JP2004341281A - 半導電性ベルト - Google Patents

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俊光 橘
Tadanori Domoto
忠憲 道本
Toshiaki Iwamoto
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Abstract

【課題】半導電性ベルトに関し、連続使用においても表面特性の変化や表面劣化が起こり難い、耐久性に優れたベルトを提供することを目的とする。
【解決手段】ベルト外面に周方向に連続した凹状または凸状のスジ形態が形成されていることを特徴とする。ここで、ベルト外面の幅方向に測定した凹凸の平均間隔値Smが所定値以下であることが好適である。また、十点平均粗さにより求めた表面粗さ値Rzが所定の範囲内であることが好適である。ここで、研摩材を用いて回転状態で研摩加工することにより粗面化された金型の内周面を、回転成型により転写した外周面を有することが好適である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導電性ベルトに関するもので、例えば、電子写真記録装置などにおける像の中間転写ベルト等として特に有用である。
【0002】
【従来の技術】
複写機やレーザープリンタ、ビデオプリンタ、ファクシミリおよびそれらの複合機といった電子写真方式で像を形成記録する装置等では、装置寿命の向上などを目的に感光体ドラム等の像担持体にトナー等の記録剤などを介し形成した像を記録シート上に直接定着させる方式を回避して、像担持体上の像を中間転写ベルトに一旦転写してそれを記録シート上に定着させる方式が検討されている。
【0003】
ここで、中間転写ベルトが連続駆動による張力等の負荷により変形を起こすと転写画像の変形に繋がることより、これらのベルトは高強度、高弾性の材質が好ましく、これらに優れたポリイミド樹脂からなる半導電性ベルトが一般的に使用されてきた。また、高品質なカラー画像を得る方法として、例えば、表面粗さをトナーの体積平均粒子径との関係で所定の範囲に抑え、逆転写現象を低減し転写ムラ等を抑制する技術が提案されていた(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−235946号公報
【0005】
【発明の解決しようとする課題】
しかしながら、電子写真方式で像を形成する装置に関しては、その形成画像はより解像度が高く、鮮明なものが要求され、またこれらと併せて印刷の高速化についての要求も高くなってきている。これらを達成するに際し、前者については、トナーの小粒径化が技術の一つとして検討が進められているが、この場合、後者の達成と併せて、トナーを記録シートに転写した後に行われるクリーニング工程でより優れた性能が要求される。
【0006】
また、クリーニング工程においては、一般的にウレタンゴム等からなるいわゆるクリーニングブレードと呼ばれる板状のゴムの角部をベルト表面に押し付けることによりクリーニングが行われているが、特に印刷の高速化に際しては、よりこの部分での接触抵抗が高くなり、安定したベルトの駆動が得難くなる。また更に、この接触抵抗が強くなった場合、クリーニングブレードが所定の状態で維持できなくなり、ベルトの進行方向に折れ曲がった様な不具合が生じる場合が多く見られるようになる。つまり、ブレードのコシが弱く、折れ曲がった様な状態になる。このように、従来のポリイミドフィルムからなる半導電性ベルトでは実用上多くの問題となる点が見られた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、連続使用においても表面特性の変化や表面劣化が起こり難い、耐久性に優れた半導電性ベルトを提供することにある。つまり、高強度、高弾性等上記したポリイミドフィルムの優れた機械特性を活かしつつ、印刷の高画質化、高速化に際しても安定したクリーニング性を示すことのできる半導電性ベルトの開発を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した従来技術における課題を解決するべく鋭意研究した所、所定の特性を満たす半導電性ベルトを作製することにより、本課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、半導電性ベルトであって、ベルト外面に周方向に連続した凹状または凸状のスジ形態が形成されていることを特徴とする。こうしたベルトによって、クリーニングブレードに対する接触面積が大きく減少させることが可能となり、印刷の高速化に対しても安定したベルトの走行性を確保し、連続使用においても表面特性の変化や表面劣化が起こり難い、耐久性に優れた半導電性ベルトを提供することができる。
【0010】
