JP2004350783A - 浴槽の内壁面の防汚装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定の間隔で浴槽1の上部の噴射ノズル2から噴射した湯を浴槽1の内壁面3に沿って流すことで浴槽1の内壁面3の防汚をする浴槽の内壁面の防汚装置である。これにおいて、浴槽1内の湯を保温するための給湯器4の保温循環路5から分岐して噴射ノズル2に湯を供給するようにする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽の内壁面に垢等の汚れが付着して汚れるのを防止する浴槽の内壁面の防汚装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に浴槽では内壁面の喫水線より上の位置に垢等の汚れが乾いて付き易いが、これを防止するため近年、浴槽の上部に噴射ノズルを設け、湯または水を噴射ノズルから噴射して浴槽の内壁面に沿って湯または水を流して内壁面に垢等の汚れが付着するのを防止するようした防汚装置(例えば、特許文献1参照)が提供されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−304085号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来例では、噴射ノズルから湯または水を噴射するために浴湯や市水を循環ポンプで噴射ノズルに供給するようになっており、噴射ノズルから湯または水を噴射して浴槽の内壁面の防汚をするためには特別にそのため専用の循環ポンプを設置しなければならなく、コストアップになると共に循環ポンプの設置に場所をとるという問題がある。
【0005】
また上記従来例では噴射ノズルから湯または水を流して防汚するとき、浴槽の水位に関係なく常に一定の状態で湯または水を流しており、汚れの状態に応じて適切に湯または水を流すことができるものでない。つまり、汚れてないのにも湯または水を余分に流したりしてエネルギー的に無駄になるものである。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、浴槽の内壁面に沿って湯を流して内壁面の防汚ができるのは勿論、給湯器の保温用循環ポンプを用いることにより特別に循環ポンプを設置しなくても湯を供給できてコスト的に安価にできると共に設置に場所をとらなく、さらに適切に湯を流して省エネルギー化を図ることができる浴槽の内壁面の防汚装置を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の浴槽の内壁面の防汚装置は、所定の間隔で浴槽1の上部の噴射ノズル2から噴射した湯を浴槽1の内壁面3に沿って流すことで浴槽1の内壁面3の防汚をする浴槽の内壁面の防汚装置において、浴槽1内の湯を保温するための給湯器4の保温循環路5から分岐して噴射ノズル2に湯を供給するようにしたことを特徴とする。
【0008】
上記のように噴射ノズル2から噴射した湯を浴槽1の内壁面3に沿って流すことで垢等の汚れが乾いて付き易い内壁面3の喫水線より上の位置を乾かないようにして汚れが付きにくいようにできる。しかも給湯器4の保温循環路5から分岐して噴射ノズル2に湯を供給するために給湯器4の保温用循環ポンプにて湯を噴射ノズル2に供給でき、従来のように防汚のために特別に循環ポンプを要せず、コスト的に安価にできると共に設置に場所をとらないようにできる。
【0009】
また噴射ノズル2から流す湯の量を浴槽1の水位に応じて変更するように制御したことを特徴とすることも好ましい。浴槽1の浴湯の水位が低い場合、内壁面3が空気に触れている部分が多いために噴射ノズル2から噴射する湯の流量を多くし、浴槽1の浴湯の水位が高い場合、内壁面3が空気に触れている部分が少ないため噴射ノズル2から噴射する湯の流量を少なくすることで浴槽1の浴湯の水位に応じて適切な流量の湯を内壁面3に流すことができ、省エネルギー運転ができる。
【0010】
また噴射ノズルから湯を流す頻度を浴室内温度、湿度等により変更するように制御したことを特徴とすることも好ましい。浴室内の温度が高い場合は、浴槽1の内壁面3が乾きやすいために湯を噴射ノズル2から噴射する頻度を多くし、浴室内の湿度が高い場合、内壁面3が乾きにくくなるため湯を噴射ノズル2から噴射する頻度を少なくすることにより、浴室内の条件に応じて適切な頻度で湯を内壁面3に流すことができ、省エネルギー運転ができる。
【0011】
また浴槽1を風呂蓋で蓋したとき風呂蓋を検知して噴射ノズル2から湯を流す頻度を大幅に少なくするように制御したことを特徴とすることも好ましい。風呂蓋6で蓋したときは浴槽1の内壁面3が乾きにくくなるため、噴射ノズル2から流す湯を大幅に少なくでき、省エネルギー運転ができる。
