JP3133033U - ばね性の鍔付きねじ - Google Patents

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Abstract

【課題】ばね性の鍔付きねじにおいて、ねじの寸法、大きさが小さくても、ねじ頭の下方周縁部に一体形成した鍔が適度のばね常数、撓み量を得てばね性を発揮し、十分な締め付けトルクを得て緩みを防止し、ドライバーのビットがカムアウトしたり、リームアウトが無く、ねじ頭部のリセスが破壊したり、ねじ頭の引きちぎれが確実に防止される。
【解決手段】ねじ頭1の下方周縁部に逆皿状の鍔2を一体に形成したばね性の鍔付きねじAにおいて、前記ねじ頭1がなべ頭1Aに形成され、該なべ頭1AにはドライバーKのビットBが挿入されるリセス3が形成され、前記鍔2の鍔径Dはなべ径D1に対し1.35〜1.45倍の直径に形成される。
【選択図】図1

Description

本考案は、ばね性の鍔付きねじに関し、例えばカメラ、ビデオカメラ等の光学機器、携帯用音声再生装置、携帯電話機、そのほか精密機器等に最適に使用され、寸法、大きさが極めて小さく、ねじ頭の下方周縁部に一体形成された小径な鍔が適度のばね常数、撓み量を得てばね性を発揮し、十分な締め付けトルクが得られ、緩みを確実に防止し、カムアウト、およびリームアウトが無く、さらには締め付けトルクに対してねじ頭部の破壊や引きちぎれが確実に防止されるものである。
従来、例えば、シリコン脱酸低マンガン鋼により形成されるねじのねじ頭の下方周縁部に逆皿状の鍔を一体的に形成し、該鍔に実際の使用時に受けるであろう応力を経験させ、その後該鍔を熱処理することにより、ねじ頭にばね性の鍔を設けたねじ、およびねじの製造方法があった。このねじ、およびねじの製造方法は、ねじ頭の下方周縁部に一体的に形成した逆皿状の鍔のばね性により、振動性外力を吸収し、しかも、ばね性を発揮する鍔におけるばね座のばね常数が大きく大きな振動荷重に耐えること、また、ねじの締め付け後は、座面は相手部材の面に密着し、大きな座面で締付け荷重を支えることで座面陥没を防ぐこと、さらには前記鍔にはひずみ時効処理を施してあるので、ばね座のばね性の機械的劣化がない、等の利点を有するものであり、好評を博するものであった(例えば特許文献1参照)。
また、ねじ頭が鍋頭に形成され、この鍋頭に工具としてドライバーのビットを挿入するための平面Y字形のリセスを形成したねじがあった(例えば特許文献2参照)。
特公昭53−47285号公報 実開平3−121207号公報
最今、例えばカメラ、ビデオカメラ等の光学機器、携帯用音声再生装置、携帯電話機、そのほか精密機器等の使用対象物に使用されるねじは、使用対象物の小型化、軽量化、精密化に伴って寸法、大きさが極めて小さいもの、例えば穴長さが1.2〜4.2mmのものが要望されている。そして、このねじには、相手側部材の小型化と薄形化とからねじを螺入するためのねじの取り付けスペースを相手側部材に確保するのに、制約を受けることがあった。また、相手側部材が、アルミニウム、チタン、ステンレス等の金属や合成樹脂等、硬度を異なる各種材料により形成されている場合には、十分な締め付けトルクが得られ、しかも、緩みが無く、工具としてのドライバーのビットがカムアウト、およびリームアウトが無く、相手側部材に締め付け固定される必要がある。また、保守・点検、および部品の交換の観点からねじは容易かつ確実に螺退する必要がある。
ところで、特許文献1に記載の上記従来のねじは、比較的寸法、大きさが大きく、前記カメラ、ビデオカメラ等の使用対象物に使用するのには適さないものであった。
