JP2004339660A - 織機における織段防止方法及び装置 - Google Patents

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Keiichi Nagi
啓一 名木
Nobuhiro Araki
伸宏 荒木
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Abstract

【課題】織前位置をより正確に補正することにある。
【解決手段】織段防止方法は、織機の起動に先立って、巻取ロール及び経糸ビームを回転させる巻取モータ及び送出モータを予め定められた駆動比率に対応する速度で同時に及び同じ期間だけ回転させることにより織前位置を補正した後、織機の運転を開始させる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、織機の起動に先だって巻取ロール及び送出ビームを回転させて織段の発生を防止する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
織機においては、停台中における経糸の伸びや、停台原因を解消する処理等に起因して織段が織布に発生することから、そのような織段の発生を防止するための動作を織機に行わせている。
【0003】
織機における織段防止技術の1つとして、織段防止のために経糸ビームを駆動させるための駆動量(回転量)を織段の強弱度合いに応じて設定器に設定し、織機の起動に先立って、経糸ビームを設定駆動量だけ回転させて織前の位置を経糸移動方向に移動させる織前位置補正動作を実行することにより、起動直後の筬打ち力の不足に起因する織段の発生を防止するキックバック動作を織機に実行させるものがある(特許文献1)。
【0004】
この従来の技術は、経糸ビームを回転させる送出モータの許容される高い回転速度をキックバック動作時における速度指令値として駆動回路に設定しておき、織機の起動に先立って入力される信号により、高い回転速度の速度指令値を出力すると共に、送出モータの回転量を積算し、送出モータが設定器に設定された駆動量だけ回転したことにより速度指令の出力を中止して送出モータを停止させる。
【0005】
織段防止技術の他の1つとして、織機の起動に先立って、巻取ロールを回転させる巻取モータを起動準備動作のために駆動させて経糸移動方向における織前の位置を移動させる織前の位置を経糸移動方向に移動させる織前位置補正動作を織機に実行させることにより、起動直後の筬打ち力の不足に起因する織段の発生を防止するものがある(特許文献2)。
【0006】
織段防止技術の他の1つとして、織機の起動に先立って、巻取ビーム及び送出ロールの駆動を同時に開始させるものがある(特許文献3及び4)。
【0007】
【特許文献1】
特開昭61−83355号公報
【特許文献2】
特開昭60−181349号公報
【特許文献3】
特開平10−226944号公報
【特許文献4】
特開平4−185743号公報
【0008】
上記文献1及び2の従来技術は、いずれも、それらを単独で使用する(経糸ビーム及び巻取ロールのいずれか一方のみを駆動させる)には、織前位置の変更精度が悪く、織段防止技術としては不十分である。
【0009】
このため、上記両従来技術を共に用い、織機の起動に先立って、織段防止のために経糸ビーム及び巻取ロールを共に回転させて両者による織前位置補正動作を織機に実行させることが考えられる。
【0010】
【解決しようとする課題】
しかし、両織前位置補正動作を同時に開始させたとしても、送出モータ及び巻取モータの回転速度が別個に決定されるから、両モータの回転速度を対応する速度に一致させることが難しく、したがって同じ期間にわたって両モータを同時に駆動させて両織前位置補正動作を同時に終了させることは難しい。
【0011】
また、巻取ロールに巻き取られる織布は、巻取ロールや、テンプル等を介して織前に繋がっており、経糸ビームから繰り出される経糸は、テンションロール、ドロッパ、ヘルド、筬を介して織前に繋がっている。したがって、これらの部材と織布及び経糸との間には摩擦力が作用するから、巻取ロール又は経糸ビームの回転量はそのままには織前に伝わらない。また、織前位置は織布と経糸との張力関係に依存する。
【0012】
上記の結果、両織前位置補正動作を同時に実行させても、両モータの回転速度や、織前位置補正動作の終了時期のずれにより、織布や経糸の張力関係が異なる状態となり、これが織前位置のバラツキとなって現れる。その結果、織段防止のためにより精度の高い織前位置の補正が必要になる織物に対しては、完全な装置ということができず、織段を確実に解消することができない、という問題がある。
【0013】
上記文献3及び4の従来技術は、巻取ロール及び経糸ビームを同じ期間にわたって同時に駆動させると共に、両駆動を同時に停止させることについてはなんら考慮していない。
【0014】
本発明の目的は、織機の起動に先立って、巻取ロール及び経糸ビームを共に回転させることにより、織前位置を補正した後に、織機の運転を開始させる織機において、織前位置をより正確に補正することにある。
【0015】
【解決手段、作用、効果】
