JP2004354347A - 蛍光測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光強度統計解析値を利用した光学部品の調整を行うことができる蛍光測定装置を提供すること。
【解決手段】試料中の蛍光物質を励起させるための光源(1)と、前記蛍光物質から発せられる蛍光を集光する集光レンズ(6)と、前記集光レンズで集光された蛍光を通す空間フィルター(4)と、前記空間フィルターを通った蛍光を検出する光検出器(8)と、前記光検出器からの出力信号を解析する信号解析部(9)と、前記信号解析部により得られた解析結果に基づいて、前記集光レンズ及び前記空間フィルターの少なくとも一方の配置位置を調整する調整部(10)と、を具備。
【選択図】 図1
【解決手段】試料中の蛍光物質を励起させるための光源(1)と、前記蛍光物質から発せられる蛍光を集光する集光レンズ(6)と、前記集光レンズで集光された蛍光を通す空間フィルター(4)と、前記空間フィルターを通った蛍光を検出する光検出器(8)と、前記光検出器からの出力信号を解析する信号解析部(9)と、前記信号解析部により得られた解析結果に基づいて、前記集光レンズ及び前記空間フィルターの少なくとも一方の配置位置を調整する調整部(10)と、を具備。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、蛍光強度を統計解析する例として、蛍光相関分光について述べる。蛍光相関分光に関しては、例えば、”Fluorescence correlation spectroscopy” R.Rigler, E.S.Elson(eds.) Springer(Berlin)や、金城政孝「蛋白質 核酸 酵素(1999)Vol.44,No.9,p1431−1437」、特表平11−502608などに論じられている。
【0003】
図9は、従来例に係る蛍光相関分光装置の構成を示す図である。この装置は、レーザー光源1と、ダイクロイックミラー2と、第1レンズ31,第2レンズ32と、ピンホール4と、対物レンズ6と、試料保持装置7と、アバランシェフォトダイオード8と、相関解析ボード9とを有する。
【0004】
この装置は以下のように作用する。レーザー光源1から励起光が照射される。励起光はダイクロイックミラー2、第1レンズ31、ピンホール4、第2レンズ32、及び対物レンズ6を経由し、試料Sに到る。励起光の照射により、試料Sは蛍光を発する。その蛍光は対物レンズ6、第2レンズ32、ピンホール4、第1レンズ31、ダイクロイックミラー2を経てアバランシェフォトダイオード8に到る。アバランシェフォトダイオード8からは、蛍光の強度を示す光強度値が出力される。相関解析ボード9では、該光強度値の統計解析がなされ、その結果である光強度統計解析値が出力される。
【0005】
従来では、このように蛍光の統計解析がなされていた。蛍光相関解析では、粒子の蛍光強度のゆらぎを測定し、これを解析して自己相関関数を求める。この自己相関関数から、対象とする粒子の拡散時間、濃度、大きさなどを推測することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の光強度統計解析値は、測定点における励起光の強度分布及び蛍光検出光学系の空間応答関数を強く反映する。そのため、光強度統計解析値の測定の際には、レンズ、ミラー、ピンホールなどの光学部品の位置や角度などの正確な調整が必要である。
【0007】
しかしながら従来では、このような調整に用いるのに十分に敏感な調整感知機構を持った光学部品の調整装置は存在しなかった。従来では、参照レーザー光を調整対象の光路に入射し、そのレーザー光の強度を参考にするなどして、光学部品の調整を行っていた。あるいは、ピンホールを通過するレーザー光の強度を最大化するようにピンホール位置を動かすなどして、ピンホール位置の調整を行っていた。しかしこれらの手法では、光強度統計解析値の測定に際して、充分な精度の調整はできなかった。
【0008】
このように技術技術では、蛍光信号を統計解析する測定を利用して光学部品の位置や角度を調整することは行われておらず、光強度統計解析値を利用した光学部品の調整を行うことできない。
【0009】
本発明の目的は、光強度統計解析値を利用した光学部品の調整を行うことができる蛍光測定装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
課題を解決し目的を達成するために、本発明の蛍光測定装置は以下の如く構成されている。
【0011】
(1)本発明の蛍光測定装置は、試料中の蛍光物質を励起させるための光源と、前記蛍光物質から発せられる蛍光を集光する集光レンズと、前記集光レンズで集光された蛍光を通す空間フィルターと、前記空間フィルターを通った蛍光を検出する光検出器と、前記光検出器からの出力信号を解析する信号解析部と、前記信号解析部により得られた解析結果に基づいて、前記集光レンズ及び前記空間フィルターの少なくとも一方の配置位置を調整する調整部と、から構成されている。
【0012】
(2)本発明の蛍光測定装置は上記(1)に記載の装置であり、かつ前記信号解析部は、前記試料中の蛍光物質から発せられる蛍光強度の時間的な変化を求め、強度ゆらぎを統計解析する。
【0013】
(3)本発明の蛍光測定装置は上記(2)に記載の装置であり、かつ前記信号解析部は、前記蛍光強度の時間的な変化の時間平均値及び分散の少なくとも一方を求める。
【0014】
(4)本発明の蛍光測定装置は上記(3)に記載の装置であり、かつ前記信号解析部は、前記蛍光強度の時間的な変化の時間平均値及び分散の少なくとも一方が最大となる空間位置、あるいは前記時間平均値と前記分散が最大になる空間位置を求める。
【0015】
(5)本発明の蛍光測定装置は上記(1)に記載の装置であり、かつ前記光源を強度分布が略ガウス分布となる光源とし、前記信号解析部は、前記集光レンズにより集光された前記光源からの光の焦点近傍において、濃度が既知の蛍光分子による蛍光の強度ゆらぎの規格化された自己相関関数を以下の式で表わし、ωxy/ωzをストラクチャーパラメーターとし、
C(τ)=1+(1/N)(1+4Dτ/ω2 xy)−1(1+4Dτ/ω2 z)−1/2
τ:時間間隔、N:視野内に観測される蛍光分子の平均分子数、
D:蛍光分子の並進拡散係数、
ωxy:光の集光領域の最も小さい半径
ωz:光の集光領域の長さの1/2
前記調整部は、前記ストラクチャーパラメーターが最小となる空間位置に前記集光レンズ及び前記空間フィルターの少なくとも一方の配置位置を調整する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る蛍光測定装置の構成を示す図である。この蛍光測定装置は、レーザー光源1と、ダイクロイックミラー2と、第1レンズ31,第2レンズ32と、ピンホール(空間フィルター)4と、ピンホール位置移動部5と、対物レンズ6と、試料保持装置7と、アバランシェフォトダイオード8と、相関解析ボード9と、コンピュータ10とを有する。
【0018】
例えば、レーザー光源1として発振波長488nmのアルゴンレーザーを、ダイクロイックミラー2として波長500nm未満の光を反射し500nm以上の光を透過するダイクロイックミラーを、集光系として倍率40倍で開口数1.2の対物レンズ6を、試料保持装置7として顕微鏡用試料ステージを用いる。
