JP2004356190A - 巻線部品および巻線の巻回方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フランジに巻膨れ防止用の特別な加工を施すことなく巻膨れ部分の巻線がフランジから食み出すことを防止する。
【解決手段】巻芯2に巻線4が巻回形成されて成る巻線部品1において、巻芯2の端部にはフランジ3を設け、このフランジ3には、巻芯2の周面に対する突き出し長さKが長い張り出し部8Lと、それよりも突き出し長さが短い張り出し部8Sとを形成する。巻線4を巻芯2に巻回する際には、まず、巻き始め部分4Sを、フランジ3の突き出し長さKの長い張り出し部8Lの端縁側から張り出し面Mに沿って巻芯2に向かって導入する。そして、巻芯2の周面に沿って巻線4を整列巻きして巻線層を形成し、その巻線層を複数積層形成する。巻き始め部分4Sに沿う方向に巻膨れXが生じるが、張り出し部8Lの突き出し長さKは長いので、巻膨れX部分の巻線が外側に食み出ることを防止できる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、巻芯に巻線を巻回形成して成る巻線部品および巻線の巻回方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
図4(a)には巻線部品の一例が模式的な側面図により示され、図4(b)には図4(a)の巻線部品の模式的な断面図が示されている。この巻線部品1はコイル部品であり、巻芯2と、巻芯2の両端部に設けられたフランジ3(3a,3b)と、巻芯2の周面に巻回形成される巻線4とを有して構成されている。この巻線部品1は、例えば、回路に組み込まれて平滑用やチョーク用のインダクタとして機能することができるものである。
【0003】
巻線部品1において、巻芯2とフランジ3は例えば成形技術により一体的に作製されている。これら巻芯2とフランジ3は例えばフェライト等により形成されてコアを構成している。
【0004】
巻線4は絶縁被覆導線により構成されており、次に示すように巻芯2の周面に巻回形成される。例えば、まず、図5(a)に示されるように、巻線4の巻き始め部分4Sを、フランジ3(3a)の端縁側から張り出し面Mに沿って巻芯2に向かって導入する。そして、図5(b)に示されるように、巻線4を巻芯2の周面に沿って整列巻きしながらフランジ3(3b)に向かって最内(1層目)の巻線層を形成する。巻線4がフランジ3(3b)に達すると、その巻線4を1層目の巻線層の上側に巻回し上記同様に整列巻きしながらフランジ3(3a)に向かっていき2層目の巻線層を形成する。そして、巻線4がフランジ3(3a)に達すると、巻線4を2層目の巻線層の上側に巻回し上記同様に整列巻きしながらフランジ3(3b)に向かって3層目の巻線層を形成する。このようにして巻線4を巻芯2に多層に巻回形成していく。
【0005】
この巻線部品1は、巻芯2を回路基板に直交する向きにして回路基板に配置される縦型巻線部品である。つまり、巻線部品1は、フランジ3a,3bのうちの一方側(図示の例ではフランジ3a)を回路基板側に向け当該フランジ3(3a)を回路基板に接合させることで、回路基板に配設される。この巻線部品1の回路基板側となるフランジ3(3a)には端子電極5S,5Fがそれぞれ設けられている。
【0006】
巻線4の巻き始め部分4Sと巻き終わり部分4Fはそれぞれ先端部分の被覆が除去されて導線が露出されている。その巻き始め部分4Sの露出した導線部分が端子電極5Sに、また、巻き終わり部分4Fの露出した導線部分が端子電極5Fに、それぞれ、接続されており、巻線4の巻き始め部分4Sと巻き終わり部分4Fは、それぞれ、端子電極5S,5Fに導通されている。それら端子電極5S,5Fが、例えば、回路基板に形成されている接続相手である電極パッドに例えば半田などの接続用材料を介して接続することにより、巻線4から成るコイルが回路基板の回路に組み込まれることになる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−359136号公報
【特許文献2】
特開平10−223461号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図4に示すような巻線部品1では、巻膨れと呼ばれる問題が発生してしまう。その問題は、巻線4の巻き始め部分4Sがフランジ3(3a)の端縁側から張り出し面Mに沿って巻芯2に導入されることと、巻線部品1の量産化のために巻線4が巻芯2に機械により巻回形成されることとが大きく関与して発生する。
