JP2004338849A - 基板位置決め装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス基板に対して悪影響を与えることなく、短時間で簡単にかつ高精度に所定位置に位置決めすること。
【解決手段】基板ステージ2における各基準ピン10b、10cに近い部分から離れるに従ってエアーの各圧力P1、P2、P3を順次大きく制御してガラス基板3を傾斜させ、このガラス基板3の自重により自ずと各基準ピン10b、10c側に向ってスライド移動させて、各基準ピン10b、10cに当て付けて基準位置に位置決めする。
【選択図】 図3
【解決手段】基板ステージ2における各基準ピン10b、10cに近い部分から離れるに従ってエアーの各圧力P1、P2、P3を順次大きく制御してガラス基板3を傾斜させ、このガラス基板3の自重により自ずと各基準ピン10b、10c側に向ってスライド移動させて、各基準ピン10b、10cに当て付けて基準位置に位置決めする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板をステージ上の所定位置に位置決めする基板位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ等に用いられるガラス基板をステージ上の所定位置、例えば基準位置に位置決めする方法としては、例えばステージ上の互いに隣接する各辺上に各基準ピンを固定して設け、かつこれら基準ピンと対向する各辺上に各整列ピンを移動可能に設け、各整列ピンを可動してガラス基板をステージ上に滑らせて各基準ピンに押し付けることにより基準位置に位置決めする。
【0003】
大型ガラス基板になると、ガラス基板の自重及び面積が大きくなることからステージ上を滑りにくくなる。大型ガラス基板に対しては、基準ピンを固定するのでなく可動するように設け、これにより大型ガラス基板のステージ上を滑る距離を短くして基準位置に位置決めする方法が採られる。
【0004】
又、ガラス基板の位置決め方法としては、特許文献1に記載されている技術がある。特許文献1は、ステージ上にガラス基板の位置を光学的に検出するセンサを設け、このセンサにより検出されたガラス基板の位置情報に基づいてガラス基板を搬送手段等により基準位置に位置決めする。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−306391号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、液晶ディスプレイ等に用いられるガラス基板は、著しく大型化する傾向にあり、これに伴なって重量も重くなる傾向にある。
【0007】
このため、大型ガラス基板をステージ上に位置決めするのに、各整列ピンを可動してガラス基板をステージ上に滑らせて各基準ピンに押し付ける方法を用いると、ステージ上での大型ガラス基板の滑りが悪くなり、このため大型ガラス基板を基準位置に位置決めすることが不可能になる。この方法において、各整列ピンによるガラス基板の押付け力を大きくすれば、大型ガラス基板をステージ上に滑らすことが可能になるが、各整列ピンに押付け力を与える押付機構部が大型化する。この結果、装置の大型化に繋がる。
【0008】
又、ステージは、ガラス基板を保持するために複数の基板支持ピン等の保持手段を設けている。これら基板支持ピンは、ガラス基板を滑りやすい構造にすることを要求されている。ところが、大型ガラス基板を基板支持ピン上で滑らすためには、基板支持ピンをより滑る構造にする必要がある。充分に滑る構造にしないで、無理にガラス基板を基板支持ピン上で滑らせると、大型ガラス基板に悪影響を与える。
【0009】
特許文献1に記載されている方法では、センサにより検出されたガラス基板の位置情報に基づいてガラス基板を基準位置に位置決めする搬送手段に対して高精度な位置制御を必要とする。このため、搬送手段は大型化すると共に、搬送手段に対する制御が困難になる。
【0010】
そこで本発明は、ガラス基板に対して悪影響を与えることなく、短時間で簡単にかつ高精度に所定位置に位置決めできる基板位置決め装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板を載置するステージと、ステージ上の所定位置に基板を傾斜させ位置決めするための位置決め整列手段とを具備した基板位置決め装置である。
