JP2004346948A - T頭ボルト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】T頭ボルト20において、頭部20bにおける、軸部20aの軸心Cを中心として直径Dが軸部20aの直径D2の1.25倍〜1.30倍で規定される厚肉部20eが、フランジ1及び押輪5が締め付けられたときに頭部20bに作用するせん断力を受けることが可能な肉厚に形成され、頭部20bにおける、厚肉部20eから軸心Cに対して垂直な方向に突き出した状態の張り出し部20fが、厚肉部20eよりも薄肉に形成されるとともに受口2の外周に接触することでT頭ボルト20の回り止めが可能とされている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、T頭ボルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
図9に示すような、端部に管径方向外向きのフランジ1が形成された受口2内に挿口3が挿入され、受口2と挿口3との隙間に配置されたシール用ゴム輪4が挿口3の外周に配置された押輪5によってこの受口挿口間において圧縮されることでシール機能が付与される管継手において、T頭ボルト6は、この押輪5を管軸方向受口2側に向けて移動させてシール用ゴム輪4を圧縮させるための手段として、ナット7と組んで用いられる。なお、図示は省略するが、T頭ボルト6及びナット7は、受口2のフランジ1における周方向の複数の箇所に配置されている。
【0003】
このようなT頭ボルト6は、図9及び図10に示すように、フランジ1における丸孔1a及び押輪5における丸孔5aに挿通される軸部6aと、軸部6aの端部においてこの軸部6aに直交するように形成されてT字の形状を構成する頭部6bとからなる。この軸部6aは、おねじが形成されているねじ部6cと形成されていない胴部6dとからなる。なお、以下において、T頭ボルト6における頭部6b側を上側、ねじ部6c側を下側とする。また、図10に示すように、頭部6bにおける、軸部6aの軸心に対して垂直な方向の寸法であって、長いほうの寸法を頭部6bの長さLとし、短いほうの寸法を頭部6bの幅Wとする。さらに、軸部6aの軸心方向における頭部6bの最大寸法を頭部6bの厚さT1とし、胴部6dの外径をD1、ねじ部6cの外径をD1´とする。Lは胴部6dの外径D1に対して十分に大きく形成されており、Wは胴部6dの外径D1とほぼ同様に形成されている。
【0004】
T頭ボルト6の頭部6bの上側面には、全体的に平坦な、すなわち軸部6aに対して垂直な平坦面6eが形成されており、頭部6bにおける、軸部6aから長さLの方向(以下、L方向と記す)に向けて突き出した張り出し部6fには、頭部6bの上側の平坦面6eに連続する第1の曲面6g(図10(b)に示す)及び第2の曲面6h(図10(a)に示す)が形成されている。詳細には、図10(b)に示すように、第1の曲面6gは、張り出し部6fの上側から下側に向けて放物線状に膨らむように湾曲して形成されている。また、図10(a)に示すように、第2の曲面6hは、第1の曲面6gにおける最も下部側の稜線に相当する部分であるとともに軸部6aに対して垂直な部分である直部6iから、平坦面6eの端部に向けて、頭部6bの長さ方向に向けて放物線状に膨らむように湾曲して形成されている。なお、直部6iは、この直部6iがフランジ1における丸孔1aの縁1bに接触可能なように形成されており、dはこの直部6iの長さである。
【0005】
このような構成において、図9に示すように、フランジ1に形成されている丸孔1a及び押輪5に形成されている丸孔5aにT頭ボルト6の軸部6aを挿通し、そのねじ部6cにナット7をねじ合わせる。このとき、例えば、T頭ボルト6の替わりに六角ボルトが用いられている場合であれば、この六角ボルトの頭部を、ナット7をねじ合わせる方向と逆向きで、かつナット7の締め付けトルクと同じ大きさの力で固定しないと、この六角ボルトがナット7と共回りしてしまうが、頭部6bの長さLが長いT頭ボルト6を用いれば、六角ボルトの場合のようにわざわざ頭部を固定しなくても、図11に示すように、頭部6bの張り出し部6fの端部が受口2の外周2aに接触し、T頭ボルト6がナット7と共回りをするのを防止することができる。これにより、T頭ボルト6にナット7を容易にねじ合わせることができる。
【0006】
そして、図11に示すように、ナット7をさらにねじ合わせると、T頭ボルト6における頭部6bが管軸方向受口奥側からフランジ1にかかり合い、かつねじ部6cにねじ合わせられているナット7が管軸方向挿口奥側から押輪5にかかり合うので、ナット7のねじ合わせに伴って押輪5を管軸方向受口側に向けて徐々に移動させてシール用ゴム輪4を圧縮することができる。
【0007】
このとき、図9におけるA−A線断面図である図12に示すように、T頭ボルト6の頭部6bにおける直部6iが、フランジ1における丸孔1aの縁1bに、その長さ方向にわたって接触することができるので、このT頭ボルト6をフランジ1に対して常に垂直に、すなわちこのT頭ボルト6を受口2の管軸方向に対して常に平行に保つことができる。したがって、T頭ボルト6が管軸方向に対して傾斜した状態でナット7の締め付けが行われることを防止することができ、押輪5を管軸方向に対して常に平行に移動させることができる。これにより、シール用ゴム輪4をその全周にわたって均等な力で、管軸方向受口奥側向きに押圧することができる。
【0008】
そして、ナット7を所定の締め付けトルクでT頭ボルト6のねじ部6cにしっかりとねじ合わせ、シール用ゴム輪4を受口挿口間において十分に圧縮することで、この管継手に所望のシール機能を付与する。なお、このとき、図12に示すように、T頭ボルト6の頭部6bには、ナット7のねじ合わせにより発生する軸心方向下向きの締め付け力Fと、頭部6bにおける直部6iがフランジ1における丸孔1aの縁1bに接触することで発生する軸心方向上向きの反力Rとが作用する、すなわち頭部6bにはせん断力が作用するが、頭部6bの厚さT1が十分に設けられているため、このせん断力に十分に耐えることができる。
【0009】
