JP2004339464A - 熱可塑性樹脂材料、土木資材及びリサイクル熱可塑性樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂材料、土木資材及びリサイクル熱可塑性樹脂成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
必ずしもバージン樹脂などの高物性樹脂を積層しなくても良好な物性を発現し得る、特に土木資材に好適な耐薬・耐油性に優れた熱可塑性樹脂成形体、それを用いた土木資材、及びリサイクル熱可塑性樹脂成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】
ポリスチレン系樹脂と、引張弾性率が0.3〜1.3GPa、引張降伏強さが15〜25MPaのポリオレフィン系樹脂(好ましくは、無機充填材が、樹脂成分100重量部に対して5〜60重量部含まれる)からなり、成形体表面における樹脂成分の存在構造において、ATR法により求められるポリスチレン系樹脂のベンゼン環の吸収波長(1493cm-1)とポリオレフィン系樹脂のメチレン部の吸収波長(1463cm-1)とのスペクトル比が0〜1.2である。
【選択図】なし

Description

本発明は熱可塑性樹脂成形体、土木資材及びリサイクル熱可塑性樹脂成形体の製造方法に関する。
熱可塑性樹脂を始めとする合成高分子化合物は、錆びない、腐らない、軽い、着色できる、電気や熱を伝えにくい、自由な形のものを大量生産できるなどの特長を有し、金属、コンクリート、ガラス、木などの材料に置き換えられ、現代においては不可欠の材料となっている。しかしながら、腐らない、分解されないという特長が逆に合成高分子化合物を廃棄する段階では問題となり、また資源の有効活用という視点からも合成高分子化合物のリサイクル技術が求められている。
一方、従来、大規模な宅地造成地では、造成面積に見合う間隔や規模で調整池を造成している。この調整池は、例えば地面を1m程度掘下げて雨水等の貯留部を形成し、この貯留部に周囲の住宅地からの排水溝や道路の側溝を接続するものであり、集中豪雨等に際しては余分な雨水等を一時貯留して、周囲住宅地の雨水等の滞留や、河川の氾濫や、下水の河川への流出等を防止するものである。また、貯留部の周囲を透水シートで形成して、雨水を徐々に地面に浸透させるように構成した浸透式の貯留部を用いたものもある。
このように雨水貯留浸透システムは、貯留部の壁面を防水性シートで形成するか、透水性シートで形成するか、或いは下方を防水性シートで形成し上方を透水性シートで形成することによって、貯留施設、浸透施設、貯留浸透施設として機能させるものである。また、これら雨水などの貯留及び/又は浸透施設に使用する充填部材など(以下、単に「雨水貯留部材」ともいう)の土木資材として、近年、熱可塑性樹脂などの合成樹脂製のものが多用されている。
一般に熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂と比べると再溶融が可能であるため、リサイクルには適しているが、一旦使用され再利用のために回収されたいわゆるリサイクル樹脂は、現実的には、加工時および使用時の劣化や異種の樹脂が混ざることによる物性低下などにより、優位な物性を必要としない杭や車止めなど、限られた用途でしか使われていない。
このようなリサイクル樹脂に関する現状は、非特許文献1を参考にすると、樹脂系廃棄物の種類別構成比率としては、袋・フィルム類が約50重量%、容器類が20重量%、トレーが5重量%と大半が袋・フィルムで占められ、また、廃棄物の材質別構成比率としては、ポリエチレンが30〜46重量%、ポリプロピレンが27重量%、ポリスチレンが20〜35重量%であり、オレフィン系樹脂が約60重量%を占めることとなる。
一方回収された上記樹脂系廃棄物の分別方法としては、成形品とフィルムに分類して各々破砕した後、比重により選別する方法が多用されている。従って、上記オレフィン系樹脂には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ホモポリマーのポリプロピレン、ブロックコポリマーのポリプロピレン、ランダムコポリマーのポリプロピレン等が混在した状態となり、物性の低下やバラツキが大きくなる。具体例として、例えば赤外分光分析(IR)を用いた成分分析の結果では、エチレン成分が40〜100重量%と大きなバラツキが見られ、また、各種物性に関しては、溶融粘度(メルトフローインデックス)が1〜10g/10分、曲げ弾性率が0.6〜1GPa、降伏応力が18〜23MPa、シャルピー衝撃強度が7〜57KJ/m2という状況である。即ち、各種物性がバージン樹脂より低い水準に劣化しやすくバラツキも大きい。
