JP2004349109A - リチウムマンガンニッケル複合酸化物とその製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質および非水系電解質二次電池 - Google Patents

リチウムマンガンニッケル複合酸化物とその製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質および非水系電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池用正極活物質として有用で、タップ密度が高く、実質的に異相のないリチウムマンガンニッケル複合酸化物を提供する。
【解決手段】マンガンとニッケルの原子比が実質的に一般式:Li1+XMn2-Y-XNiY4(ただし、−0.05≦X≦0.10、0.45≦Y≦0.55)となるようにマンガン塩とニッケル塩の混合水溶液を作製し、錯化剤を用いずに、該混合水溶液とアルカリ水溶液を同時に、かつ、連続的に反応槽に投入し、反応槽内の混合液の温度を60℃〜80℃の範囲に保持し、pH=10〜11の範囲となるようにしつつ、共沈殿させ、ろ過、水洗する。その焙焼によりマンガンニッケル複合酸化物を得る。該複合酸化物とリチウム化合物を、マンガンとニッケルの合計の原子比とリチウムの原子比が実質的に2:0.95〜1.10となるように混合し焼成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン二次電池用正極活物質として有用で、タップ密度(粉体充填密度)が高く、かつ実質的に異相のないスピネル型結晶構造を持つリチウムマンガンニッケル複合酸化物とその製造方法、およびそれを用いた非水系電解質二次電池用正極活物質および非水系電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話やノート型パソコンなどの携帯機器の普及にともない、高いエネルギー密度を有する小型で軽量な二次電池の要求が高まっている。このようなものとして非水電解液タイプのリチウムイオン二次電池があり、研究開発が盛んに行われ、実用化されてきている。このリチウムイオン二次電池は、リチウム含有複合酸化物を活物質とする正極と、リチウム、リチウム合金、金属酸化物あるいはカーボンのように、リチウムを吸蔵および放出することが可能な材料を活物質とする負極と、非水電解液を含むセパレータまたは固体電解質を主要構成要素とする。
【0003】
これらの構成要素のうち、正極活物質として検討されているものには、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、リチウムマンガン複合酸化物(LiMn)等がある。特に、リチウムコバルト複合酸化物を正極に用いた電池では、優れた初期容量特性やサイクル特性を得るための開発が、これまで数多く行われてきており、すでにさまざまな成果が得られ、実用化に至っている。
【0004】
しかし、二次電池に対する高エネルギー密度化の要求は、年々高まる一方であり、現在実用化されているリチウムコバルト複合酸化物を正極に用いたリチウムイオン二次電池では、コバルトは資源が少なく高価であることから、より安価で高エネルギー密度を実現できる代替材料が求められている。
【0005】
そのため、非水系電解質二次電池用の正極活物質として、LiCoOに代えて、スピネル型結晶構造を有するリチウムマンガン酸化物系材料が安価かつ毒性も低いため注目されている。このスピネル型構造のリチウムマンガン酸化物には、LiMn、LiMn12 、LiMnなどがある。
【0006】
ところで、電池の高エネルギー密度化を図るためには高電位の正極活物質を用いることが1つの方法であり、また、電気自動車用電源としては300V以上の高電圧が必要とされるが、LiCoOを正極活物質とする場合は、平均作動電圧が3.8V程度であるため、接続する電池数が多くなるという課題がある。そのため、LiCoOより高電圧の正極活物質を用いることが必要になってくるが、前記のようなスピネル型リチウムマンガン酸化物は作動電圧が4V程度であるため、300Vの高電圧を得るために接続する電池数は、LiCoOを用いる場合と変わらない上に、LiCoOを用いる場合よりも容量が小さくなるという問題を有している。
【0007】
そのため、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物においても高電圧化が検討されており、特に、最近、マンガンと他金属の原子比が実質的に3:1であり、Li[Mn3/2 1/2 ]O(ここでMは、Cr、Fe、Co、Ni、Cu等)で表される複合酸化物が、5V付近の電位を有することが知られ(特開平9−147867号公報)、5V級リチウムイオン二次電池用正極活物質として期待されている。
【0008】
しかしながら、前記材料は比較的合成が難しく、これまでの合成法では、スピネル構造単相の実現と、高いタップ密度との両立は困難であった。たとえば、マンガンとニッケルの固溶が十分進むような微粉砕混合などの方法を用いると、スピネル構造単相を実現することができるが、粒径が細かくなって取り扱いが困難となり、合成後の複合酸化物で高いタップ密度を達成することができなかった。一方、単純な固相法を用いて、電池として適した、すなわちタップ密度が高く、取り扱いの容易な適度な大きさの粒径を持った複合酸化物を合成すると、マンガンとニッケルの固溶が不充分となり、ニッケル酸化物などの異相が生成し、スピネル構造単相が実現できなかった。その結果、4.8Vの高電位領域での容量が減少し、電位の平坦性が失われ、4V付近の低電位領域に棚が出現してエネルギー密度の高い正極材料とならず、また、高温でのガスの発生が著しいという問題点があった。
