JP2004002662A - 水系インク - Google Patents

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Abstract

【課題】耐水性、耐光性、耐擦過性及び分散安定性に優れた水系インクおよび安定した吐出性により高印字濃度を付与できるインクジェット記録用水系インクを提供する。
【解決手段】着色剤を含有する水不溶性ビニルポリマーのポリマー粒子の水分散体を含有する水系インクであって、ビニルポリマーが式(I):
Figure 2004002662

で表される(メタ)アクリル酸エステルモノマーA、式(II):
Figure 2004002662

で表される(メタ)アクリル酸エステルモノマーB及び式(III):
Figure 2004002662

で表される(メタ)アクリル酸エステルモノマーC(式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2 は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜9のアルキルフェニル基、mは1〜30の数、nは1〜30の数を示す)からなる群より選ばれた1種以上5〜45重量%、塩生成基含有モノマー3〜40重量%、及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーA、B及びC並びに塩生成基含有モノマーと共重合可能なモノマー15〜92重量%を含有するモノマー組成物を重合させてなるビニルポリマーである水系インク。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水系インクに関する。更に詳しくは、インクジェット記録用水系インク等として好適に使用しうる水系インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出、付着させて、文字や画像を得る記録方式である。この方式によれば、使用する装置が低騒音で操作性がよいという利点を有するのみならず、カラー化が容易であり、かつ記録部材として普通紙を使用することができるという利点があるため、近年広く用いられている。インクジェットプリンタに使用されるインクには、耐水性や耐光性を向上させるため、近年顔料系インクが使用されている。
【0003】
しかしながら、顔料系インクは、コピー用紙では顔料が表面に残留しずらく、印字濃度が低いという欠点がある。また、印字濃度を向上させるために、インク中の顔料量を増やすとインク粘度の増大を招き、インクの吐出性が低下するという欠点がある。
【0004】
顔料系インクにおいては、印字濃度を向上させるためにポリエチレングリコール(メタ)アクリレートモノマー及びα,β―エチレン性不飽和カルボン酸を含有するポリマーを添加したり(例えば、特許文献1参照)、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートモノマー又はポリ(トリメチレングリコール)(メタ)アクリレートモノマーからなる高分子分散剤を添加すること(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。また、顔料系インクの吐出安定性を向上させるために、ポリマー微粒子を添加したり(例えば、特許文献3、特許文献4及び特許文献5参照)、エチレンオキサイド付加物を添加すること(例えば、特許文献6参照)等が提案されている。
【0005】
しかしながら、オキシエチレン基又はオキシトリメチレン基を含有する(メタ)アクリレートモノマーを共重合させたポリマーには、ポリマー自体の親水性が高く、コピー用紙に浸透しやすく、印刷すると印字濃度が低くなる欠点があるとともに、その親水性によりインク粘度が高く、安定した吐出性を確保することが困難であるという欠点がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−306317号公報
【特許文献2】
特開2000−144031 号公報
【特許文献3】
特開平8−218015号公報
【特許文献4】
特開平8−151544号公報
【特許文献5】
特開平8−176488号公報
【特許文献6】
特開平8−176481号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐水性、耐光性、耐擦過性及び分散安定性に優れた水系インクを提供することを課題とし、更に吐出安定性が良好で、高印字濃度を付与できるインクジェット記録用水系インクを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、着色剤を含有する水不溶性ビニルポリマーのポリマー粒子の水分散体を含有する水系インクであって、ビニルポリマーが式(I):
【0009】
【化4】
Figure 2004002662
【0010】
(式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2 は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜9のアルキルフェニル基、mは1〜30の数を示す)
で表される(メタ)アクリル酸エステルモノマーA〔以下、(メタ)アクリル酸エステルモノマーAという〕、式(II):
【0011】
【化5】
Figure 2004002662
【0012】
(式中、R1 、R2 及びmは前記と同じ。nは1〜30の数を示す。オキシエチレン基及びオキシプロピレン基はブロック付加又はランダム付加している)
で表される(メタ)アクリル酸エステルモノマーB〔以下、(メタ)アクリル酸エステルモノマーBという〕及び式(III):
【0013】
【化6】
Figure 2004002662
【0014】
(式中、R1 、R2 、m及びnは前記と同じ。オキシプロピレン基及びオキシテトラメチレン基はブロック付加又はランダム付加している)
