JP2004357524A - 麺帯生成装置 - Google Patents

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Shozo Hirayama
省三 平山
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Abstract

【課題】グルテンが十分に成長した状態の麺帯w2をコンパクトな装置により能率的に生成させることのできる麺帯生成装置を提供する。
【解決手段】捏水を加えた穀粉を混練して生成された麺生地wを、圧延ローラで圧延して麺帯生地を生成する麺帯生成装置において、第一圧延ローラ5と第二圧延ローラ6はそれぞれの回転中心軸2、3と同心の円筒状周面を有するものとなし、且つこれら両圧延ローラ5、6で圧延された中間麺帯w1をさらに延圧する第三圧延ローラ7を配置するものとなし、また該第三圧延ローラ7はこれの回転中心軸4と同心の円周面軌跡上を自転しつつ公転する複数の自由回動する遊星ローラ9を具備したものとなし、且つ該第三圧延ローラ7の円周軌跡径を前記圧延ローラ6のそれと同等若しくは小ならしめた構成となす。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、「うどん」「そば」や「中華麺」などの麺類を製造する際に使用される麺帯生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に示すように、麺生地を第一及び第二圧延ローラで圧延することにより中間麺帯を生成し、次に該中間麺帯を第二及び第三圧延ローラで圧延することにより最終麺帯を生成するように作動し、この際、前記圧延ローラのそれぞれがその対応する回転中心と同心の平滑面からなる単一の円筒周面を有するものとなされた麺帯生成装置は存在している。
【0003】
【特許文献1】
特開平06−276913号公報(第3頁、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
腰のある美味しい「うどん」「そば」や「中華麺」を作るには、麺生地の圧延中に内部構造を組成するグルテンの編み目構造を破壊しないことが重要であるが、上記した従来の麺帯生成装置による処理では、麺生地を圧延ローラの平坦面からなる周面で単純にシート状に圧延するだけであるため、麺生地に剪断力が付与され、グルテンの編み目構造が破壊され易いという問題がある。
本発明は、主に斯かる問題点に鑑みて創案されたもので、即ち、グルテンが十分に成長した状態の麺帯をコンパクトな装置により能率的に生成させることのできる麺帯生成装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、次のような手段を講じるのである。
即ち、先ず本願の第一の発明は、請求項1に記載したように、捏水を加えた穀粉を混練して生成された麺生地を、圧延ローラで圧延して麺帯生地を生成する麺帯生成装置において、第一圧延ローラと第二圧延ローラはそれぞれの回転中心軸と同心の円筒状周面を有するものとなし、且つこれら両圧延ローラで圧延された中間麺帯をさらに延圧する第三圧延ローラを配置するものとなし、また該第三圧延ローラはこれの回転中心軸と同心の円周面軌跡上を自転しつつ公転する複数の自由回動する遊星ローラを具備したものとなし、且つ該第三圧延ローラの円周軌跡径を前記圧延ローラのそれと同等若しくは小ならしめたことを特徴とする。
【0006】