【0009】
そこで、特開2001−185148号公報に開示のような錯体重合法等を代表とする液体−液体混合系での均一混合に着目したが、液相での均一混合を特徴としているため、得られた正極活物質粒子は粒径が非常に微細で、タップ密度の低いものしか得られないという問題点を有していた。また、特開2001−146426号公報には、リチウム、マンガン、ニッケルの化合物を湿式で粉砕混合し、得られたスラリーを噴霧乾燥する方法を開示しているが、この方法では焼成時にリチウムの融解がマンガンとニッケルの分散を阻害するため均一固溶が進まず、その結果、充電曲線において4V付近の低電位領域に棚が出現してしまうという問題が残されていた。ここで、棚とは、充放電曲線の下降部に現れる4V付近の電位の段差をいう。
【0010】
このリチウムマンガンニッケル複合酸化物の原料として、マンガン塩とニッケル塩の混合水溶液をアルカリ溶液と反応、共沈殿させるマンガンニッケル複合水酸化物または複合酸化物を得る方法がある(特開2002−158007号公報)。この方法では球状粒子を得るために、水溶液中でマンガンイオンおよびニッケルイオンと錯体を形成可能な、たとえば、アンモニウムイオン供給体(塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、弗化アンモニウム等)、ヒドラジン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリト三酢酸、ウラシル二酢酸、グリシン等の錯化剤を必要とし、錯化剤を除去するために高温で乾燥する工程が必要である。また、錯化剤を添加しない場合、pH=11〜13の範囲では球状粒子を得るのは困難で、微細な粒子が多く、ろ過性が悪い上、付着したろ液の洗浄が困難で不純物が増加する等の課題を有していた。また、リチウムマンガンニッケル複合酸化物を焼成する時にペレット状に成型、粉砕することは球状粒子を崩壊させ、微粉の発生により比表面積が増加してしまうという問題があるため、高温焼成による再結晶化が必要であった。
【0011】
【特許文献1】
特開平9−147867号公報
【0012】
【特許文献2】
特開2001−185148号公報
【0013】
【特許文献3】
特開2001−146426号公報
【0014】
【特許文献4】
特開2002−158007号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、リチウムイオン二次電池用正極活物質として有用で、タップ密度(粉体充填密度)が高く、かつ、マンガンとニッケルの固溶が均一であり実質的に異相のないリチウムマンガンニッケル複合酸化物およびその製造方法、それを用いた非水系電解質二次電池用正極活物質を提供し、充放電電位の平坦性に優れ、放電容量が大きなリチウムイオン二次電池を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のリチウムマンガンニッケル複合酸化物の製造方法は、一般式:Li1+X Mn2−Y−X Ni(ただし、−0.05≦X≦0.10、0.45≦Y≦0.55)で表され、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物の製造方法に係り、(1)マンガンとニッケルの原子比が実質的に前記一般式のマンガンとニッケルの原子比となるようにマンガン塩とニッケル塩の混合水溶液を作製し、錯化剤を用いずに、該混合水溶液とアルカリ水溶液を同時に、かつ、連続的に反応槽に投入し、反応槽内の混合液の温度を60〜80℃の範囲に保持し、pH=10〜11の範囲となるようにしつつ、共沈殿させて、撹拌して、反応槽内のスラリー濃度が一定となった後に、反応槽からのオーバーフローとして排出される沈殿物を採取し、ろ過、水洗して、マンガンニッケル複合水酸化物粒子を得る第1の工程と、(2)得られたマンガンニッケル複合水酸化物粒子を空気雰囲気中で焙焼し、マンガンニッケル複合酸化物を得る第2の工程と、(3)マンガンとニッケルの合計の原子比とリチウムの原子比が実質的に2:0.95〜1.10となるように前記マンガンニッケル複合酸化物とリチウム化合物とを混合し焼成する第3の工程と、からなることを特徴とする。
【0017】
上記製造方法によって得られるリチウムマンガンニッケル複合酸化物は、一般式:Li1+X Mn2−Y−X Ni(ただし、−0.05≦X≦0.10、0.45≦Y≦0.55)で表され、スピネル構造を有し、タップ密度が1.50g/cm以上で、比表面積が0.2〜1.0m/gであることを特徴とする。
【0018】
当該リチウムマンガンニッケル複合酸化物を使用して、非水系電解質二次電池用正極活物質、さらには非水系電解質二次電池が作製される。当該非水系二次電池では、充放電曲線において、3.5〜4.5V領域の電位の棚が排除されている。
【0019】
【発明の実施の形態】
