JP2004344710A5 - - Google Patents

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JP2004344710A5
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Description

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物の投入口と、生成品の取出口とを有し、少なくとも底面が熱媒ジャケット(11)で覆われた横型処理槽(1)と、
回転軸(13)の周囲に放射状に、かつ軸方向に多段に設けた支腕(12a)により支持された攪拌羽根(12)とから成り、横型処理槽(1)の内部に回転自在に設けられた攪拌装置と、
攪拌装置の回転軸(13)を回転させる回転駆動装置と、
熱媒を加熱する熱媒ボイラー(21)と、
熱媒ボイラー(21)と熱媒ジャケット(11)の間に設けられる熱媒流通管(24、25)と、熱媒ポンプ(22)とから成り、熱媒ジャケット(11)内に高温の熱媒を供給、循環させる熱媒供給装置(2)と、
熱媒温度制御装置と、
を具備する生物系有機廃棄物処理装置において、
攪拌羽根(12)を中空構造とすると共に、回転軸(13)及び支腕(12a)の内部に、攪拌羽根(12)の内部に通じる熱媒供給路及び熱媒回収路を設け、それらの流路の攪拌羽根(12)とは反対側の端部からそれぞれ熱媒流通管(24、25)に通じる熱媒流通管(26、27)を設けたことを特徴とする、上記の生物系有機廃棄物処理装置。
【請求項2】
回転軸(13)及び支腕(12a)が同軸に配置した外管及び内管から成る二重管構造を有し、内外管の間の断面円環状の流路により、熱媒流通管(26、27)の一方(26)から攪拌羽根(12)の内部に通じる熱媒供給路が形成され、内管内の流路により、攪拌羽根(12)の内部から熱媒流通管(26、27)の他の一方(26)に通じる熱媒回収路が形成された、請求項1に記載の生物系有機廃棄物処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の生物系有機廃棄物処理装置を用い、温度を25℃以上250℃以下の温度範囲内で定めた温度に制御した熱媒を、熱媒ジャケット及び攪拌羽根内部に供給、流通させながら、被処理物の熱処理、乾燥を行うことを特徴とする、生物系有機廃棄物処理方法。
【書類名】 明細書
【発明の名称】生物系有機廃棄物処理装置及び処理方法
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生物系有機廃棄物処理装置及び処理方法、特に本願の発明者が先に特許第329427号、特許第3310258号などにより開示した上記の処理装置及び処理方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
本願発明者が先に特許第329427号、特許第3310258号などにより開示した間接加熱方式による有機廃棄物乾燥処理装置は、被処理物の投入口と、生成品の取出口を有し、内部に回転軸に攪拌羽根を設けて成る攪拌装置を設けた半円筒形横置型の処理槽の外周面を熱媒ジャケットで覆い、その中に温度制御された高温熱媒を循環させ、被処理物を攪拌しつつ、加熱処理する間接加熱方式の装置である。
この有機廃棄物乾燥処理装置は広く用いられているが、被処理物の成分、含水率などによっては、攪拌装置の回転軸や攪拌羽根、その支腕に被処理物が付着して、攪拌が不充分となりその付着物の乾燥が進まなくなるという問題があった、
これは、処理槽の加熱が、外周のジャケットからのみ行われているため、処理槽中心部、特に回転軸周辺部に熱が充分に伝達されないためである。
【0003】
【特許文献1】特許第3294207号
【特許文献2】特許第3310258号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、回転軸や攪拌羽根に被処理物が粘着するのを抑制し、攪拌効果を高め、乾燥効率を向上させることである。