ところが、ねじの寸法、大きさを極めて小さなもの、例えばねじ頭に形成されてドライバーのビットが挿入されるリセスの長さが1.2〜4.2mmのものに形成する場合には、ねじ頭も必然的に小さくなるので、ねじ頭を例えば特許文献2に記載のように形成すると、ねじ頭にリセスを形成するのに、そのリセスは数十度の規定の大きさの両角を有するから、リセスの深さを深く形成すると、ねじ頭の座面からねじ部に到る首下においては極めて薄肉になり、ねじ自体は構造的に脆弱になっていた。
従って、従来は必然的にねじ頭に形成されるリセスは構造的に浅く形成せざるを得なかった。それ故、ドライバーにより十分に大きな締め付けトルクを得ようとすると、ねじ頭は前述の首下個所において引きちぎれたり、ドライバーがリセスからカムアウトすることにより満足する大きさの締め付けトルクが得られなかったり、リームアウトすることによりリセスを破壊し、ねじを再締め付けすることができないことがあった。
本考案は、上記従来の欠点を解決し、ねじ自体は寸法、大きさが極めて小さくても、ねじ頭の下方周縁部に一体形成された小径な鍔が適度のばね常数、撓み量を得てばね性を発揮し、十分な締め付けトルクが得られ、緩みを確実に防止し、しかも、ドライバーのビットがカムアウトしたり、リームアウトが無く、さらには締め付けトルクに対してねじ頭部のリセスが破壊されたり、ねじ頭の引きちぎれが確実に防止されるばね性の鍔付きねじを提供することを目的とする。
本考案は上記課題に鑑みなされ、請求項1に記載の考案は、
ねじ頭の下方周縁部に逆皿状の鍔を一体に形成したばね性の鍔付きねじにおいて、
前記ねじ頭がなべ頭に形成され、
該なべ頭にはドライバーのビットが挿入されるリセスが形成され、
前記鍔の鍔径はなべ径に対し1.35〜1.45倍の直径に形成されることを特徴とする。
また、本考案の請求項2に記載の考案は、請求項1において、前記鍔付きねじが、冷間圧造用炭素鋼線にて表面には浸炭処理されて形成されるとともにリセスの長さが1.2〜4.2mm、前記鍔の鍔厚が0.25 +0.1〜0.6 ±0.2mm、鍔の上面および下面の両面での狙い目鍔角度が約6°に形成されることを特徴とする。
また、本考案の請求項3に記載の考案は、請求項1、または2において、リセスが、鍔の座面からねじ部に到る首下において、両角50〜55°に形成されることを特徴とする。
また、本考案の請求項4に記載の考案は、請求項1−3の何れかにおいて、リセスが、平面十字形、平面Y字形、ヘクサロビュラ形の何れかに形成されることを特徴とする。
また、本考案の請求項5に記載の考案は、請求項1−3の何れかにおいて、平面十字形の前記リセスが、S型十字穴、またはH型十字穴であることを特徴とする。
本考案の請求項1に記載の考案によれば、ねじ頭の下方周縁部に逆皿状の鍔を一体に形成したばね性の鍔付きねじにおいて、前記ねじ頭がなべ頭に形成され、該なべ頭にはドライバーのビットが挿入されるリセスが形成され、前記鍔の鍔径はなべ径に対し1.35〜1.45倍の直径に形成されることを特徴とするので、寸法、大きさが極めて小さく、ねじ頭の下方周縁部に一体形成された小径な鍔が適度のばね常数、撓み量を得てばね性を発揮し、十分な締め付けトルクが得られ、緩みを確実に防止でき、また、カムアウト、およびリームアウトが無く、ねじ頭がなべ頭に形成され、十分なねじ頭の高さに形成されるとともに鍔の厚さが加わるため、リセスを深く形成することができることになり、さらには締め付けトルクに対してねじ頭部の破壊や引きちぎれが確実に防止される。
