JP2004350698A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技機における所定の入賞条件の達成を決定するための経過を一層趣向性に富んだ態様で遊技者に提示することが可能な遊技機の構成技術を提供する。
【解決手段】始動入賞すると、入賞口が開き、入賞球誘導路113を経て誘導された遊技球102が特定入賞口157に入賞することで大当たりになるパチンコ機101において、遊技球が振分装置に到達するタイミングの不定化手段を設ける。これにより、遊技球102が入賞口に入賞してから振分装置155に到達するまでの時間に「ばらつき」を生じさせる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入賞装置を有する遊技機に関し、詳しくは遊技球による所定の入賞条件の達成を決定するための経過態様に工夫を講じることで遊技の趣向性を向上した遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機の一例として、所定の態様で駆動される入賞装置を有するパチンコ機の構成が特許文献1(特開平4−314471号公報)に開示されている。この遊技機における入賞装置では、入賞室内に振分装置としての入賞調整装置を備えており、入賞室内に流入した遊技球が、前記入賞調整装置によって定期的に形成される特定球誘導路を経て移送されることで特別入賞の確度が高められる遊技態様が構成される。
【0003】
ところで、上記のように特別入賞の遊技状態を得るべく、遊技球による所定の入賞条件が達成される過程を楽しむことが可能な入賞装置の構成については、如何に遊技者に対する趣向性を訴求するかが重要である。この点、従来の入賞装置における入賞決定経過とは異なる新たな構成態様の開発を追及する要請が高い。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−314471号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、遊技機における所定の入賞条件の達成を決定するための経過を一層趣向性に富んだ態様で遊技者に提示することが可能な遊技機の構成技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、各請求項記載の発明が構成される。
請求項1に記載の発明によれば、所定の入賞条件の達成によって開閉する入賞口と、入賞口に入賞した遊技球を普通入賞口または特定入賞口のいずれかに振り分けて誘導する振分装置とを備え、しかも遊技球の特定入賞口への入賞を条件として特別の遊技状態が構成される形式の遊技機が提供される。
【0007】
なお、本発明における「遊技機」は、典型的にはパチンコ機やアレンジボール機等がこれに該当する。また「所定の入賞条件の達成」は、典型的には、遊技球が遊技盤に設けられた特定の入賞始動口に入賞した場合がこれに該当し、遊技球の入賞始動口への入賞を条件として入賞口が一回の開閉動作をする場合、あるいは複数回の開閉動作を繰り返す場合を包含する。また「入賞」は入賞口、あるいは特定入賞口等の各種球受口に遊技球が流入した状態をいう。また「特別の遊技状態」は、遊技者に所定の特典が付与された遊技態様であり、典型的には大当たり遊技状態がこれに該当する。より詳しくは、特定入賞口(いわゆるVゾーン)に遊技球の入賞することを条件として、所定数の遊技球が入賞口に入賞するまでの間、当該入賞口に対して開閉動作を継続させる態様、あるいは入賞口に対して所定回数の開閉動作を継続させる態様である。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、遊技球の振分装置への到達タイミングを不定にする不定化手段を有する。到達タイミングを不定にする不定化手段は、入賞口に入賞した遊技球が振分装置に到達するタイミングに「ばらつき」を生じさせるように作用する。
【0009】
「到達タイミングを不定にする」態様としては、典型的には、遊技球が入賞口に入賞してから振分装置に達するまでの時間を調整する態様がこれに該当する。詳しくは、例えば入賞口に入賞した遊技球を振分装置に誘導する入賞球誘導路に、入賞口から入賞した遊技球が自在に転動可能な平面領域を有する球転動部を設け、遊技球の球転動部を遊動する形態によって、あるいは遊技球が球転動部を経由するか否か等に基づいて、振分装置に到達するまでの時間に「ばらつき」を生じさせる態様、あるいは入賞球誘導路の途中に長さの異なる複数の経路を設定し、遊技球が長短いずれの経路を通るかによって振分装置に到達するまでの時間に「ばらつき」を付与する態様、または入賞球誘導路中に回転あるいは出入する可動式の規制板を設定し、当該規制板によって入賞球誘導路を通過する遊技球を一時停止させたり勢いを弱めたりすることで振分装置に到達するまでの時間に「ばらつき」を生じさせる態様、さらには入賞球誘導路に電磁石を臨ませ、当該電磁石を適当なタイミングで励磁あるいは消磁し、遊技球の通過速度を変化させることで振分装置に到達するまでの時間に「ばらつき」を生じさせる態様等を包含する。
【0010】
上記のように、請求項1に記載の発明によれば、入賞口から振分装置に向かって誘導される遊技球につき、振分装置に到達するタイミングを不定とすることができ、これにより遊技者が、振分装置へ誘導される遊技球の特定入賞口に対する入賞可能性の有無を早期に判断しにくくなる。その結果、遊技者にして特定入賞口に対する遊技球の入賞期待感の持続性が高まり、遊技の趣向性を一層向上することが可能となった。
【0011】
さらに上記発明の趣旨に鑑み、以下の態様が構成可能である。すなわち、
(態様1)
「請求項1に記載の遊技機であって、
前記到達タイミングの不定化手段は、入賞口に入賞した遊技球を振分装置に誘導する入賞球誘導路に形成されていることを特徴とする遊技機。」