上記のような物性の低下やバラツキを補って樹脂系廃棄物を再利用するために、例えば、回収されたリサイクルポリプロピレン系樹脂を主成分とする芯材とバージンポリプロピレン系樹脂を主成分とするとする表面被覆層とからなるポリプロピレン系樹脂成型品(特許文献1参照)、樹脂の融点及び粘度が近似した樹脂積層材の廃材を粉砕し、得られた粉砕物を混練し、外表面に表出しない部分として押出成形するに際して、表出する部分に用いる他の樹脂(例えばバージン材)と共に共押出して成形する樹脂積層材のリサイクル方法(特許文献2参照)、複数の押出機でバージン樹脂と再生樹脂をそれぞれ加熱溶融混練し、押出ヘッドでパリスンの主体をなす再生樹脂の一部またはその外表面層の一部をバージン樹脂で構成して、管状のパリスンを押出して中空板状構造体の表壁となる中空板状構造体の構成壁の他の部分を再生樹脂で一体に連設して構成した中空板状構造体(特許文献3参照)、内部層とそれを覆う表面層からなる多層成形品であって、内部層が特定のスチレン系樹脂であり、表面層がシンジオタクチックポリスチレンを特定量含むスチレン系樹脂である多層成型品(特許文献4参照)などが提案されている。
従来、上記のように低物性の樹脂系廃棄物などの再利用方法においては、何らかの形で高物性のバージン樹脂を成型品の外層部に積層するなどの方法を用いないと満足のいく物性や性能を得ることが難しく、また、特に雨水貯留部材などの土木資材に求められる耐薬・耐油性についても満足のいく性能を得ることが難しいものであった。
「廃棄物の高度再資源化処理技術等の調査・検討事業報告書」財団法人クリーン・ジャパン・センター発行(平成14年3月) 特開平6−71829号公報 特開2000−343579号公報 特開平6−339976号公報 特開平2002−347186号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、上記のようなバージン樹脂を積層して用いる方法では再生樹脂の物性のバラツキにより粘度が変動することによって積層厚みが変化しやすいなどの問題があり、そのため成型品の物性が不安定になりやすい問題や、再生樹脂とバージン樹脂との界面での荒れが発生しやすく外観不良を起こしやすいなどの問題があった。
更に上記において、物性をより安定化させるためにはバージン樹脂を大量に使用する必要があるため、再生樹脂の使用比率が低くなりやすいという問題もあった。また上記のようにバージン樹脂と再生樹脂を積層するためには専用の大がかりな設備が必要であり、例えば、積層成型用に再生樹脂専用とバージン樹脂専用の少なくとも2台の押出機に加え、更に、合流して積層する特別な金型などが必要となる。
本発明の目的は、上記のような従来のリサイクル樹脂など低物性樹脂の利用に関する問題点に鑑み、必ずしもバージン樹脂などの高物性樹脂を積層しなくても良好な物性を発現し得る、特に土木資材に好適な耐薬・耐油性に優れた熱可塑性樹脂成形体、それを用いた土木資材、及びリサイクル熱可塑性樹脂成形体の製造方法を提供することにある。
請求項1記載の熱可塑性樹脂成形体は、ポリスチレン系樹脂と、引張弾性率が0.3〜1.3GPa、引張降伏強さが15〜25MPaのポリオレフィン系樹脂からなり、成形体表面における樹脂成分の存在構造において、ATR法により求められるポリスチレン系樹脂のベンゼン環の吸収波長(1493cm-1)とポリオレフィン系樹脂のメチレン部の吸収波長(1463cm-1)とのスペクトル比が0〜1.2であることを特徴とする。
請求項2記載の熱可塑性樹脂成形体は、請求項1記載の熱可塑性樹脂成形体であって、ポリスチレン系樹脂100重量部に対し、ポリオレフィン系樹脂50〜1000重量部からなり、成形体における樹脂成分の存在構造が、ポリオレフィン系樹脂を海、ポリスチレン系樹脂を複数個の島とする海島構造からなることを特徴とする。
請求項3記載の熱可塑性樹脂成形体は、請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂成形体であって、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との総和100重量部に対し、無機充填材が5〜60重量部含まれてなることを特徴とする。
請求項4記載の熱可塑性樹脂成形体は、請求項1〜3の何れか1項記載の熱可塑性樹脂成形体であって、成形体中に、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−1,4−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、オレフィン系重合体にスチレン単量体がグラフト重合されているグラフト共重合体から選ばれる少なくとも1種が0.5〜20重量%の割合で含有されてなることを特徴とする。
請求項5記載の熱可塑性樹脂製土木資材は、請求項1〜4記載の熱可塑性樹脂成形体が用いられたことを特徴とする。
