JP2004341319A - 処理液循環装置とこれを備えた写真処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラックの挿抜を容易にすると共に、接続部材とラックとの間の設計誤差、寸法誤差を許容すべく隙間を設け、それでいて処理液噴出時には、隙間による弊害を除去して勢い良く処理液を噴出可能にした処理液循環装置とこれを備えた写真処理装置を提供する。
【解決手段】処理槽1と、この処理槽1内に配置されて被処理物を搬送するラック2と、このラック2内に処理液を循環して送給する循環手段と、ラック2の底部に設けられると共に循環手段に接続されてラック2内に処理液を導入する可動ノズル7とを有する。可動ノズル7が処理液の処理槽1への送給により移動して、処理槽1内に配置されたラック2内の流路入口の傾斜面2aと密着可能になる処理液循環装置。
【選択図】 図3
【解決手段】処理槽1と、この処理槽1内に配置されて被処理物を搬送するラック2と、このラック2内に処理液を循環して送給する循環手段と、ラック2の底部に設けられると共に循環手段に接続されてラック2内に処理液を導入する可動ノズル7とを有する。可動ノズル7が処理液の処理槽1への送給により移動して、処理槽1内に配置されたラック2内の流路入口の傾斜面2aと密着可能になる処理液循環装置。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は処理液循環装置とこれを備えた写真処理装置に関し、詳しくは、処理槽と、この処理槽内に配置されて被処理物を搬送可能なラックと、このラック内に処理液を循環して送給する循環手段と、前記ラックの底部に設けられると共に前記循環手段に接続されて前記ラック内に前記処理液を導入する接続部材とを有する処理液循環装置とこれを備えた写真処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フィルム、印画紙などの感光材料を自動的に現像処理する写真処理装置は、現像液、漂白液、定着液、安定液などの処理液を入れた処理槽を、工程順に並列して構成されている。これらの処理槽は、上部にラックを懸架すると共に、ラック下部を処理槽内に深く浸漬・配設し、このラック内を感光材料が移送されるようになっている。その際、処理を促進するために、処理液を感光材料に吹きつける吹付孔をラックの上下にわたるいくつかの位置に備えている。この吹付孔は、ラック内を移動する感光材料の表面に向けて勢いよく処理液を吹きつけるために、例えば、感光材料の全幅を十分にカバーする長さを備えたプレートに多数形成されて構成されている。その際、吹きつける処理液は処理槽の中の処理液を循環させて用いるようになっていて、循環路の途中にポンプを配置して、ポンプの駆動力により処理液を吹付孔に向けて圧送する。
【0003】
すなわち、吹付孔に処理液を効果的に圧送するため、特許文献1では、処理槽の側部の所定箇所に形成されたいくつかの処理液導入口と処理槽底部とを接続する循環路を形成し、その循環路の途中に循環ポンプを接続・配置しておき、ラックを処理槽に懸架した状態で、ラックの側部に形成されている開口部と、処理槽の処理液導入口とを連通させるように構成されている。そして、ラックの側部と処理槽の処理液導入口とは、接続部材によって接続される。この接続部材は、吹付孔からの処理液噴射力を高くするため、処理液導入口から処理液が漏れないことと、ラック自体を清掃したり、処理槽内の液を交換したりする際に処理槽からラックの挿抜操作がしばしば行われることを考慮して、ラックの挿抜が容易となるような構成であることが必要であり、例えば伸縮自在のベローズなどで形成されている(特開平9−160204号公報)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−160204号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術のラックは、接続部材をラックの上下にわたる複数箇所の位置に備えているので、ラックや処理槽内の清掃時などにラックの挿抜を行うには、各接続部材の接続箇所に配慮する必要があり、必ずしも簡単ではなかった。そのため、接続部材を処理槽の底部1箇所に設け、ラック内を上方に向けて処理液を導入させると共に、上部より処理液を取り出して循環させ、処理槽の底部から再び処理液を噴出させるようにして、清掃時などにおけるラックの挿抜を容易する提案がなされた。