【0012】
態様1に記載の発明では、入賞口に入賞した遊技球を振分装置に誘導する入賞球誘導路に到達タイミングの不定化手段を形成している。したがって、入賞口に入賞した遊技球が振分装置に到達するまでの時間を不定にすることができるため、遊技者が、入賞口に入賞した遊技球が入賞球誘導路を経て振分装置へ誘導される場合の、遊技球の特定入賞口に対する入賞可能性の有無を早期に判断しにくくなる。その結果、遊技者にして特定入賞口に対する遊技球の入賞期待感の持続性が高まり、遊技の趣向性を一層向上することが可能となる。
【0013】
(態様2)
「態様1に記載の遊技機であって、
前記到達タイミングの不定化手段は、遊技球の遊動を許容する領域によって形成されていることを特徴とする遊技機。」
【0014】
態様2に記載の発明では、到達タイミングの不定化手段は、遊技球の遊動を許容する領域によって形成されている。「遊動を許容する領域」とは、遊技球が自在に転動することが可能な領域を指す。このような領域を入賞球誘導路に備えることにより、入賞口に入賞した遊技球の振分装置に到達する到達タイミングを不定化することができる。
【0015】
(態様3)
「態様2に記載の遊技機であって、
前記領域は、遊技球が遊動可能な概ね水平方向の平面領域を有する球転動部によって形成されていることを特徴とする遊技機。」
【0016】
態様3に記載の発明では、入賞口に入賞した遊技球を振分装置に誘導する入賞球誘導路に、遊技球が遊動可能な平面領域を有する球転動部を形成することによって、到達タイミングの不定化手段としての領域を構成している。このため、入賞口に入賞した遊技球が振分装置に到達するタイミングを不定にするという所期の目的を簡単な構造で合理的に実現することができる。「遊技球が遊動可能な平面領域」とは、その全体が水平面によって形成されている場合は勿論のこと、傾斜した平面あるいは湾曲面さらには階段状の段差面によって形成されている場合等、広く包含するものである。
【0017】
(態様4)
「態様2に記載の遊技機であって、
前記領域は、長さの異なる複数の通路を形成することによって構成されることを特徴とする遊技機。」
【0018】
態様4に記載の発明では、入賞口に入賞した遊技球を振分装置に誘導する入賞球誘導路に、長さの異なる複数の通路を形成することによって、到達タイミングの不定化手段としての領域を構成している。このため、入賞口に入賞した遊技球が複数の通路のうちのいずれの通路を通るかによって振分装置に到達するタイミングを不定にすることができる。
【0019】
(態様5)
「態様2に記載の遊技機であって、
前記領域は、遊技球が転動する通路と、当該通路に出入動作可能な可動部材とによって構成されていることを特徴とする遊技機。」
【0020】
態様5に記載の発明によれば、遊技球が転動する通路と、当該通路に出入動作可能な可動部材とによって、到達タイミングの不定化手段としての領域が構成される。このため、可動部材を例えば電気的な駆動装置を用いて通路に対し適当なタイミングで出入動作させることにより、遊技球の通路の転動を規制あるいは解除し、これにより振分装置に到達するタイミングを不定にすることができる。
【0021】
(態様6)
「態様2に記載の遊技機であって、
前記領域は、遊技球が遊動する転動面の少なくとも一部に、電気の通電によって遊技球の吸引機能が付加され、通電を断つことで遊技球の吸引機能が消失される吸引面を形成することで構成されていることを特徴とする遊技機。」
【0022】
態様6に記載の発明によれば、遊技球が遊動する転動面の少なくとも一部に、電気の通電によって遊技球の吸引機能が付加され、通電を断つことで遊技球の吸引機能が消失される吸引面を形成することで到達タイミングの不定化手段としての領域が構成される。したがって、態様6に記載の発明では、吸引面に対する通電の断続を適宜制御し、吸引面に対して遊技球を一時的に吸引させることにより、振分装置に到達するタイミングを不定にすることができる。
【0023】
(態様7)
「請求項1または態様1〜6のいずれかに記載の遊技機であって、
前記到達タイミングの不定化手段は、遊技者によって視認されない箇所に設けられていることを特徴とする遊技機。」
【0024】
態様7に記載の発明によれば、到達タイミングの不定化手段が遊技者から視認されない箇所に設けられた遊技機が構成される。これにより、遊技者は、遊技中において、入賞口に入賞した遊技球が入賞してから振分装置に到達するまでの当該遊技球の流動過程を見ることができない。そのため、遊技球が振分装置に到達するタイミングを予測しにくい結果となる。これにより、遊技者は意外性をもって遊技を楽しむことができることになり、遊技の趣向性を一層向上することが可能となった。なお、「視認されない」態様としては、例えば入賞口に入賞した遊技球を振分装置に誘導する入賞球誘導路が当該入賞口の裏面側に形成され、そして当該入賞球誘導路に「不定化手段」が形成されている場合において、入賞口が閉じている状態がこれに該当するが、この入賞口の閉鎖状態のみならず、開いているにもかかわらず見えない態様をも包含する。
【0025】
(態様8)
「請求項1または態様1〜7のいずれかに記載の遊技機であって、
複数の入賞始動口と、前記複数の入賞始動口のうちの特定の入賞始動口に遊技球を誘導する球遊動棚とを有し、
前記複数の入賞始動口は、遊技球が入賞することで前記入賞口が開閉する入賞条件を達成する構成とされ、
前記球遊動棚は、当該球遊動棚に誘導された遊技球を前記特定の入賞始動口側へ誘導するように構成されていることを特徴とする遊技機。」
【0026】