本発明に係る織段防止方法は、織機の起動に先立って、巻取ロール及び経糸ビームを回転させる巻取モータ及び送出モータを予め定められた駆動比率に対応する速度で同時に及び同じ期間だけ回転させることにより織前位置を補正した後、織機の運転を開始させる。
【0016】
本発明に係る織段防止装置は、巻取ロール及び経糸ビームをそれぞれ巻取モータ及び送出モータにより回転させる駆動回路と、前記駆動回路に接続された速度指令演算部であって設定される駆動比率に対応する各モータの速度指令値を算出する速度指令演算部とを含む。前記駆動回路は、織機の運転開始に先立って、起動準備信号が入力したことにより前記駆動比率に対応する速度で両モータを同時に同じ期間だけ回転させて、織前位置補正動作を実行する。
【0017】
駆動比率は、織前位置補正時における織布の巻取速度と経糸の送出速度との割合(比率)として定義されるものであり、速度比率の形で直接的に設定してもよい。また、同じ駆動期間に同時に駆動が開始され、その後同時に駆動が終了される点に着目して、織前位置補正のために設定される駆動量、すなわち織布の巻取量と経糸の送り量との比(より正確には、巻取ロール周面の回転量と経糸ビーム周面の回転量との比率)から算出することができる。
【0018】
本発明によれば、織機の起動時には、巻取ロール及び経糸ビームに対し、予め定められる所定の比率に対する速度がそれぞれ同時に同じ期間にわたって出力されるから、織布及び経糸がその速度により同じ期間にわたって同時に移動される。その結果、織布及び経糸の張力が織前の前後に同時に加わることになり、従来のような織前位置バラツキが生じない。また、織前位置を常に安定的に所定の位置に正確に移動させることができるから、織段の発生を確実に防止することができる。
【0019】
織段防止装置は、さらに、いずれか一方のモータの回転量を検出して検出回転量を前記駆動回路に供給する回転量検出器と、起動準備時における設定回転量を前記駆動回路に予め設定する回転量設定器とを含み、前記駆動回路は、前記織前位置補正動作の実行時に、前記検出回転量が前記設定回転量に達したことにより、各モータを同時に停止させることができる。
【0020】
これの代わりに、織段防止装置は、さらに、経糸及び織布のいずれか一方の張力を検出して検出張力を前記駆動回路に供給する張力検出器と、前記一方の設定張力を前記駆動回路に予め設定する張力設定器とを含み、前記駆動回路は、前記織前位置補正動作の実行時に、前記検出張力が前記設定張力に達したことにより、各モータを同時に停止させてもよい。そのようにすれば、織前位置の補正に加えて、経糸の張力が所望の値に調整されるから、織段の発生をより確実に防止することができる。
【0021】
また、織段防止装置は、さらに、いずれか一方のモータの回転量を検出して検出回転量を前記駆動回路に供給する回転量検出器と、起動準備時における設定回転量を前記駆動回路に予め設定する回転量設定器と、経糸及び織布のいずれか一方の張力を検出して検出張力を前記駆動回路に供給する張力検出器と、前記一方の設定張力を前記駆動回路に予め設定する張力設定器とを含み、前記駆動回路は、前記織前位置補正動作の実行時に、前記検出回転量が前記設定回転量に達したとき、各モータを同時に停止させることと、前記検出張力が前記設定張力に達したとき、各モータを同時に停止させることとを選択的に実行可能としていてもよい。そのようにすれば、織段防止動作で各モータを同時に停止させるための条件を駆動量及び張力のいずれとするかを、織物や織段の状態に対応して適宜選択することが可能になるため、より好ましい。
【0022】
前記駆動回路は、前記各モータを同時に停止させることを含む前記織前位置補正動作を一回実行することに限られず、2回以上の複数回実行可能とされていてもよい。そのようにすれば、複数回の補正動作により、より精度の高い織前位置の補正を実行することができる。
【0023】
複数回の織段防止動作について、例えば駆動量や駆動方向を同じにする織段防止動作を複数回実行される態様に限らず、駆動量、張力及び駆動方向のうち、いずれかが各回毎に異なるようにされる態様を含むことができる。いずれの場合も、織段防止動作を一回実行する場合に比べ、織前位置をより正確に設定することができる。
【0024】
前記速度指令演算部は、前記駆動比率に対応する速度のうちいずれか一方のモータの速度を他方のモータの速度基準値及び以下の式(1)を用いて算出することができる。
【0025】
V01=k・V02・Y/X・・・(1)
【0026】
式(1)において、V01は一方のモータの速度に対応する速度指令値、V02は他方のモータの速度基準値に対応する速度指令値、Xは一方のモータの駆動比率、Yは他方のモータの駆動比率、並びに、kは各駆動機構の歯車比及び経糸ビームの巻径補正係数等を含む係数である。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1を参照するに、織機10において、経糸12は、これが巻かれている経糸ビーム(送出ビーム)14から、バックローラ16、複数の綜絖枠18及び筬20を経て織前22に繋がっている。製織された織布24は、織前22から、ガイドローラ26を介して服巻ロール28に達し、服巻ロール28と一対のプレスロール30とにより布巻ビーム32に送り出されて、布巻ビーム32に巻き取られる。