【0006】
ところが、処理槽とラックとの設計誤差、寸法誤差を許容すべく、処理槽の底部に設けられた接続部材とラックの底部に形成された挿入孔との間に隙間が設けられているため、循環ポンプによって処理液を均一かつ勢い良く噴出させようとしても、隙間の存在によって噴出力が減殺され、その噴出力を十分に発揮することができない。したがって、感光材料の表面に向けて処理液を勢いよく吹き付けることができなくなる。その結果、処理液の感光材料に対する反応力を十分に発揮させることができず、現像ムラが生じるおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて、ラックの挿抜を容易にすると共に、接続部材とラックとの間の隙間に関する設計誤差、寸法誤差を許容でき、それでいて処理液噴出時には、隙間による弊害を除去して勢い良く処理液を噴出可能にした処理液循環装置とこれを備えた写真処理装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は各請求項記載の発明により達成される。すなわち、本発明に係る処理液循環装置の特徴構成は、処理槽と、この処理槽内に配置されて被処理物を搬送するラックと、このラック内に処理液を循環して送給する循環手段と、前記ラックの底部に設けられると共に前記循環手段に接続されて前記ラック内に前記処理液を導入する接続部材とを有する装置において、前記接続部材が前記処理液の前記処理槽への送給により移動して、前記処理槽内に配置されたラック内の流路入口の内壁と密着可能になることにある。
【0009】
この構成によれば、ラックの底部に循環手段に接続された接続部材が設けられているので、処理槽からのラックの挿抜作業が楽であり、それでいて、接続部材とラックとの間の設計誤差、寸法誤差を許容できる隙間を設けたにも関わらず、処理液を噴出する際には、ラック内の流路入口の内壁と接続部材とが密着するので、隙間の存在による弊害はなく、効率良く処理液をラック内に吹き出させることができる。したがって、感光材料の表面に勢いよく処理液を吹き付けることができるので、現像ムラが生じたりすることを確実に防止できる。また、ラックの底部に接続部材を設け、ラックを処理槽から取り出す際には、ラックの底部と接続部材とは離間しているので取り出しやすくなる。
【0010】
その結果、ラックの挿抜を容易にすると共に、接続部材とラックとの間の設計誤差、寸法誤差を許容すべく隙間を設け、それでいて処理液噴出時には、隙間による弊害を除去して勢い良く処理液を噴出可能にした処理液循環装置を提供することができた。
【0011】
本発明に係る別の処理液循環装置の特徴構成は、処理槽と、この処理槽内に配置されて被処理物を搬送するラックと、このラック内に処理液を循環して送給する循環手段と、前記ラックの底部に設けられると共に前記循環手段に接続されて前記ラック内に前記処理液を導入する接続部材とを有する処理液循環装置において、前記接続部材と前記処理槽との間に圧縮ばねが設けられていて、前記接続部材が前記ラック内の流路入口方向に付勢されていることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、圧縮ばねの作用によって容易にラック内の流路入口の内壁と接続部材とが密着可能になり、密着性が向上する。したがって、ラックと接続部材の間の隙間を無くすことができ、感光材料の表面に勢いよく処理液を吹き付けることができる。その結果、現像ムラが生じたりすることを確実に防止できる。
【0013】
前記ラック内の流路入口が傾斜面を有していて、この傾斜面と前記接続部材とが面接触可能に前記接続部材の先端にも傾斜面を有することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、ラック内の流路入口と接続部材との傾斜面どうしが面接触するので、隙間の存在による弊害を一層確実に防止できる。
【0015】
又、本発明に係る写真処理装置の特徴構成は、請求項1〜3のいずれか1の処理液循環装置を有することにある。
【0016】