態様8に記載の発明によれば、複数の入賞始動口と、当該複数の入賞始動口のうちの特定の入賞始動口に遊技球を誘導する球遊動棚とを有する遊技機が構成される。複数の入賞始動口は、遊技球が入賞することによって入賞口が開閉する入賞条件を達成する構成とされる。なお、「複数の入賞始動口」は、遊技球の入賞に基づく入賞条件としての入賞口が開閉するときの回数につき、同数、異数のいずれであっても包含する。また球遊動棚は、当該球遊動棚に誘導された遊技球を特定の入賞始動口側へ誘導するように構成される。「特定の入賞始動口」は、単一の場合はもとより複数の場合も包含する。
態様8に記載の発明では、遊技球が球誘導棚を介して特定の入賞始動口に誘導される構成のため、始動入賞のタイミングが不定になる要素が加わることになり、これにより前述した到達タイミングの不定化手段による「不定化効果」と相俟って、振分装置による普通入賞口と特定入賞口とに対する遊技球の振分タイミングに対して、遊技球の到達タイミングを一致させることがより難しくなり、遊技の趣向性を一層向上することが可能となる。
【0027】
(態様9)
「態様8に記載の遊技機であって、
前記入賞口、前記振分装置、前記特定入賞口、前記入賞球誘導路および前記不定化手段によって入賞装置が構成され、当該入賞装置の下方には、前記複数の入賞始動口が配置され、前記入賞装置と前記複数の入賞始動口のうちの特定の入賞始動口との間には、前記球誘導棚が形成され、さらに前記球誘導棚は、前記入賞装置の横幅と概ね同じ横幅を有するとともに、当該入賞装置の概ね真下に配置されていることを特徴とする遊技機。」
【0028】
態様9に記載の発明によれば、入賞口、振分装置、特定入賞口、入賞球誘導路および不定化手段によって入賞装置が構成され、当該入賞装置の下方には、複数の入賞始動口が配置され、入賞装置と複数の入賞始動口のうちの特定の入賞始動口との間には、遊技球を当該特定の入賞始動口に誘導する球遊動棚が配置され、さらに球誘導棚は、入賞装置の横幅と概ね同じ横幅を有するとともに、当該入賞装置の概ね真下に配置された遊技機が提供される。
【0029】
入賞装置の下方に入賞始動口が配置される構成の場合、入賞装置が存在することに起因して当該入賞始動口に対する遊技球の誘導性が悪くなる可能性がある。この点、態様9に記載の発明では、入賞装置の横幅と概ね同じ横幅を有する球遊動棚を当該入賞装置の概ね真下に配置し、遊技球が当該球誘導棚を経て特定の入賞始動口に誘導される構成としているため、特定の入賞始動口に対する遊技球の誘導性が向上され、これにより遊技の趣向性を向上することが可能となる。
【0030】
また入賞装置の下方に、例えば3個の入賞始動口が横並びに配置される構成では、入賞装置の横幅が大きくなると、球誘導性の観点から中央の入賞始動口と左右の入賞始動口との配置間隔を広げて設定することになり、その結果、中央の入賞始動口に対する誘導釘の調整が難しくなるという問題が生ずる。この点、上記のように構成された態様9に記載の発明によれば、中央の入賞始動口に対する遊技球の球誘導機能部材として適用したときは、当該中央の入賞始動口に対する遊技球の誘導を合理的に行うことが可能となり、これにより誘導釘の調整作業の容易化を図ることができる。
【0031】
(態様10)
「態様9に記載の遊技機であって、
前記球誘導棚と前記入賞装置が一体に形成されていることを特徴とする遊技機。」
【0032】
態様10に記載の発明によれば、球誘導棚と入賞装置が一体に形成された遊技機が構成されるため、例えば成形型を用いて製作する場合であれば、別体の場合に比べて製作コストの低減が可能となるとともに、遊技盤に対する組み付け工数を減少して組付け性を向上できる。
【0033】
(態様11)
「態様8〜10のいずれかに記載の遊技機であって、前記球誘導棚は、当該球誘導棚上に誘導された遊技球が一旦奥側に進入後、左右方向に遊動しつつ反転して前方へ落下される構成とされていることを特徴とする遊技機。」
【0034】
態様11に記載の発明によれば、球誘導棚は、当該球誘導棚上に誘導された遊技球が一旦奥側に進入後、左右方向に遊動しつつ反転して前方へ落下される構成の遊技機が提供される。これにより、球誘導棚は、落下口(間口)を狭くした上で遊技球の遊び時間(球誘導棚上での遊動時間)を長く取り、遊技球の勢いを合理的に弱めることができる。すなわち、遊技領域に比べて比較的余裕のある後方スペースを利用して遊技球の勢いを弱めるという所期の目的を合理的に達成することが可能となる。
【0035】
(態様12)
「請求項1または態様1〜11のいずれかに記載の遊技機であって、
前記振分装置は、前記特定入賞口への入賞タイミングを規定する複数の遊技モードの間で切替可能とされていることを特徴とする遊技機。」
【0036】
態様12に記載の発明によれば、特定入賞口への入賞タイミングを規定する複数の遊技モードの間で切替可能とされた振分装置を有する遊技機が構成される。「複数の遊技モード」としては、典型的には、入賞口に入賞した遊技球を特定入賞口に入賞させる入賞タイミングにつき、直ちに入賞させるモード、所定のラウンド満了まで入賞を保留するモード、入賞をしにくくするモードがこれに該当する。態様10に記載の発明では、上記のような複数の遊技モードの切替タイミングに対する遊技球の振分装置への到達タイミングを多様化することで、遊技者に意外性がもたらされ、これにより、遊技の趣向性を一層向上することが可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るパチンコ機101につき図面を参照しつつ詳細に説明する。このうちパチンコ機101における主要な構成部材である遊技盤103の全体構成が図1に示され、パチンコ機101における電動役物装置105の詳細な構成が図2〜5に示され、パチンコ機101の電装システム構成が図6に示される。なおパチンコ機101は、本発明における「遊技機」の一例である。図1に示すように、本実施の形態に係るパチンコ機101の遊技盤103の表面に形成された遊技領域104には、電動役物装置105、3個の入賞始動口107,108が、特に符号を付さない誘導釘、風車、一般入賞口といった周知の要素とともに、それぞれ適所に配置されている。この電動役物装置105が本発明における「入賞装置」に対応し、入賞始動口107,108が本発明における「複数の入賞始動口」に対応する。なお、実施の形態に係るパチンコ機101は、いわゆる「第2種」と呼ばれるタイプに類別される。