【0012】
また入浴者が浴槽1から出たときの浴湯の水位変化を検知したとき噴射ノズル2から湯を流すように制御したことを特徴とすることも好ましい。入浴者が浴槽1から出るときに浴湯の水位が下がって内壁面3に付きやすくなった汚れを直ぐに湯で洗い落とすことにより汚れが付きにくくなる。
【0013】
また浴槽1の浴湯の排水時の水位変化を検知したとき噴射ノズル2から湯を流すように制御したことを特徴とすることも好ましい。浴槽1の浴湯の排水時に特に随時湯を流すことにより喫水線で取り残されている汚れを落として行くことにより、汚れが付きにくくなる。
【0014】
また浴槽1の浴湯の排水終了を水位変化にて検知したとき奇麗な水道水を噴射ノズル2から流すように制御したことを特徴とすることも好ましい。浴槽1の浴湯の排水終了後は、奇麗な水道水を流すことにより浴槽1の内壁面3に付いた僅かな汚れまで奇麗に洗い流すことができ、掃除の手間を省くことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1に示すように浴槽1は側壁1aの上端の周囲に外方に突出するフランジ1bを有し、側壁1aの上端には湯を噴射するための噴射ノズル2を適当な間隔て複数個並設してある。給湯器4は浴室外に設置してあり、給湯器4に給水された水を加熱することにより湯を沸かして給湯したり、浴槽1から戻した湯を加熱して保温する機能を有している。浴槽1の側壁1aの下部には循環アダプター7を装着してあり、給湯器4と循環アダプター7とは保温循環路5にて連通させてある。この保温循環路5は往路管5aと復路管5bとで構成されている。給湯器4には保温用循環ポンプが内装されており、浴槽1内に浴湯を張った状態で保温用循環ポンプを駆動すると、浴槽1内の浴湯が循環アダプター7から復路管5bを通って給湯器4に吸入され、給湯器4で加熱されてから往路管5aを通って循環アダプター7から吐出するように循環して浴槽1内の浴湯が保温される。また浴槽1に湯を張る場合は、給湯器4に給水した水を沸かした湯が往路管5a、循環アダプター7を介して供給される。
【0016】
保温循環路5の往路管5aの途中から給湯管8を分岐してあり、この往路管5aと給湯管8との交点に電動三方弁9を配置してあり、往路管5aから循環アダプター7に湯が流れる状態と往路管5aから給湯管8に湯が流れる状態とに切り替えることができるようになっている。また給湯器4や電動三方弁9は給湯器4内の制御部10で制御されるようになっている。また浴槽1のフランジ1bには風呂蓋検知センサー11を設けてあり、浴槽1の上面開口を風呂蓋で閉塞したとき風呂蓋を検知するようになっている。また浴室の壁面には温度・湿度センサー12を設けてあり、浴室内の温度及び湿度を検知するようになっている。また給湯器4には例えば圧力センサーのような水位検知センサー(図示せず)を内蔵させてあり、水位センサーにて浴槽1内の浴湯の水位を検知できるようになっている。上記風呂蓋検知センサー11、温度・湿度センサー12、水位検知センサーで検知した信号は制御部10に入力されるようになっている。
【0017】
浴槽1内に浴湯を張った状態で往路管5aと循環アダプター7とが連通するように電動三方弁9を切り替え、保温用循環ポンプを駆動すると、浴槽1内の浴湯が循環アダプター7から復路管5bを介して吸い込まれ、給湯器4で加熱して往路管5a、循環アダプター7を介して浴槽1内に吐出するように循環し、冷めた浴湯が加熱されて一定温度に保温される。このように浴湯を保温する動作をする時間以外の時間で、電動三方弁9を切り替えて往路管5aと給湯管8とを連通させ、保温用循環ポンプを駆動することにより、給湯管8から噴射ノズル2に湯が供給され、噴射ノズル2から湯が噴射される。このようにして浴湯を保温する時間以外の時間に一定時間毎に噴射ノズル2から浴槽1の内壁面3に湯を流すことができる。従って、垢等の汚れが乾いて付きやすい浴槽1の内壁面3の喫水線より上を乾かないようにして汚れが付きにくいようにできる。また保温用循環ポンプを利用して浴槽1の内壁面3に湯を流すことができる。
【0018】
また給湯器4内にある水位検知センサーにより、浴槽1内を湯の水位を検知しし、噴射ノズル2から出す湯の流量を制御することができる。つまり、浴槽1内の水位が低い場合、浴槽1の内壁面3の空気に触れている部分が多いため、流量が多くなるように制御する。逆に浴槽1の水位が高い場合は、浴槽1の内壁面3の空気に触れている部分が少ないため、流量が少ないように制御する。このようにすると、水位に応じて適切に流量を制御して無駄をなくすことができ、省エネルギー化を図ることができる。
