JP3773656B2 - 感光材料処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光材料を処理液に浸漬して処理する感光材料処理装置の液外に設けられたガイドを洗浄水によって洗浄する感光材料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動現像装置等の感光材料処理装置では、画像露光された感光材料を現像液、漂白液、定着液等の処理液に順次浸漬して処理する。
【0003】
自動現像装置は、これらの処理液を貯留する処理槽内にガイドによって感光材料を案内搬送する搬送ラックが設けられ、互いに隣接する処理槽の間にはクロスオーバー部が設けられ、この搬送ラックによって感光材料を案内搬送して処理液に浸漬しながら搬送して感光材料を処理するようになっている。
【0004】
ところで、処理槽内を搬送されて送り出された感光材料の表面には処理液が付着している。
【0005】
この感光材料に付着して持ち出された処理液は、クロスオーバー部で感光材料と接触する液外のガイドの表面に付着する。
【0006】
このような液外のガイドの表面に付着した処理液は、感光材料の非処理状態が長時間続くと処理液中の成分が析出してしまい、新たに処理される感光材料の表面を傷つけたり、処理ムラを引き起こす原因となってしまう。
【0007】
このため、自動現像装置には、例えば、液外のガイドへ向けて所定のタイミングでノズルから洗浄用の水を噴出して、ガイドの表面に付着している処理液を洗い流して、液外のガイドの表面に処理液中の成分が析出しないようにした洗浄機構を備えたものがある。
【0008】
従来、クロスオーバー部の側板にノズルを設けた感光材料処理装置として、特開平8−82907号公報に記載されている感光材料処理装置がある。
【0009】
この感光材料処理装置では、液外のガイド面とローラとの間に、ノズルから洗浄水を拡散噴出させ、ガイド面の洗浄を行っている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガイド面とローラとの間の空間に向けて噴射される洗浄水は、ガイド面またはローラに当接せず、これらの洗浄に寄与せずに落下して無駄になることがある。
【0011】
また、ガイド面とローラとの両方に洗浄水を直接当接させるため、洗浄水の噴射角度を大きくとると洗浄水の到達距離が短くなるため、例えば、ガイド面やローラの両端側にノズルを設けても、中央部分に洗浄水が届かない場合が考えられ、ガイド面やローラが長い場合には対応できない問題がある。
【0012】
このため、ポンプの能力を上げることにより上記の問題を解決することも可能であるが、洗浄水の使用量が増加してしまう問題が発生する。
【0013】
洗浄に用いられた洗浄水は処理槽へと落下するので、洗浄水の使用量が多くなると、処理槽の処理液濃度が規定値よりも低下する等の懸念もある。
【0014】
本発明は上記事実を考慮してなされたものであり、洗浄水の使用量を最小限に抑えつつ、液外に配置したガイドの表面を洗浄水により効率的に洗浄することのできる感光材料処理装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、感光材料を浸漬して処理する複数の処理槽の間に設けられ前記感光材料の搬送幅方向に延びる感光材料搬送ガイドに、少なくとも前記感光材料の搬送幅方向の一端側に設けた洗浄水噴出手段から所定圧力の洗浄水を拡散しながら噴出して前記感光材料搬送ガイドを 洗浄する感光材料処理装置であって、前記洗浄水噴出手段は、洗浄水を、洗浄水噴出手段の軸方向から片側へ拡散噴出し、前記拡散噴出する洗浄水の拡散面が前記感光材料搬送ガイドに対して略90°であり、前記感光材料搬送ガイドには、前記洗浄水噴出手段から噴出する洗浄水の一部分を前記洗浄水噴出手段の近傍で拡散する洗浄水拡散手段が設けられている、ことを特徴としている。
【0016】
請求項1に記載の感光材料処理装置では、感光材料の搬送幅方向の一端側に設けた洗浄水噴出手段から所定圧力の洗浄水が拡散しながら噴出され、洗浄水が感光材料搬送ガイドの表面で水流となり、この水流によって感光材料搬送ガイドの表面の洗浄が行われる。
【0017】
洗浄水は、洗浄水噴出手段の軸方向から片側へ拡散噴出するので、洗浄水の殆ど全てを感光材料搬送ガイドの表面へ向けて洗浄水噴出手段から噴出することができ、また、より遠方へと洗浄水を到達させることができる。
【0018】
また、拡散噴出する洗浄水の拡散面が感光材料搬送ガイドに対して略90°であるため、感光材料の搬送幅方向に沿って延びる長い感光材料搬送ガイド全体を洗浄することができる。
【0019】
なお、ここでいう略90°とは、90°±15°以内のことを意味する。
【0020】
また、洗浄水の拡散面が感光材料搬送ガイドに対して90°よりも大きくずれると、洗浄水の一部が感光材料の搬送幅方向に沿って延びる長い感光材料搬送ガイドから外れた方向へ噴出し、洗浄水の無駄を生じる。
【0021】
さらに、感光材料搬送ガイドには、洗浄水噴出手段から噴出する洗浄水の一部分を洗浄水噴出手段の近傍で拡散する洗浄水拡散手段が設けられているので、この洗浄水拡散手段によって洗浄水の一部をガイド面の幅方向へとより拡散させることができ、ガイド面の洗浄水噴出手段近傍の洗浄領域を拡大させることができる。なお、洗浄水噴出手段は、感光材料搬送ガイドの両端側に設けても良い。
【0022】