【0038】
電動役物装置105は、図2〜図4に示すように、遊技球102が入賞可能とされた左右の入賞口109、当該入賞口109を開閉する左右の開閉羽根151、入賞口109から入賞した遊技球102を誘導する入賞球誘導路113、入賞球誘導路113を経て流入した遊技球102を一時的に滞留させる水平板153、水平板153に連接された入賞調整装置155、当該入賞調整装置155の下部に配置された特定入賞口157、および普通入賞口159を主体として構成されている。この入賞調整装置155が本発明における「振分装置」に対応し、左右の入賞口109が本発明における「入賞口」に対応する。また、特定入賞口157および普通入賞口159が、それぞれ本発明における「特定入賞口」および「普通入賞口」に対応し、入賞球誘導路13が本発明における「入賞球誘導路」に対応する。また電動役物装置105は、正面中央部に所定の奥行きを有する空間領域、すなわち入賞室111を有しており、その入賞室111に上記の構成部材のうち、水平板153、入賞調整装置155、特定入賞口157および普通入賞口159が配置されている。さらに電動役物装置105は、その下部側に特定(中央)の入賞始動口108に遊技球102を誘導する球誘導棚171を一体に備えている。球誘導棚171が本発明における「球誘導棚」に対応する。
【0039】
開閉羽根151が開放動作されることで入賞口109に入賞した遊技球102は、入賞球誘導路113を経由後、水平板153の上面部に落下するとともに、当該水平板153の上面を遊動しつつ入賞調整装置155に移動する。開閉羽根151の開放状態が図2に実線で示され、閉鎖状態が図2に破線で示されている。なお水平板153は、例えば棚板等とも一般に称呼される。
【0040】
入賞球誘導路113は、開閉羽根151の奥側(裏側)に形成されている。図2には入賞球誘導路113が破線によって示され、図3および図4には入賞球誘導路113の大部分が二点鎖線によって概略的に示されている。入賞球誘導路113は、図2〜図4に示すように、入賞口109に入賞した遊技球102を入賞室111の水平板153上へ誘導するための上下方向に延在する球通路115、および当該球通路115の上流側に形成される球転動部117を主体に構成される。この球転動部117が本発明における「不定化手段」および本発明における遊技球の遊動を許容する「領域」に対応する。
【0041】
球通路115は、入口が入賞口109の裏面側に開口され、出口が水平板153の上面に開口されている。球転動部117は入賞口109の裏側において、球通路115の入口近くに連接されて奥側に延びるとともに左右方向に所定の高低差のある段差状の球転動面117a,117bによって構成されている。この球転動面117a,117bが本発明における「概ね水平方向の平面領域」に対応する。そして低い方の球転動面117aの前側に球通路115の入口が開口されている。なお、球転動面117a,117bは、遊動後の遊技球102が球通路115の入口に向かって誘導されるように適宜傾斜を有している。このように、入賞球誘導路113は、入賞口109から進入した遊技球102が直接に球通路115を通ってあるいは球転動部117の球転動面117a,117bを遊動後、球通路115を通って入賞室111内の水平板153上に落下する構成とされている。また上記の球転動部117は、入賞口109の奥側、すなわち開閉羽根151の奥側(裏側)に設けられ、当該開閉羽根151が閉じた閉鎖状態では、遊技者から視認できない構成とされる。この入賞口109の奥側が本発明における「遊技者によって視認されない箇所」に対応する。
【0042】
入賞調整装置155は、本実施の形態では、上下に適宜間隔を置いて配置された上部可動体161と下部可動体163とによって構成されている。上下の両可動体161,163は、左右方向に互いに対向状に水平移動し、移動方向の中央部において上下に重なったときに、遊技球102を特定入賞口157に誘導する特定球誘導路165を形成する構成とされる。すなわち、入賞調整装置155は、所定の動作タイミングで定期的に特定球誘導路165を形成し、当該特定球誘導路165を形成した場合に限り遊技球102が通過することを許容する。この状態が図4に示されている。入賞室111の床面167は、全体として前方に向かって下り傾斜面に形成されるとともに概ね中央部には、入賞調整装置155の特定球誘導路165を通過した遊技球102を特定入賞口107へ案内する球案内路169を有する。なお、球案内路169の上面高さは、床面167よりも高く形成されている。入賞調整装置155が特定球誘導路165を形成していない状態では、水平板153上の遊技球102は、球案内路169よりも低い入賞室111の床面167に落下し、普通入賞口159へと案内される。この状態が図3に示されている。なお、特定入賞口157は、中央に配置され、その特定入賞口157を挟んで左右に普通入賞口159が配置されている。
上記のように、入賞調整装置155は、入賞球誘導路113を経て誘導される遊技球102を特定入賞口157または普通入賞口159のいずれかに振り分けて誘導する。
【0043】