また、本考案の請求項2に記載の考案によれば、前記鍔付きねじが、冷間圧造用炭素鋼線にて表面には浸炭処理されて形成されるとともにリセスの長さが1.2〜4.2mm、前記鍔の鍔厚が0.25 +0.1〜0.6 ±0.2mm、鍔の上面および下面の両面での狙い目鍔角度が約6°に形成されることを特徴とするので、ねじの寸法、大きさが極めて小さいねじでも、加工し易く、浸炭加工により表面を硬化あいて構造堅牢にできるため、ねじ頭の下方周縁部に一体形成された小径な鍔が適度のばね常数、撓み量を得てばね性を発揮し、十分な締め付けトルクが得られ、緩みを確実に防止できる。また、ドライバーのビットがカムアウト、およびリームアウトすることが無く、さらには締め付けトルクに対してねじ頭部の破壊や引きちぎれが確実に防止される。
また、本考案の請求項3に記載の考案によれば、リセスが、鍔の座面からねじ部に到る首下において、両角50〜55°に形成されることを特徴とするので、ねじの寸法、大きさが極めて小さくても、ねじ頭が首下においてリセスとの間に十分な肉厚を確保することができ、浸炭加工により表面が硬化して構造堅牢にできることもあってねじ頭の引きちぎれがなく構造堅牢になり、ねじ頭の下方周縁部に一体形成された小径な鍔が適度のばね常数、撓み量を得て十分なばね性を発揮し、しかも、十分な締め付けトルクが得られ、緩みを確実に防止できる。また、ドライバーのビットがリセスからカムアウトしたり、リームアウトが無く、ねじの締め付け、および螺退が迅速かつ確実に行える。
また、本考案の請求項4に記載の考案によれば、リセスが、平面十字形、平面Y字形、ヘクサロビュラ形の何れかに形成されることを特徴とするので、ねじ頭に形成されるリセスは十分に深く形成でき、十分な締め付けトルクが得られ、緩みを確実に防止できる。また、ドライバーのビットがリセスからカムアウトしたり、リームアウトすることが無く、ねじの締め付け、および螺退が迅速かつ確実に行える。
また、本考案の請求項5に記載の考案によれば、平面十字形の前記リセスが、S型十字穴、H型十字穴であることを特徴とするので、寸法、大きさが極めて小さく、ねじ頭の下方周縁部に一体形成された小径な鍔が適度のばね常数、撓み量を得てばね性を発揮できる。従って、カメラ、ビデオカメラ等の光学機器のような小型かつ軽量な使用対象物であっても、十分な締め付けトルクが得られ、緩みを確実に防止できる。また、ドライバーのビットがリセスからカムアウトしたり、およびリームアウトすることが無く、さらには締め付けトルクに対してねじ頭部が破壊したり、引きちぎれを確実に防止できる。
以下、図面に従って本考案の実施の最良の形態により、本考案の詳細を説明する。
図1は本考案の鍔付きねじの実施形態を示す平面図、図2は半断面図、図3は使用状態の拡大断面図である。
本考案のばね性の鍔付きねじは、図示するように、ねじの寸法、大きさが極めて小さく、例えばJCIS(日本写真機工業規格)に適合するように、カメラ、ビデオカメラ等の光学機器に用いられる場合を実施形態として説明する。
この実施形態のばね性を有する鍔付きねじは、ねじ頭1の下方周縁部に逆皿状の鍔2を一体に形成したばね性の鍔付きねじAにおいて、前記ねじ頭1がなべ頭1Aに形成され、該なべ頭1AにはドライバーKのビットBが挿入されるリセス3が形成され、前記鍔2の鍔径Dはなべ径D1に対し1.35〜1.45倍の直径に形成されることを特徴とする。