請求項6記載のリサイクル熱可塑性樹脂成形体の製造方法は、リサイクルポリスチレン系樹脂60〜100重量%を含むポリスチレン系樹脂100重量部と、リサイクルポリオリレフィン系樹脂60〜100重量%を含むポリオレフィン系樹脂50〜1000重量部とからなり、成形体表面における樹脂成分の存在構造において、ATR法により求められるポリスチレン系樹脂のベンゼン環の吸収波長(1493cm-1)とポリオレフィン系樹脂のメチレン部の吸収波長(1463cm-1)とのスペクトル比が0〜1.2となるように溶融成形することを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂は、引張弾性率が0.3〜1.3GPa、引張降伏強さが15〜25MPaである。本発明においては引張弾性率及び引張降伏強さがこの範囲にあっても良好な物性を発揮し、強度と耐衝撃性のバランスが優れた熱可塑性樹脂成形体となるので、回収された一般廃棄物及び/又は産業廃棄物からなるリサイクルポリオレフィン系樹脂を使用することができる。
上記引張弾性率が0.3GPaに満たない場合は劣化物や不純物が混入している可能性が高く最終製品に悪影響を及ぼすことがあり、1.3GPaを超える場合はリサイクル原料などの低物性樹脂の利用が難しくなることがある。また、引張降伏強さが15MPaに満たない場合はポリスチレン系樹脂との混合後の引張降伏強さが低くなることがあり、25MPaを超える場合はリサイクル原料などの低物性樹脂の利用が難しくなり易い。
このようなポリオレフィン系樹脂としては、例えば、回収された一般廃棄物及び/又は産業廃棄物からなるリサイクルポリオレフィン系樹脂60〜100重量%と適宜のバージンポリオレフィン系樹脂0〜40重量%とからなるものがあげられる。
上記一般廃棄物とは、製品として使用されたあとに、廃棄された材料または製品のことであり、産業廃棄物とは、製品を製造する工程の廃棄ルートから発生する材料または不良品のことをいう。
リサイクルポリオレフィン系樹脂が得られる一般廃棄物としては、例えば、容器、プラスチック製瓶、袋、皿、容器などが挙げられるが、中でも、袋や容器が処理量の多いことにより供給量が安定している点で好適に用いられる。また、ポリオレフィン系樹脂の産業廃棄物としては製品を製造する工程の廃棄ルートから発生する端材や不良品などが挙げられる。
上記一般廃棄物においては、通常、単一のポリオレフィン系樹脂を分離することは困難なことが多く、リサイクルポリオレフィン系樹脂としては2種類以上の樹脂が混合されたポリマーブレンドとなることが多い。
上記ポリオレフィン系樹脂の種類としては、特に限定されず、例えば、エチレン単独重合体、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィン(ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−1−ペンテン、オクテン−1等)との共重合体、プロピレンの単独重合体、あるいはプロピレンと、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1等のα−オレフィンとのブロックあるいはランダム共重合体などが挙げられ、上記ポリオレフィン系樹脂は単独で使用されてもよいし、2種類以上併用されてもよい。
上記ポリオレフィン系樹脂は必要に応じてクリープ性能を向上するために架橋されていてもよい。架橋方法は特に限定されるものではなく、シラン架橋、過酸化物による架橋、電子線架橋などが挙げられる。
上記ポリオレフィン系樹脂の架橋度は特に限定されるものではないが、低すぎるとクリープ性能が向上せず、高すぎると成形性が低下するので、ゲル分率として1〜30%が好ましい。このようなポリオレフィン系樹脂としては、例えば、架橋ポリオレフィン系樹脂からなる廃棄物5〜30重量%を、未架橋のポリオレフィン系樹脂70〜95重量%と溶融混合することにより、得ることができる。この場合において、上記架橋ポリオレフィン系樹脂からなる廃棄物の粒径は0.1〜5mmの範囲であると、架橋ポリオレフィン系樹脂成分が好適に分散されるので好ましい。
本発明におけるポリスチレン系樹脂は、特に限定されないが、引張弾性率が1.8〜3.2GPa、引張降伏強さが15〜45MPaの範囲にあっても、良好な物性を発揮し、強度と耐衝撃性のバランスが優れた熱可塑性樹脂成形体となるので、回収された一般廃棄物及び/又は産業廃棄物からなるリサイクルポリスチレン系樹脂を使用することができる。
上記引張弾性率が1.8GPaに満たない場合は、劣化物や不純物が混入している可能性が高く最終製品に悪影響を及ぼすことがあり、3.2GPaを超える場合はリサイクル原料などの低物性樹脂の利用が難しくなることがある。また、引張降伏強さが15MPaに満たない場合はポリオレフィン系樹脂との混合後の引張降伏強さが低くなることがあり、45MPaを超える場合はリサイクル原料などの低物性樹脂の利用が難しくなり易い。
このようなポリスチレン系樹脂としては、例えば、回収された一般廃棄物及び/又は産業廃棄物からなるリサイクルポリスチレン系樹脂60〜100重量%と適宜のバージンポリスチレン系樹脂0〜40重量%とからなるものである。
