JP2010089377A - クリーニング方法、クリーニング冶具およびクリーニング装置 - Google Patents

クリーニング方法、クリーニング冶具およびクリーニング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液体吐出ヘッドのクリーニング方法および、そのクリーニングに使用するクリーニング冶具さらにはクリーニング装置を提供する。
【解決手段】液体吐出ヘッドのクリーニング冶具が、クリーニングすべき液体吐出ヘッドを収容する収容部41と、液体吐出ヘッドの液体吐出口形成面と対向する位置に設けられた。吐出口44および吸引口45を有している。吐出口44は、液体吐出口形成面に向けて気体を噴射するためのものである。吸引口45は、液体吐出口形成面を通過してきた気体を吸引するためのものである。そして、液体吐出口形成面に対向する位置で、かつ吐出口44と吸引口45との間に、吐出口44から噴射された気体を吸引口まで液体吐出口形成面に沿って、液体吐出口形成面に平行に流させる空間が構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は液体を吐出する液体吐出ヘッドのクリーニング方法およびクリーニング冶具に関し、具体的にはインクジェット記録ヘッドの吐出口形成面のクリーニング方法、クリーニング冶具およびクリーニング装置に関する。
現在、幅広く利用されているインクジェットプリンタのように、インクを記録媒体に吐出して記録を行う方式を、インクジェット記録方式(液体噴射記録方式)という。この方式では、通常、液体を吐出する液体吐出ヘッドが用いられている。
インクジェット記録方式に用いられる液体吐出ヘッド、具体的にはインクジェット記録ヘッドは、一般に微細な吐出口と、液流路と、液流路の一部に設けられる液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子とをそれぞれ複数備えている。
従来、図6に示すようなインクジェット記録ヘッドを搭載したインクジェットカートリッジ11に対しては、製造後に印字検査が行われる。そして、印字検査の際にインクジェット記録ヘッドの液体吐出口形成面(以下、「フェイス面」という)に付着したインク液滴や異物を除去するクリーニングが行われる。また、実使用時までにインクジェット記録ヘッドの液体吐出口からインク漏れが生じることを防止するために、感圧式接着剤を塗布した保護テープ12をフェイス面に貼り付けて、液体吐出口をシールしている。
印字検査後におけるフェイス面に付着したインク液滴や異物を除去するために、フェイス面のクリーニングを行っている。従来の方法として、フェイス面のインク液滴や異物を洗浄液により洗い流し、その後、気体をフェイス面に向けて噴射することによって、フェイス面に付着した洗浄液を排出し、かつ、フェイス面を乾燥させる方法がある(特許文献1)。
あるいは、フェイス面に対向する位置に、吸引ノズルを有する冶具を配置し、この吸引ノズルを用いて、フェイス面に付着したインク液滴や異物を吸引して、除去する方法がある(特許文献2)。
特開2006−239992号公報 特開2006−213026号公報
しかしながら、特許文献1で実施されているクリーニング方法では、フェイス面に対して垂直方向への気体の流れを発生させているため、液体吐出口内のインクへの気泡混入や液体吐出口からのインク液滴の飛散を起こしてしまう可能性がある。そのため、特許文献1で実施していたクリーニング方法では、インク内への気泡の混入やインク液滴の飛散を生じさせない程度に噴射する気体の流量を少なくする必要があり、その結果、洗浄液の排出やフェイス面の乾燥に長時間(6秒程度)を要していた。
また、特許文献2で実施されているクリーニング方法では、明細書中に明記されているように、吸引時に冶具内の流路抵抗により気流が乱れ、液体吐出口近傍で圧力変動が発生し、異物やインクの吸引がスムーズに行われない場合がある。更には、液体吐出口内のインクが吸引されて、液体吐出口外に引き出され、最終的に液体吐出口内に残ったインクと、液体吐出口外に引き出されたインクとが分離される。こうしてインクが分離される際に、液体吐出口内のインクに気泡が発生してしまうことがある。また、液体吐出口外に引き出されて分離したインクが小さいほど、そのインクが、撥水処理を施されたフェイス面に、付着したまま残ってしまい、排出されないことがある。
また近年、生産性の向上のため、製造時間(加工時間)の短縮が求められており、フェイス面のクリーニング品質を向上させつつ、クリーニング時間を短縮させることが要求されている。