ここで、ベルト外面の幅方向に測定した凹凸の平均間隔値Smが500μm以下であることが好適である。所定のスジ形態の密度を満足することによって、印刷の高速化に対しても安定したベルトの走行性を確保し、連続使用においても表面特性の変化や表面劣化が起こり難い、耐久性に優れた半導電性ベルトを提供することができる。
【0011】
また、十点平均粗さにより求めた表面粗さ値Rzが0.2μm以上1.5μm以下であることが好適である。こうしたベルトによって、摩耗現象が起こり難くなり、また、クリーニングブレード部での異物噛み込みが起こった場合にも、異物が脱落しやすくなる効果が得られ易くなる。
【0012】
ここで、本発明は、研摩材を用いて回転状態で研摩加工することにより粗面化された金型の内周面を、回転成型により転写した外周面を有することを特徴とする。ベルト表面を所望の表面粗さに加工・量産する場合において、特性の安定化の観点から、こうした方法が最適といえる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
本発明は、半導電性ベルトであって、ベルト外面に周方向に連続した凹状または凸状のスジ形態が形成されていることを特徴とする。すなわち、本発明者は、安定したベルトの走行性、優れたクリーニング特性を得るには、クリーニングブレードに対する接触面積を減少させること、つまり、ベルト外面に周方向に連続した凹状または凸状のスジ形態を形成することが有効であることを見出したもので、こうしたベルトによって、連続使用においても表面特性の変化や表面劣化が起こり難い、耐久性に優れた半導電性ベルトを提供することができる。つまり、ベルト外面に形成された周方向に連続した凹状または凸状のスジ形態によって、クリーニングブレードに対する接触面積が大きく減少させることが可能となり、印刷の高速化に対しても安定したベルトの走行性を確保することが可能となる。また、接触抵抗を小さくしたことによって、クリーニングブレードの折れ曲がりといった不具合も発生し難くなる。
【0014】
ここで、ベルト外面の幅方向に測定した凹凸の平均間隔値Smが500μm以下であることが好適である。具体的に、上記のような印刷の高速化に対しても安定したベルトの走行性を確保するために必要なスジ形態の密度を検証したもので、凹凸の平均間隔値Smが500μm以下という条件によって、連続使用においても表面特性の変化や表面劣化が起こり難い、耐久性に優れた半導電性ベルトを提供することができる。すなわち、凹凸の平均間隔値Smが500μm以下でない場合、クリーニングブレードの接触面積を小さくするという効果が小さくなり、結果として、前記したベルトの走行性が不安定になったり、クリーニングブレードの折れ曲がりといった不具合が生じる場合が見られることより所定のスジ形態の密度を満足していることがより好ましくなる。なお、ここでいう凹凸の平均間隔値Smは、後述の<評価方法>に記載した方法を用いて測定した値を基準とする。
【0015】
また、十点平均粗さにより求めた表面粗さ値Rzが0.2μm以上1.5μm以下であることが好適である。クリーニングブレードに対する接触面積が少なくなると、トナーの捕集性が低下する場合が見られたことより、最適な面粗さを特定したもので、こうしたベルトによって、摩耗現象が起こり難くなり、また、クリーニングブレード部での異物噛み込みが起こった場合にも、異物が脱落しやすくなる効果が得られ易くなる。つまり、Rz値が0.2μm未満であれば、ベルトに対する接触面積を十分に小さくすることができず、結果としてベルトの走行性が不安定になったり、クリーニングブレードの折れ曲がりといった不具合が生じ易くなる。また、Rz値が1.5μm以上になると、前記したトナー残りの問題が生じ易くなる。なお、ここでいう表面粗さは、後述の<評価方法>に記載した方法を用いて測定した値を基準とする。
【0016】
ここで、本発明は、研摩材を用いて回転状態で研摩加工することにより粗面化された金型の内周面を、回転成型により転写した外周面を有することを特徴とする。かかる方法によりベルトの外周面を形成することによって、本発明の特徴である、所定の平均間隔値を有する周方向に連続した凹状または凸状のスジ形態と、所定の表面粗さを安定的に形成することができことを見出したもので、特に、量産時におけるベルト表面を、所望の表面粗さに、安定的に加工することができる。ベルト表面を所望の表面粗さに加工する方法としては、製膜後のベルトをサンドペーパー等の研摩材を用いて研摩する方法等が挙げられるが、量産性を考慮した場合、特性を安定化させるという点から、原料溶液を塗布する円筒状金型内面を適当な粗さに加工し、この形状をベルト外面に転写させることにより形成する方法が好ましい。
【0017】