請求項2に記載の発明は、感光材料を浸漬して処理する複数の処理槽の間に設けられ前記感光材料の搬送幅方向に延びる感光材料搬送ガイドに、少なくとも前記感光材料の搬送幅方向の一端側に設けた洗浄水噴出手段から所定圧力の洗浄水を拡散しながら噴出して前記感光材料搬送ガイドを 洗浄する感光材料処理装置であって、前記感光材料搬送ガイドは、前記搬送される感光材料を水平面に対して傾斜した方向に案内するように傾斜しており、前記洗浄水噴出手段は、前記洗浄水の噴出方向が前記感光材料の搬送幅方向に対して平行または前記感光材料搬送ガイドの傾斜方向上側へ傾斜しており、前記感光材料搬送ガイドには、前記洗浄水噴出手段から噴出する洗浄水の一部分を前記洗浄水噴出手段の近傍で拡散する洗浄水拡散手段が設けられている、ことを特徴としている。
【0023】
請求項2に記載の感光材料処理装置では、感光材料搬送ガイドが傾斜しており、搬送される感光材料を水平面に対して傾斜した方向に案内する。
【0024】
ここで、傾斜した感光材料搬送ガイドに対して、感光材料搬送幅方向に沿って洗浄水を噴出すると、表面に流れる水流が、洗浄水噴出手段から離れるに従って感光材料搬送ガイドの傾斜方向下側へと向きを変える傾向がある。
【0025】
したがって、感光材料搬送ガイドが短い場合には洗浄水の噴出方向は感光材料の搬送幅方向に対して平行でも良く、噴出方向を感光材料搬送ガイドが長い場合には感光材料搬送ガイドの傾斜方向上側へ傾斜させることによって、傾斜させない場合に比較して洗浄水噴出手段から遠く離れた表面を洗浄することが出来るようになる。
【0026】
なお、噴出方向を感光材料搬送ガイドの傾斜方向下側へ傾斜させると、水流が傾斜方向下流側へ大きく向きを変えてしまい、洗浄水噴出手段から遠く離れた表面を洗浄することが出来なくなる。さらに、感光材料搬送ガイドには、洗浄水噴出手段から噴出する洗浄水の一部分を洗浄水噴出手段の近傍で拡散する洗浄水拡散手段が設けられているので、この洗浄水拡散手段によって洗浄水の一部をガイド面の幅方向へとより拡散させることができ、ガイド面の洗浄水噴出手段近傍の洗浄領域を拡大させることができる。
【0027】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の感光材料処理装置において、前記感光材料搬送ガイドと前記洗浄水噴出手段の軸線とは、前記軸線と直交する方向の間隔が3mm以上であることを特徴としている。
【0028】
請求項3に記載の感光材料処理装置では、感光材料搬送ガイドと洗浄水噴出手段の軸線との軸線と直交する方向の間隔が3mm以上であるため、洗浄水が感光材料搬送ガイドに当接されることによって形成される水流を、遠方へ到達させることができる。
【0029】
なお、上記間隔が3mm未満になると、上記水流を遠方へ到達させることができなくなる。
【0030】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の感光材料処理装置において、前記洗浄水噴出手段より拡散噴出する前記洗浄水の噴射角度が10°〜40°の範囲内であることを特徴としている。
【0031】
請求項4に記載の感光材料処理装置では、洗浄水噴出手段より拡散噴出する洗浄水の噴射角度を10°〜40°の範囲内としたので、洗浄水が感光材料搬送ガイドに当接されることによって形成される水流を、洗浄水噴出手段から遠方へ到達させることができる。
【0032】
なお、上記噴射角度が10°未満になると感光材料搬送ガイドの洗浄水噴出手段の近傍に洗浄水が当たらなくなり、40°を越えると上記水流を遠方へ到達させることができなくなる。
【0033】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の感光材料処理装置において、一つの前記洗浄水噴出手段より拡散噴出する前記洗浄水の水量が、3ミリリットル/秒以上であることを特徴としている。
【0034】
請求項5に記載の感光材料処理装置では、一つの前記洗浄水噴出手段より拡散噴出する前記洗浄水の水量が、3ミリリットル/秒以上であるため、最小限の水量で感光材料搬送ガイドの表面を確実に洗浄することができる。
【0035】
なお、上記水量が3ミリリットル/秒未満になると、水量不足で感光材料搬送ガイドの表面を確実に洗浄することができなくなる。
【0036】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の感光材料処理装置において、一つの前記洗浄水噴出手段より拡散噴出する前記洗浄水の水量が、20ミリリットル/秒以下であることを特徴としている。
【0037】
請求項6に記載の感光材料処理装置では、一つの洗浄水噴出手段より拡散噴出する洗浄水の水量が、20ミリリットル/秒以下であるため、多量の無駄な洗浄水を使用することなく、感光材料搬送ガイドの表面を洗浄することができる。
【0038】
なお、上記水量が20ミリリットル/秒よりも大きくなると、必要以上に洗浄水を使用することになり、洗浄水が無駄になる。
【0039】
また、落下した洗浄水により、処理槽内の処理液の濃度が規定値よりも低下することにもつながる。
【0040】
【実施の形態】
本発明の感光材料処理装置の一実施形態に係るプリンタプロセッサ10を図1乃至図11にしたがって説明する。
【0041】
図1は、プリンタプロセッサ10の概略構成図である。
【0042】
図1に示すように、このプリンタプロセッサ10には、レーザービームを走査して印画紙Pに画像を焼き付けるための光源部12を備えたプリンタ部14が備えられており、プリンタ部14には長尺の印画紙Pをロール状に巻き取って収容するペーパマガジン18が装着される。
【0043】
ペーパマガジン18に収容されている印画紙Pはロール状の外周端から引き出され、光源部12から照射されレーザービームによって画像が焼付けられる。
【0044】