【0028】
経糸ビーム14は、送出モータ34により歯車のような減速機構で構成される送出機構36を介して回転されて複数の経糸12をシートの形で送出する。経糸ビーム14に巻かれている経糸12の量(巻径)は、経糸ビーム14からの経糸12の送り出しにともなって、漸次減少する。
【0029】
このため、経糸ビーム14の巻径は巻径センサ38により検出され、検出された巻径信号Dは送出モータ34を制御する送出制御装置40に供給される。送出モータ34の出力軸の回転速度は、パルスジェネレータ42によって検出され、検出された送出モータ回転量信号S1は送出制御装置40に供給される。
【0030】
経糸12に作用している経糸張力(実際値)は、バックローラ16に作用する荷重を検出する経糸張力センサ44により検出され、検出された経糸張力T1は送出制御装置40に供給される。
【0031】
各綜絖枠18は、主軸モータ(図示せず)により回転される主軸46の回転運動を受ける運動変換機構48により上下に往復駆動されて、経糸12を上下に開口させる。
【0032】
筬20は、主軸46の回転運動を受ける運動変換機構50により揺動されて、経糸12の開口に緯入れされた緯糸52を織前22に打ち付ける。
【0033】
服巻ロール28は、巻取モータ54の回転運動を受ける、歯車のような減速機構で構成される巻取機構56により回転されて、一対のプレスロール30と共同して織布24を布巻ビーム32に送り出す。このため、服巻ロール28は巻取ロールとして作用する。
【0034】
主軸46の回転角度は、主軸46に連結されたエンコーダ58によって検出される。検出された主軸回転角度信号S2は、巻取モータ54を制御する巻取制御装置62及び送出制御装置40に供給される。
【0035】
これに対し、巻取モータ54の回転量(回転角度)は、巻取モータ54の出力軸に連結されたパルスジェネレータ60により検出される。回転量に応じて発生される巻取モータ回転量信号S3は、巻取制御装置62に供給される。
【0036】
布巻ビーム32は、布巻ビーム32に巻かれた織布24の周速度が織布24の送り速度より若干速くなるように、主軸46の回転運動を受ける巻取トルク調整機構64により滑り軸受け(図示せず)を介して回転されて、織布24の巻取張力を一定に維持すべく回転される。
【0037】
織機10の起動準備時、織段を防止すべく予め定められた駆動比率に対応する速度で、送出制御装置40は送出モータ34を、また巻取制御器62は巻取モータ54をそれぞれ同時に同じ期間だけ正転又は逆転させる。
【0038】
制御装置40,62は、いずれも、駆動回路として作用する。駆動回路すなわち制御装置40,62は、織機の起動に先立って、巻取ロール28及び経糸ビーム14を回転させる巻取モータ54及び送出モータ34を予め定められた所定の駆動比率で同時に及び同じ期間だけ回転させることにより織前位置を補正する織前位置補正動作を織機10に実行させる。
【0039】
駆動比率は、例えば単位時間あたりの巻取ロール周面又は経糸ビーム周面の回転量、すなわち織布の巻取速度や経糸の送出速度として直接的に設定すればより理想的である。しかし、駆動時間が短く、しかも駆動量もごくわずかであることが多く、このような値を求めたとしても誤差が大きくなるという問題があるため、簡易的には、作業者が入力する数値の比で設定される。
【0040】
送出制御装置40と巻取制御装置62とを別個の回路構成とする代わりに、それらの機能をソフトウエアで実行するコンピュータのような共通の回路としてもよい。
【0041】
図2を参照して、駆動回路を構成する送出制御装置40及び巻取制御装置62を含む織段防止装置70について説明する。
【0042】
織段の発生を防止する織段防止装置70は、織機の主制御装置72から運転信号S0と起動準備信号S4とを受け、起動準備完了信号S5a及びS5bを主制御装置72に供給する。
【0043】
起動準備信号S4は、運転ボタン74が押下されて運転ボタン信号S6が主制御装置72に入力したことにより発生される。その後、運転信号S0は、後述する起動準備完了信号S5a、S5bが主制御装置72に入力したことにより発生される。
【0044】
主制御装置72は、起動準備時、オンの起動準備信号S4を巻取制御装置62及び送出制御装置34に同時に出力して、織前位置補正動作を巻取制御装置62及び送出制御装置34に同時に実行させ、また起動準備完了信号S5a又はS5bが入力したことにより、起動準備信号S4をオフにして織前位置補正動作を同時に中止させる。
【0045】
これに対し、起動準備完了信号S5a及びS5bは、それぞれ、起動準備動作が完了したことにより駆動回路すなわち巻取制御装置62及び送出制御装置40から出力される。
【0046】
巻取ロール54及び送出ビーム14の駆動比率X及びYは、それぞれ、比率設定器として作用する設定器76及び78を介して設定部80及び速度指令演算部82に予め設定されており、起動準備時に用いられる。後述する実施例で織機の起動準備時に用いる経糸の目標張力Tは設定器83に予め設定しておくことができる。
【0047】
