JP2004339788A - 水中耐震補強工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】曲げ耐力の向上
【解決手段】環状の鋼製殻体20が形成されると、これを下降させて、フーチング12上に着底させる。次に、環状型枠22内に、水中コンクリートC1を打設して、止水コンクリート部46を形成する鋼製殻体20の下端側の止水性が確保されると、鋼製殻体20内の水を排水して、内部にドライ空間を形成する。次いで、曲げ補強部材48を設置する。曲げ補強部材48の設置が終了すると、鋼製殻体20内に、気中コンクリートC2が打設される。打設された気中コンクリートC2が固化すると、鋼製殻体20を橋脚部14に一体化させた耐震補強部18が形成される。
【選択図】 図4
【解決手段】環状の鋼製殻体20が形成されると、これを下降させて、フーチング12上に着底させる。次に、環状型枠22内に、水中コンクリートC1を打設して、止水コンクリート部46を形成する鋼製殻体20の下端側の止水性が確保されると、鋼製殻体20内の水を排水して、内部にドライ空間を形成する。次いで、曲げ補強部材48を設置する。曲げ補強部材48の設置が終了すると、鋼製殻体20内に、気中コンクリートC2が打設される。打設された気中コンクリートC2が固化すると、鋼製殻体20を橋脚部14に一体化させた耐震補強部18が形成される。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水中耐震補強工法に関し、特に、締切工を設けずに施工する水中耐震補強工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
既存橋脚の耐震補強工事において、従来は、橋脚の周囲を仮締切工で締切り、内部をドライアップした後に、橋脚の外周に、例えば、鋼板を巻き立てるなどの補強を行っていた。
【0003】
ところが、このような仮締切工を用いる工法では、仮締切工の設置や撤去に時間が掛かり、工費も増大するという問題があった。そこで、例えば、特許文献1には、仮締切工を設けることなく補強を行う水中耐震補強工法が提案されている。
【0004】
この特許文献1に開示されている耐震補強工法は、鋼板で構成した補強部材を、所定のクリアランスを隔てて、橋脚の外周面を囲繞するように環状に組み立てて、この環状の補強部材を橋脚の外周に沿って吊り降ろして、橋脚の基礎に沈設することが要旨となっている。
【0005】
補強部材と橋脚との間に設けられたクリアランス内には、無収縮モルタルが注入されて、補強部材と橋脚との一体化が図られる。
【0006】
しかしながら、このような耐震補強工法には、以下に説明する技術的な課題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−71718号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、耐震補強工法において、曲げ耐力を向上させる場合には、曲げ補強部材を鉛直方向に延設し、この曲げ補強部材の一端を基礎(フーチング)とアンカーなどにより一体化させる必要がある。
【0009】
ところが、特許文献1に提案されている耐震補強工法では、このような曲げ耐力を向上させることが考慮されていなかった。また、耐震補強工法において、せん断耐力の向上に関しては、せん断補強筋を設置したり、あるいは、鋼板の巻立て厚を大きくすることになる。
【0010】
この場合、このような処置を講じると、特許文献1に提案されている工法では、環状に組み立てた補強部材を吊り降ろす際に、橋脚の側面に取付けた懸吊用ブラケットを介して、吊下げ支持用のチェーンブロックを用いているが、このような吊り構造では、増大した荷重に耐えることが困難になるという問題もあった。