で表される(メタ)アクリル酸エステルモノマーC〔以下、(メタ)アクリル酸エステルモノマーCという〕からなる群より選ばれた1種以上(以下、「(メタ)アクリル酸モノマーM」という)5〜45重量%、塩生成基含有モノマー3〜40重量%、及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーM並びに塩生成基含有モノマーと共重合可能なモノマー15〜92重量%を含有するモノマー組成物を重合させてなるビニルポリマーである水系インクに関する。
【0015】
なお、本明細書にいう「(メタ)アクリ」とは、「アクリ」又は「メタクリ」を意味する。
【0016】
【発明の実施の形態】
着色剤としては、耐光性及び耐水性の観点から、顔料及び疎水性染料が好ましい。
顔料としては、有機顔料及び無機顔料のいずれであってもよい。また、必要に応じて、それらに体質顔料を併用することもできる。
【0017】
有機顔料としては、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
【0018】
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー 13, 74, 83,109, 128, 151, C.I.ピグメント・レッド 48, 57, 122, 184, 188, C.I.ピグメント・バイオレット 19, C.I. ピグメント・ブルー 15, 15:1, 15:2, 15:3, 15:4, 16, C.I. ピグメント・グリーン 7, 36等が挙げられる。
【0019】
無機顔料としては、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。これらの中では、特に黒色水系インクでは、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
体質顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
【0020】
疎水性染料は、ポリマー粒子中に含有させることができるものであればよく、その種類には特に制限がない。疎水性染料の例としては、油性染料、分散染料等が挙げられる。疎水性染料の溶解度は、ポリマー粒子に効率よく含有させる観点から、水分散体の製造時に疎水性染料を溶解させるために使用される有機溶媒に対して、2g/L 以上が好ましく、20〜500 g/L がより好ましい。
【0021】
油性染料としては、特に限定されるものではないが、例えば、C.I.ソルベント・ブラック3, 7, 27, 29, 34、ニグロシン系の黒色染料;C.I.ソルベント・イエロー14, 16, 29, 30, 56, 82;C.I.ソルベント・レッド1, 3, 8, 18, 24, 27, 43, 49, 51, 72, 73;C.I.ソルベント・バイオレット 3;C.I.ソルベント・ブルー2, 11, 70;C.I.ソルベント・グリーン3, 7;C.I.ソルベント・オレンジ2等が挙げられる。
【0022】
分散染料としては、特に限定されるものではないが、好ましい例としては、C.I.ディスパーズ・イエロー5, 42, 54, 64, 79, 82, 83, 93, 99, 100, 119, 122, 124, 126, 160, 184:1, 186, 198, 199, 204, 224, 237 ;C.I.ディスパーズ・オレンジ13, 29, 31:1, 33, 49, 54, 55, 66, 73, 118, 119, 163 ;C.I.ディスパーズ・レッド54, 60, 72, 73, 86, 88, 91, 93, 111, 126, 127, 134, 135,143, 145, 152, 153, 154, 159, 164, 167:1, 177, 181, 204, 206, 207, 221,239, 240, 258, 277, 278, 283, 311, 323, 343, 348, 356, 362 ;C.I.ディスパーズ・バイオレット33;C.I.ディスパーズ・ブルー56, 60, 73, 87, 113, 128, 143, 148, 154, 158, 165, 165:1, 165:2, 176, 183, 185, 197, 198, 201, 214, 224, 225, 257, 266, 267, 287, 354, 358, 365, 368;C.I.ディスパーズ・グリーン6:1,9等が挙げられる。これらの中では、イエローとしてC.I.ソルベント・イエロー29及び30、シアンとしてC.I.ソルベント・ブルー70、マゼンタとしてC.I.ソルベント・レッド18及び49、ブラックとしてC.I.ソルベント・ブラック3が好ましい。
【0023】
商業的に入手しうる油性染料としては、例えば、Nubian Black PC−0850、Oil Black HBB 、Oil Black 860 、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、OilRed 5B 、Oil Scarlet 308 、Vali Fast Blue 2606 、Oil Blue BOS〔以上、オリエント化学(株)製、商品名〕、Neopen Yellow 075 、Neopen Magenta SE1378 、Neopen Blue 808 、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238〔以上、BASF社製、商品名〕等が挙げられる。
【0024】
着色剤の量は、印字濃度及びポリマー粒子中に含有させやすさの観点から、水不溶性ビニルポリマー(以下、「ビニルポリマー」という)の樹脂固形分100 重量部に対して20〜1200重量部、好ましくは50〜900 重量部であることが望ましい。
【0025】
ビニルポリマーは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーMと、塩生成基含有モノマーと、(メタ)アクリル酸エステルモノマーM及び塩生成基含有モノマーと共重合可能なモノマー(以下、「共重合可能なモノマー」という)を含有するモノマー組成物を重合させることによって得られる。
【0026】
塩生成基を中和させた後のビニルポリマーの25℃での水に対する溶解度は、水系インクの低粘度化の観点から、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、1重量%以下が更に好ましい。
