JP2004339956A - 建設機械のエンジン制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】建設機械において、無用なアイドリングの持続による燃料の浪費を防止する。
【解決手段】オートアイドル制御機能やワンタッチアイドル制御機能を備えた建設機械のコントローラ19に、エンジン1のアイドリング時間を計測し、アイドリング時間が基準時間に達したときにエンジンを停止する自動停止制御プログラム19bを装備する。操作レバーが操作されずオートアイドル状態となったとき、またはワンタッチアイドルスイッチ20によりアイドル状態となったときに時間計測を開始し、アイドル状態が予め設定した基準時間に達したときにエンジンを停止する。操作レバーが操作されたときやワンタッチアイドルスイッチによりアイドリングが解除されたときはスロットルによる設定回転数に復帰させる。
【選択図】 図1
【解決手段】オートアイドル制御機能やワンタッチアイドル制御機能を備えた建設機械のコントローラ19に、エンジン1のアイドリング時間を計測し、アイドリング時間が基準時間に達したときにエンジンを停止する自動停止制御プログラム19bを装備する。操作レバーが操作されずオートアイドル状態となったとき、またはワンタッチアイドルスイッチ20によりアイドル状態となったときに時間計測を開始し、アイドル状態が予め設定した基準時間に達したときにエンジンを停止する。操作レバーが操作されたときやワンタッチアイドルスイッチによりアイドリングが解除されたときはスロットルによる設定回転数に復帰させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、建設機械のエンジン制御装置に関するものであり、特に、無用なアイドリングによる燃料の浪費を防止した建設機械のエンジン制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧式の建設機械は、手動操作式のスロットルレバーでエンジンの回転数を調節するように構成されており、作業時はエンジン回転数を高回転に設定し、油圧ポンプの回転数を上げて運転する。また、作業中断時にはエンジンの回転数をアイドル回転数に下げて燃料の浪費を防ぐことが望ましいが、このスロットル操作の手間を省くために、「オートアイドル」や「ワンタッチアイドル」と称する機能を備えた建設機械が知られている。
【0003】
「オートアイドル」は、建設機械の走行レバーやブーム操作レバーなどの操作系が無操作状態の場合に、エンジン回転数をアイドリング回転へ自動的に低下させる機能であり、油圧系のパイロット油路に設けた圧力スイッチなどの操作検出手段によって操作の有無を検出する。そして、全ての操作系がオフ状態となってパイロット油路の圧力が低下すると、コントローラがエンジンをアイドル回転とし、いずれかの操作レバーが操作されてパイロット油路の圧力スイッチがオンしたときは、コントローラがアイドリング制御を解除して、エンジン回転数はスロットル設定による回転数に復帰する。
【0004】
「ワンタッチアイドル」は、ノンロック型のワンタッチアイドルスイッチを押すと、コントローラがこのオン信号を受けてエンジンの回転数をアイドル回転とし、再びワンタッチアイドルスイッチを押すと、エンジン回転数がスロットル設定による回転数に復帰するように構成されている。また、上記のオートアイドルモードとワンタッチアイドルモードをモード切替スイッチで任意に切換えられるようにした建設機械も知られている(特許文献1)。
【0005】
また、さらに燃料の浪費防止及び環境の保護を図って、オペレータが運転席から離れて或る時間が経過するとエンジンを自動的に停止するようにした建設機械のエンジン制御装置も提案されている(特許文献2)。このエンジン制御装置は、運転室内に設けた遠赤外線感知型の焦電センサや、運転席の座面に設けた荷重センサなどによってオペレータの存在を検知し、無操作状態とこれらのセンサによるオペレータ不在信号とが或る時間継続すると、エンジン制御手段がエンジンを停止させるようにしている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−123859号公報(段落番号0002乃至0007)
【0007】
【特許文献2】特開2002−13425号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