【0011】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、曲げ体力の向上が可能であって、しかも、せん断耐力を向上させる際に、せん断補強筋の設置、ないしは、鋼板の巻立て厚みを大きくする必要がない水中耐震補強工法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、フーチングと橋脚部とを備えた既設橋梁の、前記橋脚部の外周に耐震補強部を一体に形成する水中耐震補強工法において、前記耐震補強部は、両端が開口した環状に形成される鋼製殻体と、前記鋼製殻体の下端外周に一体に設けられた環状型枠とを備え、前記鋼製殻体を前記フーチング上に設置して、当該鋼製殻体で前記橋脚部を囲繞し、前記環状型枠内に水中コンクリートを打設して、前記鋼製殻体と前記フーチング上面との間に止水コンクリート部を形成し、前記鋼製殻体内を排水して、ドライな空間を形成して、一端が前記フーチングに埋設定着され、他端が前記鋼製殻体の内面側に沿って上方に延設される曲げ補強部材を設け、前記鋼製殻体内に気中コンクリートを打設して、前記鋼製殻体を前記橋脚部と一体化させて前記耐震補強部とするようにした。
【0013】
このように構成した水中耐震補強工法によれば、鋼製殻体内に気中コンクリートを打設して、鋼製殻体を橋脚部と一体化させる耐震補強部が形成されるので、せん断耐力の向上に関しては、気中コンクリートの厚みで対応することができ、鋼製殻体自体の厚みを増す必要がないので、鋼製殻体を比較的簡単な吊り構造で支持することができる。
【0014】
また、本発明では、一端がフーチングに埋設定着され、他端が鋼製殻体の内面側に沿って上方に延設される曲げ補強部材を設けているので、曲げ耐力も向上させることができる。
【0015】
さらに、本発明では、既設のフーチングの上に鋼製殻体を設置するので、施工時の河積阻害を低減することができるとともに、この鋼製殻体が気中コンクリート打設用の型枠として機能し、しかも、これを撤去す必要がないので、工期およびコストが大幅に低減する。
【0016】
前記環状型枠内に水中コンクリートを打設する前に、前記鋼製殻体と前記橋脚部との間に支保工を設置することができる。
【0017】
前記鋼製殻体の上端に、上方に突出する波返し部を設け、前記鋼製殻体と前記橋脚部とを一体化させた後に、前記波返し部を撤去することができる。
【0018】
前記鋼製殻体は、環状に配置されるスキンプレートと、環状に配置された前記スキンプレートの内面に固設される湾曲した複数の横梁とを備え、半環状体に形成された一対が、端部同士を接合して、前記橋脚部の外周で環状に組立てられるものであり、前記半環状体の接合端に、上下方向に延びる縦梁をそれぞれ設置し、対向する縦梁間に止水用パッキンを介在させて、接合ボルトで緊結するとともに、一方の前記半環状体の前記スキンプレートの端部に、他方の半環状体のスキンプレートの上面側に延設する延設部を設け、前記延設部と他方の半環状体のスキンプレートとを接合ボルトで緊結することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1から図4は、本発明にかかる水中耐震補強工法の一実施例を示している。同図に示した耐震補強工法は、既設橋梁10の耐震補強に発明を適用した場合を示しており、既設橋梁10は、フーチング12と、橋脚部14と、上部構造16とを備えている。
【0020】
フーチング12は、既設橋梁10の基礎部分であって、本実施例の場合に、円形断面に形成されていて、下端側が水底地盤中に埋設されている。橋脚部14は、下端側がフーチング12と一体になるように形成され、直径がフーチング12よりも小さい円形断面を有し、上端側に向けて漸次直径が縮径するように、先細状になっている。
【0021】
上部構造16は、橋脚部14の上端に設けられている。このような構造の既設橋梁10の橋脚部14を耐震補強する際には、橋脚部14の外周に、図4に示すような耐震補強部18が、橋脚部14と一体に形成される。
【0022】
本実施例の耐震補強部18は、上下方向の両端が開口した環状に形成される鋼製殻体20と、環状型枠22とを備えている。鋼製殻体20は、直径が橋脚部14よりも大きく、かつ、フーチング12よりも小さい環状に形成され、殻体20の外周面を画成するスキンプレート24と、複数の横梁26とを備えている。
【0023】
スキンプレート24の表面には、恒久的な防食効果が得られる重防食塗装が施されている。横梁26は、本実施例の場合、H型鋼から構成されていて、環状に形成されたスキンプレート24の内面に沿って、円弧状に湾曲していて、かつ、スキンプレート24の上下方向に所定の間隔を隔てて多段状に配置されている。
【0024】