この構成によれば、ラックの挿抜を容易にすると共に、接続部材とラックとの間の隙間に関する設計誤差、寸法誤差を許容し、それでいて処理液噴出時には、隙間による弊害を除去して勢い良く処理液を噴出可能にした処理液循環装置を備えた写真処理装置を提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、写真処理装置を構成する処理液循環装置の一例である現像処理装置に用いる現像処理槽1(以下、単に「処理槽」ということがある)の断面構造(処理槽に挿入されたラックについては、その吹出口近傍のみ断面構造を示す)を示す。図2は、処理槽に挿入されるラックの側面構造を示す。この処理槽1は、その内部に被処理物であるフィルムや焼付された印画紙などの感光材料(図示略)を搬送するラック2を収納可能になっていて、このラック2は処理槽1の上部に取り付けられるピン3により懸架・支持されるようになっている。従って、ラック2はピン3を引き抜くことにより、処理槽1から取り外し自在に構成されている。
【0018】
処理槽1は、その内部に現像液が充填されると共に、現像液を循環する機構が設けられている。この循環機構は、処理槽1の底部1aの1箇所に吹出口1bが設けられていて、吹出口1bから処理槽内部の上方に向けて、ラック2に形成された流路8内を処理液が勢い良く吹き上げられ、移送されてきた感光材料である印画紙に、流路内隙間12の壁面に形成されたノズル状の吹付孔9を通して吹き付けるようになっている。感光材料に吹き付けた現像液は、処理槽1の上部より排出されてサブタンク4に送給され、ここでフィルター5により清浄化されると共に、その途中に配設された循環ポンプ6を介して、再度、処理槽の底部1aに送られる循環路11を形成している。これら循環ポンプ6、循環路11は循環手段を構成する。尚、図番13は感光材料を挟持しつつ搬送するロール軸を示す。
【0019】
吹出口1bには、図3に示すように、循環ポンプ6によって現像液が圧送されると、その押圧力により上方に向けて移動する、接続部材である可動ノズル7が装着されている。この可動ノズル7は、その先端側が円錐台形状に傾斜面7aを有していると共に、後端側が処理槽1の吹出口1bに接続されている。そして、先端側の傾斜面7aは、図3(a)に示すように、ラック2の底部に形成されている傾斜面2aと面接触可能になっている。
【0020】
すなわち、図3(b)に示すように、現像液が処理槽内に送給される前に、吹出口1bの処理槽内側の突出部に対して樹脂製の可動ノズル7を弾性変形されて嵌着させて取り付けると、可動ノズル7は吹出口1bの先端側突起部1cに当接する。その後、ラック2を処理槽1の内壁面に沿って挿入することになるが、可動ノズル7の位置するラック2の底部相当箇所には、図2に示すように、傾斜面2aを内壁に有する凹所2bが形成されており、ラック2は処理槽1内に容易に収容される。そして、現像液が処理槽1内に循環ポンプ6によって圧送されると、図3(a)に示すように、可動ノズル7は押圧されて押し上げられ、その先端側の傾斜面7aがラック2の傾斜面2aと密接し、両者に隙間が生じることがない。したがって、可動ノズル7から勢い良く現像液を圧送して吹き出させても、隙間の存在によるロスがなく、印画紙に活性度の高い現像液を効果的に噴出させることができ、現像ムラの生じるおそれを確実に解消できる。
【0021】
処理槽1を清掃する場合には、循環ポンプの作動を停止すると、可動ノズル7が処理槽1の底部側に沈下するので、現像液を処理槽1から排出させた後、ピン3をラック2から引き抜くことにより、処理槽1からラック2を容易に取り出すことができる。
【0022】
〔別実施の形態〕
(1)上記実施形態の可動ノズルに、図4に示すように、圧縮ばね10を装着した構成としてもよい。すなわち、可動ノズル7の下端部と処理槽の底部1aとの間に、圧縮ばね10が装着されていて、ラック2が処理槽内部にセットされる前は、図4(b)に示すように、可動ノズル7の下端部と吹出口1bの先端側突起部1cとが当接している。この状態からラック2を装着すると、ラック2の流路入口の傾斜面2aが、圧縮ばね10の付勢力に抗して、可動ノズル7の先端側の傾斜面7aを下方に押し下げる(図4(a)参照)。これにより、可動ノズル7の傾斜面7aとラック2の傾斜面2aは面接触した状態(隙間が形成されない状態)で接続される。可動ノズル7を押し下げる量は、可動ノズル7とラック2の傾斜面2aとの間の設計誤差、寸法誤差を考慮して、適切な値を設定することができる。図4(a)の状態で、処理液が処理槽1内に圧送されると、印画紙に対して勢いよく処理液を吹き付けることができる。
【0023】
