JP2004345583A - ワイパアーム装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロックバック操作を確保しつつ不慮のロックバックを防止する。
【解決手段】ワイパシャフト11によって往復回動されるアームヘッド12と、基端部がアームヘッド12に回動自在に支持されたアームシャンク20と、基端側フック部34がアームヘッド12に係止され先端側フック部31がアームシャンク20に係止されたスプリング30とを備えているワイパアーム装置において、アームシャンク20のアームヘッド12に対する回動の途中でスプリング30の屈曲部33に当接する一対の当接部24がアームシャンク20の逃げ溝23の両側面に千鳥形状に配置されている。
【効果】横風等の揚力程度ではスプリングが当接部を乗り越え得ないので、アームシャンクは浮き上げられても屈曲部がアームシャンクの当接部に当接すると、不慮にロックバックせずにスプリングの弾発力で元の位置に戻される。
【選択図】 図3
【解決手段】ワイパシャフト11によって往復回動されるアームヘッド12と、基端部がアームヘッド12に回動自在に支持されたアームシャンク20と、基端側フック部34がアームヘッド12に係止され先端側フック部31がアームシャンク20に係止されたスプリング30とを備えているワイパアーム装置において、アームシャンク20のアームヘッド12に対する回動の途中でスプリング30の屈曲部33に当接する一対の当接部24がアームシャンク20の逃げ溝23の両側面に千鳥形状に配置されている。
【効果】横風等の揚力程度ではスプリングが当接部を乗り越え得ないので、アームシャンクは浮き上げられても屈曲部がアームシャンクの当接部に当接すると、不慮にロックバックせずにスプリングの弾発力で元の位置に戻される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイパアーム装置に関し、例えば、自動車のウインドを払拭するワイパ装置に利用して有効なワイパアーム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車のウインドを払拭するワイパ装置に使用されるワイパアーム装置においては、寒冷地での凍結によるラバーとガラスとの貼り付きを防止したり、ウインドの洗浄作業を実施し易くする等のために、アームシャンクを立ち上げた状態に維持(ロック)するロックバック機構が装備されている。ところが、ロックバック機構が装備されたワイパのワイパアーム装置においては、例えば、雨天走行時等の払拭作動中に強い横風を受けると、アームシャンクが浮き上がり、不慮にロックバック状態になってしまう危惧がある。そこで、ワイパシャフトに固定されたアームヘッドと、基端がアームヘッドに起伏可能に支持され先端がワイパブレードに取り付けられたリテーナとの間に抵抗部を設け、スプリングが掛けられたフックが抵抗部に当接することにより、払拭作動中でのリテーナの浮き上がりを抑制するように構成したワイパアーム装置が、提案されている(例えば、特許文献1の図7参照)。
【0003】
【特許文献1】
実開平3−51660号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
最近、自動車のリアウインドを払拭するワイパ装置に使用されるワイパアーム装置においては、デザイン(意匠)の性能を高めるために、樹脂化されることが多くなって来ている。ところで、樹脂化されたワイパアーム装置は長尺、かつ、軽量であるために、自動車が高速で走行して大きな揚力が加わったりすると、不慮にロックバック状態になってしまい易い。そこで、この走行中のロックバック状態の発生を防止するために、樹脂化されたワイパアーム装置において使用位置からロックバック位置への回動途中に浮き上がりを抑制する抵抗部を設けると、スプリングの荷重の設定が困難になる。例えば、スプリングが掛けられたフックと当接する抵抗部を小さく設定すると、フックが当接した際にワイパアーム装置が浮き上がり易くなり、逆に、抵抗部を大きく設定すると、フックが当接した際にワイパアーム装置が浮き上がり難くなるが、ロックバックすることができないという問題が発生してしまう。つまり、抵抗部の設置精度如何によっては、リアウインドの清掃時等のロックバック状態が必要な場合に際してロックバック状態を創出することができない事態が起こるという問題点があることが、本発明者によって明らかにされた。
【0005】
本発明の目的は、必要時のロックバック操作を確保しつつ不慮のロックバックを防止することができるワイパアーム装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るワイパアーム装置は、ワイパシャフトによって往復回動されるアームヘッドと、基端部が前記アームヘッドに回動自在に支持されたアームシャンクと、一端部が前記アームヘッドに係止され他端部が前記アームシャンクに係止されたスプリングとを備えているワイパアーム装置において、
前記アームシャンクの前記アームヘッドに対する回動の途中で前記スプリングに当接する当接部が前記アームシャンクに設けられていることを特徴とする。
【0007】