前記のように、LiMnのマンガンサイトの一部をニッケルなどの遷移金属で置換することにより4.5V以上の作動電圧が得られることが知られており、このような高電圧のスピネル型リチウムマンガン酸化物を正極活物質として用いることにより、高エネルギー密度化を図ることができるが、比較的合成が難しく、これまでの合成法ではスピネル構造単相の実現と高いタップ密度の両立は困難であった。
【0020】
本発明者等は、リチウムイオン二次電池用正極活物質として有用で、タップ密度(粉体充填密度)が高く、かつ、マンガンとニッケルの固溶が均一であり実質的に異相のない、一般式:Li1+X Mn2−Y−X Ni(ただし、−0.05≦X≦0.10、0.45≦Y≦0.55)で表されるスピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物の製造方法として、水溶液中でマンガンとニッケルの原子比が実質的に前記一般式のマンガンとニッケルの原子比となるようにマンガン塩とニッケル塩の混合水溶液を作製し、錯化剤を用いないで、該混合水溶液とアルカリ水溶液を同時に、かつ、連続的に反応槽に投入し、反応槽内の混合液の温度を60〜80℃の範囲に保持し、pH=10〜11の範囲となるようにしつつ、共沈殿させ、沈殿物が槽底に溜まらないように、かつ、沈殿物の粒子が安定して成長するように、一定速度にて撹拌機で撹拌し、反応槽内のスラリー濃度が一定となり定常状態になった後に、反応槽からのオーバーフローとして排出される沈殿物を採取し、ろ過、水洗した球状か、ほぼ球状のマンガンニッケル複合水酸化物粒子を原料として用いることで、タップ密度が高く、かつ、マンガンとニッケルの固溶が均一であり実質的に異相のないリチウムマンガンニッケル複合酸化物およびそれを用いた非水系電解質二次電池用正極活物質を提供でき、当該非水系電解質二次電池用正極活物質を使用することで、充放電電位の平坦性に優れ、放電容量が大きなリチウムイオン二次電池を提供できることを見出し、本発明に至った。以下、本発明を、発明の実施の形態に即して詳細に説明する。
【0021】
1.マンガンニッケル複合水酸化物粒子の製造
本発明では、一般式:Li1+X Mn2−Y−X Ni(ただし、−0.05≦X≦0.10、0.45≦Y≦0.55)で表されるスピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物の製造方法において、水溶液中でマンガンとニッケルの原子比が実質的に前記一般式のマンガンとニッケルの原子比となるようにマンガン塩とニッケル塩の混合水溶液を作製し、錯化剤を用いずに、該混合水溶液とアルカリ水溶液を同時に、かつ、連続的に反応槽に投入し、反応槽内の混合液の温度を60〜80℃の範囲に保持し、pH=10〜11の範囲となるようにしつつ、共沈殿させ、沈殿物が槽底に溜まらないように、かつ、沈殿物の粒子が安定して成長するように、撹拌機の撹拌羽根の回転数を一定にして撹拌し、反応槽内に投入される混合液量と沈殿物の生成量と一定となり、反応槽からのオーバーフローとして排出される沈殿物の採取量が一定となり、結果として、反応槽内のスラリー濃度が一定となる定常状態となり、採取された沈殿物を、ろ過、水洗し球状か、ほぼ球状のマンガンニッケル複合水酸化物粒子を得ることを特徴としている。
【0022】
本方法により、マンガンとニッケルの原子比が実質的に3:1で均一に混合された粒子を得ることができる。さらには、得られる粒子は球状に近く、ろ過性も良好で、ハンドリング性の良好な粒子が得られる。
【0023】
従来法と異なり、錯化剤の添加を必要としないのは、混合水溶液のpHを従来法の中でも低めのpH=10〜11を選択し、かつ、混合水溶液の温度を60〜80℃の範囲としていることによる。錯化剤を添加しない場合において、pH=11〜13で晶析すると細かい粒子となり、ろ過性も悪くなり、球状粒子が得られない。一方、pHが10よりも小さいと、水酸化物の生成速度が著しく遅くなり、ろ液中にMnが残留し、MnとNiの沈殿量が目的組成からずれて、実質的に原子比が3:1のマンガンニッケル混合水酸化物が得られなくなってしまう。
【0024】
本発明では、pH=10〜11とし、かつ、混合水溶液の温度を60℃以上保つことによって、反応温度を上げて、MnとNiの溶解度を上げることで、通常、pHを下げ過ぎて、MnとNiの沈殿量が目的組成からずれ、共沈とならない現象を回避している。一方、混合水溶液の温度が80℃を超えると、水の蒸発量が多くなるためにスラリー濃度が高くなり、MnとNiの溶解度が下がり、さらに、ろ液中に硫酸ナトリウム等の結晶が発生し、不純物濃度が上昇する等の問題が出てきて好ましくない。
【0025】
ここで、使用可能なマンガン塩は、正極活物質として使用する際に混入が問題となる不純物を含まなければ、特に制限はなく、具体的には硫酸マンガン、炭酸マンガン等が挙げられる。同様に、使用可能なニッケル塩も、具体的には硫酸ニッケル、炭酸ニッケル等が挙げられる。
【0026】
水溶液のpH値は、アルカリ金属水酸化物(たとえば、水酸化ナトリウム)を添加することにより、pH=10〜11の範囲に維持する。
【0027】
本発明の製造方法で得られるマンガンニッケル複合水酸化物粒子は、球状あるいは球状に近い楕円体となっており、1次粒子が均一に集まった2次粒子として比較的緻密な粒子が得られる。なお、2次粒子の凝集はない。
【0028】
水酸化物粒子の平均粒径としては、10〜20μmが好ましい。この範囲を外れ、粒子径が小さいと、ろ過性が悪化し、水酸化物の洗浄も困難となり、生産性の低下、不純物濃度上昇の問題が生じる。また、粒子径が大きいと、タップ密度の高い粉体特性が得られない上、正極材ペーストとして塗布する場合、均一に塗布できなくなる。