センサによってオペレータの存在を検知し、オペレータ不在の状態が或る時間継続するとエンジンを自動的に停止するようにした建設機械のエンジン制御装置は、燃料の浪費防止及び排気ガスや騒音の低減に効果的であるが、センサ及び増幅回路基板とこれらの電子部品をコントローラへ接続する配線や、電子部品を運転室や運転席に取付ける部品を要するのでコストがかかる。
【0009】
また、オペレータが運転室内に残ったまま運転作業を長時間中断することも有り得るが、この場合は自動停止機能が作動せず、省エネルギー及び環境保護の効果が得られないという問題もある。
【0010】
そこで、特別な付加電子部品を必要とせず、且つ無操作状態が或る時間継続したときは確実にエンジンを停止させることができる建設機械のエンジン制御装置を提供するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は上記課題を解決することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するために提案するものであり、スイッチによりエンジンの回転数を手動スロットルにて設定された回転数とアイドリング回転数とに切替えるワンタッチアイドル制御機能を備えた建設機械において、前記スイッチの操作によるアイドリング開始時に時間計測を開始する計時手段と、計時開始から前記スイッチの無操作状態が基準時間に達したときにエンジンを停止させる制御手段を備えたことを特徴とする建設機械のエンジン制御装置を提供するものである。
【0012】
また、油圧回路操作系の操作状態を検知する手段を備え、無操作状態の際にエンジンの回転数をアイドリング回転数に低下させ、操作時にエンジンの回転数を手動スロットルにて設定された回転数へ復帰させるオートアイドル制御機能を備えた建設機械において、オートアイドル制御機能によるアイドリング開始時に時間計測を開始する計時手段と、計時開始から前記操作系の無操作状態が基準時間に達したときにエンジンを停止させる制御手段を備えたことを特徴とする建設機械のエンジン制御装置を提供するものである。
【0013】
また、上記計時手段による計時中において、スロットルの操作を検出したときにアイドリングを解除してスロットルにて設定された回転数へ復帰させる制御手段を備えた建設機械のエンジン制御装置を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を図に従って詳述する。図1は建設機械の油圧回路及び電気回路の一例を示し、1はエンジン、2はエンジン1の回転数を制御するガバナ、3, 4は油圧ポンプであり、油圧ポンプ3, 4の下流にはそれぞれコントロールバルブ5, 6, 7, 8とコントロールバルブ9, 10, 11, 12が直列に配置されている。
【0015】
図1において最下段のコントロールバルブ5, 9はそれぞれ左と右の走行モータ(図示せず)を制御し、その上段のコントロールバルブ6, 7, 8と10, 11, 12は、旋回モータやアームシリンダ、ブームシリンダ、バケットシリンダやその他の作業用アクチュエータを制御する。各コントロールバルブにはパイロット通路が設けられていて、上流(図において下側)の走行系コントロールバルブ5, 9のパイロット通路はパイロット油路13にて接続されており、上側の作業機系コントロールバルブ6, 7, 8と10, 11, 12のパイロット通路はパイロット油路14にて接続されている。
【0016】
各コントロールバルブが中立位置にあるときは、パイロット通路を通じてパイロット油圧源15とタンク16が連通し、いずれかのコントロールバルブが中立位置から左または右の駆動位置に切替えられたときは、パイロット油圧源15とタンク16が遮断される。走行系のパイロット油路13と作業機系のパイロット油路14には、それぞれ圧力スイッチ17, 18が挿入されていて、いずれかのコントロールバルブが操作されたときにパイロット油路13, 14内の油圧の上昇により圧力スイッチ17, 18がオンしてそのオン信号がコントローラ19へ入力される。
【0017】
コントローラ19には、エンジン1の回転数を制御するガバナ2と、ワンタッチアイドルスイッチ20、アイドルモード切替スイッチ21、状態表示用のLED22が接続されていて、スロットルレバー(図示せず)の状態に応じてガバナ2へ制御信号を出力し、エンジン1がスロットルレバーによる設定値で回転するように調速制御を行う。