また、面の荒らし方について、前述のサンドペーパー等の研摩材を用いて研摩する方法等により、ベルト面に対し、凹んだ形状に加工することでも、規定の表面硬さおよび表面粗さを満足していれば、課題を解決することが可能である。しかし、特に表面粗さを規定する理由の一つとしてキズ部でのトナー残りの防止を挙げており、この点に関する信頼性を更に高くするためには凸形状をベルト表面に形成する方が好ましく、またクリーニングブレードに対する接触面積の低減を考えた場合、凸形状が形成されていると、クリーニングブレードに対し、凸形状部で点接触になりやすくなるため、効果が得やすく、より好ましい。またこのキズの形成方法に関しては、前述の如く、円筒状金型内面に凹状のスジを形成させることにより、ベルト外表面に対し、凸形状のスジを形成することが好ましい。
【0018】
具体的には、金型内面に関しては、研摩材として粒度200〜2000(実施例1では、1000)のサンドペーパーを用い、回転数2〜100rpm(実施例1では、10rpm)で金型を回転させた状態で、5分〜5時間(実施例1では、1時間)研摩材を金型内面に接触させることにより周方向に連続したスジ形状を有する粗面化加工を行うことが好ましい。
【0019】
本発明における半導電性ベルトは、原料溶液となる導電性フィラー等が分散されたポリアミド酸溶液をディスペンサー法、ダイス法等により円筒状金型内面に供給した後、加熱しながら遠心成形したり回転成形することにより、塗膜厚さの均一化および脱泡を行い、引続き加熱等により溶媒除去およびイミド転化を行わせる方法により作製される半導電性ベルト、または、原料溶液となるポリアミド酸溶液中に、イミド化反応時の脱水剤として機能する試薬および脱水反応時に触媒的な機能を示す試薬の両方または何れかを混合した溶液をディスペンサー法、ダイス法等により円筒状金型内面に供給した後、加熱しながら遠心成形したり回転成形することにより、塗膜厚さの均一化、脱泡およびイミド転化を行い、引続き加熱等により溶媒除去およびイミド転化を完了させる方法により作製される。
【0020】
本発明におけるポリアミド酸を形成するテトラカルボン酸二無水物等やジアミンとしては適宜なものを使用することができる。テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0021】
またジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン等が挙げられる。
【0022】
また上記したテトラカルボン酸二無水物とジアミンを重合反応させる際の溶媒としても適宜なものを用いうるが、溶解性などの点より極性溶媒が好ましく用いうる。この極性溶媒の例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等が挙げられる。これらは単独で用いても構わないし、併せて用いても差し支えない。さらに、上記有機極性溶媒にクレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、ベンゾニトリル、ジオキサン、ブチロラクトン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等を単独もしくは併せて混合することもできる。
【0023】
ポリアミド酸の調製に際しては、テトラカルボン酸二無水物やその誘導体、ジアミン、極性溶媒の各々について1種または2種以上の試料を用いうる。テトラカルボン酸二無水物等とジアミンの使用割合は、等モルであることが一般的であるが、これに限定はされない。反応開始時のモノマー濃度は反応条件等により適宜に決定しうるが、一般的には5〜30重量%とされ、反応温度は80℃以下、より好ましくは5〜50℃が適当である。
【0024】
また本発明におけるベルトは、電子写真記録装置等に搭載される中間転写ベルトや転写搬送ベルト等で用いられ、これらはトナー等の記録剤を電気的に転写するため、半導電特性、具体的には25℃60%RHにおいて表面抵抗率が10 〜1014Ω/□であり、かつ体積抵抗率が10 〜1015Ω・cmであることが好ましい。これらの特性を達成するために、導電性の添加剤を添加する。この導電性の添加剤としては、ケッチェンブラックやアセチレンブラックのようなカーボンブラック、アルミニウムやニッケルといった金属、酸化錫の様な酸化金属化合物やチタン酸カリウム等の導電性または半導電性の粉末、あるいはポリアニリンやポリアセチレンの様な導電性ポリマー等の適宜なものの1種または2種以上を用いることができ、その種類については特に限定は無い。なお半導電性ベルトの強度、耐屈曲性等の機械強度を維持する点より、導電性の添加剤の使用量は少ない方が好ましく、少ない量で前記の導電特性を満足する点においてカーボンブラックなどがより好ましく用いうる。導電性の添加剤の配合については、均一分散による電気特性のバラツキを防止する等の目的より先ず溶媒にボールミルや超音波等の適宜な方式で該添加剤を分散させた後、その分散液にテトラカルボン酸二無水物やその誘導体とジアミンを溶解させて重合を行う方式が好ましく適応することができる。
