている)。
【0007】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、調理容器の外面に凸部を形成することにより、大きなコストアップなしに、電力効率を向上できるようにすることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、電磁誘導コイルによる誘導加熱により加熱される調理容器を備えた誘導加熱式調理器において、前記調理容器の外面に、前記電磁誘導コイルと対向する凸状部を一体に形成している。
【0009】
上記のように構成したことにより、調理容器における電磁誘導コイルと対向する部位の表面積が増大するとともに、電磁誘導コイルとの距離も短くなってより強い磁束にさらされるところから、凸状部が形成されている部位の発熱量が他の部位の発熱量より大きくなる。従って、従来の調理容器と比較して電力効率が向上するし、発熱量の大きい部位と発熱量の小さい部位とを自由に設定できるところから、対流を促進することもできる。
【0010】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第2の手段として、上記第1の手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記凸状部の幅を、前記調理容器の肉厚より大きく設定することもでき、そのようにした場合、凸状部における熱容量が大きくなるところから、発熱量の増大効果による影響力を確保することができる。
【0011】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2の手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記凸状部の高さを、前記調理容器の肉厚より大きく設定することもでき、そのようにした場合、凸状部における熱容量が大きくなるところから、発熱量の増大効果による影響力を確保することができる。
【0012】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第4の手段として、上記第1、第2又は第3の手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記調理容器の内面を面一形状とすることもでき、そのようにした場合、調理容器内の調理物の撹拌あるいは洗浄等が容易となる。
【0013】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第5の手段として、上記第1、第2、第3又は第4手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記凸状部を連続した一連形状とすることもでき、そのようにした場合、発熱量増大部が連続状態となるところから、発熱量増大部の形状設定が容易となる。
【0014】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第6の手段として、上記第1、第2、第3、第4又は第5手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記電磁誘導コイルの反調理器側に、該電磁誘導コイルの磁気を遮蔽するフェライトコアを配設するとともに、前記凸状部を、前記フェライトコアと対向する部位以外に形成することもでき、そのようにした場合、フェライトコアと対向する部位は磁束が集まる部位となるところから発熱量が多い部分となるが、凸状部が形成されている部位も発熱量が増大することとなるところから、全体的に加熱が強い状態で均一加熱ができることとなる。
【0015】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第6の手段として、上記第1、第2、第3、第4又は第5手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記電磁誘導コイルの反調理器側に、該電磁誘導コイルの磁気を遮蔽するフェライトコアを配設するとともに、前記凸状部を、前記フェライトコアと対向する部位に形成することもでき、そのようにした場合、凸状部が形成されている部位の発熱量がより一層増大することとなり、他の部位との発熱量の差が大きくなるところから、対流をより一層促進することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかの好適な実施の形態について詳述する。
【0017】
第1の実施の形態
図1ないし図4には、本願発明の第1の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器が示されている。
【0018】
この誘導加熱式炊飯器は、内部に調理容器である炊飯用の内鍋3を収納し得るように構成され且つ空間部4を有する二重構造の炊飯器本体1と、該炊飯器本体1の上部開口を開閉自在に覆蓋する蓋体2とを備えている。
【0019】
前記炊飯器本体1は、外側壁を構成する胴部5aと底壁を構成する底部5bとからなる合成樹脂製の外ケース5と、肩部を構成する合成樹脂製の肩部材6と、内周壁を構成する合成樹脂製の有底筒状の保護枠7とからなっており、前記外ケース5、肩部材6および保護枠7に囲まれて前記空間部4が形成されている。なお、前記保護枠7内には、前記内鍋3が取り出し可能に収納されることとなっている。
【0020】
前記保護枠7の底面中央部には、内鍋温度を検出するための温度検出手段として作用するセンタセンサー8を臨ませるためのセンサー穴9が形成されている。