中央の入賞始動口108に遊技球102を誘導する球誘導棚171は、図2〜図5に示すように、遊技球102が進入可能な左右2個の入口173と、その入口173に連なって奥側に水平面で延びる左右の球誘導路175と、両球誘導路175に連なる棚板部177を有する構成とされる。左右の球誘導路175は、棚板部177側が開放されたオープン通路であり、遊技球102の直径よりも小幅に形成され、このことにより球誘導棚171の全幅(横幅)に占める棚板部177の横幅領域の割合を極力大きくしている。このため、棚板部177の左右方向に関する遊技球102の転動幅を大きくすることができる。また棚板部177は、特に図5に詳細に示されるように、左右の球誘導路175から中央部に向かって下る緩やかな曲面によって形成されるとともに、奥側から手前に向かって下り傾斜面とされている。さらにまた棚板部177は、奥側と手前側とに高低差が付与された上下2段に区画され、球誘導路175を通る遊技球102の勢いに応じて奥側あるいは手前側のいずれかを遊動できる構成とされる。
【0044】
上記のように構成された球誘導棚171は、図1に示すように、電動役物装置105の下部領域であって、中央に配置された2回開き用の入賞始動口108の真上に適数本の球誘導釘を介在した状態で配置される。すなわち、球誘導棚171は、電動役物装置105の概ね真下に配置される構成とされている。また球誘導棚171は、その横幅が電動役物装置105の本体部の横幅と概ね同一とされ、左右に配置された1回開き用の入賞始動口107の配置間隔内に収まる構成とされる。
【0045】
図1に示す各入賞始動口107,108には、便宜上特に図示しない入賞始動口センサ(図6において符号135で示される)が設定され、当該入賞始動口センサによって入賞始動口107,108に遊技球が入賞したことが検出される。なお、本実施の形態に係るパチンコ機101では、3個の入賞始動口107,108が備えられ、それら入賞始動口107,108は、電動役物装置105の下方領域に横並びにかつ互いに所定間隔を置いて配置されている。遊技球102が入賞始動口107,108のいずれかに入賞すると、遊技盤103の裏面側に配置された賞球装置(図6において符号133で示される)から所定数の賞球が払い出される。さらに入賞始動口107,108への入賞に伴い、図2に示す電動役物装置105において、開閉羽根151が所定回数開放動作される。本実施の形態では、どの入賞始動口107,108に入賞するかによって、開閉羽根151の開放動作の回数が適宜変化される構成とされる。すなわち左右の入賞始動口107に入賞したときは1回の開閉動作が行なわれ、中央の入賞始動口108に入賞したときは2回の開閉動作が行なわれる構成とされる。開閉羽根151が開放動作している最中に、さらに遊技球が特定入賞口157に入賞することで、いわゆる大当たり状態が実現される。この大当たり状態は、本発明における「特別の遊技状態」に対応するものであり、かかる大当たり状態が継続される遊技状態の単位を「ラウンド」として規定する。当該ラウンドは、次ラウンド移行条件が達成される場合を除いて、開閉羽根151が所定回数だけ開放動作されるか、あるいは遊技球が所定数だけ入賞するかのいずれかの条件が充足されるまで継続するように設定されている。
【0046】
一方、本実施の形態における次ラウンド移行条件は、大当たり状態の実行中、すなわち一のラウンドにおける遊技中に、さらに遊技球が上記特定入賞口157に入賞することによって達成される。すなわち一のラウンドにおいて遊技球が特定入賞口157に入賞した場合、入賞と同時に当該ラウンドにおける大当たり状態での遊技が終了され、次の大当たり状態に係るラウンド(次ラウンド)が実行されるように設定されている。
【0047】
本実施の形態に係るパチンコ機101の電装システムが図6に模式的に示される。図3に示すように、本実施の形態に係るパチンコ機101は、概略的に見て、AC電源に接続された電源装置121に中継基板123を介して接続されたメイン制御部125を主体として構成される。メイン制御部125内には、特に図示しないもののCPU、メモリ、入力処理回路および出力処理回路が適宜設定されている。さらにメイン制御部125には、入賞始動口センサ135および特定入賞口センサ137が接続され、各センサ135,137からの検知信号が適宜入力される。またメイン制御部125には、ソレノイド139、表示制御部131、音制御部129、賞球制御部127がそれぞれ接続されている。また賞球制御部127には更に賞球の払出を実行する賞球装置133が接続されている。
【0048】
ソレノイド139は、メイン制御部125内に設けられた出力処理回路(特に図示しない)からの駆動制御信号に基づいて適宜励磁・非励磁状態を切り替えることにより、上述のように図2に示す電動役物装置105の開閉羽根151の開閉駆動、および入賞調整装置155の駆動を行う。表示制御部131は、メイン制御部125内に設けられた通信制御回路(特に図示しない)からの制御信号に基づいて電動役物装置105の表示装置152の駆動制御を行う。音制御部129は、同じくメイン制御部125内に設けられた通信制御回路からの制御信号に基づいて上記スピーカの音声出力を制御する。
【0049】
賞球制御部127は、特に図示しないものの、内部にCPUおよび入出力ポート等を備え、電源装置121から電源供給を受けて駆動されるとともに、入賞始動口センサ135や特定入賞口センサ137からの検出信号を受けたメイン制御部125から適宜賞球制御信号を受けて、賞球装置133における賞球の払い出し制御を適宜行う。さらにメイン制御部125は、パチンコ機101を設置した遊技ホールに設けられたホールコンピュータ141に接続され、例えば大当たりの回数等といった遊技に関する営業情報を適宜出力する。
【0050】
本実施の形態に係るパチンコ機101は上記のように構成される。次に当該パチンコ機101の作用について説明する。図1に示すパチンコ機101において、発射ハンドル装置(図示省略)を介し、遊技盤103表面の遊技領域104に射出された遊技球102が入賞始動口107,108のいずれかに入賞すると、当該入賞した遊技球が図3に示す入賞始動口センサ135によって検出される。これにより入賞始動口センサ135からの検出信号がメイン制御部125に送られる。メイン制御部125は、賞球制御部127に制御信号を出力し、当該賞球制御部127は入賞始動口107,108への入賞に応じた数の賞球を賞球装置133に払い出させる。またこの賞球払い出し情報はホールコンピュータ141に対しても出力される。なお入賞始動口107,108への入賞は、遊技機における特別の遊技状態の開始条件に対応する。