このようなT頭ボルト6を製造するには、通常、鍛造により成形されたT字体の所定の箇所にねじ加工を施している(例えば、特許文献1参照。)。ここで、例えば、ねじ部6cの外径D1´が20mmのT頭ボルト6を製造する方法を図13及び図14を参照しながら説明する。
【0010】
図13に示すように、T頭ボルト6の鍛造成形に用いられる金型は、T頭ボルト6の頭部6bにおける上側の平坦面6eを形成するための平坦面8aを有する上型8と、T頭ボルト6の頭部6bにおける下側の第1の曲面6g及び第2の曲面6hを形成するための凹部9a、及びT頭ボルト6の軸部6aとなる部分がはめ込まれる深孔部9bを有する下型9とから構成されている。
【0011】
このような上型8及び下型9を用いて鍛造により図13(b)に示すようなT字体10を成形するためには、図13(a)に示すように、下型9における深孔部9bに、この深孔部9bの深さよりも長い棒鋼11を、その一部がこの深孔部9bから突出するように配置する(以下、この突出した部分をすえ込み部11aと記す。また、その長さをすえ込みしろSw1と記す)。
【0012】
このとき、外径が20mmの棒鋼11を用いて、ねじ部6cの外径D1´が20mmのT頭ボルト6の頭部6bを形成しようとすると、上記すえ込み部11aのすえ込みしろSw1が63〜64mm程度必要となる。しかしながら、通常、棒鋼11を座屈させることなく一回の打撃ですえ込むことができる、いわゆる最大すえ込み長さの目安は、棒鋼11の外径の約3倍程度であり、すえ込みしろSw1が棒鋼11の外径の約3倍を越えるときには棒鋼11を座屈させないための工夫として、例えば、棒鋼11がガタつかないようにしっかりと安定させて保持したり、また、熱間鍛造の場合であれば、すえ込み前の棒鋼11を十分に加熱しておく必要がある。したがって、外径が20mmの棒鋼11を用いる場合では、一打のすえ込みにより上記T頭ボルト6の頭部6bを形成することが困難である。
【0013】
このため、外径が20mmよりもわずかに大きい、例えば、外径が約21mmの棒鋼11を用いて所望の頭部6bを鍛造成形している。このように、わずかではあるが外径の大きい棒鋼11を用いることで、棒鋼11の体積が大きくなることから頭部6bを形成するために必要なすえ込みしろSw1を短くすることができ、かつ最大すえ込み長さを長くすることができる。
【0014】
下型9に対して棒鋼11を配置すると、図13(b)に示すように、上型8を下降させ、上型8及び下型9によって棒鋼11におけるすえ込み部11aを、下型9に形成されている凹部9a及び上型8の平坦面8aの形状に合わせて塑性変形させる。これにより、上側に平坦面6eを有するとともに下側に第1の曲面6g及び第2の曲面6hを有する頭部6bを備えたT字体10を形成する。
【0015】
その後、形成されたT字体10を下型9から取り出し、このT字体10における所定の箇所にねじ加工を施してねじ部6cを形成する。このとき、外径が21mmの棒鋼11を使用しているので、図14に示すように、T字体10におけるねじ加工を施そうとする部分(以下、未加工部と記す。)の径を絞って約18.5mm程度まで細くし、そしてこの細くなった状態の未加工部10aにおねじを転造する。これにより、ねじ転造が施されて形成されたねじ部6cの外径を、細くなった状態の未加工部10aの外径よりも太く、すなわち20mmにまで太くすることができる。これにより、図10に示すようなねじ部6cの外径D1´が20mmのT頭ボルト6を製造することができる。
【0016】
【特許文献1】
特許第2838134号公報(第5頁、第1図)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようなT頭ボルト6は、図12に示すように、頭部6bの厚さ、すなわち直部6iに対応する箇所の厚さT1(以下、直部6iの厚さと記す)が、T頭ボルト6の頭部6bに作用するせん断力に十分に耐え得る程度に、かつ直部6iの長さ方向の全体にわたって均一に形成されているが、この直部6iの厚さは、丸孔1aの縁1bにおける最も軸部6a寄りの部分にかかり合う箇所の厚さがT1であれば、上記のせん断力に耐えることができる。したがって、上述したT頭ボルト6のように、直部6iの厚さは、必ずしもこの直部6iの長さ方向の全体にわたって均一な厚さT1に形成されている必要はない。この点において、頭部6bを形成するのに材料が過剰に使用されていた。
【0018】
また、T頭ボルト6における頭部6bは、既に上述したように、その長さが所定の寸法Lに形成されていることで、ナット7の締め付け時に受口2の外周2aに接触し、このT頭ボルト6がナット7と共回りするのを防止している。このため、この頭部6bの張り出し部6fにおける肉厚がT1の部分を除く部分の厚さは、ナット7を規定の締め付けトルクでねじ部6cにねじ合わせたときに、この張り出し部6fが上記の締め付けトルクの反力を受けて変形しない程度の厚さで良い。したがって、この部分の厚さは直部6iの厚さに比べてある程度薄肉であっても良い。この点においても、頭部6bを形成するのに材料が過剰に使用されていた。
【0019】
さらに、従来のT頭ボルト6の製造方法において、ねじ部6cが転造により成形されるにもかかわらず、すえ込みしろSw1の都合上、ねじ部6cの外径よりも大きい外径の棒鋼11を使用しなければならず、このため、T頭ボルト6における胴部6dの材料が過剰となっていた。
【0020】
このように、上述したようなT頭ボルト6には材料が過剰に使用されている箇所が複数あり、このような材料の過剰な使用が、T頭ボルト6の低コスト化に支障を来たしている。
【0021】
