JP2004347562A - 測定装置 - Google Patents

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JP2004347562A JP2003147683A JP2003147683A JP2004347562A JP 2004347562 A JP2004347562 A JP 2004347562A JP 2003147683 A JP2003147683 A JP 2003147683A JP 2003147683 A JP2003147683 A JP 2003147683A JP 2004347562 A JP2004347562 A JP 2004347562A
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Abstract

【課題】条件が様々に異なる蛍光測定に適切に対応することができる測定装置を提供する。
【解決手段】試料9からの蛍光の強度を検出し光強度値を出力する受光感度を可変可能にした光検出装置6、光検出装置6より検出される光強度値を統計解析する統計解析装置7、光検出装置6の受光感度を設定する受光感度設定値を出力する受光感度設定装置10を具備し、測定条件により光検出装置6の受光感度が最適になるように受光感度設定装置10の受光感度設定値を決定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光信号を統計解析して蛍光を測定する測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、蛍光信号を統計解析して蛍光を測定する測定装置には、蛍光相関分光による方法を用いたものが知られている。
【0003】
この方法を用いた蛍光相関分光装置については、例えば、非特許文献1、非特許文献2および特許文献1などで論じられている。
【0004】
このような蛍光相関分光装置は、例えば、図4に示すように、光源装置101、分光装置102、集光装置103、試料104を載置する試料保持装置105、光検出装置106および統計解析装置107から構成されている。
【0005】
このような構成において、光源装置101から励起光が発せられると、励起光は、分光装置102、集光装置103を経由して試料104に照射され、試料104より蛍光を発生させる。また、試料104からの蛍光は、集光装置103および分光装置102を経由して光検出装置106に入射し、光検出装置106から蛍光の強度を示す光強度値(蛍光信号)を出力させる。そして、この光強度値を統計解析装置107に入力し、統計解析を行ない、光強度統計解析値として出力するようにしている。
【0006】
このようにして試料104からの蛍光強度の統計解析が行われるが、さらに蛍光相関解析では、粒子の蛍光強度のゆらぎを測定し、この結果を解析して自己相関関数を求め、この自己相関関数から対象とする粒子の拡散時間、濃度、大きさなどを推測するようにしている。
【0007】
【特許文献1】
特表平11−502608号公報
【0008】
【非特許文献1】
「”Fluorescence correlation spectroscopy”R.Rigler,E.S.Elson(eds.)Springer(Berlin)」
【0009】
【非特許文献2】
金城政孝「蛋白質核酸酵素」(1999)Vol44,No.9,P1431−1437
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の蛍光相関分光装置では、光検出装置106の受光感度が予め設定されたものに固定されている。このため、以下のような問題を生じている。
【0011】
すなわち、試料104からの蛍光について適正範囲よりも強い光量を検出する場合は、光検出装置106に到達した光子数に対して出力される光子計数の線形性が保たれなくなって、誤った光強度値を算出してしまう。また、光強度値がある値以上になると、常に誤った一定の光強度値を出力し続けたり、メモリがオーバーフローを起こして全くでたらめな光強度値を示してしまう。さらに、強い光が検出された場合は、光検出装置106内部に流れる電流が大きくなり過ぎ、光検出装置106自身が故障してしまうこともあった。
【0012】
逆に、試料104からの蛍光について適正範囲よりも微弱な光量を検出する場合は、相対的にノイズの影響が大きくなり、正しい光強度値が得られず、また、光強度の分解能も十分に得られないという問題を生じる。