【0018】
アイドルモード切替スイッチ21がオフのときは、コントローラ19はワンタッチアイドルモードに切替わり、ワンタッチアイドルスイッチ20を押すたびにエンジン1はアイドリング回転とスロットル設定による回転とに交互に切替わる。
【0019】
アイドルモード切替スイッチ21をオンすると、コントローラ19はオートアイドルモードに切替わり、LED 22を点灯してオートアイドルモードを表示する。
【0020】
オートアイドルモードでは、二つの圧力スイッチ17, 18がオフ(全コントロールバルブが中立位置の状態)になるとエンジン1の回転をアイドリング回転とし、いずれかのコントロールバルブが操作されて一つまたは二つの圧力スイッチ17, 18がオンしたときに、アイドリングを解除してスロットルレバーによる設定回転数に復帰させる。
【0021】
コントローラ1のROM 19aには、アイドリング時間を計測し、アイドリング時間に応じてエンジンを停止する自動停止制御プログラム19bが格納されていて、アイドリングが或る時間継続したときにエンジン1を自動的に停止する。
【0022】
図2は、ワンタッチアイドルモードにおけるオートオフ制御の流れを示し、手動スロットル設定値を読込み(ステップ101)、アイドリング設定の場合はコントローラ19がガバナ2へアイドルレベルの制御信号を出力してエンジン1はアイドル回転数で回転する(ステップ110)。
【0023】
スロットルにより回転数を作業時回転数にセットすると、エンジン1はスロットルの開度に応じた回転数で回転し(ステップ102)、ワンタッチアイドルスイッチ20が押されるまで設定回転数を維持する(ステップ103→ステップ101)。
【0024】
そして、オペレータがワンタッチアイドルスイッチ20を押してトリガー信号がコントローラ19へ入力されると、コントローラ19はエンジン1の回転数をアイドリング回転数に下げ(ステップ104)、タイマーカウントを開始する(ステップ105)。
【0025】
タイマーカウントは、ワンタッチアイドルスイッチ20のトリガー信号が入力されるか(ステップ106)、スロットル操作信号が入力されるまで(ステップ107)継続され、予め設定されているエンジン停止制御の基準時間(例えば、10分間)に達したときにステップ108からステップ109へ進み、ガバナ2を制御してエンジン1を停止する。
【0026】
また、基準時間に達する前にワンタッチアイドルスイッチ20のトリガー信号が入力されたときは、タイマーカウント値をリセットしてステップ106からステップ101へ戻り、エンジン1はスロットル設定値による回転数に復帰する。また、基準時間に達する前にスロットル操作信号が入力されたときも、タイマーカウント値をリセットしてステップ107からステップ101へ戻り、エンジン1はスロットル設定値による回転数に復帰する。
【0027】
図3は、オートアイドルモードにおけるオートオフ制御の流れを示し、手動スロットル設定値を読込み(ステップ201)、アイドリング設定の場合はコントローラ19がガバナ2へアイドルレベルの制御信号を出力してエンジン1はアイドル回転数で回転する(ステップ210)。
【0028】
スロットルにより回転数を作業時回転数にセットすると、エンジン1はスロットルの開度に応じた回転数で回転し(ステップ202)、いずれかの操作レバーが操作されて圧力スイッチ17, 18がオンしている限り設定回転数を維持する(ステップ203→ステップ201)。
【0029】
オペレータが操作レバーの操作を停止して二つの圧力スイッチ17, 18がオフすると、コントローラ19はエンジン1の回転数をアイドリング回転数に下げ(ステップ204)、タイマーカウントを開始する(ステップ205)。
【0030】
オペレータがいずれかの操作レバーを操作して、圧力スイッチ17, 18の一つまたは二つがオンとなるか(ステップ206)、スロットル操作信号が入力される(ステップ207)までステップ208からステップ201へ戻ってタイマーカウントを継続し、エンジン停止制御の基準時間に達したときにステップ208からステップ209へ進み、ガバナ2を制御してエンジン1を停止する。
【0031】
また、基準時間に達する前に操作レバーが操作されて圧力スイッチ17, 18の一つまたは二つがオンしたときは、タイマーカウント値をリセットしてステップ206からステップ201へ戻り、エンジン1はスロットル設定値による回転数に復帰する。また、基準時間に達する前にスロットル操作信号が入力されたときも、タイマーカウント値をリセットしてステップ207からステップ201へ戻り、エンジン1はスロットル設定値による回転数に復帰する。