また、圧縮ばねとしては、耐食性に優れたハステロイ合金製を採用することが好ましいが、ハステロイは高価であるため、これに代えてステンレス鋼であるSUS317J1、NAS316H1(商品名。日本精線株式会社製)製のばねを使用することが好ましい。これらは、ハステロイ合金より安価(約1/2)であり、処理液に対して高い耐食性を有していて、ばね特性を長く維持できる。
【0024】
(2)可動ノズル7の内壁面の隅部7bに、図4に示すように、円弧状の丸味を形成されていることが好ましい。このようにすると、圧送されてくる処理液の流路内でのロスを小さくできて、処理液のラック内での噴力を高く維持できる。
【0025】
(3)上記実施形態では、処理槽として現像処理槽を例に挙げて説明したが、本発明は、漂白液、定着液、安定液などの処理液を入れた処理槽に対しても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理液循環装置の一実施形態を表す断面図であり、図2のA−A断面構造を示す
【図2】図1の処理液循環装置に用いる処理槽に挿入するラックの側面図
【図3】処理液の吹出口の作用を説明する断面図
【図4】処理液の吹出口の変形例の作用を説明する断面図
【符号の説明】
1 処理槽
1a 処理槽の底部
2 ラック
2a ラックの傾斜面
6,11 循環手段
7 接続部材
7a 接続部材の傾斜面
10 圧縮ばね
【発明の属する技術分野】
本発明は処理液循環装置とこれを備えた写真処理装置に関し、詳しくは、処理槽と、この処理槽内に配置されて被処理物を搬送可能なラックと、このラック内に処理液を循環して送給する循環手段と、前記ラックの底部に設けられると共に前記循環手段に接続されて前記ラック内に前記処理液を導入する接続部材とを有する処理液循環装置とこれを備えた写真処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フィルム、印画紙などの感光材料を自動的に現像処理する写真処理装置は、現像液、漂白液、定着液、安定液などの処理液を入れた処理槽を、工程順に並列して構成されている。これらの処理槽は、上部にラックを懸架すると共に、ラック下部を処理槽内に深く浸漬・配設し、このラック内を感光材料が移送されるようになっている。その際、処理を促進するために、処理液を感光材料に吹きつける吹付孔をラックの上下にわたるいくつかの位置に備えている。この吹付孔は、ラック内を移動する感光材料の表面に向けて勢いよく処理液を吹きつけるために、例えば、感光材料の全幅を十分にカバーする長さを備えたプレートに多数形成されて構成されている。その際、吹きつける処理液は処理槽の中の処理液を循環させて用いるようになっていて、循環路の途中にポンプを配置して、ポンプの駆動力により処理液を吹付孔に向けて圧送する。
【0003】
すなわち、吹付孔に処理液を効果的に圧送するため、特許文献1では、処理槽の側部の所定箇所に形成されたいくつかの処理液導入口と処理槽底部とを接続する循環路を形成し、その循環路の途中に循環ポンプを接続・配置しておき、ラックを処理槽に懸架した状態で、ラックの側部に形成されている開口部と、処理槽の処理液導入口とを連通させるように構成されている。そして、ラックの側部と処理槽の処理液導入口とは、接続部材によって接続される。この接続部材は、吹付孔からの処理液噴射力を高くするため、処理液導入口から処理液が漏れないことと、ラック自体を清掃したり、処理槽内の液を交換したりする際に処理槽からラックの挿抜操作がしばしば行われることを考慮して、ラックの挿抜が容易となるような構成であることが必要であり、例えば伸縮自在のベローズなどで形成されている(特開平9−160204号公報)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−160204号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術のラックは、接続部材をラックの上下にわたる複数箇所の位置に備えているので、ラックや処理槽内の清掃時などにラックの挿抜を行うには、各接続部材の接続箇所に配慮する必要があり、必ずしも簡単ではなかった。そのため、接続部材を処理槽の底部1箇所に設け、ラック内を上方に向けて処理液を導入させると共に、上部より処理液を取り出して循環させ、処理槽の底部から再び処理液を噴出させるようにして、清掃時などにおけるラックの挿抜を容易する提案がなされた。