【0009】
すなわち、巻線4は、図6(a)のイメージ図に示されるように各巻線層6,6,6間の隙間が無い状態で、巻芯2に多層に巻回形成されることが望ましい。しかし、巻線4の巻き始め部分4Sがフランジ3(3a)の端縁側から張り出し面Mに沿って巻芯2に導かれているために、各巻線層6,6,6においてフランジ3(3a)に接する巻き位置の巻線部分は、必ず、巻線4の巻き始め部分4Sに摺動することになる。巻線4が量産化のために機械によって巻芯2に巻回形成される場合には、巻線4は、巻芯2の巻回位置によらずに、予め定められた一定の力でもって巻芯2に巻回される。このため、巻線4が巻き始め部分4Sに摺動する際には巻き始め部分4Sとの摩擦力に抗いながら巻線4を巻回しなければならないのにも拘わらず、他の部分を巻回するときと同じ力で巻回されるので、摩擦力に抗する分、巻回力不足となって巻線4を巻芯2に締めて巻回することができない。これにより、例えば図6(b)のイメージ図に示されるように、巻線4が巻き始め部分4Sに摺動する部分において各巻線層6,6,6間に隙間Sが生じる。これに起因して、図7のイメージ図に示されるように、巻芯2に巻回形成されている巻線4の一部Xが巻き始め部分4Sに沿う方向に膨れるという巻膨れが発生してしまう。
【0010】
この巻膨れによって次に示すような問題が発生する。例えば、巻線部品1には小型化の要求があり、この小型化の要求によってフランジ3の大きさが規制されている場合がある。この場合、巻膨れを考慮しながら、巻線4を予め定められた設定の巻回数分、巻芯2にフランジ3から食み出さずに巻回形成するためには、巻線4を細くしなければならない。しかし、巻線4を細くすると、巻線部品1での通電電流に対する抵抗が大きくなってしまい、電流の導通損失が増加してしまうという問題が発生してしてしまう。
【0011】
そこで、例えば、特許文献1には、図8に示されるように、フランジ3に切り込み7を形成し、この切り込み7を通して直接的に巻線4の巻き始め部分を巻芯2に導く手法が提案されている。これにより、巻線4の巻き始め部分はフランジ3の張り出し面M上に配置されなくなるので、巻線4が巻き始め部分に摺動することはなく、巻膨れを防止することができる。
【0012】
しかしながら、巻芯2およびフランジ3は例えば成形技術により作製されており、切り込み7が形成されたフランジ3を成形技術により作製することは難しいという問題がある。また、巻線部品1の小型化に伴ってフランジ3の厚みが薄くなる傾向にあるために、切り込み7を形成すると、フランジ3の強度が弱くなってしまい、フランジ3の破損発生の確率が高くなってしまうという問題も発生する。
【0013】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、小型化が容易で電力損失が少なく、また、フランジに巻膨れ防止用の加工を施すことなく巻膨れ部分の巻線がフランジから食み出すことを防止できる巻線部品および巻線の巻回方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明の巻線部品は、巻線と、この巻線が巻回される巻芯と、この巻芯の端部に設けられているフランジとを有し、巻線は巻芯の周面に沿って整列巻きされて巻線層を構成し、その巻線層が積層形成されている多層巻きの巻線部品において、フランジには、巻芯の周面に対する突き出し長さが長い張り出し部と、それよりも突き出し長さが短い張り出し部とが形成されており、巻線の巻き始め部分はフランジの突き出し長さの長い張り出し部の端縁側から張り出し面に沿って巻芯に向かって導入されて巻芯に整列巻きされていることを特徴としている。
【0015】
また、この発明の巻線の巻回方法は、端部にフランジが設けられている巻芯に巻線をその巻芯の周面に沿って整列巻きして巻線層を形成していき、その巻線層を複数積層形成する巻線の巻回方法であって、フランジには、巻芯の周面に対する突き出し長さが長い張り出し部と、それよりも突き出し長さが短い張り出し部とを形成しておき、巻線の巻き始め部分をフランジの突き出し長さの長い張り出し部の端縁側から張り出し面に沿って巻芯に向かって導入した後に、巻芯の周面に沿った巻線の整列巻きを開始することを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態例の説明において、前記した巻線部品と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0017】