【0027】
ビニルポリマーにおいて、(メタ)アクリル酸エステルモノマーAを他のモノマーと共重合させていることにより、吐出性に優れた水系インクを得ることができる。これは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーAの疎水性の高いプロピレンオキサイド基と着色剤との間に疎水性相互作用が強まり、着色剤に強い吸着性を維持することができるため、ポリマー粒子の疎水性が強くなり、粘度が低くなることに基づくものと考えられる。
【0028】
また、ビニルポリマーにおいて、(メタ)アクリル酸エステルモノマーB又は(メタ)アクリル酸エステルモノマーCを他のモノマーと共重合させていることにより、着色剤に優れた分散安定性を付与できる。これは、着色剤に対する(メタ)アクリル酸エステルモノマーB又は(メタ)アクリル酸エステルモノマーCのオキシプロピレン基の強い吸着性により、疎水性水和層、及び親水性の高いオキシエチレン基又はオキシテトラメチレン基の親水性水和層がインク中で広がることに基づくものと考えられる。
【0029】
オキシプロピレン基のみを含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとオキシエチレン基のみを含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとを共重合させたビニルポリマー、及びオキシプロピレン基のみを含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとオキシテトラメチレン基のみを含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとを共重合させたビニルポリマーでは、ポリマー粒子の分散安定性を高めることができない。これは、親水性水和層のインク中での広がりが充分ではないことに基づくものと考えられる。
【0030】
式(I) 〜(III) において、R1 は水素原子又はメチル基である。
【0031】
2 は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜9のアルキルフェニル基である。これらの中では、オクチル基及びノニルフェニル基が耐水性及び耐擦過性の観点から好ましい。
【0032】
mは、1〜30の数である。吐出性及び印字濃度の観点から、mは、好ましくは2〜25の数、より好ましくは2〜20の数である。
【0033】
nは、1〜30の数である。吐出性及び印字濃度の観点から、nは、好ましくは2〜25の数、より好ましくは2〜20の数である。
【0034】
モノマーBにおいて、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基は、ブロック付加又はランダム付加している。モノマーCにおいて、オキシプロピレン基及びオキシテトラメチレン基は、ブロック付加又はランダム付加している。
【0035】
(メタ)アクリル酸エステルモノマーAの具体例としては、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0036】
(メタ)アクリル酸エステルモノマーBの具体例としては、エチレングリコール・プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、、オクトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0037】
(メタ)アクリル酸エステルモノマーCの具体例としては、プロピレングリコール・テトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0038】
(メタ)アクリル酸エステルモノマーA〜Cの中では、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコール・プロピレングリコール(メタ)アクリレート及びポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートは、インク粘度及び吐出性の観点から好ましい。
【0039】
商業的に入手しうる(メタ)アクリル酸エステルモノマーA〜Cの例としては、日本油脂(株)製のブレンマーPP−1000, PP−500, PP−800, AP−150, AP−400, AP−550, AP−800, PEP−300, 70PEP−350B, AEP シリーズ,30PPT−800, 50PPT−800, 70PPT−800, APTシリーズ,10PPB−500B, 10APB−500B, 50POEP−800B, 50AOEP−800B, ASEPシリーズ,PNEPシリーズ, PNPEシリーズ, 43ANEP−500, 70ANEP−550等が挙げられる。
【0040】
ビニルポリマーにおける(メタ)アクリル酸エステルモノマーA〜Cの含量は、印字濃度及びインク粘度の観点から、5〜45重量%、好ましくは5〜35重量%である。
【0041】
塩生成基含有モノマーとしては、アニオン性モノマー及びカチオン性モノマーが好ましい。アニオン性モノマー及びカチオン性モノマーは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0042】
アニオン性モノマーとしては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー及び不飽和リン酸モノマーからなる群より選ばれた1種以上が挙げられる。
【0043】
不飽和カルボン酸モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0044】
不飽和スルホン酸モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸エステル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0045】
不飽和リン酸モノマーとしては、例えば、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0046】