【0012】
本発明は、基板を載置するステージと、ステージ上に設けられ、基板をステージ上の所定位置に位置決めするための位置決め部材と、ステージの上方に基板を浮上させる浮上手段と、ステージの上方に浮上している基板に傾斜を与えることにより基板をスライド移動させて位置決め部材に当て付けて基板を所定位置に位置決めする位置決め整列手段とを具備した基板位置決め装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1は基板位置決め装置を用いた基板検査用顕微鏡の構成図である。ベース1上には、基板ステージ2が設けられている。この基板ステージ2は、例えば液晶ディスプレイに用いられるガラス基板3を吸着保持する。この基板ステージ2は、ベース1上に固定されていてもよいし、揺動可能に設けても良い。
【0015】
ベース1上の両側には、それぞれレール等の各軌道4a、4bが設けられ、これら軌道4a、4b上に門型アーム5が移動可能(X方向に移動可能)に設けられている。この門型アーム5には、照明装置及び観察カメラを一体にした顕微鏡ヘッド6が門型アーム5の長手方向に沿って移動可能(Y方向に移動可能)に設けられている。これにより、顕微鏡ヘッド6は、門型アーム5によるX方向への移動と門型アーム5に対するY方向への移動とによりガラス基板3の全面に対する観察が可能である。
【0016】
操作制御部7は、操作キー部8及びディスプレイ9が接続され、操作キー部8からの操作指示を受けて基板ステージ2の吸着動作や、門型アーム5と顕微鏡ヘッド6との各移動動作、顕微鏡ヘッド6における照明装置や観察カメラの動作をそれぞれ制御する。又、操作制御部7は、観察カメラから出力された画像信号を入力してガラス基板3の欠陥部分などの画像をディスプレイ9に表示出力し、かつ画像データを解析して欠陥部分の情報を取得する。
【0017】
図2は基板ステージ2の構成図である。基板ステージ2上の互いに隣接する各辺部2x、2yには、それぞれ各基準ピン10a、10b、10cが設けられている。これら基準ピン10a、10b、10cは、基板ステージ2上の基準位置にガラス基板3を位置決めするために設けられている。
【0018】
又、基板ステージ2の各辺部2x、2yには、それぞれ各光学センサ11a、11bが埋設されている。これら光学センサ11a、11bは、基板ステージ2上に載置されたガラス基板3に対して非接触で、ガラス基板3の基準位置への位置決めを確認するためにガラス基板3のエッジ位置を検出する。
【0019】
基板ステージ2のガラス基板搭載面12には、複数の微小なエアー孔13が所定のピッチでXY方向に形成されている。これらエアー孔13の径は、例えば同一に形成されている。
【0020】
エアー吹出し制御部14は、基板ステージ2上の複数のエアー孔13に対して均一にエアー圧力を供給制御する。
【0021】
又、エアー吹出し制御部14は、基板ステージ2の面上において、各基準ピン10b、10cに近い部分から離れるに従ってエアーの吹出し圧力を順次大きく制御する。例えば、エアー吹出し制御部14は、図3に示すように基板ステージ2上の複数のエアー孔13をX方向に複数のエアーブロック、例えば3つのエアーブロックB1〜B3に分割し、各基準ピン10b、10cに近いエアーブロックB1から離れるエアーブロックB3に従って、これらエアーブロックB1〜B3に供給するエアー供給圧力P1、P2、P3を順次大きく制御する(P1<P2<P3)。これらエアー供給圧力P1、P2、P3の大きさは、例えばガラス基板3における各基準ピン10b、10cの側の辺からその反対側の辺に向かう距離に比例して大きく設定されている。
【0022】
なお、図3では3つのエアーブロックB1〜B3に分割しているが、これに限ることはなく、3つ以上の多数のエアーブロックB1〜Bnに分割したり、又、Y方向の各エアー孔13の一列毎に、各基準ピン10b、10cに近い一列の各エアー孔13から離れた一列の各エアー孔13に従ってエアー吹出し圧力を順次大きく制御してもよい。又、各エアー孔13から吹き出されるエアーの吹出し圧力は、各エアー孔13の径の大きさやエアー供給圧力により制御可能である。
【0023】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
【0024】