前記した手段によれば、例えば、高速走行等による揚力によってアームシャンクが浮き上げられると、アームシャンクとアームヘッドとの間に張設されたスプリングの一部がアームシャンクの当接部に当接する。ここで、アームシャンクに作用する空気抵抗で発生する揚力程度では、スプリングが当接部を乗り越えることができないために、アームシャンクはスプリングの弾発力によって元の位置に戻される。つまり、揚力によるアームシャンクの不慮のロックバック状態への移行は、未然に回避されたことになる。ウインドの清掃時等に際しては、スプリングが当接部を乗り越え可能な力をアームシャンクに加えることにより、ロックバック状態へ移行させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0009】
図1および図2に示されているように、ワイパアーム装置10はワイパモータ(図示せず)によって往復回動されるワイパシャフト11の一端部に固定されたアームヘッド12を備えており、アームヘッド12はワイパシャフト11の回動に追従して一定の範囲内で往復回動するようになっている。アームヘッド12は樹脂が使用されて基端側が半円形で先端側が長方形の直方体形状に一体成形されており、基端部には取付孔13が厚さ方向(以下、上下方向とする。)に開設されている。取付孔13にはワイパシャフト11が挿入されてナット14によって締結されている。アームヘッド12の先端部には一対の支持片15、15が取付孔13の周り方向に分岐する状態で突設されており、両支持片15、15が形成する支持溝16の内部にはアームシャンクを回動自在に連結するための支軸17が一体的に架設されている。支軸17の外周面の基端側の部分には面取り部17aが支軸17の軸線と平行方向に形成されている。アームヘッド12における支持溝16に基端側で隣接した位置には、スプリング係止溝18が没設されており、スプリング係止溝18の内部にはスプリング係止軸19が支軸17と平行に架設されている。
【0010】
アームヘッド12の先端部には樹脂が使用されて略細長い樋形状に形成されたアームシャンク20の基端部が回動自在に軸支されている。すなわち、アームシャンク20の基端部には支持溝16に嵌入される細幅の連結部21がアームヘッド12側に突設されており、連結部21の突出端部に形成された軸孔22が連結部21が支持溝16に嵌入された状態でアームヘッド12の支軸17に嵌合されることにより、アームシャンク20はアームヘッド12に上下方向に回動自在に連結されている。ちなみに、アームシャンク20の軸孔22とアームヘッド12の支軸17とは、軸孔22の一部に切り欠かれた切欠部22aを面取り部17aに当てがう姿勢で組み込むことにより連結することができるようになっている。連結部21の下面における中心線上にはスプリング30を逃げる逃げ溝23が一定幅をもって没設されており、逃げ溝23の溝幅Wはスプリング30の外径Dよりも若干大きく設定されている。逃げ溝23の一対の側面における先端部および基端部にはスプリング30に当接する当接部24が一対、千鳥形状の関係になるようにそれぞれ内向きに突設されており、両当接部24、24の内側端面の溝側面までの間隔Sはスプリング30の外径Dと略等しくなるように設定されている。また、両当接部24、24はスプリング30の基端部に同時に当接し得るように設定されている。両当接部24、24は樹脂からなるアームシャンク20に一体的に成形されるために、個別のアームシャンク20すなわち個体(個片)相互間でばらつきなく、しかも、高い精度をもって製造することができる。
【0011】
スプリング30はばね鋼等の弾性材料が使用されて一体成形されており、先端側フック部31と、コイル部32と、屈曲部33と、基端側フック部34とを備えている。先端側フック部31は略半円形に弯曲されており、アームヘッド12の中間部の基端寄りの位置に中心線と直交するように架設されたスプリング係止軸25に下方側から係止されている。基端側フック部34は屈曲部33の末端部において略半円形に弯曲されており、アームヘッド12のスプリング係止溝18に挿入されてスプリング係止軸19に下方側から係止されている。屈曲部33は、コイル部32と基端側フック部34の間に設けられ、逆へ字形状に屈曲されており、通常の状態において、アームシャンク20の逃げ溝23から離脱した状態になり、ロックバック状態において逃げ溝23に挿入した状態になるように設定されている。
【0012】
アームシャンク20の先端部にはワイパブレード(図示せず)を取り付けるための取付部26が形成されており、取付部26はワイパブレードを回動自在に支持するように構成されている。アームヘッド12には上面および三方の側面を被覆するカバー27が被せ付けられている。
【0013】
次に作用を説明する。
【0014】
