JP5723551B2 - ねじ、当該ねじの製造方法および当該製造方法により製造したねじ - Google Patents

ねじ、当該ねじの製造方法および当該製造方法により製造したねじ Download PDF

Info

Publication number
JP5723551B2
JP5723551B2 JP2010175288A JP2010175288A JP5723551B2 JP 5723551 B2 JP5723551 B2 JP 5723551B2 JP 2010175288 A JP2010175288 A JP 2010175288A JP 2010175288 A JP2010175288 A JP 2010175288A JP 5723551 B2 JP5723551 B2 JP 5723551B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
screw
head
annular protrusion
die
punch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010175288A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012036929A (ja
Inventor
山口 哲
哲 山口
今村 健
健 今村
齋藤 浩徳
浩徳 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Iwata Bolt Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Iwata Bolt Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, Iwata Bolt Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2010175288A priority Critical patent/JP5723551B2/ja
Publication of JP2012036929A publication Critical patent/JP2012036929A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5723551B2 publication Critical patent/JP5723551B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Forging (AREA)

Description

本発明は、ねじ、当該ねじの製造方法および当該製造方法により製造したねじに関する。
従来、ねじとして、ドライバー等の先端を係止させて回転操作を行う穴が形成された半球状の頭部と、雄螺子部が形成された軸部と、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、自動車の車体等の固定部材にねじを締結した後に、頭部に形成された穴を埋込材で埋めることで固定部材に締結したねじが抜き取られてしまうのを防止している。
特開2003−90322号公報
しかしながら、かかる従来の技術では、頭部の軸部側の外周端部に曲率半径が比較的大きな曲面部が形成されており、ペンチやプライヤ等の市販の挟持用工具で頭部を挟持することができるようになっていた。そのため、挟持用工具によって締結したねじが抜き取られてしまうおそれがあるという問題があった。
そこで、本発明は、より防犯性を高めることのできるねじ、当該ねじの製造方法および当該製造方法により製造したねじを得ることを目的とする。
本発明にかかるねじは、一端側に設けられた頭部と他端側に設けられた軸部とを備えるねじであって、前記頭部は、頭部本体と、当該頭部本体の前記軸部側の外周に径方向に突出するように設けられ、挟持用工具による頭部の挟持を抑制する環状突部と、を備えており、前記頭部本体の外面が球面状であり、前記環状突部は、軸方向の厚さが0.3mm以上0.5mm以下であり、軸方向に直交する方向の突出量が、軸方向の厚さの0.5倍以上2倍以下であることを主要な特徴とする。
また、本発明にかかるねじの製造方法は、ねじ素材を、ねじ素材の一部がダイスから突出するようにダイスの挿入部に挿入するとともに、前記頭部の形状に対応するキャビティが形成されたパンチによって前記ねじ素材の突出部分を加圧し、当該ねじ素材の突出部分を塑性変形させることで、頭部を有する中間体を形成する中間体形成工程を備え、一端側に頭部が設けられるとともに他端側に軸部が設けられるねじの製造方法であって、前記中間体形成工程では、前記ねじ素材の前記ダイスからの突出量を前記キャビティの容積よりも大きくするとともに、前記ダイスとパンチとの対向面間に0.3mm以上0.5mm以下のクリアランスが形成されるように前記ねじ素材を加圧し、塑性変形するねじ素材をクリアランス内に流動させることで、前記ねじの頭部に、外面が球面状の頭部本体と、当該頭部本体の前記軸部側の外周に、軸方向に0.3mm以上0.5mm以下の厚さを有するとともに、軸方向に直交する方向に軸方向の厚さの0.5倍以上2倍以下となるように突出し、挟持用工具による頭部の挟持を抑制する環状突部と、を設けていることを主要な特徴とする。