【0021】
前記センサー穴9を包囲するように炊飯時における加熱手段として作用する環状の電磁誘導コイル(以下、IHコイルという)10が前記保護枠7の底面および該底面から側周面に至る間の湾曲部に対応して配設されている。該IHコイル10は、交番磁界(換言すれば、電磁波)を発生するものであり、該交番磁界の電磁誘導により前記内鍋3に誘導渦電流を発生させ、該誘導渦電流の抵抗熱を利用して内鍋3を加熱するものとされている。なお、内鍋3は、IHコイル10により誘導渦電流を発生させることのできる材質(例えば、磁性体材料)により構成される。
【0022】
前記IHコイル10は、前記保護枠7の底面に対して固定されたコイルダイ11と前記保護枠7の底面との間に挟持されている。符号12はフェライトコアであり、前記IHコイル10の下方において4本が放射状に配設されていて(図2参照)、IHコイル10による磁気が下方に存在する機器に対して影響を及ぼさないように遮蔽する作用をなす。
【0023】
前記センサー穴9内には、前記内鍋3の底部に対して接触するようにしてセンタセンサー8が設けられている。また、前記保護枠7の側周面には、保温時における加熱手段として作用する保温ヒータ13が取り付けられている。保温ヒータ13に代えて電磁誘導コイル(即ち、IHコイル)を採用する場合もある。
【0024】
前記炊飯器本体1の底部(即ち、外ケース底部5bの内底部)には、前記IHコイル10の通電制御を行うためのパワートランジスタおよび整流用ダイオードブリッジ(図示省略)等の電子部品を冷却するヒートシンク14へ冷却風を圧送する電子部品冷却用ファン15が配設されている。また、前記炊飯器本体1の底壁(具体的には、外ケース底部5b)には、前記電子部品冷却用ファン15に対向して空気入口16,16・・が形成されている。符号17は前記電子部品が配設されている電源基板である。
【0025】
一方、前記蓋体2は、外面を構成する合成樹脂製の上板18と、内面を構成する合成樹脂製の下板19とによって構成されている。この蓋体2は、前記肩部材6の一側に形成されたヒンジユニット20を介して炊飯器本体1に対して弧回動自在且つ着脱自在に取り付けられている。符号21は蓋体2内に配設された断熱材である。
【0026】
そして、前記蓋体2の中央部には、前記上板18から垂設された筒部22が形成されており、該筒部22内には、炊飯時に発生する水蒸気を外部へ排出するための蒸気排出通路23を有するスチームキャップ24が着脱自在に取り付けられている。
【0027】
前記蓋体2の下面には、該蓋体2の閉止時に前記内鍋3の開口部を密閉するための放熱板25が取り付けられている。該放熱板25は、アルミ合金等の熱良導体からなっている。符号26は放熱板25の周縁と内鍋3の開口部との間をシールするシールパッキン、27は放熱板25と蓋体下板19との間をシールするシールパッキンである。
【0028】
前記肩部材6には、肩ヒータ28が設けられている。該肩ヒータ28に対しては、前記蓋体2の閉止時に前記放熱板25の外周縁が圧接されることとなっており、放熱板25は肩ヒータ28からの熱伝導により加熱されることとなっている。この肩ヒータ28は、断面逆U字状のヒータリング29と、該ヒータリング29内に配設された発熱体30とからなっている。
【0029】
図面中、符号31はロック機構、32は各種操作スイッチ類(例えば、炊飯スイッチ、予約スイッチ等)および表示装置として作用する液晶表示装置を備えた操作パネル部である。
【0030】
本実施の形態においては、前記内鍋3の電力効率を向上させる目的で、該内鍋3の外面には、前記IHコイル10と対向する凸状部33,33・・が一体に形成されている。該凸状部33の形状は特に限定されないが、本実施の形態においては、8本の放射状の凸状部33,33・・とされており、前記フェライトコア12,12・・と対向する部位以外において、前記内鍋3の底部中央部を除く部位から湾曲面にかけて形成されている(図2および図3参照)。また、前記内鍋3の内面は面一形状とされており、このようにしたことにより、内鍋3内の調理物の撹拌あるいは洗浄等が容易となる。
【0031】
また、前記各凸状部33の幅Dは、前記内鍋3の肉厚tより大きく、各凸状部33の高さHは、前記内鍋3の肉厚tより大きく設定されている(図4参照)。このようにすると、各凸状部33における熱容量が大きくなるところから、発熱量の増大効果による影響力を確保することができる。
【0032】
上記のように構成したことにより、内鍋3におけるIHコイル10と対向する部位の表面積が増大するとともに、IHコイル10との距離も短くなってより強い磁束にさらされるところから、凸状部33,33・・が形成されている部位の発熱量が他の部位の発熱量より大きくなる。一方、フェライトコア12,12・・と対向する部位は、磁束が集まる部位となるところから発熱量が多い部分となる。従って、全体的に加熱が強い状態で均一加熱ができることとなり、従来の内鍋と比較して電力効率が向上する。
【0033】
ところで、上記とは逆に、フェライトコア12,12・・と対向する部位に凸状部33,33・・を形成することもできる。その場合、凸状部33,33・・の発熱量が、表面積の増大および距離の短縮とフェライトコア12,12・・による磁束の集中とに起因して大幅に増大することとなる。従って、凸状部33,33・・が形成されている部位と他の部位とにおける発熱量に大きな差が生ずることとなり、対流促進に寄与することとなる。
【0034】
なお、前記各凸状部33の高さは、一様とは限らず、内鍋3の底部においては中心側から外周側に向かうにしたがって高さが高くなるように形成してもよく、その場合、内鍋3の底部における凸状部33,33・・の下面が面一となるように形成すれば、内鍋3を取り出した時に安定した姿勢で置くことができる。