そこで本発明はこのような問題を解決して、材料が過剰に使用されることを防止することで低コストなT頭ボルトを提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、軸部の一端側に頭部が形成され他端側にねじ部が形成されて構成されたT頭ボルトの前記軸部が第1の部材における第1の孔と第2の部材における第2の孔とに挿通されて、前記ねじ部にナットがねじ合わせられることで、前記第1の部材及び前記第2の部材を締め付け可能とされるとともに、前記ナットが前記ねじ部にねじ合わせられたときに前記第1の部材に設けられた係止部に前記頭部が接触することでその回転方向の動きが拘束されて回り止めが可能とされたT頭ボルトにおいて、前記頭部における、前記軸部の軸心を中心として直径が前記軸部の直径の1.25倍〜1.30倍で規定される円形部分が、前記第1の部材及び前記第2の部材が締め付けられたときに前記頭部に作用するせん断力を受けることが可能な肉厚に形成され、前記頭部における、前記円形部分から前記軸心に対して垂直な方向に突き出した状態の突出部分が、前記円形部分よりも薄肉に形成されるとともに前記係止部に接触することで前記T頭ボルトの回り止めが可能とされているものである。
【0023】
このような構成によれば、頭部における、軸部の軸心を中心として直径が前記軸部の直径の1.25倍〜1.30倍で規定される円形部分が、第1の部材及び第2の部材が締め付けられたときに前記頭部に作用するせん断力を受けることが可能な肉厚に形成されていることにより、前記頭部における円形部分以外の部分を、例えば、せん断力を受けることが可能な程度の肉厚に形成する必要がない。したがって、T頭ボルトの製造に必要な材料を低減することができ、T頭ボルトの低コスト化を図ることができる。また、第1の部材における第1の孔が丸孔に形成されている場合であれば、前記円形部分が前記第1の孔の形状に合わせて重なることができるので、せん断力を受けることが可能な肉厚に形成する部分をより少なくすることができるとともに前記頭部に作用するせん断力をより効果的に受けることができる。また、頭部における、前記円形部分から前記軸心に対して垂直な方向に突き出した状態の突出部分が、前記円形部分よりも薄肉に形成されるとともに係止部に接触することで前記T頭ボルトの回り止めが可能とされたことで、前記突出部分を、前記T頭ボルトの回り止めが可能な程度以上の肉厚に形成する必要がない。これにより、T頭ボルトの製造に必要な材料を低減することができ、T頭ボルトの低コスト化を図ることができる。さらに、上記のようにして、T頭ボルト、特にその頭部を形成するために必要な材料を低減することによって、例えば、T頭ボルトを鍛造成形する場合であれば、頭部を成形するのに必要なすえ込み量を小さくすることができる。したがって、T頭ボルトのねじ部の外径よりも大きい径の棒鋼を用いる必要がなく、その分さらなる材料の低減化を図ることができる。また、このように、頭部を形成するために必要な材料を低減することによって、鍛造時の打撃に必要なエネルギーを大幅に低減することができ、T頭ボルトの製造コストの低減化を図ることができるとともに、成形型の寿命を延ばすことができる。
【0024】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のT頭ボルトにおいて、突出部分における、円形部分から軸部の軸心に対して垂直な頭部の長手方向に最も突き出している部分が、前記頭部における厚さ方向の一端側としての上部と他端側としての下部との間に設けられ、前記突出部分が、前記頭部の上部側において前記円形部分から前記軸心に対して垂直な方向に遠ざかるに連れて前記突出部分の肉厚を薄くするように形成された第1の肉削ぎ面と、前記頭部の下部側において前記円形部分から前記軸心に対して垂直な方向に遠ざかるに連れて前記突出部分の肉厚を薄くするように形成された第2の肉削ぎ面とを有するものである。
【0025】
このような構成によれば、例えば、T頭ボルトを、頭部の上側部を成形する上型と頭部の下側部を成形する下型とを用いて鍛造成形する場合に、第1の肉削ぎ面を上型で成形し、かつ第2の肉削ぎ面を下型にて成形することができる。したがって、例えば、上型の成形面が平坦面で、下型の成形面が凹部を有する形状の鍛造型を使用してT頭ボルトを成形する場合では、上型よりも、凹部を有することで材料を変形させる量が多い下型に大きな負荷が作用する、すなわち上型と下型とでは負荷の作用の仕方に偏りがあるが、上記のように、第1の肉削ぎ面を上型で成形し、かつ第2の肉削ぎ面を下型にて成形すれば、上型と下型とに作用する負荷の大きさに偏りが生じることを防止することができる。これにより、上型及び下型の寿命を延ばすことができ、T頭ボルトの製造コストの低減化を図ることができる。また、第1の肉削ぎ面を上型で成形し、かつ第2の肉削ぎ面を下型にて成形することで、鍛造時の材料の成形性を向上させることができる。
【0026】
請求項3記載の発明は、軸部の一端側に頭部が形成され他端側にねじ部が形成されて構成されたT頭ボルトの前記軸部が第1の部材における第1の孔と第2の部材における第2の孔とに挿通されて、前記ねじ部にナットがねじ合わせられることで、前記第1の部材及び前記第2の部材を締め付け可能とされるとともに、前記ナットが前記ねじ部にねじ合わせられたときに前記第1の部材に設けられた係止部に前記頭部が接触することでその回転方向の動きが拘束されて回り止めが可能とされたT頭ボルトにおいて、前記頭部における、前記軸部の軸心から前記軸部に直交する前記頭部の長手方向及び前記軸心と前記長手方向とに直交する前記頭部の幅方向に前記軸部の半径の±1.25倍〜1.30倍の距離で規定される範囲の部分である特定部分が、前記第1の部材及び前記第2の部材が締め付けられたときに前記頭部に作用するせん断力を受けることが可能な肉厚に形成され、前記頭部における、前記特定部分から前記軸心に対して垂直な方向に突き出した状態の突出部分が、前記特定部分よりも薄肉に形成されるとともに前記係止部に接触することで前記T頭ボルトの回り止めが可能とされている。
【0027】