本発明によれば、頭部本体の軸部側の外周に、挟持用工具による頭部の挟持を抑制する環状突部を設けている。そのため、ペンチやプライヤ等の市販の挟持用工具で頭部を挟持し難くすることができ、固定部材に取り付けたねじが挟持用工具を用いて取り外されてしまうのを抑制することができる。その結果、ねじを用いて組み立てた製品の防犯性をより一層高めることができるようになる。
また、本発明によれば、ねじ素材のダイスからの突出量をキャビティの容積よりも大きくするとともに、ダイスとパンチとの対向面間にクリアランスが形成されるようにねじ素材を加圧し、塑性変形するねじ素材をクリアランス内に流動させることで、頭部本体の軸部側の外周に挟持用工具による頭部の挟持を抑制する環状突部を形成している。したがって、挟持用工具による頭部の挟持を抑制する環状突部が形成されたねじを、従来のダイスとパンチを用いて製造することができる。すなわち、環状突部を有するねじを製造するために専用のパンチやダイスを用いる必要がなくなるため、製造コストが増大してしまうのを抑制しつつ、より防犯性を高めることのできるねじを製造することができる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる防犯ねじの斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態にかかる防犯ねじの側面図である。 図3は、図2の要部拡大図である。 図4は、本発明の一実施形態にかかる防犯ねじの断面図である。 図5は、本発明の一実施形態にかかる防犯ねじの中間体を形成する過程を示す断面図である。 図6は、図5の要部拡大図である。 図7は、本発明の一実施形態にかかる防犯ねじを被取付部材に締結した状態を示す断面図である。 図8は、被取付部材に締結した防犯ねじの頭部を挟持用工具で挟持しようとする状態を示す斜視図である。 図9は、被取付部材に締結した防犯ねじの頭部を挟持用工具で挟持しようとする状態を示す要部拡大断面図である。 図10は、比較例として示す防犯ねじの中間体を形成する過程を示す断面図である。 図11は、比較例として示す防犯ねじを被取付部材に締結した状態を示す断面図である。 図12は、被取付部材に締結した比較例として示す防犯ねじの頭部を挟持用工具で挟持しようとする状態を示す斜視図である。 図13は、被取付部材に締結した比較例として示す防犯ねじの頭部を挟持用工具で挟持しようとする状態を示す要部拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態にかかる防犯ねじ(ねじ)1は、図1〜図4に示すように、中心軸方向一端側(図2中上側)に設けられる頭部2と、他端側(図2中下側)に設けられる軸部3と、を備えている。
軸部3は、中心軸を中心とした中実円柱状をしており、側面に螺旋状の螺子溝3aを刻設することで、この軸部3に雄螺子部3bを形成している。なお、本実施形態では、軸部3の全体(中心軸方向一端側から他端側まで)に螺子溝3aが刻設されている。
頭部2の頂部には、図示せぬドライバービットの先端が嵌合する嵌合穴2aが形成されている。このドライバービット(図示せず)は、防犯ねじ1を用いて後述する被固定部材40を固定部材50に取り付ける際に、当該防犯ねじ1を少なくとも固定部材50に締結させるために用いる工具である。このドライバービットの先端を頭部2の嵌合穴2aに嵌合させた状態で防犯ねじ1の回転操作を行うことで、防犯ねじ1は固定部材50に締結される。なお、本実施形態では、ドライバービットで防犯ねじ1を固定部材50に締結させることはできるが、固定部材50に締結した防犯ねじ1は、このドライバービットを用いても取り外すことができないようになっている。
また、本実施形態では、頭部2の形状を、ペンチやプライヤ等の挟持用工具60で挟持しにくい形状としている。具体的には、頭部2の表面(外面)2cは、中心軸と直交する平面で切断した際に、中心軸方向先端側(図2中上側)から軸部3側に向かうにつれて徐々に径が大きくなる円周が描かれるように形成されている。すなわち、頭部2の表面2cは、略球面(曲面)状となるように形成されており、この防犯ねじ1は、いわゆるトラスねじとなっている。このように、頭部2の表面2cを略球面状にすることで、頭部2の表面2cに平坦面が形成されなくなるため、頭部2をペンチやプライヤ等の挟持用工具60で挟持し難くすることができる。特に、頭部2の表面2cを球面で近似した場合における当該表面の立体角が、半球面の立体角である2π(strad)よりも小さくなるようにすれば、表面2cの軸部3側外周端部における接平面と中心軸とのなす角度は、頭部2の表面2cが半球面である場合よりも直角に近くなる。そのため、頭部2の表面2cを、より一層ペンチやプライヤ等の挟持用工具60で挟持しにくくすることができる。