ワイパブレードがガラス面に密着している通常の状態すなわち図1に示された状態においては、アームヘッド12、アームシャンク20およびスプリング30は図2に示された位置関係になっている。この状態において、例えば、高速走行による風等によってアームシャンク20が浮き上げられると、図3に示されているように、アームシャンク20はアームヘッド12に対して支軸17を中心に上方に回動するために、アームシャンク20とアームヘッド12との間に張設されたスプリング30の屈曲部33がアームシャンク20の両当接部24、24に同時に当接する。スプリング30の屈曲部33が両当接部24、24に接すると、スプリング30の屈曲部33は両当接部24、24と反対方向にそれぞれ動くため、逃げ溝23に対して斜めになるように弾性変形を行う。すなわち、スプリング30の屈曲部33におけるコイル部32側のストレート部分に千鳥に配置された両当接部24、24がそれぞれ当接すると、この当接点を支点としてスプリング30が延びようとする。しかし、速度が落ちて浮き上がる力が落ちたときに、スプリング30の戻ろうとする力が働くため、スプリング30は当接部24を乗り越えることができない。この結果、スプリング30は逃げ溝23の内部に収まることはできないので、アームシャンク20に作用する高速走行による風等の揚力程度では、スプリング30の屈曲部33が当接部24を乗り越えることができない。このために、アームシャンク20はスプリング30の弾発力によって図1に示された元の位置に戻される。つまり、横風等によるアームシャンク20の不慮のロックバック状態への移行は、未然に回避されたことになる。
【0015】
図4に示されているように、アームシャンク20を完全なロックバック状態に移行させる場合においては、作業者はアームシャンク20をスプリング30の屈曲部33が両当接部24、24を乗り越える力を加えて強く引き起こす。スプリング30の屈曲部33が両当接部24、24を乗り越えると、図4に示されているように、スプリング30の先端側フック部31と基端側フック部34とを結ぶ線分35がアームシャンク20の回動中心である支軸17の中心すなわち所謂スプリング30の支点(転換点)36を乗り越えることにより、スプリング30はアームシャンク20のロックバック姿勢を維持する状態になるために、アームシャンク20はロックバック状態に移行することになる。この状態において、スプリング30はアームシャンク20の逃げ溝23の内部に納まった状態になっている。
【0016】
ちなみに、アームシャンク20をロックバック状態から通常の状態に戻す場合においては、作業者はスプリング30の先端側フック部31と基端側フック部34とを結ぶ線分35がアームシャンク20の回動中心である支軸17の中心すなわちスプリング30の支点36を乗り越える力をもってアームシャンク20を押し倒すことにより、スプリング30がアームシャンク20を介してワイパブレードをガラス面に押接させる通常の状態に戻すことができる。
【0017】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0018】
例えば、一対の当接部は千鳥形状に配置するに限らず、互いに対向して配置してもよい。また、当接部は二個配置するに限らず、三個以上配置してもよい。さらに、当接部は逃げ溝の内部に配置するに限らず、アームシャンクの下面に配置してもよい。
【0019】
当接部はアームシャンク側に配置するに限らず、図5および図6に示されているように、スプリング側に配置してもよい。図5においては、波形の当接部37がスプリング30の屈曲部33における逃げ溝23に対向する位置に形成されている。図6においては、幅の異なる当接部38がスプリング30の屈曲部33における逃げ溝23に対向する位置に形成されている。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、必要時のロックバック操作を確保しつつ不慮のロックバックを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるワイパアーム装置を示しており、(a)は一部省略側面図、(b)は同じく底面図である。
【図2】その主要部を示しており、(a)は側面断面図、(b)は底面図である。
【図3】そのロックバック防止時を示す側面断面図である。
【図4】そのロックバック時を示す側面断面図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態であるワイパアーム装置の主要部を示しており、(a)は側面断面図、(b)は底面図である。
【図6】本発明の第三の実施の形態であるワイパアーム装置の主要部を示しており、(a)は側面断面図、(b)は底面図である。
【符号の説明】
10…ワイパアーム装置、11…ワイパシャフト、12…アームヘッド、13…取付孔、14…ナット、15…支持片、16…支持溝、17…支軸、17a…面取り部、18…スプリング係止溝、19…スプリング係止軸、20…アームシャンク、21…連結部、22…軸孔、22a…切欠部、23…逃げ溝、24…当接部、25…スプリング係止軸、26…取付部、27…カバー、30…スプリング、31…先端側フック部、32…コイル部、33…屈曲部、34…基端側フック部、35…スプリングの先端側フックと基端側フックとを結ぶ線分、36…支点、37…波形の当接部、38…幅の異なる当接部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイパアーム装置に関し、例えば、自動車のウインドを払拭するワイパ装置に利用して有効なワイパアーム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車のウインドを払拭するワイパ装置に使用されるワイパアーム装置においては、寒冷地での凍結によるラバーとガラスとの貼り付きを防止したり、ウインドの洗浄作業を実施し易くする等のために、アームシャンクを立ち上げた状態に維持(ロック)するロックバック機構が装備されている。