JP2004350650A - 魚釣用リールの逆転防止装置 - Google Patents

魚釣用リールの逆転防止装置 Download PDF

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健夫 宮崎
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Abstract

【課題】リール本体を水密構造にすることなく、一方向クラッチの楔状空間に水分や油分が浸入することを効果的に防止した魚釣用リールの逆転防止装置を提供する。
【解決手段】内輪12と、リール本体に回り止めされた外輪13とが径方向内外に配置され、両輪12,13の対向面のいずれか一方の周方向複数箇所にカム面が形成され、各カム面と他方の対向面との間に楔状空間が形成され、各楔状空間内に転がり部材20が保持器23を介して配置されると共に、各転がり部材を楔領域へ付勢する付勢部材を具備した一方向クラッチユニット10を有する魚釣用リールの逆転防止装置において、各楔状空間内を水密にシールするシール部材30a〜30dを一方向クラッチユニット10内に備えたことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転部の一方向の回転を許容し、他方向の回転を阻止する魚釣用リールの逆転防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、魚釣用リールには、ハンドルの巻取り駆動により回転させる回転体の釣糸繰出し方向の回転(逆転)を阻止する逆転防止装置が組み込まれており、このような逆転防止装置として、逆転方向の遊度を小さくしてフッキング操作性やドラグの滑り出し特性を向上させる転がり式一方向クラッチ(以下、一方向クラッチとする)を用いることが知られている。
【0003】
通常、魚釣用リールに組み込まれる一方向クラッチは、内輪、外輪、内外輪間に形成される楔状空間、この楔状空間に配置される転がり部材、及び転がり部材を保持する保持器などが一体的にユニット化されており、このような一方向クラッチユニット(以下、クラッチユニットとする)を回転体とリール本体との間に配設することで、回転体の一方の回転を許容し、他方の回転を防止するようになっている。
【0004】
ところで、上記のようなクラッチユニットは、楔状空間に水分や油分が浸入すると、楔作用面に対して転がり部材が滑ってしまい、この結果、確実な楔作用が得られず、逆転方向への空転が生じるという不具合が指摘されている。
【0005】
そこで、このような不具合を解消すべく、特許文献1には、切換操作部を含むクラッチユニットを、水密に閉塞されたリール本体内に配置することにより、楔状空間内への水や粉塵等の侵入を防ぐ技術が開示されている。また、特許文献2には、リール本体と一方向クラッチの内輪外周との間にシール部材を配置し、一方向クラッチとリール本体内部を同時に水密構造にする技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−279069号公報
【特許文献2】
特開2001−25338号公報。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したいずれの公知技術も、リール本体にシール部材が配置されており、リール本体全体を完全にシールすることで初めて水密構造になるものであり、シールする範囲が非常に大きく、且つ複雑であるため、コストが高騰してしまう。従って、高価格帯のリールにしか採用することができず、低価格帯のリールに用いることは困難となる。
【0008】
また、一旦リール本体の内部に水分が侵入してしまうと、容易に一方向クラッチの楔状空間に水分が侵入してしまう恐れがあり、また、長期の使用でリール本体内のグリスの粘度が低下すると、容易に楔状空間に油分が侵入してしまう恐れもある。従って、上記した公知技術の構成では、長期に亘って安定した性能を得るためには、一方向クラッチの水分除去、脱脂等、定期的なメンテナンスが必要となり、ユーザの負担が多くなってしまう。
【0009】
更に、一方向クラッチがユニット化されている場合、分解しての脱脂作業が事実上不可能であり、一旦クラッチユニット内に油分が侵入すると、完全な脱脂ができないことから、場合によってはクラッチユニット自体の交換を行なう必要がある等、様々な問題がある。