設定器76及び78には、表1に示すように起動準備時における巻取ロール54及び及び経糸ビーム14による織布24及び経糸12の移動量及び送出量(駆動量)L01及びL02が駆動比率X及びYとしてそれぞれ設定されている。駆動方向は、駆動量に付される正負の記号により指示される。表1における巻取ロール及び経糸ビームの駆動量は、それぞれ、ロール及びビームの巻層の外周面における長さ、すなわち、織布の巻取量及び経糸の送出量として定められている。
【0048】
このような駆動比率は、織物品種の変更や織段の発生状況の変化に対応してその都度設定するようにしてもよいが、複数の設定値を制御モードに対応させて予め設定部80に予め記憶させておき、織物品種の変更又は織段の発生状況の変化に合せて制御モードを選択することにより対応する記憶値を選択して設定するようにしてもよい。その設定態様として例えば表1の態様をあげることができる。
【0049】
表1のいずれの駆動比率を用いて織前位置補正動作を実行させるかについては、制御モード選択用の切換器84により行われる。表1におけるA1,A2・・・は、起動準備時に制御モードを示す。少なくとも1つの制御モードが切換器84により選択される。
【0050】
設定部80は、選択された制御モード、設定された駆動比率及び目標張力を基に、制御モードを含む補正動作モード指令S7を巻取制御装置62及び送出制御装置40に供給し、補正動作モード指令S7及び駆動量L01及びL02をそれぞれ巻取制御装置62及び送出制御装置40に供給し、起動時の目標張力T0を送出制御装置40に供給する。
【0051】
補正動作モード指令S7は、制御モード、駆動方向、織前位置補正動作の実行回数、補正動作完了モード(回転量検出及び張力検出のいずれで補正動作を完了させるか等)を指示するデータを含む。
【0052】
速度指令演算部82は、設定器76及び78に設定された各駆動量の比率を基に、速度指令V01及びV02をそれぞれ巻取制御装置62及び送出制御装置40に供給する。速度指令V01及びV02による駆動方向は、それらの駆動指令に付される正負の記号により指示される。
【0053】
速度指令値は、例えば、予め定められる駆動期間に巻取ロールをその周面長さに換算して2mm回転させるときの基準速度VTを基にして決定され、巻取ロール及び経糸ビームの速度を算出することにより得ることができる。
【0054】
速度指令値の決定は、一方の駆動比率(この場合、駆動量)の大きさ、例えば、巻取ロールの駆動量を加味させる絶対速度としてもよいし、そのような駆動比率を考慮しない相対速度としてもよい。
【0055】
例えば、表1の設定例A4の場合、巻取ロールがその周面長さにおいて2mm駆動されたときの速度基準値VTを基準とするため、絶対速度として決定されるときの巻取ロールの速度はVT/2となり、相対速度として決定されるときの巻取ロールの速度はVTとなる(但し、いずれも、正負の記号を除く)。
【0056】
表1に示す制御モードA及び後述する表2に示す制御モードBにおいて、英文字は「A」及び「B」は、織段防止動作における巻取ロール及び経糸ビームを同時に停止させる際に、いずれの要因により停止させるかを指示するものである。
【0057】
表1において、英文字「A」は、巻取ロール又は経糸ビームが設定駆動量だけ回転したことにより停止させる制御(すなわち、駆動量による停止制御)に対応し、また英文字「B」は、経糸又は織布の張力が設定張力値に達したことにより停止させる制御(すなわち、張力による停止制御)に対応している。
【0058】
設定例A2のように、駆動方向は同じであるが、駆動比率(駆動量)が異なる場合や、設定例A4及びA5のように駆動方向が異なる場合、経糸又は織布の張力が変化する。それらの制御モードを使用するときは、張力変化を見込んで駆動比率と、巻取ロール及び送出ビームの停止の条件とを決定することが好ましい。
【0059】
巻取ロールの速度から、経糸ビームの速度を決定する代わりに、経糸ビームの速度から、巻取ロールの速度を決定してもよい。
【0060】
上記の代わりに、速度指令演算部82は、駆動比率X,Yに対応する速度のうちいずれか一方のモータの速度指令値を他方のモータの速度基準値及び以下の式(1)を用いて算出することができる。
【0061】
V01=k・V02・Y/X・・・(1)
【0062】
式(1)において、V01は一方のモータの速度に対応する速度指令値、V02は他方のモータの速度基準値に対応する速度指令値、Xは一方のモータの駆動比率、Yは他方のモータの駆動比率、並びに、kは各駆動機構の歯車比及び経糸ビームの巻径補正係数等を含む係数である。
【0063】
速度指令値V01及びV02は、ゼロを超えかつモータの最高回転数までの値とすることができる。また、速度基準値V01及びV02は、モータの最高回転数の近傍の値とすることができるし、定常運転中における回転数の値とすることができる。前者の場合、速度指令値が高い分、起動準備動作を速く完了する。
【0064】
巻取制御装置62及び送出制御装置40は、それぞれ、織機10が定常状態で稼働しているとき(定常運転時)に対応するモータ54及び34の回転量を制御運転時駆動部86及び88と、織機10の起動に先だって(起動準備時)に対応するモータ54及び34の回転量を制御する起動準備時駆動部90及び92とを含む。
【0065】