また、プリンタ部14には、カッタ20が設けられており、画像の露光された印画紙Pは、カッタ20によって所定長さに切断され、側方に設けられたプロセッサ部22へと送り込まれる。
【0045】
このプロセッサ部22は、発色現像液を貯留する発色現像槽24、漂白定着液を貯留する漂白定着槽26及び洗浄水を貯留するリンス槽28A〜Dを備えている。
【0046】
プロセッサ部22に送り込まれた印画紙Pは、発色現像槽24、漂白定着槽26及びリンス槽28A〜D内を順に搬送され、発色現像、漂白定着及び洗浄処理が施された後、乾燥部30へ送り込まれる。
【0047】
乾燥部30へ送り込まれた印画紙Pは、乾燥部30で加熱乾燥された後、乾燥部30の上方へ向けて搬送され、機外へ排出される。
【0048】
ところで、このプリンタプロセッサ10には、発色現像槽24、漂白定着槽26及びリンス槽28A〜D内のそれぞれにローラとガイドによって構成された搬送ラック32が設けられている。
【0049】
図2に示されるように、搬送ラック32は、一対のラック側板34(図2では一方のみ図示)の間に大径のローラ36が上下に配置され(図2では一部のみ図示)、このローラ36の両側(紙面左右両側)及び下端のローラ36(図示省略)の下側には、ローラ36との間で印画紙Pを挟持する小径のローラ38が配置されて処理液に浸漬されている。
【0050】
また、搬送ラック32の入り側(図2の紙面左側)には、一対のラック側板34の間に、長さ350mmのローラ対40が設けられ、出側(図2の紙面右側)には同じく長さ350mmのローラ対42が設けられ、これらのローラ対40,42は処理液の液面上方に配置されている。
【0051】
このように、本実施形態の搬送ローラは、長さが350mmと長いので、最大幅12インチの印画紙Pを搬送することができ、幅狭の印画紙Pを搬送する場合には3列で搬送することができる。
【0052】
搬送ラック32の上部には、ローラ対40,42と共にクロスオーバー部44を構成するガイド部材46が設けられている。なお、本実施形態のガイド部材46は、合成樹脂の成形品である。
【0053】
このガイド部材46には、印画紙Pの搬送方向の上流側下面に、上流側から送り込まれた印画紙Pをローラ対40へ案内するガイド面48が形成され、下流側下面に、ローラ対42から送り出された印画紙Pを下流側に隣接する処理槽へ案内するガイド面50が形成されている。
【0054】
ここで、ガイド面48は印画紙Pの搬送方向下流側が下側となるように傾斜しており、ガイド面50は印画紙Pの搬送方向下流側が上側となるように傾斜している。
【0055】
このため、搬送ラック32は、ガイド面48によってローラ対40へ案内した印画紙Pをローラ36、38によって略U字状に挟持案内して、それぞれの処理液に浸漬した後、ローラ対42とガイド面50によって案内搬送して送り出すことができる。
【0056】
なお、本実施形態では、水平面に対するガイド面48の傾斜角度が27°に設定されており、水平面に対するガイド面50の傾斜角度が12°に設定されている。
【0057】
図3に示すように、これらのガイド面48,50は、印画紙Pの搬送方向上流側(図3の紙面左側)が平滑なフラット面48A,50Aとされ、搬送方向下流側が凹凸面48B,50Bとされている。
【0058】
凹凸面48B,50Bは、印画紙Pの搬送幅方向に沿った断面が円弧状とされ、搬送方向に沿って延びるリブ状の凸部を印画紙Pの搬送幅方向に沿って一定間隔で形成したものであり、凸部の頂部がフラット面48A,50Aと同一面に設定されている。
【0059】
このように、ガイド面48,50の一部に凹凸面48B,50Bを形成することにより、処理液で濡れた印画紙Pがガイド面48,50に密着して搬送されないことを防止している。
【0060】
図3及び図4に示すように、ガイド面48の長手方向(印画紙Pの搬送幅方向:図の矢印W方向)両端部には、ガイド面48からガイド面48の長手方向に離れるに従って、ガイド面48の仮想延長面から離れる方向に傾斜し、ガイド面48にて案内搬送される印画紙Pとは接触しない傾斜面54が設けられている。
【0061】
傾斜面54は、ガイド面48に対して、θ1 ( 本実施形態では、7°程度)傾斜している。
【0062】
傾斜面54には、ガイド面48の近傍に洗浄水拡散手段56が突出している。
【0063】
なお、洗浄水拡散手段56は、印画紙Pと接触しないように、最も突出している部分が、ガイド面48の仮想延長面以下に設定されている。
【0064】
洗浄水拡散手段56は、傾斜面54を平面視したときの形状が略三角形を呈しており、搬送方向(図4(B)の矢印A方向)に対する傾斜側面56Aの傾斜角度θ2 は、本実施形態では65°に設定されている。
【0065】
図5に示すように、ガイド面48(またはガイド面50)に対する傾斜側面56Aの傾斜角度θ3 は、10°〜75°が好ましく、本実施形態では30°に設定されている。
【0066】
また、洗浄水拡散手段56の高さh(ガイド面48またはガイド面50に直角方向に測定。)は、本実施形態では0.5mmに設定されている。
図1に示されるように、洗浄ノズル58は、発色現像槽24の下流側、漂白定着槽26及びリンス槽28A〜Dの上流及び下流側に設けられている。
【0067】
これらの洗浄ノズル58は、後述する洗浄水供給装置64から供給された洗浄水を主にガイド面48,50へ向けて噴出するようになっており、噴出水の一部が傾斜面54に設けられた洗浄水拡散手段56に当接するようになっている。
【0068】
図6(A),(B)に示されるように、それぞれの搬送ラック32の洗浄ノズル58は、ノズルユニット60に一体で設けられている。
【0069】
なお、図6(A)では、搬送ラック32の上部近傍のみを図示している。