ところが、ロックバック機構が装備されたワイパのワイパアーム装置においては、例えば、雨天走行時等の払拭作動中に強い横風を受けると、アームシャンクが浮き上がり、不慮にロックバック状態になってしまう危惧がある。そこで、ワイパシャフトに固定されたアームヘッドと、基端がアームヘッドに起伏可能に支持され先端がワイパブレードに取り付けられたリテーナとの間に抵抗部を設け、スプリングが掛けられたフックが抵抗部に当接することにより、払拭作動中でのリテーナの浮き上がりを抑制するように構成したワイパアーム装置が、提案されている(例えば、特許文献1の図7参照)。
【0003】
【特許文献1】
実開平3−51660号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
最近、自動車のリアウインドを払拭するワイパ装置に使用されるワイパアーム装置においては、デザイン(意匠)の性能を高めるために、樹脂化されることが多くなって来ている。ところで、樹脂化されたワイパアーム装置は長尺、かつ、軽量であるために、自動車が高速で走行して大きな揚力が加わったりすると、不慮にロックバック状態になってしまい易い。そこで、この走行中のロックバック状態の発生を防止するために、樹脂化されたワイパアーム装置において使用位置からロックバック位置への回動途中に浮き上がりを抑制する抵抗部を設けると、スプリングの荷重の設定が困難になる。例えば、スプリングが掛けられたフックと当接する抵抗部を小さく設定すると、フックが当接した際にワイパアーム装置が浮き上がり易くなり、逆に、抵抗部を大きく設定すると、フックが当接した際にワイパアーム装置が浮き上がり難くなるが、ロックバックすることができないという問題が発生してしまう。つまり、抵抗部の設置精度如何によっては、リアウインドの清掃時等のロックバック状態が必要な場合に際してロックバック状態を創出することができない事態が起こるという問題点があることが、本発明者によって明らかにされた。
【0005】
本発明の目的は、必要時のロックバック操作を確保しつつ不慮のロックバックを防止することができるワイパアーム装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るワイパアーム装置は、ワイパシャフトによって往復回動されるアームヘッドと、基端部が前記アームヘッドに回動自在に支持されたアームシャンクと、一端部が前記アームヘッドに係止され他端部が前記アームシャンクに係止されたスプリングとを備えているワイパアーム装置において、
前記アームシャンクの前記アームヘッドに対する回動の途中で前記スプリングに当接する当接部が前記アームシャンクに設けられていることを特徴とする。
【0007】
前記した手段によれば、例えば、高速走行等による揚力によってアームシャンクが浮き上げられると、アームシャンクとアームヘッドとの間に張設されたスプリングの一部がアームシャンクの当接部に当接する。ここで、アームシャンクに作用する空気抵抗で発生する揚力程度では、スプリングが当接部を乗り越えることができないために、アームシャンクはスプリングの弾発力によって元の位置に戻される。つまり、揚力によるアームシャンクの不慮のロックバック状態への移行は、未然に回避されたことになる。ウインドの清掃時等に際しては、スプリングが当接部を乗り越え可能な力をアームシャンクに加えることにより、ロックバック状態へ移行させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0009】
図1および図2に示されているように、ワイパアーム装置10はワイパモータ(図示せず)によって往復回動されるワイパシャフト11の一端部に固定されたアームヘッド12を備えており、アームヘッド12はワイパシャフト11の回動に追従して一定の範囲内で往復回動するようになっている。アームヘッド12は樹脂が使用されて基端側が半円形で先端側が長方形の直方体形状に一体成形されており、基端部には取付孔13が厚さ方向(以下、上下方向とする。)に開設されている。取付孔13にはワイパシャフト11が挿入されてナット14によって締結されている。アームヘッド12の先端部には一対の支持片15、15が取付孔13の周り方向に分岐する状態で突設されており、両支持片15、15が形成する支持溝16の内部にはアームシャンクを回動自在に連結するための支軸17が一体的に架設されている。支軸17の外周面の基端側の部分には面取り部17aが支軸17の軸線と平行方向に形成されている。アームヘッド12における支持溝16に基端側で隣接した位置には、スプリング係止溝18が没設されており、スプリング係止溝18の内部にはスプリング係止軸19が支軸17と平行に架設されている。
【0010】
