JP2004352887A - 水系インク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)式(I) :
(式中、R1 は水素原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基、R2 は水素原子又はメチル基、mは1〜30の数を示す)で表される化合物、及び(B)疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体からなる色材を含有してなり、前記色材の最低成膜温度が55℃以上である水系インク。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水系インクに関する。さらに詳しくは、インクジェット記録用水系インクとして好適に使用しうる水系インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出・付着させて文字や画像を得る記録方式である。この方式が利用されたインクジェットプリンタは、安価、低騒音、省スペース等、多数の利点を有するので、近年急速に市場規模を拡大している。
【0003】
従来、インクジェット記録方式のインクには、水溶性染料が主に用いられていたが、水溶性染料が用いられたインクには、その印字物が水に濡れると激しくにじみ、印字品質が著しく劣化してしまうという、いわゆる耐水性に劣るという欠点がある。
【0004】
この欠点を解消するために、インクの着色剤成分に顔料を用いることが知られている。顔料は、本質的に水に不溶であることから、顔料が用いられたインクは、その印字物が耐水性に優れるという利点がある。
【0005】
しかし、顔料が用いられたインクは、一般に発色性に劣り、水溶性染料を用いたインクと比べて、色再現範囲が狭いという欠点がある。
【0006】
そこで、水溶性染料と同程度の色再現範囲と、顔料と同程度の耐水性とを兼ね備えるために、疎水性染料を含有させた水不溶性ポリマー粒子の水分散体が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0007】
しかし、この水分散体が用いられた疎水性染料系インクには、紙への浸透性を高めるために添加された水溶性溶媒が共存している場合、保存安定性が極端に低下するので、インクを長期間保存したときに、プリンタヘッドのノズル部分に目詰まりを生じ、印字ができなくなるという欠点がある。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−268260号公報
【特許文献2】
特開平9−241565号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、疎水性染料を用いた場合にもシャープでハッキリとした文字で印字することができるとともに、均一なベタ印刷をすることができ、また罫線を印刷したときによれがなく、しかも長期間保存した後であってもノズル内に目詰まりを生じない水系インクを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)式(I) :
(式中、R1 は水素原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基、R2 は水素原子又はメチル基、mは1〜30の数を示す)で表される化合物〔以下、(A)成分という〕、及び
(B)疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体からなる色材〔以下、(B)成分という〕を含有してなり、前記(B)成分の最低成膜温度が55℃以上である水系インクに関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
〔(A)成分〕
(A)成分は、印字品質を向上させ、メディアである紙への疎水性染料の浸透性を高めることにより、高速印字を可能とするという性質を有する。
【0012】
式(I) において、R1 は、水素原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基である。R2 は、水素原子又はメチル基である。mは、1〜30の数である。m個のR2 は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0013】
(A)成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(重量平均分子量:200 〜1000)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールモノラウリルエーテル、オクタエチレングリコールモノステアリルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられ、これらの化合物は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0014】
(A)成分のなかでは、印字画質のシャープネス及び紙への素早い浸透性の観点から、式(II):
(式中、R3 は直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜8のアルキル基、nは1〜10の数を示す)
で表される化合物が好ましい。