ここで、本実施形態では、頭部2の軸部3側端部に、径方向に突出する環状突部2bを設けている。すなわち、本実施形態では、頭部2は、嵌合穴2aが形成されて表面2cが略球面状の頭部本体2dと、頭部本体2dの軸部3側端部から突出する環状突部2bとを備えている。この環状突部2bは、挟持用工具60による頭部2の挟持を抑制する機能を有している。
本実施形態では、環状突部2bは、頭部本体2dの軸部3側端部に、径方向に突出するように全周に亘って形成されている。この環状突部2bは、根元側(径方向内側)の根元部2gが、側断面視で長方形状をしており、先端側(径方向外側)の先端部2hが、側断面視で半円状をしている。そして、環状突部2bは、根元部2gの下面2eが頭部本体2dの下面2fと面一となるように形成されている。
また、本実施形態では、環状突部2bは、防犯ねじ1の中心軸方向(軸方向)の厚さが0.5mm以下となるように形成されている。そのため、環状突部2bの先端部2hの半円の曲率半径R1は0.25mm以下となっている。
次に、防犯ねじ1の製造方法を説明する。
まず、中実円筒状のねじ素材(図示せず)をダイス30の挿通孔31に挿入し、ねじ素材の一部がダイス30から突出するように当該ねじ素材を固定する。
そして、ダイス30にねじ素材を固定した状態で、頭部2の形状に対応するキャビティ21が形成されたパンチ20によって、ねじ素材の突出部分(頭部形成予定部)を加圧する。このように、ねじ素材の突出部分(頭部形成予定部)をパンチ20によって加圧することで、ねじ素材のダイス30からの突出部分がキャビティ21の形状となるように塑性変形する(図5および図6参照)。なお、キャビティ21の中央部には、嵌合穴2aを形成する突部21aが形成されている。
このとき、ダイス30やパンチ20の消耗を抑制するために、ダイス30の上面30aとパンチ20の下面20aとの間(ダイス30とパンチ20との対向面間)にクリアランスCが形成されるようにねじ素材を加圧している。
ここで、本実施形態では、ねじ素材の突出量を通常の頭部(環状突部がない頭部)の容積(キャビティ21の容積)よりも大きくして、ねじ素材の突出部分の一部(通常の頭部を形成した残りの部分)をダイス30とパンチ20の対向面間に形成されるクリアランスCに流動させるようにしている。
こうして、中心軸方向の厚さD(本実施形態では、クリアランスCと同じ厚さ)の環状突部2bが頭部本体2dの軸部3側端部の外周に形成された頭部2を有する有頭ねじ素材(中間体)10が形成される(中間体形成工程)。すなわち、軸部形成予定部11には螺子溝(雄螺子部)3aが形成されていないが、環状突部2bを有する頭部2が形成された有頭ねじ素材(中間体)10が形成される。
なお、ダイス30とパンチ20を用いて形成した有頭ねじ素材(中間体)10は、図示せぬノックアウトピンにてダイス30から取り外される。
そして、軸部形成予定部11に螺子溝3aを刻設することで、軸部3に雄螺子部3bが形成された防犯ねじ1が形成される。
なお、環状突部2bの中心軸方向の厚さDや径方向の突出量は、クリアランスCおよびねじ素材の突出部分の突出量を適宜設定することで調整することができる。本実施形態では、厚さDを0.3mm以上0.5mm以下となるように調整するとともに、突出量を厚さDの0.5倍以上2倍以下となるように調整したものを例示している。
このとき、環状突部2bの中心軸方向の厚さDが0.5mm以上になると、ペンチやプライヤ等の市販の挟持用工具60で環状突部2bを挟持して防犯ねじ1の締結がゆるめられてしまうおそれがある。
また、環状突部2bの中心軸方向の厚さDが0.3mm以下となるようにすると、クリアランスCが0.3mm以下となるため、ねじ素材をダイス30に挿入していない状態で加工機(パンチ20やダイス30を備える圧造機)を空運転させたり暖機運転させたりした際に、パンチ20とダイス30とが接触してしまう。その結果、パンチ20およびダイス30の寿命が低下してしまい、コストが増大してしまうおそれがある。したがって、クリアランスCの中心軸方向の厚さを0.3mm以上0.5mm以下となるようにし、環状突部2bの中心軸方向の厚さDが0.3mm以上0.5mm以下となるようにするのが好適である。
このような構成の防犯ねじ1は、2つの部材(本実施形態では、被固定部材40と固定部材50)を固定する場合に使用される。図7に示すように、基礎となる固定部材50には、ネジ孔(雌螺子部)51が形成されているとともに、固定を必要とするもう一方の被固定部材40には、サラ孔41が開設されている。なお、本実施形態では、サラ孔41の被固定部材40の表面40a側に、表面40a側に向けて拡径するテーパ部41aが設けられており、防犯ねじ1の軸部3を挿通させやすくしている。
そして、これら双方の孔41,51を揃えて、サラ孔41が形成されている方からネジ孔(雌螺子部)51に向けて、軸部3を螺進させることで、防犯ねじ1を固定部材50に締結させる。なお、この操作は、上述したように、ドライバービットの先端を頭部2の嵌合穴2aに嵌合させて回転操作することによって行われる。