【0025】
本発明においては、原材料として、ポリアミド酸のイミド転化反応を促進するため、脱水剤と脱水反応の触媒機能を示す試薬を単独もしくは併用して原材料として使用することも可能となる。脱水剤については、有機カルボン酸無水物、N,N−ジアルキルカルボジイミド類、低級脂肪酸ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪酸無水物、アリールホスホン酸ジハロゲン化物、およびチオニルハロゲン化物等が挙げられ、これらの中でも特に有機カルボン酸無水物が好ましい。有機カルボン酸無水物としては、無水酢酸、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、吉草酸無水物、およびこれらの分子間無水物、有機カルボン酸無水物の混合物が挙げられる。また、芳香族モノカルボン酸例えば安息香酸、ナフトエ酸等の無水物、これらの混合物および有機カルボン酸無水物の混合物、および炭酸、蟻酸および脂肪族ケテン類の無水物、これらの混合物および有機カルボン酸無水物などが挙げられるが、中でも無水酢酸が好ましい。
【0026】
脱水剤の添加量は、ポリアミド酸の繰り返し単位1モル当量に対して4モル当量以下が好ましい。4モル当量を超える量を添加した場合、添加後短時間でゲル化してしまうため、連続した半導電性ベルトの生産を行う上で好ましくない。また一連の加熱処理においても半導電性ベルト内から脱水剤を蒸発させることが困難となり、残存量が多くなってしまう。この結果として、電子写真記録装置等に搭載した後にも残存した脱水剤の蒸発が徐々に進行し、半導電性ベルトの表面抵抗率等の諸物性の変化やベルト寸法の変化といった不具合につながるため好ましくない。
【0027】
脱水反応の触媒的な機能を示す試薬については、第3級アミンが好ましく、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン、イソキノリン、ルチジン等が挙げられるが、中でもキノリン、イソキノリンが好ましい。
【0028】
脱水反応の触媒的な機能を示す試薬の添加量は、ポリアミド酸の繰り返し単位1モル当量に対して2モル当量以下が好ましい。2モル当量の場合で充分な触媒としての効果が得られるため、2モル当量を超えて添加を行っても添加量を増やすことによる効果が殆ど得られない上に、一連の加熱処理においても半導電ベルト内から脱水剤を蒸発させることが困難となり、残存量が多くなり、脱水剤の場合で見られるのと同様の不具合を生じてしまうため好ましくない。
【0029】
また、本発明に関しては、中間転写ベルトや転写搬送ベルトに限定されず電子写真記録装置においてトナー等の記録剤を加熱により定着させる際に使用される定着ベルト等のベルトまたはフィルムについても有効であり、また抵抗特性についても上記した表面抵抗率、体積抵抗率の範囲に限定されるものではない。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。また、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。なお、本発明がかかる実施例、評価方法に限定されるものでないことはいうまでもない。
【0031】
<評価方法>
(1)凹凸の平均間隔、表面粗さ
JIS B0601に従い、ベルトの幅方向について、凹凸の平均間隔値Smおよび十点平均粗さ値Rz(カットオフ値0.8mm、測定長4.0mm、測定倍率10,000倍)の測定を実施した。
【0032】
<実施例1>
N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す)859g中に、乾燥したカーボンブラック45.3g(PI固形分に対し23重量部)をボールミルを用いて6時間室温で攪拌した。このNMP分散液に酸成分としてBPDA147gを、アミン成分としてパラフェニレンジアミン43.3gおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテル20.0gを溶解し、窒素雰囲気中において室温で3時間攪拌しながら1000Pa・S(B型粘度計、25℃における)のポリアミド酸を得た。これを内径330mm、長さ400mmのステンレス製金型の内面にディスペンサーを用い厚さ300μmに塗布した。なお金型内面に関しては、研摩材として粒度1000のサンドペーパーを用い、10rpmで金型を回転させた状態で1時間研摩材をベルト内面に接触させることにより周方向に連続したスジ形状を有する粗面化加工を行った。次いでコーンにより固定された軸を介してコーンによる加圧を金型両端から行うことにより金型を固定し、2000mmで15分間回転させ均一な塗膜面を得た。次に250rpmで回転させながら金型の外側より100℃の熱風を10分間あてた後、220℃で10分間.加熱最高温度として300℃で30分間加熱することにより溶媒、脱水剤、触媒の除去およびイミド化反応を完了させ、金型ごと室温まで冷却し、金型からベルトを剥離することにより厚さ55μmの半導電性ポリイミドベルトを得た。