上記ポリスチレン系樹脂の種類としては、特に限定されず、例えば、スチレン単独重合体であるポリスチレン(PS)、ジエン系ゴムにスチレンをグラフト重合したゴム状重合体とポリスチレンとのブレンドポリマーである耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)等があげられ、上記ポリスチレン系樹脂は2種類以上を混合してポリマーブレンドとされていてもよい。
リサイクルポリスチレン系樹脂が得られる一般廃棄物としては、例えば、トレー、緩衝材、箱などが挙げられ、産業廃棄物としては製品を製造する工程の廃棄ルートから発生する製品緩衝材、不良品などが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂成形体は、上記オレフィン系樹脂及びポリスチレン系樹脂からなり、成形体表面における樹脂成分の存在構造において、ATR法により求められるポリスチレン系樹脂のベンゼン環の吸収波長A(1493cm-1)とポリオレフィン系樹脂のメチレン部の吸収波長B(1463cm-1)における吸収スペクトルの比が0〜1.2であり、好ましくは0〜0.8である。
ここで、ATR法とは分光分析法における全反射減衰分光法を意味し、スペクトル比とは、各々の吸収波長における吸収ピーク値の面積比を意味する。
上記スペクトル比が1.2を超える場合には、得られる成形体の耐薬・耐油性が不十分になることがある。スペクトル比の下限は特に認められず、成形体表面部分においてポリスチレン系樹脂成分が実質的に存在しない構造(即ち、上記スペクトル比=0)であってもよい。
上記ATR法の測定方法としては、特に限定されず、例えば、通常の赤外分光光度計を用いた表面反射スペクトル分析により測定することができる。
更に、上記熱可塑性樹脂成形体は、上記ポリスチレン系樹脂100重量部に対し上記ポリオレフィン系樹脂50〜1000重量部、好ましくは上記ポリオレフィン系樹脂50〜600重量部とからなり、成形体における樹脂成分の存在構造が、ポリオレフィン系樹脂を海、ポリスチレン系樹脂を複数個の島とする海島構造からなるものであると好ましい。
上記ポリスチレン系樹脂が少なすぎる場合は、得られる成形体の剛性が低くな
り過ぎることがあり、多すぎる場合には、耐衝撃性が劣ることがある。
また、成形体における樹脂成分の存在構造が、オレフィン系樹脂を海、ポリスチレン系樹脂を複数個の島とする海島構造からなる熱可塑性樹脂成形体とすることによって、良好な物性を発揮し得るものとなり、特に強度と耐衝撃性、耐薬品性のバランスに優れたものとなる。尚、上記海島存在構造については、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡により観察することが可能である。
更に上記ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との総和100重量部に対し、無機充填材が5〜60重量部含まれてなる場合には、剛性及び耐薬品性を更に向上させることができる点で好ましく、さらに好ましくは10〜35重量部である。
上記無機充填剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、マイカ、カオリン、硫酸バリウム、タルク、クレイ、炭酸カルシウム、ワラストナイト、合成ケイ酸カルシウム、シリカ、合成シリカ、チタン酸カリウム、金属粉、ガラス繊維などが挙げられ、中でもカオリン、硫酸バリウム、タルク、クレイが好ましく用いられる。
本発明において、上記熱可塑性樹脂成形体中に、上記ポリスチレン系樹脂及びポリオレフィン系樹脂に加えて、さらに、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−1,4−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、オレフィン系重合体にスチレン単量体がグラフト重合されているグラフト共重合体から選ばれる少なくとも1種が0.5〜20重量%の割合で含有されてなると、熱可塑性樹脂成形体を構成するポリスチレン系樹脂の粒径が細かくなりやすく物性が向上しやすい点で好ましい。
上記共重合体の含有量が0.5重量%に満たない場合は、破断点伸度や衝撃強度向上の効果が不充分になりやすく、含有量が20重量%を超える場合は、弾性率や降伏強さが低下する場合がある。
上記共重合体にはカルボン酸基またはその誘導体基を含有する分子単位を結合せしめた変性共重合体を含んでいても構わない。
上記オレフィン系重合体にスチレン単量体がグラフト重合されているグラフト共重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体及び/又はエチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体にスチレン単量体がグラフト重合されているグラフト共重合体などが挙げられる。