【0015】
好適な式(II)で表される化合物の例としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル及びテトラエチレングリコールモノイソブチルエーテルからなる群より選ばれた1種以上が挙げられる。
【0016】
〔(B)成分:疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体(以下、単に水分散体という)からなる色材〕
水不溶性ポリマーとしては、中和後に25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解度が2g未満であるポリマーが好ましい。
【0017】
水不溶性ポリマーとしては、水不溶性ポリエステル、水不溶性ポリアミド、水不溶性ポリカーボネート、水不溶性ビニルポリマー、水不溶性ポリウレタン等が挙げられる。これらのなかでは、疎水性染料の含有のさせやすさの観点から、水不溶性ビニルポリマーが好ましい。
【0018】
好適な水不溶性ビニルポリマーとしては、(a)塩生成基含有モノマー、(b)親水性ノニオンモノマー及び(c)疎水性モノマーからなるモノマー組成物を重合させることによって得られたビニルポリマーが挙げられる。
【0019】
(a)塩生成基含有モノマーとしては、アニオン性モノマー及びカチオン性モノマーが挙げられる。(a)塩生成基含有モノマーの例として、特開平9−286939号公報5頁7欄24行〜8欄29行に記載されているもの等が挙げられる。これらのモノマーは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0020】
アニオン性モノマーの代表例としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。これらのなかでは、(メタ)アクリル酸が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。
【0021】
なお、本明細書において、「(メタ)アクリ」とは、「アクリ」及び/又は「メタクリ」を意味する。
【0022】
カチオン性モノマーの代表例としては、不飽和3級アミン含有モノマー、不飽和アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられる。これらのなかでは、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(N’,N’− ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンが好ましい。
【0023】
水不溶性ポリマーを構成するモノマー組成物(以下、単にモノマー組成物という)における(a)塩生成基モノマーの含有量は、水系インク中の水分散体の分散安定性を高める観点から、好ましくは2重量%以上、より好ましくは5重量%以上、更に好ましくは7重量%以上であり、耐水性を高める観点から、好ましくは35重量%以下、より好ましくは25重量%以下、更に好ましくは20重量%以下である。これらの観点から、モノマー組成物おける(a)塩生成基モノマーの含有量は、好ましくは2〜35重量%、より好ましくは5〜25重量%、更に好ましくは7〜20重量%である。
【0024】
(b)親水性ノニオンモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートの炭素数2以下のアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の炭素数3以下のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド等の炭素数4以下のモノ又はジアルキル(メタ)アクリルアミド、式(III):
(式中、R4 水素原子、炭素数1〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はフェニル基、Xは重合可能な不飽和基、pは1〜20の整数を示す)
で表されるモノマー、式(IV):
(式中、R4 、X及びpは前記と同じ)
で表されるモノマー、及び式(V):
(式中、R4 及びXは前記と同じ。qは1〜15の整数を示す)
で表されるモノマーからなる群より選ばれた1種以上が挙げられ、これらのモノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
(b)親水性ノニオンモノマーのなかでは、後述する最低成膜温度を高める観点、水系インク中の水分散体の分散安定性を高める観点及び吐出性を高める観点から、メチル(メタ)アクリレート及びエチル(メタ)アクリレートが好ましく、メチルメタクリレートがより好ましい。
【0026】
モノマー組成物における(b)親水性ノニオンモノマーの含有量は、色材の分散安定性を高める観点から、好ましくは2重量%以上、より好ましくは5重量%以上、更に好ましくは7重量%以上であり、耐水性を高める観点から、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下、更に好ましくは45重量%以下である。これらの観点から、モノマー組成物における(b)親水性ノニオンモノマーの含有量は、好ましくは2〜60重量%、より好ましくは5〜50重量%、更に好ましくは7〜45重量%である。また、これらの観点から、(b)親水性ノニオンモノマーとしてメチル(メタ)アクリレートを用い、モノマー組成物におけるメチル(メタ)アクリレートの含有量を5〜50重量%、好ましくは7〜45重量%とすることが望ましい。