環状型枠22は、鋼製殻体20の直径よりも大きな環状であって、かつ、フーチング12の外径よりも小さい形状に形成され、環状型枠板22aと、この型枠板22aを鋼製殻体20の外周面に連結する連結部材22bとを備え、上下方向の両端が開口した形状となっている。
【0025】
橋脚部14の外周に耐震補強部18を形成する際には、鋼製殻体20が、台船上で軸方向で2分割した一対の半環状体20a,20bとして組立てられる。組立てられた半環状体20a,20bは、図1に示すように、上部構造16に反力を取って、チェーンブロック28により吊り下げ支持される。
【0026】
このときに、半環状体20a,20bの下端側外周面には、環状型枠22が一体に配設され、各半環状体20a,20bは、橋脚部14の上部側の気中において、橋脚部14を両側から挟み込むようにして、閉合させられる。
【0027】
図2は、一対の半環状体20a,20bを閉合させた際の要部断面図を示している。各半環状体20a,20bの接合端には、上下方向に延びるコ字形断面の縦梁30がそれぞれ設置されている。
【0028】
各縦梁30は、一端側がスキンプレート24に固設され、内面に、多段状に配置されている横梁26の端面が固設されている。なお、図2に符号32で示した部分は、後述する曲げ補強部材48が挿通される貫通孔であって、この貫通孔32は、横梁26を上下方向に貫通するように、周方向に所定の間隔を隔てて多数配置されている。
【0029】
また、一方の半環状体20aのスキンプレート24には、他方の半環状体20b側に延設する延設部34が一体に形成されている。一対の半環状体20a,20b間を閉合する際には、端部に設けられたいる縦梁30同士を接合することになるが、この際に、対向する縦梁30間に止水用パッキン36が介装される。
【0030】
そして、縦梁30間に接合ボルト38を装着して、ナットで締め上げて緊結することにより、パッキン36を縦梁30間で挟圧して、半環状体20a,2b間の止水性を確保する。また、延設部34を半環状体20bのスキンプレート24の上面に重ね合わせて、これらを接合ボルト38により緊結する。
【0031】
このような構成の半環状体20a,20bの連結構造によれば、分割されたスキンプレート24同士を、せん断補強用の接合ボルト38により一体化することにより、スキンプレート24は、環状の連続した鉄板となることから、スキンプレート24自体をせん断補強筋の代用として考慮することができる。
【0032】
なお、図2に符号40で示した部分は、接合ボルト38の周囲や延設部34の端面に設けたコーキング部であり、これにより外部からの止水性を確保している。また、各接合ボルト38には、防食用の樹脂コーキングが施されている。
【0033】
一対の半環状体20a,20bが閉合されて、環状の鋼製殻体20が形成されると、次に、図3に示すように、チェーンブロック28を操作して、鋼製殻体20を下降させて、環状型枠22と鋼製殻体20の下端をフーチング12上に着底させる。
【0034】
鋼製殻体20の着底が終了すると、図4の左半分に示すように、必要に応じて、鋼製殻体20の下端内面側に設けられるブラケット41に、仮設アンカー42を取り付けて、鋼製殻体20を仮固定する。
【0035】
また、鋼製殻体20の着底が終了すると、必要に応じて、鋼製殻体20と橋脚部14との間に支保工44を設置して、鋼製殻体20の安定化を図る。この場合、支保工44は、ジッャキ44aと、支保材44bとを備え、ジャッキ44aの両端に支保材44bを配置し、一方の支保材44bを橋脚部14に仮設アンカー44cで仮固定し、他方の支保材44bを鋼製殻体20の横梁26に固定する。
【0036】
このような支保工44は、環状の鋼製殻体20の周方向に沿って、等間隔に複数配置し、かつ、上下方向に所定の間隔を設けて、多段状に配置することができる。
【0037】
さらに、鋼製殻体20の上端には、必要に応じて、上方に突出する波返し部46を設ける。本実施例の場合には、鋼製殻体20をフーチング12上に設置した場合に、水面WLが鋼製殻体20の上端近傍に位置し、大きな波が発生すると、越流する恐れがあるので、鋼製殻体20の上端に波返し部46を設けるようにした。この波返し部46は、鋼製殻体20と橋脚部14とを一体化させた後に、撤去する。
【0038】
