JP4503980B2 - 熱可塑性樹脂材料、土木資材及びリサイクル熱可塑性樹脂成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
請求項2記載の熱可塑性樹脂成形体は、請求項1記載の熱可塑性樹脂成形体であって、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との総和100重量部に対し、無機充填材が5〜60重量部含まれてなることを特徴とする。
請求項3記載の熱可塑性樹脂成形体は、請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂成形体であって、成形体中に、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−1,4−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、オレフィン系重合体にスチレン単量体がグラフト重合されているグラフト共重合体から選ばれる少なくとも1種が0.5〜20重量%の割合で含有されてなることを特徴とする。
請求項4記載の熱可塑性樹脂製土木資材は、請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂成形体が用いられたことを特徴とする。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂は、引張弾性率が0.3〜1.3GPa、引張降伏強さが15〜25MPaである。本発明においては引張弾性率及び引張降伏強さがこの範囲にあっても良好な物性を発揮し、強度と耐衝撃性のバランスが優れた熱可塑性樹脂成形体となるので、回収された一般廃棄物及び/又は産業廃棄物からなるリサイクルポリオレフィン系樹脂を使用することができる。
上記ポリオレフィン系樹脂の架橋度は特に限定されるものではないが、低すぎるとクリープ性能が向上せず、高すぎると成形性が低下するので、ゲル分率として1〜30%が好ましい。このようなポリオレフィン系樹脂としては、例えば、架橋ポリオレフィン系樹脂からなる廃棄物5〜30重量%を、未架橋のポリオレフィン系樹脂70〜95重量%と溶融混合することにより、得ることができる。この場合において、上記架橋ポリオレフィン系樹脂からなる廃棄物の粒径は0.1〜5mmの範囲であると、架橋ポリオレフィン系樹脂成分が好適に分散されるので好ましい。
り過ぎることがあり、多すぎる場合には、耐衝撃性が劣ることがある。
ば、ペレット状に加工された上記ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂からなる熱可塑性樹脂材料が、押出成形、射出成形、圧縮成形、ブロー成形など適宜の方法により溶融成形されても良いし、上記ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂からなる混合物が、直接上記成形方法など適宜の方法により溶融成形されてもよく、更にこれらの方法が複数組み合わされて用いられてもよい。
本発明によれば、ポリスチレン系樹脂100重量部と、引張弾性率が0.3〜1.3GPa、引張降伏強さが15〜25MPaのポリオレフィン系樹脂50〜1000重量部からなり、成形体表面における樹脂成分の存在構造において、ATR法により求められるポリスチレン系樹脂のベンゼン環の吸収波長(1493cm-1)とポリオレフィン系樹脂のメチレン部の吸収波長(1463cm-1)とのスペクトル比が0〜1.2であることを特徴とするので、ポリスチレン系樹脂が強度改良材の役割を果たし、又ポリオレフィン系樹脂が耐薬・耐油性改良材の役割を果たしやすくなり、一般に複数種のポリオレフィン系樹脂が含まれるリサイクルポリオレフィン系樹脂を用いた場合においても、強度と耐衝撃性、耐薬・耐油性のバランスの良好な物性を発現することが可能となる。
TEX30押出機(JSW社製)中に、リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)100重量部とリサイクルポリスチレン系樹脂C(積水化成品社製「リサイクル雑色PS」)100重量部とをフィーダーから定量供給し190℃で溶融混練した後ホットカッターでペレタイズしてペレット形状の熱可塑性樹脂材料(以下、「樹脂ペレット」ともいう)を得た。
リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)を400重量部としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂ペレット、樹脂ボード、及び充填部材を得た。
TEX30押出機(JSW社製)中に、リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)100重量部とリサイクルポリスチレン系樹脂D(関越資材社製「OPS」)100重量部、及びSBBS(スチレン−1,4−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、旭化成社製「タフテックP2000」)10重量部をフィーダーから定量供給したこと以外は実施例1と同様にして樹脂ペレット、樹脂ボード、及び充填部材を得た。
リサイクルポリスチレン系樹脂Cに替えてリサイクルポリスチレン系樹脂E(ビーカム社製「リサイクルPS」)を用いたこと以外は実施例2と同様にして樹脂ペレット、樹脂ボード、及び充填部材を得た。
リサイクルポリオレフィン系樹脂Aに替えてリサイクルポリオレフィン系樹脂B(福田商会社製「PEHDM01」)を、また、リサイクルポリスチレン系樹脂Cに替えてリサイクルポリスチレン系樹脂D(関越資材社製「OPS」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂ペレット、樹脂ボード、及び充填部材を得た。
TEX30押出機(JSW社製)中に、リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)400重量部、リサイクルポリスチレン系樹脂C(積水化成品社製「リサイクル雑色PS」)60重量部、及びバージンポリスチレン系樹脂G(エーアンドエムスチレン社製「HF77」)40重量部をフィーダーから定量供給し190℃で溶融混練した後ホットカッターでペレタイズして樹脂ペレットを得た。