このように、防犯ねじ1を固定部材50に締結させると、頭部本体2dの下面2fが被固定部材40の表面40aに当接する。本実施形態では、頭部本体2dの下面2fと根元部2gの下面2eとが面一になっているため、根元部2gの下面2eも被固定部材40の表面40aに当接する。すなわち、防犯ねじ1は、頭部2の下面(頭部本体2dの下面2fと根元部2gの下面2e)と被固定部材40の表面40aとの間に隙間が形成されないように、被固定部材40に締結される(図7参照)。
ところで、環状突部2bが設けられていない通常のねじ100(図11参照)は、防犯ねじ1とほぼ同様の工程で製造することができる。
すなわち、挿通孔31が形成されたダイス30とキャビティ21が形成されたパンチ20を用い、ねじ素材を圧造することで、ねじ100を製造することができる。
具体的には、まず、中実円筒状のねじ素材(図示せず)をダイス30の挿通孔31に挿入し、ねじ素材の一部がダイス30から突出するように当該ねじ素材を固定する。
そして、ダイス30の上面30aとパンチ20の下面20aとの間にクリアランスCが形成されるようにねじ素材の突出部分を加圧することで、頭部101を有する有頭ねじ素材(中間体)110を形成する(図10参照)。このとき、頭部101には、ドライバービットの先端を嵌合させる嵌合穴101aが形成される。
そして、軸部形成予定部111に螺子溝102aを刻設することで、図11に示すように、軸部102に雄螺子部102bが形成されたねじ100が形成される。
なお、パンチ20とダイス30を用い、クリアランスCが形成されるようにねじ素材の突出部分を加圧することでねじ100を形成する場合、頭部101の軸部102側端部は、パンチ20およびダイス30に拘束されない。そのため、塑性変形の性質から頭部101の軸部102側端部にはR状の曲面部が形成される。そして、このとき形成される曲面部の曲率半径R2は、クリアランスCよりも大きくなる。
すなわち、パンチ20とダイス30を用いて通常のねじ100を形成すると、頭部101の軸部102側端部に、曲率半径R2が0.5mm以上の曲面部が形成されてしまうおそれがある。
このように、曲面部の曲率半径R2が0.5mm以上となると、ペンチやプライヤ等の市販の挟持用工具60で頭部101を挟持することができてしまうため、挟持用工具60によって締結したねじ100が抜き取られてしまうおそれがある(図12および図13参照)。
しかしながら、本実施形態では、頭部本体2dの軸部3側端部に中心軸方向の厚さが0.5mm以下となる環状突部2bを設けている。このように、環状突部2bの中心軸方向の厚さを0.5mm以下にすることで、先端部2hの曲率半径R1が0.25mm以下となるため、環状突部2bをペンチやプライヤ等の挟持用工具60で挟持しにくくすることができる(図8および図9参照)。
なお、ねじサイズM5のものに本実施形態の構成を適用し、トルク1.5(N・m)で固定部材に締結したものを、市販のプライヤ、バイスプライヤ、ラジオペンチ、ニッパ等を用いて取り外す実験を行ったところ、環状突部がないものに対し、挟持用工具による取り外し難さが向上していた。
以上説明したように、本実施形態では、頭部本体2dの軸部3側の外周に、挟持用工具60による頭部2の挟持を抑制する環状突部2bを設けている。そのため、ペンチやプライヤ等の市販の挟持用工具60で頭部2を挟持し難くすることができ、固定部材50に取り付けた防犯ねじ(ねじ)1が挟持用工具60を用いて取り外されてしまうのを抑制することができる。その結果、防犯ねじ(ねじ)1を用いて組み立てた製品(例えば、自動車等)の防犯性をより一層高めることができるようになる。
また、本実施形態によれば、ねじ素材(図示せず)のダイス30からの突出量をキャビティ21の容積よりも大きくするとともに、ダイス30とパンチ20との対向面間にクリアランスCが形成されるようにねじ素材を加圧し、塑性変形するねじ素材をクリアランスC内に流動させることで、頭部本体2dの軸部3側の外周に挟持用工具60による頭部2の挟持を抑制する環状突部2bを形成している。したがって、挟持用工具60による頭部2の挟持を抑制する環状突部2bが形成された防犯ねじ(ねじ)1を、従来のダイス30とパンチ20を用いて製造することができる。すなわち、環状突部2bを有する防犯ねじ1を製造するために専用のパンチ20やダイス30を用いる必要がなくなるため、製造コストが増大してしまうのを抑制しつつ、より防犯性を高めることのできるねじを製造することができる。
また、防犯ねじ1の環状突部2bの中心軸方向の厚みを0.5mm以下とすることで、環状突部2bの曲率半径R1が、0.25mm以下となるため、ペンチやプライヤ等の市販の挟持用工具60で当該環状突部2bを挟み難くすることができる。その結果、固定部材50に取り付けた防犯ねじ1が挟持用工具60を用いて取り外されてしまうのを抑制することができる。このとき、環状突部2bは、最大径(直径の最大値)R3の下限値が、パンチ20のキャビティ21の最大径(パンチ20の下面20aとキャビティ21との境界線の直径)R4+環状突部2bの中心軸方向の厚さDとなるようにするのが好適である。すなわち、環状突部2bの径方向(軸方向に直交する方向)の突出量の下限値を、厚さDの0.5倍となるようにするのが好適である。こうすれば、環状突部2bの先端部2hの曲率半径R1を0.25mm以下とすることができる。
