JPH0728759U - ワイパブレード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速運転時にもウインドシールドガラス面か
ら浮き上がることがなく、高速性に優れたプラスチック
製のワイパブレードを提供する。 【構成】 樹脂製レバー３，４，５の車両前方側に、デ
フレクタフィン４ｂ，５ｄ，６ｃを当該レバー３，４，
５と一体的に設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、例えば自動車のワイパ装置に接続され、ウインドシールドガラス などに付着した雨滴やほこりなどを拭い去るのに利用されるワイパブレードに関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、上記のようなワイパブレードとしては、その軽量化や、コスト低減など の観点から、プラスチック製ワイパブレードが種々検討されており、このような プラスチック製ワイパブレードがスチールなど従来の金属製のものに替わって実 車に採用されるようになってきている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のようなプラスチック製ワイパブレードにおいては、ワイ パブレードとして必要な強度や剛性を確保するために、当該ワイパブレードを構 成する各レバーの肉厚の増大や全体的な大型化を避けることができず、空力抵抗 が増大する結果、高速運転に際して車両のフードからウインドシールドガラス面 に沿って上昇する気流によってワイパブレードがウインドシールドガラスから浮 き上がってしまうという問題点があり、このような問題点の解消がこの種プラス チック製ワイパブレードにおける課題となっていた。

【０００４】

【考案の目的】

この考案は、従来のプラスチック製ワイパブレードにおける上記課題に着目し てなされたものであって、高速運転時にもウインドシールドガラス面から浮き上 がることがなく、高速性に優れたプラスチック製のワイパブレードブレードを提 供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 この考案に係わるワイパブレードは、被払拭面に当接するブレードラバーと、 互いに連結された状態で前記ブレードラバーを支持する複数の樹脂製レバーを備 えたワイパブレードにおいて、前記複数の樹脂製レバーのうちの少なくとも２個 以上の車両前方側に、ワイパブレードの被払拭面からの浮き上がりを防止するデ フレクタフィンを当該レバーと一体的に設けた構成としたことを特徴としており 、このようなワイパブレードの構成を前述した従来の課題を解決するための手段 としている。

【０００６】

【考案の作用】

この考案に係わるワイパブレードにおいては、複数の樹脂製レバーのうちの少 なくとも２個以上の車両前方側に、デフレクタフィンを前記レバーと一体的に備 えており、このデフレクタフィンが走行時の風圧を受け当該ワイパブレードをウ インドシールドガラスの被払拭面上に押し付けることになるので、高速運転時に もワイパブレードがウインドシールドガラス面から浮き上がるようなことがなく 、金属製ワイパブレードに較べて大型化が避けられないプラスチック製ワイパブ レードであっても高速性を損なうことがない。

【０００７】

【実施例】

以下、この考案を図面に基づいて具体的に説明する。

【０００８】 図１ないし図４は、この考案に係わるワイパブレードの一実施例を示すもので あって、図１および図２は当該ワイパブレードのそれぞれ平面図および正面図で ある。

【０００９】 図に示すワイパブレード１は、略Ｔ字状の断面を有する合成ゴム製のブレード ラバー２と、当該ブレードラバー２を支持する合成樹脂製の５本のレバー、すな わち、仮想線で示すワイパ装置のワイパアーム３の先端部に回動自在に連結され るプライマリレバー４と、図３に拡大して示すように、このプライマリレバー４ の両端部に設けた二股状の軸受部４ａに軸５ｂを嵌合することによって当該プラ イマリレバー４の両端にそれぞれ回動自在に連結されたセカンダリレバー５，５ と、このセカンダリレバー５の先端部に設けた同様の軸受部５ａに軸６ａを嵌合 することによって当該セカンダリレバー５の先端にそれぞれ回動自在に連結され たヨークレバー６，６から主に構成されている。

【００１０】 さらに、当該ワイパブレード１は、前記ヨークレバー６の両端部および前記セ カンダリレバー５のプライマリレバー４側の端部にラバー係合部６ｂおよび５ｃ を備え、これらラバー係合部６ｂおよび５ｃに、前述のようにＴ字状断面を有す るブレードラバー２の上端縁を嵌合することによって当該ブレードラバー２が支 持されており（図４（ａ），（ｃ）および（ｅ）参照）、払拭作動に際して、前 記各レバー４，５および６が互いに回動することによって、当該ブレードラバー ２がウインドシールドガラスの曲率に追随して自由に湾曲するようになっている 。

【００１１】 また、当該ワイパブレード１の各レバー、すなわちプライマリレバー４，セカ ンダリレバー５およびヨークレバー６には、図１および図４（ａ）ないし（ｆ） の拡大断面図に示すように、デフレクタフィン４ｂ，５ｄおよび６ｃがそれぞれ 一体成形してあり、車両への搭載状態において当該デフレクタフィン４ｂ，５ｄ および６ｃが車両の前方側に位置するようにしてある。