【0019】
ピンホール位置移動部5には、ステッピングモーターとセンサーの組み合わせ等を用いると良い。ピンホール4面上に励起光と蛍光が共に集光され、その光の径がピンホールの径よりも大きくなるようにレンズ31,32とピンホール4とを調整すると、空間的に高分解能の測定を行える。
【0020】
本第1の実施の形態においては、測定対象粒子をローダミングリーン色素で標識するとよい。なお、光路上では上記の他にもレンズ、ピンホール、ミラー、各種フィルター等の光学部品を適宜用いることができる。
【0021】
次に、本第1の実施の形態の作用を説明する。レーザー光源1から励起光が照射される。励起光はダイクロイックミラー2、第1レンズ31、ピンホール4、第2レンズ32、対物レンズ6を経由し、試料Sに到る。励起光の照射により、試料S中の蛍光物質は蛍光を発する。その蛍光は、対物レンズ6により集光され、第2レンズ32、ピンホール4、第1レンズ31、ダイクロイックミラー2を通ってアバランシェフォトダイオード8に到る。
【0022】
アバランシェフォトダイオード8は、蛍光を検出し、蛍光の強度を示す光強度値の信号を出力する。相関解析ボード9では、入力した該信号から該光強度値の統計解析がなされ、その結果である光強度統計解析値が出力される。具体的には、相関解析ボード9は、試料S中の該蛍光物質から発せられる蛍光強度の時間的な変化(強度ゆらぎ)を求め、該強度ゆらぎを統計解析する。相関解析ボード9は、該強度ゆらぎの時間平均値と分散、あるいは該時間平均値と分散のいずれか、またはこれらを元に算出された値を光強度統計解析値として求める。これら光強度統計解析値は、外部及びコンピュータ10へ出力される。ピンホール位置移動部5は、ピンホール位置情報をコンピュータ10へ出力する。
【0023】
コンピュータ10は、入力した光強度統計解析値に従って光学部品調整指示を出力する。ピンホール位置移動部5は、該光学部品調整指示に従って作動し、これによりピンホール4の位置が調整される。蛍光強度の時間的な変化(強度ゆらぎ)の時間平均値、分散のいずれかが最大となる空間位置、あるいは時間平均値と分散が最大になる空間位置に、最終的にはピンホールの位置が調整される。
【0024】
次に、本第1の実施の形態の作用の具体例として、10nMのローダミングリーン水溶液を試料に用いてピンホールの位置を調整する場合を示す。まず、ピンホール4の位置を光軸方向に対して垂直な一方向に調整する場合を取り上げる。
【0025】
図2は、本第1の実施の形態に係るピンホールの位置調整の手順を示すフローチャートである。まずステップS1で、相関解析ボード9は、試料Sからの蛍光強度値をアバランシェフォトダイオード8から受け取り、この蛍光強度値に基づき自己相関関数によりストラクチャーパラメーターを算出する。ストラクチャーパラメーターは、光強度統計解析値に含まれる。(ストラクチャーパラメーターについては後述する。)このストラクチャーパラメーターは、コンピュータ10に送られる。
【0026】
ステップS2で、コンピュータ10は、ストラクチャーパラメーターの出力と同時にピンホール4から出力されるピンホール位置情報を取り込む。そしてコンピュータ10は、図3に示すようにピンホール位置を横軸、ストラクチャーパラメーターを縦軸に取り、2次のカーブフィッティングを行う。これにより、ステップS3で、コンピュータ10は図3に矢印で示すように、ストラクチャーパラメーターを最小とするピンホール位置(空間位置)を決定する。ステップS4で、コンピュータ10はこの位置をピンホール設置位置として決定する。このピンホール設置位置にピンホール4を移動させるためのピンホール調整指示が、コンピュータ10からピンホール位置移動部5へ出力される。ピンホール位置移動部5は、該ピンホール調整指示に従って作動し、これによりピンホール4の位置が調整される。
【0027】
この様にして、光学調整が最良となる位置に、ピンホール4が自動的にセットされる。なお、同様の動作を光軸(Z軸)方向、および光軸方向とX軸方向とに対して直交する軸(Y軸)方向においても行うことにより、3次元的に最適な位置にピンホールをセットすることができる。
【0028】
図4は、ストラクチャーパラメーターについて説明するための測定領域拡大図であり、(a)は測定領域付近の模式図、(b)は(a)の丸印部Aの拡大図である。レーザー光源1は、強度分布が略ガウス分布となる光源とする。本第1の実施の形態における、試料の測定、検出が可能な空間は、図4(a)に示すように、レーザー光源1から光が対物レンズ6により集光され集中している中心部(焦点近傍)のみである。この測定空間を図4(b)のように円柱に近似すると、濃度が既知の蛍光分子による蛍光の強度ゆらぎの規格化された自己相関関数C(τ)は、以下の式を満たす。なお、τは自己相関を算出する際の時間間隔を示す。
【0029】
C(τ)=1+(1/N)(1+4Dτ/ω2 xy)−1(1+4Dτ/ω2 z)−1/2……(1)
ここで、Nは視野内に観測される蛍光分子の平均分子数、Dは蛍光分子の並進拡散係数、ωxyは光の測定領域の半径、ωzは光の測定領域の軸長(長さの1/2)である。この円柱の半径に対する軸長の比率(ωxy/ωz)をストラクチャーパラメーターと称する。
【0030】
光強度統計解析法の1つである自己相関解析により、自己相関関数C(τ)は求められる。実測される光強度の時間変化を統計解析し、自己相関関数を求め、上記式(1)を用いてカーブフィッティングを行うことにより、ストラクチャーパラメーターを算出することができる。
【0031】
なお、ストラクチャーパラメーターは、ピンホールの位置ずれに対して非常に鋭敏に反応する。このため、従来の方法よりも高精度にピンホールの位置調整を行うことができる。本第1の実施の形態に記載の装置においては、ピンホール位置の調整が測定中に生ずることがある。このため本発明により、測定中のピンホールのずれを防ぐことができる。
【0032】
本第1の実施の形態の構成は、各種の変形、変更が可能である。例えば、ピンホール以外のミラー、レンズ等の光学部品を調整してもよい。また、位置以外に、角度など様々な要素を調整しても良い。あるいは、試料が十分な蛍光を発する場合、光源及び分光装置はなくてもよい。また、複数の励起光学系や複数の検出光学系で装置を構成したり、検出された信号を様々に処理したりすることで、特殊な効果を得ることができる。
【0033】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る蛍光測定装置の構成を示す図である。図5において図1と同一な部分には同符号を付してある。この蛍光測定装置は、レーザー光源1と、ダイクロイックミラー2と、第1レンズ31,第2レンズ32と、ピンホール4と、補正環60付の対物レンズ61と、補正環角度変更部11と、試料保持装置7と、アバランシェフォトダイオード8と、相関解析ボード9と、コンピュータ10とを有する。
【0034】