また、環状突部2bは、最大径(直径の最大値)R3の上限値が、パンチ20のキャビティ21の最大径(パンチ20の下面20aとキャビティ21との境界線の直径)R4+4×D(環状突部2bの中心軸方向の厚さの4倍)となるようにするのが好適である。すなわち、環状突部2bの径方向(軸方向に直交する方向)の突出量の上限値が、厚さDの2倍となるようにするのが好適である。環状突部2bの最大径R3がこの値より大きくなると、すなわち、環状突部2bの径方向(軸方向に直交する方向)の突出量が厚さDの2倍より大きくなると、ダイス30とパンチ20の対向面間に形成されるクリアランスCに流動させるねじ素材の量が多くなるため、有頭ねじ素材(中間体)10の形状となるようにねじ素材を塑性変形させることが難しくなる。また、クリアランスCに流動させるねじ素材の量が多くなると、ねじ素材の流動によるパンチ20およびダイス30の磨耗が早まるため、パンチ20およびダイス30の寿命が低下してしまう。
このように、ねじ素材の塑性変形が可能な大きさとパンチ20およびダイス30の磨耗による寿命の観点から、環状突部2bの最大径(直径の最大値)R3の上限値は、パンチ20のキャビティ21の最大径R4+4×Dとなるようにするのが好適である。すなわち、環状突部2bの径方向(軸方向に直交する方向)の突出量の上限値が厚さDの2倍となるようにするのが好適である。
そして、環状突部2bの最大径(直径の最大値)R3が上述の範囲内となるようにすれば、環状突部2bの先端部2hの曲率半径R1を0.25mm以下にしつつ、環状突部2bの曲げ剛性を比較的高くすることができる。すなわち、環状突部2bの最大径(直径の最大値)R3が上限値を超えた場合よりも、環状突部2bが根元部2gを基点に中心軸方向一端側(図2中上方)に曲げられてしまうのを抑制することができる。その結果、防犯性をより一層高めることができるようになる。また、環状突部2bの曲げ剛性が高まることで、防犯ねじ1の配送時等、固定部材50への取付前に、防犯ねじ1が何らかの衝撃を受けた際に、環状突部2bが歪んでしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態では、頭部本体2dの軸部3側端部の全周に亘って環状突部2bを突設することで根元部2gを連続した円環状に形成している。このように、根元部2gを両端が途切れることのない連続した円環状とすることで、環状突部2bは、複数個の突部を同一の量だけ突出させた場合に比べて、根元部2gを基点に中心軸方向一端側(図2中上方)に曲げ難くすることができる。
例えば、頭部本体2dの軸部3側端部から放射状に複数個の突部を突設した場合、それぞれの突部は、幅方向(頭部本体2dの周方向)両端が途切れた幅狭の根元部を有することとなる。そのため、それぞれの突部は、根元部両端が途切れることのない連続した円環状とした場合(本実施形態で示した構成とした場合)に比べて、幅狭の根元部を基点に中心軸方向一端側(図2中上方)に曲げやすくなってしまう。
以上より、本実施形態のように、頭部本体2dの軸部3側端部の全周に亘って環状突部2bを突設すれば、環状突部2bが中心軸方向に曲げられてしまうのをより一層抑制することができるようになる。
以上、本発明にかかる溶接ボルトの好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限ることなく要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態を採用することができる。
例えば、上記実施形態では、軸部の全体に螺子溝(雄螺子部)を形成したものを例示したが、軸部の一部に螺子溝(雄螺子部)を形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、軸部の径が、軸方向一端から他端にかけて同径のものを例示したが、軸部の途中にテーパ部や段差部が形成されたものであっても本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、固定部材に固定される被固定部材にサラ孔を開設したものを例示したが、被固定部材にも雌螺子部を設け、固定部材、被固定部材ともに、ねじによって螺合させるようにすることも可能である。
また、頭部や軸部、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
1 防犯ねじ(ねじ)
2 頭部
2b 環状突部
2c 表面(外面)
3 軸部
10 有頭ねじ素材(中間体)
20 パンチ
21 キャビティ
30 ダイス
31 挿通孔
60 挟持用工具
C クリアランス
D 環状部の中心軸方向の厚さ
R1 曲率半径