この実施形態例の巻線部品1は、巻芯2の両端部のフランジ3(3a,3b)のうちの一方側を回路基板側に向けて回路基板に配置されるものである。換言すれば、巻線部品1は、巻芯2を回路基板に直交させる向きにして回路基板に配置される縦型巻線部品である。この縦型巻線部品の高さは、低背化を考慮して、例えば1mm以下となっている。
【0018】
図1には、この実施形態例の巻線部品1を構成する巻芯2およびフランジ3が、一方側のフランジ3から巻芯2の中心軸に沿う方向に巻芯2および他方側のフランジ3を見た状態により簡略化されて示されている。この図に示されるように、この実施形態例では、巻芯2は四角柱状と成し、この巻芯2の両端部に設けられるフランジ3(3a,3b)のうちの一方又は両方は長方形状となっている。その長方形状のフランジ3の中心位置は巻芯2の中心軸の位置に一致し、また、フランジ3の長方形状の各辺は、巻芯2の四角形状の各辺と平行となっており、長方形状のフランジ3は、巻芯2の周面からの突き出し長さKが長い張り出し部8Lと、突き出し長さKが短い張り出し部8Sとを有する。
【0019】
図1に示される点線Cは、巻芯2に巻回される巻線4の理想的な最外輪郭形状を示している。この実施形態例では、その巻線4の最外輪郭位置と、巻芯2の周面に対する突き出し長さKが最も短いフランジ部分の端縁位置(つまり、フランジ3における突き出し長さKの短い張り出し部8Sの端縁位置)とが面一となるように、張り出し部8Sの張り出し長さKが設定されている。換言すれば、巻線4は巻芯2の周面に沿って整列巻きされて巻線層を構成し、その巻線層が複数積層形成されるものであり、その複数の巻線層全体の厚みと、張り出し部8Sの突き出し長さKとが等しくなるように、張り出し部8Sが形成されている。
【0020】
その張り出し部8Sよりも張り出し部8Lは突き出し長さKが長いものである。この実施形態例では、巻線4の巻き始め部分4Sは、突き出し長さKの長い張り出し部8Lの端縁側から張り出し面Mに沿って巻芯2に向かって導入されている。すなわち、この実施形態例に示す巻芯2に巻線4を巻回する際には、巻線4の巻き始め部分4Sを、突き出し長さKの長い張り出し部8Lの端縁側から張り出し面Mに沿って巻芯2に向かって導入した後に、巻芯2の周面に沿った整列巻きを開始する。そして、巻線4を巻芯2の周面に沿って整列巻きしていって他方側のフランジ3に達し1層目の巻線層を形成し終わると、その巻線4を1層目の巻線層の上側に巻回し整列巻きしながら巻き始め側のフランジ3に向かって2層目の巻線層を形成していく。このようにして、巻線4を巻芯2の周面に沿う方向に整列巻きして巻線層を形成し、その巻線層を積層形成して多層巻きの巻線部品1を作製する。
【0021】
この実施形態例では、巻芯2の中心軸Oを通り巻芯2の四角形状の辺に直交する線Lと、巻線4の理想的な最外輪郭Cとが交差する位置をPoとした場合に、巻線4の巻き始め部分4Sは、突き出し長さKの長い張り出し部8Lの端縁側から張り出し面M上におけるPo位置を通って巻芯2の角部に向かって導入されている。その巻芯2の周面に対する巻き始め部分4Sの導入角度θは、ここでは、約50°〜70°程度となっている。
【0022】
この実施形態例では、巻線4の巻き始め部分4Sをフランジ3の張り出し面Mに沿って巻芯2に導入したので、図2に示す点線C’のように、その巻き始め部分4Sに沿う方向に巻膨れXが発生する。その巻膨れXが発生している部分の巻線4がフランジ3の外に食み出さないように、張り出し部8Lの突き出し長さKが設定されている。
【0023】
この実施形態例では、上記構成以外の巻線部品の構成は、前述した巻線部品の構成と同様である。
【0024】
なお、この発明はこの実施形態例の形態に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、この実施形態例では、巻芯2よりも図1に示す左側のフランジ3部分(巻き始め部分4Sが配置される張り出し部8L)と対称的に、巻芯2よりも右側のフランジ3部分も突き出し長さKの長い張り出し部8Lとなっていたが、この巻芯2よりも右側のフランジ3部分には巻膨れXが発生しないので、例えば、図3(a)に示されるように、その巻芯2よりも右側のフランジ3部分は、突き出し長さKの短い張り出し部8Sとしてもよい。
【0025】