次に、図4の右半分に示すように、環状型枠22内に、水中コンクリートC1を打設して、止水コンクリート部46を形成する。この止水コンクリート部46は、環状型枠22は、上下方向が開口しているので、打設されたコンクリートC1が、フーチング14の上面に接触し、かつ、鋼製殻体20の外周面に接触した状態固化するので、鋼製殻体20の下端とフーチング14との間の止水が確保される。
【0039】
このようにして、鋼製殻体20の下端側の止水性が確保されると、鋼製殻体20内の水を排水して、内部にドライ空間を形成する。次いで、曲げ補強部材48を設置する。
【0040】
この曲げ補強部材48は、例えば、鉄筋などで構成され、溶接などにより必要に応じて長さの延長が可能なものであって、一端側がフーチング14の内部に定着され、他端側は、鋼製殻体20の内面に沿ってその上端近傍まで延設される。
【0041】
曲げ補強部材48のフーチング14への定着は、例えば、フーチング14の上面から所定の深さの孔を削孔し、補強部材48の端部をこの孔内に挿入して、接着材など固定する。
【0042】
一方、曲げ補強部材48の他端側を鋼製殻体20の上方に延設する際には、予め横梁26に貫通形成されている貫通孔32内に挿通することにより行われる。このような曲げ補強部材48は、環状に形成された鋼製殻体20の周方向に沿って、等間隔で多数が配置される。
【0043】
曲げ補強部材48の設置が終了すると、図4に右半分に示すように、鋼製殻体20内に、気中コンクリートC2が打設される。打設された気中コンクリートC2が固化すると、鋼製殻体20を橋脚部14に一体化させた耐震補強部18が形成される。
【0044】
さて、以上のように構成した水中耐震補強工法によれば、鋼製殻体20内に気中コンクリートC2を打設して、鋼製殻体20を橋脚部14に一体化させた耐震補強部18が形成されるので、せん断耐力の向上に関しては、気中コンクリートC2の厚みで対応することができ、鋼製殻体20自体の厚みを増す必要がないので、鋼製殻体20を比較的簡単な吊り構造、例えば、チェーンブロック28で支持することができる。
【0045】
また、本実施例では、一端がフーチング12に埋設定着され、他端が鋼製殻体20の内面側に沿って上方に延設される曲げ補強部材48を設けているので、曲げ耐力も向上させることができる。
【0046】
さらに、本実施例では、既設のフーチング12の上に鋼製殻体20を設置するので、施工時の河積阻害を低減することができるとともに、この鋼製殻体20が気中コンクリート打設用の型枠として機能し、しかも、これを撤去す必要がないので、工期およびコストが大幅に低減する。
【0047】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかる水中耐震補強工法によれば、曲げ体力の向上が可能であって、しかも、せん断耐力を向上させる際に、せん断補強筋の設置、ないしは、鋼板の巻立て厚みを大きくする必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる水中耐震補強工法の初期工程の説明図である。
【図2】図1に示した鋼製殻体の要部断面図である。
【図3】図1に引き続いて行われる工程の説明図である。
【図4】図3の拡大図と、図3に引き続いて行われる工程とを左右に示した断面図である。
【符号の説明】
10 既設橋梁
12 フーチング
14 橋脚部
16 上部構造
18 耐震補強部
20 鋼製殻体
22 環状型枠
24 スキンプレート
26 横梁
46 止水コンクリート部
48 曲げ補強部材
【発明の属する技術分野】
この発明は、水中耐震補強工法に関し、特に、締切工を設けずに施工する水中耐震補強工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
既存橋脚の耐震補強工事において、従来は、橋脚の周囲を仮締切工で締切り、内部をドライアップした後に、橋脚の外周に、例えば、鋼板を巻き立てるなどの補強を行っていた。
【0003】
ところが、このような仮締切工を用いる工法では、仮締切工の設置や撤去に時間が掛かり、工費も増大するという問題があった。そこで、例えば、特許文献1には、仮締切工を設けることなく補強を行う水中耐震補強工法が提案されている。
【0004】
この特許文献1に開示されている耐震補強工法は、鋼板で構成した補強部材を、所定のクリアランスを隔てて、橋脚の外周面を囲繞するように環状に組み立てて、この環状の補強部材を橋脚の外周に沿って吊り降ろして、橋脚の基礎に沈設することが要旨となっている。