運転時駆動部86及び88は、それぞれ、オンの運転信号S0が入力している間、各種の入力指令及び信号を基に、対応するモータ54及び34を駆動させるべく回転量指令S8a及びS8bを対応する加算部94の一方の入力端子に供給する。
【0066】
起動準備時駆動部90及び92は、それぞれ、オンの起動準備信号S4が入力している間、各種の入力指令及び各種の入力信号を基に、対応するモータ54及び34を補正動作モード指令S7にしたがって駆動させて織前位置補正動作をさせる補正動作指令S9a及びS9bを対応する加算部94の他方の入力端子に供給する。
【0067】
補正動作指令S9a及びS9bは、速度指令又は回転量指令を含む。速度指令値の例を表1に示す。
【0068】
送出制御装置40について、より詳しくは、運転時駆動部86及び起動準備時駆動部90から速度指令S8b及びS9bが速度指令信号として出力されており、加算部96より下流の回路は、速度指令値にしたがって送出モータ34を速度駆動するための閉ループ回路を構成している。
【0069】
これに対し、巻取制御装置62について、より詳しくは、運転時駆動部88及び起動準備時駆動部92から回転量指令S8aおよびS9aが駆動量指令信号としてパルス出力されており、加算部94より下流の回路は、駆動量指令にしたがって巻取モータ 5 4を位置駆動するための閉ループ回路を構成している。
【0070】
巻取制御装置62の起動準備時駆動部92は、速度指令演算部82から供給される速度指令値に対応して回転量信号(駆動量信号)を発生させるため、そのようにパルス出力される駆動量信号は、実質的に速度指令信号とみることができる。
【0071】
上記した送出制御装置40について、送出モータ34に対する制御を上記速度制御系に代えて位置制御系として回路構成してもよいし、逆に巻取制御装置62について上記位置制御系に代えて速度制御系として回路構成してもよい。さらには送出制御装置40巻取制御装置62をともに同じ制御系で回路構成することもできる。
【0072】
駆動量信号としてパルス出力される加算部94の出力信号は、カウンタ98に供給される。カウンタ98は、加算部94の出力信号を加算側の入力端子に受けると共に、パルスジェネレータ60からのパルス状の巻取モータ回転量信号S3を減算側の入力端子に受ける。
【0073】
カウンタは、例えば正逆カウンタで構成され、加算部94からのパルス入力を加算側に受けてカウント値を加算し、パルスジェネレータ60からのパルス入力を減算側に受けて前記カウント値を減算し、さらにカウント値に対応する信号を巻取駆動指令S10としてドライバー100に出力する。
【0074】
ドライバー100は、巻取モータ54をカウンタ98から供給される巻取駆動信号S10に応じて電流を発生する増幅回路であり、巻取駆動指令S10が正であれば、巻取モータ54を正転させ、負であれば巻取モータ54を逆転させる。
【0075】
送出制御装置40において、加算部96の出力信号は減算部102の加算側の入力端子に供給される。減算部102の減算側の入力端子には、パルスジェネレータ42で検出した送出モータ回転量信号S1を周波数/電圧変換器(F/V)104で変換した信号、すなわち速度信号が供給されている。減算部102は、加算部96の出力信号から変換器104の出力信号を減算し、その算出結果を送出駆動指令S11としてドライバー106に出力する。
【0076】
ドライバー106は、速度信号として出力される送出駆動指令S11に応じて、送出モータ34を駆動させる増幅回路として作用する。具体的には、ドライバー106は、送出モータ34を入力する送出駆動指令S11に応じて電流を発生する増幅回路であり、減算部102からの送出駆動指令S11が正であれば、送出モータ34を加速させ、負であれば送出モータ34を減速させる。
【0077】
運転時駆動部86及び88は織機の定常運転時のみ作動し、起動準備時駆動部90及び92は起動準備時のみに作動する。このため、加算部94及び96は、定常運転時及び起動準備時には、それぞれ、指令S8a,S8b及び指令S9a,S9bの内、対応するいずれか一方のみを出力する。
【0078】
上記の結果、モータ54及び34は、それぞれ、定常運転時であれば、指令S8a及びS8bにより駆動され、起動準備時であれば、指令S9a及びS9bにより駆動される。
【0079】
起動準備時駆動部90及び92について以下にさらに説明する。
【0080】
起動準備時駆動部90及び92は、それぞれ、補正動作モード指令S7にしたがって織前位置補正動作を織機に実行させ、また、モータ34及び54の回転量(又は、経糸張力T1)が選択された制御モードにより指定された値になったとき、起動準備完了信号S5a及びS5bを主制御装置72に出力する。
【0081】
主制御装置72は、起動準備完了信号S5a及びS5bの少なくとも一方が入力したことにより、起動準備信号S4がオフにされる結果、両モータ34,54を同時に停止させる。このため、起動準備時、両モータ34,54は、起動準備信号S4のオン及びオフにより同時に同じ期間にわたって駆動され、また同時に停止される。
【0082】