該発明によれば、3本の圧延ローラが麺生地に対し2回の圧延処理を行うものとなって装置がコンパクト化されると共に、麺生地が各圧延処理で段階的に圧延されるため、麺生地のグルテンの編み目構造が破壊され難くなるという作用が得られる上に次のような作用が得られる。即ち、前記第三圧延ローラの回転により、複数の前記遊星ローラが前記第二圧延ローラの比較的大きな径の円筒状周面上に存在した麺生地を適度に叩き続いて引き延ばしたり押し延ばしたりする処理を繰り返して行うものとなり、したがって麺生地はチクソトロピー効果により一時的に延展性を増大されて無理なく迅速に圧延されるものとなり、麺生地のグルテンの編み目構造が破壊されていない良質の麺帯が得られる。
【0007】
該発明は次のように具体化するのがよい。
即ち、請求項2に記載したように、前記第二圧延ローラと第三圧延ローラの圧延隙間は前記第一圧延ローラと前記第二圧延ローラとの圧延隙間の凡そ0.65倍〜0.8倍程度となるように調整される構成となす。これにより、麺生地は比較的大きな圧延隙間となされた前記第一圧延ローラ及び前記第二圧延ローラによりそのグルテンの編み目構造を破壊されることなく先ず第一段階の圧延処理を受け、この後、比較的小さい圧延隙間となされた前記第二圧延ローラ及び前記第三圧延ローラによりそのグルテンの編み目構造を破壊されることなく第二段階の圧延処理を受けて所望の生地厚となされるのである。
【0008】
また請求項3に記載したように、前記第一圧延ローラ及び第二圧延ローラのそれぞれは略同一周速度で回転され、また前記第三圧延ローラは前記第一圧延ローラ又は第二圧延ローラの凡そ3倍程度の周速度で回転するように調整される構成となす。これにより前記遊星ローラは前記第二圧延ローラの円周面上の麺生地に該円周面の周方向へ向かう引張力や押圧力を付与し、該麺生地を前記第二圧延ローラの回転方向へそのグルテンの編み目構造を破壊することなく引き伸ばすものとなる。
【0009】
また本願の第二の発明は、請求項4に記載したように、捏水を加えた穀粉を混練して生成された麺生地を、圧延ローラで圧延して麺帯生地を生成する麺帯生成装置において、第一圧延ローラと第二圧延ローラで圧延された中間麺帯をさらに延圧する第三の圧延ローラを配置するものとなし、また前記第一圧延ローラはこれの回転中心軸と同心の円周面軌跡上を自転しつつ公転する複数の自由回動する遊星ローラを具備したものとなし、且つ前記第二圧延ローラ及び前記第三圧延ローラはそれぞれの回転中心軸と同心の円筒状周面を有するものとなすほか、前記第一圧延ローラの円周軌跡径を前記圧延ローラのそれと同等若しくは小ならしめたことを特徴とする。
【0010】
該発明によれば、請求項1記載の発明の場合と同様に、3本の圧延ローラが麺生地に対し2回の圧延処理を行うものとなって装置がコンパクト化されると共に、麺生地が各圧延処理で段階的に延展されるため、麺生地のグルテンの編み目構造が破壊され難くなるという作用が得られるほかに、次のような作用が得られる。即ち、前記第一圧延ローラの回転により、複数の前記遊星ローラが前記第二圧延ローラの円筒状周面上に存在した麺生地を適度に叩き続いて引き延ばしたり押し伸ばしたりする処理を繰り返して行うものとなり、したがって麺生地はチクソトロピー効果により一時的に延展性を増大されて無理なく迅速に圧延され、そのグルテンの編み目構造が破壊されていない良質の麺帯が得られる。
【0011】
該発明は次のように具体化することができる。
即ち、請求項5に記載したように、前記第一圧延ローラと前記第二圧延ローラの圧延隙間と、前記第二圧延ローラと前記第三圧延ローラの圧延隙間とがほぼ合致するように調整される構成となす。これにより、麺生地は前記第一圧延ローラと前記第二圧延ローラにより一挙に大きく圧延されてもグルテンの編み目構造を破壊されることないものとなり、また前記第二圧延ローラ及び前記第三圧延ローラは麺生地を大きな圧延比率で圧延するものとならなず、麺帯の上下面を平坦面となすなど麺帯の形態を整えるのである。