【0006】
ところが、処理槽とラックとの設計誤差、寸法誤差を許容すべく、処理槽の底部に設けられた接続部材とラックの底部に形成された挿入孔との間に隙間が設けられているため、循環ポンプによって処理液を均一かつ勢い良く噴出させようとしても、隙間の存在によって噴出力が減殺され、その噴出力を十分に発揮することができない。したがって、感光材料の表面に向けて処理液を勢いよく吹き付けることができなくなる。その結果、処理液の感光材料に対する反応力を十分に発揮させることができず、現像ムラが生じるおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて、ラックの挿抜を容易にすると共に、接続部材とラックとの間の隙間に関する設計誤差、寸法誤差を許容でき、それでいて処理液噴出時には、隙間による弊害を除去して勢い良く処理液を噴出可能にした処理液循環装置とこれを備えた写真処理装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は各請求項記載の発明により達成される。すなわち、本発明に係る処理液循環装置の特徴構成は、処理槽と、この処理槽内に配置されて被処理物を搬送するラックと、このラック内に処理液を循環して送給する循環手段と、前記ラックの底部に設けられると共に前記循環手段に接続されて前記ラック内に前記処理液を導入する接続部材とを有する装置において、前記接続部材が前記処理液の前記処理槽への送給により移動して、前記処理槽内に配置されたラック内の流路入口の内壁と密着可能になることにある。
【0009】
この構成によれば、ラックの底部に循環手段に接続された接続部材が設けられているので、処理槽からのラックの挿抜作業が楽であり、それでいて、接続部材とラックとの間の設計誤差、寸法誤差を許容できる隙間を設けたにも関わらず、処理液を噴出する際には、ラック内の流路入口の内壁と接続部材とが密着するので、隙間の存在による弊害はなく、効率良く処理液をラック内に吹き出させることができる。したがって、感光材料の表面に勢いよく処理液を吹き付けることができるので、現像ムラが生じたりすることを確実に防止できる。また、ラックの底部に接続部材を設け、ラックを処理槽から取り出す際には、ラックの底部と接続部材とは離間しているので取り出しやすくなる。
【0010】
その結果、ラックの挿抜を容易にすると共に、接続部材とラックとの間の設計誤差、寸法誤差を許容すべく隙間を設け、それでいて処理液噴出時には、隙間による弊害を除去して勢い良く処理液を噴出可能にした処理液循環装置を提供することができた。
【0011】
本発明に係る別の処理液循環装置の特徴構成は、処理槽と、この処理槽内に配置されて被処理物を搬送するラックと、このラック内に処理液を循環して送給する循環手段と、前記ラックの底部に設けられると共に前記循環手段に接続されて前記ラック内に前記処理液を導入する接続部材とを有する処理液循環装置において、前記接続部材と前記処理槽との間に圧縮ばねが設けられていて、前記接続部材が前記ラック内の流路入口方向に付勢されていることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、圧縮ばねの作用によって容易にラック内の流路入口の内壁と接続部材とが密着可能になり、密着性が向上する。したがって、ラックと接続部材の間の隙間を無くすことができ、感光材料の表面に勢いよく処理液を吹き付けることができる。その結果、現像ムラが生じたりすることを確実に防止できる。
【0013】
前記ラック内の流路入口が傾斜面を有していて、この傾斜面と前記接続部材とが面接触可能に前記接続部材の先端にも傾斜面を有することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、ラック内の流路入口と接続部材との傾斜面どうしが面接触するので、隙間の存在による弊害を一層確実に防止できる。
【0015】
又、本発明に係る写真処理装置の特徴構成は、請求項1〜3のいずれか1の処理液循環装置を有することにある。
【0016】