TEX30押出機(JSW社製)中に、リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)400重量部とリサイクルポリスチレン系樹脂E(ビーカム社製「リサイクルPS」)100重量部、及びSBBS(スチレン−1,4−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、旭化成社製「タフテックP2000」)10重量部をフィーダーから定量供給したこと以外は実施例3と同様にして樹脂ペレット、樹脂ボード及び充填部材を得た。
TEX30押出機(JSW社製)中に、リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)100重量部、バージンポリオレフィン系樹脂F(日本ポリケム社製「HB422R」100重量部、及びリサイクルポリスチレン系樹脂C(積水化成品社製「リサイクル雑色PS」)200重量部をフィーダーから定量供給したこと以外は実施例6と同様にして樹脂ペレット、樹脂ボード、及び充填部材を得た。
TEX30押出機(JSW社製)中に、リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)400重量部、及びバージンポリスチレン系樹脂H(エーアンドエムスチレン社製「G9305」)100重量部をフィーダーから定量供給したこと以外は実施例1と同様にして樹脂ペレット、樹脂ボード、及び充填部材を得た。
TEX30押出機(JSW社製)中に、リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)305重量部、リサイクルポリスチレン系樹脂E(ビーカム社製「リサイクルPS」)100重量部、SBBS(スチレン−1,4−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、旭化成社製「タフテックP2000」)3重量部及び、無機充填剤マスターバッチ(日本タルク社製「タルペット70L」:タルク70重量%含有ポリエチレン系樹脂)150重量部をフィーダーから定量供給し190℃で溶融混練した後ホットカッターでペレタイズして樹脂ペレットを得た。
リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)を800重量部としたこと以外は実施例4と同様にして樹脂ペレット、樹脂ボード、及び充填部材を得た。
TEX30押出機(JSW社製)中に、リサイクルポリオレフィン系樹脂A(福田商会社製「PEFMW01」)100重量部とリサイクルポリスチレン系樹脂C(積水化成品社製「リサイクル雑色PS」)400重量部とをフィーダーから定量供給したこと以外は実施例1と同様にして樹脂ペレット、樹脂ボード、及び充填部材を得た。
(引張強度)
上記各原料を用いて射出成形により試験片を作製し、JIS K7113に準拠し23℃における引張弾性率及び引張降伏強さを求めた。
(MFR)
JIS K7210に準拠し、ポリオレフィン系樹脂については190℃、荷重21.18NでのMFRを、ポリスチレン系樹脂については200℃、荷重49.03NでのMFRを求めた。
(ATR測定)
得られた樹脂ボード又は充填部材の表面を、ATR法(赤外分光光度計、パーキングエルマー社製)を用い、表面反射スペクトル分析法によりポリスチレン系樹脂のベンゼン環の吸収波長A(1493cm-1)とポリオレフィン系樹脂のメチレン部の吸収波長B(1463cm-1)とのスペクトル比(吸収ピーク値の面積比)を求めた。
(TEM観察)
得られた樹脂ボード又は充填部材の断面について、透過型電子顕微鏡(日本電子社製「JEM−2000FX」)で海島構造を観察した。
(引張強度)
得られた樹脂ボード又は充填部材から試験片を作製し、JIS K7113に準拠し23℃における引張弾性率及び引張降伏強さを求めた。
(衝撃強度)
得られた樹脂ボード又は充填部材から試験片を作製し、JIS K7110に準拠し23℃におけるアイゾット衝撃値を求めた。
(耐薬・耐油性)
得られた樹脂ボード又は充填部材から試験片を作成し、攪拌した1%のガソリン水溶液に室温で1時間又は5時間浸漬後、JIS K7113に準拠し23℃における引張弾性率及び引張降伏強さを求めた。
Claims (4)
- リサイクルポリスチレン系樹脂60〜100重量%を含むポリスチレン系樹脂100重量部と、引張弾性率が0.3〜1.3GPa、引張降伏強さが15〜25MPaの、リサイクルポリオレフィン系樹脂60〜100重量%を含むポリオレフィン系樹脂50〜1000重量部とからなり、成形体表面における樹脂成分の存在構造が、ポリオレフィン系樹脂を海、ポリスチレン系樹脂を複数個の島とする海島構造からなり、該存在構造において、ATR法により求められるポリスチレン系樹脂のベンゼン環の吸収波長(1493cm−1)とポリオレフィン系樹脂のメチレン部の吸収波長(1463cm−1)とのスペクトル比が0〜1.2であることを特徴とする熱可塑性樹脂成形体。
- ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との総和100重量部に対し、無機充填材が5〜60重量部含まれてなることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂成形体。
- 成形体中に、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−1,4−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、オレフィン系重合体にスチレン単量体がグラフト重合されているグラフト共重合体から選ばれる少なくとも1種が0.5〜20重量%の割合で含有されてなることを特徴とする請求項1または2記載の熱可塑性樹脂成形体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂成形体が用いられたことを特徴とする熱可塑性樹脂製土木資材。
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