本発明の目的は、上記課題である短時間ではフェイス面をきれいにクリーニングすることができないという問題を解決する、クリーニング方法、クリーニング冶具およびクリーニング装置を提供することを目的とする。
クリーニングすべき液体吐出ヘッドを収容する収容部と、液体吐出ヘッドの液体吐出口形成面と対向する位置に設けられ、液体吐出口形成面に向けて気体を噴射する吐出口と、液体吐出口形成面と対向する位置に設けられ、液体吐出口形成面を通過してきた気体を吸引する吸引口と、液体吐出口形成面に対向する位置で、かつ吐出口と前記吸引口の間に位置しており、吐出口から噴射された気体を吸引口まで液体吐出口形成面に沿って、液体吐出口形成面に平行に流させる空間とを有する、液体吐出ヘッドのクリーニング冶具を提供する。
本発明によると、気体の噴射と吸引とによる、フェイス面に平行な一方向の気流(以下、「エアーブロー」という)により、液体吐出口内のインクへの気泡の混入や液体吐出口からのインクの飛散を低減できる。そのため、エアーブロー流量を大きくすることができ、フェイス面に付着している液体のクリーニング品質向上と、乾燥時間短縮による生産性向上とを実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明では、同一の機能を有する構成には図面中同一の番号を付与し、その説明を省略する場合がある。
本発明に係るクリーニング方法および、そのクリーニングに使用するクリーニング冶具とクリーニング装置は、液体吐出ヘッド(インクジェット記録ヘッド)の液体吐出口形成面(フェイス面)のクリーニングに用いられるものである。図1は、本発明のクリーニング冶具を示す概略構成図であり、図2は、そのクリーニング冶具を含むクリーニング装置にインクジェットカートリッジ11がセットされた状態を示す概略構成図である。
本発明のクリーニング装置のクリーニング冶具42は、インクジェットカートリッジ11用の収容部41を有する中空の容器状になっている。インクジェットカートリッジ差込口48と、後述するインクジェット記録ヘッド21のフェイス面43に対向する位置に、洗浄液を噴射するための洗浄口46がある。また、エアー(気体)をクリーニング冶具42内に送り込むエアー噴射口49と、クリーニング冶具42内を通過してきたエアーを外に排気するエアー噴出口50とが形成されている。フェイス面43の一端の近傍に、吐出側壁52が設けられることで、エアー吐出口44から、フェイス面43に対し垂直上向き方向にエアーを噴射することができる。それと同時に、吐出側壁52と吐出側ILB54との隙間(以下、「吐出側隙間」という)57から、フェイス面43に対し平行なエアーブロー53が流れるようにしている。また、フェイス面43の他端の近傍にあたる位置に、吸引側壁55が設けられることで、吸引側壁55と後述するフレキシブル配線基板32の吸引側ILB56との隙間(以下、「吸引側隙間」という)58からエアーブロー53が流れ込むことができる。さらに、吸引側壁55により、フェイス面43などから飛散してきた液体やエアーを吸引する吸引口45がフェイス面に対し垂直下向き方向に設けられている。そしてエアー噴射口49とエアー吐出口44を結ぶ流路51aと、エアー噴出口50と吸引口45を結ぶ流路51bとが洗浄口46を介して接続されて、エアー噴射口49からエアー噴出口50に至る流路が構成されている。また、吐出側隙間57と吸引側隙間58との間の空間は、フェイス面43に平行なエアーブロー53が流れる。
クリーニング治具42は、後述するインクジェットカートリッジ11のフェイス面43の近傍に位置するフレキシブル配線基板32と当接する箇所にパッキン47を有している。
なお、このクリーニング冶具42のエアー噴射口49には、エアー供給装置61が接続され、エアー噴出口50には吸引装置62が接続されている。また、洗浄口46には洗浄液供給装置63が接続されている。こうして本発明のクリーニング装置が構成されている。なお、エアー供給装置61と、吸引装置62を共通化して、単一の装置とすることもできる。
次に、このクリーニング装置によってクリーニングされるインクジェット記録ヘッドの一例について図3を用いて説明する。
インクジェット記録ヘッド21は、Si基板23と板状のインク流路形成部材25から形成されている。
Si基板23には、液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生させるエネルギー発生素子22が所定のピッチで、かつ2列に並んで形成されている。また、エネルギー発生素子22の列と列との間に、Siを異方性エッチングすることによって形成された液体供給口24が開口している。