【0051】
さらにメイン制御部125は、ソレノイド139に制御信号を出力し、図2に示す開閉羽根151を所定回数だけ開放動作させる。開閉羽根151が開放動作することで入賞口109が開放されて遊技球102の入賞が許容される。一方、開閉羽根151が閉鎖動作することで入賞口109が閉鎖されて遊技球102の入賞が規制される。開閉羽根151が開放動作することで、開放された入賞口109に入賞した遊技球102は、入賞球誘導路113を経て入賞室111内の水平板153上に落下し、当該水平板153の上面にて遊動しつつ入賞調整装置155を介して特定入賞口157および普通入賞口159のいずれかに入賞する。遊技球102が普通入賞口159に入賞した場合には、図3に示す賞球装置133を介して所定数の賞球が払い出される。一方、遊技球102が特定入賞口157に入賞した場合、パチンコ機101は大当たり状態となり、いわゆる特別の遊技状態のラウンドが実行されることとなる。
【0052】
前述したように、一のラウンドは、次ラウンド移行条件が達成されて終了する場合を除き、開閉羽根151が所定回数だけ開放動作されるか、あるいは遊技球が所定数だけ入賞するかのいずれかの条件が充足されるまで継続する。一方、当該ラウンド実行中に次ラウンド移行条件が達成された場合、すなわち当該ラウンド実行中に遊技球102が特定入賞口157に入賞した場合、当該ラウンドは特定入賞口157への入賞の時点で終了し、次のラウンドに移行することとなる。換言すれば、特別の遊技状態のラウンドは、所定の満了条件に至るまで継続可能とされるとともに、次ラウンド移行条件を充足することで次ラウンドへと移行し、これによって所定数のラウンドが重畳的に繰り返し遂行される。
【0053】
さて、本実施の形態に係る電動役物装置105によれば、入賞口109と入賞室111内の水平板153との間に形成される入賞球誘導路113は、球通路115に連接して球転動部117が形成された構成とされる。このため、入賞口109から進入した遊技球102が球転動部117の上段側あるいは下段側の転動面117a,117bを遊動し、あるいは直接に球通路115を通って入賞室111内の水平板153上に落下する。すなわち、遊技球102が進入方向あるいは勢い等によって、入賞球誘導路113における球転動部117の上面をさまざまな形態で遊動後、球通路155を経て落下する態様となり、その結果、入賞してから水平板153、さらには入賞調整装置155に到達するまでの時間に「ばらつき」が生じる。すなわち、遊技球102が入賞調整装置155に到達する到達タイミングが不定となる。
【0054】
一方、入賞調整装置155は、上部可動体161と下部可動体163が所定の動作タイミングで駆動されて対向状に水平移動し、両可動体161,163が中央位置で上下に重なったときに、遊技球102を特定入賞口157へ誘導するための特定球誘導路165を形成する。したがって、入賞調整装置155が特定球誘導路165を形成するための可動体161,163の動作タイミングと、上記の水平板153上への遊技球102の落下タイミングとが合った場合には、当該遊技球102が特定入賞口157側に振り分けられる。すなわち、遊技球102が特定球誘導路165、球案内路169を経て特定入賞口157に入賞、すなわち大当たり状態となる可能性が発生する。
【0055】
この遊技球102の落下タイミングにつき、従来であれば、入賞口109に入賞してから水平板153上に落下するまでの時間が概ね一定であった。すなわち、従来は入賞調整装置155が特定球誘導路165を形成するための可動体161,163の動作タイミングと、遊技球102が入賞調整装置155に到達するタイミングとが一致するか否かを知ることができる状況にあり、このため、特定入賞口157に対する入賞可能性の有無、つまり大当たりするか否かが早期にわかってしまい、遊戯者が興ざめしてしまうことになる。この点につき、本実施の形態によれば、上述したように、入賞してから水平板153上に到達するまでの時間に「ばらつき」が生じ、遊技球102の入賞調整装置155への到達タイミングが不定となるため、特定入賞口157に対する入賞可能性の有無を早期に判断しにくい状況となる。その結果、遊技者にして特定入賞口157に対する遊技球102の入賞期待感が持続されることになり、これにより遊技の趣向性が一層向上することになる。
【0056】
また入賞球誘導路113の球転動部117は、入賞口109の奥側に設けられ、開閉羽根151が閉じた閉鎖状態では、遊技者から視認できない構成とされる。このため、遊技者は、遊技中において、入賞口109に入賞した遊技球102が入賞口109に入賞してから入賞室111の水平板153上に落下するまでの遊技球の流動過程を見ることができない。そのため、入賞口109に入賞してから水平板153上に落下するまでの時間が予測しにくい結果となる。これにより、遊技者は意外性をもって遊技を楽しむことができることになり、遊技の趣向性が一層向上する。
【0057】
また本実施の形態では、電動役物装置105の下方に、1回開き用の2個の入賞始動口107と、2回開き用の1個の入賞始動口108とを、2回開き用の入賞始動口108を中央にして横並びに配置したパチンコ機101において、中央に位置する2回開き用の入賞始動口108の真上に遊技球102を当該中央の入賞始動口108に誘導する球誘導棚171を設けている。
ところで、上記のような電動役物装置105の下方に、3個の入賞始動口107,108が横並びに配置されたパチンコ機101では、電動役物装置105の横幅が大きくなると、球誘導性の観点から中央の入賞始動口108と左右の入賞始動口107との配置間隔を広げて設定することになり、その結果、中央の入賞始動口108に対する誘導釘の調整が難しくなるという問題が生ずる。