【0005】
補強部材と橋脚との間に設けられたクリアランス内には、無収縮モルタルが注入されて、補強部材と橋脚との一体化が図られる。
【0006】
しかしながら、このような耐震補強工法には、以下に説明する技術的な課題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−71718号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、耐震補強工法において、曲げ耐力を向上させる場合には、曲げ補強部材を鉛直方向に延設し、この曲げ補強部材の一端を基礎(フーチング)とアンカーなどにより一体化させる必要がある。
【0009】
ところが、特許文献1に提案されている耐震補強工法では、このような曲げ耐力を向上させることが考慮されていなかった。また、耐震補強工法において、せん断耐力の向上に関しては、せん断補強筋を設置したり、あるいは、鋼板の巻立て厚を大きくすることになる。
【0010】
この場合、このような処置を講じると、特許文献1に提案されている工法では、環状に組み立てた補強部材を吊り降ろす際に、橋脚の側面に取付けた懸吊用ブラケットを介して、吊下げ支持用のチェーンブロックを用いているが、このような吊り構造では、増大した荷重に耐えることが困難になるという問題もあった。
【0011】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、曲げ体力の向上が可能であって、しかも、せん断耐力を向上させる際に、せん断補強筋の設置、ないしは、鋼板の巻立て厚みを大きくする必要がない水中耐震補強工法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、フーチングと橋脚部とを備えた既設橋梁の、前記橋脚部の外周に耐震補強部を一体に形成する水中耐震補強工法において、前記耐震補強部は、両端が開口した環状に形成される鋼製殻体と、前記鋼製殻体の下端外周に一体に設けられた環状型枠とを備え、前記鋼製殻体を前記フーチング上に設置して、当該鋼製殻体で前記橋脚部を囲繞し、前記環状型枠内に水中コンクリートを打設して、前記鋼製殻体と前記フーチング上面との間に止水コンクリート部を形成し、前記鋼製殻体内を排水して、ドライな空間を形成して、一端が前記フーチングに埋設定着され、他端が前記鋼製殻体の内面側に沿って上方に延設される曲げ補強部材を設け、前記鋼製殻体内に気中コンクリートを打設して、前記鋼製殻体を前記橋脚部と一体化させて前記耐震補強部とするようにした。
【0013】
このように構成した水中耐震補強工法によれば、鋼製殻体内に気中コンクリートを打設して、鋼製殻体を橋脚部と一体化させる耐震補強部が形成されるので、せん断耐力の向上に関しては、気中コンクリートの厚みで対応することができ、鋼製殻体自体の厚みを増す必要がないので、鋼製殻体を比較的簡単な吊り構造で支持することができる。
【0014】
また、本発明では、一端がフーチングに埋設定着され、他端が鋼製殻体の内面側に沿って上方に延設される曲げ補強部材を設けているので、曲げ耐力も向上させることができる。
【0015】
さらに、本発明では、既設のフーチングの上に鋼製殻体を設置するので、施工時の河積阻害を低減することができるとともに、この鋼製殻体が気中コンクリート打設用の型枠として機能し、しかも、これを撤去す必要がないので、工期およびコストが大幅に低減する。
【0016】
前記環状型枠内に水中コンクリートを打設する前に、前記鋼製殻体と前記橋脚部との間に支保工を設置することができる。
【0017】
前記鋼製殻体の上端に、上方に突出する波返し部を設け、前記鋼製殻体と前記橋脚部とを一体化させた後に、前記波返し部を撤去することができる。
【0018】