【0032】
このようにワンタッチアイドルモードとオートアイドルモードのいずれかによってエンジンがアイドリングしているときに、ワンタッチアイドルスイッチまたは操作レバーが操作されず、且つスロットルも操作されないで所定の時間が経過したときはエンジンを自動的に停止するので、無用なアイドリングの持続を防止することができる。また、スロットル操作によってアイドリングを設定した場合は、エンジンが自動的に停止することがないようにしているので、例えば暖気運転時や待機時にエンジンが停止してしまう不都合は生じない。
【0033】
尚、この発明は上記の実施形態に限定するものではなく、この発明の技術的範囲内において種々の改変が可能であり、この発明がそれらの改変されたものに及ぶことは当然である。
【0034】
【発明の効果】
本発明の建設機械のエンジン制御装置は、ワンタッチアイドルモードまたはオートアイドルモードにてエンジンがアイドリング状態にあるとき、アイドリング状態が或る基準時間に達したときはエンジンを自動的に停止するようにしたので、特別なセンサなどを用いることなく、無用なアイドリングによる燃料の浪費、及び排気ガスや騒音による環境への悪影響を防止できる。また、手動操作によるスロットル調整が優先されて、スロットル調整時には自動停止動作が解除されるので、例えば暖気運転時や待機時にエンジンが停止してしまう不都合は生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示し、建設機械の油圧回路及び電気回路の解説図。
【図2】ワンタッチアイドルモード時の制御フローチャート。
【図3】オートアイドルモード時の制御フローチャート。
【符号の説明】
1 エンジン
2 ガバナ
3, 4 油圧ポンプ
5, 6, 7, 8 コントロールバルブ
9,10,11,12 コントロールバルブ
17,18 圧力スイッチ
19 コントローラ
19a ROM
19b 自動停止制御プログラム
20 ワンタッチアイドルスイッチ
21 アイドルモード切替スイッチ
【発明の属する技術分野】
この発明は、建設機械のエンジン制御装置に関するものであり、特に、無用なアイドリングによる燃料の浪費を防止した建設機械のエンジン制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧式の建設機械は、手動操作式のスロットルレバーでエンジンの回転数を調節するように構成されており、作業時はエンジン回転数を高回転に設定し、油圧ポンプの回転数を上げて運転する。また、作業中断時にはエンジンの回転数をアイドル回転数に下げて燃料の浪費を防ぐことが望ましいが、このスロットル操作の手間を省くために、「オートアイドル」や「ワンタッチアイドル」と称する機能を備えた建設機械が知られている。
【0003】
「オートアイドル」は、建設機械の走行レバーやブーム操作レバーなどの操作系が無操作状態の場合に、エンジン回転数をアイドリング回転へ自動的に低下させる機能であり、油圧系のパイロット油路に設けた圧力スイッチなどの操作検出手段によって操作の有無を検出する。そして、全ての操作系がオフ状態となってパイロット油路の圧力が低下すると、コントローラがエンジンをアイドル回転とし、いずれかの操作レバーが操作されてパイロット油路の圧力スイッチがオンしたときは、コントローラがアイドリング制御を解除して、エンジン回転数はスロットル設定による回転数に復帰する。
【0004】
「ワンタッチアイドル」は、ノンロック型のワンタッチアイドルスイッチを押すと、コントローラがこのオン信号を受けてエンジンの回転数をアイドル回転とし、再びワンタッチアイドルスイッチを押すと、エンジン回転数がスロットル設定による回転数に復帰するように構成されている。また、上記のオートアイドルモードとワンタッチアイドルモードをモード切替スイッチで任意に切換えられるようにした建設機械も知られている(特許文献1)。
【0005】