前述のように、ねじ頭1がなべ頭1Aに形成されたのは、本実施形態の鍔付きねじAは、例えばカメラ、ビデオカメラ等の光学機器に用いられる場合のように、相手側部材の小型化と薄形化との故にねじの寸法、大きさが極めて小さいねじでも、ねじを締め付けたり、緩めるたりする時に、工具としてのドライバーKのビットBを挿入するリセス3を形成するのにポンチの打ち込みにより破壊することがない構造堅牢な頭部形状を呈していることと、ねじ部4に対するねじ頭1の首下Nの外面と、ねじ頭1に形成されるリセス3との間に配置される首下Nの肉厚部分の肉厚t1が薄くなることによりねじ頭1が引きちぎれるのを防止するのと、ねじ頭1の下方周縁部に一体に形成される逆皿状の鍔2に適度のばね常数、撓み量を得てばね性を発揮し、十分な締め付けトルクが得られ、緩みを確実に防止するためと、また、ドライバーのビットがカムアウト、およびリームアウトすることを無くすためである。そして、例えばカメラ、ビデオカメラ等の光学機器に用いるJCIS(日本写真機械工業規格)が規定するねじのねじ頭1は、1種、2種、3種の3種類があり、径と、高さHとが相違するが、本実施形態では、図示するように1種のなべ頭1Aに形成される。
なべ頭1Aに形成される前記リセス3は、本実施形態では図に示すように、平面十字形、すなわち、JISB1012に規定されるS型十字穴、またはH型十字穴に形成される。
このように、リセス3を平面十字形をなしたS型十字穴に形成したのは、カメラ、ビデオカメラ等の光学機器のような小型かつ軽量な使用対象物に使用される寸法、大きさが小さい鍔付きねじAであっても、十分な締め付けトルクが得られ、緩みを確実に防止するのと、ドライバーKのビットBがリセス3からカムアウトしたり、およびリームアウトするのを防止してねじの締め付け、および螺退が迅速かつ確実に行えるのと、締め付けトルクに対してねじ頭1が破壊したり、引きちぎれを確実に防止するためである。
また、前記リセス3が、図1に示すように、鍔2の座面Sからねじ部4に到る首下Nにおいて、両角Rが50〜55°に形成される。
このように、前記リセス3が、図1に示すように、鍔2の座面Sからねじ部4に到る首下Nにおいて、両角Rが50〜55°に形成されたことにより、鍔付きねじAの寸法、大きさが極めて小さくても、ねじ頭1が首下Nにおいてリセス3との間に十分な肉厚t1を確保することができ、ねじ頭1の引きちぎれがなく構造堅牢になり、ねじ頭1の下方周縁部に一体形成された小径な鍔2が適度のばね常数、撓み量を得て十分なばね性を発揮し、しかも、十分な締め付けトルクが得られ、緩みを確実に防止できる。また、ドライバーKのビットBがリセス3からカムアウトしたり、リームアウトが無く、ねじの締め付け、および螺退を迅速かつ確実に行うためである。
また、前記鍔2の鍔径Dは、なべ径D1に対し1.35〜1.45倍の直径に形成されるのは、寸法、大きさが極めて小さいねじでも、ねじ頭1の下方周縁部に一体形成された小径な鍔2が適度のばね常数、撓み量を得てばね性を発揮し、振動性外力を吸収し、十分な締め付けトルクが得られ、緩みを確実に防止でき、また、カムアウトやリームアウトが無く、さらには締め付けトルクに対してねじ頭1の破壊や引きちぎれを確実に防止するためである。なお、鍔2にばね性を付与させるのは、特許文献1に記載されたばね性の鍔付きねじと同様に、鍔2に実際の使用時に受けるであろう応力を経験させ、その後該鍔2を熱処理する行程が組み込まれる。
そして、鍔径Dは、なべ径D1に対し1.35〜1.45倍の直径より小さい場合には、鍔2の撓み量が小さくなり、ばね性に欠け、ねじ締結部に作用する振動性外力を吸収する能力が劣り、ねじの緩み止め効果を十分に発揮できないためである。また、反対に鍔径Dは、なべ径D1に対し1.35〜1.45倍の直径より大きい場合には、実質使用する際の制約によりスペースに限界があり相手構造体に接触する原因になるからである。