前記鋼製殻体は、環状に配置されるスキンプレートと、環状に配置された前記スキンプレートの内面に固設される湾曲した複数の横梁とを備え、半環状体に形成された一対が、端部同士を接合して、前記橋脚部の外周で環状に組立てられるものであり、前記半環状体の接合端に、上下方向に延びる縦梁をそれぞれ設置し、対向する縦梁間に止水用パッキンを介在させて、接合ボルトで緊結するとともに、一方の前記半環状体の前記スキンプレートの端部に、他方の半環状体のスキンプレートの上面側に延設する延設部を設け、前記延設部と他方の半環状体のスキンプレートとを接合ボルトで緊結することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1から図4は、本発明にかかる水中耐震補強工法の一実施例を示している。同図に示した耐震補強工法は、既設橋梁10の耐震補強に発明を適用した場合を示しており、既設橋梁10は、フーチング12と、橋脚部14と、上部構造16とを備えている。
【0020】
フーチング12は、既設橋梁10の基礎部分であって、本実施例の場合に、円形断面に形成されていて、下端側が水底地盤中に埋設されている。橋脚部14は、下端側がフーチング12と一体になるように形成され、直径がフーチング12よりも小さい円形断面を有し、上端側に向けて漸次直径が縮径するように、先細状になっている。
【0021】
上部構造16は、橋脚部14の上端に設けられている。このような構造の既設橋梁10の橋脚部14を耐震補強する際には、橋脚部14の外周に、図4に示すような耐震補強部18が、橋脚部14と一体に形成される。
【0022】
本実施例の耐震補強部18は、上下方向の両端が開口した環状に形成される鋼製殻体20と、環状型枠22とを備えている。鋼製殻体20は、直径が橋脚部14よりも大きく、かつ、フーチング12よりも小さい環状に形成され、殻体20の外周面を画成するスキンプレート24と、複数の横梁26とを備えている。
【0023】
スキンプレート24の表面には、恒久的な防食効果が得られる重防食塗装が施されている。横梁26は、本実施例の場合、H型鋼から構成されていて、環状に形成されたスキンプレート24の内面に沿って、円弧状に湾曲していて、かつ、スキンプレート24の上下方向に所定の間隔を隔てて多段状に配置されている。
【0024】
環状型枠22は、鋼製殻体20の直径よりも大きな環状であって、かつ、フーチング12の外径よりも小さい形状に形成され、環状型枠板22aと、この型枠板22aを鋼製殻体20の外周面に連結する連結部材22bとを備え、上下方向の両端が開口した形状となっている。
【0025】
橋脚部14の外周に耐震補強部18を形成する際には、鋼製殻体20が、台船上で軸方向で2分割した一対の半環状体20a,20bとして組立てられる。組立てられた半環状体20a,20bは、図1に示すように、上部構造16に反力を取って、チェーンブロック28により吊り下げ支持される。
【0026】
このときに、半環状体20a,20bの下端側外周面には、環状型枠22が一体に配設され、各半環状体20a,20bは、橋脚部14の上部側の気中において、橋脚部14を両側から挟み込むようにして、閉合させられる。
【0027】
図2は、一対の半環状体20a,20bを閉合させた際の要部断面図を示している。各半環状体20a,20bの接合端には、上下方向に延びるコ字形断面の縦梁30がそれぞれ設置されている。
【0028】
各縦梁30は、一端側がスキンプレート24に固設され、内面に、多段状に配置されている横梁26の端面が固設されている。なお、図2に符号32で示した部分は、後述する曲げ補強部材48が挿通される貫通孔であって、この貫通孔32は、横梁26を上下方向に貫通するように、周方向に所定の間隔を隔てて多数配置されている。
【0029】
また、一方の半環状体20aのスキンプレート24には、他方の半環状体20b側に延設する延設部34が一体に形成されている。一対の半環状体20a,20b間を閉合する際には、端部に設けられたいる縦梁30同士を接合することになるが、この際に、対向する縦梁30間に止水用パッキン36が介装される。
【0030】
そして、縦梁30間に接合ボルト38を装着して、ナットで締め上げて緊結することにより、パッキン36を縦梁30間で挟圧して、半環状体20a,2b間の止水性を確保する。また、延設部34を半環状体20bのスキンプレート24の上面に重ね合わせて、これらを接合ボルト38により緊結する。
【0031】
このような構成の半環状体20a,20bの連結構造によれば、分割されたスキンプレート24同士を、せん断補強用の接合ボルト38により一体化することにより、スキンプレート24は、環状の連続した鉄板となることから、スキンプレート24自体をせん断補強筋の代用として考慮することができる。
【0032】