エアー吹出し制御部14は、基板ステージ2上の複数のエアー孔13に対して均一な圧力でエアーを供給する。これにより、基板ステージ2上の各エアー孔13からは、それぞれ均一のエアー吹出し圧力でエアーが吹き出される。
【0025】
ガラス基板3は、図示しない搬送ロボット等により基板ステージ2の上方に搬送され、基板ステージ2上に載置される。このとき、ガラス基板3は、搬送ロボット等による搬送により1つの基準ピン10aに対して当て付けられて、基板ステージ2上に載置されるのが好ましい。
【0026】
ガラス基板3を基板ステージ2上に載置するとき、各エアー孔13は、それぞれ均一な圧力でエアーを吹き出しているので、基板ステージ2上のガラス基板搭載面12とガラス基板3の下面との間にエア層が形成され、ガラス基板3は、ガラス基板搭載面12の上方に浮上する。なお、ガラス基板3は、外力が加わらない限り、基板ステージ2の上方に静止している。
【0027】
この状態に、エアー吹出し制御部14は、図3に示すように各基準ピン10b、10cに近いエアーブロックB1から離れるエアーブロックB3に従ってエアー供給圧力P1、P2、P3を順次大きく制御する(P1<P2<P3)。このエアー圧力の制御により、各基準ピン10b、10cに近いエアーブロックB1から離れるエアーブロックB3に従ってエアー供給圧力P1、P2、P3が大きくなるエアーが各エアー孔13から吹き出される。なお、エアーブロックB1からのエアー供給圧力P1は、ガラス基板3を浮上させて基板ステージ2の上方に静止させている状態のエアー吹出し圧力と同一でもよい。
【0028】
これにより、ガラス基板3の各基準ピン10b、10cから離れた側が持ち上げられる。すなわち、ガラス基板3は、各基準ピン10b、10cに近いエアーブロックB1側の高さ位置が低くなり、各基準ピン10b、10cから離れたエアーブロックB3側の高さ位置が高くなるように傾斜する。この場合、各エアー供給圧力P1、P2、P3の大きさがガラス基板3における各基準ピン10b、10c側からその反対側に向う距離に比例して大きく設定されていれば、ガラス基板3は、撓むことが少なく、平面度を保って傾斜する。
【0029】
このようにガラス基板3が傾斜すると、ガラス基板3は、自重により自ずと各基準ピン10b、10c側に向ってスライド移動する。このスライド移動のときも、各エアー供給圧力P1、P2、P3に保たれたエアーが各エアー孔13から吹き出されているので、ガラス基板3は、傾斜した状態を保ったままで、その傾斜面の方向に沿ってスライド移動する。なお、ガラス基板3の傾斜角度は、例えばガラス基板3をスライド移動可能な最小限の角度に制御され、ガラス基板3は、緩やかにスライド移動する。
【0030】
このスライド移動によりガラス基板3の一辺は、各基準ピン10b、10cに当て付けられ、これら基準ピン10b、10cに接触した状態で静止する。このときガラス基板3の傾斜角度がガラス基板3をスライド移動可能な最小限の角度に制御され、かつ各基準ピン10b、10cが弾性部材により形成されているので、ガラス基板3は、各基準ピン10b、10cに接触したときに衝撃を受けずに静止する。なお、ガラス基板3は、基板ステージ2上に載置されるときに、1つの基準ピン10aに対して当て付けられている。
【0031】
この結果、ガラス基板3は、少なくとも2つの基準ピン10b、10cに接触した状態で静止することにより、基板ステージ2上の基準位置に位置決めされる。なお、ガラス基板3は、2つの基準ピン10b、10cに接触して位置決めされることにより、Y方向の一辺に対する位置決めが精度高くできる。
【0032】
この後、エアー吹出し制御部14は、各エアーブロックB1〜B3へのエアー供給圧力P1、P2、P3を徐々に減じる。これにより、図4に示すうにガラス基板3と基板ステージ2との間に形成されるエア層が小さくなり、ガラス基板3は、基板ステージ2上に水平に載置される。
【0033】
次に、各光学センサ11a、11bは、基板ステージ2上に載置されたガラス基板3に対して非接触でガラス基板3のエッジ位置を検出し、各エッジ位置検出信号を出力する。
【0034】
操作制御部7は、各光学センサ11a、11bから出力された各エッジ位置検出信号を入力し、これらエッジ位置検出信号に基づいてガラス基板3が基準位置に位置決めされたか否かを確認する。
【0035】