【0013】
このようにして、従来では、光検出装置106の光検出に適した光量の範囲について何ら考慮されておらず、このため受光量が様々に異なる測定に適切に対応することができなかった。そこで、光検出装置106として、予め感度の異なるものを複数個用意することが考えられるが、これでは装置が大型化し、価格的にも高価なものになってしまう。
【0014】
一方、このような蛍光相関分光装置では、例えば、光源装置101から光を集光装置103により試料104上に集光させ、その集光点、つまり側定点を移動させながら、試料104からの蛍光を再び集光装置103を通して光検出装置106で検出するようにもしている。
【0015】
この場合、光検出装置106で検出される光強度値は、縦軸を光子計数、横軸を時間(/マイクロ秒)で表わした図5に示すようにして得られる。つまり、光検出装置106では、パルス状の光が検出される。
【0016】
ところが、このパルス状の光は、各時間窓(図5中では1マイクロ秒)の光量であるため、これら時間窓ごとの光量が様々に異なる測定に対応することができなかった。
【0017】
このように、従来の装置では、光検出装置106の光検出に適した各時間窓の光量の範囲についても何ら考慮されておらず、このため光検出装置106の個数を増やすことなく、各時間窓の光量が様々に異なる測定についても適切に対応することができなかった。
【0018】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、条件が様々に異なる蛍光測定に適切に対応することができる測定装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、試料からの蛍光の強度を検出し光強度値を出力する受光感度を可変可能にした光検出手段と、前記光検出手段より検出される光強度値を統計解析する統計解析手段と、前記光検出手段の受光感度を設定する受光感度設定値を出力する受光感度設定手段と、を具備し、蛍光測定条件により前記光検出手段の受光感度が最適になるように前記受光感度設定手段の受光感度設定値を決定することを特徴としている。
【0020】
請求項2記載の発明は、試料からの蛍光の強度を検出し光強度値を出力する受光感度を可変可能にした光検出手段と、前記光検出手段より検出される光強度値を統計解析し光強度統計解析値を出力する統計解析手段と、前記光検出手段の受光感度を設定する受光感度設定値を出力する受光感度設定手段と、を具備し、
前記統計解析手段の光強度統計解析値に応じて前記光検出手段の受光感度を最適になるように前記受光感度設定手段の受光感度設定値を決定することを特徴としている。
【0021】
請求項3記載の発明は、試料からの蛍光の強度を検出し光強度値を出力する受光感度を可変可能にした光検出手段と、前記光検出手段より検出される光強度値を統計解析し光強度統計解析値を出力する統計解析手段と、前記光検出手段の光強度値または前記統計解析手段の光強度統計解析値に応じて前記光検出手段の受光感度を設定する受光感度設定値を出力する受光感度設定手段と、前記試料上での光強度の測定点の位置を移動させるとともに、測定点の位置データを出力する測定点移動手段と、前記測定点移動手段の測定点位置データと前記光検出手段の光強度値に基づいて観察像を生成する画像処理手段とを具備したことを特徴としている。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、画像処理手段は、受光感度設定手段の受光感度設定値により前記光検出手段の光強度値を補正し、該補正された光強度値と前記測定点移動手段の測定点位置データに基づいて観察像を生成することを特徴としている。
【0023】
この結果、本発明によれば、蛍光測定の条件により光検出手段の受光感度が最適になるように受光感度設定手段の受光感度設定値を決定しているので、光検出手段の個数を増やすことなく、受光量が様々に異なる測定に適切に対応することができる。
【0024】
また、本発明によれば、統計解析手段の光強度統計解析値に応じて光検出手段の受光感度が最適になるように受光感度設定手段の受光感度設定値を決定しているので、光検出手段の個数を増やすことなく、各時間窓の光量が様々に異なる測定にも適切に対応することができる。
【0025】