【0027】
(c)疎水性モノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマー;シクロヘキシル(メタ) アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の好ましくは炭素数5〜18の環式アルキル(メタ)アクリレート;ビフェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート等の縮合多環式アリール(メタ)アクリレートからなる群より選ばれた1種以上が、色材の最低成膜温度の観点から、好ましい。(c)疎水性モノマーにおけるこれらのモノマーの含有量は、最低成膜温度を高める観点から、好ましくは50〜100 %、より好ましくは80〜100 %、更に好ましくは100 %である。
【0028】
モノマー組成物における(c)疎水性モノマーの含有量は、疎水性染料を含有させやすくし、最低成膜温度を高める観点から、好ましくは5重量%以上、より好ましくは25重量%以上、更に好ましくは35重量%以上であり、色材の分散安定性を高める観点から、好ましくは96重量%以下、より好ましくは90重量%以下、更に好ましくは86重量%以下である。これらの観点から、モノマー組成物における(c)疎水性モノマーの含有量は、好ましくは5〜96重量%、より好ましくは25〜90重量%、更に好ましくは35〜86重量%である。
【0029】
モノマー組成物の重合方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が挙げられる。これらの重合方法のなかでは、溶液重合法が好ましい。
【0030】
溶液重合法に用いられる溶媒は、水不溶性ポリマー中に疎水性染料を含有させた後、溶媒を除去することを考慮すれば、ある程度の揮発性を有することが好ましい。
【0031】
前記溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素類が挙げられる。これらのなかでは、分散安定性の観点から、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びトルエンが好ましい。
【0032】
重合の際に用いられる好適なラジカル重合開始剤としては、2,2’− アゾビスイソブチロニトリル、2,2’− アゾビス(2,4− ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスブチレート、2,2’− アゾビス(2− メチルブチロニトリル)、1,1’− アゾビス(1− シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物や、t−ブチルペルオキシオクトエート、ジ−t− ブチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド等の有機過酸化物が挙げられる。
【0033】
重合開始剤の量は、通常、モノマー組成物に対して、好ましくは0.001 〜5モル%、より好ましくは0.01〜2モル%である。
【0034】
水不溶性ビニルポリマーの重量平均分子量は、色材の分散安定性、耐水性及び吐出性の観点から、3000〜100000であることが好ましい。
【0035】
なお、水不溶性ポリマーの重量平均分子量は、溶媒として1mmol/L のドデシルジメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルクロマトグラフィーにより、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
【0036】
水不溶性ビニルポリマーは、各モノマー単位がブロック、グラフト、交互等の特定の構造を有していてもよく、特定の構造を有しないランダム共重合体であってもよく、これらが任意に組み合わさったものであってもよい。
【0037】
疎水性染料は、水不溶性ポリマー粒子中に含有させることができる染料であればよく、特に制限されない。
【0038】
なお、疎水性染料を含有するとは、水不溶性ポリマー粒子中又は粒子表面に疎水性染料を有していればよく、後述する方法によって得ることができるものである。
【0039】
疎水性染料の例としては、油性染料、分散染料、塩基性染料等が挙げられる。これらのなかでは、油性染料及び分散染料は、水不溶性ポリマー粒子中に良好に含有させることができることから好ましい。
【0040】
油性染料としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック3、7、27、29、34;C.I.ソルベント・イエロー14、16、29、56、82;C.I.ソルベント・レッド1、3、8、18、24、27、43、51、72、73;C.I.ソルベント・バイオレット 3;C.I.ソルベント・ブルー2、11、70;C.I.ソルベント・グリーン3、7;C.I.ソルベント・オレンジ2等が挙げられる。
【0041】