【0010】
本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、リール本体を水密構造にすることなく、一方向クラッチの楔状空間に水分や油分が浸入することを効果的に防止できる魚釣用リールの逆転防止装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明の魚釣用リールの逆転防止装置は、リール本体に回転可能に支持されたハンドルに連動回転する内輪と、リール本体に回り止めされた外輪とが径方向内外に配置され、前記両輪の対向面のいずれか一方の周方向複数箇所にカム面が形成され、各カム面と他方の対向面との間に楔状空間が形成され、各楔状空間内に転がり部材が保持器を介して配置されると共に、各転がり部材を楔領域へ付勢する付勢部材を具備した一方向クラッチユニットを有しており、前記各楔状空間内を水密にシールするシール部材を、前記一方向クラッチユニット内に備えたことを特徴とする。
【0012】
上記した構成によれば、一方向クラッチユニット内に配設されたシール部材によって、その内部である楔状空間への水分、油分等の侵入が防止されるため、リール本体にシール部材を配設する必要がなくなる。また、ユニット化されている状態でシール構造を備えているため、各種の魚釣用リールに配設したり、それ自体、単体として取換え等することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は、本発明の一実施形態を示す図であり、図1は、魚釣用リールであるスピニングリールの内部構成を示す図、図2は、一方向クラッチ部分の拡大図、図3(a),(b)は、夫々、一方向クラッチを正面から見た図、及びその側面図、そして、図4は、ユニット化されている一方向クラッチの分解斜視図である。
【0014】
スピニングリールのリール本体1には、釣竿に装着されるリール脚1aが一体形成されており、その前方には回転可能に支持されたロータ2と、ロータ2の回転運動と同期して前後動可能に支持されたスプール3が配設されている。
【0015】
リール本体1内には、ハンドル軸5aが回転可能に支持されており、その突出端部には、ハンドル5が取り付けられている。また、ハンドル軸5aには、巻取り駆動機構が係合しており、この巻取り駆動機構は、ハンドル軸5aに取り付けられ、内歯が形成された駆動ギヤ6と、この駆動ギヤ6に噛合すると共にハンドル軸5aと直交する方向に延出し、内部に軸方向に延出する空洞部が形成されたピニオン7とを備えている。
【0016】
ピニオン7は、軸受を介してリール本体内に回転可能に支持されており、その空洞部には、ハンドル軸5aと直交する方向に延出し、先端側に前記スプール3を装着したスプール軸3aが軸方向に移動可能に挿通されている。また、前記ピニオン7には、スプール3(スプール軸3a)を前後往復動させるための公知のスプール往復動装置8が係合している。
【0017】
前記ピニオン7はスプール側に向けて延出しており、その先端部において、前記ロータ2が取り付けられている。また、ピニオン7には、その中間部分に、逆転防止装置を構成する一方向クラッチ10が組み込まれている。この一方向クラッチは、その構成部材が一体的に組み付けられてユニット化されたものであり、リール本体1の外部に取り付けられているレバー9を回動操作することで作動させ、ハンドル5の逆回転を防止するようになっている。
【0018】
上記した構成により、ハンドル5を巻取り操作することで、ロータ2が巻取り駆動機構を介して回転駆動され、かつスプール3がスプール往復動装置8を介して前後往復動されるので、釣糸は、ロータ2の腕部2aに設けられた釣糸案内部材2bを介してスプール3の巻回胴部3aに均等に巻回される。
【0019】
次に、上記した一方向クラッチ(一方向クラッチユニット)10の構成について詳細に説明する。
一方向クラッチ10は、ハンドル5の回転操作によって連動回転するピニオン7の外周に回り止め固定される内輪12と、リール本体1に対して回り止めされた外輪13とを備えており、これら内外輪12,13は、径方向内外に略同芯状に配置されている。なお、本実施形態における外輪13は、ユニットの前端側に配置される回り止めプレート15によってリール本体に対して回り止めされた状態となっている。外輪13には、このような回り止めプレート15に形成される一対の回り止め腕部が嵌合するよう、嵌合部13aが形成されている。