さらに、本発明によれば、蛍光像測定や蛍光相関測定において、光量が様々に異なる測定にも適切に対応することができる。また、光検出手段の光強度値を、受光感度設定手段の受光感度設定値により補正し、この補正された光強度値と測定点移動手段の測定点位置データから観察像を求めるようにしているので、精度の高い像を取得することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0027】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明が適用される測定装置の概略構成を示している。図において、1は光源装置で、この光源装置1には、励起光発生源として、例えば発振波長488mmのアルゴンレーザが用いられている。
【0028】
光源装置1からの光路上には、分光装置2が配置されている。この分光装置2には、例えば波長500mm以下の光を反射し、500mm以上の光を透過するダイクロイックミラーが用いられる。
【0029】
分光装置2の反射光路には、測定点移動手段としての測定点移動装置3、集光装置4および試料保持装置5が配置されている。ここで、測定点移動装置3には、ガルバノスキャナーが用いられる。集光装置4には、例えば倍率40倍で開口数1.2の対物レンズが用いられる。さらに、試料保持装置5は、顕微鏡用試料ステージで、この試料保持装置5には、試料9が載置されている。
【0030】
分光装置2の透過光路には、光検出手段としての光検出装置6が配置されている。この光検出装置6には、光電子増倍管が用いられていて、分光装置2を介して入射される試料9からの蛍光を検出し、このときの蛍光量に応じた光強度値を出力するようになっている。
【0031】
光検出装置6には、統計解析手段としての光強度統計解析装置7が接続されている。この光強度統計解析装置7は、統計解析を行うための相関関数解析ボードが設けられており、光検出装置6より入力される光強度値を統計解析して統計解析値を求め、この結果を外部に出力するようにしている。
【0032】
光検出装置6には、画像処理手段としての画像処理装置8が接続されている。この画像処理装置8には、パーソナルコンピューターが用いられている。画像処理装置8は、測定点移動装置3からの測定点位置データと光検出装置6からの光強度値に基づいて、試料9の観察像として蛍光像を生成するようになっている。そして、この蛍光像は外部へ出力される。
【0033】
光検出装置6には、受光感度設定手段としての受光感度設定装置10が接続されている。この受光感度設定装置10は、画像処理装置8と同様のパーソナルコンピューターが用いられ、光検出装置6に対して受光感度設定値を出力し、蛍光像測定に最適な受光感度を設定するようになっている。
【0034】
なお、試料9として細胞を観察するような場合は、例えば、細胞内部はローダミングリーン色素で、細胞膜は炭素数18程度のアルキル鎖で修飾されたローダミングリーンで標識するのが望ましい。また、分光装置2から集光装置4および光検出装置6などの光路には、各種レンズ、ミラーおよびピンホールなどの光学部品が適宜用いられている。さらに、光検出装置6の光学系は共焦点光学系であることが望ましい。
【0035】
次に、このように構成した実施の形態を説明する。
【0036】
光源装置1から励起光が出射されると、この励起光は、分光装置2で反射し、測定点移動装置3、集光装置4を通過して試料9に照射される。試料9は、励起光の照射により蛍光を発する。この試料9より発せられた蛍光は、集光装置4、測定点移動装置3を通り、分光装置2を透過して光検出装置6に入射される。
【0037】
この場合、測定点移動装置3により試料9上の測定点の位置が制御される。このときの試料9上の移動位置は、励起光路と蛍光光路が一致しているので、これらの光路を一つの測定点移動装置3により移動させることができる。
【0038】
光検出装置6は、入射される蛍光の強度に対応した光強度値を出力する。光検出装置6から出力される光強度値は、光強度統計解析装置7と画像処理装置8に送られる。
【0039】
光強度統計解析装置7は、相関関数解析ボードにより光強度値を統計解析して光強度統計解析値を求め、この光強度統計解析値を外部に出力する。
【0040】
また、画像処理装置8では、光検出装置6から出力される光強度値と測定点移動装置3から出力される試料9上の測定点の位置を示す測定点位置データから試料9の蛍光像を形成する。この蛍光像は外部へ出力される。
【0041】