このような構成によれば、頭部における、軸部の軸心から前記軸部に直交する前記頭部の長手方向及び前記軸心と前記長手方向とに直交する前記頭部の幅方向に前記軸部の半径の±1.25倍〜1.30倍の距離で規定される範囲の部分である特定部分が、第1の部材及び第2の部材が締め付けられたときに前記頭部に作用するせん断力を受けることが可能な肉厚に形成されていることにより、前記頭部における特定部分以外の部分を、例えば、せん断力を受けることが可能な程度の肉厚に形成する必要がない。したがって、T頭ボルトの製造に必要な材料を低減することができ、T頭ボルトの低コスト化を図ることができる。また、頭部における、前記特定部分から前記軸心に対して垂直な方向に突き出した状態の突出部分が、前記特定部分よりも薄肉に形成されるとともに係止部に接触することで前記T頭ボルトの回り止めが可能とされたことで、前記突出部分を、前記T頭ボルトの回り止めが可能な程度以上の肉厚に形成する必要がない。これにより、T頭ボルトの製造に必要な材料を低減することができ、T頭ボルトの低コスト化を図ることができる。さらに、上記のようにして、T頭ボルト、特にその頭部を形成するために必要な材料を低減することによって、例えば、T頭ボルトを鍛造成形する場合であれば、頭部を成形するのに必要なすえ込み量を小さくすることができる。したがって、T頭ボルトのねじ部の外径よりも大きい径の棒鋼を用いる必要がなく、その分さらなる材料の低減化を図ることができる。また、このように、頭部を形成するために必要な材料を低減することによって、鍛造時の打撃に必要なエネルギーを大幅に低減することができ、T頭ボルトの製造コストの低減化を図ることができるとともに、成形型の寿命を延ばすことができる。
【0028】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のT頭ボルトにおいて、突出部分における、特定部分から頭部の長手方向に最も突き出している部分が、前記頭部における厚さ方向の一端側としての上部と他端側としての下部との間に設けられ、前記突出部分が、前記頭部の上部側において前記特定部分から前記最も突き出している部分にわたって形成されるとともに前記特定部分から前記軸心に対して垂直な方向に遠ざかるに連れて前記突出部分の肉厚を薄くするように形成された第1の肉削ぎ面と、前記頭部の下部側において前記特定部分から前記最も突き出している部分にわたって形成されるとともに前記特定部分から前記軸心に対して垂直な方向に遠ざかるに連れて前記突出部分の肉厚を薄くするように形成された第2の肉削ぎ面とを有するものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態1〜3のT頭ボルトを図1〜図8を参照しながら説明する。なお、従来の技術の説明において使用したものと同様のものには、同じ符号を付すことでその詳細な説明を省略する。また、以下において、T頭ボルトの頭部側を上側、ねじ部側を下側とする。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1のT頭ボルト20は、図1に示すように、第1の部材としての受口のフランジにおける第1の孔としての丸孔及び第2の部材としての押輪における第2の孔としての丸孔に挿通される軸部20aと、軸部20aの端部においてこの軸部20aに直交するように形成されてT字形状を構成する頭部20bとからなる。この軸部20aは、おねじが形成されているねじ部20cと形成されていない胴部20dとからなる。なお、以下において、軸部20aの軸心方向における頭部20bの最大寸法を頭部20bの厚さT2とし、胴部20dの外径をD2、ねじ部20cの外径をD2´とする。また、頭部20bにおける、軸部20aに垂直な頭部20bの長手方向(以下、L方向と記す)の長さLは、胴部20dの外径D2に対して十分に大きく形成されており、頭部20bにおける、軸部20a及びL方向に垂直な頭部20bの幅方向(以下、W方向と記す)の幅Wは胴部6dの外径D2とほぼ同様に形成されている。また、軸部20aの軸心方向における頭部20bの厚さT2は、後述する厚肉部20eの上部側の平坦面20gと張り出し部20fの下部側の直部20hとにより規定されている。さらに、詳細は後述するが、直部20hの長さdは従来のT頭ボルト6の直部6iと同じ長さに形成されている。
【0030】
T頭ボルト20の頭部20bには、この頭部20bにおける肉厚が最大な部分である円形部分としての厚肉部20eと、厚肉部20eから軸部20aの軸心Cに垂直な方向に、すなわち頭部20bのL方向に突き出した状態で、かつこの厚肉部20eよりも薄肉に形成されている(詳細は後述)突出部分としての張り出し部20fとが設けられている。この張り出し部20fにおけるL方向に最も突き出している部分は、頭部20bの上側部と下側部との間に位置するように設けられている。
【0031】
厚肉部20eは、頭部20bにおける軸部20aと同心かつ直径Dが軸部20aの直径D2の1.25倍〜1.30倍で規定される円形状の部分であり、厚肉部20eの上部側には軸部20aに垂直な平坦面20gが形成されている。なお、本発明の実施の形態1のT頭ボルト20の場合では、D<D2+2dに形成されており、頭部20bにおける直部20hの長さdに対応する部分の全てが、均等な肉厚に形成されていない。また、実施の形態1のT頭ボルト20はD>W(≒D2)であるため、厚肉部20eを規定する上記円形状の部分は、図1(c)に示すように円の両側の一部が欠けたいわゆる長円形状となる。
【0032】
この厚肉部20eの肉厚T2は、詳細は後述するが、図4(a)に示すように、フランジ1の丸孔1a及び押輪5の丸孔5aに軸部20aが挿通されてねじ部20cにナット7がねじ合わせられたときに、頭部20bに作用するせん断力を受けることが可能な肉厚であり、例えば、ねじ部20cの外径D2´が20mmのT頭ボルトであれば、T2は約12mmである。
【0033】
厚肉部20eが上述したように形成されていることで、頭部20bの直部20hに対応する部分の全てが厚肉に形成されておらず、従来のT頭ボルト6に比べて、T頭ボルトの製造に必要な材料を低減することができる。また、図4に示すように、頭部20bと丸孔1aの縁1bとが接触したときに、最小限の厚肉部20eで縁1bからの反力を効果的に受けることができる。これにより、厚肉部20e以外の部分が無用に厚肉に形成されることを防止することができ、T頭ボルト20の製造に必要な材料を低減することができる。なお、肉厚T2は、頭部20bに作用するせん断力を受けることが可能な肉厚であり、図2に示すように、従来のT頭ボルト6の頭部6bの厚さT1よりも若干薄く形成される。これにより、T頭ボルト20を製造するために必要な材料をさらに低減することができる。