従来周知のこの種の装置は、周囲をジャケットで覆った横型処理槽と、処理槽のジャケット上部に設けた熱媒膨張タンクと、駆動モーターによって回転される前記処理槽内に設けた回転軸と、その回転軸に取付けられている支腕とこの支腕の先端に設けられて被処理物を攪拌する羽根と、からなる攪拌装置と、前記熱媒を加熱するヒーター又は熱媒ボイラーと、熱媒をジャケットに供給、循環させる管と、熱媒温度を制御する温度制御装置と、加熱時に発生する気化物を吸引し、臭気成分を除去する脱臭装置を具備するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、処理槽の外壁部からだけでなく、処理槽内部、特に中心部からも被処理物の加熱を行い、処理槽中心部でも乾燥を進行させ、被処理物が攪拌装置に粘着するのを防止し、被処理物の組成、含水率などによらず、常に攪拌、乾燥を効率的に行い得るよう構成する。
上記の目的を達成するため、本発明装置においては、前記回転軸と支腕と羽根の内部に前記熱媒を循環させる管を設け、それらの内部に熱媒流通路を構成する。
回転する軸または管内に作動流体の供給路と回収路を設ける場合、これらの軸または管を内外同軸二重構造とし、内外二重管の間及び内管内部のいずれか一方を作動流体の供給路としたの一方を回収路とすることは、周知慣用の技術であり、また他に適切な手段は存在しない。
従って、上記の目的を達成するため、攪拌羽根を中空状とすると共に、回転軸及び支軸を内外同軸二重管状とし、外管と内管の間、及び内管内部のいずれか一方、望ましくは前者を攪拌羽根内部への熱媒供給路とし、他の一方、望ましくは、後者を熱媒回収路とする。
【0006】
而して、このようにして形成した熱媒流通路を通じて、25℃以上、250℃以下の一定温度に加熱した熱媒を循環、流通させる。
然るときは、これら攪拌羽根や支軸の表面が直接熱媒により加熱され高温になるので、それらに触れる被処理物も高温となり、乾燥が進行するので、攪拌羽根等に粘り付くことがなくなる。
又、上記の如く構成することにより、従来公知の乾燥装置に比べて、伝熱面積を2〜3倍程度に増大でき、更に、処理槽外面からだけでなく、中心部にある回転軸や支軸、攪拌羽根表面からも加熱されるようになるので、均一な乾燥、熱処理が可能となり、均質なコンポストが得られるようになる。
【0007】
加熱処理槽としては、底面半円筒形の横置処理槽の外、内部に一対の攪拌装置を設けた合体タイプの横型処理槽を用いることができる。
【0008】
高含水率の生物系有機廃棄物の水分を効率良く、しかも品質を安定に保ちながら脱水するには、間接加熱方式により被処理物を焦がすことなく、処理槽内全体の加熱温度を均一化することが必要である。
因みに、従来の処理槽を覆った熱媒ジャケットのみによる伝熱面積では、被処理物を攪拌したとき回転軸や支腕を含む攪拌羽根に高含水率の被処理物が長時間付着し、攪拌羽根とに付着した被処理物は、結果的に長時間に亘り加熱しなければ乾燥されないため熱損失が大きくなり、処理槽の内部全体の加熱温度も不均一になるため、均質な加熱処理を短時間で行うことは困難であった。
【0009】
本発明では、外周に熱媒ジャケットを具備した処理槽全体をそのままの大きさで、伝熱面積を大きくするため、回転軸から支腕の内部、攪拌羽根の内部にまで熱媒を循環させる構造を付与して温度制御された熱媒を循環させることにより、回転軸と支腕含む攪拌羽根の中を循環する熱媒と、熱媒ジャケットを循環する熱媒によって処理槽の内部を広い伝熱面積で間接加熱するよう構成したので、処理槽全体の被処理物に対する加熱温度が均一化され、又、処理槽全体の伝熱面積が2〜3倍以上に増大したので、乾燥所要時間が短縮され、熱損失が大幅に減少することとなった。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照しつつ本発明方法を実施するため好適な処理装置の一例実施例について具体的に説明する。
図1は本発明に係る単一槽タイプの加熱処理装置の一実施例の概略を示す説明図、図2は図1に示した処理槽のA−A矢視断面図、図3は二槽合体形式の処理槽の一実施例を示す軸直角断面図、図4は図3の二槽合体形式と同じ形式の処理槽に図3とは異なる攪拌羽根を設置した実施例の水平断面図、図5は直接加熱と間接加熱における加熱温度,被処理物の含水率,槽内湿度を比較するための線図である。