ところで、蛍光相関測定においては、測定位置を試料9上の特定の位置に合わせることができると便利であり、従って試料9の蛍光像があると、位置合わせが簡単にできる。また、蛍光相関測定では、試料9の蛍光像を取得するのと同じ光検出装置6を用いるのが望ましい。
【0042】
しかしながら、蛍光相関測定には、蛍光像の取得時に比べ、光検出装置6に入射される光量が極端に少なくてよい。このため、蛍光像の取得に合わせて光検出装置6の受光感度を最適化してしまうと、蛍光相関測定の適正範囲よりも強い光量を検出することとなり誤検出を生ずるおそれがある。一方で、蛍光相関測定に合わせて光検出装置6の受光感度を最適化してしまうと、蛍光像の取得に十分な蛍光強度のダイナミックレンジが得られず、良質な蛍光像を取得することができないことがある。
【0043】
そこで、本実施の形態では、次にようにしている。
【0044】
ここでは、具体例として、試料9が細胞で、この細胞の細胞膜の流動性を測定するような場合を取り上げる。また、始めに試料9の蛍光像を取得し、この蛍光像を基に細胞膜の位置を特定し、この特定した位置で蛍光相関測定を行うようにする。
【0045】
まず、受光感度設定装置10の受光感度設定値により、光検出装置6の受光感度を蛍光像測定に適した値に設定する。このときの感度設定は、光検出装置6である光電子増倍管への印加電圧を調整することにより行われる。
【0046】
この状態から、上述した動作を実行し、画像処理装置8おいて、光検出装置6から出力される光強度値と測定点移動装置3から出力される試料9上の測定点の位置を示す測定点位置データから試料9の蛍光像を取得する。この蛍光像より細胞膜の位置を特定することが可能となる。
【0047】
次に、受光感度設定装置10の受光感度設定値を変えて、光検出装置6の受光感度を蛍光相関測定に適した値に切り替える。このときの感度設定も、光検出装置6である光電子増倍管への印加電圧を調整することにより行われる。
【0048】
この状態から、再び上述した蛍光測定を実行し、事前に特定された細胞膜の位置での蛍光相関測定を行い、細胞膜の流動性を求めるようにする。
【0049】
同様にして、蛍光発光量が試料9内部や試料9間で、異なる蛍光相関測定を行なう場合も適用される。
【0050】
従って、このようにすれば、蛍光測定の条件に応じて、光検出装置6の受光感度を最適に設定できるので、光検出装置6の個数を増やすことなく、例えば、蛍光像測定や蛍光相関測定などの光量が様々異なる測定に対して、光検出装置6により最適な蛍光測定を行なうことができる。また、光検出装置6の感度設定は、光検出装置6である光電子増倍管への印加電圧を調整することにより行われ、フィルターなどの光学調整に影響を与えるものを使用していないので、光学調整に影響を与えることなく、この発明を実施できるという特有の効果がある。
【0051】
なお、第1の実施の形態の各構成は、各種の変形、変更が可能である。例えば、受光感度設定装置10へ様々な装置からのデータや各種の設定条件を入力し、それらに基づいて受光感度設定値を出力してもよい。また、測定点位置データは、測定点移動装置3以外の他の手段から得るようにしてもよい。例えば、測定点移動装置3の代わりに可動式の試料保持装置を用いることができる。また、測定点移動装置3の設置位置を変えることもできる。さらに、励起光路と検出光路の重なる領域が無いようにすることで、分光装置2を省略することができる。あるいは、試料9が十分な蛍光を発する場合、光源装置1及び分光装置2は省略できる。さらにまた、複数の励起光学系や複数の検出光学系で構成したり、検出された信号を様々に処理したりして、特殊な効果を得ることができる。
【0052】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0053】
図2は、第2の実施の形態の概略構成を示すもので、図1と同一部分には、同符号を付している。
【0054】
この場合、受光感度設定装置10は、光強度統計解析装置7の光強度統計解析値が入力され、この光強度統計解析値に応じて光検出装置6の受光感度が最適になるように受光感度設定値を決定するようになっている。また、画像処理装置8は、省略されている。
【0055】
その他は、図1と同様である。
【0056】
次に、このように構成した実施の形態を説明する。
【0057】
光源装置1から励起光が出射されると、この励起光は、分光装置2で反射し、測定点移動装置3、集光装置4を通過して試料9に照射される。試料9は、励起光の照射により蛍光を発する。この試料9より発せられた蛍光は、集光装置4、測定点移動装置3を通り、分光装置2を透過して光検出装置6に入射される。