なお、図2に符号40で示した部分は、接合ボルト38の周囲や延設部34の端面に設けたコーキング部であり、これにより外部からの止水性を確保している。また、各接合ボルト38には、防食用の樹脂コーキングが施されている。
【0033】
一対の半環状体20a,20bが閉合されて、環状の鋼製殻体20が形成されると、次に、図3に示すように、チェーンブロック28を操作して、鋼製殻体20を下降させて、環状型枠22と鋼製殻体20の下端をフーチング12上に着底させる。
【0034】
鋼製殻体20の着底が終了すると、図4の左半分に示すように、必要に応じて、鋼製殻体20の下端内面側に設けられるブラケット41に、仮設アンカー42を取り付けて、鋼製殻体20を仮固定する。
【0035】
また、鋼製殻体20の着底が終了すると、必要に応じて、鋼製殻体20と橋脚部14との間に支保工44を設置して、鋼製殻体20の安定化を図る。この場合、支保工44は、ジッャキ44aと、支保材44bとを備え、ジャッキ44aの両端に支保材44bを配置し、一方の支保材44bを橋脚部14に仮設アンカー44cで仮固定し、他方の支保材44bを鋼製殻体20の横梁26に固定する。
【0036】
このような支保工44は、環状の鋼製殻体20の周方向に沿って、等間隔に複数配置し、かつ、上下方向に所定の間隔を設けて、多段状に配置することができる。
【0037】
さらに、鋼製殻体20の上端には、必要に応じて、上方に突出する波返し部46を設ける。本実施例の場合には、鋼製殻体20をフーチング12上に設置した場合に、水面WLが鋼製殻体20の上端近傍に位置し、大きな波が発生すると、越流する恐れがあるので、鋼製殻体20の上端に波返し部46を設けるようにした。この波返し部46は、鋼製殻体20と橋脚部14とを一体化させた後に、撤去する。
【0038】
次に、図4の右半分に示すように、環状型枠22内に、水中コンクリートC1を打設して、止水コンクリート部46を形成する。この止水コンクリート部46は、環状型枠22は、上下方向が開口しているので、打設されたコンクリートC1が、フーチング14の上面に接触し、かつ、鋼製殻体20の外周面に接触した状態固化するので、鋼製殻体20の下端とフーチング14との間の止水が確保される。
【0039】
このようにして、鋼製殻体20の下端側の止水性が確保されると、鋼製殻体20内の水を排水して、内部にドライ空間を形成する。次いで、曲げ補強部材48を設置する。
【0040】
この曲げ補強部材48は、例えば、鉄筋などで構成され、溶接などにより必要に応じて長さの延長が可能なものであって、一端側がフーチング14の内部に定着され、他端側は、鋼製殻体20の内面に沿ってその上端近傍まで延設される。
【0041】
曲げ補強部材48のフーチング14への定着は、例えば、フーチング14の上面から所定の深さの孔を削孔し、補強部材48の端部をこの孔内に挿入して、接着材など固定する。
【0042】
一方、曲げ補強部材48の他端側を鋼製殻体20の上方に延設する際には、予め横梁26に貫通形成されている貫通孔32内に挿通することにより行われる。このような曲げ補強部材48は、環状に形成された鋼製殻体20の周方向に沿って、等間隔で多数が配置される。
【0043】
曲げ補強部材48の設置が終了すると、図4に右半分に示すように、鋼製殻体20内に、気中コンクリートC2が打設される。打設された気中コンクリートC2が固化すると、鋼製殻体20を橋脚部14に一体化させた耐震補強部18が形成される。
【0044】
さて、以上のように構成した水中耐震補強工法によれば、鋼製殻体20内に気中コンクリートC2を打設して、鋼製殻体20を橋脚部14に一体化させた耐震補強部18が形成されるので、せん断耐力の向上に関しては、気中コンクリートC2の厚みで対応することができ、鋼製殻体20自体の厚みを増す必要がないので、鋼製殻体20を比較的簡単な吊り構造、例えば、チェーンブロック28で支持することができる。
【0045】
また、本実施例では、一端がフーチング12に埋設定着され、他端が鋼製殻体20の内面側に沿って上方に延設される曲げ補強部材48を設けているので、曲げ耐力も向上させることができる。
【0046】
さらに、本実施例では、既設のフーチング12の上に鋼製殻体20を設置するので、施工時の河積阻害を低減することができるとともに、この鋼製殻体20が気中コンクリート打設用の型枠として機能し、しかも、これを撤去す必要がないので、工期およびコストが大幅に低減する。