例えば、レーザー光源1として発振波長488nmのアルゴンレーザーを、ダイクロイックミラー2として波長500nm未満の光を反射し500nm以上の光を透過するダイクロイックミラーを、集光系として倍率40倍で開口数1.2の対物レンズ61を、試料保持装置7として顕微鏡用試料ステージを用いる。
【0035】
補正環角度変更部11には、ステッピングモーターとセンサーの組み合わせ等を用いると良い。ピンホール4面上に励起光と蛍光が共に集光され、その光の径がピンホール径よりも大きくなるように第1レンズ31,第2レンズ32とピンホール4とを調整すると、空間的に高分解能の測定を行える。
【0036】
本第2の実施の形態においては、測定対象粒子をローダミングリーン色素で標識するとよい。なお、光路上では上記の他にもレンズ、ピンホール、ミラー、各種フィルター等の光学部品を適宜用いることができる。
【0037】
次に、本第2の実施の形態の作用を説明する。レーザー光源1から励起光が照射される。励起光はダイクロイックミラー2、第1レンズ31、ピンホール4、第2レンズ32、対物レンズ61を経由し、試料Sに到る。励起光の照射により、試料S中の蛍光物質は蛍光を発する。その蛍光は、対物レンズ61により集光され、第2レンズ32、ピンホール4、第1レンズ31、ダイクロイックミラー2を通ってアバランシェフォトダイオード8に到る。
【0038】
アバランシェフォトダイオード8は、蛍光を検出し、蛍光の強度を示す光強度値の信号を出力する。相関解析ボード9では、入力した該信号から該光強度値の統計解析がなされ、その結果である光強度統計解析値が出力される。この光強度統計解析値は、外部及びコンピュータ10へ出力される。補正環角度変更部11は、補正環角度情報をコンピュータ10へ出力する。
【0039】
コンピュータ10は、入力した光強度統計解析値に従って対物レンズ調整指示を出力する。補正環角度変更部11は、該対物レンズ調整指示に従って作動し、これにより補正環60の角度が調整される。
【0040】
次に、本第2の実施の形態の作用の具体例として、10nMのローダミングリーン水溶液を試料に用いて補正環の角度を調整する場合を示す。
【0041】
図6は、本第2の実施の形態に係る補正環の角度調整の手順を示すフローチャートである。まずステップS11で、相関解析ボード9は、試料Sからの蛍光強度値をアバランシェフォトダイオード8から受け取り、この蛍光強度値に基づき自己相関関数よりストラクチャーパラメーターを算出する。ストラクチャーパラメーターは、光強度統計解析値に含まれる。(ストラクチャーパラメーターについては後述する。)このストラクチャーパラメーターは、コンピュータ10に送られる。
【0042】
ステップS12で、コンピュータ10は、ストラクチャーパラメーターの出力と同時に補正環角度変更部11から出力される補正環角度情報を取り込む。そしてコンピュータ10は、図7に示すように補正環角度を横軸、ストラクチャーパラメーターを縦軸に取り、2次のカーブフィッティングを行う。これにより、ステップS13で、コンピュータ10は図7に矢印で示すように、ストラクチャーパラメーターを最小とする補正環角度を決定する。ステップS14で、コンピュータ10はこの角度を補正環設置角度として決定する。この位置に補正環角度を変更させるための対物レンズ調整指示が、コンピュータ10から補正環角度変更部11へ出力される。補正環角度変更部11は、該対物レンズ調整指示に従って作動し、これにより対物レンズ61の補正環60の角度が調整される。
【0043】
この様にして、光学調整が最良となる位置に、対物レンズ61の補正環が自動的にセットされる。
【0044】
ストラクチャーパラメーターについて説明は、第1の実施の形態で図4を基に述べた通りである。なお、ストラクチャーパラメーターは、対物レンズの補正環の調整に対して非常に鋭敏に反応する。このため、従来の方法よりも高精度に補正環の角度調整を行うことができる。従来の装置では、補正環の角度調整を手動で行っており、この調整の際に対物レンズ表面を汚染してしまうことがあった。しかし本第2の実施の形態に従い、補正環の角度調整を自動化することにより、従来のような対物レンズの汚染を防ぐことができるという効果を奏する。
【0045】
本第2の実施の形態の構成は、各種の変形、変更が可能である。例えば、対物レンズ以外のミラー、レンズ等の光学部品を調整してもよい。また、角度以外に、位置など様々な要素を調整しても良い。あるいは、試料が十分な蛍光を発する場合、光源及び分光装置はなくてもよい。また、複数の励起光学系や複数の検出光学系で装置を構成したり、検出された信号を様々に処理したりすることで、特殊な効果を得ることができる。
【0046】
(第3の実施の形態)
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る蛍光測定装置の構成を示す図である。図8において図1,図5と同一な部分には同符号を付してある。この蛍光測定装置は、レーザー光源1と、ダイクロイックミラー2と、第1レンズ31,第2レンズ32と、ピンホール4と、ピンホール位置移動部5と、補正環60付の対物レンズ61と、補正環角度変更部11と、試料保持装置7と、アバランシェフォトダイオード8と、相関解析ボード9と、コンピュータ10とを有する。
【0047】
例えば、レーザー光源1として発振波長488nmのアルゴンレーザーを、ダイクロイックミラー2として波長500nm未満の光を反射し500nm以上の光を透過するダイクロイックミラーを、集光系として補正環付き倍率40倍で開口数1.2の対物レンズ61を、試料保持装置7として顕微鏡用試料ステージを用いる。
【0048】
ピンホール位置移動部5及び補正環角度変更部11には、ステッピングモーターとセンサーの組み合わせ等を用いると良い。ピンホール4面上に励起光と蛍光が共に集光され、その光の径がピンホールの径よりも大きくなるようにレンズ31,32とピンホール4とを調整すると、空間的に高分解能の測定を行える。
【0049】
本第3の実施の形態においては、測定対象粒子をローダミングリーン色素で標識するとよい。なお、光路上では上記の他にもレンズ、ピンホール、ミラー、各種フィルター等の光学部品を適宜用いることができる。
【0050】
次に、本第3の実施の形態の作用を説明する。レーザー光源1から励起光が照射される。励起光はダイクロイックミラー2、第1レンズ31、ピンホール4、第2レンズ32、対物レンズ61を経由し、試料Sに到る。励起光の照射により、試料S中の蛍光物質は蛍光を発する。その蛍光は、対物レンズ61により集光され、第2レンズ32、ピンホール4、第1レンズ31、ダイクロイックミラー2を通ってアバランシェフォトダイオード8に到る。
【0051】
アバランシェフォトダイオード8は、蛍光を検出し、蛍光の強度を示す光強度値の信号を出力する。相関解析ボード9では、入力した該信号から該光強度値の統計解析がなされ、その結果である光強度統計解析値が出力される。この光強度統計解析値は、外部及びコンピュータ10へ出力される。ピンホール位置移動部5は、ピンホール位置情報をコンピュータ10へ出力する。補正環角度変更部11は、補正環角度情報をコンピュータ10へ出力する。
【0052】