アニオン性モノマーの中では、インク粘度及び吐出性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
【0047】
カチオン性モノマーとしては、不飽和3級アミン含有ビニルモノマー及び不飽和アンモニウム塩含有ビニルモノマーからなる群より選ばれた1種以上が挙げられる。
【0048】
不飽和3級アミン含有モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアリールアミン、ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−6−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0049】
不飽和アンモニウム塩含有モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート四級化物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0050】
カチオン性モノマーの中では、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンが好ましい。
【0051】
ビニルポリマーにおける塩生成基含有モノマーの含量は、分散安定性及び吐出安定性の観点から、3〜40重量%、好ましくは5〜30重量%である。
【0052】
共重合可能なモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;芳香環含有モノマー;マクロマー等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0053】
なお、前記(イソ又はターシャリー)及び(イソ)は、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルを示す。
【0054】
共重合可能なモノマーの含量は、印字濃度及び耐水性の観点から、15〜92重量%、好ましくは35〜90重量%である。
【0055】
モノマー組成物が共重合可能なモノマーとして、芳香環含有モノマー及びマクロマーからなる群より選ばれた1種以上を含有するものであることが、耐水性及び耐擦過性の観点から好ましい。
【0056】
芳香環含有モノマーは、耐水性の観点から、スチレン、ビニルナフタレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、4−ビニルビフェニル、1,1−ジフェニルエチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、ネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステルからなる群より選ばれた1種以上であることが好ましい。これらの中ではスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びビニルナフタレンが、耐水性及び耐擦過性の観点から、より好ましい。
【0057】
ビニルポリマーにおける芳香環含有モノマーの含量は、耐水性、耐擦過性、インク粘度及び吐出安定性の観点から、好ましくは0.1 〜70重量%、より好ましくは1〜50重量%である。
【0058】
マクロマーの代表例としては、片末端に重合性官能基を有し、好ましくは数平均分子量が500 〜500000、より好ましくは1000〜10000 であるマクロマーが挙げられる。
【0059】
マクロマーの具体例としては、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するメチルメタクリレート系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するスチレン・アクリロニトリル系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するブチルアクリレート系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するイソブチルメタクリレート系マクロマー等が挙げられる。これらの中では、ビニルポリマーに着色剤を十分に含有させる観点から、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーが好ましい。
【0060】
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーとしては、片末端に重合性官能基を有するスチレン単独重合体及び片末端に重合性官能基を有する、スチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
【0061】
片末端に重合性官能基を有する、スチレンと他のモノマーとの共重合体において、他のモノマーとしては、アクリロニトリル等が挙げられる。また、そのスチレン含量は、顔料が十分にビニルポリマーに含有されるようにする観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
【0062】
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーの中では、片末端に重合性官能基としてアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有するスチレン系マクロマーが好ましい。
【0063】
商業的に入手しうるスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成(株)製のAS−6, AN−6, AN−6S, HS−6S, HS−6等が挙げられる。
【0064】
シリコーンマクロマーの中では、式(IV):
X(Y)q Si(R3 3−r  (Z)r           (IV)
(式中、Xは重合可能な不飽和基、Yは2価の結合基、R3 はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基、アリール基又はアルコキシ基、Zは500 以上の数平均分子量を有する1価のシロキサンポリマーの残基、qは0又は1、rは1〜3の整数を示す)