Si基板23上には、流路形成部材25により、各エネルギー発生素子22の上方に開口する液体吐出口26と、液体供給口24から各液体吐出口26に連通する個別の流路27が形成されている。
このインクジェット記録ヘッド21は、図示していないインクジェットプリンタの筐体に取り付けられて、液体吐出口26が形成された面(フェイス面43)が記録媒体の記録面に対面するように配置される。この記録ヘッド21には、液体供給口24を介して流路27内に充填されたインクに、エネルギー発生素子22によって発生するエネルギー(例えば熱エネルギー)が加えられる。すると、インク液滴が(例えば加熱による発泡圧力によって)、液体吐出口26から吐出し、記録媒体に付着するため、記録を行うことができる。
エネルギー発生素子22としては、熱エネルギーを発生する電気熱変換素子(所謂ヒーター)や、力学的エネルギーを発生する圧電素子等が用いられるが、これらに限定されるものではない。
また図4は、図3に示すインクジェット記録ヘッド21を搭載したインクジェットカートリッジ11の一例を示す模式的斜視図である。インクジェットカートリッジ11は、前述したインクジェット記録ヘッド21へ供給するためのインクを収容するインク収容部31と、インクジェット記録ヘッドの取付部13からなる。取付部13には、インクジェット記録ヘッド21が取り付けられるとともに、インクジェット記録ヘッド21とプリンタ本体を電気的に接続するためのフレキシブル配線基板32が取り付けられる。インク収容部31と、取付部13が一体となってもよいが、必ずしも一体になっている必要はなく、インク収容部31の取り外しが可能な形態を取ることもできる。
インクジェットカートリッジ11にインクジェット記録ヘッド21を取り付けると、インク収容部31の開口部(図示せず)がインク供給口24に接続される。また、インクジェット記録ヘッド21のフェイス面43が、フレキシブル配線基板32の開口部33を介して外部に露出する。
以上本発明のクリーニング方法およびクリーニング装置の対象となるインクジェット記録ヘッド21およびインクジェットカートリッジ11の一例を示した。しかしこれらの例に限定されることなく、あらゆるインクジェット記録ヘッドおよびインクジェットカートリッジに対して本発明を採用することができる。
なお、インクジェット記録ヘッド21およびインクジェットカートリッジ11は、プリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサなどの装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた記録装置に搭載可能である。そして、この液体吐出ヘッド21を用いることによって、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックなど種々の記録媒体に記録を行うことができる。本明細書内で用いられる「記録」とは、文字や図形などの意味を持つ画像を記録媒体に対して付与することだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を付与することも意味することとする。
さらに、「液体」とは、広く解釈されるべきものであり、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等を形成するためのインクや、記録媒体の加工、あるいはインクまたは記録媒体の処理に供される液体を含むものである。ここで、インクまたは記録媒体の処理としては、例えば、記録媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化による定着性の向上や、記録品位ないし発色性の向上、画像耐久性の向上などのことを指す。
続いて、本発明のクリーニング装置を用いたクリーニング方法について説明する。
まず、クリーニング冶具42のカートリッジ差込口48から、インクジェットカートリッジ収容部41にインクジェットカートリッジ11を挿入する(図7(a)参照)。すると、フェイス面43と洗浄口46が対向し、クリーニング冶具のパッキン47とインクジェットカートリッジ11のフレキシブル配線基板32とが当接した状態となる。
次に図7(b)に示すように、洗浄液供給装置63から洗浄口46を介してフェイス面43に対し洗浄液71を噴射し、フェイス面43に付着しているインク液滴や異物を洗い流す。この際、クリーニング冶具42とフレキシブル配線基板32との当接部にあるパッキン47により、洗浄必要箇所以外への洗浄液71の飛散を防いでいる。