【0011】
図1において、1は内部の下半部が半円筒状をなす一槽タイプの横型処理槽で、この処理槽1の外周に取付けられた熱媒ジャケット11と、この槽1の内部に設けた攪拌羽根12と、羽根12を先端に取付けた支腕12aと、支腕12aを放射状に取付けた回転軸13と、槽内の蒸気吸引管14とを具備している。
【0012】
2は前記熱媒ジャケット11に加熱した熱媒油を循環供給する熱媒供給装置で、熱媒ボイラー21と、循環ポンプ22,23と、熱媒流通管24,25とを具備している。3は吸引用ブロワー、4は槽内気体の冷却吸収槽で、冷却スプレー41と、貯水槽42と、仕切り板43と、排水管44と、冷却水循環ポンプ45と、冷却水供給管46と、冷却水補給管47とを具備している。
【0013】
5は燃焼脱臭装置で、例えば冷気等の冷媒を流通させる冷却用ジャケット51と、バーナー52とを具備している。6は冷却用ジャケット51を通過した加熱された空気を前記処理槽1へ導く予熱空気供給管であるが、本発明装置において、上記脱臭装置5と予熱空気供給管6は図の例に限られるものではなく任意の構造,形態で設けることができる。
【0014】
上記の横型処理槽1は、その周囲が熱媒ジャケット11で覆われ、投入口(図示せず)からこの槽内に投入された生ゴミ等による生物系有機廃棄物の被処理物を、槽内に設けた攪拌羽根12で緩慢に攪拌するようになっている。
処理槽1の内部は、熱媒ジャケット11と後述する回転軸13と支腕12aの内部に循環的に供給される加熱された熱媒油の伝導熱と、燃焼脱臭装置5の空冷用ジャケット51を通過した予熱空気供給管6を通じて槽内に送りこまれる熱風によって間接加熱される。
【0015】
横型処理槽1の内部の適宜個所には、温度センサー(図示せず)が取付けられ、その出力データに基づき、図示していない制御装置が熱媒供給装置2の循環ポンプ22,23等を制御し、熱媒ジャケット11並びに後述する回転軸13、又は、軸13と支腕12aの内部に供給される熱媒油の量や温度を自動的に調整して、熱媒油の温度を100℃以上250℃以下に保ち、槽内の設定温度を、一例として80℃乃至それ以下に保つようにしている。以上において、回転軸13と支腕12aの内部に熱媒油を循環させる構成を除いた加熱装置の構成は、本発明の発明者が特許第3294207号などにより先に提案している加熱処理装置と基本的に同じ構成である。
【0016】
上記の攪拌羽根12は夫々に支腕12aの先端に取付けられて、回転軸13に放射状に取付けられ、槽外に設けたモーター等の回転駆動装置により横型処理槽1の内部でゆっくりと回転させられるが、本発明では、前記回転軸13の内部、又は、その軸13と支腕12aの内部、或は、前記軸13,支腕12a,羽根12の内部に形成した熱媒通路に、熱媒供給装置2の熱媒を循環供給するように構成することにより、前記回転軸13,支腕12a,羽根12の少なくとも一つ以上が伝熱面を有する伝熱攪拌羽根(攪拌羽根ともいう)に形成されている。
従って、本発明の加熱処理装置では、熱媒ジャケット11を通る熱媒油は、熱媒流通管24,25に通じた熱媒流通管26,27を通って伝熱攪拌羽根(回転軸13、支腕12a、羽根12の少なくとも一つ以上)の内部を循環させられるように形成されている。
【0017】
上記伝熱面を有する処理槽1の内部での加熱によって処理槽1内部に収容された生物系有機廃棄物から発生する高温の蒸気は、冷却吸収槽4の排出口48に設けたブロワー3の作用で、処理槽1から蒸気吸収管14を経て冷却吸収槽4へ強制的に導かれる。これによって処理槽1の内部は減圧状態に保たれる。
このように、処理槽1の内部圧力がブロアー3の吸引作用で減圧状態に保たれることにより、予熱空気供給管6からの熱風が処理槽1の内部へ円滑に導入され、熱媒ジャケット及び攪拌装置内部を循環する高温熱媒により被処理物が効果的に加熱されるので、そうないでは被処理物の乾燥が順調に進行する。
【0018】