Claims (3)

  1. 一端側に設けられた頭部と他端側に設けられた軸部とを備えるねじであって、
    前記頭部は、頭部本体と、当該頭部本体の前記軸部側の外周に径方向に突出するように設けられ、挟持用工具による頭部の挟持を抑制する環状突部と、を備えており、
    前記頭部本体の外面が球面状であり、
    前記環状突部は、軸方向の厚さが0.3mm以上0.5mm以下であり、軸方向に直交する方向の突出量が、軸方向の厚さの0.5倍以上2倍以下であることを特徴とするねじ。
  2. ねじ素材を、ねじ素材の一部がダイスから突出するようにダイスの挿入部に挿入するとともに、前記頭部の形状に対応するキャビティが形成されたパンチによって前記ねじ素材の突出部分を加圧し、当該ねじ素材の突出部分を塑性変形させることで、頭部を有する中間体を形成する中間体形成工程を備え、一端側に頭部が設けられるとともに他端側に軸部が設けられるねじの製造方法であって、
    前記中間体形成工程では、前記ねじ素材の前記ダイスからの突出量を前記キャビティの容積よりも大きくするとともに、前記ダイスとパンチとの対向面間に0.3mm以上0.5mm以下のクリアランスが形成されるように前記ねじ素材を加圧し、塑性変形するねじ素材をクリアランス内に流動させることで、前記ねじの頭部に、外面が球面状の頭部本体と、当該頭部本体の前記軸部側の外周に、軸方向に0.3mm以上0.5mm以下の厚さを有するとともに、軸方向に直交する方向に軸方向の厚さの0.5倍以上2倍以下となるように突出し、挟持用工具による頭部の挟持を抑制する環状突部と、を設けていることを特徴とするねじの製造方法。
  3. 請求項に記載の製造方法で製造したことを特徴とするねじ。
JP2010175288A 2010-08-04 2010-08-04 ねじ、当該ねじの製造方法および当該製造方法により製造したねじ Active JP5723551B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010175288A JP5723551B2 (ja) 2010-08-04 2010-08-04 ねじ、当該ねじの製造方法および当該製造方法により製造したねじ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010175288A JP5723551B2 (ja) 2010-08-04 2010-08-04 ねじ、当該ねじの製造方法および当該製造方法により製造したねじ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012036929A JP2012036929A (ja) 2012-02-23
JP5723551B2 true JP5723551B2 (ja) 2015-05-27