洗浄必要箇所とは、フェイス面43と、フェイス面周囲を取り囲む横封止部かつILB(Inner Lead Bonding)封止部54、56と、フレキシブル配線基板32の中でインクジェット記録ヘッド21が貼付けられた面とのことである。この洗浄必要箇所を洗浄した洗浄液71は、再び洗浄口46から外部に排出される。しかし、洗浄液71の一部はフェイス面43に付着して残留してしまう。
最後に、図7(c)に示すように、エアーの噴射および吸引により生成されたエアーブロー53によって、フェイス面43に残っている洗浄液71の除去および、フェイス面43の乾燥を行う。フェイス面43に残っている洗浄液71の効率的な除去および、フェイス面43の効率的な乾燥のために、以下の工夫がなされている。
図5(a)は、図2におけるエアー吐出口44の周辺を拡大した図である。吐出側壁52が設けられているため、エアーがエアー吐出口44から垂直上向きに噴射され、パッキン47とフレキシブル配線基板32の隅に当たるような流れになっている。また、吐出側壁52は吐出側ILB54と対向し、かつILB54に平行な面を作ることで、吐出側隙間57から、エアーブロー53をフェイス面43に沿うような流れにしている。
図5(b)は、図2における吸引口45周辺を拡大した図である。吸引側壁55とフレキシブル配線基板32の吸引側ILB56の間に吸引側隙間58が設けられている。この隙間58は、吐出側壁52とILB54の隙間57よりも上部に設けられているので、フェイス面43に沿って流れてきたエアーブロー53がやや上向きになり、パッキン47とフレキシブル配線基板32の隅にしっかりと当たるような流れになっている。吸引側は、エアーブロー53の流れにより、フェイス面43に付着した洗浄液71およびエアーが導かれる箇所である。そのため、吸引側壁55を吸引側ILB56よりもエアー噴出口49側にずらした位置に設けることで、洗浄液71が残りやすいと考えられるフレキシブル配線基板32の吸引側ILB側で、エアーブロー53の流速を上げて、洗浄液71の吸引を促進させている。また、吸引口46を吸引側壁55によりフェイス面43に対し垂直にしているので、重力の作用も加わり、洗浄液71を吸引しやすくしている。
洗浄口45が外部に開放されているが、吐出側壁52および吸引側側壁55によってエアーブロー53の流れを規制し、かつ流速を高めているため、フェイス面43に平行に通過し、このフェイス面43に沿うようなエアーブロー53の流れが維持できる。
以上説明したように、本発明のクリーニング方法によってフェイス面43をクリーニングしたら、このフェイス面43を含む洗浄必要箇所に保護テープ12を貼り付けて、液体吐出口26をシールしている(図6参照)。この保護テープ12は、インクジェット記録ヘッド21がインクジェットプリンタ(図示せず)に取り付けられる際に剥がされる。
以下に本発明の実施例を示し、さらに詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1の検討1として、エアーブロー53の流量の違いによる本発明のクリーニング方法への影響を確認した。
検討1では、吐出側壁52と吐出側ILB54との間に形成されている吐出側隙間57の開口部分の面積(以下、「吐出側隙間57の開口面積」という)を9mm2とした。また、吸引側壁54とフレキシブル配線基板32との間に形成されている吸引側隙間58の開口部分の面積(以下、「吸引側隙間58の開口面積」という)を4.5mm2とした。
実施例1の工程フローを、図7を参照して説明する。
図2に示すように、クリーニング治具42にインクジェットカートリッジ11をセットした。図7(a)は、このときのクリーニング部の拡大図である。
次いで、図7(b)に示すように、洗浄液71によりフェイス面43のインク液滴を洗い流した。
次いで、図7(c)のように、エアー吐出口44からのエアーの噴射と吸引口45からの吸引により生成されたエアーブロー53の流れによって、フェイス面43に付着して残留している洗浄液71を除去した。また、エアーの噴射と吸引は同時に行うものとした。
検討1の結果を表1に示す。エアーの噴射の流量条件を変えて実施した結果、エアーの噴射の流量が35L/min以上かつ、55L/min以下であれば、液体吐出口26内のインクへの気泡混入や液体吐出口26からのインクの飛散が見られず、洗浄必要箇所に洗浄液残りも見られなかった。
それに対し、エアーの噴射の流量が小さい領域では、洗浄必要箇所に洗浄液残りが見られる場合があった。また、エアーの噴射の流量が大きい領域では、液体吐出口26内のインクへの気泡混入や液体吐出口26からのインクの飛散が見られる場合があった。