また、さらに燃料の浪費防止及び環境の保護を図って、オペレータが運転席から離れて或る時間が経過するとエンジンを自動的に停止するようにした建設機械のエンジン制御装置も提案されている(特許文献2)。このエンジン制御装置は、運転室内に設けた遠赤外線感知型の焦電センサや、運転席の座面に設けた荷重センサなどによってオペレータの存在を検知し、無操作状態とこれらのセンサによるオペレータ不在信号とが或る時間継続すると、エンジン制御手段がエンジンを停止させるようにしている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−123859号公報(段落番号0002乃至0007)
【0007】
【特許文献2】特開2002−13425号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
センサによってオペレータの存在を検知し、オペレータ不在の状態が或る時間継続するとエンジンを自動的に停止するようにした建設機械のエンジン制御装置は、燃料の浪費防止及び排気ガスや騒音の低減に効果的であるが、センサ及び増幅回路基板とこれらの電子部品をコントローラへ接続する配線や、電子部品を運転室や運転席に取付ける部品を要するのでコストがかかる。
【0009】
また、オペレータが運転室内に残ったまま運転作業を長時間中断することも有り得るが、この場合は自動停止機能が作動せず、省エネルギー及び環境保護の効果が得られないという問題もある。
【0010】
そこで、特別な付加電子部品を必要とせず、且つ無操作状態が或る時間継続したときは確実にエンジンを停止させることができる建設機械のエンジン制御装置を提供するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は上記課題を解決することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するために提案するものであり、スイッチによりエンジンの回転数を手動スロットルにて設定された回転数とアイドリング回転数とに切替えるワンタッチアイドル制御機能を備えた建設機械において、前記スイッチの操作によるアイドリング開始時に時間計測を開始する計時手段と、計時開始から前記スイッチの無操作状態が基準時間に達したときにエンジンを停止させる制御手段を備えたことを特徴とする建設機械のエンジン制御装置を提供するものである。
【0012】
また、油圧回路操作系の操作状態を検知する手段を備え、無操作状態の際にエンジンの回転数をアイドリング回転数に低下させ、操作時にエンジンの回転数を手動スロットルにて設定された回転数へ復帰させるオートアイドル制御機能を備えた建設機械において、オートアイドル制御機能によるアイドリング開始時に時間計測を開始する計時手段と、計時開始から前記操作系の無操作状態が基準時間に達したときにエンジンを停止させる制御手段を備えたことを特徴とする建設機械のエンジン制御装置を提供するものである。
【0013】
また、上記計時手段による計時中において、スロットルの操作を検出したときにアイドリングを解除してスロットルにて設定された回転数へ復帰させる制御手段を備えた建設機械のエンジン制御装置を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を図に従って詳述する。図1は建設機械の油圧回路及び電気回路の一例を示し、1はエンジン、2はエンジン1の回転数を制御するガバナ、3, 4は油圧ポンプであり、油圧ポンプ3, 4の下流にはそれぞれコントロールバルブ5, 6, 7, 8とコントロールバルブ9, 10, 11, 12が直列に配置されている。
【0015】
図1において最下段のコントロールバルブ5, 9はそれぞれ左と右の走行モータ(図示せず)を制御し、その上段のコントロールバルブ6, 7, 8と10, 11, 12は、旋回モータやアームシリンダ、ブームシリンダ、バケットシリンダやその他の作業用アクチュエータを制御する。各コントロールバルブにはパイロット通路が設けられていて、上流(図において下側)の走行系コントロールバルブ5, 9のパイロット通路はパイロット油路13にて接続されており、上側の作業機系コントロールバルブ6, 7, 8と10, 11, 12のパイロット通路はパイロット油路14にて接続されている。
【0016】
各コントロールバルブが中立位置にあるときは、パイロット通路を通じてパイロット油圧源15とタンク16が連通し、いずれかのコントロールバルブが中立位置から左または右の駆動位置に切替えられたときは、パイロット油圧源15とタンク16が遮断される。走行系のパイロット油路13と作業機系のパイロット油路14には、それぞれ圧力スイッチ17, 18が挿入されていて、いずれかのコントロールバルブが操作されたときにパイロット油路13, 14内の油圧の上昇により圧力スイッチ17, 18がオンしてそのオン信号がコントローラ19へ入力される。