【0070】
このノズルユニット60は、ガイド部材46の一方の側壁46Aの上部に形成された貫通穴46Bへ、ノズルユニット60から延設された爪部60Aを挿入係合させて取付けられ、搬送ラック32へガイド部材46と共に組付けられる。
【0071】
また、このノズルユニット60には、給水口62が設けられており、この給水口62から供給された洗浄水を洗浄ノズル58のそれぞれに均等圧力で分散される。
【0072】
図7に示されるように、洗浄ノズル58は、先端部分が略円柱状に形成され、先端の中央部分に洗浄水を噴出する噴出口(図示省略)が形成されている。
【0073】
洗浄ノズル58の先端には、軸心部の噴出口近傍から半径方向の外方へ向けて溝58Aが形成されている。このため、洗浄ノズル58に所定圧力で供給されて噴出される洗浄水は、溝58Aの溝方向に沿った半径方向の一方側へ噴射角度θ4 で拡散されるようになっている。
【0074】
この洗浄ノズル58より拡散噴出する洗浄水は、拡散方向の一端縁が洗浄ノズル58の軸線Cと略一致してるため、他端縁は軸線方向に対して角度θ4 となる。また、洗浄ノズル58から噴出される洗浄水は、拡散方向とは直角方向には殆ど拡散しない。即ち、洗浄ノズル58は、所謂、斜方フラットノズルとなっており、洗浄ノズル58の軸線Cに対して直角な平面に洗浄水を噴出すると、洗浄水は該平面に対して細長い直線状に当接する。
【0075】
本実施形態の洗浄ノズル58は、洗浄水が0.9kgf/cm2 で供給されたときに、洗浄水は15°で拡散噴出するようになっている。
【0076】
図4(A)〜(C)に示されるように、ガイド面48の両側に位置した洗浄ノズル58は、軸線Cの方向がガイド面48と平行で、かつ溝58A(図4では図示せず)の方向が上方のガイド面48へ向けられて配置されており(即ち、溝58Aの長手方向がガイド面48に対して90°)、洗浄ノズル58からは、洗浄水が印画紙Pの搬送幅方向(図4の矢印W方向)に沿うと共に、ガイド面48側へと拡散するように噴出する。
【0077】
同様に、ガイド面50の両側に位置した洗浄ノズル58も、軸線方向がガイド面50と平行で、かつ溝58Aの方向が上方のガイド面50へ向けられて配置されており(即ち、溝58Aの長手方向がガイド面50に対して90°)、洗浄ノズル58からは、洗浄水が印画紙Pの搬送幅方向に対して所定角度傾斜(詳細は後述する。)してガイド面50側へと拡散するように噴出する。
なお、図4(C)に示すように、洗浄ノズル58の軸線Cとガイド面48(50も同様)との距離Lは、4mmに設定されている。
【0078】
各洗浄ノズル58は、軸線Cの方向がガイド面48またはガイド面50に対して平行であるが、図3に示すように、印画紙Pを斜め上向きにガイドするガイド面50に対応した洗浄ノズル58は、その軸線Cが、ガイド面50の傾斜方向上側へ向けられており、洗浄水がガイド面50の印画紙Pの傾斜方向上側の端縁の長手方向中央部分に向けて噴出するようになっている。
【0079】
本実施形態では、ガイド面50に対応した洗浄ノズル58の軸線Cとガイド面50の長手方向とのなす角度θ5 が3°に設定されている。
【0080】
一方、ガイド面48に対応した洗浄ノズル58は、その軸線Cがガイド面48の長手方向と一致しており、洗浄水がガイド面50の長手方向に沿って噴出するようになっている。
【0081】
なお、従来のプリンタプロセッサでは、ペーパ幅(印画紙Pの幅)最大8インチ対応であったため、印画紙幅方向片側にのみ洗浄ノズルを配置してガイド面の洗浄が可能であったが、本実施形態では、印画紙幅最大12インチ、幅狭の印画紙Pのときは3列搬送を行うために、クロスオーバー部44を構成するガイド部材46の印画紙幅方向が広く、両側からの洗浄水噴射が必要となる。
【0082】
図8及び図9には、洗浄ノズル58へ洗浄水を供給する洗浄水供給装置64の概略構成が示されている。
【0083】
この洗浄水供給装置64は、プリンタプロセッサ10の内部に設けられて洗浄水を貯留している洗浄水タンク66、フィルタ72、洗浄水ポンプ68を備えている。
【0084】
なお、この洗浄水タンク66に貯留している洗浄水はリンス槽28A〜Dへの補充用の洗浄水及び発色現像液、漂白定着液の補充液を希釈するときの希釈水として用いるものであってもよく、蒸発分を補正する用途として用いるものであってもよい。
【0085】
洗浄水ポンプ68より送出される洗浄水は2方向に分岐され、各々が電磁バルブ80A〜80Hに供給されるようになっている。
【0086】
電磁バルブ80A,Bは、各々配管を介して発色現像槽24の搬送ラック32に設けられたノズルユニット60(図示せず)の給水口62に接続されている。
【0087】
なお、発色現像槽24の搬送ラック32に設けられたノズルユニット60には洗浄ノズル58が下流側に1個設けられているのみである。
【0088】
電磁バルブ80C,Dには、各々配管を介して漂白定着槽26の搬送ラック32に設けられたノズルユニット60(図示せず)の給水口62に接続されている。
【0089】
電磁バルブ80E,Fには、各々二股の分岐を介してリンス槽28Aの搬送ラック32に設けられたノズルユニット60(図示せず)の給水口62及び、リンス槽28Bの搬送ラック32に設けられたノズルユニット60(図示せず)の給水口62が連結されている。
【0090】
更に、電磁バルブ80G,Hには、各々分岐を介してリンス槽28Cの搬送ラック32に設けられたノズルユニット60(図示せず)の給水口62及び、リンス槽28Cの搬送ラック32に設けられたノズルユニット60(図示せず)の給水口62が連結されている。
【0091】