また、前記鍔付きねじAが、冷間圧造用炭素鋼線(SWCH)にて表面には浸炭処理されて形成されるとともに前記リセス3の長さMが、1.2〜4.2mm、本実施形態では1.4mm、また、前記鍔2の鍔厚tが0.25 +0.1〜0.6 ±0.2mmの範囲、本実施形態では0.3 +0.1mm、鍔2の上面および下面の両面での狙い目鍔角度Rは約6°に形成される。
このように、本実施形態の鍔付きねじAは、冷間圧造用炭素鋼線(SWCH)にて表面には浸炭処理したのは、例えばカメラ、ビデオカメラ等の光学機器に用いられる場合のように、相手側部材の小型化と薄形化との故に、ねじを螺入するためのねじの取り付けスペースを相手側部材に確保したり、また、相手側部材が、アルミニウム、チタン、ステンレス等の金属や合成樹脂等、硬度を異なる各種材料により形成されている時に、ねじの寸法、大きさが極めて小さいねじでも、図には示さないヘッダーにてねじ加工が容易に行え、高精度のものが得られる観点から軟鋼線材として前述の冷間圧造用炭素鋼線が用いられ、ねじ加工後に、表面を浸炭処理することにより表面の硬度を増すことで、ねじ頭1の下方周縁部に一体形成された小径な鍔2が適度のばね常数、撓み量を得てばね性を発揮し、十分な締め付けトルクが得られ、緩みを確実に防止するためと、また、ドライバーのビットがカムアウト、およびリームアウトすることが無く、さらには締め付けトルクに対してねじ頭1の破壊や引きちぎれを確実に防止するためである。
そして、鍔2の鍔厚tを上記のように0.25 +0.1〜0.6 ±0.2mm、本実施形態では0.3 +0.1mmに形成したのは、適正な鍔2の鍔厚tにより、ねじの締め付け時に作用される応力(座面圧力)に耐え、また、締め付け後の鍔2のばね性を発揮し、振動性外力を吸収するのと、緩みを防止するためである。
また、鍔2の上面および下面の両面での鍔2の狙い目鍔角度Rを約6°に形成したのは、鍔付きねじAのねじ締め付け時に、相手側部材に対して鍔2の端部からねじ部4にかけて適正な面圧が得られ、緩み止め効果を発揮するためである。そして、鍔2の狙い目鍔角度Rが約6°より小さい場合には、鍔付きねじAのねじ締め付け後の鍔2による振動性外力の吸収ができず、ばね性が発揮されないためである。また、鍔2の狙い目鍔角度Rが約6°より大きい場合には、鍔付きねじAのねじ締め付け時に、鍔2の端面への締め付け応力が集中し、相手側部材の座面S′に締め付け傷を付けてしまうことと、鍔2の端面への締め付け応力が集中する関係で、鍔2の外側にソリが発生し、緩み止め効果がなくなるためである。
なお、Hはねじ頭1の高さであり、Qはリセス3の深さであり、Xは首下不完全ねじ部であり、Lはねじ長さである。
本考案の鍔付きねじの実施形態は以上の構成からなり、本実施形態の鍔付きねじAは、ねじ頭1の下方周縁部に逆皿状の鍔2を一体に形成したばね性の鍔付きねじAにおいて、前記ねじ頭1がなべ頭1Aに形成され、鍔2の厚さtも加わることもあってねじ頭の高さHが高く確保でき、該なべ頭1AにはドライバーKのビットBが挿入されるリセス3が形成され、前記鍔2の鍔径Dはなべ径D1に対し1.35〜1.45倍の直径に形成されるので、例えばカメラ、ビデオカメラ等の光学機器に用いられる場合のように、相手側部材の小型化と薄形化との故にねじの寸法、大きさが極めて小さいねじでも、ねじを締め付けたり、緩めるたりするための工具としてのドライバーKのビットBを挿入するリセス3を形成するのにポンチが打ち込まれても、破壊することがなく構造堅牢な頭部形状であり、リセス3の深さQを形成できる。