上記のように、織機の起動時に、巻取ロール及び経糸ビームが予め定められた駆動比率に対応する速度で同時に同じ期間にわたって駆動されると、織布及び経糸がその速度により同じ期間にわたって同時に移動される。その結果、巻取ロール及び経糸ビームによる力が織前の前後に同時に加わることになり、織前位置バラツキが生じない。また、織前位置を常に安定的に所定の位置に移動させることができるから、織段の発生を確実に防止することができる。
【0083】
上記のように織前位置補正動作すなわち織段防止動作を行ったときの、運転ボタン信号S6、起動準備信号S4、運転信号S0、起動準備完了信号S8a又はS8b、巻取モータ速度、送出モータ速度及び織機の回転数を、それぞれ、図3(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)及び(G)に示す。
【0084】
具体的には、表1の設定例A2のように、制御モードや駆動比率が設定された場合を一例として説明する。より詳しくは、図3(A)に示すように、運転ボタン信号S6が発生されると、主制御装置72は、図3(B)に示すように起動準備信号S4をオンにする。その結果、巻取制御装置62及び経糸送出装置40は、図3‘E)及び(F)に示すように、前記決定された各速度指令値に対応する速度で巻取ロール及び経糸ビームを同時に同じ方向に駆動させる。
【0085】
その後、巻取ロール及び経糸ビームのうち、いずれかの回転量が設定回転量に蓬したことにより、図3(D)に示すように起動準備完了信号S5a又はS5bが発生されると、図3(B)に示すように起動準備信号S4がオフになり、その結果、図3(E)及び(F)に示すように巻取ロール及び経糸ビームが同時に停止される。
【0086】
その後、主制御装置72は、図3(C)に示すように運転信号S0をオンにし、その結果、図3(G)に示すように織機が運転され、これに対応して図3(E)及び(F)に示すように、巻取ロール及び経糸ビームはそれぞれ運転期間に対応する制御に基づいて駆動される。
【0087】
上記実施例では、巻取ロール及び経糸ビームを同時に停止させる条件として、巻取ロール又は経糸ビームのうちのいずれか一方の回転量が設定回転量に達したことを検出するようにしているが、双方の回転量が対応する設定回転量に達したことを検出するようにしてもよい。
【0088】
また、上記実施例では、起動準備完了信号S5a,S5bの発生により起動準備信号S4がオフにされることにより、各モータを同時に停止させるようにしているが、巻取ロール及び経糸ビームの回転量が対応する設定回転量に達したことを起動準備時駆動部92及び90が検出してそれらを停止させることによっても実現できる。
【0089】
なぜなら、前記した数式(1)にしたがって、各設定される駆動量(設定回転量)と織段防止動作に要する期間との関係から、巻取ロール及び経糸ビームの駆動が同時に終了されるように速度指令値が決定されること、さらには巻取ロール及び経糸ビームの駆動が同時に開始され上記速度指令値のもとで駆動される結果、巻取ロール及び経糸ビームの回転量が各設定回転量に達する時期がほぼ同時にであると考えられるからである。
【0090】
また、巻取ロールと経糸ビームを同時に停止させる条件として、表1に示した制御モード「A」の巻取ロール又は経糸ビームが設定駆動量だけ回転したことにより停止させる制御に代えて、表1に示す制御モード「B」の経糸張力が起動準備時に対応する設定張力に達したことにより停止させる制御としてもよい。
【0091】
表2を用いる場合、経糸及び織布の張力が検出され、少なくとも一方の張力が選択された制御モードにより指定された値になったとき、起動準備完了信号S5a及びS5bが発生されて、両モータ34,54が同時に停止される。
【0092】
各設定例において、表2における右から5番目の欄(張力偏差)に示されるかっこ書きの数値は、起動準備時における経糸張力が9.5kg・fのときの目標張力値に対する張力偏差偏差を示しており、各駆動比率は、その張力偏差を考慮し、これを解消可能に予め設定される。
【0093】
表2に示す各設定例の場合も、駆動方向は駆動比率としての張力に付される正負の記号により指示されるが、駆動比率は駆動量の意味を持たず、速度比率のみの意味を有する。表2の場合、速度指令値は表1の場合と比率に応じて同様に決定されるが、一律の値としてもよく、さらに張力偏差に応じて出力値(大きさ)を決定することが好ましい。
【0094】
表2を用いて、経糸張力が目標値に達したことにより、起動準備完了信号を発生して、織段を防止する動作を終了させる場合、駆動方向及び駆動比率は、張力変化が必ず生じるように設定し、しかも目標張力を適切な値に設定することが望ましい。
【0095】
織前位置補正動作の実行回数は、一回であってもよいし、複数回であってもよい。後者の場合、起動準備完了信号S5a及びS5bの発生時期を、モータ34又は54の回転量が制御モードにより指定された値になったときのみとしてもよいし、経糸又織布の張力が制御モードにより指定された値になったときのみとしてもよい。
【0096】
より具体的には、織機起動に先立ち織段防止動作を 2回実行させる例を示す。最初の第1の織段防止動作を表1の設定例A2に基づく動作とし、次いで第2の織段防止動作を表2の設定例B5に基づく動作とする例である。
【0097】