【0029】
2.マンガンニッケル複合酸化物粒子の製造
次に、前記工程で得られたマンガンニッケル複合水酸化物粒子を、空気雰囲気中で焙焼し、マンガンニッケル複合酸化物を得る。この場合、酸素気流中でも何ら問題はない。
【0030】
焙焼条件として、800〜1000℃の範囲で、2〜20時間程度、焼成して、マンガンとニッケルの複合酸化物を得る。焼成温度は、800〜900℃の範囲であることがより好ましい。マンガンとニッケルの均一分散および固溶は、焼成温度が800℃以上で促進される。ただし、工業的には、エネルギーコストを考慮すべきであり、900℃以下と焼成温度が低い方が好ましい。800〜900℃の温度範囲でも、マンガンとニッケルの均一固溶に問題はないことが確認されている。
【0031】
焼成温度が800℃より低いと、マンガンとニッケルが完全に酸化せず、固溶も進まない。また、1000℃を超えても、結晶成長に影響が見られないため、コスト上好ましくない。
【0032】
3.リチウムマンガンニッケル複合酸化物の製造
次に、前記工程で得られたマンガンとニッケルの複合酸化物と、リチウム化合物を、マンガンとニッケルの合計のモル数とリチウムのモル数の比が実質的に2:0.95〜1.10となるように調整し、シェーカーミキサー、撹拌混合機、ロッキングミキサー等を用いて、球状の二次粒子の形骸が維持される程度の比較的弱い条件で混合し、混合粉体を酸素雰囲気、あるいは大気雰囲気中で、600〜750℃として10〜20時間、焼成し、リチウムニッケルマンガン複合化合物を得る。得られるリチウムニッケルマンガン複合酸化物の結晶構造は、立方晶スピネルであることが必要である。使用可能なリチウム化合物としては、水酸化リチウム、水酸化リチウム一水和物、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酸化リチウム等が挙げられる。
【0033】
マンガンとニッケルの固溶が不充分であったり、組成が目標組成からずれていたりすると、ニッケル酸化物などの異相が生成し、スピネル構造単相が実現できない。スピネル構造単相でないと、4.8Vの高電位領域での容量が減少し、電位の平坦性が失われ、4V付近の低電位領域に棚が出現して、エネルギー密度の高い正極材料とならず、また、高温でのガスの発生が著しいという問題点が現れてしまう。
【0034】
マンガンとニッケルの合計のモル数とリチウムのモル数の比が、実質的に2:0.95〜1.10から外れ、リチウム元素が少ないと、スピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物以外に、NiO、NiMnOなどが発生しやすくなり、リチウム元素が多いと、固溶しきれないリチウムがリチウムニッケルマンガン複合酸化物表面に残留し、電池性能の低下や、電解液との反応からゲルが発生するなどの電池特性を悪化させる原因となり好ましくない。
【0035】
また、焼成温度が600℃より低いと、リチウムの固溶が不充分となり好ましくなく、750℃を超えると、酸素欠損が起こり、スピネル構造でなくなり問題である。
【0036】
前記製法で得られるスピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物は、立方晶単位格子の格子定数が8.17Å以上8.18Å未満であることが望ましい。また、該複合酸化物の比表面積は0.2m/g以上1.0m/g以下であることが望ましい。さらには、タップ密度(粉体充填密度)が1.4g/cm以上、特に1.50g/cm以上であることが好ましい。
【0037】
これらの諸特性を満たすことによって、実質的に異相のないスピネル構造単相を有し、かつ、タップ密度の高いリチウムニッケルマンガン複合酸化物が得られ、該複合酸化物を非水系電解質二次電池用正極活物質として用いた非水系電解質二次電池においては、充放電曲線において3.5〜4.5Vに電位の棚が排除されている非水系電解質二次電池が得られる。ここで、棚とは、充放電曲線の下降部に現れる4V付近の電位の段差をいう。
【0038】
前記一般式:Li1+X Mn2−Y−X Ni(ただし、−0.05≦X≦0.10、0.45≦Y≦0.55)で表されるスピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物を正極活物質として用いた正極は、たとえば、前記正極活物質に、必要に応じて導電助剤、バインダーなどを適宜添加して混合し、溶剤でペースト状にし(バインダーはあらかじめ溶剤に溶解させておいてから正極活物質などと混合してもよい)、得られた正極合剤含有ペーストをアルミニウム箔などからなる正極集電体に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、必要に応じて加圧成形する工程を経ることによって作製される。ただし、正極の作製方法は、前記例示のものに限られることなく、任意の方法を採用できる。
【0039】