図1に示した単槽式の加熱装置の例においては、ブロワー3は、処理槽1の内部温度に加熱されている蒸気を強制的に吸引して槽外に導く蒸気吸引装置としての役割と、冷却吸収槽4の内部空気を強制的に吸引して槽外に導く排気装置としての役割を兼用している。なお、ブロワー3は、図1に示したように冷却吸収槽4の排出口48に設けることに代え、蒸気吸引管14の側へ設けたり、両方の側に設けたりするようにしてもよい。
【0019】
また、上記処理槽1と冷却吸収槽4との間に、処理槽1から導き出された高温の蒸気中に含まれる塵埃を除去するサイクロンもしくは集塵装置を設けることも推奨される。
【0020】
冷却吸収槽4には、ブロアー3の作用で処理槽1から導出された高温蒸気が導入され、当高温蒸気に、冷却スプレー41から冷却水を撒布して高温蒸気中に含まれる塵埃やガスを水に吸収させる。
冷却吸収槽4の内部は、仕切り板43によって仕切られると共に、底部には貯水槽42が設けられ、当貯水槽内に貯留される塵埃やガスを含む汚水をエアレーションによって浄化処理する装置(図では省略)が設けられる。
【0021】
図1の処理装置では、冷却水循環ポンプ45によって、貯水槽42内の水の一部を取り出し、冷却水供給管46を通じて冷却吸収槽4へ冷却スプレー41から撒布する構成としている。ここで、貯水槽42の水温上昇によって冷却効果が低下することを防止するため、冷却水補給管47を通じて新たな冷却水を補充することが望ましい。また、冷却吸収槽4の底部に形成している貯水槽42内の汚染度の高い汚水は、排水管44を通じて当貯水槽42から汚水槽(図示せず)へ排出するように構成している。
【0022】
冷却吸収槽4の内部の空気は、排気ブロアー3により強制的に槽外に吸引されるが、このとき燃焼脱臭装置5に送り込み、バーナー52によってその臭気成分が燃焼,脱臭する。なお、燃焼脱臭装置5の主体を形成するチャンバの外周には、冷却用ジャケット51を設け、当冷却用ジャケット内で加熱された空気を予熱空気供給管6を通じて前記処理槽1内へ供給するように構成している。
【0023】
上述したように、横型処理槽1の内部に投入されて攪拌されつつ熱媒ジャケット11及び伝熱攪拌羽根によって間接加熱される被処理物から発生した高温蒸気は、蒸気吸収管14を通じて吸引,排出されると共に、予熱空気供給管6から乾燥した予熱空気が処理槽1の内部へ導入されることと相俟って、被処理物は短時間で乾燥し、粒状化されるとともに酸化分解および低温熱分解されることになる。
【0024】
この結果、上記の横型処理槽1では、25℃以上250℃以上の温度に制御された熱媒により。被処理物が経済的に乾燥され、良質なコンポストに加工される。
【0025】
本願発明者が先に提案した特許第3294207号、特許第3310258号発明では、処理槽1の外周を覆うジャケット11による間接加熱のみであったから、その伝熱面積は、表1に例示したように、処理槽1の全容積が7000(L)の装置では10.10m2であったが、本発明を適用した機種では処理槽1の周囲を覆ったジャケット11と、攪拌羽根(回転軸13,支腕12a,羽根12の内部に熱媒を循環させて通す構造)を併用した構成を採ることにより、表1に示すように従来機種の伝熱面積(10.10m2)の2〜3倍、具体的には20.10m2〜30.30m2程度の伝熱面積を、装置の基本構造を変えることなく、熱効率の高い伝熱面を有する大小様々な加熱処理装置の提供が可能になる。
【0026】
【表1】
Figure 2004344710
【0027】
特に、本発明を適用した機種では大型装置に好適なように、横型処理槽1を合理的形態でスケールアップすると共に、伝熱攪拌羽根を一軸から二軸に増加した処理装置を構成できるので、この点について図3、図4を参照して説明する。
【0028】
図3、図4は、図1、図2に示した単一槽の横型処理槽1を平行にして二槽並べた形態の合体式の横型処理槽101に形成し、この合体タイプの横型処理槽101に、2本の平行な中空の回転軸13,13を設けた本発明加熱処理装置の別例の要部を軸直角断面図と水平断面図によって模式的に示したものである。
なお、図3、図4において、図1、図2と同一符号は同一部材,同一部位を示すものとする。また、図3は攪拌羽根12を回転軸13の周囲に45度ピッチで設けた攪拌羽根であるが、図4の攪拌羽根は、各羽根12を回転軸13に90度ピッチで設けている。軸13の回りに設ける各羽根12のピッチは、このほか120度ピッチもあり、本発明においてどのようなピッチ角で回転軸13に各羽根12を設けるかは、全く任意である。