更に、本発明の熱可塑性樹脂成形体は、本発明の性能を損なわない範囲で必要に応じて、酸化防止剤、耐光剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、滑剤、難燃剤、顔料、核剤、充填剤、帯電防止剤、粘着付与剤等の添加剤、及び上記ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂以外の樹脂やゴム等が含有されたものであってもよい。
上記熱可塑性樹脂成形体の製造方法としては特に限定されず、例えば、ペレット状に加工された上記ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂からなる熱可塑性樹脂材料が、押出成形、射出成形、圧縮成形、ブロー成形など適宜の方法により溶融成形されて賦形されても良いし、上記ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂からなる混合物が、直接上記成形方法など適宜の方法により溶融成形されて賦形されてもよい。
本発明において、上記のような樹脂成分の存在構造を有するもの、すなわち、成形体表面における樹脂成分の存在構造がATR法により求められる特定のスペクトル比を有するもの、更には成形体における樹脂成分の存在構造が特定の海島構造を有するものを得る方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、単軸押出機、2軸押出機、ロールニーダー、バンバリーミキサーなどによる溶融成形方法を用いることが好ましい。
上記溶融成形における成形温度としては、特に限定されないが、樹脂温度が160〜280℃であることが好ましく、更に好ましくは180〜240℃である。樹脂温度が280℃を超えると樹脂が劣化し物性が低下しやすくなる。一方樹脂温度が160℃未満で成形するとポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂の分散不良が発生しやすく、衝撃強度が不充分になることがある。
上記ポリオレフィン系樹脂の190℃、荷重21.18Nでのメルトフローインデックス(以下、「MFR」ともいう)は0.05〜20g/10分が好ましく、更に好ましくは0.1〜5g/10分である。0.05g/10分未満では、ポリオレフィン系樹脂の流動性が低く、ポリオレフィン系樹脂が島になりやすくなる。20g/10分を超えると分子量が低すぎ、物性、例えば耐クリープ特性が劣ってしまう。
上記ポリスチレン系樹脂の200℃、荷重49.03NでのMFRは1.0〜20g/10分であることが好ましい。1.0g/10min未満では、ポリスチレン系樹脂の流動性が低く、ポリスチレン系樹脂が分散不良になりやすい。20g/10分を超えると流動性が高すぎ、ポリオレフィン系樹脂が島になりやすくなる。
なお、上記MFRとは、JIS−K7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法)に規定された試験方法で測定されたものである。
本発明の可塑性樹脂成形体は、上記のように強度と耐衝撃性のバランスに優れるうえに耐薬・耐油性も兼ね備えるので、土木資材、自動車部材、建材、OA機器、日用雑貨などに好適に用いられる成形体を得ることができる。
本発明の熱可塑性樹脂製土木資材は、上記熱可塑性樹脂成形体が用いられたものであれば特に限定されないが、雨水貯留部材、下水貯留部材、屋上緑化部材などの土木資材に使用すると、リサイクル原料が大量に利用できるので特に好適である。
本発明のリサイクル熱可塑性樹脂成形体の製造方法は、リサイクルポリスチレン系樹脂60〜100重量%を含むポリスチレン系樹脂100重量部と、リサイクルポリオリレフィン系樹脂60〜100重量%を含むポリオレフィン系樹脂50〜1000重量部とからなり、成形体表面における樹脂成分の存在構造において、ATR法により求められるポリスチレン系樹脂のベンゼン環の吸収波長(1493cm-1)とポリオレフィン系樹脂のメチレン部の吸収波長(1463cm-1)とのスペクトル比が0〜1.2となるように溶融成形する方法である。
上記において、更に、成形体における樹脂成分の存在構造が、ポリオレフィン系樹脂を海、ポリスチレン系樹脂を複数個の島とする海島構造からなるように溶融成形される場合には、上記同様に良好な物性を発揮し得るものとなり、特に強度と耐衝撃性、耐薬品性のバランスに優れたものとなる点で好ましい。
上記リサイクル熱可塑性樹脂成形体の製造方法においては、上記同様に、例え
ば、ペレット状に加工された上記ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂からなる熱可塑性樹脂材料が、押出成形、射出成形、圧縮成形、ブロー成形など適宜の方法により溶融成形されても良いし、上記ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂からなる混合物が、直接上記成形方法など適宜の方法により溶融成形されてもよく、更にこれらの方法が複数組み合わされて用いられてもよい。
また、上記のような樹脂成分の存在構造を有するものを得る方法については、上記同様であるので重複説明は省略する。