【0033】
<実施例2>
研摩材として粒度200のサンドペーパーを使用すること以外は実施例1に従い、半導電性ポリイミドベルトを得た。
【0034】
<実施例3>
金型内面が鏡面加工されているものを使用することと、ベルト外面を粒度2000のサンドペーパーを用いて研摩すること以外は実施例1に従い半導電性ポリイミドベルトを得た。
【0035】
<比較例1>
研摩材として粒度150のサンドペーパーを使用すること以外は実施例1に従い、半導電性ポリイミドベルトを得た。
【0036】
<比較例2>
金型の内面研摩に関し、金型の研摩時の処理時間を5分とすること以外は実施例1に従い、半導電性ポリイミドベルトを得た。
【0037】
<比較例3>
金型内面が鏡面加工されているものを使用すること以外は実施例3に従い半導電性ポリイミドベルトを得た。
【0038】
<評価結果>
以上の実施例および比較例についての評価結果を、表1にまとめる。
【表1】
Figure 2004341281
実施例1〜3に関しては、いずれも印刷試験が良好であったのに対し、まず比較例1では印刷画像に関し、画像不良が確認された。これに関し、印刷試験後のベルト表面を観察した結果、ベルト表面に多数のトナーが残った状態になっており、表面粗さが大きすぎることより十分にトナーがクリーニング除去されなかったため、結果として、次の印刷時の画像に影響を与えたことが原因となっていた。また比較例2については、表面粗さについては、実施例と同一の研摩材を使用して内面研摩を行った金型を使用してベルトを作製したことより、同等の値を示しているものの、内面のスジの形成量が少なく凹凸間隔が広いため、目的とするクリーニングブレードに対する接触面積を十分に小さくすることができず、結果として、ブレードゴムが折れ曲がる不具合が発生した。また比較例3についても、比較例2と同様の理由により、ブレードゴムが折れ曲がる不具合が発生した。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る半導電性ポリイミドベルトの製造方法は、ベルト外表面に形成するスジの形状、凹凸の平均間隔および表面粗さを規定することにより、ポリイミド自体の高弾性、高強度といった特長を維持しつつ、クリーニングブレードに対する接触抵抗を軽減し、結果として良好な画像や、安定したベルトの走行性を行うことが可能な半導電性ベルトを得ることができる。
【0040】
すなわち、ベルト外面に周方向に連続した凹状または凸状のスジ形態が形成されていることによって、クリーニングブレードに対する接触面積が大きく減少させることが可能となり、印刷の高速化に対しても安定したベルトの走行性を確保し、連続使用においても表面特性の変化や表面劣化が起こり難い、耐久性に優れた半導電性ベルトを提供することができる。
【0041】
ここで、ベルト外面の幅方向に測定した凹凸の平均間隔値Smが所定値以下であることによって、印刷の高速化に対しても安定したベルトの走行性を確保し、連続使用においても表面特性の変化や表面劣化が起こり難い、耐久性に優れた半導電性ベルトを提供することができる。
【0042】
また、十点平均粗さにより求めた表面粗さ値Rzが所定の範囲内であることによって、摩耗現象が起こり難くなり、また、クリーニングブレード部での異物噛み込みが起こった場合にも、異物が脱落しやすくなる効果が得られ易くなる。
【0043】
ここで、研摩材を用いて回転状態で研摩加工することにより粗面化された金型の内周面を、回転成型により転写した外周面を有すること方法によって、ベルト表面を所望の表面粗さに加工・量産する場合において、特性の安定化を図ることができる。

Claims (4)

  1. ベルト外面に周方向に連続した凹状または凸状のスジ形態が形成されていることを特徴とする半導電性ベルト。
  2. ベルト外面の幅方向に測定した凹凸の平均間隔値Smが500μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導電性ベルト。
  3. 十点平均粗さにより求めた表面粗さ値Rzが0.2μm以上1.5μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導電性ベルト。
  4. 研摩材を用いて回転状態で研摩加工することにより粗面化された金型の内周面を、回転成型により転写した外周面を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導電性ベルト。
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