この確認の後、ガラス基板3が基準位置に位置決めされていれば、操作制御部7は、操作キー部8からの操作指示を受けて基板ステージ2の吸着動作や、門型アーム5と顕微鏡ヘッド6との各移動動作、顕微鏡ヘッド6における照明装置や観察カメラの動作をそれぞれ制御して、ガラス基板3の表面における欠陥検査を行う。
【0036】
このように上記第1の実施の形態においては、基板ステージ2における各基準ピン10b、10cに近い部分から離れるに従ってエアー供給圧力P1、P2、P3を順次大きく制御(P1<P2<P3)してガラス基板3を傾斜させ、このガラス基板3の自重により自ずと各基準ピン10b、10c側に向ってスライド移動させて、各基準ピン10b、10cに当て付けて基準位置に位置決めする。
【0037】
これにより、基板ステージ2に設けられているガラス基板3のエアー浮上機構をそのまま利用してガラス基板3を傾斜することができ、大型のガラス基板3であっても、ガラス基板3に対して悪影響を与えることなく、高精度に基板ステージ2上の基準位置に位置決めできる。又、ガラス基板3を傾斜させてガラス基板3の自重により自ずと各基準ピン10b、10c側に向ってスライド移動させるので、ガラス基板3に無理な力を与えることがない。これによって大型ガラス基板1を短時間で簡単に位置決めできる。
【0038】
又、ガラス基板3は、基板ステージ2の上方に浮上した状態で傾斜させてスライド移動させるので、基板ステージ2に接触することはなく、ガラス基板3に塵埃が付着することもなく、傷等を付けることもない。
【0039】
又、エアー浮上の搬送ラインによりガラス基板3を搬送し、大型基板検査用顕微鏡を用いてガラス基板3の検査を行う場合には、エアー浮上の搬送ラインに容易に組み込むことができる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0041】
図5及び図6は基板位置決め装置の構成図であって、図5は正面図、図6は断面図である。基板ステージ2上に形成されている複数のエアー孔13は、各基準ピン10b、10cに近い第1のエアー孔群13aと、各基準ピン10b、10cから離れている第2のエアー孔群13bとに分けられている。
【0042】
基板ステージ2の下部には、図6に示すように2つのサージタンク20、21が形成されている。これらサージタンク20、21は、それぞれ立方体状に形成されている。
【0043】
一方のサージタンク20は、第1のエアー孔群13aの各エアー孔13に連通し、第1のエアー孔群13aの全てのエアー孔13に対してそれぞれ一定のエアー供給圧力P1を供給する。
【0044】
他方のサージタンク21は、第2のエアー孔群13bの各エアー孔13に連通し、第2のエアー孔群13bの全てのエアー孔13に対してそれぞれ一定のエアー供給圧力P2を供給する。
【0045】
これらサージタンク20、21からそれぞれ第1と第2のエアー孔群13aとの各エアー孔13に供給される各エアー供給圧力P1、P2は、各基準ピン10b、10cに近い第1のエアー孔群13aへのエアー供給圧力P1よりも、各基準ピン10b、10cから離れている第2のエアー孔群13bへのエアー供給圧力P2の方が大きく設定されている(P1<P2)。
【0046】
なお、2つのサージタンク20、21には、それぞれエアー吹出し制御部14によりエアー供給圧力P1とエアー供給圧力P2とのエアーが供給される。
【0047】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
【0048】
エアー吹出し制御部14は、基板ステージ2の下部の各サージタンク20、21に対して均一な圧力でエアーを供給する。これにより、基板ステージ2上の各エアー孔13からは、各サージタンク20、21を介してそれぞれ均一のエアー吹出し圧力でエアーが吹き出される。
【0049】
ガラス基板3は、図示しない搬送ロボット等により基板ステージ2の上方に搬送され、1つの基準ピン10aに対して当て付けられて、基板ステージ2上に載置される。このとき、各エアー孔13は、それぞれ均一な圧力でエアーを吹き出しているので、ガラス基板3は、ガラス基板搭載面12の上方に浮上して静止する。
【0050】
この状態に、エアー吹出し制御部14は、図6に示すように各基準ピン10b、10cに近いサージタンク20に対してエアー供給圧力P1によりエアーを供給すると共に、各基準ピン10b、10cから離れたサージタンク21に対してエアー供給圧力P2によりエアーを供給する(P1<P2)。