また、この実施形態例では、巻芯2は四角柱状であったが、巻芯2は四角柱状以外の例えば円柱状等の形状であってもよい。さらに、この実施形態例では、フランジ3は長方形状であったが、フランジ3は、巻芯2の周面に対する突き出し長さKが長い部分と短い部分とを有する形状であれば、他の形状であってもよい。例えば、図3(b)に示すように、フランジ3は楕円形状であってもよい。この場合においても、巻線4の巻き始め部分4Sは、フランジ3の突き出し長さKが長い張り出し部8Lの端縁側から張り出し面Mに沿って巻芯2に導入される。これにより、点線C’に示されるように、その巻き始め部分4Sに沿う方向に巻膨れXが発生するが、その巻膨れX部分の巻線4がフランジ3の外に食み出ることを防止できる。
【0026】
さらに、この実施形態例では、巻芯2の周面と巻線4の巻き始め部分4Sとの成す角度θは約50°〜70°程度であったが、その角度θは、フランジ3の形状や、巻線4の太さや、巻線層の積層数などの様々な要因によって定まるものであり、巻線4の巻き始め部分4Sがフランジ3の突き出し長さKの長い張り出し部8Lの端縁側から張り出し面Mに沿って巻芯2に導入されていれば、巻芯2の周面と巻線4の巻き始め部分4Sとの成す角度θは限定されるものではない。
【0027】
さらに、この実施形態例では、巻芯2およびフランジ3はフェライトにより構成されてコアを構成していたが、例えば、巻芯2およびフランジ3は樹脂等により構成されたコイルボビンと成していてもよい。この場合には、コアが別に設けられることになる。
【0028】
さらに、この実施形態例では、フランジ3の突き出し長さKの短い張り出し部8Sは、その端縁が巻線層の最外表面と面一となるように、その張り出し部8Sの突き出し長さKが設計されていたが、例えば、寸法制限が緩い場合には、張り出し部8Sの端縁が巻線層の最外表面よりも外側となるように、張り出し部8Sの突き出し長さKを設計してもよい。この場合には、例えば何らかの原因によって巻線4の巻回力がやや弱くなって複数の巻線層全体の厚みが設定よりも少し厚くなる事態が発生しても、巻線4が張り出し部8Sから外に食み出ることを確実に防止することができる。
【0029】
さらに、この実施形態例では、巻線部品1は巻芯2を回路基板に直交させる向きにして回路基板に配置される縦型巻線部品であったが、この発明は、例えば横置きタイプの巻線部品にも適用することができて、上記同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態例では、縦型の巻線部品1は、低背化を考慮して、その高さが1mm以下であったが、もちろん、この発明は、高さが1mm以上の巻線部品にも適用することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明者は、フランジの張り出し面上に配置された巻線の巻き始め部分に沿う方向に巻膨れが生じることに着目して、この発明の特徴的な構成を考え出した。つまり、この発明では、フランジには、巻芯の周面に対する突き出し長さが長い張り出し部と、それよりも突き出し長さが短い張り出し部とが形成されており、巻線の巻き始め部分はフランジの突き出し長さの長い張り出し部の端縁側から張り出し面に沿って巻芯に向かって導入されている。
【0031】
この発明では、巻線の巻き始め部分に沿う方向に巻膨れが生じるものの、巻膨れが生じるフランジ部分は突き出し長さが長い張り出し部となっているために、巻膨れ部分の巻線がフランジよりも外側に食み出すことを防止することが容易となる。
【0032】
換言すれば、巻膨れ部分の巻線がフランジよりも外側に食み出すことを防止するために、フランジの全ての部分の突き出し長さを同様に巻線食み出し防止用の長さに長くするのではなく、この発明では、巻膨れが生じるフランジ部分の突き出し長さを長くし、例えば他の部分は突き出し長さを抑制できる構成であるので、フランジの大型化を抑えながら巻膨れ部分の巻線がフランジよりも外側に食み出すことを回避できる。
【0033】
また、例えば、フランジの何れの部分においても巻芯の周面に対する突き出し長さが等しい構成である場合に、巻膨れ部分の巻線がフランジよりも外側に食み出す問題が発生したときには、その巻線の食み出しを防止するためにフランジ全体を大きくしなければならない。しかし、巻線部品の小型化の要求などによってフランジ全体の大きさを大きくすることができない場合には、巻線の巻回数を少なくしたり、巻線を細くすることで、フランジを大きくせずに巻膨れ部分の巻線の食み出しを防止することになる。巻線の巻回数を削減する場合には、巻線部品が持つインダクタンス値が低くなってしまう。また、巻線を細くする場合には、巻線部品の通電電流に対する抵抗が大きくなって導通損失が増加するという問題が発生する。