【0012】
また請求項6に記載したように、前記第一圧延ローラは前記第二圧延ローラの凡そ3倍程度の周速度で回転するように調整される構成となす。これにより前記遊星ローラは前記第二圧延ローラの円周面上の麺生地に該円周面の周方向へ向かう引張力や押圧力を付与し、該麺生地を前記第二圧延ローラの回転方向へそのグルテンの編み目構造を破壊することなく引き伸ばしたり押し伸ばしたりするものとなり、麺生地を大きな圧延比率で圧延することを可能となす。
【0013】
【実施例】
先ず、本発明に係る麺帯生成装置の第一実施例を図1及び図2に基づいて詳細に説明する。ここに、図1は該第一実施例を示す斜視説明図、図2は該第一実施例の側面視説明図である。
【0014】
本発明に係る麺帯生成装置は、左右一対の側板1a、1bを具備した支持フレーム1と、前記側板1a、1b間に3本の回転中心軸2、3、4を介して回転可能となされた第一圧延ローラ5、第二圧延ローラ6及び第三圧延ローラ7を備えると共に、第一圧延ローラ5及び第二圧延ローラ6の上側に麺生地供給手段8を形成されている。
【0015】
第一圧延ローラ5及び第二圧延ローラ6は同一形状となされているのであり、それぞれは直径を凡そ200〜300mm程度となされると共にそれぞれの対応する回転中心軸2、3と同心となされた単一の直円筒状周面5a、6aを有するものとなされている。そして、第一圧延ローラ5は矢印方向f1へ、そして第二圧延ローラ6は矢印方向f2へ回転され、それぞれの回転速度は例えば毎分凡そ4回転程度となす。なお、第一圧延ローラ5及び第二圧延ローラ6は異なる直径を有するものとなしても差し支えないが、この場合でもそれぞれの圧延ローラ5、6の周速度は略一致させる。
【0016】
第三圧延ローラ7はこれの回転中心軸4と同心の円周面軌跡上を自転しつつ公転する複数の遊星ローラ9を具備したものとなすのであって、図示例では、回転中心軸4の左右両端部に一対のホイール板10、10を対向状に固着し、これらホイール板10、10間の回転中心軸4と同心の円周面軌跡の周方向に8本からなる左右向きの遊星ローラ9を特定間隔で配列し、各遊星ローラ9を左右向きの支持軸11を介して一対のホイール板10、10に回転自在に装着している。各遊星ローラ8は同一形状となされていて、例えば直径凡そ50mm程度となされると共にその対応する支持軸11と同心となされた単一の直円筒状周面を有するものとなされる。該圧延ローラ7は第二圧延ローラ6の周速度の凡そ3倍の周速度で矢印方向f3へ回転させるように調整され得るものとなされている。
【0017】
この際、第一圧延ローラ5の直径は第三圧延ローラ7が回転中心軸4回りへ回転されたときの各遊星ローラ9の回転軌跡9aの直径に対し同等かそれ以上となすのであり、また第二圧延ローラ6及び第三圧延ローラ7の圧延隙間t2は、第一圧延ローラ5及び第二圧延ローラ6の圧延隙間t1の凡そ0.65倍〜0.8倍程度となるように調整され得る構成となし、一方、第一圧延ローラ5及び第三圧延ローラ7の間隙t0は成る可く小さいものとなす。
また麺生地供給手段は麺生地wを収容して第一圧延ローラ5及び第二圧延ローラ6の間に麺生地wを供給するためのものであり、例えばホッパーなどが使用される。
【0018】
上記した第一実施例の麺帯生成装置で麺帯を生成するには次のように行う。
穀粉とこれに加えた捏水を混練して群塊状となった含水率が凡そ30%〜50%程度の麺生地を作り、これを麺生地供給手段8の収容部内に投入すると共に、図示しないモータの回転力を回転中心軸2、3に伝達して第一圧延ローラ5及び第二圧延ローラ6を回転状態とする。
【0019】