コンピュータ10は、入力した光強度統計解析値に従ってピンホール調整指示及び対物レンズ調整指示を出力する。ピンホール位置移動部5は、該ピンホール調整指示に従って作動し、これによりピンホール4の位置が調整される。補正環角度変更部11は、該対物レンズ調整指示に従って作動し、これにより対物レンズ61の補正環60の角度が調整される。
【0053】
本第3の実施の形態に係るピンホールの位置調整の手順は、第1の実施の形態において図2を基に述べた通りであり、本第3の実施の形態に係る補正環の角度調整の手順は、第2の実施の形態において図6を基に述べた通りである。
【0054】
ストラクチャーパラメーターについて説明は、第1の実施の形態で図4を基に述べた通りである。なお、ストラクチャーパラメーターは、ピンホールの位置ずれや対物レンズの補正環のずれに対して非常に鋭敏に反応する。このため、従来の方法よりも高精度にピンホールと補正環の調整を行うことができる。本第1の実施の形態に記載の装置においては、ピンホール位置の調整が測定中に生ずることがある。このため本発明により、測定中のピンホールのずれを防ぐことができる。また従来の装置では、補正環の角度調整を手動で行っており、この調整の際に対物レンズ表面を汚染してしまうことがあった。しかし本第3の実施の形態に従い、補正環の角度調整を自動化することにより、従来のような対物レンズの汚染を防ぐことができるという効果を奏する。
【0055】
また本第3の実施の形態では、上記の2つの制御を同一のコンピュータで処理することができること、およびデータ処理が似通っていることから、共用できるデータ処理ルーチンが多い。このため、この2つの制御を同時に行える本発明により、比較的安価でかつ高機能な装置を提供できる。
【0056】
本第3の実施の形態の構成は、各種の変形、変更が可能である。例えば、ピンホールや対物レンズ以外のミラー、レンズ等の光学部品を調整してもよい。また、位置や角度以外に様々な要素を調整しても良い。あるいは、試料が十分な蛍光を発する場合、光源及び分光装置はなくてもよい。また、複数の励起光学系や複数の検出光学系で装置を構成したり、検出された信号を様々に処理したりすることで、特殊な効果を得ることができる。
【0057】
(実施の形態のまとめ)
上記実施の形態における蛍光測定装置は、試料からの蛍光を検出し該試料からの蛍光の強度を示す光強度値を出力する光検出器(アバランシェフォトダイオード)と、該光強度値を統計解析することにより光強度統計解析値を算出する統計解析部(相関解析ボード)とを有する装置において、該光強度統計解析値に従って光学部品調整指示(第1,3の実施の形態ではピンホール調整指示、第2の実施の形態では対物レンズ調整指示)を出力するデータ処理部(コンピュータ)と、該光学部品調整指示に従って調整される光学部品(第1,3の実施の形態ではピンホール、第2,3の実施の形態では対物レンズ)とを有する。
【0058】
この構成は図1,5,8に示され、第1,2,3の実施の形態が対応する。この構成において、光検出器はアバランシェフォトダイオードが該当するが、フォトマルチプライヤー、CCDカメラなども含む。統計解析部は、相関解析ボードが該当するが、相関演算以外の統計解析を行う装置やコンピュータなど、ボード以外の様態なども含む。データ処理部は、コンピュータが該当するが、ボードなど他の様態も含む。光学部品は、ピンホールと対物レンズが該当するが、各種レンズやミラー、絞りなども含む。
【0059】
光検出器(アバランシェフォトダイオード)からは、試料からの蛍光の強度を示す光強度値が出力される。統計解析部(相関解析ボード)では、該光強度値が統計解析され、該光強度値に基づく光強度の統計解析値である光強度統計解析値が出力される。データ処理部(コンピュータ)では、該光強度統計解析値に従って光学部品調整指示(ピンホール調整指示、対物レンズ調整指示)が出力される。該光学部品調整指示に従って光学部品(ピンホール、対物レンズ)が調整される。
【0060】
本実施の形態によれば、蛍光信号を統計解析する測定を利用して光学部品を調整することが可能である。
【0061】
なお、本発明は上記各実施の形態のみに限定されず、要旨を変更しない範囲で適宜変形して実施できる。例えば、上述した実施の形態におけるピンホールの代わりに点光源を形成し得るシングルモードの半導体(例えばファイバー)を、ピンホールと同様の空間フィルターとして採用してもよい。また、上述した実施の形態では、蛍光相関分光法を用いた測定を例に説明したが、本発明はこれに限定されることはない。すなわち本発明は、測定対象としての試料の特定部位または特定領域に限定して種々の光学特性(偏光、散乱、電気化学発光、共鳴エネルギー転移、プラズモン共鳴等)を測定する任意の微小光学測定に適用可能である。また、試料の保持手段も、細胞、試料溶液その他の適宜の測定対象となる試料を、所定の位置に充分な測定条件となるように保持し得る任意の構成要素(容器、溶液成分、温度制御部、光学素子材料等)で有り得る。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、蛍光信号を統計解析する蛍光測定装置において光強度統計解析値を利用した光学部品の調整を行うことができる。これにより、従来は不可能であった高精度な光学部品の調整を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る蛍光測定装置の構成を示す図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るピンホールの位置調整の手順を示すフローチャート。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るピンホールの移動位置算出法に関する図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る測定領域拡大図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る蛍光測定装置の構成を示す図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る補正環の角度調整の手順を示すフローチャート。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る補正環の角度算出法に関する図。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る蛍光測定装置の構成を示す図。
【図9】従来例に係る蛍光相関分光装置の構成を示す図。
【符号の説明】
1…レーザー光源 2…ダイクロイックミラー 31…第1レンズ 32…第2レンズ 4…ピンホール 5…ピンホール位置移動部 6…対物レンズ 60…補正環 61…対物レンズ 7…試料保持装置 8…アバランシェフォトダイオード 9…相関解析ボード 10…コンピュータ 11…補正環角度変更部 S…試料
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、蛍光強度を統計解析する例として、蛍光相関分光について述べる。蛍光相関分光に関しては、例えば、”Fluorescence correlation spectroscopy” R.Rigler, E.S.Elson(eds.) Springer(Berlin)や、金城政孝「蛋白質 核酸 酵素(1999)Vol.44,No.9,p1431−1437」、特表平11−502608などに論じられている。