で表されるシリコーンマクロマーが、インクジェットプリンターのヘッドの焦げ付きを防止する観点から好ましい。
【0065】
式(IV)で表されるシリコーンマクロマーにおいて、Xは重合可能な不飽和基である。重合可能な不飽和基の代表例としては、CH2 =CH− 基、CH2 =C(CH3 )−基等の炭素数2〜6の1価の不飽和炭化水素基が挙げられる。
【0066】
Yは、2価の結合基である。2価の結合基の代表例としては、−COO− 基、−COOCaa 2a − 基(aは1〜5の整数を示す)、フェニレン基等の2価の結合基が挙げられる。これらの中では−COOC −が好ましい。
【0067】
3 は、それぞれ独立して水素原子、低級アルキル基、アリール基又はアルコキシ基である。R3 の具体例としては、水素原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜5の低級アルキル基;フェニル基等の炭素数6〜20のアリール基、メトキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基等が挙げられる。これらの中では、メチル基が好ましい。
【0068】
Zは、好ましくは500 以上の数平均分子量を有する1価のシロキサンポリマーの残基である。好ましいZとしては、数平均分子量500 〜5000のジメチルシロキサンポリマーの1価の残基が挙げられる。
【0069】
qは0又は1であるが、好ましくは1である。rは1〜3の整数であるが、より好ましくは1である。
【0070】
シリコーンマクロマーの代表例としては、式(V):
CH2 =CR−COOC−[Si(R−O ] b −Si(R        (V)
(式中、R4 は水素原子又はメチル基、R5 はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基、bは5〜60の数を示す)で表されるシリコーンマクロマー、式(VI):
CH2 =CR−COO−[Si(R−O]b −Si(R                 (VI)
(式中、R4 、R5 及びbは前記と同じ)で表されるシリコーンマクロマー、式(VII):
CH2 =CR−Ph−[Si(R−O] b −Si(R) 3                (VII)
(式中、Phはフェニレン基、R4 、R5 及びbは前記と同じ)で表されるシリコーンマクロマー、式(VIII):
CH2 =CR−COOC−Si(OE)                           (VIII)
〔式中、R4 は前記と同じ。Eは式:−[Si(R−O]c −Si(R基(R4 は前記と同じ。cは5〜65の数を示す)を示す〕
で表されるシリコーンマクロマー等が挙げられる。
【0071】
これらの中では、式(V) で表されるシリコーンマクロマーが好ましく、特に式(IX):
CH2 =C(CH)−COOC−[Si(CH−O]d −Si(CH3        (IX)
(式中、dは8〜40の数を示す)
で表されるシリコーンマクロマーが好ましい。その例として、FM−0711 〔チッソ(株)製、商品名〕等が挙げられる。
【0072】
マクロマーの数平均分子量は、溶媒として1mmol/L のドデシルジメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルクロマトグラフィーにより、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
【0073】
ビニルポリマーにおけるマクロマーの含量は、耐水性及び耐擦過性の観点から、好ましくは0.1 〜40重量%、より好ましくは1〜30重量%である。
【0074】
ビニルポリマーの重量平均分子量(後述する製造例1〜4に記載の方法で測定)は、印字濃度と吐出安定性の観点から、好ましくは3000〜300000、より好ましくは5000〜200000である。
【0075】
ビニルポリマーは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、モノマー組成物を重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。
【0076】
溶液重合法で用いる溶媒は、極性有機溶媒であることが好ましい。極性有機溶媒が水混和性を有する場合には、水と混合して用いることもできる。
【0077】
極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン又はこれらと水との混合液が好ましい。
【0078】
なお、重合の際には、ラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、2, 2’ −アゾビスイソブチロニトリル、2, 2’ −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2, 2’ −アゾビスブチレート、2, 2’ −アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1, 1’ −アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物が好適である。また、t−ブチルペルオキシオクトエート、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物を使用することもできる。
【0079】
重合開始剤の量は、モノマー組成物1モルあたり、好ましくは0.001 〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。
【0080】