【0051】
このエアー圧力の制御により、各基準ピン10b、10cに近い第1のエアー孔群13aの各エアー孔13からエアー供給圧力P1によるエアーが吹き出され、これと共に各基準ピン10b、10cから離れた第2のエアー孔群13bの各エアー孔13からエアー供給圧力P2によるエアーが吹き出される。
【0052】
これにより、ガラス基板3は、上記同様に、各基準ピン10b、10cから離れた側が持ち上げられ、各基準ピン10b、10cに近い第1のエアー孔群13a側の高さ位置が低くなり、各基準ピン10b、10cから離れた第2のエアー孔群13b側の高さ位置が高くなるように傾斜する。
【0053】
このガラス基板3の傾斜によりガラス基板3は、自重により自ずと各基準ピン10b、10c側に向ってスライド移動し、ガラス基板3の一辺が各基準ピン10b、10cに当て付けられ、これら基準ピン10b、10cに接触した状態で静止する。
【0054】
この結果、ガラス基板3は、3つの基準ピン10a、10b、10cに接触した状態で静止することにより、基板ステージ2上の基準位置に位置決めされる。
【0055】
この後、エアー吹出し制御部14は、各サージタンク20、21へのエアー供給圧力P1、P2を徐々に減じることにより、ガラス基板3と基板ステージ2との間に形成されるエア層が小さくなり、ガラス基板3は、基板ステージ2上に水平に載置される。
【0056】
このように上記第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる上、各サージタンク20、21を介して第1及び第2のエアー孔群13a、13bの各エアー孔13からエアーを吹き出すので、第1及び第2のエアー孔群13a、13bからそれぞれ一定の圧力で安定してエアーを吹き出すことができ、ガラス基板3の位置決め動作が安定化する。
【0057】
なお、上記第2の実施の形態では、第1及び第2のエアー孔群13a、13bに分けてそれぞれに各サージタンク20、21を連結しているが、これに限らず、エアー孔群は複数に分けて、これらエアー孔群に連結する複数のサージタンクを設けてもよい。
【0058】
例えば、第1及び第2のエアー孔群13a、13bをそれぞれY方向に2分割して4つのエアー孔群に形成し、これらエアー孔群にそれぞれ各サージタンクを連結する。これにより、基準ピン10aに近いエアー孔群へのエアー供給圧力と基準ピン10aから離れたエアー孔群へのエアー供給圧力とが調整可能になる。
【0059】
このような各エアー孔群からのエアーの吹き出しによりガラス基板3を傾斜させて基準ピン10aに当て付けることが可能になる。
【0060】
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0061】
図7及び図8は基板位置決め装置の構成図であって、図7は正面図、図8は断面図である。基板ステージ2の下部には、サージタンク22が設けられ、このサージタンク22の各エアー孔13が連通している。このサージタンク22は、全てのエアー孔13に対して一定なエアー供給圧力P1でエアーを供給する。
【0062】
一方、基板ステージ2における各基準ピン10b、10cの設けられている辺側とは対向する辺側の近傍には、各エアー孔13とは別系統の複数のエアー吹き出し孔23が設けられている。これらエアー吹き出し孔23は、各基準ピン10b、10cが設けられている方向(Y方向)に対して平行に一列配列されている。又、これらエアー吹き出し孔23は、各エアー孔13の径よりも大きく形成されている。そして、これらエアー吹き出し孔23は、エアー連通管24を介してサージタンク22内を貫通している。
【0063】
エアー吹出し制御部14は、サージタンク22内にエアー供給圧力P1でエアーを供給すると共に、これとは別系統でエアー連通管24を介してエアー吹き出し孔23にエアー供給圧力P2でエアーを供給する。なお、エアー供給圧力P1とP2とは、P1<P2なる関係である。
【0064】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
【0065】
基板ステージ2の上方に静止浮上しているガラス基板3を基準位置に位置決めするとき、エアー吹出し制御部14は、サージタンク22内にエアー供給圧力P1でエアーを供給すると共に、これとは別系統でエアー連通管24を介してエアー吹き出し孔23にエアー供給圧力P2でエアーを供給する。