【0003】
図9は、従来例に係る蛍光相関分光装置の構成を示す図である。この装置は、レーザー光源1と、ダイクロイックミラー2と、第1レンズ31,第2レンズ32と、ピンホール4と、対物レンズ6と、試料保持装置7と、アバランシェフォトダイオード8と、相関解析ボード9とを有する。
【0004】
この装置は以下のように作用する。レーザー光源1から励起光が照射される。励起光はダイクロイックミラー2、第1レンズ31、ピンホール4、第2レンズ32、及び対物レンズ6を経由し、試料Sに到る。励起光の照射により、試料Sは蛍光を発する。その蛍光は対物レンズ6、第2レンズ32、ピンホール4、第1レンズ31、ダイクロイックミラー2を経てアバランシェフォトダイオード8に到る。アバランシェフォトダイオード8からは、蛍光の強度を示す光強度値が出力される。相関解析ボード9では、該光強度値の統計解析がなされ、その結果である光強度統計解析値が出力される。
【0005】
従来では、このように蛍光の統計解析がなされていた。蛍光相関解析では、粒子の蛍光強度のゆらぎを測定し、これを解析して自己相関関数を求める。この自己相関関数から、対象とする粒子の拡散時間、濃度、大きさなどを推測することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の光強度統計解析値は、測定点における励起光の強度分布及び蛍光検出光学系の空間応答関数を強く反映する。そのため、光強度統計解析値の測定の際には、レンズ、ミラー、ピンホールなどの光学部品の位置や角度などの正確な調整が必要である。
【0007】
しかしながら従来では、このような調整に用いるのに十分に敏感な調整感知機構を持った光学部品の調整装置は存在しなかった。従来では、参照レーザー光を調整対象の光路に入射し、そのレーザー光の強度を参考にするなどして、光学部品の調整を行っていた。あるいは、ピンホールを通過するレーザー光の強度を最大化するようにピンホール位置を動かすなどして、ピンホール位置の調整を行っていた。しかしこれらの手法では、光強度統計解析値の測定に際して、充分な精度の調整はできなかった。
【0008】
このように技術技術では、蛍光信号を統計解析する測定を利用して光学部品の位置や角度を調整することは行われておらず、光強度統計解析値を利用した光学部品の調整を行うことできない。
【0009】
本発明の目的は、光強度統計解析値を利用した光学部品の調整を行うことができる蛍光測定装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
課題を解決し目的を達成するために、本発明の蛍光測定装置は以下の如く構成されている。
【0011】
(1)本発明の蛍光測定装置は、試料中の蛍光物質を励起させるための光源と、前記蛍光物質から発せられる蛍光を集光する集光レンズと、前記集光レンズで集光された蛍光を通す空間フィルターと、前記空間フィルターを通った蛍光を検出する光検出器と、前記光検出器からの出力信号を解析する信号解析部と、前記信号解析部により得られた解析結果に基づいて、前記集光レンズ及び前記空間フィルターの少なくとも一方の配置位置を調整する調整部と、から構成されている。
【0012】
(2)本発明の蛍光測定装置は上記(1)に記載の装置であり、かつ前記信号解析部は、前記試料中の蛍光物質から発せられる蛍光強度の時間的な変化を求め、強度ゆらぎを統計解析する。
【0013】
(3)本発明の蛍光測定装置は上記(2)に記載の装置であり、かつ前記信号解析部は、前記蛍光強度の時間的な変化の時間平均値及び分散の少なくとも一方を求める。
【0014】
(4)本発明の蛍光測定装置は上記(3)に記載の装置であり、かつ前記信号解析部は、前記蛍光強度の時間的な変化の時間平均値及び分散の少なくとも一方が最大となる空間位置、あるいは前記時間平均値と前記分散が最大になる空間位置を求める。
【0015】
(5)本発明の蛍光測定装置は上記(1)に記載の装置であり、かつ前記光源を強度分布が略ガウス分布となる光源とし、前記信号解析部は、前記集光レンズにより集光された前記光源からの光の焦点近傍において、濃度が既知の蛍光分子による蛍光の強度ゆらぎの規格化された自己相関関数を以下の式で表わし、ωxy/ωzをストラクチャーパラメーターとし、
C(τ)=1+(1/N)(1+4Dτ/ω2 xy)−1(1+4Dτ/ω2 z)−1/2
τ:時間間隔、N:視野内に観測される蛍光分子の平均分子数、
D:蛍光分子の並進拡散係数、
ωxy:光の集光領域の最も小さい半径
ωz:光の集光領域の長さの1/2
前記調整部は、前記ストラクチャーパラメーターが最小となる空間位置に前記集光レンズ及び前記空間フィルターの少なくとも一方の配置位置を調整する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る蛍光測定装置の構成を示す図である。この蛍光測定装置は、レーザー光源1と、ダイクロイックミラー2と、第1レンズ31,第2レンズ32と、ピンホール(空間フィルター)4と、ピンホール位置移動部5と、対物レンズ6と、試料保持装置7と、アバランシェフォトダイオード8と、相関解析ボード9と、コンピュータ10とを有する。
【0018】
例えば、レーザー光源1として発振波長488nmのアルゴンレーザーを、ダイクロイックミラー2として波長500nm未満の光を反射し500nm以上の光を透過するダイクロイックミラーを、集光系として倍率40倍で開口数1.2の対物レンズ6を、試料保持装置7として顕微鏡用試料ステージを用いる。
【0019】
ピンホール位置移動部5には、ステッピングモーターとセンサーの組み合わせ等を用いると良い。ピンホール4面上に励起光と蛍光が共に集光され、その光の径がピンホールの径よりも大きくなるようにレンズ31,32とピンホール4とを調整すると、空間的に高分解能の測定を行える。
【0020】
本第1の実施の形態においては、測定対象粒子をローダミングリーン色素で標識するとよい。なお、光路上では上記の他にもレンズ、ピンホール、ミラー、各種フィルター等の光学部品を適宜用いることができる。
【0021】
次に、本第1の実施の形態の作用を説明する。レーザー光源1から励起光が照射される。励起光はダイクロイックミラー2、第1レンズ31、ピンホール4、第2レンズ32、対物レンズ6を経由し、試料Sに到る。励起光の照射により、試料S中の蛍光物質は蛍光を発する。その蛍光は、対物レンズ6により集光され、第2レンズ32、ピンホール4、第1レンズ31、ダイクロイックミラー2を通ってアバランシェフォトダイオード8に到る。
【0022】
アバランシェフォトダイオード8は、蛍光を検出し、蛍光の強度を示す光強度値の信号を出力する。相関解析ボード9では、入力した該信号から該光強度値の統計解析がなされ、その結果である光強度統計解析値が出力される。具体的には、相関解析ボード9は、試料S中の該蛍光物質から発せられる蛍光強度の時間的な変化(強度ゆらぎ)を求め、該強度ゆらぎを統計解析する。相関解析ボード9は、該強度ゆらぎの時間平均値と分散、あるいは該時間平均値と分散のいずれか、またはこれらを元に算出された値を光強度統計解析値として求める。これら光強度統計解析値は、外部及びコンピュータ10へ出力される。ピンホール位置移動部5は、ピンホール位置情報をコンピュータ10へ出力する。