前記正極の作製にあたって、導電助剤としては、たとえば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛など)やアセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック系材料などを用いることができる。また、バインダーとしては、たとえば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンプロピレンジエンゴム、フッ素ゴム、スチレンブタジエン、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸などを用いることができる。
【0040】
前記正極活物質を含有する正極に対して、対極となる負極の活物質としては、たとえば、リチウム、リチウム−アルミニウムで代表されるリチウム合金、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭など、リチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出できる炭素系材料、Si、Sn、Inなどの合金またはLiに近い低電位で充放電できる酸化物や窒化物などの化合物も、負極活物質として用いることができる。
【0041】
負極は、負極活物質がリチウムやリチウム合金の場合は、そのまま用いるか、あるいは集電体に圧着することによって作製され、負極活物質が炭素系材料の場合は、それに、必要に応じて正極の場合と同様のバインダーを添加して混合し、溶剤を用いてペースト状にし(バインダーはあらかじめ溶剤に溶解させておいてから負極活物質と混合してもよい)、得られた負極合剤含有ペーストを銅箔などからなる負極集電体に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、必要に応じて加圧成形する工程を経ることによって作製される。ただし、負極の作製方法は、前記例示のものに限られることなく、他の方法によってもよい。
【0042】
電解質としては、非水系の液状電解質、ゲル状ポリマー電解質のいずれも用いることができるが、本発明においては、通常、電解液と呼ばれる液状電解質が多用される。この液状電解質(電解液)は、たとえば、有機溶媒を主材とする非水溶媒に、リチウム塩などの電解質塩を溶解させることによって調製されるが、その溶媒としては、たとえば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸メチルなどの鎖状エステル、リン酸トリメチルなどの鎖状リン酸トリエステル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどを用いることができる。そのほか、アミンイミド系有機溶媒やスルホランなどのイオウ系有機溶媒なども、用いることができる。
【0043】
さらに、その他の溶媒成分として、誘電率の高いエステル(導電率30以上)を用いることが、電池特性、特に負荷特性を向上させることから好ましく、その誘電率の高いエステルの具体例としては、たとえば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられ、また、エチレングリコールサルファイトなどのイオウ系エステルも用いることができるが、環状構造のエステルが好ましく、特にエチレンカーボネートのような環状カーボネートが好ましい。そして、これらの溶媒はそれぞれ単独で、または2種以上混合して、用いることができる。
【0044】
リチウム塩などの電解質塩としては、たとえば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、LiCSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(RfSO)(RfSO)〔ここで、Rf、Rfはフルオロアルキル基を含む置換基である〕、LiN(RfOSO)(RfOSO)〔ここで、Rf、Rfはフルオロアルキル基である〕、LiC2n+1 SO(n≧2)、LiC(RfSO、LiN(RfOSO〔ここでRf、Rfはフルオロアルキル基である〕、ポリマータイプイミドリチウム塩などが単独または2種以上混合して用いられる。電解液中における電解質塩の濃度は、特に限定されるものではないが、濃度を0.1〜2.0mol/L(リットル)とするのが好ましい。
【0045】
ゲル状ポリマー電解質は、前記電解液をゲル化剤によってゲル化したものに相当するが、そのゲル化にあたっては、たとえば、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルニトリルなどの直鎖状ポリマーまたはそれらのコポリマー、紫外線や電子線などの活性光線の照射によりポリマー化する多官能モノマー(たとえば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの四官能以上のアクリレートおよび前記アクリレートと同様の四官能以上のメタクリレートなど)などが用いられる。ただし、モノマーの場合、モノマーそのものが電解液をゲル化させるのではなく、前記モノマーをポリマー化したポリマーが、ゲル化剤として作用する。
【0046】
前記のように、多官能モノマーを用いて、電解液をゲル化させる場合、必要であれば、重合開始剤として、たとえば、ベンゾイル類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン類、ベンゾイルフェニルフォスフィンオキサイド類、アセトフェノン類、チオキサントン類、アントラキノン類、アミノエステルなども、使用することもできる。