また、これらの洗浄水ポンプ68及び各電磁バルブ80A〜80Hは、洗浄制御回路82(図8参照)によって制御される。
【0092】
この洗浄制御回路82には、図示しないプリンタプロセッサ10の制御部からの洗浄信号が入力されるようになっており、この洗浄信号が入力されると、所定時間洗浄ポンプ68が作動し、洗浄ポンプ68が作動している間、所定のタイミングで電磁バルブ80A〜80Hが作動するようになっている。
【0093】
電磁バルブ80A〜80Hは、通常は閉じて各ノズルユニット60へ洗浄水が供給されないようにしているが、給水ポンプ68が作動しているときに開かれることにより、洗浄水タンク66内の洗浄水がノズルユニット60へ供給され、洗浄ノズル58から所定圧力の洗浄水を噴出させることができるようになっている。
【0094】
なお、電磁バルブ80A〜80Hは、1台づつが順次一定時間オンして(同時に2つ以上がオンしない。)、所定のノズルユニット60へ洗浄水を供給するようになっており、多数の洗浄ノズル58から同時に洗浄水を噴出させて、洗浄水の噴出圧力が低下してしまうのを防止している。
【0095】
本実施形態では、洗浄水の噴出時には、発色現像槽24の搬送ラック32に設けられたノズルユニット60の洗浄ノズル58には1.4kgf/cm2 の圧力が、漂白定着槽26の搬送ラック32に設けられたノズルユニット60の洗浄ノズル58には1.3kgf/cm2 の圧力が、リンス槽28A〜Dの搬送ラック32に設けられたノズルユニット60の洗浄ノズル58には1.1kgf/cm2 の水圧が作用するようになっている。
【0096】
なお、本実施形態では、幅10インチ以上、さらには12インチ以上の印画紙P(感光材料)を搬送するために、ローラ対40,42やガイド長(ガイド部材46の側壁46Aの間隔)を350mmとしている。
(作用)
次に本実施例の作用を説明する。
【0097】
このプリンタプロセッサ10では、ペーパマガジン18から引出された印画紙Pにレーザービームが走査されて画像が焼き付けられる。
【0098】
焼付けの終了した印画紙Pは、カッタ20によって所定長さに切断されてプロセッサ部22へ送り込まれる。
【0099】
プロセッサ部22では、画像が焼付けられた印画紙Pを、発色現像槽24、漂白定着槽26内を搬送して、発色現像及び漂白定着処理した後、第1リンス槽28Aから第4リンス槽28Dへ順に搬送して、それぞれのリンス槽28A乃至28Dに貯留している洗浄水によって印画紙Pの洗浄処理を行う。
【0100】
洗浄の終了した印画紙Pは、乾燥部30で乾燥処理された後、写真プリントとして排出される。
【0101】
ここで、プリンタプロセッサ10では、装置の一日の稼働開始の為の立ち上げ時、稼働終了時及びプロセッサ部22で印画紙Pの非処理状態が所定時間連続すると、プリンタプロセッサ10の図示しない制御部から洗浄制御回路82へ洗浄信号が出力され、洗浄制御回路82が洗浄水供給装置64を作動させる。
【0102】
洗浄制御回路82は、まず洗浄水ポンプ68を作動させて、各電磁バルブ80A〜80Hへ所定圧力の洗浄水を、洗浄水タンク66から供給する。
【0103】
そして、洗浄制御回路82は、電磁バルブ80A〜80Hへ一定時間づつ、順に開放信号を出力する。
【0104】
これによって、それぞれのノズルユニット60の洗浄ノズル58から一定時間洗浄水が噴出される。
【0105】
本実施形態では、洗浄ノズル58から噴出される洗浄水84の吐出量が3ミリリットル/秒以上、20ミリリットル/秒以下となるように制御されている。
【0106】
本実施形態では、図9に示すように、電磁バルブ80A,Bの各々に対してそれぞれ1個の洗浄ノズル58が連結されており、電磁バルブ80C,Dの各々に対してそれぞれ2個の洗浄ノズル58が連結されており、電磁バルブ80E,F,G,Hの各々に対してそれぞれ4個の洗浄ノズル58が連結されている。
【0107】
本実施形態では、漂白定着槽26、第1リンス槽28A、第2リンス槽28B、第3リンス槽28C及び第4リンス槽28Dの各々に対して落下する洗浄水84の水量(即ち、使用水量)は、吐出時間を調整することにより各々一定としている。ただし、発色現像槽24は出口側にしか洗浄ノズル58を設置しないためこれに適用しない。
【0108】
図4(A)〜(C)に示すように、洗浄ノズル58から噴出する洗浄水84が傾斜面54及びガイド面48(またはガイド面50)に到達すると、その表面で洗浄水84は幅方向に広がると共に反対側へと流れる水流84Aをつくる。
【0109】
ここで、噴出する洗浄水84の一部は、洗浄水拡散手段56に当接することによってガイド面48(またはガイド面50)の幅方向へとより拡散するので、洗浄ノズル58の近傍においても水流84Aの幅が十分に拡大し、ガイド面48の洗浄ノズル58の近傍の洗浄領域が拡大する。
【0110】
なお、本実施形態では、このガイド面48(またはガイド面50)の表面に沿って流れる水流84Aが0.3秒以内にガイド面48の長手方向の中央部よりも先に到達するようになっている。
【0111】
このように、液外に配置したガイド部材46のガイド面48、50の表面が洗浄水84の水流84Aによって洗浄され、印画紙Pによって持ち出されてこれらの表面に付着している処理液(及び処理液中の成分の析出物)が洗い落とされる。
【0112】