【0020】
前記内外輪12,13の対向面のいずれか一方側(本実施形態では外輪側)には、周方向に所定間隔をおいてカム面16が複数形成されている。このカム面16は、他方の対向面との間で、後述する転がり部材が自由に回転できる領域16a(フリー回転領域)と、転がり部材の回転を規制する楔領域16bとで構成された楔状空間17を形成している。なお、外輪のカム面16が形成されている部分は、径方向外方に膨出していることから、前記した回り止めプレート15を配設することなくこの膨出部分をリール本体の前端円筒部1bに嵌合させることでユニット全体を回り止めしても良い。
【0021】
前記内外輪12,13間には、上記したフリー回転領域16aと楔領域16bによって形成される楔状空間に位置する転がり部材20を保持した保持器22が配設されている。保持器22は、円筒状の本体23と本体の円筒壁部に所定間隔おいて形成された複数の窓部24とを備えており、この窓部24に前記転がり部材20が保持されている。各窓部24には、そこに配置される転がり部材20に当て付くように位置する付勢部材25と、各付勢部材25の両側に位置する当付部材26が形成されており、転がり部材20を、常時、楔領域16b側に向けて付勢すると共に、移動規制している。また、保持器22の前端位置には、前記回り止めプレート15に形成される一対の回り止め腕部が嵌合して回り止めがなされるよう嵌合部22aが形成されている。
【0022】
上記したように転がり部材20を保持する保持器22には、前端側においてリール脚に向けて突出する切換操作部27が一体形成されており、この切換操作部27は、前記外輪13の開口端面側に形成された切欠部28の両側面に当て付くことで保持器22の回動範囲を規制している。また、切換操作部27には、上記したリール本体1の外部に取り付けられているレバー9と連結された切換レバー9aが係合されており、レバー9を回動操作することで、保持器22の回動位置をON位置/OFF位置のいずれかに切換えられるように構成されている。
【0023】
すなわち、レバー9は、ON位置にすると、各転がり部材が楔領域16bに移動するように保持器22を回動させ(図3(a)の反時計回り方向)、OFF位置にすると、各転がり部材がフリー回転領域16aに移動するように保持器22を回動させる(図3(a)の時計回り方向)。これにより、レバー9を操作して一方向クラッチをOFF位置に設定すると、ピニオン7は、いずれの方向にもフリー回転可能状態であり、ハンドル5は、正転/逆転可能な状態となる。また、レバー9を操作して一方向クラッチをON位置に設定すると、保持器22は各転がり部材20が楔領域16bに位置するように回動されるため、ピニオン7に回り止め固定された内輪12は、釣糸巻取り方向の回転のみが可能となり、ハンドル5の逆回転は防止される。
【0024】
上記した構成のクラッチユニット10内には、外部から楔状空間への水分等の浸入を防止するシール部材が配設されている。この場合、シール部材は、好ましくはリング状で、弾力性、変形時に追従性のあるゴム系の材料(例えば、NBR、SBR、シリコン系、ウレタン系、天然ゴム等)によって形成されており、それが配設される部分には、固着用の溝部が形成されている。このようなシール部材は、少なくとも、前記内輪12と外輪13との間の対向面間に配設することで楔状空間への水分等の浸入を効果的に防止することができる。或いは、より好ましくは、内輪12と保持器22との間、及び外輪13と保持器22との間の対向面間の双方に配設することで、より確実に楔状空間への水分等の浸入を防止することができる。そして、外輪13に関しては、シール部材が配置される部分の内周面13bが楔状空間よりも大径の円筒状に形成されていることがより好ましい。
【0025】
ここで本実施形態のクラッチユニットに配設されるシール部材について説明する。
【0026】