【0035】
第2の実施の形態
図5には、本願発明の第2の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器である誘導加熱式炊飯器に用いられる内鍋が示されている。
【0036】
この場合、放射状の凸状部33,33・・は、内鍋3の底面中央部(センタセンサー8が当接される部分を除く中央部)において円弧形状の凸状部33′,33′・・で結合されている。このようにすると、内鍋3の底面における中央部における発熱量がより増大するところから、内鍋3内においては中心部から外側に向かう対流(即ち、外対流)が起き易くなる。その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0037】
第3の実施の形態
図6および図7には、本願発明の第3の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器である誘導加熱式炊飯器に用いられる内鍋が示されている。
【0038】
この場合、凸状部33は、IHコイル10と対向する内鍋3の湾曲面に形成されており、内鍋3の外周側に向かって凸な部分33aと内鍋3の中央側に凸な部分33bとを交互に6個ずつ有する連続する一連の環形状とされている。そして、この凸状部33は、フェライトコア12,12・・と対向する部位を避けて形成されている。このようにすると、発熱量増大部が連続状態となるところから、発熱量増大部の形状設定が容易となる。その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0039】
第4の実施の形態
図8および図9には、本願発明の第4の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器である誘導加熱式炊飯器に用いられる内鍋が示されている。
【0040】
この場合、凸状部33は、内鍋3の底面から側面にかけて形成されており、内鍋3の底面中央側(センタセンサー8が当接される部分を除く中央部)を中心起点とする連続する一連の渦巻き形状とされている。このようにすると、発熱量増大部が連続状態となるところから、発熱量増大部の形状設定が容易となる。その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0041】
第5の実施の形態
図10には、本願発明の第5の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器である誘導加熱式炊飯器に用いられる内鍋が示されている。
【0042】
この場合、内鍋3の底面中央側(センタセンサー8が当接される部分を除く中央部)を最小円とする複数の同心円形状の凸状部33A,33B・・が内鍋3の底面から湾曲面上部にかけて形成されている。この場合、内鍋3の底面における最外側の凸状部33Dの高さを、それより中央側の凸状部33A,33B,33Cより高くすると、内鍋3を取り出して置くとき安定した姿勢を確保できる。その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0043】
第6の実施の形態
図11には、本願発明の第6の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器である誘導加熱式炊飯器に用いられる内鍋が示されている。
【0044】
この場合、内鍋3の底面から湾曲面にかけて多数の円形に隆起した凸状部33,33・・が形成されている。この場合、これらの凸状部33,33・・の形成密度は、内鍋3の底面中央側において多く、内鍋3の湾曲面側において少なくされている。このようにすると、内鍋3の底面における中央部における発熱量が湾曲面における外周側における発熱量より大きくなるところから、内鍋3内においては中心部から外側に向かう対流(即ち、外対流)が起き易くなる。その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0045】
本願発明における凸状部は、上記実施の形態において説明したものに限定されることはなく、その形状、個数、配列等は、自由に設定することができる。
【0046】
また、上記説明では、誘導加熱式炊飯器を実施の形態としているが、本願発明は、他の誘導加熱式調理器にも適用可能なことは勿論である。
【0047】
【発明の効果】
本願発明の第1の手段によれば、電磁誘導コイルによる誘導加熱により加熱される調理容器を備えた誘導加熱式調理器において、前記調理容器の外面に、前記電磁誘導コイルと対向する凸状部を一体に形成して、調理容器における電磁誘導コイルと対向する部位の表面積を増大させるとともに、電磁誘導コイルとの距離も短くなってより強い磁束にさらされるようにしたので、凸状部が形成されている部位の発熱量が他の部位の発熱量より大きくなり、従来の調理容器と比較して電力効率が向上するし、発熱量の大きい部位と発熱量の小さい部位とを自由に設定できるところから、対流を促進することもできるという効果がある。
【0048】
本願発明の第2の手段におけるように、上記第1の手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記凸状部の幅を、前記調理容器の肉厚より大きく設定することもでき、そのようにした場合、凸状部における熱容量が大きくなるところから、発熱量の増大効果による影響力を確保することができる。
【0049】