【0023】
コンピュータ10は、入力した光強度統計解析値に従って光学部品調整指示を出力する。ピンホール位置移動部5は、該光学部品調整指示に従って作動し、これによりピンホール4の位置が調整される。蛍光強度の時間的な変化(強度ゆらぎ)の時間平均値、分散のいずれかが最大となる空間位置、あるいは時間平均値と分散が最大になる空間位置に、最終的にはピンホールの位置が調整される。
【0024】
次に、本第1の実施の形態の作用の具体例として、10nMのローダミングリーン水溶液を試料に用いてピンホールの位置を調整する場合を示す。まず、ピンホール4の位置を光軸方向に対して垂直な一方向に調整する場合を取り上げる。
【0025】
図2は、本第1の実施の形態に係るピンホールの位置調整の手順を示すフローチャートである。まずステップS1で、相関解析ボード9は、試料Sからの蛍光強度値をアバランシェフォトダイオード8から受け取り、この蛍光強度値に基づき自己相関関数によりストラクチャーパラメーターを算出する。ストラクチャーパラメーターは、光強度統計解析値に含まれる。(ストラクチャーパラメーターについては後述する。)このストラクチャーパラメーターは、コンピュータ10に送られる。
【0026】
ステップS2で、コンピュータ10は、ストラクチャーパラメーターの出力と同時にピンホール4から出力されるピンホール位置情報を取り込む。そしてコンピュータ10は、図3に示すようにピンホール位置を横軸、ストラクチャーパラメーターを縦軸に取り、2次のカーブフィッティングを行う。これにより、ステップS3で、コンピュータ10は図3に矢印で示すように、ストラクチャーパラメーターを最小とするピンホール位置(空間位置)を決定する。ステップS4で、コンピュータ10はこの位置をピンホール設置位置として決定する。このピンホール設置位置にピンホール4を移動させるためのピンホール調整指示が、コンピュータ10からピンホール位置移動部5へ出力される。ピンホール位置移動部5は、該ピンホール調整指示に従って作動し、これによりピンホール4の位置が調整される。
【0027】
この様にして、光学調整が最良となる位置に、ピンホール4が自動的にセットされる。なお、同様の動作を光軸(Z軸)方向、および光軸方向とX軸方向とに対して直交する軸(Y軸)方向においても行うことにより、3次元的に最適な位置にピンホールをセットすることができる。
【0028】
図4は、ストラクチャーパラメーターについて説明するための測定領域拡大図であり、(a)は測定領域付近の模式図、(b)は(a)の丸印部Aの拡大図である。レーザー光源1は、強度分布が略ガウス分布となる光源とする。本第1の実施の形態における、試料の測定、検出が可能な空間は、図4(a)に示すように、レーザー光源1から光が対物レンズ6により集光され集中している中心部(焦点近傍)のみである。この測定空間を図4(b)のように円柱に近似すると、濃度が既知の蛍光分子による蛍光の強度ゆらぎの規格化された自己相関関数C(τ)は、以下の式を満たす。なお、τは自己相関を算出する際の時間間隔を示す。
【0029】
C(τ)=1+(1/N)(1+4Dτ/ω2 xy)−1(1+4Dτ/ω2 z)−1/2……(1)
ここで、Nは視野内に観測される蛍光分子の平均分子数、Dは蛍光分子の並進拡散係数、ωxyは光の測定領域の半径、ωzは光の測定領域の軸長(長さの1/2)である。この円柱の半径に対する軸長の比率(ωxy/ωz)をストラクチャーパラメーターと称する。
【0030】
光強度統計解析法の1つである自己相関解析により、自己相関関数C(τ)は求められる。実測される光強度の時間変化を統計解析し、自己相関関数を求め、上記式(1)を用いてカーブフィッティングを行うことにより、ストラクチャーパラメーターを算出することができる。
【0031】
なお、ストラクチャーパラメーターは、ピンホールの位置ずれに対して非常に鋭敏に反応する。このため、従来の方法よりも高精度にピンホールの位置調整を行うことができる。本第1の実施の形態に記載の装置においては、ピンホール位置の調整が測定中に生ずることがある。このため本発明により、測定中のピンホールのずれを防ぐことができる。
【0032】
本第1の実施の形態の構成は、各種の変形、変更が可能である。例えば、ピンホール以外のミラー、レンズ等の光学部品を調整してもよい。また、位置以外に、角度など様々な要素を調整しても良い。あるいは、試料が十分な蛍光を発する場合、光源及び分光装置はなくてもよい。また、複数の励起光学系や複数の検出光学系で装置を構成したり、検出された信号を様々に処理したりすることで、特殊な効果を得ることができる。
【0033】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る蛍光測定装置の構成を示す図である。図5において図1と同一な部分には同符号を付してある。この蛍光測定装置は、レーザー光源1と、ダイクロイックミラー2と、第1レンズ31,第2レンズ32と、ピンホール4と、補正環60付の対物レンズ61と、補正環角度変更部11と、試料保持装置7と、アバランシェフォトダイオード8と、相関解析ボード9と、コンピュータ10とを有する。
【0034】
例えば、レーザー光源1として発振波長488nmのアルゴンレーザーを、ダイクロイックミラー2として波長500nm未満の光を反射し500nm以上の光を透過するダイクロイックミラーを、集光系として倍率40倍で開口数1.2の対物レンズ61を、試料保持装置7として顕微鏡用試料ステージを用いる。
【0035】
補正環角度変更部11には、ステッピングモーターとセンサーの組み合わせ等を用いると良い。ピンホール4面上に励起光と蛍光が共に集光され、その光の径がピンホール径よりも大きくなるように第1レンズ31,第2レンズ32とピンホール4とを調整すると、空間的に高分解能の測定を行える。
【0036】
本第2の実施の形態においては、測定対象粒子をローダミングリーン色素で標識するとよい。なお、光路上では上記の他にもレンズ、ピンホール、ミラー、各種フィルター等の光学部品を適宜用いることができる。
【0037】
次に、本第2の実施の形態の作用を説明する。レーザー光源1から励起光が照射される。励起光はダイクロイックミラー2、第1レンズ31、ピンホール4、第2レンズ32、対物レンズ61を経由し、試料Sに到る。励起光の照射により、試料S中の蛍光物質は蛍光を発する。その蛍光は、対物レンズ61により集光され、第2レンズ32、ピンホール4、第1レンズ31、ダイクロイックミラー2を通ってアバランシェフォトダイオード8に到る。
【0038】
アバランシェフォトダイオード8は、蛍光を検出し、蛍光の強度を示す光強度値の信号を出力する。相関解析ボード9では、入力した該信号から該光強度値の統計解析がなされ、その結果である光強度統計解析値が出力される。この光強度統計解析値は、外部及びコンピュータ10へ出力される。補正環角度変更部11は、補正環角度情報をコンピュータ10へ出力する。
【0039】