【0058】
この場合も、測定点移動装置3により試料9上の測定点の位置が制御される。このときの試料9上の移動位置は、励起光路と蛍光光路が一致しているので、これらの光路を一つの測定点移動装置3により移動させることができる。
【0059】
光検出装置6は、入射される蛍光の強度に対応した光強度値を出力する。光検出装置6から出力される光強度値は、光強度統計解析装置7に送られる。
【0060】
光強度統計解析装置7は、相関関数解析ボードにより光強度値を統計解析して光強度統計解析値を求め、この光強度統計解析値を外部に出力すると同時に、受光感度設定装置10に出力する。
【0061】
受光感度設定装置10は、光強度統計解析装置7からの光強度統計解析値に基づいて光検出装置6の受光感度が最適になるように受光感度設定値を決定する。この受光感度設定値は、光検出装置6に向け出力され、光検出装置6の感度が設定される。
【0062】
この場合、光強度統計解析装置7の光強度統計解析値は、1粒子当たりの蛍光発光量に相当するもので、図5で述べた各時間窓ごとの光量が、受光感度設定装置10からの受光感度設定値として光検出装置6にフィードバックされる。
【0063】
これにより、図5に示すように各時間窓ごと光量が様々に異なる場合も、光検出装置6の受光感度は最適化されるので、このとき受光感度により最適な蛍光測定を行なうことができる。この場合の光検出装置6の感度の自動化は、光検出装置6である光電子増倍管への印加電圧を調整することにより行われる。
【0064】
また、1粒子当たりの蛍光発光量が異なるようなサンプルを測定する場合も、光検出装置6の受光感度が自動的に最適化されるので、この受光感度により最適な測定を行なうことができる。
【0065】
従って、このようにすれば、各時間窓ごとの光量の範囲に対して光検出装置6の受光感度が自動的に最適化されるので、光検出装置6の個数を増やすことなく、各時間窓の光量が様々に異なるような場合も、光検出装置6により最適な蛍光測定を行なうことができる。また、光検出装置6の感度の自動化は、光検出装置6である光電子増倍管への印加電圧を調整することにより行われ、フィルターなどの光学調整に影響を与えるものを使用していないので、光学調整に影響を与えることなく、この発明を実施できるという特有の効果がある。
【0066】
なお、第2の実施の形態の各構成は、各種の変形、変更が可能である。例えば、受光感度設定装置10へ様々な装置からのデータや各種の設定条件を入力し、それらに基づいて受光感度設定値を出力してもよい。また、測定点位置データは、測定点移動装置3の他の手段から得るようにしてもよい。例えば、測定点移動装置3の代わりに可動式の試料保持装置を用いることができる。また、測定点移動装置3の設置位置を変えることもできる。さらに、励起光路と検出光路の重なる領域が無いようにすることで、分光装置2を省略することができる。あるいは、試料9が十分な蛍光を発する場合、光源装置1及び分光装置2は省略できる。さらにまた、複数の励起光学系や複数の検出光学系で構成したり、検出された信号を様々に処理したりして、特殊な効果を得ることができる。
【0067】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0068】
図3は、第3の実施の形態の概略構成を示すもので、図1と同一部分には、同符号を付している。
【0069】
この場合、受光感度設定装置10は、光強度統計解析装置7の光強度統計解析値と光検出装置6の光強度値が入力され、これら光強度統計解析値と光強度値に基づいて受光感度設定値を決定するようになっている。また、受光感度設定装置10の受光感度設定値は、光検出装置6に出力されると同時に、画像処理装置8にも出力されるようになっている。画像処理装置8は、受光感度設定装置10より与えられる受光感度設定値に基づいて光検出装置6の光強度値を補正し、この補正した光強度値と測定点移動装置3から出力される試料9上の測定点の位置を示す測定点位置データから試料9の観察像として蛍光像を形成するようになっている。
【0070】
その他は、図1と同様である。
【0071】
次に、このように構成した実施の形態を説明する。
【0072】
まず、光強度統計解析値取得は、以下の動作により行われる。
【0073】