前記保持器22の本体23には、その転がり部材が配置される窓部24の前方内外周に円周溝23a,23bが形成され、かつ窓部24の後方内外周に円周溝23c,23dが形成されており、これらの円周溝にシール部材30a,30b,30c,30dが取着されている。すなわち、シール部材30a,30cは、転がり部材の前後位置において保持器22と内輪12との間をシールしており、シール部材30b,30dは、転がり部材の前後位置において保持器22と外輪13との間をシールしており、これにより、楔状空間へ水分等が浸入しないように構成している。
【0027】
なお、各シール部材を保持する円周溝は、保持器に形成されているが、外輪13側或いは内輪12側に形成されていても良い。
【0028】
上記した構成によれば、クラッチユニット単体で防水することが可能となり、リール本体に防水のための特別な加工を施す必要がなくなって、容易にコストダウンを図ることが可能となる。また、クラッチユニット単体で防水できるため、従来の一方向クラッチと組み込み寸法を共通にしておくことで、従来品との交換を容易に行なうことが可能となり、既存のリール本体を加工することなく、組み込みが可能になると共に、既に購入したユーザのリール本体にも適用することが可能になる。
【0029】
また、内部への水分、及び粉塵等の浸入を確実に防ぐことができるため、一方向クラッチの耐久性が向上すると共に安定した逆転防止作用が得られる。また、上述した公知技術のリール本体に取り付けられた防水部材と併用することで、一方向クラッチユニット内の水密性が更に向上し、長期に亘って安定した逆転防止作用を得ることが可能になる。さらに、一方向クラッチ単体で防水されているため、リール本体内部のグリス粘度の低下等による油分の侵入も確実に防ぐことが可能になる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施形態を、図5及び図6を参照して説明する。これらの図において、図5は、魚釣用リールである両軸受型リールの内部構成を示す平面図、図6は、一方向クラッチ部分の拡大図である。
【0031】
両軸受型リールのリール本体41は、左右フレーム42a,42bに夫々装着された左右側板43a,43bを備えており、左右フレーム42a,42b(左右側板43a,43b)間には、釣糸が巻回されるスプール45aが取り付けられたスプール軸45が軸受を介して回転可能に支持されている。
【0032】
前記スプール45aは、右側板43bから突出するハンドル軸47の端部に取り付けられたハンドル48を回転操作することによって、巻取り駆動機構を介して回転駆動される。この場合、ハンドル軸47は、右フレーム42bと右側板43bとの間に軸受を介して回転自在に支持されていると共に、後述する一方向クラッチ60によって釣糸巻取方向にのみ回転可能に構成されている。
【0033】
前記巻取り駆動機構は、ハンドル軸47に対してドラグ部材を介在させて回転可能に取り付けられた駆動歯車49と、この駆動歯車49に噛合すると共に、軸受を介して右フレーム42bと右側板43bとの間に回転自在に支持されたピニオン50とを備えている。
【0034】
ピニオン50には、公知のクラッチ機構が係合しており、ピニオン50は、図示されていないクラッチ操作部材によって軸方向に移動され、駆動力伝達状態(クラッチON状態)、或いはスプール軸45からピニオン50が外れたスプールフリー回転状態(クラッチOFF状態)に切り換えられる。また、前記左右フレーム42a,42bの間には、公知のレベルワインド装置52が設けられており、ハンドル48を回転操作することによって、釣糸案内部が左右往復動されるようになっている。
【0035】
上記した構成により、ハンドル48を巻取り操作することで、スプール45aが巻取り駆動機構を介して回転駆動され、かつレベルワインド装置52の釣糸案内部が左右往復動されるので、釣糸は、スプール45aに均等に巻回される。
【0036】
上記した一方向クラッチ60は、第1実施形態と同様、ユニット化されて構成されており、内輪と外輪との間の対向面間にシール部材を配設した構造となっている。
具体的には、一方向クラッチ60は、ハンドル48の回転操作によって回転駆動されるハンドル軸47の外周に回り止め固定される内輪62と、リール本体41(右側板43b)に対して回り止めされた外輪63とを備えており、これら内外輪62,63は、径方向内外に略同芯状に配置されている。なお、本実施形態における外輪63は、外周面が断面非円形状に形成されており、右側板43bに形成された凹所に嵌合することで、外輪63はリール本体に対して回り止めされた状態となっている。また、前記内外輪62,63間には、複数の転がり部材65を保持した保持器66が配設されている。