【0047】
本発明によって得られる正極活物質を用いた非水系電解質二次電池においては、放電容量が大きく、かつ、高電位での平坦性に優れ、しかもタップ密度が高いことから、高エネルギー密度を有する非水系電解質二次電池が実現可能となる。
【0048】
【実施例】
(実施例1)
撹拌機とオーバーフローパイプを備えた500mlの円筒形反応槽を使用し、Mn:Niの原子比が3:1となるように、2mol/L硫酸マンガン水溶液と、2mol/L硫酸ニッケル水溶液の混合水溶液とし、pHが10〜11の範囲になるよう、25%水酸化ナトリウム水溶液を反応槽に同時に添加し、温度を70℃に保持して、一定速度、すなわち、撹拌機の撹拌羽根の回転数を一定にして撹拌し、反応槽内に投入される混合液量と沈殿物の生成量とが一定となり、反応槽内のスラリー濃度が一定となる定常状態にして、マンガンニッケル複合水酸化物粒子を形成させた。
【0049】
反応槽内に投入されるマンガン、ニッケル混合水溶液とアルカリ水溶液により混合液量が増加するのに伴い、反応槽側壁に設けた排出口から、オーバーフローとして排出される沈殿物を取り出し、反応槽内が定常状態、すなわち、反応槽内のスラリー濃度が一定となった後に、オーバーフロー排出口より排出されたマンガンニッケル複合水酸化物粒子を、1バッチ分採取し、ろ過、水洗後、70℃にて15時間乾燥後、マンガンニッケル複合水酸化物の乾燥粉末を得た。ここで、1バッチ分とは、原液およびアルカリ溶液を添加して排出されたスラリ−が、反応容器容量(500ml)と同じ容量となった時点を指す。
【0050】
得られたマンガンニッケル複合水酸化物の乾燥粉末を、未粉砕のまま、篩目45μmの篩にかけ、得られた篩下粉末20gを電気炉にて900℃で10時間、空気気流中で焙焼し、マンガンニッケル複合酸化物を得た。
【0051】
得られたマンガンニッケル複合酸化物15.00gと、水酸化リチウム4.12gとを混合し、雰囲気焼成電気炉にて700℃で20時間、酸素気流中で焙焼して、リチウムマンガンニッケル複合酸化物を得た。
【0052】
得られたマンガンニッケル複合水酸化物粒子の元素分析値および平均粒子径を、表1に示し、得られたリチウムマンガンニッケル複合酸化物の元素分析値および物性値を、表2に示す。また、マンガンニッケル水酸化物のろ過性を比較するため、ろ過装置としてヌッチェ(90φ)、エアポンプ吸引、濾紙5C、90mmを使用し、ろ過原液スラリー100mlのろ過時間およびろ過速度を比較した結果を、表3に示す。
【0053】
さらに、マンガンニッケル複合水酸化物の走査式電子顕微鏡(以下、「SEM」という。)写真を、図1に示す。マンガンニッケル水酸化物を酸化焙焼して得られたマンガンニッケル複合酸化物のSEM写真を、図2に示す。リチウムと混合、焼成して得られたリチウムマンガンニッケル複合酸化物のSEM写真を、図3に示す。
【0054】
(実施例2、3)
反応温度を63℃、80℃とした以外は、実施例1と同様の操作で、マンガンニッケル複合水酸化物粒子を形成させ、ろ過、水洗、乾燥後焙焼し、マンガンニッケル複合酸化物を得た。
【0055】
得られたマンガンニッケル複合水酸化物の元素分析値および平均粒子径を表1に示し、ろ過時間およびろ過速度を表3に示す。また、得られたリチウムマンガンニッケル複合酸化物の元素分析値および物性値を、表2に示す。
【0056】
(比較例1)
2mol/L硫酸マンガン水溶液と2mol/L硫酸ニッケル水溶液の混合水溶液と、pHが11〜12の範囲になるように、25%水酸化ナトリウム水溶液を反応槽に同時に添加した以外は、実施例1と同様の条件で、マンガンニッケル複合水酸化物粒子を形成させ、乾燥、焙焼、リチウムと混合焼成してリチウムマンガンニッケル複合酸化物を得た。
【0057】
得られたマンガンニッケル複合水酸化物の元素分析値および平均粒子径を表1に示し、リチウムマンガンニッケル複合酸化物の元素分析値および物性値を表2に示し、マンガンニッケル複合水酸化物のろ過時間およびろ過速度を表3に示す。さらに、マンガンニッケル複合水酸化物のSEM写真を、図4に示す。マンガンニッケル水酸化物を酸化焙焼して得られたマンガンニッケル複合酸化物のSEM写真を、図5に示す。リチウムと混合、焼成して得られたリチウムマンガンニッケル複合酸化物のSEM写真を、図6に示す。
【0058】
(比較例2)
2mol/L硫酸マンガン水溶液と2mol/L硫酸ニッケル水溶液の混合水溶液と25%水酸化ナトリウム水溶液を反応槽に同時に添加する際の反応温度を50℃とした以外は、実施例1と同様の条件でマンガンニッケル複合水酸化物粒子を形成させた。得られたマンガンニッケル複合水酸化物の元素分析値および平均粒子径を表1に示し、ろ過時間およびろ過速度を表3に示す。
【0059】
(比較例3)
2mol/L硫酸マンガン水溶液と2mol/L硫酸ニッケル水溶液の混合水溶液と25%水酸化ナトリウム水溶液を反応槽に同時に添加する際のpHを9〜10の範囲とした以外は、実施例1と同様の条件でマンガンニッケル複合水酸化物粒子を形成させた。得られたマンガンニッケル複合水酸化物の元素分析値および平均粒子径を表1に示し、ろ過時間およびろ過速度を表3に示す。
【0060】
(比較例4)
2mol/L硫酸マンガン水溶液と2mol/L硫酸ニッケル水溶液の混合水溶液と25%水酸化ナトリウム水溶液を反応槽に同時に添加する際のpHを12〜13の範囲とした以外は、実施例1と同様の条件でマンガンニッケル複合水酸化物粒子を形成させた。得られたマンガンニッケル複合水酸化物の元素分析値および平均粒子径を表1に示し、ろ過時間およびろ過速度を表3に示す。