これにより、第一圧延ローラ5及び第二圧延ローラ6が麺生地供給手段8の収容部内の麺生地wを下方へ巻き込んでこれらの圧延間隙t1を通過させるように第一段階の圧延処理を実施して中間麺帯w1を生成させる。この際、圧延間隙t1は比較的大きいため、圧延処理中の麺生地wに過大な剪断力は作用するものとならず、麺生地wのグルテンの編み目構造は破壊されない。
【0020】
第一圧延ローラ5及び第二圧延ローラ6の回転が継続されると、第一、第二及び第三圧延ローラ5、6、7で囲まれた空間(加圧空間)k内には中間麺帯w1が漸次に滞留され、やがて圧密状態に折り畳まれた状態で存在するものとなる。この状態の後、図示しない電動モータの回転力を回転中心軸4に伝達して第三圧延ローラ7をも回転させる。
【0021】
これにより、第二圧延ローラ6及び第三圧延ローラ7が加圧空間k内の中間麺帯w1を下方へ巻き込んでこれらの圧延間隙t2を通過させるように第二段階の圧延処理を実施するのである。この際、第一圧延ローラ5及び第二圧延ローラ6による麺生地wの送り能力が第二圧延ローラ6及び第三圧延ローラ7による麺生地wの送り能力より大きいため、加圧空間k内では中間麺帯w1が常に加圧状態で存在し、しかも該加圧状態の中間麺帯w1は遊星ローラ9の回転に起因した圧力振動を受けるのであり、これにより加圧空間k内の中間麺帯w1のグルテンの成長が促進される。また第二圧延ローラ6及び第三圧延ローラ7による圧延処理では遊星ローラ9が第二圧延ローラ6の周速度の凡そ3倍程度の周速度で該圧延ローラ6の周面上を送り移動される中間麺帯w1を毎分凡そ100回程度の頻度で叩いては引き延ばしたり押し伸ばしたりするように作用するのであり、この遊星ローラ9による中間麺帯w1の引き延ばし及び押し延ばし処理は麺生地wにチクソトロピー効果を発現させてその流動性を増大させると共に、恰も、麺支持台上の麺生地を麺棒で延展させる従来の手作業による圧延処理と同様に作用する。また第二段階の圧延間隙t2は第一段階の圧延間隙t1に対し凡そ0.65倍〜0.8倍程度に設定されるため、中間麺帯w1は比較的小さい圧延比率で圧延される。したがって、加圧空間k内の中間麺帯w1は第二圧延ローラ6及び第三圧延ローラ7により過大な圧力の作用しない状態の下でグルテンの編み目構造を破断されることなく予定の生地厚さに能率的に圧延されるものとなる。
こうして生成された麺帯w2は加圧空間k内で繰り返し加圧されてグルテンの十分に成長したものとなり、美味しくて腰のある「うどん」「そば」や「中華麺」の提供を可能となす。
【0022】
次に、本発明に係る麺帯生成装置の第二実施例を図3に基づいて詳細に説明する。ここに、図3は該第二実施例の側面視説明図である。
該第二実施例の麺帯生成装置と第一実施例のそれの相違する点について、説明すると、第一圧延ローラ5は第一実施例における第三圧延ローラ7と同様な構造となされているのであって、即ち、回転中心軸2と同心の円周面軌跡上を自転しつつ公転する複数の遊星ローラ9を具備したものとなされており、また第三圧延ローラ7は第一実施例における第二圧延ローラ6と同一のものとなされている。
【0023】
この際、第二圧延ローラ6の直径は第一圧延ローラ5がその回転中心軸2回りへ回転されたときの各遊星ローラ9の回転軌跡9aの直径に対し略同等かそれ以上となすのであり、また第二圧延ローラ6及び第三圧延ローラ7の圧延隙間t2は、第一圧延ローラ5及び第二圧延ローラ6の圧延隙間t1に略一致させ得る構成としている。
その他の部材は第一実施例のものと同一のものとなされており、図3中、第一実施例と同一のものには該第一実施例における符号と同一の符号が付してある。
【0024】
上記した第二実施例の麺帯生成装置で麺帯を生成するには、第一実施例の場合と同様に、麺生地供給手段8の収容部内に麺生地wを投入し、第一圧延ローラ5及び第二圧延ローラ6を回転状態とする。
【0025】