なお、重合の際には、更に重合連鎖移動剤を添加してもよい。重合連鎖移動剤の具体例としては、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタン等の炭化水素類;アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジテルペン、α−メチルスチレンダイマー、9, 10−ジヒドロアントラセン、1, 4−ジヒドロナフタレン、インデン、1, 4−シクロヘキサジエン等の不飽和環状炭化水素化合物;2, 5−ジヒドロフラン等の不飽和ヘテロ環状化合物等が挙げられる。これらの重合連鎖移動剤は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0081】
モノマー組成物の重合条件は、使用するラジカル重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるので一概には決定することができない。通常、重合温度は、好ましくは30〜100 ℃、より好ましくは50〜80℃であり、重合時間は好ましくは1〜20時間である。また、重合雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
【0082】
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したビニルポリマーを単離することができる。また、得られたビニルポリマーは、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
【0083】
疎水性染料が含有するポリマー粒子の水分散体は、公知の乳化法によって製造することができる。例えば、ポリマー及び疎水性染料を有機溶媒に溶解させ、必要に応じて中和剤を加えてポリマー中の塩生成基をイオン化し、これに水を添加した後、必要に応じて分散機又は超音波乳化機を用いて分散を行ない、その有機溶媒を留去して水系に転相することによって得ることができる。
【0084】
また、顔料を含有させたポリマー粒子の水分散体を得る方法としては、ポリマーを有機溶媒に溶解させ、顔料、水、中和剤及び必要に応じて界面活性剤を加えて混練した後、必要に応じて水で希釈し、有機溶媒を留去して水系にする方法が好ましい。
【0085】
有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒及びエーテル系溶媒が好ましく、親水性有機溶媒がより好ましい。
【0086】
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
【0087】
ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒の中では、イソプロパノール、アセトン及びメチルエチルケトンが好ましい。
【0088】
また、必要により、有機溶媒と、高沸点親水性有機溶媒とを併用してもよい。高沸点親水性有機溶媒としては、フェノキシエタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
【0089】
中和剤として、塩生成基の種類に応じて酸又は塩基を使用することができる。酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の有機酸が挙げられる。塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン類、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0090】
中和度には、特に限定がない。通常、得られる水分散体の液性が中性、例えば、pHが4.5 〜10であることが好ましい。
【0091】
着色剤を含有するポリマー粒子の平均粒径は、ノズルの目詰まり防止及び分散安定性の観点から、好ましくは0.01〜0.50μm、より好ましくは0.02〜0.30μm、更に好ましくは0.05〜0.20μmである。平均粒径は実施例に示す「保存前の平均粒径」に相当し、実施例に示す方法で測定される。
【0092】
水系インクにおける着色剤を含有するポリマー粒子の水分散体の量は、通常、印字濃度及び吐出安定性の観点から、水系インクにおけるポリマー粒子の含有量が、好ましくは0.5 〜30重量%、より好ましくは1〜15重量%となるように調整することが望ましい。
【0093】
本発明の水系インクにおいて、ポリマー粒子以外は水であるが、必要により、湿潤剤、分散剤、消泡剤、防黴剤、キレート剤等の添加剤を含有させることできる。
【0094】
湿潤剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリセリンモノn−ブチルエーテル等の多価アルコール及びそのエーテル、アセテート類、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等の含窒素化合物を使用することができる。水系インク中における湿潤剤の量は、好ましくは0.1 〜50重量%、より好ましくは0.1 〜30重量%である。
【0095】
また、分散剤としては、アニオン系、ノニオン系、カチオン系、両性系の分散剤を用いることができる。
【0096】
かくして得られる本発明の水系インクは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーM由来の構造中のオキシプロピレン基による疎水性水和層の働きにより、疎水性が高く、インクが低粘度化され、吐出性及び分散安定性に優れたインクジェット記録用水系インクとなる。
【0097】
また、本発明の水系インクの着色剤として、顔料又は疎水性染料を用いた場合には、耐光性及び耐水性に優れた印字物を得ることができる。
【0098】
更に、ビニルポリマーとして、芳香環含有モノマー及びマクロマーを用いた場合には、耐水性及び耐擦過性により優れた印字物を得ることができる。
【0099】
また、本発明の水系インクは、付与された高い疎水性により、親水性表面をもつ紙への浸透が抑制されるので、着色剤を紙表面に効果的に残留させることができるため、高い印字濃度を得ることができる。
【0100】
【実施例】
製造例1〜4及び比較製造例1
反応容器内に、メチルエチルケトン20重量部及び重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.03重量部、表1に示す各モノマーの重量部数の10%を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。