【0061】
【表1】
Figure 2004349109
【0062】
【表2】
Figure 2004349109
【0063】
【表3】
Figure 2004349109
【0064】
(評価)
表1に示すように、反応温度が70℃より低い場合(実施例2)、反応温度が70℃より高い場合(実施例3)にも、粒子径が若干小さくなる傾向にあることがわかる。
【0065】
また、反応pHが11〜12の範囲(比較例1)で得られたマンガンニッケル複合水酸化物は生成速度が速くなりすぎ粒子径が小さくなってしまい、反応pHが9〜10の範囲(比較例3)では生成速度が著しく遅くなり粒子径が大きくなるが、Mnの沈殿が不十分となり、Mn:Ni比(3:1)を維持できなくなることがわかる。
【0066】
表2に示すように、実施例1の反応pHが10〜11の範囲で得られたマンガンニッケル複合水酸化物を用いたリチウムマンガンニッケル複合酸化物はタップ密度が高く、比表面積の小さい優れた粉体特性であることがわかる。一方、比較例1の反応pHが11〜12の範囲で得られたマンガンニッケル複合水酸化物を用いた場合はタップ密度が低く、比表面積の大きい粉体特性となることがわかる。
【0067】
また、実施例2の反応温度を60℃に保持して得られたマンガンニッケル複合水酸化物を用いたリチウムマンガンニッケル複合酸化物は、タップ密度が高く、比表面積が小さい粉体であり、実施例3の反応温度を80℃に保持して得られたマンガンニッケル複合水酸化物を用いたリチウムマンガンニッケル複合酸化物も、タップ密度が高く、比表面積の小さい粉体であった。
【0068】
表3に示すように、平均粒子径の小さいマンガンニッケル複合水酸化物は、ろ過時間が長く、ろ過性が悪くなり、平均粒子径が大きくなるに従ってろ過性が向上することがわかる。
【0069】
実施例1で得られたマンガンニッケル複合水酸化物粒子は、図1のSEM写真に示すようにほぼ球状であり、一次粒子(サイズ:1〜5μm)が結合して比較的密な二次粒子(前記平均粒子径)を形成していることがわかる。
【0070】
また、酸化焙焼によって得られたマンガンニッケル複合酸化物の形状は図2のSEM写真に示すように、水酸化物の形状を受け継ぎ、一次粒子同士の結合性が良く、かつ多孔質な構造を併せ持つ形状であることがわかる。
【0071】
図2のマンガンニッケル複合酸化物を、リチウムと混合、焼成したリチウムマンガンニッケル複合酸化物は、図3のSEM写真に示すようにほぼ球状の比較的密な二次粒子体であることがわかる。
【0072】
比較例1の反応pHが11〜12の範囲で得られたマンガンニッケル複合水酸化物の形状は、図4のSEM写真に示すように、微細な粒子が一部凝集して二次粒子を形成していることがわかる。また、酸化焙焼によって得られたマンガンニッケル複合酸化物の形状は、図5のSEM写真に示すように、微粉が凝集し、空隙の多い形状であることがわかる。その結果、図5のマンガンニッケル複合酸化物をリチウムと混合、焼成したリチウムマンガンニッケル複合酸化物は、図6のSEM写真に示すように、リチウム混合前の形状を受け継ぎ、空隙の多い形状であることがわかる。
【0073】
図7、図8のリチウムマンガンニッケル複合酸化物のXRD定性分析結果に示すように、実施例1、2で得られたリチウムマンガンニッケル複合酸化物は、マンガンとニッケルの固溶が均一であり、実質的に異相のないスピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物であることがわかる。一方、図9に、比較例1で得られたリチウムマンガンニッケル複合酸化物のXRD定性分析結果を示すが、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物のピーク以外にNiMnO、NiO等のピークがあることがわかる。これは原料水酸化物生成時マンガンとニッケルの析出速度の差が大きくなり、マンガンとニッケルの固溶が不均一となったことに起因していると考えられる。
【0074】
実施例1で得られたリチウムマンガンニッケル複合酸化物をリチウムイオン二次電池用正極活物質として、電池を作製し、電池評価をした結果、図12に示すように充放電電位の平坦性に優れ、充放電曲線において3.5〜4.5V領域の電位の棚が排除された、放電容量が大きなリチウムイオン二次電池であることがわかる。
【0075】
一方、比較例1で得られたリチウムマンガンニッケル複合酸化物を実施例1と同様に電池を作製し評価をした結果、図11に示すように充放電電位に棚があり、放電容量が小さくなった。
【0076】
実施例2、3においては、実施例1の粉体特性よりも若干落ちるが、マンガンとニッケルの固溶は均一であり、実施例1と同様に電池を作製し評価をした結果、図10に示すように充放電電位は平坦であり、充放電曲線において3.5〜4.5V領域の電位の棚が排除され、十分良好な放電要領が得られた。
【0077】
比較例2〜4については、比較例2は表1に示すようにろ過性が悪いこと、比較例3、4については不純物濃度が高いことから、電池評価をしなくても正極活物質として使用困難なものであった。
【0078】
【発明の効果】