アームヘッド12の先端部には樹脂が使用されて略細長い樋形状に形成されたアームシャンク20の基端部が回動自在に軸支されている。すなわち、アームシャンク20の基端部には支持溝16に嵌入される細幅の連結部21がアームヘッド12側に突設されており、連結部21の突出端部に形成された軸孔22が連結部21が支持溝16に嵌入された状態でアームヘッド12の支軸17に嵌合されることにより、アームシャンク20はアームヘッド12に上下方向に回動自在に連結されている。ちなみに、アームシャンク20の軸孔22とアームヘッド12の支軸17とは、軸孔22の一部に切り欠かれた切欠部22aを面取り部17aに当てがう姿勢で組み込むことにより連結することができるようになっている。連結部21の下面における中心線上にはスプリング30を逃げる逃げ溝23が一定幅をもって没設されており、逃げ溝23の溝幅Wはスプリング30の外径Dよりも若干大きく設定されている。逃げ溝23の一対の側面における先端部および基端部にはスプリング30に当接する当接部24が一対、千鳥形状の関係になるようにそれぞれ内向きに突設されており、両当接部24、24の内側端面の溝側面までの間隔Sはスプリング30の外径Dと略等しくなるように設定されている。また、両当接部24、24はスプリング30の基端部に同時に当接し得るように設定されている。両当接部24、24は樹脂からなるアームシャンク20に一体的に成形されるために、個別のアームシャンク20すなわち個体(個片)相互間でばらつきなく、しかも、高い精度をもって製造することができる。
【0011】
スプリング30はばね鋼等の弾性材料が使用されて一体成形されており、先端側フック部31と、コイル部32と、屈曲部33と、基端側フック部34とを備えている。先端側フック部31は略半円形に弯曲されており、アームヘッド12の中間部の基端寄りの位置に中心線と直交するように架設されたスプリング係止軸25に下方側から係止されている。基端側フック部34は屈曲部33の末端部において略半円形に弯曲されており、アームヘッド12のスプリング係止溝18に挿入されてスプリング係止軸19に下方側から係止されている。屈曲部33は、コイル部32と基端側フック部34の間に設けられ、逆へ字形状に屈曲されており、通常の状態において、アームシャンク20の逃げ溝23から離脱した状態になり、ロックバック状態において逃げ溝23に挿入した状態になるように設定されている。
【0012】
アームシャンク20の先端部にはワイパブレード(図示せず)を取り付けるための取付部26が形成されており、取付部26はワイパブレードを回動自在に支持するように構成されている。アームヘッド12には上面および三方の側面を被覆するカバー27が被せ付けられている。
【0013】
次に作用を説明する。
【0014】
ワイパブレードがガラス面に密着している通常の状態すなわち図1に示された状態においては、アームヘッド12、アームシャンク20およびスプリング30は図2に示された位置関係になっている。この状態において、例えば、高速走行による風等によってアームシャンク20が浮き上げられると、図3に示されているように、アームシャンク20はアームヘッド12に対して支軸17を中心に上方に回動するために、アームシャンク20とアームヘッド12との間に張設されたスプリング30の屈曲部33がアームシャンク20の両当接部24、24に同時に当接する。スプリング30の屈曲部33が両当接部24、24に接すると、スプリング30の屈曲部33は両当接部24、24と反対方向にそれぞれ動くため、逃げ溝23に対して斜めになるように弾性変形を行う。すなわち、スプリング30の屈曲部33におけるコイル部32側のストレート部分に千鳥に配置された両当接部24、24がそれぞれ当接すると、この当接点を支点としてスプリング30が延びようとする。しかし、速度が落ちて浮き上がる力が落ちたときに、スプリング30の戻ろうとする力が働くため、スプリング30は当接部24を乗り越えることができない。この結果、スプリング30は逃げ溝23の内部に収まることはできないので、アームシャンク20に作用する高速走行による風等の揚力程度では、スプリング30の屈曲部33が当接部24を乗り越えることができない。このために、アームシャンク20はスプリング30の弾発力によって図1に示された元の位置に戻される。つまり、横風等によるアームシャンク20の不慮のロックバック状態への移行は、未然に回避されたことになる。
【0015】
図4に示されているように、アームシャンク20を完全なロックバック状態に移行させる場合においては、作業者はアームシャンク20をスプリング30の屈曲部33が両当接部24、24を乗り越える力を加えて強く引き起こす。スプリング30の屈曲部33が両当接部24、24を乗り越えると、図4に示されているように、スプリング30の先端側フック部31と基端側フック部34とを結ぶ線分35がアームシャンク20の回動中心である支軸17の中心すなわち所謂スプリング30の支点(転換点)36を乗り越えることにより、スプリング30はアームシャンク20のロックバック姿勢を維持する状態になるために、アームシャンク20はロックバック状態に移行することになる。この状態において、スプリング30はアームシャンク20の逃げ溝23の内部に納まった状態になっている。