そして、ねじ部4に対するねじ頭1の首下Nの外面と、ねじ頭1に形成されるリセス3との間に配置される首下Nの肉厚部分の肉厚t1を厚く確保でき、構造堅牢になり、ねじ頭1が引きちぎれるのが防止される。また、ねじ頭1の下方周縁部に一体に形成される逆皿状の鍔2に適度のばね常数、撓み量を得てばね性を発揮し、十分な締め付けトルクが得られ、緩みを確実に防止することができる。そして、ねじの締め付け時に、ドライバーKのビットBがリセス3からカムアウトすることがなく、また、螺退時にドライバーKのビットBがリセス3からリームアウトすることが無くなる。そして、例えばカメラ、ビデオカメラ等の光学機器に用いるJCIS(日本写真機械工業規格)が規定するように、ねじ頭1が、1種のなべ頭1Aに形成され、このなべ頭1Aには図に示すように、平面十字形、すなわち、S型十字穴にリセス3形成が形成された鍔付きねじAが得られる。
このように、なべ頭1Aには平面十字形をなしたS型十字穴をなしたリセス3が形成されるので、カメラ、ビデオカメラ等の光学機器のような小型かつ軽量な使用対象物に使用される寸法、大きさが小さい鍔付きねじAであっても、十分な締め付けトルクが得られ、緩みを確実に防止するのと、ドライバーKのビットBがリセス3からカムアウトしたり、およびリームアウトするのを防止してねじの締め付け、および螺退が迅速かつ確実に行える。また、締め付けトルクに対してねじ頭1が破壊したり、引きちぎれを確実に防止される。
また、前記リセス3が、図1に示すように、鍔2の座面Sからねじ部4に到る首下Nにおいて、両角Rが50〜55°に形成されるので、カメラ、ビデオカメラ等の光学機器のような小型かつ軽量な使用対象物に使用されるねじのように、寸法、大きさが極めて小さくても、ねじ頭1が首下Nにおいてリセス3との間に十分な肉厚t1を確保することができるため、ねじ頭1の引きちぎれがなく構造堅牢になる。そして、ねじ頭1の下方周縁部に一体形成された小径な鍔2が適度のばね常数、撓み量を得て十分なばね性を発揮し、しかも、十分な締め付けトルクが得られ、緩みを確実に防止することができる。また、ドライバーKのビットBがリセス3からカムアウトしたり、リームアウトすることが無く、ねじの締め付け、および螺退を迅速かつ確実に行うことができる。
また、前記鍔2の鍔径Dは、なべ径D1に対し1.35〜1.45倍の直径に形成されるので、寸法、大きさが極めて小さく、ねじ頭1の下方周縁部に一体形成された小径な鍔2が適度のばね常数、撓み量を得ることによりばね性を発揮するため、振動性外力を吸収し、十分な締め付けトルクが得られ、緩みを確実に防止できる。また、ドライバーKのビットBがリセス3からカムアウトしたり、リームアウトが無く、さらには締め付けトルクに対してねじ頭1の破壊や引きちぎれを確実に防止することができる。
この際、鍔径Dは、なべ径D1に対し1.35〜1.45倍の直径より小さい場合には、鍔2の撓み量が小さくなり、ばね性に欠け、ねじ締結部に作用する振動性外力を吸収する能力が劣り、ねじの緩み止め効果を十分に発揮できない。また、反対に鍔径Dは、なべ径D1に対し1.35〜1.45倍の直径より大きい場合には、実質使用する際の制約によりスペースに限界があり相手構造体に接触する原因になるからである。