より詳しくは、第1の織段防止動作として、制御モード「A」で巻取ロールおよび経糸ビームを駆動比率に基づいて決定された速度にしたがって、巻取ロール及び経糸ビームを同時に同じ期間にわたり対応する設定駆動量だけともに正転方向に駆動させるものとする。
【0098】
次いで実行される第2の織段防止動作として、制御モード「B」で巻取ロール及び経糸ビームを駆動比率に基づいて決定された速度にしたがって、同時に駆動を開始するものであって、巻取ロールを正転させ、経糸ビームを逆転させ、経糸張力が起動準備時に対応する目標張力T0に達したことにより、巻取ロール及び経糸ビームを同時に停止させる例である。
【0099】
第1及び第2の織段防止動作に必要となる、各回毎の制御モード、駆動比率や起動準備時の経糸張力は、切換器84及び設定器76,78,83を介して設定部80に予め設定され、起動準備時駆動部92及び90にそれぞれ送り込まれている。
【0100】
例えば、先ず、設定された第1の比率に対応する速度指令値により巻取ロール及び送出ビームを所定駆動量正転させ(第1の織前位置補正動作)、次いで、巻取ロール及び送出ビームを異なる方向に回転すべく設定された第2の比率に対応する速度指令値により巻取ロール及び送出ビームを相反する方向に回転させると共に、経糸張力を検出して、検出した張力が目標張力値に達したとき、巻取ロール及び送出ビームを同時に停止させる(第2の織前位置補正動作)ように制御される。
【0101】
より詳しくは、図4(A)に示すように運転ボタン信号S6が発生されると、主制御装置72は、図4(B)に示すように起動準備信号S4をオンし、その結果、巻取制御装置62及び経糸送出装置40は、図4(E)及び(F)に示すように、前記決定された各速度指令値に対応する速度で巻取ロール及び経糸ビームを同時に回転駆動開始する。
【0102】
その後、巻取ロール及び経糸ビームの各回転量が設定回転量に達したことにより、巻取ロール及び経糸ビームがそれぞれ停止される。このようにして、第1の織段防止動作を終了する。そして所定時間経過後、第2の繊段防止動作が開始されて、巻取制御装置62及び経糸送出装置40は、前記決定された各速度指令値に対応する速度で図4(E)及び(F)に示すように、巻取ロールに正転及び経糸ビームに逆転を同時に開始させる。
【0103】
上記の結果、経糸張力が図4(G)に示すように目標張力T0に達することにより、起動準備完了信号S4が図4(D)に示すように発生され、その結果図4(B)に示すように起動準備信号S4がオフにされて、巻取ロール及び経糸ビームが図4(E)及び(F)に示すように同時に停止される。
【0104】
その後、主制御装置72は、図4(C)に示すように運転信号S0をオンにし、その結果織機が図4(H)に示すように運転され、これに対応して巻取ロール及び経糸ビームはそれぞれ図4(E)及び(F)に示すように運転期間に対応する制御に基づいて駆動される。
【0105】
しかし、織前位置補正動作を複数回実行する場合、起動準備完了信号S5a及びS5bの発生時期を、モータ34又は54の回転量が制御モードにより指定された値になったときと、経糸又織布の張力が制御モードにより指定された値になったときとを交互に行うようにしてもよい。
【0106】
また、1回目と2回目の織段防止動作の制御モードにおいて、上記実施例の態様に限らず、制御モ−ド「A」の駆動量に基づく停止、制御モード「B」の経糸張力に基づく停止を、織物にあわせて任意に設定すればより好ましい。また、複数回の織段防止動作を行う場合に限らず、表1及び表2に示した設定例はいずれを選択してもよく、各駆動比率の設定(さらには、速度指令値)に関しては図示以外の数値に設定することもできる。
【0107】
上記いずれの実施例においても、速度指令値として、常に一定値を出力しているが、漸次又は段階的に変化する値を出力するようにしてもよい。例えば、時間的に変化する信号を発生する信号発生器を各起動準備時制御部に配置し、この信号発生器の出力値と設定器に設定された速度指令値との乗算結果を速度指令値として出力することができる。
【0108】
駆動比率、目標張力、制御モード等の織前位置補正に関連する設定値を織段の強弱に影響する要素に応じて複数設定しておき、起動準備時に適切な設定値を選択するようにしてもよい。
【0109】
織段の強弱に影響する要素として、停台原因(緯入れミス、それ以外)、停台時間、定常運転中の目標張力値、織機の停止角度(経糸の開口量)等をあげることができる。これらの要素は、いずれも、停止中に自然に発生する織前位置の移動や経糸の伸びに関係する。
【0110】
上記実施例では、経糸シート全体の張力を検出しているが、その代わりに一部の経糸の張力を検出してもよい。また、経糸張力として、バックローラ16の歪みを検出する代わりに、バックローラ16の変位を検出してもよいし、バックローラ16以外の部材、例えば経糸又は織布に接触する部材の歪みや変位を検出してもよい。
【0111】
設定器や制御器等の各機器として、独立したハード構成の機器を用いる代わりに、それらの機能をソフトウエア処理で実行するコンピュータのような共通の機器を用いてもよい。
【0112】
本発明は、変わり織りの制御にも適用することができる。例えば、複数種類の緯糸を緯入れピックの応じて切り換える織機において、緯糸密度毎に定常運転中の目標張力を切り換える場合に、起動準備時の目標張力も定常運転中の目標張力が切り替わりたびに切り換えるようにしてもよい。