【００１２】 なお、前記セカンダリレバー５およびヨークレバー６の軸５ｂおよび６ａは、 図中左側面が平らに切削されたＤ字状断面を有しており、当該切削面を下側に位 置させた状態、すなわち、セカンダリレバー５およびヨークレバー６をプライマ リレバー４およびセカンダリレバー５に対してほぼ直角に位置させた状態におい て、軸５ｂおよび６ａを軸受部４ａおよび５ａにそれぞれ挿嵌することによって 、軸５ｂおよび６ａの軸受部４ａおよび５ａへの嵌合が容易に行われると共に、 一旦嵌合されたのちは、セカンダリレバー５およびヨークレバー６をプライマリ レバー４およびセカンダリレバー５に対して直交する位置まで回動してからでな いと軸５ｂおよび６ａを軸受部４ａおよび５ａから外すことができないので、セ カンダリレバー５およびヨークレバー６のラバー係合部５ｃおよび６ｂにブレー ドラバー２を装着したのちは、当該ブレードラバー２を取り外さない限りセカン ダリレバー５およびヨークレバー６がプライマリレバー４およびセカンダリレバ ー５から脱落することはない。

【００１３】 このような構造を備えたワイパブレード１は、前述のように、ワイパ装置のワ イパアーム３の先端に取付けられ、ワイパアーム３に設けた図示しないアームス プリングによってウインドシールドガラスの被払拭面に押し付けられた状態で、 ワイパモータの作動により当該ウインドシールドガラス上を往復揺動し、ブレー ドラバー２によって被払拭面上の雨滴や汚れなどを除去し、運転者の視界を良好 に維持する。

【００１４】 このとき、当該ワイパブレード１の各レバー４，５および６に設けたデフレク タフィン４ｂ，５ｄおよび６ｃが走行時の風圧を受け、当該ワイパブレード１を ウインドシールドガラスの被払拭面上に押し付けるので、高速運転に際してもワ イパブレード１がウインドシールドガラス面から浮き上がることがなく、運転の ための良好な視界を確保することができ、金属製ワイパブレードに較べて大型化 が避けられないプラスチック製ワイパブレードであっても優れた高速性を得るこ とができる。

【００１５】 なお、この考案に係わるワイパブレードにおいては、デフレクタフィンの部分 でレバー本体部分を補強することになるので、本体部分を比較的小さくすること ができ、デフレクタフィンを設けたからといって当該ワイパブレードの体積や重 量が極端に増大するわけではない。

【００１６】 また、上記実施例においては、５本のレバーからなるワイパブレードを示した が、この考案をこのようなワイパブレードのみならず、４本以下あるいは６本以 上のレバーからなるワイパブレードに適用したとしても全く同様の効果が得られ ることは言うまでもない。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案に係わるワイパブレードは、上記構成、すなわ ち樹脂製レバーのうちの少なくとも２個以上の車両前方側に、ワイパブレードの 被払拭面からの浮き上がりを防止するデフレクタフィンを当該レバーと一体的に 設けた構成としたものであるから、走行時の風圧をデフレクタフィンが受け、ワ イパブレードをウインドシールドガラス面に押し付けることによってワイパブレ ードの被払拭面からの浮き上がりを防止するので、高速走行時でも良好な視界を 得ることができ、金属製ワイパブレードに較べて大型になりがちなプラスチック 製ワイパブレードであっても高速性を損なうことがないという優れた効果がもた らされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例に係わるワイパブレードの
形状を示す平面図である。

【図２】図１に示したワイパブレードの正面図である。

【図３】図１に示したワイパブレードにおけるレバーの
連結部の構造を示す説明図である。

【図４】（ａ） 図２の切断線Ａ−Ａについての断面図
である。 （ｂ） 図２の切断線Ｂ−Ｂについての断面図である。 （ｃ） 図２の切断線Ｃ−Ｃについての断面図である。 （ｄ） 図２の切断線Ｄ−Ｄについての断面図である。 （ｅ） 図２の切断線Ｅ−Ｅについての断面図である。 （ｆ） 図２の切断線Ｆ−Ｆについての断面図である。

【符号の説明】

１ ワイパブレード ２ ブレードラバー ４ プライマリレバー（レバー） ５ セカンダリレバー（レバー） ６ ヨークレバー（レバー） ４ｂ，５ｄ，６ｃ デフレクタフィン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 被払拭面に当接するブレードラバーと、
   互いに連結された状態で前記ブレードラバーを支持する
   複数の樹脂製レバーを備えたワイパブレードにおいて、 前記複数の樹脂製レバーのうちの少なくとも２個以上の
   車両前方側に、ワイパブレードの被払拭面からの浮き上
   がりを防止するデフレクタフィンを当該レバーと一体的
   に設けたことを特徴とするワイパブレード。