【0034】
これに対して、この発明の構成では、フランジの一部分だけの突き出し長さを長くして巻膨れ部分の巻線の食み出しを防止することができる構成であるため、巻線の巻回数の削減や巻線の細径化を行わなくて済む。このため、高インダクタンス値を持ち、かつ、導通損失の小さい巻線部品を提供することができる。
【0035】
さらに、フランジや巻芯に巻膨れ部分の巻線の食み出し防止用の特別な加工を施すことなく、巻膨れ部分の巻線の食み出しを回避することができるので、巻線部品の製造工程の煩雑化を防止することができる。これにより、巻線部品の製造コストの増加を抑制することができて、巻線部品の低コスト化を図ることが容易となる。
【0036】
さらに、巻膨れ部分の巻線がフランジから食み出ることを防止するために、フランジに例えば切り込み等の加工を施さなくて済むので、切り込み等の加工に起因したフランジの強度低下を防止することができる。例えば、巻線部品が縦型巻線部品である場合に当該縦型巻線部品の高さが例えば1.0mm以下という如く非常に低背・小型化のものがある。そのような低背・小型な巻線部品においては、フランジの厚みは例えば0.2mm〜0.3mm程度という如く非常に薄いので、フランジに切り込み等の加工が成されると、フランジの強度が著しく低くなって巻線部品の強度に対する信頼性を低下させてしまう。この発明では、巻膨れ部分の巻線の食み出し防止用の例えば切り込み等の加工をフランジに施さないで済むので、フランジの強度低下を抑制することができる。この発明は、低背・小型な巻線部品に対して非常に有効なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る実施形態例の巻線部品において特徴的な構成部分を説明するための図である。
【図2】実施形態例の巻線部品における巻線の巻回形状を説明するためのモデル図である。
【図3】その他の実施形態例を説明するための図である。
【図4】巻線部品の一形態例を説明するためのモデル図である。
【図5】巻芯に巻線を巻回する手法の一例を説明するための図である。
【図6】巻膨れ問題を説明するための図である。
【図7】巻膨れの一例を示した模式的な斜視図である。
【図8】特許文献1に記載されている巻膨れ防止用の構成を説明するためのモデル図である。
【符号の説明】
1 巻線部品
2 巻芯
3 フランジ
4 巻線
8S 突き出し長さが短い張り出し部
8L 突き出し長さが長い張り出し部

Claims (4)

  1. 巻線と、この巻線が巻回される巻芯と、この巻芯の端部に設けられているフランジとを有し、巻線は巻芯の周面に沿って整列巻きされて巻線層を構成し、その巻線層が積層形成されている多層巻きの巻線部品において、フランジには、巻芯の周面に対する突き出し長さが長い張り出し部と、それよりも突き出し長さが短い張り出し部とが形成されており、巻線の巻き始め部分はフランジの突き出し長さの長い張り出し部の端縁側から張り出し面に沿って巻芯に向かって導入されて巻芯に整列巻きされていることを特徴とする巻線部品。
  2. 巻芯の周面に対する突き出し長さが最も短いフランジ部分は、当該フランジ部分の突き出し長さが複数の巻線層全体の厚みと等しくなっており、そのフランジ部分の端縁と、巻線層の最外表面とは面一となっていることを特徴とする請求項1記載の巻線部品。
  3. 巻線部品は、巻芯を回路基板に直交させる向きにして回路基板に配置される縦型巻線部品であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の巻線部品。
  4. 端部にフランジが設けられている巻芯に巻線をその巻芯の周面に沿って整列巻きして巻線層を形成していき、その巻線層を複数積層形成する巻線の巻回方法であって、フランジには、巻芯の周面に対する突き出し長さが長い張り出し部と、それよりも突き出し長さが短い張り出し部とを形成しておき、巻線の巻き始め部分をフランジの突き出し長さの長い張り出し部の端縁側から張り出し面に沿って巻芯に向かって導入した後に、巻芯の周面に沿った巻線の整列巻きを開始することを特徴とする巻線の巻回方法。
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