【0066】
このエアー圧力の制御により、各エアー孔13からエアー供給圧力P1によるエアーが吹き出され、これと共に各基準ピン10b、10cから離れた各エアー吹き出し孔23からエアー供給圧力P2によるエアーが吹き出される。
【0067】
これにより、ガラス基板3は、上記同様に、各基準ピン10b、10cから離れた側が持ち上げられ、各基準ピン10b、10cに近い辺側の高さ位置が低くなり、各基準ピン10b、10cから離れた辺側の高さ位置が高くなるように傾斜する。
【0068】
このガラス基板3の傾斜によりガラス基板3は、自重により自ずと各基準ピン10b、10c側に向ってスライド移動し、ガラス基板3の一辺が各基準ピン10b、10cに当て付けられ、これら基準ピン10b、10cに接触した状態で静止する。
【0069】
この結果、ガラス基板3は、3つの基準ピン10a、10b、10cに接触した状態で静止することにより、基板ステージ2上の基準位置に位置決めされる。
【0070】
このように上記第3の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる上、基板ステージ2に設けられている既存の浮上機構にエアー吹き出し孔23を形成してエアー連通管24を接続するだけで、簡単に実現できる。
【0071】
次に、本発明の第4の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0072】
図9は基板位置決め装置の構成図である。基板ステージ2に形成されている複数のエアー孔13は、それぞれ各基準ピン10a、10bの設けられた側に傾斜して形成されている。これにより、各エアー孔13は、それぞれエアーを各基準ピン10a、10b側に向って吹き出す。
【0073】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
【0074】
サージタンク22内にエアー供給圧力P1でエアーが供給されると、各エアー孔13からエアー供給圧力P1によるエアーが各基準ピン10a、10b側に向って吹き出される。
【0075】
この状態に、ガラス基板3が基板ステージ2上に載置されると、ガラス基板34は、基板ステージ2との間に形成されるエア層により基板ステージ2の上方に浮上すると共に、各基準ピン10a、10b側に向って吹き出されエアーの圧力を受けて各基準ピン10a、10b側に向ってスライド移動する。
【0076】
このスライド移動によりガラス基板3の一辺が各基準ピン10b、10cに当て付けられ、これら基準ピン10b、10cに接触した状態で静止する。
【0077】
この結果、ガラス基板3は、3つの基準ピン10a、10b、10cに接触した状態で静止することにより、基板ステージ2上の基準位置に位置決めされる。
【0078】
このように上記第4の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0079】
次に、本発明の第5の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0080】
図9は基板位置決め装置の構成図である。基板ステージ2の各コーナ部の下部には、それぞれ除振用の各空気ばね30a、30b、30c、30dが設けられている。これら基板ステージ2及び各空気ばね30a、30b、30c、30dは、ベース31上に設けられている。なお、基板ステージ2は、図示を省略するがガラス基板搭載面12に複数の微小なエアー孔13が所定のピッチでXY方向に形成されている。
【0081】
空気ばね調整部32は、各空気ばね30a、30b、30c、30dに供給する各エアー圧力を調整する。例えば、空気ばね調整部32は、ガラス基板3を基板ステージ2の上方に浮上させて静止させる場合、各空気ばね30a、30b、30c、30dに一定のエアー圧力を供給する。なお、各空気ばね30a、30b、30c、30dの弾性力にばらつきがある場合には、各空気ばね30a、30b、30c、30dに供給する各エアー圧力を微調整する。
【0082】