【0113】
【表1】
Figure 2004339660
【0114】
【表2】
Figure 2004339660
【0115】
本発明は、上記実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない限り、種々変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る織段防止装置を備えている織機の概略図である。
【図2】図1に示す織機で用いる織段防止装置の一部を構成する巻取制御装置のブロック線図である。
【図3】図2に示す織段防止装置の動作を説明するためのタイムチャート図である。
【図4】図2に示す織段防止装置の他の動作を説明するためのタイムチャート図である。
【符号の説明】
D 巻径信号
T 起動時の目標張力
T01,T02 織布及び経糸の張力
V01,V02 速度基準値(駆動速度又は速度指令)
S0 運転信号
S1 送出モータ回転量信号
S2 主軸回転角度信号
S3 巻取モータ回転量信号
S4 起動準備信号
S5a,S5b 起動準備完了信号
S6 運転ボタン信号
S7 補正モード指令
S8a,S8b 速度指令信号
S9a,S9b 補正指令
S10 巻取駆動指令
S11 送出駆動指令
10 織機
12 経糸
14 経糸ビーム
16 バックローラ
18 綜絖枠
20 筬
22 織前
24 織布
26 ガイドローラ
28 服巻ロール(巻取ローラ)
30 プレスロール
32 布巻ビーム
34 送出モータ
36 送出トルク調整機構
38 巻径センサ
40 送出制御装置
42 パルスジェネレータ
44 経糸張力センサ
46 主軸
48,50 運動変換機構
52 緯糸
54 巻取モータ
56 服巻トルク調整機構
58,60 エンコーダ
62 巻取制御装置
76,78,83 設定器
94,96 加算部
100,106 ドライバー
102 減算部

Claims (7)

  1. 織機の起動に先立って、巻取ロール及び経糸ビームを回転させる巻取モータ及び送出モータを予め定められた駆動比率に対応する速度で同時に及び同じ期間だけ回転させることにより織前位置を補正した後、織機の運転を開始させることを含む、織機における織段防止方法。
  2. 巻取ロール及び経糸ビームをそれぞれ巻取モータ及び送出モータにより回転させる駆動回路と、前記駆動回路に接続された速度指令演算部であって設定される駆動比率に対応する各モータの速度指令値を算出する速度指令演算部とを含み、
    前記駆動回路は、織機の運転開始に先立って、起動準備信号が入力したことにより前記駆動比率に対応する速度で両モータを同時に同じ期間だけ回転させて、織前位置補正動作を実行する、織機における織段防止装置。
  3. さらに、いずれか一方のモータの回転量を検出して検出回転量を前記駆動回路に供給する回転量検出器と、起動準備時における設定回転量を前記駆動回路に予め設定する回転量設定器とを含み、
    前記駆動回路は、前記織前位置補正動作の実行時に、前記検出回転量が前記設定回転量に達したことにより、各モータを同時に停止させる、請求項2に記載の織段防止装置。
  4. さらに、経糸及び織布のいずれか一方の張力を検出して検出張力を前記駆動回路に供給する張力検出器と、前記一方の設定張力を前記駆動回路に予め設定する張力設定器とを含み、
    前記駆動回路は、前記織前位置補正動作の実行時に、前記検出張力が前記設定張力に達したことにより、各モータを同時に停止させる、請求項2に記載の織段防止装置。
  5. さらに、いずれか一方のモータの回転量を検出して検出回転量を前記駆動回路に供給する回転量検出器と、起動準備時における設定回転量を前記駆動回路に予め設定する回転量設定器と、経糸及び織布のいずれか一方の張力を検出して検出張力を前記駆動回路に供給する張力検出器と、前記一方の設定張力を前記駆動回路に予め設定する張力設定器とを含み、
    前記駆動回路は、前記織前位置補正動作の実行時に、前記検出回転量が前記設定回転量に達したとき、各モータを同時に停止させることと、前記検出張力が前記設定張力に達したとき、各モータを同時に停止させることとを選択的に実行可能とされている、請求項2に記載の織段防止装置。
  6. 前記駆動回路は、前記各モータを同時に停止させることを含む前記織前位置補正動作を複数回実行可能とされている、請求項2から5のいずれか1項に記載の織段防止装置。
  7. 前記速度指令演算部は、前記駆動比率に対応する速度のうちいずれか一方のモータの速度を他方のモータの速度基準値及び式(1)を用いて算出する、
    V01=k・V02・Y/X・・・(1)
    ここに、V01は一方のモータの速度に対応する速度指令値、V02は他方のモータの速度基準値に対応する速度指令値、Xは一方のモータの駆動比率、Yは他方のモータの駆動比率、並びに、kは各駆動機構の歯車比及び経糸ビームの巻径補正係数等を含む係数である、請求項2から6のいずれか1項に記載の織段防止装置。
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