【0019】
また温度・湿度センサー12にて浴室内の温度や湿度が検知されており、温度や湿度により噴射ノズル2から湯を出す頻度を制御することもできる。つまり、浴室内の温度が高い場合は、浴槽1の内壁面3が乾きやすくなるため、噴射ノズル2から湯を流す頻度が多くなるように制御する。また湿度が高い程、噴射ノズル2から湯を流す頻度が少なくなるように制御する。このようにすることでも、浴室内の温度や湿度に応じて適切に流量を制御して無駄をなくすことができ、省エネルギー化を図ることができる。
【0020】
また浴槽1を風呂蓋で蓋したか否かが風呂蓋検知センサー11で検知されるようになっており、風呂蓋で蓋をするか否かにより噴射ノズル2から湯を出す頻度を制御することができるようになっている。つまり、浴槽1を風呂蓋で蓋した場合は、浴槽1の内壁面3の表面も乾きにくくなるため、風呂蓋で蓋したことを風呂蓋検知センサー11で検知すると、噴射ノズル2から湯を出す頻度を大幅に少なくして無駄をなくすことができ、省エネルギー化を図ることができる。
【0021】
また入浴者が浴槽1内に入り浴槽1内の水位が高くなった後、浴槽1を出ると水位が低くなり、汚れが喫水線に残しやすくなる。そこで、浴槽1から入浴者が出たときの水位を給湯器4の水位検知センサーで検知したとき噴射ノズル2から湯を一定時間流す制御をするようになっている。このようにすることにより、入浴者が浴槽1から出るとき水位が減って、浴槽1の内壁面3に付きやすくなった汚れを直ぐに湯で洗い落とすことにより、汚れが付きにくくできる。
【0022】
また浴槽1の湯の排水時に、浴槽1の水位減少を水位検知センサーで検知し、排水終了時まで湯を噴射ノズル2から流し、浴槽1の内壁面3に残されている汚れを順次上から流して行く制御をすることができる。このように浴槽1の湯の排水時には、特に随時湯を流すことにより喫水線に取り残されている汚れを落として行くことができ、汚れが付きにくくできる。
【0023】
また浴槽の湯の排水完了を水位検出センサーにより検知した後、給湯器4から奇麗な水道水を供給し、噴射ノズル2から奇麗な水道水を出し、浴槽1の内壁面3を再度洗い流して汚れを落とす制御ができるようになっている。このように浴槽1の湯の排水終了後は奇麗な水道水を給湯器4から供給することにより浴槽1の内壁面3に付いた僅かな汚れも最終的に洗い流すことができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は噴射ノズルから噴射した湯を浴槽の内壁面に沿って流すことで垢等の汚れが乾いて付き易い内壁面の喫水線より上の位置を乾かないようにして汚れが付きにくいようにできるものであり、しかも給湯器の保温循環路から分岐して噴射ノズルに湯を供給するために給湯器の保温用循環ポンプにて湯を噴射ノズルに供給でき、従来のように防汚のために特別に循環ポンプを要せず、コスト的に安価にできると共に設置に場所をとらないようにできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を説明する概略系統図である。
【符号の説明】
1 浴槽
2 噴射ノズル
3 内壁面
4 給湯器
5 保温循環路
Claims (7)
- 所定の間隔で浴槽の上部の噴射ノズルから噴射した湯を浴槽の内壁面に沿って流すことで浴槽の内壁面の防汚をする浴槽の内壁面の防汚装置において、浴槽内の湯を保温するための給湯器の保温循環路から分岐して噴射ノズルに湯を供給するようにしたことを特徴とする浴槽の内壁面の防汚装置。
- 噴射ノズルから流す湯の量を浴槽の水位に応じて変更するように制御したことを特徴とする請求項1記載の浴槽の内壁面の防汚装置。
- 噴射ノズルから湯を流す頻度を浴室内温度、湿度等により変更するように制御したことを特徴とする請求項1記載の浴槽の内壁面の防汚装置。
- 浴槽を風呂蓋で蓋したとき風呂蓋を検知して噴射ノズルから湯を流す頻度を大幅に少なくするように制御したことを特徴とする請求項1記載の浴槽の内壁面の防汚装置。
- 入浴者が浴槽から出たときの浴湯の水位変化を検知したとき噴射ノズルから湯を流すように制御したことを特徴とする請求項1記載の浴槽の内壁面の防汚装置。
- 浴槽の浴湯の排水時の水位変化を検知したとき噴射ノズルから湯を流すように制御したことを特徴とする請求項1記載の浴槽の内壁面の防汚装置。
- 浴槽の浴湯の排水終了を水位変化にて検知したとき奇麗な水道水を噴射ノズルから流すように制御したことを特徴とする請求項1記載の浴槽の内壁面の防汚装置。
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