この点、本実施の形態では、中央の入賞始動口108の真上に、遊技球102を当該入賞始動口108に誘導する球誘導棚171を設けているため、当該中央の入賞始動口108に対する遊技球の誘導を合理的に行なうことができ、これにより誘導釘の調整作業の容易化を図ることができる。
【0058】
また球誘導棚171は、特に図5に詳細に示すように、遊技球102が進入可能な左右2個の入口173と、その入口173に連なって奥側に概ね水平面で延びる左右の球誘導路175と、両球誘導路175に連なる棚板部177とを有する構成とされる。すなわち、球誘導棚171に導入された遊技球102が一旦奥側に進入後、左右方向に遊動しつつ反転して前方へ落下するように構成されている。このため、球誘導棚171は、棚板部177の落下幅(間口)を狭くした上で遊技球102の遊び時間(球誘導棚上での転動時間)を長く取り、遊技球102の勢いを合理的に弱めることができる。すなわち、遊技領域に比べて比較的余裕のある後方スペースを利用して、球遊動棚171に進入した遊技球102の遊動時間を長くし、かつ勢いを効果的に弱めるという初期の目的を合理的に達成することができる。
また球誘導棚171は、左右の球誘導路175が棚板部177側に開放されたオープン通路であり、遊技球102の直径よりも小幅に形成されているため、球転動領域に占める棚板部177の横幅領域の割合を極力大きくし、棚板部177の左右方向に関する遊技球102の転動幅を大きくすることができる。
【0059】
また本実施の形態では、遊技球102が球誘導棚171を介して入賞始動口108に誘導される構成であり、特に球誘導棚171の棚板部177が奥側と手前側とに高低差のある上下2段に区画され、球誘導路175を通る遊技球102の勢いに応じて奥側あるいは手前側のいずれかを通行できる構成のため、始動入賞のタイミングが不定になる要素が加わることになる。これにより前述した球入賞誘導路113による入賞口109に入賞してから入賞室111に到達するまでの時間の「ばらつき」効果と相俟って、例えば入賞調整装置155の上下の可動体161,163による特定球誘導路165を形成するタイミングに対して、遊技球の到達タイミングを一致させることがより難しくなり、遊技の趣向性をより一層向上することができる。
【0060】
なお、本実施の形態では、入賞球誘導路113において、球通路115の上流側に球転動部117を設けることで到達タイミングを不定にする不定化手段を構成したが、不定化手段は、下記の如く構成することが可能である。
例えば、入賞球誘導路113の途中に長さの異なる複数の通路を分岐して設定し、遊技球が長短いずれの経路を通るかによって水平板153上に到達するまでの時間に「ばらつき」を付与する構成とする。
入賞球誘導路113中に回転あるいは出入する可動式の規制板を設定し、当該規制板によって入賞球誘導路113を通過する遊技球を一時停止させたり勢いを弱めたりすることで水平板153上に到達するまでの時間に「ばらつき」を生じさせる構成とする。
入賞球誘導路113に電磁石を臨むように設け、当該電磁石を適当なタイミングで励磁あるいは消磁し、遊技球の通過速度を変化させることで水平板153に到達するまでの時間に「ばらつき」を生じさせる構成とする。
【0061】
また、本実施の形態においては、入賞始動口108に遊技球102を誘導する球遊動棚171は、電動役物装置105に一体に形成している。このため、成形型を用いて製作する場合であれば、別体の場合に比べて製作コストの低減が可能となるとともに、遊技盤103に対する組み付け工数が減少されるとともに容易化されるといった利点が得られるが、球遊動棚171を電動役物装置105から切り離して構成してもよい。
【0062】
さらに上記発明の趣旨に鑑み、以下の態様が構成可能である。すなわち、
(態様13)
「所定の入賞条件の達成によって開閉する入賞口、および前記入賞口に入賞した遊技球を普通入賞口または特定入賞口のいずれかに振り分けて誘導する振分装置を有するとともに、前記遊技球の前記特定入賞口への入賞を条件として特別の遊技状態が達成される構成とされた入賞装置を有する遊技機であって、
前記入賞装置の下方には、遊技球が入賞することで前記入賞口が開閉するための入賞条件を達成する複数の入賞始動口が配置され、さらに前記入賞装置と前記複数の入賞始動口のうちの特定の入賞始動口との間には、遊技球を当該特定の入賞始動口に誘導する球遊動棚が形成されていることを特徴とする遊技機。」
【0063】
態様13に記載の発明によれば、所定の入賞条件の達成によって開閉する入賞口、および前記入賞口に入賞した遊技球を普通入賞口または特定入賞口のいずれかに振り分けて誘導する振分装置を有するとともに、前記遊技球の前記特定入賞口への入賞を条件として特別の遊技状態が達成される構成とされた入賞装置を有する遊技機が構成される。
なお、態様13に記載の発明における「遊技機」は、典型的にはパチンコ機やアレンジボール機等がこれに該当する。また「所定の入賞条件の達成」は、典型的には、遊技球が遊技盤に設けられた特定の入賞始動口に入賞した場合がこれに該当し、遊技球の入賞始動口への入賞を条件として入賞口が一回の開閉動作をする場合、あるいは複数回の開閉動作を繰り返す場合を包含する。また「入賞」とは入賞口、あるいは特定入賞口等の各種球受口に遊技球が流入した状態をいう。また「特別の遊技状態」は、遊技者に所定の特典が付与された遊技態様であり、典型的には大当たり遊技状態がこれに該当する。より詳しくは、特定入賞口(いわゆるVゾーン)に遊技球の入賞することを条件として、入賞口に所定数の遊技球が入賞するまでの間、当該入賞口に対して開閉動作を継続させる態様、あるいは入賞口に対して所定回数の開閉動作を継続させる態様である。