【0034】
図1に示すように、張り出し部20fの上部側には、厚肉部20eの平坦面20gからL方向に遠ざかるに連れて張り出し部20fの肉厚を薄くするように凹曲面状に形成された第1の肉削ぎ面20iが形成されている。また、張り出し部20fの下部側には、図1(b)に示すように、張り出し部20fの上側から下側に対して放物線状に膨らむような湾曲面20jが形成されており、図1(a)及び(b)に示すように、湾曲面20jにおける最も下部の稜線に相当する部分であるとともに軸部20aに対して垂直な部分である直部20hから、L方向に遠ざかるに連れて張り出し部20fの肉厚を薄くするように凸曲面状に形成された第2の肉削ぎ面20kが形成されている。
【0035】
この張り出し部20fの肉厚は、第1の肉削ぎ面20i及び第2の肉削ぎ面20kが形成されることで、軸部20aの軸心Cから遠ざかるに連れて薄くなるが、図4(b)に示すように、フランジ1の丸孔1a及び押輪5の丸孔5aに軸部20aが挿通されてねじ部20cにナット7がねじ合わせられて、T頭ボルト20がナット7と共回りしようとしたときに、この張り出し部20fが係止部としての受口2の外周面2aに接触することでT頭ボルト20の回り止めが可能な厚さに形成されている。
【0036】
これにより、T頭ボルト20における張り出し部20fを、図2に示すように、従来のT頭ボルト6の張り出し部6fよりも薄肉に形成することができる。特に、本実施の形態1のT頭ボルト20は、その張り出し部20fの上部側に第1の肉削ぎ面20iを有しており、頭部の上部側にこのような第1の肉削ぎ面を有さない従来のT頭ボルト6に比べて、T頭ボルト20を製造するために必要な材料を低減することができる。
【0037】
以上のように、T頭ボルト20の頭部20bに、厚肉部20e、第1の肉削ぎ面20i及び第2の肉削ぎ面20kが形成されることで、従来のT頭ボルト6に比べて、材料を約12%程度低減することができる。したがって、T頭ボルトの材料コストを大幅に低減することができる。
【0038】
このようなT頭ボルト20を製造するには、従来と同様に、鍛造によりT字体を鍛造成形し、このT字体の所定の箇所にねじを転造する。なお、図3に示すプレス成形装置は、図13に示すプレス成形装置と同様ものであるが、上型21には、頭部20bにおける平坦面20g及び第1の肉削ぎ面20iを成形可能な凹部21aが形成されており、下型22には、頭部20bにおける湾曲面20j及び第2の肉削ぎ面20iを成形可能な凹部22aが形成されている。22bは、棒鋼11を挿入可能な深孔部である。
【0039】
本実施の形態1のT頭ボルト20を製造するうえで形成されるT字体は、熱間鍛造により形成されるが、既に述べたように、T頭ボルト20の頭部20bは、従来のT頭ボルト6に比べて材料が約12%程度少なく形成されていることから、従来のT頭ボルト6の頭部6bを熱間鍛造する場合に必要な棒鋼加熱用のエネルギを約25〜40%、例えば、ねじ部20cの外径が、D2´=20mmのT頭ボルトであれば約24%、D2´=24mmのT頭ボルトであれば約28%、D2´=30mmのT頭ボルトであれば約34%低減することができる。これにより、T頭ボルトの製造コストを低減することができるとともに、鍛造成形に必要なプレス成形装置の小型化も図ることができる。
【0040】
また、T頭ボルト20の頭部20bは、従来のT頭ボルト6に比べて、材料が約12%程度少ないことから、図3に示すように、棒鋼11のすえ込み部11aの長さであるすえ込みしろSw2を従来のSw1に比べて短くすることができる。例えば、ねじ部20cの外径D2´が20mmのT頭ボルト20の頭部20bを鍛造成形するときに外径が19mmの棒鋼を用いた場合には、すえ込みしろSw2が56〜57mm程度で良いため、したがって、従来ではねじ部6cの外径が20mmのT頭ボルト6の頭部6bを成形するためには外径が約21mmの棒鋼11が必要であったが、本実施の形態1のT頭ボルト20の頭部20bを成形するためには外径が19mmの棒鋼11を用いれば足る。これにより、従来に比べて外径の小さい棒鋼11を用いて所望のT頭ボルトを製造することができるので、その分、T頭ボルト20を製造するために必要な材料、特に胴部20dの部分の材料を低減することができる。なお、ねじ部20cの外径D2´が24mmのT頭ボルト20を鍛造成形するときには、外径が22mmの棒鋼を用いれば足り、ねじ部20cの外径D2´が30mmのT頭ボルト20を鍛造成形するときには、外径が28mmの棒鋼を用いれば足りる。
【0041】
また、このとき、従来のT頭ボルト6の頭部6bを鍛造成形する場合であれば、上型8よりも、凹部9aを有することで材料を変形させる量が多い下型9に大きな負荷が作用する、すなわち上型8と下型9とでは作用する負荷に大きな偏りがあるが、上記のように、平坦面20g及び第1の肉削ぎ面20iを上型21で成形し、かつ湾曲面20j及び第2の肉削ぎ面20kを下型22にて成形すれば、上型21と下型22とに作用する負荷の大きさに大きな偏りが生じることを防止することができる。これにより、上型21及び下型22の寿命を延ばすことができ、T頭ボルト20の製造コストの低減化を図ることができる。また、平坦面20g及び第1の肉削ぎ面20iを上型21で成形し、かつ湾曲面20j及び第2の肉削ぎ面20kを下型22にて成形することで、上型21及び下型22のそれぞれがバランスよく棒鋼11を塑性変形させるので、鍛造時の棒鋼11の成形性を向上させることができる。
【0042】
そして、従来と同様に、成形されたT字体を下型22から取り出し、このT字体における所定の箇所に、絞り加工を施してこの部分の外径を約18.5mm程度にする。ここで、従来のT頭ボルト6のねじ部6cを形成する場合、外径が21mmの棒鋼11を用いているので、ねじ転造が施される未加工部の外径を約18.5mm程度にするためには、未加工部の外径を約2.5mm程度細くする必要があった。しかしながら、本実施の形態1では、外径が19mmの棒鋼11を用いているので、未加工部の外径を約18.5mm程度にするためには、この未加工部の外径を約0.5mm程度細くすれば良く、したがって、絞り加工時に必要なエネルギーを従来に比べて低減することができる。そして、外径が約18.5mm程度にされた未加工部にねじ転造を施すことで、外径D2´が20mmのねじ部20cを容易に形成することができる。