また、本実施形態の鍔付きねじAが、冷間圧造用炭素鋼線(SWCH)にて表面には浸炭処理されて形成されるので、例えばカメラ、ビデオカメラ等の光学機器に用いられる場合のように、相手側部材の小型化と薄形化との故に、ねじを螺入するためのねじの取り付けスペースを相手側部材に確保したり、また、相手側部材が、アルミニウム、チタン、ステンレス等の金属や合成樹脂等、硬度が異なる各種材料により形成されている時に、ねじの寸法、大きさが極めて小さいねじでも、冷間圧造用炭素鋼線を用いて図には示さないヘッダーにてねじ加工が容易に行え、高精度のものが得られ、ねじ加工後に、表面を浸炭処理することにより表面の硬度を増すことで、ねじ頭1の下方周縁部に一体形成された小径な鍔2が適度のばね常数、撓み量を得てばね性を発揮し、十分な締め付けトルクが得られ、緩みを確実に防止することができるとともに、ドライバーKのビットBがカムアウトしたり、リームアウトすることが無く、さらには締め付けトルクに対してねじ頭部の破壊や引きちぎれが確実に防止される。
そして、鍔2の鍔厚tを上記のように0.25 +0.1〜0.6 ±0.2mm、本実施形態では0.3 +0.1mmに形成したのは、適正な鍔2の鍔厚tを確保することにより、リセス3の長さMが、1.2〜4.2mmの長さの平面十字形、すなわち、S型十字穴、またはH型十字穴のリセス3が、ねじ頭1として1種のなべ頭1Aに形成された場合にも、JCIS(日本写真機械工業規格)が規定するように、例えばカメラ、ビデオカメラ等の光学機器に用いたり、携帯用音声再生装置、携帯電話機、そのほか精密機器等に用いるねじ頭1と、リセス3とを設けた鍔付きねじAを形成でき、ねじの締め付け時に作用される応力(座面圧力)に耐え、また、締め付け後の鍔2のばね性を発揮し、振動性外力を吸収され、緩みは防止される。
Figure 0003133033
上記[表1]は本実施形態の鍔付きねじAにおける破壊トルクと緩み止めトルクとを資料No1〜No10につき、上下振動試験機を用いて測定した結果を1まとめにしたものである。この測定条件として、相手側部材に形成されるめねじ材Cは、厚さが1.0mmの
亜鉛引き一般圧延鋼板(SECC)であり、被締め付け部材Eは、同じく厚さが1.0mmの亜鉛引き一般圧延鋼板(SECC)である。そして、ドライバーKによる締め付けトルクは、0.13Nmであり、上下振動試験機による振動条件は、10〜60Hzの周波数のうち、30Hzの周波数で試験を行った。
上記[表1]から、比較例としてばね性の鍔がなくねじ頭が単になべ頭である場合のS型十字穴の破壊トルクは、全て約0.17Nmであったのに対して本実施形態での資料No1〜No10につきねじ部4の破断トルクと、リセス3としてのS型十字穴の破壊トルクは約0.22Nmであった。
振動試験後のねじの緩み止め効果の測定については、上記[表1]から、比較例では、締め付けトルクの約45%であるのに対して本実施形態での資料No1〜No10については約85%であり、ねじの緩み止め効果は約40%も向上されることがわかった。
また、鍔2の狙い目鍔角度Rを約6°に形成されるので、鍔付きねじAのねじ締め付け時に、相手側部材に対して鍔2の端部からねじ部4にかけて適正な面圧が得られ、十分な緩み止め効果が発揮される。
この際、鍔2の狙い目鍔角度Rが約6°より小さい場合には、鍔付きねじAのねじ締め付け後の鍔2による振動性外力の吸収ができず、ばね性が発揮されない。また、鍔2の狙い目鍔角度Rが約6°より大きい場合には、鍔付きねじAのねじ締め付け時に、鍔2の端面への締め付け応力が集中し、相手側部材の座面S′に締め付け傷を付けてしまうことと、鍔2の端面への締め付け応力が集中する関係で、鍔2の外側にソリが発生し、緩み止め効果がなくなるが、本実施形態の鍔付きねじAでは、鍔2による振動性外力の吸収ができ、ばね性が発揮され、しかも、鍔2の端面への締め付け応力が集中することで相手側部材の座面S′に締め付け傷を付けてしまったり、鍔2の外側にソリが発生することがなく、緩み止め効果を確実に発揮できる。