【0029】
上記の合体タイプの横型処理槽101は、少なくとも側面と底面を熱媒ジャケット11で覆い、上面に蓋104を有する被処理物の投入口102を、また底面に蓋105を有する処理物の取出口103を設けている。また、この槽101の内部には、熱媒を通すため内部を中空にした2本の平行な回転軸13,13と、各軸13,13にそれぞれ放射状に取付けて軸の中空部に連通した内部が中空の支腕12aの先端に夫々に設けた中空の羽根12により形成された二組の伝熱攪拌羽根が配設されている。
【0030】
ここで、各回転軸13における夫々の支腕12aと羽根12は、それらが取付けられている2本の軸13,13が同時に回転するときに干渉することがないように、2本の軸13,13に対する夫々の支腕12aの取付け位置には、各回転軸13,13の長さ方向において位相差を持たせている。位相差を付けたことにより、両回転軸13,13の各羽根12,12の回転軌跡が重複しても、互に干渉することはない。また、各羽根12の回転軌跡が干渉することなく重複していることにより、互に相手方の支腕12aや羽根12に付着している被処理物を掻き落すことができるという固有の効果が得られる。
【0031】
上記の2本の回転軸13,13は、いずれか一方の軸13にモータ等の回転駆動力13aを導入し、他方の軸13は一方の軸13とベルトやチェーン、或は、歯車列などの伝動媒体13bによって伝動連結され、同期的に回転させられるように構成する。なお、個々の軸13に夫々に駆動力を入れるようにしてもよい。また、2本の回転軸13,13の回転方向は互に逆方向、或は、同方向のいずれであってもよい。
【0032】
上記のように、図1、図2の単一の横型処理槽1を2本並列した形態の図3、図4に例示した合体式の横型処理槽で、しかも、攪拌羽根2列の構成であるから、伝熱面積は、先の実施例で説明した単一槽式の処理槽1の場合に比べてほぼ2倍となり、大型の加熱処理装置を比較的コンパクトな形態に形成できる。また、被処理物の量が同じであれば、単一槽式の処理装置の約半分の時間で加熱処理を完了することが可能になる。
【0033】
最後に、生ゴミ等の被処理物を公知の直接加熱と本発明の間接加熱により加熱処理した場合の、被処理物の加熱温度や含水率、及び、槽内湿度について、図5の線図を参照しつつ説明する。
【0034】
間接加熱では、熱媒の昇温設定温度を130℃に設定する。この設定温度であっても、被処理物の含水率は85%と高いこと、並びに、熱媒ジャケットと攪拌羽根による併行間接加熱により槽内が均一加熱されるため、槽内の被処理物が80℃以上に昇温することはない。これに対し、直接加熱では直接ゆえに設定温度を80℃程度の低めに設定しても、被処理物自体が直に加熱されるため、槽内が不均一に加熱されて乾式では被処理物の表面含水率が低下して中心部まで脱水できず、被処理物の含水率が低下すると被処理物自体の温度が上がってしまい、その被処理物を焦がすに至る。
【0035】
間接加熱では、被処理物の表面から中心まで徐々に脱水され、槽内温度が低めであっても含水率は徐々に低減されるから、被処理物全体が平均に脱水される。このようにして脱水が進んで被処理物の体積が減じ、相対的に槽内の伝熱面積が増えると、徐々に被処理物の接触温度は90℃前後となり、90℃以上には上昇しない。これに対し、直接加熱では、被処理物の表面水分が先に脱水され、表面湿度が少ない乾燥状態になるため微生物が不活性になり、また、蛋白質の表面に焦げが生じる。
【0036】
間接加熱では、上記のように被処理物が適度な含水率なって槽内湿度が適切にセルフコントロールされることにより、槽内は微生物が活発に活動しやすい温度、湿度環境に整えられるから、理想的な酸化分解処理が可能となる。この点、直接加熱では、被処理物の表面水分が直接脱水されるから、槽内湿度が不足がちになり、しかも、被処理物自体の温度も直接加熱ゆえに高くなるので、微生物の活動には不向きな温度、湿度環境しか実現できず、従って、単なる乾燥装置として利用されることが多い。
【0037】