【0043】
以上のようにして形成されたT頭ボルト20を用いて、従来のT頭ボルト6の場合と同様に、受口2におけるフランジ1及び押輪5を締め付ける。このときの様子を図4(a)及び図4(b)に示す。図4(a)は、図12と同様の位置における断面図であり、図4(b)は、フランジ1よりもやや受口2の奥側の位置における管径方向の部分断面図である。
【0044】
T頭ボルト20のねじ部20cにナット7をねじ合わせたときには、図4(b)に示すように、T頭ボルト20がナット7と共回りして張り出し部20fが受口2の外周2aに接触するが、張り出し部20fの肉厚がT頭ボルト20の回り止めが可能な肉厚に形成されているため、張り出し部20fが変形することなくT頭ボルト20の共回りを防止することができる。
【0045】
また、T頭ボルト20における頭部20bが管軸方向受口奥側からフランジ1にかかり合い、かつねじ部20cにねじ合わせられているナット7が管軸方向挿口側から押輪5にかかり合った状態で、ナット7をさらにねじ合わせる。すると、図4に示すように、頭部20bには軸心方向下向きの締め付け力Fと軸心方向上向きの反力Rとが作用する、すなわちせん断力が作用するが、既に上述したように、頭部20bにおける厚肉部20eが、頭部20bに作用するせん断力を受けることが可能な肉厚T2に形成されていることにより、この厚肉部20eでこのせん断力を受けることができる。
【0046】
また、厚肉部20eが円形状に形成されていることで、図4(b)に示すように、頭部20bと丸孔1aの縁1bとが接触したときに、最小限の厚肉部20eで縁1bからの反力を効果的に受けることができる。これにより、厚肉部20e以外の部分が無用に厚肉に形成されることを防止することができ、T頭ボルト20の製造に必要な材料を低減することができる。なお、例えば、T頭ボルト20におけるねじ部20cの外径D2´が20mmのときには、受口2のフランジ1における丸孔1aの径は23mmに形成されており、このときのT頭ボルト20の厚肉部20eの直径は25mm〜26mmであるので、この丸孔1aの縁1bに必要かつ十分に接触することができる。
【0047】
以上のように、T頭ボルト20の頭部20bが、厚肉部20e、第1の肉削ぎ面20i及び第2の肉削ぎ面20kを有することで、T頭ボルト20の頭部20bを製造するために必要な材料を、従来のT頭ボルト6に比べて約12%程度低減することができ、材料コストの低減を図ることができる。また、T頭ボルト20の頭部20bの材料を従来のT頭ボルト6の頭部6bに比べて低減したことにより、鍛造成形時のすえ込みしろSw2を従来のT頭ボルト6のすえ込みしろSw1よりも短くすることができ、これにより、従来の棒鋼よりも外径の小さい棒鋼を用いて所望のT頭ボルト20を製造することができる。したがって、その分、T頭ボルト20の頭部20bを製造するために必要な材料、特に胴部20dの部分の材料を低減することができ、材料コストのさらなる低減を図ることができる。さらに、T頭ボルト20の頭部20bの材料を従来のT頭ボルト6の頭部6bに比べて低減したことにより、鍛造成形時の棒鋼加熱用のエネルギを従来に比べて約25〜40%低減することができ、製造コストの低減を図ることができるとともに、プレス成形装置の小型化も図ることができる。
【0048】
しかも、上記のようにして形成されたT頭ボルト20は、従来のT頭ボルト6と同様のせん断力を受けることが可能であるとともに、従来のT頭ボルト6と同様の回り止め機能を有する。
【0049】
また、上記の実施の形態1では、図1に示したような形状のT頭ボルト20を用いたが、この形状に限らず、例えば、図5に示すような形状のT頭ボルト23または図6に示すような形状のT頭ボルト26を用いることもできる。なお、図5及び図6において、図1に示したT頭ボルト20と同様の部分には、図1において使用したものと同じ符号、同じ寸法を付すことでその詳細な説明を省略する。
【0050】
図5に示すT頭ボルト23は、その張り出し部20f、20fのそれぞれのW方向における一方の側面に、張り出し部20fにおけるL方向に最も突き出している部分にわたって、かつ頭部20bのW方向の中央部に向けて凹曲面状の第3の肉削ぎ面24が形成され、幅W方向における他方の側面に、第3の肉削ぎ面24と同様の第4の肉削ぎ面25が形成された構成とされている。
【0051】
このような構成によれば、張り出し部20f、20fのそれぞれに第3の肉削ぎ面24及び第4の肉削ぎ面25が形成されていることにより、図1に示したT頭ボルト20よりもさらにT頭ボルトを製造するために必要な材料を低減することができる。
【0052】
また、図6に示すT頭ボルト26は、その張り出し部20f、20fのそれぞれの幅W方向における一方の側面に、張り出し部20fにおけるL方向に最も突き出している部分にわたって、かつ頭部20bのW方向の中央部よりも若干他方の側面寄りの位置にわたって凹曲面状の第3の肉削ぎ面27が形成された構成とされている。
【0053】
このような構成によれば、張り出し部20f、20fのそれぞれに第3の肉削ぎ面27が形成されていることにより、図1に示したT頭ボルト20よりもさらにT頭ボルトを製造するために必要な材料を低減することができる。
(実施の形態2)
上記の本発明の実施の形態1では、厚肉部20eが、頭部20bにおける軸部20aの軸心Cを中心として直径Dが軸部20aの直径D2の1.25倍〜1.30倍で規定される円形状の部分である場合を示したが、厚肉部20eが円形状でない場合を図7及び図8を用いて説明する。なお、図7及び図8において、図1に示したT頭ボルト20と同様の部分には、図1において使用したものと同じ符号、同じ寸法を付すことでその詳細な説明を省略する。
【0054】