(作用)
本発明によれば、ポリスチレン系樹脂100重量部と、引張弾性率が0.3〜1.3GPa、引張降伏強さが15〜25MPaのポリオレフィン系樹脂50〜1000重量部からなり、成形体表面における樹脂成分の存在構造において、ATR法により求められるポリスチレン系樹脂のベンゼン環の吸収波長(1493cm-1)とポリオレフィン系樹脂のメチレン部の吸収波長(1463cm-1)とのスペクトル比が0〜1.2であることを特徴とするので、ポリスチレン系樹脂が強度改良材の役割を果たし、又ポリオレフィン系樹脂が耐薬・耐油性改良材の役割を果たしやすくなり、一般に複数種のポリオレフィン系樹脂が含まれるリサイクルポリオレフィン系樹脂を用いた場合においても、強度と耐衝撃性、耐薬・耐油性のバランスの良好な物性を発現することが可能となる。
また、本発明の成形体及び充填部材の成形方法によれば、上記リサイクルポリオレフィン系樹脂及びリサイクルポリスチレン系樹脂を多量に用いることが可能となる。
本発明の熱可塑性樹脂成形体は、ポリスチレン系樹脂と、引張弾性率が0.3〜1.3GPa、引張降伏強さが15〜25MPaのポリオレフィン系樹脂からなり、成形体表面における樹脂成分の存在構造において、ATR法により求められるポリスチレン系樹脂のベンゼン環の吸収波長(1493cm-1)とポリオレフィン系樹脂のメチレン部の吸収波長(1463cm-1)とのスペクトル比が0〜1.2であることを特徴とするので、強度と耐衝撃性のバランスの良好な物性を発現するとともに、耐薬・耐油性も兼ね備え、特に土木資材に好適な熱可塑性樹脂成形体、及びそれを用いた雨水貯留部材、下水貯留部材や屋上緑化部材などを提供することができる。
上記ポリスチレン系樹脂100重量部に対し、ポリオレフィン系樹脂50〜1000重量部からなり、成形体における樹脂成分の存在構造が、ポリオレフィン系樹脂を海、ポリスチレン系樹脂を複数個の島とする海島構造からなる場合には、上記効果は更に確実なものとなる。
また、上記ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との総和100重量部に対し、無機充填材が5〜60重量部含まれてなる場合には、剛性及び耐薬品性が向上し、上記効果は更に確実なものとなる。
更に、上記熱可塑性樹脂成形体中に、特定の共重合体が特定の割合で含有されてなるものであると、上記効果は更に確実なものとなる。
このため、本発明によれば、産業界において比較的回収量の多いリサイクルポリオレフィン系樹脂及びリサイクルポリスチレン系樹脂を多量に用いることが可能となり、合成高分子化合物の埋め立て、焼却などの廃棄物の減少に寄与することができる。
本発明の土木資材は、上記熱可塑性樹脂成形体が用いられたことを特徴とするので、上記同様の効果を発揮し、充填部材などの雨水貯留部材、下水貯留部材や屋上緑化部材などに好適に用いることができる。
また、本発明のリサイクル熱可塑性樹脂成形体の製造方法によれば、上記同様の効果を有するリサイクル熱可塑性樹脂成形体を得ることが可能となり、リサイクルポリオレフィン系樹脂及びリサイクルポリスチレン系樹脂を多量に用いることが可能となる。
(実施例1)
TEX30押出機(JSW社製)中に、リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)100重量部とリサイクルポリスチレン系樹脂C(積水化成品社製「リサイクル雑色PS」)100重量部とをフィーダーから定量供給し190℃で溶融混練した後ホットカッターでペレタイズしてペレット形状の熱可塑性樹脂材料(以下、「樹脂ペレット」ともいう)を得た。
得られた樹脂ペレットを350トン射出成型機(名機製作所社製「M350」)に投入し、シリンダ温度200℃にて射出成形して、幅300mm×300mm、厚さ5mmのボード状の熱可塑性樹脂成形体(以下、「樹脂ボード」ともいう)を得た。
また、得られた樹脂ペレットを1500トン射出成型機(宇部鉄鋼所社製)に投入し、シリンダ温度200℃にて射出成形し、幅1000mm×1000mm、厚さ5mmの雨水などの貯留及び/又は浸透施設に使用する充填部材(以下、単に「充填部材」ともいう)を得た。
(実施例2)
リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)を400重量部としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂ペレット、樹脂ボード、及び充填部材を得た。
(実施例3)
TEX30押出機(JSW社製)中に、リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)100重量部とリサイクルポリスチレン系樹脂D(関越資材社製「OPS」)100重量部、及びSBBS(スチレン−1,4−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、旭化成社製「タフテックP2000」)10重量部をフィーダーから定量供給したこと以外は実施例1と同様にして樹脂ペレット、樹脂ボード、及び充填部材を得た。