分散染料としては、例えば、C.I.ディスパーズ・イエロー5、42、54、64、79、82、83、93、99、100 、119 、122 、124 、126 、160 、184:1 、186 、198 、199 、204 、224 、237 ;C.I.ディスパーズ・オレンジ13、29、31:1、33、49、54、55、66、73、118 、119 、163 ;C.I.ディスパーズ・レッド54、60、72、73、86、88、91、93、111 、126 、127 、134 、135 、143 、145 、152 、153 、154 、159 、164 、167:1 、177 、181 、204 、206 、207 、221 、239 、240 、258 、277 、278 、283 、311 、323 、343 、348 、356 、362 ;C.I.ディスパーズ・バイオレット33;C.I.ディスパーズ・ブルー56、60、73、87、113 、128 、143 、148 、154 、158 、165 、165:1 、165:2 、176 、183 、185 、197 、198 、201 、214 、224 、225 、257 、266 、267 、287 、354 、358 、365 、368 ;C.I.ディスパーズ・グリーン6:1 、9等が挙げられる。
【0042】
疎水性染料は、水不溶性ポリマー粒子中に効率よく封入させる観点から、25℃において、有機溶媒(メチルエチルケトン)に2g/L以上、好ましくは20〜500 g/L溶解しうるものであることが望ましい。
【0043】
水不溶性ポリマーの固形分100 重量部に対する疎水性染料の量は、印字濃度を高める観点及び水不溶性ポリマー粒子に含有させやすくする観点から、好ましくは5〜400 重量部、より好ましくは10〜300 重量部、更に好ましくは15〜200 重量部である。
【0044】
水分散体は、例えば、水不溶性ポリマー及び疎水性染料を有機溶媒に溶解させ、必要に応じて、水と中和剤を加えて水不溶性ポリマー中の塩生成基をイオン化し、必要に応じてこれに水を添加した後、マイクロフルイダイザーや超音波乳化機等を用いて分散させ、次いで有機溶媒を留去することによって得ることができる。
【0045】
疎水性染料と水不溶性ポリマーを有機溶媒に溶解し、その後分散させる際に用いる有機溶媒としては、トルエン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、これらの有機溶媒は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0046】
ポリマーを中和する際に用いる中和剤としては、水不溶性ポリマーの塩生成基の種類に応じて適宜選択すればよい。例えば、水不溶性ポリマーにアニオン性モノマーを用いた場合には、中和剤として、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等を用いることができる。また、水不溶性ポリマーにカチオン性モノマーを用いた場合には、中和剤として、酢酸、メトキシ酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等を用いることができる。
【0047】
(B)成分中、疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子の平均粒径は、色材の分散安定性の観点から、好ましくは10〜500nm である。
【0048】
(B)成分中、疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子の含有量(色材中の固形分量)は、保存性および経済性の点から、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜30重量%である。
【0049】
後述する測定法による(B)成分の最低成膜温度は、水系インクがプリンターのノズルで目詰まりを起こさないようにする観点から、好ましくは55℃以上、より好ましくは60〜100 ℃、更に好ましくは70〜100 ℃である。なお、最低成膜温度が高いほうが、水不溶性ポリマー粒子の安定性が高くなるので、好ましい。
【0050】
本発明に用いられる(B)成分の最低成膜温度は、例えば、水不溶性ポリマーとして水不溶性ビニルポリマーを用いる場合、その原料モノマーであるモノマー組成物における(c)疎水性モノマーの種類や、各モノマーの混合比率を調整することによって制御することができる。
【0051】
〔水系インク〕
本発明の水系インクは、(A)成分及び(B)成分を含有する。
【0052】
水系インク中における(A)成分の含有量は、紙への浸透速度を高め、高速印刷に適した操作を行うことができるようにする観点から、好ましくは0.1 重量%以上、より好ましくは0.3 重量%以上、更に好ましくは0.7 重量%以上であり、またインク粘度を低減させ、吐出性を向上させる観点から、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下、更に好ましくは20重量%以下である。これらの観点から、水系インク中における(A)成分の含有量は、好ましくは0.1 〜50重量%、より好ましくは0.3 〜30重量%、更に好ましくは0.7 〜20重量%である。
【0053】
水系インク中における疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子の含有量は、印字濃度の点から、好ましくは2〜15重量%、より好ましくは4〜10重量%である。