この構成によれば、ラックの挿抜を容易にすると共に、接続部材とラックとの間の隙間に関する設計誤差、寸法誤差を許容し、それでいて処理液噴出時には、隙間による弊害を除去して勢い良く処理液を噴出可能にした処理液循環装置を備えた写真処理装置を提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、写真処理装置を構成する処理液循環装置の一例である現像処理装置に用いる現像処理槽1(以下、単に「処理槽」ということがある)の断面構造(処理槽に挿入されたラックについては、その吹出口近傍のみ断面構造を示す)を示す。図2は、処理槽に挿入されるラックの側面構造を示す。この処理槽1は、その内部に被処理物であるフィルムや焼付された印画紙などの感光材料(図示略)を搬送するラック2を収納可能になっていて、このラック2は処理槽1の上部に取り付けられるピン3により懸架・支持されるようになっている。従って、ラック2はピン3を引き抜くことにより、処理槽1から取り外し自在に構成されている。
【0018】
処理槽1は、その内部に現像液が充填されると共に、現像液を循環する機構が設けられている。この循環機構は、処理槽1の底部1aの1箇所に吹出口1bが設けられていて、吹出口1bから処理槽内部の上方に向けて、ラック2に形成された流路8内を処理液が勢い良く吹き上げられ、移送されてきた感光材料である印画紙に、流路内隙間12の壁面に形成されたノズル状の吹付孔9を通して吹き付けるようになっている。感光材料に吹き付けた現像液は、処理槽1の上部より排出されてサブタンク4に送給され、ここでフィルター5により清浄化されると共に、その途中に配設された循環ポンプ6を介して、再度、処理槽の底部1aに送られる循環路11を形成している。これら循環ポンプ6、循環路11は循環手段を構成する。尚、図番13は感光材料を挟持しつつ搬送するロール軸を示す。
【0019】
吹出口1bには、図3に示すように、循環ポンプ6によって現像液が圧送されると、その押圧力により上方に向けて移動する、接続部材である可動ノズル7が装着されている。この可動ノズル7は、その先端側が円錐台形状に傾斜面7aを有していると共に、後端側が処理槽1の吹出口1bに接続されている。そして、先端側の傾斜面7aは、図3(a)に示すように、ラック2の底部に形成されている傾斜面2aと面接触可能になっている。
【0020】
すなわち、図3(b)に示すように、現像液が処理槽内に送給される前に、吹出口1bの処理槽内側の突出部に対して樹脂製の可動ノズル7を弾性変形されて嵌着させて取り付けると、可動ノズル7は吹出口1bの先端側突起部1cに当接する。その後、ラック2を処理槽1の内壁面に沿って挿入することになるが、可動ノズル7の位置するラック2の底部相当箇所には、図2に示すように、傾斜面2aを内壁に有する凹所2bが形成されており、ラック2は処理槽1内に容易に収容される。そして、現像液が処理槽1内に循環ポンプ6によって圧送されると、図3(a)に示すように、可動ノズル7は押圧されて押し上げられ、その先端側の傾斜面7aがラック2の傾斜面2aと密接し、両者に隙間が生じることがない。したがって、可動ノズル7から勢い良く現像液を圧送して吹き出させても、隙間の存在によるロスがなく、印画紙に活性度の高い現像液を効果的に噴出させることができ、現像ムラの生じるおそれを確実に解消できる。
【0021】
処理槽1を清掃する場合には、循環ポンプの作動を停止すると、可動ノズル7が処理槽1の底部側に沈下するので、現像液を処理槽1から排出させた後、ピン3をラック2から引き抜くことにより、処理槽1からラック2を容易に取り出すことができる。
【0022】
〔別実施の形態〕
(1)上記実施形態の可動ノズルに、図4に示すように、圧縮ばね10を装着した構成としてもよい。すなわち、可動ノズル7の下端部と処理槽の底部1aとの間に、圧縮ばね10が装着されていて、ラック2が処理槽内部にセットされる前は、図4(b)に示すように、可動ノズル7の下端部と吹出口1bの先端側突起部1cとが当接している。この状態からラック2を装着すると、ラック2の流路入口の傾斜面2aが、圧縮ばね10の付勢力に抗して、可動ノズル7の先端側の傾斜面7aを下方に押し下げる(図4(a)参照)。これにより、可動ノズル7の傾斜面7aとラック2の傾斜面2aは面接触した状態(隙間が形成されない状態)で接続される。可動ノズル7を押し下げる量は、可動ノズル7とラック2の傾斜面2aとの間の設計誤差、寸法誤差を考慮して、適切な値を設定することができる。図4(a)の状態で、処理液が処理槽1内に圧送されると、印画紙に対して勢いよく処理液を吹き付けることができる。
【0023】