コンピュータ10は、入力した光強度統計解析値に従って対物レンズ調整指示を出力する。補正環角度変更部11は、該対物レンズ調整指示に従って作動し、これにより補正環60の角度が調整される。
【0040】
次に、本第2の実施の形態の作用の具体例として、10nMのローダミングリーン水溶液を試料に用いて補正環の角度を調整する場合を示す。
【0041】
図6は、本第2の実施の形態に係る補正環の角度調整の手順を示すフローチャートである。まずステップS11で、相関解析ボード9は、試料Sからの蛍光強度値をアバランシェフォトダイオード8から受け取り、この蛍光強度値に基づき自己相関関数よりストラクチャーパラメーターを算出する。ストラクチャーパラメーターは、光強度統計解析値に含まれる。(ストラクチャーパラメーターについては後述する。)このストラクチャーパラメーターは、コンピュータ10に送られる。
【0042】
ステップS12で、コンピュータ10は、ストラクチャーパラメーターの出力と同時に補正環角度変更部11から出力される補正環角度情報を取り込む。そしてコンピュータ10は、図7に示すように補正環角度を横軸、ストラクチャーパラメーターを縦軸に取り、2次のカーブフィッティングを行う。これにより、ステップS13で、コンピュータ10は図7に矢印で示すように、ストラクチャーパラメーターを最小とする補正環角度を決定する。ステップS14で、コンピュータ10はこの角度を補正環設置角度として決定する。この位置に補正環角度を変更させるための対物レンズ調整指示が、コンピュータ10から補正環角度変更部11へ出力される。補正環角度変更部11は、該対物レンズ調整指示に従って作動し、これにより対物レンズ61の補正環60の角度が調整される。
【0043】
この様にして、光学調整が最良となる位置に、対物レンズ61の補正環が自動的にセットされる。
【0044】
ストラクチャーパラメーターについて説明は、第1の実施の形態で図4を基に述べた通りである。なお、ストラクチャーパラメーターは、対物レンズの補正環の調整に対して非常に鋭敏に反応する。このため、従来の方法よりも高精度に補正環の角度調整を行うことができる。従来の装置では、補正環の角度調整を手動で行っており、この調整の際に対物レンズ表面を汚染してしまうことがあった。しかし本第2の実施の形態に従い、補正環の角度調整を自動化することにより、従来のような対物レンズの汚染を防ぐことができるという効果を奏する。
【0045】
本第2の実施の形態の構成は、各種の変形、変更が可能である。例えば、対物レンズ以外のミラー、レンズ等の光学部品を調整してもよい。また、角度以外に、位置など様々な要素を調整しても良い。あるいは、試料が十分な蛍光を発する場合、光源及び分光装置はなくてもよい。また、複数の励起光学系や複数の検出光学系で装置を構成したり、検出された信号を様々に処理したりすることで、特殊な効果を得ることができる。
【0046】
(第3の実施の形態)
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る蛍光測定装置の構成を示す図である。図8において図1,図5と同一な部分には同符号を付してある。この蛍光測定装置は、レーザー光源1と、ダイクロイックミラー2と、第1レンズ31,第2レンズ32と、ピンホール4と、ピンホール位置移動部5と、補正環60付の対物レンズ61と、補正環角度変更部11と、試料保持装置7と、アバランシェフォトダイオード8と、相関解析ボード9と、コンピュータ10とを有する。
【0047】
例えば、レーザー光源1として発振波長488nmのアルゴンレーザーを、ダイクロイックミラー2として波長500nm未満の光を反射し500nm以上の光を透過するダイクロイックミラーを、集光系として補正環付き倍率40倍で開口数1.2の対物レンズ61を、試料保持装置7として顕微鏡用試料ステージを用いる。
【0048】
ピンホール位置移動部5及び補正環角度変更部11には、ステッピングモーターとセンサーの組み合わせ等を用いると良い。ピンホール4面上に励起光と蛍光が共に集光され、その光の径がピンホールの径よりも大きくなるようにレンズ31,32とピンホール4とを調整すると、空間的に高分解能の測定を行える。
【0049】
本第3の実施の形態においては、測定対象粒子をローダミングリーン色素で標識するとよい。なお、光路上では上記の他にもレンズ、ピンホール、ミラー、各種フィルター等の光学部品を適宜用いることができる。
【0050】
次に、本第3の実施の形態の作用を説明する。レーザー光源1から励起光が照射される。励起光はダイクロイックミラー2、第1レンズ31、ピンホール4、第2レンズ32、対物レンズ61を経由し、試料Sに到る。励起光の照射により、試料S中の蛍光物質は蛍光を発する。その蛍光は、対物レンズ61により集光され、第2レンズ32、ピンホール4、第1レンズ31、ダイクロイックミラー2を通ってアバランシェフォトダイオード8に到る。
【0051】
アバランシェフォトダイオード8は、蛍光を検出し、蛍光の強度を示す光強度値の信号を出力する。相関解析ボード9では、入力した該信号から該光強度値の統計解析がなされ、その結果である光強度統計解析値が出力される。この光強度統計解析値は、外部及びコンピュータ10へ出力される。ピンホール位置移動部5は、ピンホール位置情報をコンピュータ10へ出力する。補正環角度変更部11は、補正環角度情報をコンピュータ10へ出力する。
【0052】
コンピュータ10は、入力した光強度統計解析値に従ってピンホール調整指示及び対物レンズ調整指示を出力する。ピンホール位置移動部5は、該ピンホール調整指示に従って作動し、これによりピンホール4の位置が調整される。補正環角度変更部11は、該対物レンズ調整指示に従って作動し、これにより対物レンズ61の補正環60の角度が調整される。
【0053】
本第3の実施の形態に係るピンホールの位置調整の手順は、第1の実施の形態において図2を基に述べた通りであり、本第3の実施の形態に係る補正環の角度調整の手順は、第2の実施の形態において図6を基に述べた通りである。
【0054】
ストラクチャーパラメーターについて説明は、第1の実施の形態で図4を基に述べた通りである。なお、ストラクチャーパラメーターは、ピンホールの位置ずれや対物レンズの補正環のずれに対して非常に鋭敏に反応する。このため、従来の方法よりも高精度にピンホールと補正環の調整を行うことができる。本第1の実施の形態に記載の装置においては、ピンホール位置の調整が測定中に生ずることがある。このため本発明により、測定中のピンホールのずれを防ぐことができる。また従来の装置では、補正環の角度調整を手動で行っており、この調整の際に対物レンズ表面を汚染してしまうことがあった。しかし本第3の実施の形態に従い、補正環の角度調整を自動化することにより、従来のような対物レンズの汚染を防ぐことができるという効果を奏する。
【0055】
また本第3の実施の形態では、上記の2つの制御を同一のコンピュータで処理することができること、およびデータ処理が似通っていることから、共用できるデータ処理ルーチンが多い。このため、この2つの制御を同時に行える本発明により、比較的安価でかつ高機能な装置を提供できる。
【0056】