【0017】
コントローラ19には、エンジン1の回転数を制御するガバナ2と、ワンタッチアイドルスイッチ20、アイドルモード切替スイッチ21、状態表示用のLED22が接続されていて、スロットルレバー(図示せず)の状態に応じてガバナ2へ制御信号を出力し、エンジン1がスロットルレバーによる設定値で回転するように調速制御を行う。
【0018】
アイドルモード切替スイッチ21がオフのときは、コントローラ19はワンタッチアイドルモードに切替わり、ワンタッチアイドルスイッチ20を押すたびにエンジン1はアイドリング回転とスロットル設定による回転とに交互に切替わる。
【0019】
アイドルモード切替スイッチ21をオンすると、コントローラ19はオートアイドルモードに切替わり、LED 22を点灯してオートアイドルモードを表示する。
【0020】
オートアイドルモードでは、二つの圧力スイッチ17, 18がオフ(全コントロールバルブが中立位置の状態)になるとエンジン1の回転をアイドリング回転とし、いずれかのコントロールバルブが操作されて一つまたは二つの圧力スイッチ17, 18がオンしたときに、アイドリングを解除してスロットルレバーによる設定回転数に復帰させる。
【0021】
コントローラ1のROM 19aには、アイドリング時間を計測し、アイドリング時間に応じてエンジンを停止する自動停止制御プログラム19bが格納されていて、アイドリングが或る時間継続したときにエンジン1を自動的に停止する。
【0022】
図2は、ワンタッチアイドルモードにおけるオートオフ制御の流れを示し、手動スロットル設定値を読込み(ステップ101)、アイドリング設定の場合はコントローラ19がガバナ2へアイドルレベルの制御信号を出力してエンジン1はアイドル回転数で回転する(ステップ110)。
【0023】
スロットルにより回転数を作業時回転数にセットすると、エンジン1はスロットルの開度に応じた回転数で回転し(ステップ102)、ワンタッチアイドルスイッチ20が押されるまで設定回転数を維持する(ステップ103→ステップ101)。
【0024】
そして、オペレータがワンタッチアイドルスイッチ20を押してトリガー信号がコントローラ19へ入力されると、コントローラ19はエンジン1の回転数をアイドリング回転数に下げ(ステップ104)、タイマーカウントを開始する(ステップ105)。
【0025】
タイマーカウントは、ワンタッチアイドルスイッチ20のトリガー信号が入力されるか(ステップ106)、スロットル操作信号が入力されるまで(ステップ107)継続され、予め設定されているエンジン停止制御の基準時間(例えば、10分間)に達したときにステップ108からステップ109へ進み、ガバナ2を制御してエンジン1を停止する。
【0026】
また、基準時間に達する前にワンタッチアイドルスイッチ20のトリガー信号が入力されたときは、タイマーカウント値をリセットしてステップ106からステップ101へ戻り、エンジン1はスロットル設定値による回転数に復帰する。また、基準時間に達する前にスロットル操作信号が入力されたときも、タイマーカウント値をリセットしてステップ107からステップ101へ戻り、エンジン1はスロットル設定値による回転数に復帰する。
【0027】
図3は、オートアイドルモードにおけるオートオフ制御の流れを示し、手動スロットル設定値を読込み(ステップ201)、アイドリング設定の場合はコントローラ19がガバナ2へアイドルレベルの制御信号を出力してエンジン1はアイドル回転数で回転する(ステップ210)。
【0028】
スロットルにより回転数を作業時回転数にセットすると、エンジン1はスロットルの開度に応じた回転数で回転し(ステップ202)、いずれかの操作レバーが操作されて圧力スイッチ17, 18がオンしている限り設定回転数を維持する(ステップ203→ステップ201)。
【0029】
オペレータが操作レバーの操作を停止して二つの圧力スイッチ17, 18がオフすると、コントローラ19はエンジン1の回転数をアイドリング回転数に下げ(ステップ204)、タイマーカウントを開始する(ステップ205)。
【0030】