(実施例4)
リサイクルポリスチレン系樹脂Cに替えてリサイクルポリスチレン系樹脂E(ビーカム社製「リサイクルPS」)を用いたこと以外は実施例2と同様にして樹脂ペレット、樹脂ボード、及び充填部材を得た。
(実施例5)
リサイクルポリオレフィン系樹脂Aに替えてリサイクルポリオレフィン系樹脂B(福田商会社製「PEHDM01」)を、また、リサイクルポリスチレン系樹脂Cに替えてリサイクルポリスチレン系樹脂D(関越資材社製「OPS」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂ペレット、樹脂ボード、及び充填部材を得た。
(実施例6)
TEX30押出機(JSW社製)中に、リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)400重量部、リサイクルポリスチレン系樹脂C(積水化成品社製「リサイクル雑色PS」)60重量部、及びバージンポリスチレン系樹脂G(エーアンドエムスチレン社製「HF77」)40重量部をフィーダーから定量供給し190℃で溶融混練した後ホットカッターでペレタイズして樹脂ペレットを得た。
得られた樹脂ペレットを350トン射出成型機(名機製作所社製「M350」)に投入し、シリンダ温度200℃にて射出成形して、幅300mm×300mm、厚さ5mmの樹脂ボードを得た。
また、得られた樹脂ペレットを1500トン射出成型機(宇部鉄鋼所社製)に投入し、シリンダ温度200℃にて射出成形し、幅1000mm×1000mm、厚さ5mmの充填部材を得た。
(実施例7)
TEX30押出機(JSW社製)中に、リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)400重量部とリサイクルポリスチレン系樹脂E(ビーカム社製「リサイクルPS」)100重量部、及びSBBS(スチレン−1,4−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、旭化成社製「タフテックP2000」)10重量部をフィーダーから定量供給したこと以外は実施例3と同様にして樹脂ペレット、樹脂ボード及び充填部材を得た。
(実施例8)
TEX30押出機(JSW社製)中に、リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)100重量部、バージンポリオレフィン系樹脂F(日本ポリケム社製「HB422R」100重量部、及びリサイクルポリスチレン系樹脂C(積水化成品社製「リサイクル雑色PS」)200重量部をフィーダーから定量供給したこと以外は実施例6と同様にして樹脂ペレット、樹脂ボード、及び充填部材を得た。
(実施例9)
TEX30押出機(JSW社製)中に、リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)400重量部、及びバージンポリスチレン系樹脂H(エーアンドエムスチレン社製「G9305」)100重量部をフィーダーから定量供給したこと以外は実施例1と同様にして樹脂ペレット、樹脂ボード、及び充填部材を得た。
(実施例10)
TEX30押出機(JSW社製)中に、リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)305重量部、リサイクルポリスチレン系樹脂E(ビーカム社製「リサイクルPS」)100重量部、SBBS(スチレン−1,4−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、旭化成社製「タフテックP2000」)3重量部及び、無機充填剤マスターバッチ(日本タルク社製「タルペット70L」:タルク70重量%含有ポリエチレン系樹脂)150重量部をフィーダーから定量供給し190℃で溶融混練した後ホットカッターでペレタイズして樹脂ペレットを得た。
得られた樹脂ペレットを350トン射出成型機(名機製作所社製「M350」)に投入し、シリンダ温度200℃にて射出成形して、幅300mm×300mm、厚さ5mmの樹脂ボードを得た。
また、得られた樹脂ペレットを1500トン射出成型機(宇部鉄鋼所社製)に投入し、シリンダ温度200℃にて射出成形し、幅1000mm×1000mm、厚さ5mmの充填部材を得た。
(実施例11)
リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)を800重量部としたこと以外は実施例4と同様にして樹脂ペレット、樹脂ボード、及び充填部材を得た。
(比較例1)
TEX30押出機(JSW社製)中に、リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)100重量部とリサイクルポリスチレン系樹脂C(積水化成品社製「リサイクル雑色PS」)400重量部とをフィーダーから定量供給したこと以外は実施例1と同様にして樹脂ペレット、樹脂ボード、及び充填部材を得た。