【0101】
一方、滴下ロートに、表1に示すモノマーの重量部数の90%を仕込み、重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.27重量部、メチルエチルケトン60重量部及び2, 2’ −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)1.2 重量部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
【0102】
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から65℃で2時間経過後、2, 2’ −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)0.3 重量部をメチルエチルケトン5重量部に溶解した溶液を加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。
【0103】
得られたポリマー溶液の一部を、減圧下、105 ℃で2時間乾燥させ、溶媒を除去することによって単離し、標準物質としてポリスチレン、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより重量平均分子量を測定した。その結果を表1に示す。
【0104】
なお、表1に示す各化合物の詳細は、以下のとおりである。
・ポリプロピレングリコールモノメタクリレート:アルドリッチジャパン(株)
製(数平均分子量:375)
・ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノメタクリレート:日本油脂(株)製、商品名:ブレンマー50PEP−300 、エチレンオキサイド付加モ
ル数3.5 モル
【0105】
・ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)モノメタクリレート:日本油脂(株)製、商品名:ブレンマー30PPT−800B、プロピレンオキサイ
ド付加モル数4モル、テトラメチレンオキサイド付加モル数8モル
【0106】
・ポリエチレングリコールモノメタクリレート:日本油脂(株)製、商品名:ブ
レンマー50PE−350、エチレンオキサイド付加モル数8モル
【0107】
・スチレンマクロマー:東亜合成(株)製、商品名:AN−6(スチレン・アクリロニトリル共重合マクロマー)、スチレン含量:75 重量%、数平均分子量:6000 、
重合性官能基:メタクリロイル基
【0108】
【表1】
Figure 2004002662
【0109】
実施例1〜4及び比較例1
製造例1〜4及び比較製造例1で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー5重量部を、メチルエチルケトン45重量部に溶かし、その中に中和剤(20 %水酸化ナトリウム水溶液)を所定量加えて塩生成基を中和し、更にキナクリドン顔料〔C.I.ピグメント・レッド122 、大日本インキ化学工業(株)製、商品名:ファーストゲン・スーパー・マゼンタR 〕20重量部を加え、ビーズミルで2時間混練した。
【0110】
得られた混練物に、イオン交換水120 重量部を加え、攪拌した後、減圧下で60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去することにより、固形分濃度が20重量%の顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体を得た。
【0111】
得られた顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体40重量部、グリセリン10重量部、2−ピロリドン5重量部、イソプロピルアルコール2重量部及びイオン交換水43重量部を混合し、得られた混合液を0.5 μmのフィルター〔アセチルセルロース膜、外径:2.5cm 、富士写真フイルム(株)製〕を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ〔テルモ(株)製〕で濾過し、粗大粒子を除去し、水系インクを得た。
【0112】
比較例2
メチルエチルケトン50重量部に、キナクリドン顔料〔C.I.ピグメント・レッド122 )20重量部を加え、ビーズミルで2時間混練した。
【0113】
得られた混練物に、イオン交換水120 重量部を加え、攪拌した後、減圧下で60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去することにより、固形分濃度が20重量%の顔料粒子の水分散体を得た。
【0114】
実施例1〜4及び比較例1において、顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体の代わりに、得られた顔料粒子の水分散体を用いた以外は、実施例1〜4及び比較例1と同様にして、水系インクを得た。
【0115】
【表2】
Figure 2004002662
【0116】
次に、得られた水系インクの物性を下記方法に基づいて評価した。その結果を表3に示す。
【0117】
(1) インク粘度
東機産業(株)製、RE80L 型粘度計(ローター1)を用い、20℃で100 r/min の粘度を測定し、以下の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:インク粘度が3.5mPa・s未満
○:インク粘度が3.5mPa・s以上4.5mPa・s未満
△:インク粘度が4.5mPa・s以上7.0mPa・s未満
×:インク粘度が7.0mPa・s以上
【0118】
(2) 吐出性
ヒューレット・パッカード(HEWLETT PACKARD )社製のバブルジェットプリンター(型番:Desk Jet−720C )を用い、インクの吐出性を以下の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
○:全ノズルで吐出良好
△:一部のノズルで吐出不良あり
×:吐出不良
【0119】
(3) 印字濃度