【0054】
水系インク中における水の含有量は、良好な保存安定性を発現させる点から、好ましくは 70 〜98重量%、より好ましくは80〜95重量%である。
【0055】
水系インクの最低成膜温度は、疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子の組成及び含有量、式(I) で表される化合物の含有量によって制御することができる。(A)成分の量は、水系インクが紙へのインクの浸透性を高くする観点から、疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子100 重量部に対して、50〜200 重量部が好ましい。
【0056】
(A)成分は、水系インクの紙への浸透性を高めるが、同時に水不溶性ポリマー粒子を合一させ、低い温度で成膜しやすくさせることから、ノズルで目詰まりしやすくなる。
【0057】
従って、(A)成分1重量部、疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子を20重量%含有する(B)成分10重量部(疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子の含有量は2重量部)及び水89重量部からなる組成物の最低成膜温度が、水系インクがプリンターのノズルで目詰まりを起こさないようにするために、好ましくは10℃以上、より好ましくは15℃以上であることが望ましい。
【0058】
(A)成分の存在下での水不溶性ポリマー粒子の最低成膜温度を測定することにより、(A)成分及び(B)成分を含有する水系インクの安定性を評価することができる。なお、最低成膜温度が高いほうが、水系インクの安定性がより高い。
【0059】
本発明の水系インクは、水、(A)成分及び(B)成分を混合することにより、得ることができる。
【0060】
本発明の水系インクには、必要により、例えば、安定剤、分散剤、消泡剤、金属封鎖剤、pH調整剤等の添加剤を添加することができる。
【0061】
【実施例】
製造例1〜4(ポリマー溶液の調製)
反応容器内に、表1の「初期仕込みモノマー」の欄に示す溶媒、モノマー及び連鎖移動剤を仕込み、チッ素ガス置換を十分に行った後、75℃に保持した。
【0062】
一方、表1の「滴下モノマー」の欄に示す溶媒、モノマー、連鎖移動剤及びラジカル重合開始剤を滴下ロートに加え、前記反応容器に6時間をかけて徐々に滴下した。滴下終了後、更に2時間保持し、ポリマー溶液を得た。
【0063】
得られたポリマー溶液の一部を、減圧下、105 ℃で2時間乾燥させ、溶媒を除去することによって単離し、標準物質としてポリスチレン、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより重量平均分子量を測定したところ、得られたポリマーは、表1に示す重量平均分子量を有していた。
【0064】
【表1】
【0065】
製造例5(疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体の調製)
製造例1で得られたポリマー溶液28重量部(ポリマー固形分量:50重量%)に、疎水性染料〔オリヱント化学(株)製、商品名:オイルピンク312 〕14重量部とトルエン100 重量部を加え、疎水性染料を完全に溶解させた後、中和剤として5規定水酸化ナトリウム水溶液1.6 重量部を加えてポリマーの塩生成基を中和し、更にイオン交換水200 重量部を加えて攪拌した後、マイクロフルイタイザー(マイクロフルイディクス社製)を用いて、30分間分散させた。
【0066】
得られた分散体を、ロータリーエバポレーターを用いて有機溶媒及び一部の水を留去し、固形分量が20重量%の疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体からなる色材を得た。
【0067】
疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子の平均粒径を以下の方法によって測定した。その結果を表2に示す。
【0068】
〔水不溶性ポリマー粒子の平均粒径の測定法〕
大塚電子(株)製のELS−8000を用いて測定した。測定条件は、温度が25℃、入射光と検出器との角度が90°、積算回数が100 回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333) を入力した。また標準物質としてセラディン(Seradyn) 社製のユニフォーム・マイクロパーティクルズ(平均粒径204nm)を用いた。
【0069】
得られた色材について、以下の測定法で最低成膜温度を測定した。その結果を表2に示す。
〔最低成膜温度の測定法〕
高林理化(株)製の最低成膜温度測定機を用いて測定した。測定条件は、低温側恒温槽温度が−15 ℃、高温側恒温槽温度が+70 ℃とし、測定プレート上の温度範囲が+5℃〜+55 ℃となるように設定した。
【0070】
評価用サンプルを測定プレート上に一直線状に塗布し、結露防止用カバーをかけてチッ素ガスをフローさせ、3時間放置した後にサンプルの状態を目視で確認し、成膜化している部分の最低温部の温度を読み取り、これを最低成膜温度とした。
【0071】
【表2】
【0072】
製造例6〜8