ここで、印画紙Pを斜め上向きにガイドするガイド面50に対応した洗浄ノズル58からは、洗浄水84がガイド面50の印画紙Pの傾斜方向上側の端縁の長手方向中央部分に向けて噴出されるため(洗浄ノズル58の軸線Cとガイド面50の長手方向とのなす角度θ5 が傾斜方向上側へ向けて3°であるため。)、水流84Aの向きも洗浄水84の噴出方向に沿うことになり、水流84Aによってガイド面50の傾斜方向上側の端部の長手方向中央部分を確実に洗浄することができ、また、隣接するガイド面48の長手方向中央部分も洗浄することができる。即ち、本実施形態では、洗浄ノズル58より噴出される洗浄水の噴射角度を小さくして(本実施形態では15°)、洗浄水の到達距離が延ばされているので、隣接する処理槽のガイド面48の洗浄性を上げる効果がある。
【0113】
なお、ガイド面50の洗浄ノズル58の軸線Cの向きがガイド面50の長手方向と一致していると(即ち、θ5 が0°)、水流84Aの向きが、洗浄ノズル58の近傍ではガイド面50の長手方向に沿っているが、ガイド面50が傾斜しているため、洗浄ノズル58から離れるにしたがって水流84Aの向きが傾斜方向下側へと向きを変えてしまい、ガイド面50の傾斜方向上側の端部の長手方向中央部分に到達しなくなる虞れがある。
【0114】
また、ガイド面48、50が傾斜しているので、水流84Aの一部(即ち、洗浄水84)がガイド面48、50の傾斜方向下側へ落下して、ガイド面48、50の下方に位置するローラ対40、42(回転中)の表面が洗浄される。
【0115】
本実施形態では、ガイド面48、50の洗浄ノズル近傍において水流84が十分に拡散するので、ローラ対40、42の洗浄ノズル近傍、即ち、ローラ対40、42の各々の端部付近を洗浄水84によって確実に洗浄することができる。
【0116】
なお、ガイド面48、50及びローラ対40、42の洗浄に使用された洗浄水84は、各々の処理槽内に落下する。
【0117】
このようにして、本実施形態のプリンタプロセッサ10では、洗浄ノズル58の近傍に洗浄水拡散手段56を設けたので、効率的に且つ確実にガイド面48、50の表面及びローラ対40、42の表面を確実に洗浄することができ、長期に亘ってガイド面48、50及びローラ対40、42に処理液中の成分が析出するのを防止でき、析出した処理液中の成分によって、新たに処理される印画紙Pの表面を損傷が生じたり、処理ムラが生じるのを防止でき、品質の良い写真プリントを得ることができる。
【0118】
なお、本実施形態では洗浄水拡散手段56の傾斜側面56Aの傾斜角度θ2 が65°に設定されているが、この傾斜角度θ2 は、水流84Aの拡散する角度を変更したりする場合や、諸条件により適宜変更されるものである。
【0119】
また、本実施形態では傾斜側面56Aの傾斜角度θ3 が30°に設定されているが、10°〜75°が好ましい範囲である。傾斜角度θ3 が10°よりも小さくなると、当接した洗浄水84を拡散する(即ち、方向を変える)ことが出来なくなり、75°を越えると水流84Aの抵抗となってしまう。
【0120】
また、本実施形態では洗浄水拡散手段56の高さhが0.5mmに設定されているが、洗浄水の直進性を妨げないようにするために2mm以下に設定されていれば良い。
【0121】
また、本実施形態では水平面に対するガイド面48の傾斜角度が27°、水平面に対するガイド面50の傾斜角度が12°に設定されているが、上記以外の角度に設定されていても良いのは勿論である。但し、ガイド面48、50からローラ対40、42に洗浄水84を十分に落下させるためには、傾斜角度を5°以上に設定することが好ましい。
【0122】
また、本実施形態では洗浄ノズル58の軸線Cとガイド面48(50も同様)との距離Lが4mmに設定されているが、この距離Lは3mm以上が好ましい。距離Lは3mm未満になると、ガイド面48(50も同様)の水流84Aの到達距離が短くなり、水流84Aをガイド面48(50も同様)の長手方向中央部よりの先へ到達させることが出来なくなる。
【0123】
ここで、洗浄水が噴射角度(θ4 )15°で噴出する本実施形態の洗浄ノズル58、洗浄水が噴射角度10°未満で噴出する比較例の洗浄ノズル、洗浄水が噴射角度30°で噴出する比較例の洗浄ノズル、洗浄水の噴射角度が40°を越える比較例の洗浄ノズルとを用い、距離Lを変化させた時の水流84Aの到達距離を測定した結果、図10のグラフに示すような結果が得られた。なお、水流84Aの到達距離を測定にあたって使用した洗浄ノズル58は、最も噴出水量の少ない、例えば、第1リンス槽28A等に配置されたものである。
【0124】
図10の結果から、洗浄水の噴射角度(θ4 )を15°にすると共に距離Lを4mmとすることにより、水流84Aの到達距離が175mm以上(ローラ対40、42の長さの半分以上)となり、ガイド面48(50も同様)の長さの半分以上を確実に洗浄できることが分かる。
【0125】
なお、噴射角度(θ4 )が10°未満になると、水流到達距離が長く、ガイド面48,50の長手方向中央部の洗浄性で有利になるが、洗浄ノズル58付近の水供給量が少なく、またガイド面全体に広がらないため、ガイド面48,50及びローラ対40,42共に洗浄ノズル58付近の洗浄性が不利となる。
【0126】
また、噴射角度(θ4 )が40°を越えると、洗浄ノズル58付近の洗浄性は有利になるものの水流到達距離が落ち、ガイド面48,50の長手方向中央部の洗浄性で不利になる。
【0127】
また、距離Lが小さくなると、水流84Aの到達距離が短くなって洗浄ノズル58から遠い部位の洗浄能力が低下する。一方、この距離Lが大きくなると、洗浄ノズル58から噴出した洗浄水84がガイド面48に到達するまでの距離が遠くなり、ガイド面48に当接する際の洗浄水84の勢い(圧力)が弱まり、水流84Aを噴射方向を押し流す能力が低下し、この結果、水流84Aの到達距離が短くなってしまう。
【0128】
例えば、洗浄水の噴射角度が10°未満の洗浄ノズルで、洗浄ノズル付近の洗浄性を上げるためには、洗浄ノズル−ガイド面間の距離Lを近づける必要があるが、図10のグラフで示すように近づけ過ぎると水流到達距離が落ち、洗浄ノズルの特性が生かせない。