図7に示すように、T頭ボルト28における特定部分としての厚肉部29は矩形状であり、頭部20bにおける、軸部20aの軸心CからL方向及びW方向に軸部20aの半径の±1.25倍〜1.30倍の距離L1で規定される範囲の部分として規定されている。なお、本発明の実施の形態2のT頭ボルト28の場合では、L1>W(≒D2)であるため、厚肉部29を規定する上記範囲の部分、すなわち厚肉部29は図7(c)に示すように長方形状となる。なお、上記の実施の形態1においては、第1の肉削ぎ面20iが凹曲面状に形成されている場合を示しているが、実施の形態2のT頭ボルト28における第1の肉削ぎ面30は、厚肉部29の平坦面20gからL方向に遠ざかるに連れて張り出し部20fの肉厚を薄くするように傾斜面状に形成されている。
【0055】
このような構成によれば、図1に示したT頭ボルト20と同様に、頭部20bに作用するせん断力を厚肉部29により受けることができ、かつ第1の肉削ぎ面29及び第2の肉削ぎ面20kが形成されることで厚肉部29よりも薄肉に形成されている張り出し部20fによりT頭ボルト28の回り止めをすることができる。さらに、頭部20bに、第1の肉削ぎ面29及び第2の肉削ぎ面20kが形成されていることにより、T頭ボルト28を製造するために必要な材料を、従来のT頭ボルト6よりも低減することができる。
【0056】
なお、上記においては、第1の肉削ぎ面30が、厚肉部29の平坦面20gからL方向に遠ざかるに連れて張り出し部20fの肉厚を薄くするように傾斜面状に形成されている場合を示したが、同様に張り出し部20fの肉厚を薄くできるのであれば、この第1の肉削ぎ面30が傾斜面でなく凸曲面状に形成されていてもよい。
【0057】
第1の肉削ぎ面を凸曲面状に形成する場合、例えば、図8に示すように、頭部20bにおける上部側に、一方の張り出し部20fの端部から他方の張り出し部20fの端部にわたって、かつ頭部20bの上側に向けて放物線状に膨らむように湾曲面31を形成することで、この湾曲面31に第1の肉削ぎ面と同様の役割を果たさせることができる。また、この図8に示すT頭ボルト32の湾曲面31が、図8(b)に示すように、頭部20bをL方向に見ても上部側に対して放物線状に膨らむように形成されていることで、放物線状に膨らむように形成されていない場合に比べて、T頭ボルト32に必要な材料をさらに低減することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、頭部における、軸部の軸心を中心として直径が前記軸部の直径の1.25倍〜1.30倍で規定される円形部分が、第1の部材及び第2の部材が締め付けられたときに前記頭部に作用するせん断力を受けることが可能な肉厚に形成されていることにより、前記頭部における円形部分以外の部分を、例えば、せん断力を受けることが可能な程度の肉厚に形成する必要がない。したがって、T頭ボルトの製造に必要な材料を低減することができ、T頭ボルトの低コスト化を図ることができる。また、第1の部材における第1の孔が丸孔に形成されている場合であれば、前記円形部分が前記第1の孔の形状に合わせて重なることができるので、せん断力を受けることが可能な肉厚に形成する部分をより少なくすることができるとともに前記頭部に作用するせん断力をより効果的に受けることができる。また、頭部における、前記円形部分から前記軸心に対して垂直な方向に突き出した状態の突出部分が、前記円形部分よりも薄肉に形成されるとともに係止部に接触することで前記T頭ボルトの回り止めが可能とされたことで、前記突出部分を、前記T頭ボルトの回り止めが可能な程度以上の肉厚に形成する必要がない。これにより、T頭ボルトの製造に必要な材料を低減することができ、T頭ボルトの低コスト化を図ることができる。さらに、上記のようにして、T頭ボルト、特にその頭部を形成するために必要な材料を低減することによって、例えば、T頭ボルトを鍛造成形する場合であれば、頭部を成形するのに必要なすえ込み量を小さくすることができる。したがって、T頭ボルトのねじ部の外径よりも大きい径の棒鋼を用いる必要がなく、その分さらなる材料の低減化を図ることができる。また、このように、頭部を形成するために必要な材料を低減することによって、鍛造時の打撃に必要なエネルギーを大幅に低減することができ、T頭ボルトの製造コストの低減化を図ることができるとともに、成形型の寿命を延ばすことができる。
【0059】
また、例えば、T頭ボルトを、頭部の上側部を成形する上型と頭部の下側部を成形する下型とを用いて鍛造成形する場合に、第1の肉削ぎ面を上型で成形し、かつ第2の肉削ぎ面を下型にて成形することができる。したがって、例えば、上型の成形面が平坦面で、下型の成形面が凹部を有する形状の鍛造型を使用してT頭ボルトを成形する場合では、上型よりも、凹部を有することで材料を変形させる量が多い下型に大きな負荷が作用する、すなわち上型と下型とでは負荷の作用の仕方に偏りがあるが、上記のように、第1の肉削ぎ面を上型で成形し、かつ第2の肉削ぎ面を下型にて成形すれば、上型と下型とに作用する負荷の大きさに偏りが生じることを防止することができる。これにより、上型及び下型の寿命を延ばすことができ、T頭ボルトの製造コストの低減化を図ることができる。また、第1の肉削ぎ面を上型で成形し、かつ第2の肉削ぎ面を下型にて成形することで、鍛造時の材料の成形性を向上させることができる。
【0060】
さらに、頭部における、軸部の軸心から前記軸部に直交する前記頭部の長手方向及び前記軸心と前記長手方向とに直交する前記頭部の幅方向に前記軸部の半径の±1.25倍〜1.30倍の距離で規定される範囲の部分である特定部分が、第1の部材及び第2の部材が締め付けられたときに前記頭部に作用するせん断力を受けることが可能な肉厚に形成されていることにより、前記頭部における特定部分以外の部分を、例えば、せん断力を受けることが可能な程度の肉厚に形成する必要がない。したがって、T頭ボルトの製造に必要な材料を低減することができ、T頭ボルトの低コスト化を図ることができる。また、頭部における、前記特定部分から前記軸心に対して垂直な方向に突き出した状態の突出部分が、前記特定部分よりも薄肉に形成されるとともに係止部に接触することで前記T頭ボルトの回り止めが可能とされたことで、前記突出部分を、前記T頭ボルトの回り止めが可能な程度以上の肉厚に形成する必要がない。これにより、T頭ボルトの製造に必要な材料を低減することができ、T頭ボルトの低コスト化を図ることができる。さらに、上記のようにして、T頭ボルト、特にその頭部を形成するために必要な材料を低減することによって、例えば、T頭ボルトを鍛造成形する場合であれば、頭部を成形するのに必要なすえ込み量を小さくすることができる。したがって、T頭ボルトのねじ部の外径よりも大きい径の棒鋼を用いる必要がなく、その分さらなる材料の低減化を図ることができる。また、このように、頭部を形成するために必要な材料を低減することによって、鍛造時の打撃に必要なエネルギーを大幅に低減することができ、T頭ボルトの製造コストの低減化を図ることができるとともに、成形型の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のT頭ボルトを示す図である。