これにより、第一圧延ローラ5及び第二圧延ローラ6が麺生地供給手段8の収容部内の麺生地wを下方へ巻き込んでこれらの圧延間隙t1を通過させるように第一段階の圧延処理を実施して中間麺帯w1を生成させる。この際、圧延間隙t1は第二圧延ローラ6及び第三圧延ローラ7の圧延間隙t2と略同一となされ、圧延比率は比較的大きくなる。
【0026】
しかし、第一圧延ローラ5の遊星ローラ9は第二圧延ローラ6の周速度の凡そ3倍程度の周速度となされて該圧延ローラ6の周面上を送り移動される麺生地wを毎分凡そ100回程度の頻度で叩いては引き延ばしたり押し延ばしたりするように作用する。この遊星ローラ9による麺生地wの引き延ばし及び押し延ばし処理は既述したように、麺生地wにチクソトロピー効果を発現させてその流動性を増大させると共に、恰も麺支持台上の麺生地を麺棒で延展させる従来の手作業による圧延処理と同様に作用するのであり、したがって麺生地供給手段8内の麺生地wは過大な圧力の作用しない状態の下でグルテンの編み目構造を破断されることなく能率的に延展され中間麺帯w1となされる。
【0027】
第一圧延ローラ5及び第二圧延ローラ6の回転が継続されると、第一実施例の場合と同様に、第一、第二及び第三圧延ローラ4、5、6で囲まれた空間(加圧空間)k内には中間麺帯w1が漸次に滞留され、やがて圧密状態に折り畳まれた状態で存在するものとなる。この状態の後、図示しない電動モータの回転力を回転中心軸4に伝達して第三圧延ローラ7をも回転させる。
【0028】
これにより、第二圧延ローラ6及び第三圧延ローラ7が加圧空間k内の中間麺帯w1を下方へ巻き込んでこれらの圧延間隙t2を通過させるように第二段階の圧延処理を実施するのである。この際、圧延間隙t2と圧延間隙t1とが略合致されるため、第一及び第二圧延ローラ6、7による麺生地wの送り能力が第二圧延ローラ6及び第三圧延ローラ7による麺生地wの送り能力より大きくなって、加圧空間k内では中間麺帯w1が常に加圧状態で存在し、しかも該加圧状態の中間麺帯w1は遊星ローラ9の回転に起因した圧力振動を受けるのであり、これにより加圧空間k内の中間麺帯w1のグルテンの成長が促進される。
【0029】
また第二圧延ローラ6及び第三圧延ローラ7は第一段階の圧延処理を終えて自身の弾性で幾分膨張した中間麺帯w1を巻き込んでこれらの圧延間隙t2を通過させるように第二段階の圧延処理を実施するのであり、これにより中間麺帯w1はその厚さを均等に延展され、グルテンの十分に成長した状態の麺帯w2となされる。この第二段階の圧延処理では麺生地wの圧縮比率は小さく、実際上、第二圧延ローラ6及び第三圧延ローラ7は遊星ローラ9の押圧により生成された麺生地wの片表面の凹凸を麺生地w表面に沿って押し引き処理して平滑にするように作用する。この第二段階の圧延処理における中間麺帯w1の引き延ばし及び押し延ばし処理は、恰も麺支持台上の麺生地を麺棒で延展させる従来の手作業による圧延処理と同様に作用するのであり、したがって中間麺帯w1は過大な圧力の作用しない状態の下でグルテンの編み目構造を破断されることなく予定の生地厚さに能率的に圧延されるものとなる。
【0030】
次に、本発明の第三実施例を図4に基づいて説明する。ここに、図4は該第二実施例の側面視説明図である。
該第三実施例の麺帯生成装置は、第一圧延ローラ5及び第二圧延ローラ6からなっており、第一実施例の麺帯生成装置から第一圧延ローラ5を省略したものと同一であり、或いは、第二実施例の麺帯生成装置から第三圧延ローラ7を省略したものと同一である。
【0031】
そして第一圧延ローラ5は第一実施例の第三圧延ローラ7や第二実施例の第一圧延ローラ5と同一となされており、また第二圧延ローラ6は第一実施例や第二実施例における第二圧延ローラ6と同一となされている。