また、圧縮ばねとしては、耐食性に優れたハステロイ合金製を採用することが好ましいが、ハステロイは高価であるため、これに代えてステンレス鋼であるSUS317J1、NAS316H1(商品名。日本精線株式会社製)製のばねを使用することが好ましい。これらは、ハステロイ合金より安価(約1/2)であり、処理液に対して高い耐食性を有していて、ばね特性を長く維持できる。
【0024】
(2)可動ノズル7の内壁面の隅部7bに、図4に示すように、円弧状の丸味を形成されていることが好ましい。このようにすると、圧送されてくる処理液の流路内でのロスを小さくできて、処理液のラック内での噴力を高く維持できる。
【0025】
(3)上記実施形態では、処理槽として現像処理槽を例に挙げて説明したが、本発明は、漂白液、定着液、安定液などの処理液を入れた処理槽に対しても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理液循環装置の一実施形態を表す断面図であり、図2のA−A断面構造を示す
【図2】図1の処理液循環装置に用いる処理槽に挿入するラックの側面図
【図3】処理液の吹出口の作用を説明する断面図
【図4】処理液の吹出口の変形例の作用を説明する断面図
【符号の説明】
1 処理槽
1a 処理槽の底部
2 ラック
2a ラックの傾斜面
6,11 循環手段
7 接続部材
7a 接続部材の傾斜面
10 圧縮ばね
Claims (4)
- 処理槽と、この処理槽内に配置されて被処理物を搬送するラックと、このラック内に処理液を循環して送給する循環手段と、前記ラックの底部に設けられると共に前記循環手段に接続されて前記ラック内に前記処理液を導入する接続部材とを有する処理液循環装置において、前記接続部材が前記処理液の前記処理槽への送給により移動して、前記処理槽内に配置されたラック内の流路入口の内壁と密着可能になることを特徴とする処理液循環装置。
- 処理槽と、この処理槽内に配置されて被処理物を搬送するラックと、このラック内に処理液を循環して送給する循環手段と、前記ラックの底部に設けられると共に前記循環手段に接続されて前記ラック内に前記処理液を導入する接続部材とを有する処理液循環装置において、前記接続部材と前記処理槽との間に圧縮ばねが設けられていて、前記接続部材が前記ラック内の流路入口方向に付勢されていることを特徴とする処理液循環装置。
- 前記ラック内の流路入口が傾斜面を有していて、この傾斜面と前記接続部材とが面接触可能に前記接続部材の先端にも傾斜面を有する請求項1の処理液循環装置。
- 請求項1〜3のいずれか1の処理液循環装置を有する写真処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003138960A JP2004341319A (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | 処理液循環装置とこれを備えた写真処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003138960A JP2004341319A (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | 処理液循環装置とこれを備えた写真処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004341319A true JP2004341319A (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=33528187
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003138960A Pending JP2004341319A (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | 処理液循環装置とこれを備えた写真処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004341319A (ja) |
-
2003
- 2003-05-16 JP JP2003138960A patent/JP2004341319A/ja active Pending
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