オペレータがいずれかの操作レバーを操作して、圧力スイッチ17, 18の一つまたは二つがオンとなるか(ステップ206)、スロットル操作信号が入力される(ステップ207)までステップ208からステップ201へ戻ってタイマーカウントを継続し、エンジン停止制御の基準時間に達したときにステップ208からステップ209へ進み、ガバナ2を制御してエンジン1を停止する。
【0031】
また、基準時間に達する前に操作レバーが操作されて圧力スイッチ17, 18の一つまたは二つがオンしたときは、タイマーカウント値をリセットしてステップ206からステップ201へ戻り、エンジン1はスロットル設定値による回転数に復帰する。また、基準時間に達する前にスロットル操作信号が入力されたときも、タイマーカウント値をリセットしてステップ207からステップ201へ戻り、エンジン1はスロットル設定値による回転数に復帰する。
【0032】
このようにワンタッチアイドルモードとオートアイドルモードのいずれかによってエンジンがアイドリングしているときに、ワンタッチアイドルスイッチまたは操作レバーが操作されず、且つスロットルも操作されないで所定の時間が経過したときはエンジンを自動的に停止するので、無用なアイドリングの持続を防止することができる。また、スロットル操作によってアイドリングを設定した場合は、エンジンが自動的に停止することがないようにしているので、例えば暖気運転時や待機時にエンジンが停止してしまう不都合は生じない。
【0033】
尚、この発明は上記の実施形態に限定するものではなく、この発明の技術的範囲内において種々の改変が可能であり、この発明がそれらの改変されたものに及ぶことは当然である。
【0034】
【発明の効果】
本発明の建設機械のエンジン制御装置は、ワンタッチアイドルモードまたはオートアイドルモードにてエンジンがアイドリング状態にあるとき、アイドリング状態が或る基準時間に達したときはエンジンを自動的に停止するようにしたので、特別なセンサなどを用いることなく、無用なアイドリングによる燃料の浪費、及び排気ガスや騒音による環境への悪影響を防止できる。また、手動操作によるスロットル調整が優先されて、スロットル調整時には自動停止動作が解除されるので、例えば暖気運転時や待機時にエンジンが停止してしまう不都合は生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示し、建設機械の油圧回路及び電気回路の解説図。
【図2】ワンタッチアイドルモード時の制御フローチャート。
【図3】オートアイドルモード時の制御フローチャート。
【符号の説明】
1 エンジン
2 ガバナ
3, 4 油圧ポンプ
5, 6, 7, 8 コントロールバルブ
9,10,11,12 コントロールバルブ
17,18 圧力スイッチ
19 コントローラ
19a ROM
19b 自動停止制御プログラム
20 ワンタッチアイドルスイッチ
21 アイドルモード切替スイッチ
Claims (3)
- スイッチによりエンジンの回転数を手動スロットルにて設定された回転数とアイドリング回転数とに切替えるワンタッチアイドル制御機能を備えた建設機械において、
前記スイッチの操作によるアイドリング開始時に時間計測を開始する計時手段と、計時開始から前記スイッチの無操作状態が基準時間に達したときにエンジンを停止させる制御手段を備えたことを特徴とする建設機械のエンジン制御装置。 - 油圧回路操作系の操作状態を検知する手段を備え、無操作状態の際にエンジンの回転数をアイドリング回転数に低下させ、操作時にエンジンの回転数を手動スロットルにて設定された回転数へ復帰させるオートアイドル制御機能を備えた建設機械において、
オートアイドル制御機能によるアイドリング開始時に時間計測を開始する計時手段と、計時開始から前記操作系の無操作状態が基準時間に達したときにエンジンを停止させる制御手段を備えたことを特徴とする建設機械のエンジン制御装置。 - 上記計時手段による計時中において、スロットルの操作を検出したときにアイドリングを解除してスロットルにて設定された回転数へ復帰させる制御手段を備えた請求項1または2記載の建設機械のエンジン制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003134825A JP2004339956A (ja) | 2003-05-13 | 2003-05-13 | 建設機械のエンジン制御装置 |
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