前記プリンターを用い、市販のコピー用紙にベタ印字し、25℃で1時間放置後、印字濃度をマクベス濃度計(マクベス社製、品番:RD914) で測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:印字濃度が1.2 以上
○:印字濃度が1.1 以上1.2 未満
△:印字濃度が1.0 以上1.1 未満
×:印字濃度が1.0 未満
【0120】
(4) 耐光性
前記印字濃度を測定したベタ印字物に、キセノンフェードメーター(ATLAS 社製、商品名) で10000 カウント照射し続けた後、再びマクベス濃度計RD914 で照射前における測定と同じ印字箇所の印字濃度を測定した。照射前の印字濃度に対する照射後の印字濃度の残存率を式:
〔残存率〕=〔照射後の印字濃度〕/〔照射前の印字濃度〕×100
に従って求め、以下の評価基準に基づいて耐光性を評価した。
〔評価基準〕
◎:残存率95%以上
○:残存率80%以上95%未満
△:残存率60%以上80%未満
×:残存率60%未満
【0121】
(5) 耐水性
前記プリンターを用い、市販のコピー用紙にベタ印字し、25℃で1時間乾燥させた試料の特定の印字箇所の印字濃度を測定後、静水中に垂直に10秒間浸漬し、そのまま垂直に引き上げた。25℃で24時間自然乾燥させた後、浸漬前と同じ箇所の印字濃度を測定し、浸漬前の印字濃度に対する浸漬後の印字濃度の残存率を式:
〔残存率〕=〔浸漬後の印字濃度〕/〔浸漬前の印字濃度〕×100
に従って求め、以下の評価基準に基づいて耐水性を評価した。
〔評価基準〕
◎:残存率95%以上
○:残存率80%以上95%未満
△:残存率60%以上80%未満
×:残存率60%未満
【0122】
(6) 耐擦過性
前記プリンターを用い、市販のコピー用紙にベタ印字し、25℃で24時間乾燥させた後、指で強く印字面を擦った。その印字のとれ具合を以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:印字は全くとれない
○:ほとんど印字はとれず、周りが汚れない
△:少し印字が擦りとられ、周りが少し汚れ、指も少し汚れる
×:かなり印字が擦りとられ、周りがかなりひどく汚れ、指も相当汚れる
【0123】
(7) 平均粒径及び分散安定性
大塚電子(株)製、レーザー粒子解析システムELS−8000を用い、インクに含まれている着色剤を含有するポリマー粒子の平均粒径(以下、保存前の平均粒径という)を測定した。インクを60℃の恒温槽に1ヵ月保存後、同様の方法にて平均粒径(以下、保存後の平均粒径という)を測定した。分散安定性の指標として、分散安定度を式:
〔分散安定度〕=〔保存後の平均粒径〕/〔保存前の平均粒径〕×100
に従って求め、以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:分散安定度が95%以上105 %未満
○:分散安定度が90%以上95%未満、又は105 %以上110 %未満
△:分散安定度が70%以上90%未満、又は110 %以上130 %未満
×:分散安定度が70%未満又は130 %以上
【0124】
【表3】
Figure 2004002662
【0125】
表3に示された結果から、各実施例で得られた水系インクは、いずれも、低粘度インクのため、吐出性に優れ、コピー用紙に高印字濃度の印刷物が得られ、耐光性、耐水性、耐擦過性、更には分散安定性にも優れたものであることがわかる。
【0126】
【発明の効果】
本発明の水系インクは、耐水性、耐光性、耐擦過性及び分散安定性に優れ、更に安定した吐出性により、高印字濃度を付与しうるインクジェット記録用水系インクとして好適に使用することができるものである。

Claims (6)

  1. 着色剤を含有する水不溶性ビニルポリマーのポリマー粒子の水分散体を含有する水系インクであって、ビニルポリマーが式(I):
    Figure 2004002662
    (式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2 は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜9のアルキルフェニル基、mは1〜30の数を示す)
    で表される(メタ)アクリル酸エステルモノマーA、式(II):
    Figure 2004002662
    (式中、R1 、R2 及びmは前記と同じ。nは1〜30の数を示す。オキシエチレン基及びオキシプロピレン基はブロック付加又はランダム付加している)
    で表される(メタ)アクリル酸エステルモノマーB及び式(III):
    Figure 2004002662
    (式中、R1 、R2 、m及びnは前記と同じ。オキシプロピレン基及びオキシテトラメチレン基はブロック付加又はランダム付加している)
    で表される(メタ)アクリル酸エステルモノマーCからなる群より選ばれた1種以上5〜45重量%、塩生成基含有モノマー3〜40重量%、及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーA、B及びC並びに塩生成基含有モノマーと共重合可能なモノマー15〜92重量%を含有するモノマー組成物を重合させてなるビニルポリマーである水系インク。
  2. 着色剤が、顔料又は疎水性染料である請求項1記載の水系インク。
  3. モノマー組成物が、該共重合可能なモノマーとして芳香環含有モノマー及びマクロマーからなる群より選ばれた1種以上を含有するものである請求項1又は2記載の水系インク。
  4. 芳香環含有モノマーが、スチレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン及びビニルナフタレンからなる群より選ばれた1種以上である請求項3記載の水系インク。
  5. マクロマーが、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーである請求項3記載の水系インク。
  6. ビニルポリマーの重量平均分子量が3000〜300000である請求項1〜5いずれか記載の水系インク。
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