本第3の実施の形態の構成は、各種の変形、変更が可能である。例えば、ピンホールや対物レンズ以外のミラー、レンズ等の光学部品を調整してもよい。また、位置や角度以外に様々な要素を調整しても良い。あるいは、試料が十分な蛍光を発する場合、光源及び分光装置はなくてもよい。また、複数の励起光学系や複数の検出光学系で装置を構成したり、検出された信号を様々に処理したりすることで、特殊な効果を得ることができる。
【0057】
(実施の形態のまとめ)
上記実施の形態における蛍光測定装置は、試料からの蛍光を検出し該試料からの蛍光の強度を示す光強度値を出力する光検出器(アバランシェフォトダイオード)と、該光強度値を統計解析することにより光強度統計解析値を算出する統計解析部(相関解析ボード)とを有する装置において、該光強度統計解析値に従って光学部品調整指示(第1,3の実施の形態ではピンホール調整指示、第2の実施の形態では対物レンズ調整指示)を出力するデータ処理部(コンピュータ)と、該光学部品調整指示に従って調整される光学部品(第1,3の実施の形態ではピンホール、第2,3の実施の形態では対物レンズ)とを有する。
【0058】
この構成は図1,5,8に示され、第1,2,3の実施の形態が対応する。この構成において、光検出器はアバランシェフォトダイオードが該当するが、フォトマルチプライヤー、CCDカメラなども含む。統計解析部は、相関解析ボードが該当するが、相関演算以外の統計解析を行う装置やコンピュータなど、ボード以外の様態なども含む。データ処理部は、コンピュータが該当するが、ボードなど他の様態も含む。光学部品は、ピンホールと対物レンズが該当するが、各種レンズやミラー、絞りなども含む。
【0059】
光検出器(アバランシェフォトダイオード)からは、試料からの蛍光の強度を示す光強度値が出力される。統計解析部(相関解析ボード)では、該光強度値が統計解析され、該光強度値に基づく光強度の統計解析値である光強度統計解析値が出力される。データ処理部(コンピュータ)では、該光強度統計解析値に従って光学部品調整指示(ピンホール調整指示、対物レンズ調整指示)が出力される。該光学部品調整指示に従って光学部品(ピンホール、対物レンズ)が調整される。
【0060】
本実施の形態によれば、蛍光信号を統計解析する測定を利用して光学部品を調整することが可能である。
【0061】
なお、本発明は上記各実施の形態のみに限定されず、要旨を変更しない範囲で適宜変形して実施できる。例えば、上述した実施の形態におけるピンホールの代わりに点光源を形成し得るシングルモードの半導体(例えばファイバー)を、ピンホールと同様の空間フィルターとして採用してもよい。また、上述した実施の形態では、蛍光相関分光法を用いた測定を例に説明したが、本発明はこれに限定されることはない。すなわち本発明は、測定対象としての試料の特定部位または特定領域に限定して種々の光学特性(偏光、散乱、電気化学発光、共鳴エネルギー転移、プラズモン共鳴等)を測定する任意の微小光学測定に適用可能である。また、試料の保持手段も、細胞、試料溶液その他の適宜の測定対象となる試料を、所定の位置に充分な測定条件となるように保持し得る任意の構成要素(容器、溶液成分、温度制御部、光学素子材料等)で有り得る。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、蛍光信号を統計解析する蛍光測定装置において光強度統計解析値を利用した光学部品の調整を行うことができる。これにより、従来は不可能であった高精度な光学部品の調整を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る蛍光測定装置の構成を示す図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るピンホールの位置調整の手順を示すフローチャート。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るピンホールの移動位置算出法に関する図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る測定領域拡大図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る蛍光測定装置の構成を示す図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る補正環の角度調整の手順を示すフローチャート。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る補正環の角度算出法に関する図。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る蛍光測定装置の構成を示す図。
【図9】従来例に係る蛍光相関分光装置の構成を示す図。
【符号の説明】
1…レーザー光源 2…ダイクロイックミラー 31…第1レンズ 32…第2レンズ 4…ピンホール 5…ピンホール位置移動部 6…対物レンズ 60…補正環 61…対物レンズ 7…試料保持装置 8…アバランシェフォトダイオード 9…相関解析ボード 10…コンピュータ 11…補正環角度変更部 S…試料
Claims (5)
- 試料中の蛍光物質を励起させるための光源と、
前記蛍光物質から発せられる蛍光を集光する集光レンズと、
前記集光レンズで集光された蛍光を通す空間フィルターと、
前記空間フィルターを通った蛍光を検出する光検出器と、
前記光検出器からの出力信号を解析する信号解析部と、
前記信号解析部により得られた解析結果に基づいて、前記集光レンズ及び前記空間フィルターの少なくとも一方の配置位置を調整する調整部と、
を具備したことを特徴とする蛍光測定装置。 - 前記信号解析部は、前記試料中の蛍光物質から発せられる蛍光強度の時間的な変化を求め、強度ゆらぎを統計解析することを特徴とする請求項1に記載の蛍光測定装置。
- 前記信号解析部は、前記蛍光強度の時間的な変化の時間平均値及び分散の少なくとも一方を求めることを特徴とする請求項2に記載の蛍光測定装置。
- 前記信号解析部は、前記蛍光強度の時間的な変化の時間平均値及び分散の少なくとも一方が最大となる空間位置、あるいは前記時間平均値と前記分散が最大になる空間位置を求めることを特徴とする請求項3に記載の蛍光測定装置。
- 前記光源を強度分布が略ガウス分布となる光源とし、
前記信号解析部は、前記集光レンズにより集光された前記光源からの光の焦点近傍において、濃度が既知の蛍光分子による蛍光の強度ゆらぎの規格化された自己相関関数を以下の式で表わし、ωxy/ωzをストラクチャーパラメーターとし、
C(τ)=1+(1/N)(1+4Dτ/ω2 xy)−1(1+4Dτ/ω2 z)−1/2
τ:時間間隔、N:視野内に観測される蛍光分子の平均分子数、
D:蛍光分子の並進拡散係数、
ωxy:光の集光領域の最も小さい半径
ωz:光の集光領域の長さの1/2
前記調整部は、前記ストラクチャーパラメーターが最小となる空間位置に前記集光レンズ及び前記空間フィルターの少なくとも一方の配置位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の蛍光測定装置。
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