前述したとおり、従来のクリーニング方法(例えば特許文献1の方法)では、洗浄必要箇所の洗浄および乾燥に6秒程度の時間を要していた。しかし、本発明のクリーニング方法およびクリーニング装置を用いることで、洗浄必要箇所の洗浄および乾燥時間を大幅に短縮させることができた。
この原因は、エアーを、フェイス面43に垂直に噴射した後に、吐出側隙間57を通って、フェイス面43に平行に流れるようにすることで、エアーの噴射の流量を大きくしても、従来技術のように問題が生じない。そして、吸引側壁を適切な位置に設けたことで、洗浄液残りが溜まるという現象が生じなかったためであると考えられる。
Figure 2010089377
次に検討2として、吸引側隙間58の開口面積の違いによる本発明のクリーニング方法の影響を確認した。
本発明のクリーニング方法およびクリーニング装置では、エアーブロー53の流れにより吸引側に集められた洗浄液71および気体を吸引するため、この吸引の流量と流速が洗浄液71の乾燥を左右する。
吸引側隙間58の開口面積を大きくすることにより、吸引量を増加させることが可能だが、その場合、吸引による流速は低下する。また、吸引側隙間58の開口面積を小さくすると、流速を増加させることができるが、吸引量は低下する。
検討1では吸引側隙間58の開口面積が4.5mm2であったのに対し、この検討2では吸引側隙間58の開口面積を4mm2から22.5mm2まで変化させて確認を行った。その他の条件は検討1と同じで、吐出側隙間57の開口面積は9mm2、エアーブロー流量35〜60L/min、エアーブロー時間0.5〜3.0secである。
検討2の結果を表2に示す。吸引側隙間58の開口面積が4.5mm2以上かつ22mm2以下で、エアーブロー流量が35L/min以上かつ55L/minの場合、液体吐出口26内のインクへの気泡混入や液体吐出口26からのインクの飛散、または洗浄必要箇所の洗浄液残りがなかった。さらに、乾燥時間も従来の6秒から0.5秒まで短縮させることができた。
Figure 2010089377
実施例1の結果より、エアー吐出口44からのエアーの噴射の流量は35L/min以上かつ55L/min以下であり、吸引側隙間58の開口面積は4.5mm2以上かつ22mm2以下であればよい。そうすれば、洗浄必要箇所の洗浄液残りがなく、液体吐出口26内のインクへの気泡混入や液体吐出口26からのインクの飛散が生じず、かつ乾燥時間を大幅に短縮させる効果が得られることがわかる。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2を説明する。
実施例1で述べたエアー吐出口44から25℃程度の常温のエアーを噴射したのに対し、この実施例2ではエアー吐出口44の上流部に熱源を設け、噴射するエアーの温度を上昇させてクリーニングの確認を行った。
実施例2の結果、噴射するエアーの温度を上昇させることにより実施例1よりも乾燥時間を大幅に短縮させることができた。これは、エアーが温風であるため、フェイス面43と平行な一方向のエアーブロー53の流れに加え、温風による洗浄液の蒸発という効果により、実施例1に対し同等以上の効果が得られるためである。また、実施例1と同様に、液体吐出口26内のインクへの気泡混入やインク吐出口26からのインク飛散が見られず、洗浄必要箇所に洗浄液残りも見られなかった。ただし、インクジェット記録ヘッドのインクや周辺装置等への熱による影響を考慮すると、温風は60℃以下であることが好ましい。
(比較例)
比較例として、図8のようにフェイス面43を洗浄後に洗浄口46を洗浄口カバー81で塞ぎ、エアーの流れる空間を閉鎖系とした液体吐出ヘッドのクリーニング冶具を用意した。このクリーニング冶具を用いて、実施例1と同様にエアーブロー53の流量の違いによる本発明のクリーニング方法への影響を確認した。
冶具は実施例1と同様に吐出側隙間57の開口面積を9mm2とし、吸引側隙間58の開口面積を4.5mm2とした。
その結果、エアーブロー53の流量が大きい場合には、液体吐出口26内のインクへの気泡混入が生じた。これはエアーが過度に流れたことにより、閉鎖された空間の圧力が増加し、液体吐出口26のインクのメニスカスが破壊され、液体吐出口26内にエアーが押し込まれたためであると考えられる。また、エアーブロー53の流量が小さい場合には、液体吐出口26からのインクの飛散が生じた。これは閉鎖された空間の圧力が減圧され、液体吐出口26からインクが引き出されたためであると考えられる。