本願発明の第3の手段におけるように、上記第1又は第2の手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記凸状部の高さを、前記調理容器の肉厚より大きく設定することもでき、そのようにした場合、凸状部における熱容量が大きくなるところから、発熱量の増大効果による影響力を確保することができる。
【0050】
本願発明の第4の手段におけるように、上記第1、第2又は第3の手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記調理容器の内面を面一形状とすることもでき、そのようにした場合、調理容器内の調理物の撹拌あるいは洗浄等が容易となる。
【0051】
本願発明の第5の手段におけるように、上記第1、第2、第3又は第4手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記凸状部を連続した一連形状とすることもでき、そのようにした場合、発熱量増大部が連続状態となるところから、発熱量増大部の形状設定が容易となる。
【0052】
本願発明の第6の手段におけるように、上記第1、第2、第3、第4又は第5手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記電磁誘導コイルの反調理器側に、該電磁誘導コイルの磁気を遮蔽するフェライトコアを配設するとともに、前記凸状部を、前記フェライトコアと対向する部位以外に形成することもでき、そのようにした場合、フェライトコアと対向する部位は磁束が集まる部位となるところから発熱量が多い部分となるが、凸状部が形成されている部位も発熱量が増大することとなるところから、全体的に加熱が強い状態で均一加熱ができることとなる。
【0053】
本願発明の第6の手段におけるように、上記第1、第2、第3、第4又は第5手段を備えた誘導加熱式調理器において、前記電磁誘導コイルの反調理器側に、該電磁誘導コイルの磁気を遮蔽するフェライトコアを配設するとともに、前記凸状部を、前記フェライトコアと対向する部位に形成することもでき、そのようにした場合、凸状部が形成されている部位の発熱量がより一層増大することとなり、他の部位との発熱量の差が大きくなるところから、対流をより一層促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器の縦断面図である。
【図2】本願発明の第1の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器における内鍋の底面図である。
【図3】図2のIII−III断面図である。
【図4】図2のIV−IV拡大断面図である。
【図5】本願発明の第2の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器における内鍋の底面図である。
【図6】本願発明の第3の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器における内鍋の側面図である。
【図7】本願発明の第3の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器における内鍋の底面図である。
【図8】本願発明の第4の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器における内鍋の側面図である。
【図9】本願発明の第4の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器における内鍋の底面図である。
【図10】本願発明の第5の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器における内鍋の底面図である。
【図11】本願発明の第6の実施の形態にかかる誘導加熱式調理器の一例である誘導加熱式炊飯器における内鍋の底面図である。
【符号の説明】
3は調理容器(内鍋)、10は電磁誘導コイル(IHコイル)、12はフェライトコア、33,33′,33A,33B・・は凸状部、Dは幅、Hは高さ、tは肉厚。
Claims (7)
- 電磁誘導コイルによる誘導加熱により加熱される調理容器を備えた誘導加熱式調理器であって、前記調理容器の外面には、前記電磁誘導コイルと対向する凸状部を一体に形成したことを特徴とする誘導加熱式調理器。
- 前記凸状部の幅を、前記調理容器の肉厚より大きく設定したことを特徴とする前記請求項1記載の誘導加熱式調理器。
- 前記凸状部の高さを、前記調理容器の肉厚より大きく設定したことを特徴とする前記請求項1および2のいずれか一項記載の誘導加熱式調理器。
- 前記調理容器の内面を面一形状としたことを特徴とする前記請求項1、2および3のいずれか一項記載の誘導加熱式調理器。
- 前記凸状部を連続した一連形状としたことを特徴とする前記請求項1、2、3および4のいずれか一項記載の誘導加熱式調理器。
- 前記電磁誘導コイルの反調理器側には、該電磁誘導コイルの磁気を遮蔽するフェライトコアを配設するとともに、前記凸状部を、前記フェライトコアと対向する部位以外に形成したことを特徴とする前記請求項1、2、3、4および5のいずれか一項記載の誘導加熱式調理器。
- 前記電磁誘導コイルの反調理器側には、該電磁誘導コイルの磁気を遮蔽するフェライトコアを配設するとともに、前記凸状部を、前記フェライトコアと対向する部位に形成したことを特徴とする前記請求項1、2、3、4および5のいずれか一項記載の誘導加熱式調理器。
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