【0047】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかる水中耐震補強工法によれば、曲げ体力の向上が可能であって、しかも、せん断耐力を向上させる際に、せん断補強筋の設置、ないしは、鋼板の巻立て厚みを大きくする必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる水中耐震補強工法の初期工程の説明図である。
【図2】図1に示した鋼製殻体の要部断面図である。
【図3】図1に引き続いて行われる工程の説明図である。
【図4】図3の拡大図と、図3に引き続いて行われる工程とを左右に示した断面図である。
【符号の説明】
10 既設橋梁
12 フーチング
14 橋脚部
16 上部構造
18 耐震補強部
20 鋼製殻体
22 環状型枠
24 スキンプレート
26 横梁
46 止水コンクリート部
48 曲げ補強部材
Claims (4)
- フーチングと橋脚部とを備えた既設橋梁の、前記橋脚部の外周に耐震補強部を一体に形成する水中耐震補強工法において、
前記耐震補強部は、両端が開口した環状に形成される鋼製殻体と、前記鋼製殻体の下端外周に一体に設けられた環状型枠とを備え、
前記鋼製殻体を前記フーチング上に設置して、当該鋼製殻体で前記橋脚部を囲繞し、
前記環状型枠内に水中コンクリートを打設して、前記鋼製殻体と前記フーチング上面との間に止水コンクリート部を形成し、
前記鋼製殻体内を排水して、ドライな空間を形成して、一端が前記フーチングに埋設定着され、他端が前記鋼製殻体の内面側に沿って上方に延設される曲げ補強部材を設け、
前記鋼製殻体内に気中コンクリートを打設して、前記鋼製殻体を前記橋脚部と一体化させて前記耐震補強部とすることを特徴とする水中耐震補強工法。 - 前記環状型枠内に水中コンクリートを打設する前に、前記鋼製殻体と前記橋脚部との間に支保工を設置することを特徴とする請求項1記載の水中耐震補強工法。
- 前記鋼製殻体の上端に、上方に突出する波返し部を設け、前記鋼製殻体と前記橋脚部とを一体化させた後に、前記波返し部を撤去することを特徴とする請求項1または2記載の水中耐震補強工法。
- 前記鋼製殻体は、環状に形成されるスキンプレートと、環状に配置された前記スキンプレートの内面に固設される湾曲した複数の横梁とを備え、
半環状体に形成された一対が、端部同士を接合して、前記橋脚部の外周で環状に組立てられるものであり、
前記半環状体の接合端に、上下方向に延びる縦梁をそれぞれ設置し、対向する縦梁間に止水用パッキンを介在させて、接合ボルトで緊結するとともに、一方の前記半環状体の前記スキンプレートの端部に、他方の半環状体のスキンプレートの上面側に延設する延設部を設け、
前記延設部と他方の半環状体のスキンプレートとを接合ボルトで緊結することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の水中耐震補強工法。
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JP2003137464A JP2004339788A (ja) | 2003-05-15 | 2003-05-15 | 水中耐震補強工法 |
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Cited By (2)
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JP2012144918A (ja) * | 2011-01-13 | 2012-08-02 | Railway Technical Research Institute | 鉄道高架橋柱の取換え工法 |
JP2012167473A (ja) * | 2011-02-14 | 2012-09-06 | Oriental Shiraishi Corp | 柱状構造物の補強構造及び補強方法 |
-
2003
- 2003-05-15 JP JP2003137464A patent/JP2004339788A/ja active Pending
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