上記実施例及び比較例において用いたポリオレフィン系樹脂及びポリスチレン系樹脂の各原料について以下の評価を行った。評価結果は表1及び表2に示した。
(引張強度)
上記各原料を用いて射出成形により試験片を作製し、JIS K7113に準拠し23℃における引張弾性率及び引張降伏強さを求めた。
(MFR)
JIS K7210に準拠し、ポリオレフィン系樹脂については190℃、荷重21.18NでのMFRを、ポリスチレン系樹脂については200℃、荷重49.03NでのMFRを求めた。
上記実施例及び比較例において得られた樹脂ボード又は充填部材について以下の評価を行った。評価結果は同じく表1及び表2に示した。
(ATR測定)
得られた樹脂ボード又は充填部材の表面を、ATR法(赤外分光光度計、パーキングエルマー社製)を用い、表面反射スペクトル分析法によりポリスチレン系樹脂のベンゼン環の吸収波長A(1493cm-1)とポリオレフィン系樹脂のメチレン部の吸収波長B(1463cm-1)とのスペクトル比(吸収ピーク値の面積比)を求めた。
(TEM観察)
得られた樹脂ボード又は充填部材の断面について、透過型電子顕微鏡(日本電子社製「JEM−2000FX」)で海島構造を観察した。
(引張強度)
得られた樹脂ボード又は充填部材から試験片を作製し、JIS K7113に準拠し23℃における引張弾性率及び引張降伏強さを求めた。
(衝撃強度)
得られた樹脂ボード又は充填部材から試験片を作製し、JIS K7110に準拠し23℃におけるアイゾット衝撃値を求めた。
(耐薬・耐油性)
得られた樹脂ボード又は充填部材から試験片を作成し、攪拌した1%のガソリン水溶液に室温で1時間又は5時間浸漬後、JIS K7113に準拠し23℃における引張弾性率及び引張降伏強さを求めた。
Figure 2004339464
Figure 2004339464
表1及び表2より明らかなように、本発明の実施例においては、上記ATR測定におけるスペクトル比が0〜1.2の範囲であり、ポリオレフィン系樹脂を海、ポリスチレン系樹脂を複数個の島とする海島構造を示し、引張強度、衝撃強度と耐薬・耐油性のバランスに優れていることが判明した。

Claims (6)

  1. ポリスチレン系樹脂と、引張弾性率が0.3〜1.3GPa、引張降伏強さが15〜25MPaのポリオレフィン系樹脂からなり、成形体表面における樹脂成分の存在構造において、ATR法により求められるポリスチレン系樹脂のベンゼン環の吸収波長(1493cm-1)とポリオレフィン系樹脂のメチレン部の吸収波長(1463cm-1)とのスペクトル比が0〜1.2であることを特徴とする熱可塑性樹脂成形体。
  2. ポリスチレン系樹脂100重量部に対し、ポリオレフィン系樹脂50〜1000重量部からなり、成形体における樹脂成分の存在構造が、ポリオレフィン系樹脂を海、ポリスチレン系樹脂を複数個の島とする海島構造からなることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂成形体。
  3. ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との総和100重量部に対し、無機充填材が5〜60重量部含まれてなることを特徴とする請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂成形体。
  4. 成形体中に、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−1,4−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、オレフィン系重合体にスチレン単量体がグラフト重合されているグラフト共重合体から選ばれる少なくとも1種が0.5〜20重量%の割合で含有されてなることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の熱可塑性樹脂成形体。
  5. 請求項1〜4記載の熱可塑性樹脂成形体が用いられたことを特徴とする熱可塑性樹脂製土木資材。
  6. リサイクルポリスチレン系樹脂60〜100重量%を含むポリスチレン系樹脂100重量部と、リサイクルポリオリレフィン系樹脂60〜100重量%を含むポリオレフィン系樹脂50〜1000重量部とからなり、成形体表面における樹脂成分の存在構造において、ATR法により求められるポリスチレン系樹脂のベンゼン環の吸収波長(1493cm-1)とポリオレフィン系樹脂のメチレン部の吸収波長(1463cm-1)とのスペクトル比が0〜1.2となるように溶融成形することを特徴とするリサイクル熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
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