【0037】
前記外輪63の後端側は、プレス(カーリング等)によって径方向内側に屈曲されており、この屈曲部63aの内面と保持器66の後端面との間に、リング状のシール部材68が挟着されている。この場合、シール部材68には、内部に金属プレート68aがインサート成形されており、これにより、シール部材の軸方向の変形を抑えて、保持器66の軸方向のガタ付きを抑えるように構成されている。また、保持器66の前端面には、同様に金属プレート69aがインサート成形されたリング状のシール部材69が配設されており、このシール部材69は、外輪63の開口側に保持されるリング状の抜け止め部材70と保持器66の前端面との間に挟着されている。
【0038】
このような一方向クラッチ60は、内輪62とカーリングされた外輪63に対して、順に、シール部材68、転がり部材65を保持した保持器66、シール部材69、そして抜け止め部材70を組み込むことでユニット化される。
【0039】
上記したような一方向クラッチは、構造がシンプルであると共に、シール部材の数が少なくて済むので、ユニット自体のコストが低減する。特に、保持器を回転させて逆転防止するような構成ではなく、単に、逆転防止機能のみが必要とされる場合、このように簡易な構造のクラッチユニットを用いることが好ましい。
【0040】
次に、本発明の第3の実施形態を、図7〜図9を参照して説明する。これらの図において、図7は、魚釣用リールであるスピニングリールの内部構成を示す図、図8は、一方向クラッチ部分の拡大図、図9は、一方向クラッチの停止機構を示す正面図である。なお、この実施形態では、一方向クラッチ部分の構成について説明し、それ以外の部分については、図1における参照符号と同じ参照符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0041】
ピニオン7に装着される一方向クラッチ80は、第1実施形態と同様、ユニット化されて構成されており、保持器と内輪との間にシール部材を配設した構造となっている。
具体的には、一方向クラッチ80は、ピニオン7の外周に回り止め固定される内輪82と、外輪83とを備えており、これら内外輪82,83は、径方向内外に略同芯状に配置されている。前記内外輪82,83間には、複数の転がり部材85を保持した保持器86が配設されている。
【0042】
前記外輪83の後端側は、プレス(カーリング等)によって径方向内側に屈曲されており、この屈曲部83aの内面と保持器86の後端面との間に、内輪82に接触するリング状のシール部材88が挟着されている。この場合、保持器86の後端面には、環状の凹所86aが形成されており、この部分に凹所よりも厚肉のシール部材88が装着されることで、シール部材88は、両者の間で挟着されるようになっている。また、保持器86の前端面には、同様に凹所86bが形成されており、この部分に凹所よりも厚肉で内輪82に接触するシール部材89が装着されている。そして、前記外輪83の前端側は、プレス(カーリング等)によって径方向内側に屈曲され、これにより屈曲部83bと保持器86の前端面との間で前記シール部材89は挟着されている。
【0043】
このような一方向クラッチ80は、内輪82と後端側がカーリング等された外輪83に対して、シール部材88,89を装着した保持器86を組み込み、その後、外輪83の前端側をカーリング等することでユニット化される。
【0044】
そして、このようにユニット化された一方向クラッチ80の外輪83の外側には、外周にラチェット爪車90aが形成された筒体90が嵌め込まれており、その両端をカーリング等することで、筒体と共にユニット化されている。
【0045】
上記したような一方向クラッチ80の筒体90のラチェット爪車90aには、リール本体1の外部に露出するレバー9を回動操作することで係合爪92が入り込み、一方向クラッチ80自体の回転を規制するようになっている。すなわち、係合爪92がラチェット爪車90aに係合していない状態では、ピニオン7は、正逆転可能な状態となっており、レバー9により係合爪92をラチェット爪車90aに係合させると、一方向クラッチが作動して釣糸巻取り方向の回転(正転)のみが可能となる。なお、このような構成の一方向クラッチユニットでは、さらに、外輪83と筒体90との間に、同様な構成のシール部材を配設しても良い。また、この実施形態のシール部材についても、金属プレートをインサート成形しても良い。