【図2】図1に示すT頭ボルトの頭部の形状と従来のT頭ボルトの頭部の形状とを比較している図である。
【図3】図1に示すT頭ボルトを鍛造成形により製造するときの状態を示す図である。
【図4】(a)は、図1に示すT頭ボルトの頭部における厚肉部がせん断力を受けている状態を示す図、(b)は、図1に示すT頭ボルトの張り出し部によりT頭ボルトが回り止めされている状態を示す図である。
【図5】図1に示すT頭ボルトの頭部とは異なる形状の頭部を有するT頭ボルトを示す図である。
【図6】図1に示すT頭ボルトの頭部とは異なる形状の頭部を有するT頭ボルトを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2のT頭ボルトを示す図である。
【図8】図7に示すT頭ボルトの頭部とは異なる形状の頭部を有するT頭ボルトを示す図である。
【図9】管の継手部において従来のT頭ボルトが用いられている状態を示す図である。
【図10】従来の技術におけるT頭ボルトを示す図である。
【図11】図10に示すT頭ボルトの張り出し部によりT頭ボルトが回り止めされている状態を示す図である。
【図12】図9のA−A線断面図である。
【図13】図10に示すT頭ボルトを鍛造成形により製造するときの状態を示す図である。
【図14】図10に示すT頭ボルトのねじ部にねじ転造が施される前の状態を示す図である。
【符号の説明】
C 軸心
1 フランジ
1a 丸孔
2a (受口)外周
5 押輪
5a 丸孔
7 ナット
20 T頭ボルト
20a 軸部
20b 頭部
20c ねじ部
20e 厚肉部
20f 張り出し部
Claims (4)
- 軸部の一端側に頭部が形成され他端側にねじ部が形成されて構成されたT頭ボルトの前記軸部が第1の部材における第1の孔と第2の部材における第2の孔とに挿通されて、前記ねじ部にナットがねじ合わせられることで、前記第1の部材及び前記第2の部材を締め付け可能とされるとともに、前記ナットが前記ねじ部にねじ合わせられたときに前記第1の部材に設けられた係止部に前記頭部が接触することでその回転方向の動きが拘束されて回り止めが可能とされたT頭ボルトにおいて、前記頭部における、前記軸部の軸心を中心として直径が前記軸部の直径の1.25倍〜1.30倍で規定される円形部分が、前記第1の部材及び前記第2の部材が締め付けられたときに前記頭部に作用するせん断力を受けることが可能な肉厚に形成され、前記頭部における、前記円形部分から前記軸心に対して垂直な方向に突き出した状態の突出部分が、前記円形部分よりも薄肉に形成されるとともに前記係止部に接触することで前記T頭ボルトの回り止めが可能とされていることを特徴とするT頭ボルト。
- 突出部分における、円形部分から軸部の軸心に対して垂直な頭部の長手方向に最も突き出している部分が、前記頭部における厚さ方向の一端側としての上部と他端側としての下部との間に設けられ、前記突出部分が、前記頭部の上部側において前記円形部分から前記軸心に対して垂直な方向に遠ざかるに連れて前記突出部分の肉厚を薄くするように形成された第1の肉削ぎ面と、前記頭部の下部側において前記円形部分から前記軸心に対して垂直な方向に遠ざかるに連れて前記突出部分の肉厚を薄くするように形成された第2の肉削ぎ面とを有することを特徴とする請求項1記載のT頭ボルト。
- 軸部の一端側に頭部が形成され他端側にねじ部が形成されて構成されたT頭ボルトの前記軸部が第1の部材における第1の孔と第2の部材における第2の孔とに挿通されて、前記ねじ部にナットがねじ合わせられることで、前記第1の部材及び前記第2の部材を締め付け可能とされるとともに、前記ナットが前記ねじ部にねじ合わせられたときに前記第1の部材に設けられた係止部に前記頭部が接触することでその回転方向の動きが拘束されて回り止めが可能とされたT頭ボルトにおいて、前記頭部における、前記軸部の軸心から前記軸部に直交する前記頭部の長手方向及び前記軸心と前記長手方向とに直交する前記頭部の幅方向に前記軸部の半径の±1.25倍〜1.30倍の距離で規定される範囲の部分である特定部分が、前記第1の部材及び前記第2の部材が締め付けられたときに前記頭部に作用するせん断力を受けることが可能な肉厚に形成され、前記頭部における、前記特定部分から前記軸心に対して垂直な方向に突き出した状態の突出部分が、前記特定部分よりも薄肉に形成されるとともに前記係止部に接触することで前記T頭ボルトの回り止めが可能とされていることを特徴とするT頭ボルト。
- 突出部分における、特定部分から頭部の長手方向に最も突き出している部分が、前記頭部における厚さ方向の一端側としての上部と他端側としての下部との間に設けられ、前記突出部分が、前記頭部の上部側において前記特定部分から前記最も突き出している部分にわたって形成されるとともに前記特定部分から前記軸心に対して垂直な方向に遠ざかるに連れて前記突出部分の肉厚を薄くするように形成された第1の肉削ぎ面と、前記頭部の下部側において前記特定部分から前記最も突き出している部分にわたって形成されるとともに前記特定部分から前記軸心に対して垂直な方向に遠ざかるに連れて前記突出部分の肉厚を薄くするように形成された第2の肉削ぎ面とを有することを特徴とする請求項3記載のT頭ボルト。
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