【0129】
なお、距離Lは諸条件により適宜変更可能されるものである。
【0130】
また、本実施形態では洗浄ノズル58の溝58Aの長手方向(洗浄水84の拡散方向に相当)は、ガイド面48(又は50)に対して90°であったが、必ずしも90°でなくても良いが、溝58Aの長手方向は、ガイド面48(又は50)に対して90°±15°以内が好ましい。
【0131】
溝58Aの長手方向のガイド面48(又は50)に対する角度が90°よりも大きくずれると、水流84Aを噴射方向を押し流す能力が低下し、この結果、水流84Aの到達距離が短くなってしまう。
【0132】
なお、洗浄ノズル58から噴出される洗浄水84の吐出量が3ミリリットル/秒未満になると、ガイド面48(50も同様)の水流84Aの到達距離が短くなり、水流84Aをガイド面48(50も同様)の長手方向中央部よりの先へ到達させることが出来なくなる虞れがある。
【0133】
一方、洗浄ノズル58から噴出される洗浄水84の吐出量が20ミリリットル/秒を越えると、必要以上の洗浄水84を使用することになり洗浄水84の無駄になり、また、場合によっては洗浄水84によって発色現像液や漂白定着液が規定の濃度以下になってしまう虞れがある。
【0134】
また、本実施形態の洗浄水拡散手段56は単なる突起であるため、ガイド部材46を成形する際に同時に形成できる。
【0135】
また、洗浄水拡散手段56を別部品として接着等しても良い。
【0136】
いずれにしても簡単な構成により洗浄領域を拡大することができ、使用水量も最小限で済む。
【0137】
なお、本実施形態では、洗浄ノズル58に溝58Aを設けて、洗浄水84を拡散しながら噴出するようにしたが、洗浄ノズル58の噴出口の形状はこれに限定するものではなく、洗浄水84を所定の範囲で拡散するように噴出するものであれば、何れの形状であってもよい。
【0138】
また、本実施形態の洗浄水拡散手段56は三角形の突起であったが、本発明はこれに限らず、洗浄水84を拡散できる形状であれば、その形状は三角形以外の形状であっても良く、凹部(溝、穴等)であっても良い。
【0139】
洗浄水拡散手段56は1個の洗浄ノズル58に対して複数設けても良く、複数の洗浄水拡散手段56を適宜分散して配置しても良い。
【0140】
また、本実施形態では、両側の側壁46Aに洗浄ノズル58を設けたが、ガイド面48、50が短ければ洗浄ノズル58は片側の側壁46Aに設けるのみでも良い。
【0141】
本実施形態では、感光材料処理装置としてプリンタ部14とプロセッサ部22を備えて印画紙Pを処理するプリンタプロセッサ10を例に上げて本発明を説明したが、本発明が適用される感光材料処理装置はこれに限定するものではなく、例えば、フィルム、印刷板等の処理を行う一般露光プリンタ等の他の感光材料を処理液に浸漬して処理する種々の感光材料処理装置に適用することができる。
【0142】
ここで、従来の感光材料処理装置では、斜方ノズルより噴出させた洗浄水を段差部で反射させて手前側(ノズル近傍)に洗浄水を供給し、ガイド面を伝わってローラの奥側へ洗浄水を供給し、この斜方ノズルで洗浄水を供給できない箇所は別のノズルで洗浄水を供給するようになっていた。
【0143】
図面を用いて説明すると、従来の装置では、図12に示すように、ローラ600に対して噴射ノズル(斜方ノズル)602より洗浄水が供給される領域(以後、噴射領域604という)は、ローラ600の全体に渡って均一にならないため、噴射領域604でない部分に対して別の噴射ノズルから洗浄水を噴射していた。しかし、ローラニップ部に、複数の噴射ノズルから洗浄水が供給される箇所があり(即ち、部分的に供給過多となる)、ニップ部から水が溢れ、洗浄水量が多くなる問題があった。
【0144】
また、感光材料を2列3列等の複数列で搬送しながら処理を行うためにローラ600の長さを長くすると、噴射ノズル602から噴出する洗浄水84をローラ600の全体に到達させることが出来なくなる。
【0145】
即ち、従来では、長さが8インチサイズのローラやガイドは、長手方向の片側のみのノズルから洗浄水を噴射することにより洗浄可能であったが、10インチ以上、さらには12インチ以上のローラやガイド幅になると、片側からのみでは良好な洗浄効果が得られることがなかった。
【0146】
しかしながら、本実施形態では、ガイド面48、50の両側に洗浄ノズル58を設けて洗浄水の噴射の向き、洗浄水量等を上記のように規定したので、10インチ以上、さらには12インチ以上のローラやガイド幅に対しても、必要最小限の水量で良好な洗浄効果が得られるようになっている。
【0147】
即ち、洗浄ノズル58から噴出した洗浄水84は、ノズル近傍では洗浄水拡散手段56の効果によりローラ対40,42の端部付近のニップ部へ十分な量付与される。また、ガイド面48、50の水流84Aは、ノズル近傍では勢いが強く(即ち、速度が速い)、距離が遠くなるにしたがって勢いが弱まる(即ち、速度が遅くなる)。このため、ガイド面48、50の水流84Aからローラ対40,42へ落下する洗浄水84は、洗浄ノズル58から比較的遠い部位では多量に落下するが、比較的近傍では遠い部位程は落下しない。
【0148】
このため、ローラ対40,42(長さ10インチ以上)において、洗浄ノズル58が洗浄水84を主に供給する領域(以後、噴射領域500という。)は、概念的に示すと図11(A)に示すように、図の左側から洗浄水84を噴出している場合は、左側の洗浄ノズル58の近傍と、長手方向中央手前側から反対側(図の右側)の端部の少し手前側となる。一方、図11(B)に示すように、図の右側の洗浄ノズル58の洗浄水の噴射領域500は、右側の洗浄ノズル58の近傍と、長手方向中央手前側から反対側(図の左側)の端部の少し手前側となる。なお、実際には図示する噴射領域500以外の部位であっても、量的には噴射領域500よりも少ないものの洗浄水84は落下して供給されている。