【0046】
このような実施形態の一方向クラッチユニットにおいても、第2実施形態と同様、構造がシンプルであると共に、シール部材の数が少なくて済むので、ユニット自体のコストが低減する。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、ユニット内に、楔状空間に水分等の浸入が防止されるシール部材が配設される構成であれば、様々な構造の一方向クラッチに適用することが可能である。例えば、特開平8−112049号に開示されているように、付勢部材を保持器に設けないような構造の一方向クラッチに適用することも可能である。また、ユニット内におけるシール部材の装着方法に関しては、上述したようなリング状の溝を形成したり、凹所を形成したり、挟着する等、適宜変形することが可能である。
【0048】
また、本発明は、魚釣用リールの逆転防止装置に関するものではあるが、逆転防止装置である一方向クラッチの用途として、魚釣用リール以外のものに適用しても良い。この場合、一方向クラッチは、ユニットとして、図4、図6、図8に示すように構成することが可能であり、また、保持器を回動させるような切換操作部27は削除しても良い。すなわち、一方向クラッチユニットの構成として、内輪と、径方向外側に配置された外輪とを備え、前記両輪の対向面のいずれか一方の周方向複数箇所にカム面を形成し、各カム面と他方の対向面との間に楔状空間が形成されて各楔状空間内に転がり部材を配置すると共に、各転がり部材を楔領域へ付勢する付勢部材を備えたものであれば良く、回転体の適所に配設することが可能である。そして、このような一方向クラッチユニットは、上記したように、水分、油分が入り込みやすい駆動系部分に配設したり、或いは、粉塵等が生じ易い部分に配設することで、簡易な構成で一方向クラッチユニットを保護することが可能となる。
【0049】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、リール本体を水密構造にすることなく、一方向クラッチの楔状空間に水分や油分が浸入することを効果的に防止した魚釣用リールの逆転防止装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す図であり、魚釣用スピニングリールの内部構成を示す図。
【図2】一方向クラッチ部分の拡大図。
【図3】(a)は、一方向クラッチを正面から見た図、(b)は、その側面図。
【図4】ユニット化されている一方向クラッチの分解斜視図。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す図であり、両軸受型リールの内部構成を示す平面図。
【図6】一方向クラッチ部分の拡大図。
【図7】本発明の第3の実施形態を示す図であり、魚釣用スピニングリールの内部構成を示す図。
【図8】一方向クラッチ部分の断面図。
【図9】一方向クラッチの停止機構を示す正面図。
【符号の説明】
1,41 リール本体
5 ハンドル
10,60,80 一方向クラッチ(一方向クラッチユニット)
12,62,82 内輪
13,63,83 外輪
16 カム面
17 楔状空間
20,65,85 転がり部材
22,66,86 保持器
25 付勢部材
30a,30b,30c,30d シール部材
68,69,88,89 シール部材

Claims (1)

  1. リール本体に回転可能に支持されたハンドルに連動回転する内輪と、リール本体に回り止めされた外輪とが径方向内外に配置され、前記両輪の対向面のいずれか一方の周方向複数箇所にカム面が形成され、各カム面と他方の対向面との間に楔状空間が形成され、各楔状空間内に転がり部材が保持器を介して配置されると共に、各転がり部材を楔領域へ付勢する付勢部材を具備した一方向クラッチユニットを有する魚釣用リールの逆転防止装置において、
    前記各楔状空間内を水密にシールするシール部材を、前記一方向クラッチユニット内に備えたことを特徴とする魚釣用リールの逆転防止装置。
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