Family

ID=45849155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010175288A Active JP5723551B2 (ja) 2010-08-04 2010-08-04 ねじ、当該ねじの製造方法および当該製造方法により製造したねじ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5723551B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6321481B2 (ja) * 2014-07-25 2018-05-09 オートモーティブエナジーサプライ株式会社 部品取付構造
JP6467184B2 (ja) * 2014-10-07 2019-02-06 イワタボルト株式会社 ねじの製造方法およびねじ

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6453613U (ja) * 1987-09-30 1989-04-03
JP2003120630A (ja) * 2001-10-12 2003-04-23 Sannohashi:Kk 解体防止用ボルト
JP4684862B2 (ja) * 2005-11-14 2011-05-18 株式会社神戸製鋼所 ボルトの圧造方法
JP3133033U (ja) * 2007-04-13 2007-06-28 オリジナル通商株式会社 ばね性の鍔付きねじ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012036929A (ja) 2012-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5236491B2 (ja) ナット、ナットの製作方法、およびこれに対応する工具
KR101496107B1 (ko) 헤드 교환식 절삭 공구
JP4579943B2 (ja) 平座金圧着ボルトとその製造法
JPWO2007077880A1 (ja) 焼結部品が接合された軸部材の製造方法、および内燃機関用カムシャフト
WO2012127967A1 (ja) 歯形部品の製造方法および歯形部品の製造装置
JP5723551B2 (ja) ねじ、当該ねじの製造方法および当該製造方法により製造したねじ
JP2009115297A (ja) 緩み止めナット、その製造方法、及びその加工用治具
JP2005226788A (ja) ピアスナット
JP3157701U (ja) かしめナット
WO2015190580A1 (ja) 軸受装置及び軸受装置の製造方法
EP3106683A1 (en) A fastener
JP6364550B2 (ja) ボタンバック及びボタン
JP2009008164A (ja) 保持器製造方法及び保持器並びに転がり軸受
JP4808593B2 (ja) スナップリング及びドライブシャフトの支持構造
JP6431376B2 (ja) 緩み止め機能を有するボルト
JP6576901B2 (ja) ボルト・ナットの弛み止め構造
JP5633033B2 (ja) 有段減速歯車及びその製造方法
US20030156889A1 (en) Method for heading a bushing, particularly a bushing forming an elastic articulation and the eleastic articulation and bushing obtained using said method
JP2008178885A (ja) 円筒形状部品の製造方法及びそれに用いる穿孔用ダイス
JP5757188B2 (ja) 薄板の連結構造
JP2008175380A (ja) かしめナット及びその製造方法
US10174775B2 (en) Fastening target member and fastening structure
JP2006043729A (ja) 組立構造体およびその製造方法
JP6651494B2 (ja) 切削工具及び切削工具の組み立て方法
JP2010117025A (ja) 固着具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140930

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150303

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150330

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5723551

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250