その他の部材は第一実施例のものと同一のものとなされており、図4中、第一実施例と同一のものには該第一実施例における符号と同一の符号が付してある。
【0032】
上記した第三実施例の麺帯生成装置は第一実施例や第二実施例の麺帯生成装置を実現する上で必要となるものであるが、該第三実施例の麺帯生成装置を独立して使用することも可能であり、その場合は、予め前工程で比較的圧延比率の小さい第一段階の圧延処理により中間麺帯w1を作っておき、該中間麺帯w1を複数段に積層して或いは単層のままで、該第三実施例の第一圧延ローラ5及び第二ローラ6の相互間に供給してこれら圧延ローラ5、6の圧延間隙t1を通過させるように圧延させるのである。この際の第一圧延ローラ5及び第二圧延ローラ6は第二実施例の第一圧延ローラ5及び第二圧延ローラ6の場合とほぼ同様に作用する。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の麺帯生成装置によれば、次のような効果が得られる。
即ち、請求項1記載の発明によれば、3本の圧延ローラ5、6、7で麺生地wに2段階の圧延処理を行うものとなして装置をコンパクト化させることができ、また加圧空間k内で麺生地wに遊星ローラ9による圧力振動を付与して麺生地w内のグルテンの成長を促進させることができる。また3本の圧延ローラ5、6、7で麺生地wを段階的に圧延し且つ麺生地wに遊星ローラ9の連続した叩き作用によるチクソトロピー効果を発現させ且つ遊星ローラ9で麺生地wを引き延ばしたり押し延ばしたりすることを繰り返すことにより、麺生地wをそのグルテンの編み目構造を破壊することなく圧延することができるのであり、これにより美味しくて腰のある「うどん」や「そば」の材料である良質の麺帯w2を得ることができるのである。
【0034】
請求項2記載のものによれば、麺生地wのグルテンの編み目構造を破壊することなく所望の生地厚の麺帯w2を能率的に得ることができるようになる。
【0035】
請求項3記載のものによれば、遊星ローラ9の連続した叩き作用により麺生地wにチクソトロピー効果を効果的に発現させると共に遊星ローラ9で麺生地wに効果的な引き延ばしや押し延ばし作用を繰り返して付与することにより、グルテンの成長した良質の麺帯w2を効率的に生成させることができる。
【0036】
請求項4記載のものによれば、請求項1記載の発明の場合と同様の効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、麺生地wを第一圧延ローラ5と第二圧延ローラ6により支障なく一挙に大きな圧延比率で圧延させることができ、また最終的に得られる麺帯w2を第二圧延ローラ6及び第三圧延ローラ7による圧延処理によりその表面に凹凸のないものとなすことができ、斉一且つ直状の麺線が得られるようになる。
【0037】
請求項5記載のものによれば、第一圧延ローラ5及び第二圧延ローラ6により麺生地をグルテンの編み目構造を破壊することなく予定生地厚まで迅速に圧延することができるのであり、また第二圧延ローラ6及び第三圧延ローラ7により麺帯の上下面を平坦面となすなどして麺帯w1の形態を整えることができる。
【0038】
請求項6記載のものによれば、遊星ローラ9の連続した叩き作用により麺生地wにチクソトロピー効果を効果的に発現させると共に遊星ローラ9で麺生地wに効果的な引き延ばしや押し延ばし作用を繰り返して付与することにより、一挙に大きな圧延比率でグルテンの編み目構造を破壊することなく圧延することができて、グルテンの成長した良質の麺帯w2を効率的に生成させることができる。
【0039】