本発明では、リチウムイオン二次電池用正極活物質として有用で、タップ密度が高く、かつ、マンガンとニッケルの固溶が均一であり、実質的に異相のない一般式:Li1+X Mn2−Y−X Ni(ただし、−0.05≦X≦0.10、0.45≦Y≦0.55)で表されるスピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物の製造方法として、マンガン塩とニッケル塩を、マンガンとニッケルの原子比が実質的に前記一般式のマンガンとニッケルの原子比となるように混合水溶液を作製し、錯化剤を用いずに、該混合水溶液とアルカリ水溶液を同時に、かつ、連続的に反応槽に投入し、反応槽内の混合液の温度を60〜80℃の範囲に保持し、pH=10〜11の範囲となるようにしつつ、共沈殿させて、撹拌機を使用して一定速度にて撹拌して、反応槽内のスラリー濃度が一定となった後に、反応槽からのオーバーフローとして排出される沈殿物を採取し、ろ過、水洗して得られた球状かほぼ球状のマンガンニッケル複合水酸化物粒子を原料として用いることで、タップ密度が高く、かつ、マンガンとニッケルの固溶が均一であり、実質的に異相のないリチウムマンガンニッケル複合酸化物およびそれを用いた非水系電解質二次電池用正極活物質を提供でき、かつ、充放電電位の平坦性に優れ、放電容量が大きなリチウムイオン二次電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で、反応時のpH=10〜11によって得られたマンガンニッケル複合水酸化物のSEM写真を示す。ここで(a)、(b)、(c)はそれぞれ600倍、2000倍、6000倍の倍率での写真を示す。
【図2】実施例1で、図1のマンガンニッケル複合水酸化物を900℃で焙焼して得られたマンガンニッケル複合酸化物のSEM写真を示す。
【図3】実施例1で、図2のマンガンニッケル複合酸化物をリチウムと混合焼成して得られたリチウムマンガンニッケル複合酸化物のSEM写真を示す。
【図4】比較例1で、反応時のpH=11〜12によって得られるマンガンニッケル複合水酸化物のSEM写真を示す。
【図5】比較例1で、図4のマンガンニッケル複合水酸化物を900℃で焙焼して得られたマンガンニッケル複合酸化物のSEM写真を示す。
【図6】比較例1で、図5のマンガンニッケル複合酸化物をリチウムと混合焼成して得られたリチウムマンガンニッケル複合酸化物のSEM写真を示す。
【図7】実施例1で得られたリチウムマンガンニッケル複合酸化物のXRD定性分析結果を示す。
【図8】実施例2で得られたリチウムマンガンニッケル複合酸化物のXRD定性分析結果を示す。
【図9】比較例1で得られたリチウムマンガンニッケル複合酸化物のXRD定性分析結果を示す。
【図10】実施例1で得られたリチウムマンガンニッケル複合酸化物を正極活物質として電池にした時の電池評価結果を示す。
【図11】実施例2、3で得られたリチウムマンガンニッケル複合酸化物を正極活物質として電池にした時の電池評価結果を示す。
【図12】比較例1で得られたリチウムマンガンニッケル複合酸化物を正極活物質として電池にした時の電池評価結果を示す。

Claims (5)

  1. 一般式:Li1+X Mn2−Y−X Ni(ただし、−0.05≦X≦0.10、0.45≦Y≦0.55)で表され、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物の製造方法において、
    マンガンとニッケルの原子比が実質的に前記一般式のマンガンとニッケルの原子比となるようにマンガン塩とニッケル塩の混合水溶液を作製し、錯化剤を用いずに、該混合水溶液とアルカリ水溶液を同時に、かつ、連続的に反応槽に投入し、反応槽内の混合液の温度を60〜80℃の範囲に保持し、pH=10〜11の範囲となるようにしつつ、共沈殿させて、撹拌して、反応槽内のスラリー濃度が一定となった後に、反応槽からのオーバーフローとして排出される沈殿物を採取し、ろ過、水洗して、マンガンニッケル複合水酸化物粒子を得る第1の工程と、得られたマンガンニッケル複合水酸化物粒子を空気雰囲気中で焙焼し、マンガンニッケル複合酸化物を得る第2の工程と、
    マンガンとニッケルの合計の原子比とリチウムの原子比が実質的に2:0.95〜1.10となるように前記マンガンニッケル複合酸化物とリチウム化合物とを混合し焼成する第3の工程と、
    からなることを特徴とするリチウムマンガンニッケル複合酸化物の製造方法。
  2. 請求項1に記載のリチウムマンガン複合酸化物の製造方法によって得られ、かつ、一般式:Li1+X Mn2−Y−X Ni(ただし、−0.05≦X≦0.10、0.45≦Y≦0.55)で表され、スピネル構造を有し、タップ密度が1.50g/cm以上で、比表面積が0.2〜1.0m/gであることを特徴とするリチウムマンガンニッケル複合酸化物。
  3. 請求項2に記載のリチウムマンガンニッケル複合酸化物を使用したことを特徴とする非水系電解質二次電池用正極活物質。
  4. 請求項3に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質を使用したことを特徴とする非水系電解質二次電池。
  5. 充放電曲線において、3.5〜4.5V領域の電位の棚が排除されたことを特徴とする請求項4記載の非水系電解質二次電池。
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