光源装置1から励起光が出射されると、この励起光は、分光装置2で反射し、測定点移動装置3、集光装置4を通過して試料9に照射される。試料9は、励起光の照射により蛍光を発する。この試料9より発せられた蛍光は、集光装置4、測定点移動装置3を通り、分光装置2を透過して光検出装置6に入射される。
【0074】
この場合も、測定点移動装置3により試料9上の測定点の位置が制御される。このときの試料9上の移動位置は、励起光路と蛍光光路が一致しているので、これらの光路を一つの測定点移動装置3により移動させることができる。
【0075】
光検出装置6は、入射される蛍光の強度に対応した光強度値を出力する。光検出装置6から出力される光強度値は、光強度統計解析装置7に送られると同時に、受光感度設定装置10にも送られる。
【0076】
光強度統計解析装置7は、相関関数解析ボードにより光強度値を統計解析して光強度統計解析値を求め、この光強度統計解析値を外部に出力すると同時に、受光感度設定装置10に出力する。
【0077】
受光感度設定装置10は、光強度統計解析装置7からの光強度統計解析値に基づいて受光感度設定値を決定する。この受光感度設定値は、光検出装置6に向け出力され、光検出装置6の受光感度が設定される。
【0078】
これにより、第2の実施の形態で述べたと同様にして各時間窓ごとの光量の範囲に対して光検出装置6の受光感度が自動的に最適化されるので、各時間窓の光量が様々に異なるような場合も、光検出装置6により最適な測定を行なうことができる。
【0079】
一方、蛍光像取得時は以下のように作用する。
【0080】
光源装置1から励起光が出射されると、この励起光は、分光装置2で反射し、測定点移動装置3、集光装置4を通過して試料9に照射される。試料9は、励起光の照射により蛍光を発する。この試料9より発せられた蛍光は、集光装置4、測定点移動装置3を通り、分光装置2を透過して光検出装置6に入射される。
【0081】
この場合も、測定点移動装置3により試料9上の測定点の位置が制御される。このときの試料9上の移動位置は、励起光路と蛍光光路が一致しているので、これらの光路を一つの測定点移動装置3により移動させることができる。
【0082】
光検出装置6は、入射される蛍光の強度に対応した光強度値を出力する。光検出装置6から出力される光強度値は、光強度統計解析装置7、画像処理装置8および受光感度設定装置10に送られる。
【0083】
受光感度設定装置10では、光検出装置6から出力される光強度値に基づいて受光感度設定値を決定する。この受光感度設定値は、光検出装置6に出力されると同時に、画像処理装置8にも送られる。
【0084】
光検出装置6は、このときの受光感度設定値により受光感度が設定される。また、画像処理装置8では、光検出装置6からの光強度値を、受光感度設定装置10より与えられる受光感度設定値により補正し、この補正された光強度値と測定点移動装置3から出力される試料9上の測定点の位置を示す測定点位置データから試料9の蛍光像を形成する。この蛍光像は外部へ出力される。
【0085】
このようにすれば、例えば、試料9が細胞であり、この細胞の細胞膜の流動性を測定するような場合、始めに画像処理装置8により試料9の蛍光像を取得し、この蛍光像を用いて細胞膜の位置を特定する。そして、この特定された細胞膜の位置について蛍光相関測定を行うことにより、細胞膜の流動性を求めることができる。
【0086】
この場合も、光強度統計解析装置7の光強度統計解析値および光検出装置6の光強度値が光感度設定値として光検出装置6にフィードバックされ、光検出装置6の受光感度は自動的に最適化されるので、このときの受光感度により最適な蛍光測定を行なうことができる。この場合の光検出装置6の受光感度の自動化は、光検出装置6である光電子増倍管への印加電圧を調整することにより行われる。
【0087】
従って、このようにしても、蛍光像取得の際は、光検出装置6からの光強度値に基づいた受光感度設定装置10の受光感度設定値により光検出装置6の受光感度が自動的に最適化され、また、光強度統計解析値取得の際は、各時間窓ごとの光量の範囲に対して光検出装置6の受光感度が自動的に最適化されるので、蛍光像測定や蛍光相関測定において光量が様々異なる測定に対しても、光検出装置6により最適な蛍光測定を行なうことができる。また、蛍光像は、光検出装置6の光強度値を、受光感度設定装置10からの受光感度設定値により補正し、この補正された光強度値と測定点移動装置3からの測定点位置データから求めるようにしているので、精度の高い蛍光像を取得することもできる。
【0088】