【0149】
本実施形態では、ローラ対40,42の左右両側(長手方向両側)の洗浄ノズル58から洗浄水84を噴出するので、一方の洗浄ノズル58では供給量が不足気味な部分(即ち、図の洗浄領域500以外の部分)を、他方の洗浄ノズル58の洗浄領域500が補い、この結果、ローラ対40,42のほぼ全体に洗浄水84を供給することができる。
【0150】
なお、両側のノズル数を増やしてノズル近傍の洗浄性を上げることは、洗浄水量が増えること、吐出圧力が下がることで、ガイド面48、50の洗浄性が落ち不利である。
【0151】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明の感光材料処理装置は上記の構成としたので、洗浄水の使用量を最小限に抑えつつ、液外に配置したガイドの表面を洗浄水により効率的に洗浄することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に適用したプリンタプロセッサを示す概略構成図である。
【図2】搬送ラックの概略構成を示す印画紙の搬送方向に沿った要部断面図である。
【図3】ガイド部材の下面図である。
【図4】(A)はガイド面付近の下側から見た斜視図であり、(B)はガイド面を正面から見た図であり、(C)はガイド面を印画紙の搬送方向から見た図である。
【図5】洗浄水拡散手段を印画紙の搬送方向から見た図(図4(C)の一部拡大図)である。
【図6】(A)は搬送ラックの上部の概略斜視図、(B)は搬送ラックに取付けられるノズルユニットの概略斜視図である。
【図7】本実施例に適用した洗浄ノズルを示す概略斜視図である。
【図8】洗浄水供給装置の概略構成の一部を示す図である。
【図9】洗浄水供給装置の概略構成の一部を示す図である。
【図10】洗浄ノズルの軸線とガイド面との距離Lと、洗浄水の噴射角度と、ガイド面の水流の到達距離との関係を示す実験結果をまとめたグラフである。
【図11】(A)は、左側の洗浄ノズルによる噴射領域を示す説明図であり、(B)は右側の洗浄ノズルによる噴射領域を示す説明図である。
【図12】片側の斜方ノズルによる噴射領域を示す説明図である。
【符号の説明】
P 印画紙(感光材料)
10 プリンタプロセッサ(感光材料処理装置)
24 発色現像槽(処理槽)
26 漂白定着槽(処理槽)
28A 第1リンス槽(処理槽)
28B 第2リンス槽(処理槽)
28C 第3リンス槽(処理槽)
28D 第4リンス槽(処理槽)
48 ガイド面(感光材料搬送ガイド)
50 ガイド面(感光材料搬送ガイド)
58 洗浄ノズル(洗浄水噴出手段)

Claims (6)

  1. 感光材料を浸漬して処理する複数の処理槽の間に設けられ前記感光材料の搬送幅方向に延びる感光材料搬送ガイドに、少なくとも前記感光材料の搬送幅方向の一端側に設けた洗浄水噴出手段から所定圧力の洗浄水を拡散しながら噴出して前記感光材料搬送ガイドを 洗浄する感光材料処理装置であって、
    前記洗浄水噴出手段は、洗浄水を、洗浄水噴出手段の軸方向から片側へ拡散噴出し、前記拡散噴出する洗浄水の拡散面が前記感光材料搬送ガイドに対して略90°であり、
    前記感光材料搬送ガイドには、前記洗浄水噴出手段から噴出する洗浄水の一部分を前記洗浄水噴出手段の近傍で拡散する洗浄水拡散手段が設けられている、
    ことを特徴とする感光材料処理装置。
  2. 感光材料を浸漬して処理する複数の処理槽の間に設けられ前記感光材料の搬送幅方向に延びる感光材料搬送ガイドに、少なくとも前記感光材料の搬送幅方向の一端側に設けた洗浄水噴出手段から所定圧力の洗浄水を拡散しながら噴出して前記感光材料搬送ガイドを 洗浄する感光材料処理装置であって、
    前記感光材料搬送ガイドは、前記搬送される感光材料を水平面に対して傾斜した方向に案内するように傾斜しており、
    前記洗浄水噴出手段は、前記洗浄水の噴出方向が前記感光材料の搬送幅方向に対して平行または前記感光材料搬送ガイドの傾斜方向上側へ傾斜しており、
    前記感光材料搬送ガイドには、前記洗浄水噴出手段から噴出する洗浄水の一部分を前記洗浄水噴出手段の近傍で拡散する洗浄水拡散手段が設けられている、
    ことを特徴とする感光材料処理装置。
  3. 前記感光材料搬送ガイドと前記洗浄水噴出手段の軸線とは、前記軸線と直交する方向の間隔が3mm以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の感光材料処理装置。
  4. 前記洗浄水噴出手段より拡散噴出する前記洗浄水の噴射角度が10°〜40°の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の感光材料処理装置。
  5. 一つの前記洗浄水噴出手段より拡散噴出する前記洗浄水の水量が、3ミリリットル/秒以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の感光材料処理装置。
  6. 一つの前記洗浄水噴出手段より拡散噴出する前記洗浄水の水量が、20ミリリットル/秒以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の感光材料処理装置。
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