次に、本発明の加熱方法により実際に被処理物を処理した例について説明する。
「麺類の酸化分解処理」の実施例
ここでは表2に示した含水率68.5%の麺類約70kgを6時間25分で処理したところ、図6の線図に示すように含水率4%まで低減することができた。この例では、120℃に加熱温度を設定して加熱したが、被処理物の接触温度は常温〜73℃範囲であった(表3参照)。
【0038】
【表2】
Figure 2004344710
【0039】
【表3】
Figure 2004344710
【0040】
「刈り芝を酸化分解と低温熱分解を併用した処理」の実施例
ここでは表4に示した含水率63.7%の刈り芝約37kgを4時間で処理したところ、図7の線図に示すように含水率1.1%まで低減することができた。この例では、180℃に加熱温度を設定して加熱したが、被処理物の接触温度は常温〜135℃範囲であった(表4参照)。
【0041】
【表4】
Figure 2004344710
【0042】
本発明加熱方法に使用する横型処理槽は叙上の実施の形態例のものに限定されるものではない。例えば、横型処理槽は攪拌羽根を2列設けたり、合体槽を2槽タイプにしたものに限定されず、攪拌羽根が3列以上、合体槽が2槽以上のタイプであってもよい。さらに、攪拌羽根の回転数は被処理物の種類や形状などに応じて適宜に設定すれば足りる。本発明は、その目的の範囲内で自由に設計変更し得るものであり、従って、上記の説明から当業者が容易に想到し得る総ての変更実施例を包摂するものである。
【0043】
【発明の効果】
本発明は以上の通りであって、横型処理槽の周囲の熱媒ジャケットによる間接加熱に加え、被処理物を攪拌する羽根を、その回転軸,支腕とともに内部に熱媒を循環させる伝熱攪拌羽根として加熱面を併用する間接加熱方式の加熱にすることにより、既存の処理槽をスケールアップせずに伝熱面積を少なくとも2倍以上に増大して熱効率を高めたものであり、生物系有機廃棄物の加熱処理をより効率的に行うことが可能になる。
【0044】
因みに、従来の横型処理槽の外周を覆った間接加熱ジャケットのみによる加熱では、伝熱面積が槽全体の内側面積30〜40%しかなく、また、被処理物に接触してそれを攪拌する羽根や回転軸には熱媒による伝熱面はなく攪拌されて持上げられ被処理物の上に落下するだけであったが、本発明では羽根に攪拌されて槽内の上方へ持上げられる被処理物は、その羽根や支腕,回転軸によっても間接加熱されるので、処理槽の内部全体での伝熱加熱が実現される。この結果、従来方式では槽内で上方に持上げられて殆んど加熱されずに落下していた被処理物も効率良く均一に加熱することが可能になるので、熱損が低減され、全体の熱効率が60〜70%向上する。これによって本発明方法では、処理時間が短縮され、しかも均一加熱と含水率の低減により品質を安定化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に係る単一槽タイプの生物系有機廃棄物加熱処理装置の一実施例の概略を示す説明図である。
【図2】
図1に示した単一処理槽のA−A矢視断面図である。
【図3】
二槽合体形式の処理槽の一実施例を示す軸直角断面図である。
【図4】
図3に示した二槽合体形式の処理槽の水平断面図である。
【図5】
直接加熱と間接加熱における加熱温度,被処理物の含水率,槽内湿度を比較するための線図である。
【図6】
麺類を本発明装置により処理した実施例における加熱温度,含水率などを示す線図である。
【図7】
刈り芝を本発明方法により処理した実施例における加熱温度,含水率などを示す線図である。
【符号の説明】
1 処理槽
11 熱媒ジャケット
12 攪拌羽根
12a 支腕
13 回転軸
2 熱媒供給装置
21 熱媒ボイラー
22、23 循環ポンプ
3 吸引用ブロアー
4 冷却吸収槽
41 冷却スプレー
42 貯水槽
43 仕切り板
44 排水管
45 冷却水循環ポンプ
46 冷却水供給管
47 冷却水補給管
5 燃焼脱臭装置
51 冷却用ジャケット
52 バーナー
6 予熱空気供給管

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