また、この場合も、光検出装置6の感度の自動化は、光検出装置6である光電子増倍管への印加電圧を変化させることにより行われ、フィルターなどの光学調整に影響を与えるものを使用していないので、光学調整に影響を与えることなく、この発明を実施できるという特有の効果がある。
【0089】
なお、第3の実施の形態の各構成は、各種の変形、変更が可能である。例えば、受光感度設定装置10へ様々な装置からのデータや各種の設定条件を入力し、それらに基づいて受光感度設定値を出力してもよい。また、測定点位置データは、測定点移動装置3以外の他の手段から得るようにしてもよい。例えば、測定点移動装置3の代わりに可動式の試料保持装置を用いることができる。また、測定点移動装置3の設置位置を変えることもできる。さらに、励起光路と検出光路の重なる領域が無いようにすることで、分光装置2を省略することができる。あるいは、試料9が十分な蛍光を発する場合、光源装置1及び分光装置2は省略できる。さらにまた、複数の励起光学系や複数の検出光学系で構成したり、検出された信号を様々に処理したりして、特殊な効果を得ることができる。
【0090】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。
【0091】
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0092】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、条件が様々に異なる蛍光測定に適切に対応することができる測定装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の概略構成を示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の概略構成を示す図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の概略構成を示す図。
【図4】従来の測定装置の概略構成を示す図。
【図5】従来の測定装置の光検出装置で検出される光強度値を説明する図。
【符号の説明】
1…光源装置
2…分光装置
3…測定点移動装置
4…集光装置
5…試料保持装置
6…光検出装置
7…光強度統計解析装置
8…画像処理装置
9…試料
10…受光感度設定装置

Claims (4)

  1. 試料からの蛍光の強度を検出し光強度値を出力する受光感度を可変可能にした光検出手段と、
    前記光検出手段より検出される光強度値を統計解析する統計解析手段と、
    前記光検出手段の受光感度を設定する受光感度設定値を出力する受光感度設定手段と、を具備し、
    蛍光測定条件により前記光検出手段の受光感度が最適になるように前記受光感度設定手段の受光感度設定値を決定することを特徴とする測定装置。
  2. 試料からの蛍光の強度を検出し光強度値を出力する受光感度を可変可能にした光検出手段と、
    前記光検出手段より検出される光強度値を統計解析し光強度統計解析値を出力する統計解析手段と、
    前記光検出手段の受光感度を設定する受光感度設定値を出力する受光感度設定手段と、を具備し、
    前記統計解析手段の光強度統計解析値に応じて前記光検出手段の受光感度が最適になるように前記受光感度設定手段の受光感度設定値を決定することを特徴とする測定装置。
  3. 試料からの蛍光の強度を検出し光強度値を出力する受光感度を可変可能にした光検出手段と、
    前記光検出手段より検出される光強度値を統計解析し光強度統計解析値を出力する統計解析手段と、
    前記光検出手段の光強度値または前記統計解析手段の光強度統計解析値に応じて前記光検出手段の受光感度を設定する受光感度設定値を出力する受光感度設定手段と、
    前記試料上での光強度の測定点の位置を移動させるとともに、測定点の位置データを出力する測定点移動手段と、
    前記測定点移動手段の測定点位置データと前記光検出手段からの光強度値に基づいて観察像を生成する画像処理手段と
    を具備したことを特徴とする測定装置。
  4. 画像処理手段は、受光感度設定手段の受光感度設定値により前記光検出手段の光強度値を補正し、該補正された光強度値と前記測定点移動手段の測定点位置データに基づいて観察像を生成することを特徴とする請求項3記載の測定装置。
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