それに対し、本発明の液体吐出口26のクリーニング冶具は、気体の流れる空間が、液体吐出口形成面を洗浄する洗浄液を外部から噴射するための洗浄口46を有するため、気体の流れる空間が外部に開放されている。そのため、圧力変動に対応でき、幅広いエアーブロー53の流量で液体吐出口26内のインクへの気泡混入や液体吐出口26からのインク飛散を生じることなく乾燥を実現できる。
本発明のクリーニング冶具の概略図であり、(a)は上面図、(b)は断面図である。 本発明のクリーニング冶具に、インクジェットカートリッジがセットされた状態のクリーニング装置の概略構成図である。 本発明のクリーニング方法の対象となるインクジェット記録ヘッドの一例を示す斜視図である。 図3に示すインクジェット記録ヘッドが取り付けられたインクジェットカートリッジの一例を示す模式的斜視図である。 クリーニング治具にインクジェットカートリッジがセットされた状態を示す拡大図であり、(a)は図2のエアー吐出口近傍の拡大図、(b)は図2の吸引口近傍の拡大図である。 保護テープが貼付けられたインクジェットカートリッジの一例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施例のクリーニング工程を示し、(a)はインクジェットカートリッジの取り付け時、(b)は洗浄液によるフェイス面の洗浄時、(c)はフェイス面の洗浄液除去およびフェイス面乾燥時をそれぞれ示すフェイス面近傍の拡大図である。 本発明に対する比較例で使用したクリーニング冶具の概略図である。
符号の説明
21 インクジェット記録ヘッド
42 クリーニング治具
44 エアー吐出口
45 吸引口
46 洗浄口
52 吐出側壁
53 エアーブロー
55 吸引側壁
57 吐出側隙間
58 吸引側隙間
61 エアー供給装置
62 エアー吸引装置
63 洗浄液供給装置

Claims (9)

  1. クリーニングすべき液体吐出ヘッドを収容する収容部と、
    前記液体吐出ヘッドの液体吐出口形成面と対向する位置に設けられ、前記液体吐出口形成面に向けて気体を噴射する吐出口と、
    前記液体吐出口形成面と対向する位置に設けられ、前記液体吐出口形成面を通過してきた気体を吸引する吸引口と、
    前記液体吐出口形成面に対向する位置で、かつ前記吐出口と前記吸引口の間に位置しており、前記吐出口から噴射された気体を前記吸引口まで前記液体吐出口形成面に沿って、前記液体吐出口形成面に平行に流させる空間とを有する、液体吐出ヘッドのクリーニング冶具。
  2. 前記液体吐出口形成面と対向する位置に設けられ、前記吐出口から前記液体吐出口形成面に向けて噴射された気体を前記液体吐出口形成面に平行な方向に導くための隙間を、前記液体吐出口形成面との間に構成する吐出側壁と、
    前記吐出口形成面を通過した気体を前記吸引口へ向けて引き込むための隙間を、前記吐出口形成面との間に構成する吸引側壁とを有する、請求項1に記載のクリーニング冶具。
  3. 前記吐出口に連通し、外部から気体を取り入れるための噴射口と、前記吸引口に連通し、外部に気体を排気するための噴出口とを有する、請求項1または2に記載のクリーニング冶具。
  4. 前記液体吐出口形成面を洗浄する洗浄液を外部から噴射するための洗浄口を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載のクリーニング冶具。
  5. 請求項4に記載のクリーニング冶具と、
    前記クリーニング冶具の前記吐出口に気体を供給する装置と、
    前記クリーニング冶具の前記吸引口から気体を吸引する装置と、
    前記洗浄口を介して洗浄液を噴射する洗浄装置とを有する、クリーニング装置。
  6. 液体吐出ヘッドの液体吐出口形成面をクリーニングするクリーニング方法であって、
    前記液体吐出口形成面へ向けての気体の噴射と、前記液体吐出口形成面からの気体の吸引とを同時に行って、前記気体の噴射を行う部分と該気体の吸引を行う部分との間で、前記液体吐出口形成面に平行な気体の流れを生成するクリーニング方法。
  7. 前記気体の噴射および吸引を行う前に、洗浄液を用いて前記液体吐出口形成面の洗浄を行う、請求項6に記載のクリーニング方法。
  8. 前記液体吐出口形成面へ向けて噴射する気体の流量が35L/min以上かつ55L/min以下であることを特徴とする、請求項6または7に記載のクリーニング方法。
  9. 前記液体吐出口形成面へ向けて噴射する前記気体が、温風であることを特徴とする、請求項6から8のいずれか1項に記載のクリーニング方法。
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