製造例5において、製造例1で得られたポリマーの代わりに、製造例2〜4で得られたポリマーを用いた以外は、製造例5と同様にして疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体からなる色材を得た。
【0073】
製造例6〜8で得られた色材の疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子の平均粒径及び最低成膜温度を測定した。その結果を表2に示す。
【0074】
製造例9〜12
水89重量部、(A)成分としてトリエチレングリコールモノブチルエーテル1重量部及び製造例5〜8で得られた色材10重量部を混合した。製造例5の手順と同様にして最低成膜温度を測定した。その結果を表3に示す。
【0075】
【表3】
【0076】
実施例1
製造例5で得られた色材37重量部、(A)成分としてトリエチレングリコールモノブチルエーテル8重量部、グリセリン8重量部、アセチレングリコール・ポリエチレンオキサイド付加物〔川研ファインケミカル(株)製、商品名:アセチレノールEH〕1部及びイオン交換水46重量部を混合し、得られた混合液を1.2 μmのメンブランフィルター〔富士写真フィルム(株)製、商品名:ディスクカプセル CALC120 2.5CMD 50〕で濾過して水系インクを調製し、以下の評価(1) 〜(3) を行った。その結果を表4に示す。
【0077】
実施例2〜3
実施例1において、製造例5で得られた色材の代わりに製造例6又は7で得られた色材を用いたほかは、実施例1と同様にして水系インクを調製し、以下の評価(1) 〜(3) を行った。その結果を表4に示す。
【0078】
比較例1
実施例1において、製造例5で得られた色材の代わりに製造例8で得られた色材を用いたほかは、実施例1と同様にして比較用水系インクを調製し、以下の評価(1) 〜(3) を行った。その結果を表4に示す。
【0079】
評価(1) 〔印字品質〕
実施例1〜3、比較例1の水系インクを用いて、ヒューレット・パッカード(HEWLETT PACKARD) 社製のバブルジェットプリンター(型番:Desk Jet−720C) で、べた打ちを行い、下記の評価基準で評価した。
【0080】
〔評価基準〕
◎:シャープでハッキリとした文字、均一なベタ印刷、及びよれのない罫線印刷の3項目をいずれも満足する場合(実使用上問題なし)
○:シャープでハッキリとした文字、均一なベタ印刷、及びよれのない罫線印刷の3項目をいずれもほぼ満足する場合(実使用上問題なし)
△:シャープでハッキリとした文字、均一なベタ印刷、及びよれのない罫線印刷のうち、1項目以上を満足しない場合(実使用上問題あり)
×:シャープでハッキリとした文字、均一なベタ印刷、及びよれのない罫線印刷のうち、すべての項目を満足しない場合(実使用上問題あり)
【0081】
評価(2) 〔短時間保存後の耐目詰まり性(短期)〕
評価(1) を行った後、その印字ヘッドを40℃の恒温室に24時間保存したのちに再度評価(1) と同様の評価を行った。その評価基準は、以下のとおりである。
【0082】
〔評価基準〕
◎:ノズル内の目詰まりがまったく認められず、保存前とほぼ同様にシャープでハッキリとした文字、均一なベタ印刷、及びよれのない罫線印刷の3項目をいずれも満足する場合(実使用上問題なし)
○:ノズル内の目詰まりがほとんど認められず、保存前とほぼ同様にシャープでハッキリとした文字、均一なベタ印刷、及びよれのない罫線印刷の3項目をいずれもほぼ満足する場合(実使用上問題なし)
△:ノズル内の目詰まりに由来する吐出量の低下が見られ、シャープでハッキリとした文字、均一なベタ印刷、及びよれのない罫線印刷の3項目において、上記「○」レベルと比較して若干劣る(実使用上問題あり)
×:ノズル内で目詰まりが大量に発生し、印字かすれ大又は吐出不能(実使用不可)
【0083】
評価(3) 〔長時間保存後の耐目詰まり性〕
評価(2) において、24時間保存する代わりに72時間保存した以外は、評価(2) と同様に評価を行った。
【0084】
【表4】
【0085】
表4に示された結果から、色材の最低成膜温度が55℃以上であれば、それを用いて得られるインクは、良好な耐目詰まり性を発現させることができることがわかる。
【0086】
【発明の効果】
本発明の水系インクは、シャープでハッキリとした文字で印字することができるとともに、均一なベタ印刷をすることができ、罫線を印刷したときによれがなく、しかも長期間保存した後であってもノズル内に目詰まりを生じないという効果を奏する。
Claims (5)
- (A)成分1重量部、疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子を20重量%含む(B)成分10重量部及び水89重量部からなる組成物の最低成膜温度が10℃以上である請求項1又は2記載の水系インク。
- 水不溶性ポリマーが、メチル(メタ)アクリレートを5〜50重量%含むモノマー組成物を重合させて得られたポリマーである請求項1〜3いずれか記載の水系インク。
- 水不溶性ポリマーが、スチレン系モノマー、環式アルキル(メタ)アクリレート、及び縮合多環式アリール(メタ)アクリレートからなる群より選ばれた1種以上のモノマーを25〜90重量%含むモノマー組成物を重合させて得られたポリマーである請求項1〜4いずれか記載の水系インク。
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