【0016】
ちなみに、アームシャンク20をロックバック状態から通常の状態に戻す場合においては、作業者はスプリング30の先端側フック部31と基端側フック部34とを結ぶ線分35がアームシャンク20の回動中心である支軸17の中心すなわちスプリング30の支点36を乗り越える力をもってアームシャンク20を押し倒すことにより、スプリング30がアームシャンク20を介してワイパブレードをガラス面に押接させる通常の状態に戻すことができる。
【0017】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0018】
例えば、一対の当接部は千鳥形状に配置するに限らず、互いに対向して配置してもよい。また、当接部は二個配置するに限らず、三個以上配置してもよい。さらに、当接部は逃げ溝の内部に配置するに限らず、アームシャンクの下面に配置してもよい。
【0019】
当接部はアームシャンク側に配置するに限らず、図5および図6に示されているように、スプリング側に配置してもよい。図5においては、波形の当接部37がスプリング30の屈曲部33における逃げ溝23に対向する位置に形成されている。図6においては、幅の異なる当接部38がスプリング30の屈曲部33における逃げ溝23に対向する位置に形成されている。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、必要時のロックバック操作を確保しつつ不慮のロックバックを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるワイパアーム装置を示しており、(a)は一部省略側面図、(b)は同じく底面図である。
【図2】その主要部を示しており、(a)は側面断面図、(b)は底面図である。
【図3】そのロックバック防止時を示す側面断面図である。
【図4】そのロックバック時を示す側面断面図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態であるワイパアーム装置の主要部を示しており、(a)は側面断面図、(b)は底面図である。
【図6】本発明の第三の実施の形態であるワイパアーム装置の主要部を示しており、(a)は側面断面図、(b)は底面図である。
【符号の説明】
10…ワイパアーム装置、11…ワイパシャフト、12…アームヘッド、13…取付孔、14…ナット、15…支持片、16…支持溝、17…支軸、17a…面取り部、18…スプリング係止溝、19…スプリング係止軸、20…アームシャンク、21…連結部、22…軸孔、22a…切欠部、23…逃げ溝、24…当接部、25…スプリング係止軸、26…取付部、27…カバー、30…スプリング、31…先端側フック部、32…コイル部、33…屈曲部、34…基端側フック部、35…スプリングの先端側フックと基端側フックとを結ぶ線分、36…支点、37…波形の当接部、38…幅の異なる当接部。
Claims (4)
- ワイパシャフトによって往復回動されるアームヘッドと、基端部が前記アームヘッドに回動自在に支持されたアームシャンクと、一端部が前記アームヘッドに係止され他端部が前記アームシャンクに係止されたスプリングとを備えているワイパアーム装置において、
前記アームシャンクの前記アームヘッドに対する回動の途中で前記スプリングに当接する当接部が前記アームシャンクに設けられていることを特徴とするワイパアーム装置。 - 前記当接部は前記アームシャンクに没設された逃げ溝の内部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のワイパアーム装置。
- 前記当接部は複数個が千鳥形状に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のワイパアーム装置。
- ワイパシャフトによって往復回動されるアームヘッドと、基端部が前記アームヘッドに回動自在に支持されたアームシャンクと、一端部が前記アームヘッドに係止され他端部が前記アームシャンクに係止されたスプリングとを備えているワイパアーム装置において、
前記アームシャンクの前記アームヘッドに対する回動の途中で前記アームシャンクの一部に当接する当接部が前記スプリングに設けられていることを特徴とするワイパアーム装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003147360A JP2004345583A (ja) | 2003-05-26 | 2003-05-26 | ワイパアーム装置 |
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JP2003147360A JP2004345583A (ja) | 2003-05-26 | 2003-05-26 | ワイパアーム装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-05-26 JP JP2003147360A patent/JP2004345583A/ja active Pending
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