【0064】
また態様13に記載の発明によれば、入賞装置の下方には、遊技球が入賞することで入賞口が開閉するための入賞条件を達成する複数の入賞始動口が配置され、さらに入賞装置と複数の入賞始動口のうちの特定の入賞始動口との間には、遊技球を当該特定の入賞始動口に誘導する球遊動棚が形成された遊技機が構成される。このため、特定の入賞始動口に対する遊技球の誘導性を向上することが可能となる。なお、複数の入賞始動口は、遊技球の入賞に基づいて入賞口が開閉するときの回数につき、同数、異数のいずれであっても包含する。また「特定の入賞始動口」とは、単一のみならず複数の場合も包含する。
【0065】
(態様14)
「態様13に記載の遊技機であって、
前記球誘導棚は、前記入賞装置の横幅と概ね同じ横幅を有するとともに、当該入賞装置の概ね真下に配置されていることを特徴とする遊技機。」
【0066】
入賞装置の下方に入賞始動口が配置される構成では、入賞装置が存在することで当該入賞始動口に対する遊技球の誘導性が悪くなる可能性がある。この点、態様14に記載の発明では、入賞装置と特定の入賞始動口との間に球誘導棚を配置し、遊技球が当該球誘導棚を経て特定の入賞始動口に誘導される構成としているため、特定の入賞始動口に対する遊技球の誘導性が向上され、これにより遊技の趣向性を向上できる。
【0067】
また入賞装置の下方に、例えば3個の入賞始動口が横並びに配置される構成では、入賞装置の横幅が大きくなると、球誘導性の観点から中央の入賞始動口と左右の入賞始動口との配置間隔を広げて設定することになり、その結果、中央の入賞始動口に対する誘導釘の調整が難しくなるという問題が生ずる。この点、上記のように構成された態様14に記載の発明によれば、中央の入賞始動口に対する遊技球の球誘導機能部材として適用したときは、当該中央の入賞始動口に対する遊技球の誘導を合理的に行うことが可能となり、これにより誘導釘の調整作業の容易化を図ることができる。
【0068】
(態様15)
「態様13または14に記載の遊技機であって、
前記球誘導棚と前記入賞装置が一体に形成されていることを特徴とする遊技機。」
【0069】
態様15に記載の発明によれば、球誘導棚と入賞装置が一体に形成された遊技機が構成されるため、例えば成形型を用いて製作する場合であれば、別体の場合に比べて製作コストの低減が可能となるとともに、遊技盤に対する組み付け工数を減少して組付け性を向上できる。
【0070】
(態様16)
「態様13〜15のいずれかに記載の遊技機であって、前記球誘導棚は、当該球誘導棚上に誘導された遊技球が一旦奥側に進入後、左右方向に遊動しつつ反転して前方へ落下される構成とされていることを特徴とする遊技機。」
【0071】
態様16に記載の発明によれば、球誘導棚は、当該球誘導棚上に誘導された遊技球が一旦奥側に進入後、左右方向に遊動しつつ反転して前方へ落下される構成の遊技機が提供される。これにより、球誘導棚は、落下口(間口)を狭くした上で遊技球の遊び時間(球誘導棚上での遊動時間)を長く取り、遊技球の勢いを合理的に弱めることができる。すなわち、遊技領域に比べて比較的余裕のある後方スペースを利用して遊技球の勢いを弱めるという所期の目的を合理的に達成することが可能となる。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技機における所定の入賞条件の達成を決定するための経過を一層趣向性に富んだ態様で遊技者に提示することが可能な遊技機の構成技術が提供されることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるパチンコ機における遊技盤の主要部の構成を示す正面図である。
【図2】本実施の形態における電動役物装置の構成を示す正面図である。
【図3】電動役物装置の前面上半部を切除して示す斜視図であり、入賞調整装置による特定球誘導路が形成されていない状態を示す。
【図4】同じく電動役物装置の前面上半部を切除して示す斜視図であり、入賞調整装置による特定球誘導路が形成された状態を示す。
【図5】球誘導棚を電動役物装置から切り離して示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るパチンコ機のシステム構成を示すシステムブロック図である。
【符号の説明】
101 パチンコ機(遊技機)
102 遊技球
103 遊技盤
104 遊技領域
105 電動役物装置(入賞装置)
107 1回開き用の入賞始動口
108 2回開き用の入賞始動口
109 入賞口
111 入賞室
113 入賞球誘導路
115 球通路
117 球転動部(到達タイミングの不定化手段)
117a,117b 転動面
121 電源装置
123 中継基板
125 メイン制御部
127 賞球制御部
129 音制御部
131 表示制御部
133 賞球装置
135 入賞始動口センサ
137 特定入賞口センサ
139 ソレノイド
141 ホールコンピュータ
151 開閉羽根
153 水平板
155 入賞調整装置(振分装置)
157 特定入賞口
159 普通入賞口
161 上部可動体
163 下部可動体
165 特定球誘導路
167 床面
169 球案内路
171 球誘導棚
173 入口
175 球誘導路
177 棚板部

Claims (1)

  1. 所定の入賞条件の達成によって開閉する入賞口と、
    前記入賞口に入賞した遊技球を普通入賞口または特定入賞口のいずれかに振り分けて誘導する振分装置とを備え、
    前記遊技球の前記特定入賞口への入賞を条件として特別の遊技状態が構成される形式の遊技機であって、
    前記遊技球の前記振分装置への到達タイミングを不定にする不定化手段を有することを特徴とする遊技機。
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