なお、図示する本実施形態の鍔付きねじAでは、ねじ頭1としてなべ頭1Aに平面十字形のリセス3を形成した場合を代表的に説明しているが、本考案の鍔付きねじAはこれに限ることなく、図4に示す他の実施形態のようにリセス3は平面Y字形、また、図5に示すさらなる実施形態のようにヘクサロビュラ形の何れかに形成される場合も、本考案の適用範囲であり、ねじ頭1Aに形成されるリセス3の深さQを十分に深く形成でき、十分な締め付けトルクが得られ、緩みを確実に防止できる。また、ドライバーTのビットBがリセス3からカムアウトしたり、リームアウトすることが無く、ねじの締め付け、および螺退が迅速かつ確実に行えるほかは、図4、図5に示す鍔付きねじは図1乃至図3に示すものと同様の構成、作用である。
また、上記説明では、図示する鍔付きねじAは、カメラ、ビデオカメラ等の光学機器に用いられるものにつき、代表的に説明したが、本考案の鍔付きねじAは上記説明に限ることなく、例えば携帯用音声再生装置、携帯電話機、そのほか精密機器等に使用される寸法、大きさが極めて小さい鍔付きねじについても本考案は適用される。
本考案は、ねじの寸法、大きさが小さくても、ねじ頭の下方周縁部に一体形成した小径な鍔が適度のばね常数、撓み量を得てばね性を発揮し、十分な締め付けトルクを得て緩みを防止し、ドライバーのビットがカムアウトしたり、リームアウトが無く、ねじ頭部のリセスが破壊したり、ねじ頭の引きちぎれが確実に防止される用途・機能に適する。
図1は本考案の鍔付きねじの実施形態を示す平面図である。 図2は同じく半断面図である。 図3は同じく使用状態の拡大断面図である。 図4は本考案の鍔付きねじの実施形態2を示す平面図である。 図5は本考案の鍔付きねじの実施形態3を示す平面図である。
符号の説明
1 ねじ頭
1A なべ頭
2 鍔
3 リセス
4 ねじ部
A 鍔付きねじ
B ビット
D 鍔径
D1 なべ径
K ドライバー

Claims (5)

  1. ねじ頭の下方周縁部に逆皿状の鍔を一体に形成したばね性の鍔付きねじにおいて、
    前記ねじ頭がなべ頭に形成され、
    該なべ頭にはドライバーのビットが挿入されるリセスが形成され、
    前記鍔の鍔径はなべ径に対し1.35〜1.45倍の直径に形成されることを特徴とするばね性の鍔付きねじ。
  2. 前記鍔付きねじが、冷間圧造用炭素鋼線にて表面には浸炭処理されて形成されるとともにリセスの長さが1.2〜4.2mm、前記鍔の鍔厚が0.25 +0.1〜0.6 ±0.2mm、鍔の上面および下面の両面での狙い目鍔角度が約6°に形成されることを特徴とする請求項1記載のばね性の鍔付きねじ。
  3. リセスが、鍔の座面からねじ部に到る首下において、両角50〜55°に形成されることを特徴とする請求項1、または2に記載のばね性の鍔付きねじ。
  4. リセスが、平面十字形、平面Y字形、ヘクサロビュラ形の何れかに形成されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のばね性の鍔付きねじ。
  5. 平面十字形の前記リセスが、S型十字穴、またはH型十字穴であることを特徴とする請求項4記載のばね性の鍔付きねじ。
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