請求項7記載のものによれば、第二圧延ローラ6の円周面上の麺生地wを過度に大きい剪断力を付与することなく圧延することができるものであり、請求項1〜5までの麺帯生成装置を実現させる上で寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る麺帯生成装置の第一実施例を示す斜視説明図である。
【図2】前記第一実施例の側面視説明図である。
【図3】本発明に係る麺帯生成装置の第二実施例を示す側面視説明図である。
【図4】本発明に係る麺帯生成装置の第三実施例を示す側面視説明図である。
【符号の説明】
2 回転中心軸
3 回転中心軸
4 回転中心軸
5 第一圧延ローラ
5a 周面
6 第二圧延ローラ
6a 周面
7 第三圧延ローラ
9a 円周面軌跡
9 遊星ローラ
t1 圧延間隙
t2 圧延間隙
w 麺生地
w1 中間麺帯

Claims (7)

  1. 捏水を加えた穀粉を混練して生成された麺生地を、圧延ローラで圧延して麺帯生地を生成する麺帯生成装置において、第一圧延ローラと第二圧延ローラはそれぞれの回転中心軸と同心の円筒状周面を有するものとなし、且つこれら両圧延ローラで圧延された中間麺帯をさらに延圧する第三圧延ローラを配置するものとなし、また該第三圧延ローラはこれの回転中心軸と同心の円周面軌跡上を自転しつつ公転する複数の自由回動する遊星ローラを具備したものとなし、且つ該第三の圧延ローラの円周軌跡径を前記圧延ローラのそれと同等若しくは小ならしめたことを特徴とする麺帯生成装置。
  2. 前記第二圧延ローラと第三圧延ローラの圧延隙間は前記第一圧延ローラと前記第二圧延ローラとの圧延隙間の凡そ0.65倍〜0.8倍程度となるように調整される構成となされていることを特徴とする請求項1記載の麺帯生成装置。
  3. 前記第一圧延ローラ及び第二圧延ローラのそれぞれは略同一周速度で回転され、また前記第三圧延ローラは前記第二圧延ローラの凡そ3倍程度の周速度で回転するように調整される構成としたことを特徴とする請求項1又は2記載の麺帯生成装置。
  4. 捏水を加えた穀粉を混練して生成された麺生地を、圧延ローラで圧延して麺帯生地を生成する麺帯生成装置において、第一圧延ローラと第二圧延ローラで圧延された中間麺帯をさらに延圧する第三の圧延ローラを配置するものとなし、また前記第一圧延ローラはこれの回転中心軸と同心の円周面軌跡上を自転しつつ公転する複数の自由回動する遊星ローラを具備したものとなし、且つ前記第二圧延ローラ及び前記第三圧延ローラはそれぞれの回転中心軸と同心の円筒状周面を有するものとなすほか、前記第一圧延ローラの円周軌跡径を前記圧延ローラのそれと同等若しくは小ならしめたことを特徴とする麺帯生成装置。
  5. 前記第一圧延ローラと前記第二圧延ローラの圧延隙間と、前記第二圧延ローラと前記第三圧延ローラの圧延隙間とがほぼ合致するように調整される構成としたことを特徴とする請求項4記載の麺帯生成装置。
  6. 前記第一圧延ローラは前記第二圧延ローラの凡そ3倍程度の周速度で回転するように調整される構成としたことを特徴とする請求項4又は5記載の麺帯生成装置。
  7. 捏水を加えた穀粉を混練して生成された麺生地を、圧延ローラで圧延して麺帯生地を生成する麺帯生成装置において、第一圧延ローラはこれの回転中心軸と同心の円周面軌跡上を自転しつつ公転する複数の自由回動する遊星ローラを具備したものとなし、且つ第二圧延ローラはこれの回転中心軸と同心の円筒状周面を有するものとなし、また前記第一圧延ローラの円周軌跡径を前記第二圧延ローラのそれと同等若しくは小ならしめるほか、該第一圧延ローラは前記第二圧延ローラの凡そ3倍程度の周速度で回転するように調整される構成としたことを特徴とする麺帯生成装置。
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