又、ガラス基板3を基準位置に位置決めする場合、空気ばね調整部32は、例えば各基準ピン10a、10b側の各空気ばね30a、30c、30dに供給する各エアー圧力P30a、P30c、P30dを調整し、空気ばね30dに供給するエアー圧力P30dを最も小さくし、かつ各空気ばね30a、30cに供給するエアー圧力P30a、P30cを空気ばね30bに供給するエアー圧力P30bよりも小さくする。従って、各エアー圧力P30a、P30b、P30c、P30dの大きさは、P30d<P30a,P30c<P30bとなる。なお、P30a=P30cである。
【0083】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
【0084】
基板ステージ2上の複数のエアー孔13に対して均一な圧力のエアーが供給される。これにより、基板ステージ2上の各エアー孔13からは、それぞれ均一のエアー吹出し圧力でエアーが吹き出される。
【0085】
又、空気ばね調整部32は、各空気ばね30a、30b、30c、30dに一定のエアー圧力を供給する。これにより、各空気ばね30a、30b、30c、30dの高さ位置は同一になり、基板ステージ2は水平状態に保たれる。
【0086】
ガラス基板3は、図示しない搬送ロボット等により基板ステージ2の上方に搬送され、基板ステージ2上に載置される。このとき、各エアー孔13は、それぞれ均一な圧力でエアーを吹き出しているので、基板ステージ2上のガラス基板搭載面12とガラス基板3の下面との間にエア層が形成され、ガラス基板3は、ガラス基板搭載面12の上方に浮上する。
【0087】
この状態に、空気ばね調整部32は、図11に示すように空気ばね30dに供給するエアー圧力P30dを最も小さくし、かつ各空気ばね30a、30cに供給するエアー圧力P30a、P30cを空気ばね30bに供給するエアー圧力P30bよりも小さく調整する。
【0088】
このエアー圧力の制御により各空気ばね30a、30b、30c、30dの高さが変化し、空気ばね30dの高さが最も低くなり、次に各空気ばね30a、30cの高さで、空気ばね30bの高さが最も高くなる。
【0089】
これにより、ガラス基板3は、各空気ばね30a、30b、30c、30dの高さと同様に、空気ばね30dで持ち上げられている部分が最も低くなり、次に各空気ばね30a、30cで持ち上げられている部分で、空気ばね30bで持ち上げられている部分が最も高くなるように傾斜する。
【0090】
このガラス基板3の傾斜によりガラス基板3は、自重により自ずと各基準ピン10b、10c側に向ってスライド移動する。このスライド移動によりガラス基板3の一辺は、各基準ピン10a、10b、10cに当て付けられ、これら基準ピン10a、10b、10cに接触した状態で静止する。
【0091】
この結果、ガラス基板3は、3つの基準ピン10a、10b、10cに接触した状態で静止することにより、基板ステージ2上の基準位置に位置決めされる。
【0092】
この後、空気ばね調整部32は、各空気ばね30a、30b、30c、30dに供給するエアーの圧力を均一に調整する。これにより、各空気ばね30a、30b、30c、30dの高さ位置は同一になり、基板ステージ2は水平状態に戻る。
【0093】
このように上記第5の実施の形態においては、基板ステージ2の各コーナ部の下部にそれぞれ除振用の各空気ばね30a、30b、30c、30dを設け、これら空気ばね30a、30b、30c、30dに供給するエアー圧力を調整して基板ステージ2を傾斜させ、この傾斜によってガラス基板3の自重により自ずと各基準ピン10a、10b、10c側に向ってスライド移動させて、各基準ピン10a、10b、10cに当て付けて基準位置に位置決めする。
【0094】
これにより、上記第1の実施の形態と同様な効果を奏することは言うまでもなく、除振用の各空気ばね30a、30b、30c、30dを利用できると共に、これら空気ばね30a、30b、30c、30dにより基板ステージ2を傾斜させるので、ガラス基板3に無理な力を与えること無く、しかも各基準ピン10b、10cに当て付けるときにガラス基板3に衝撃を与えることがない。
【0095】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0096】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、ガラス基板に対して悪影響を与えることなく、短時間で簡単にかつ高精度に所定位置に位置決めできる基板位置決め装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる基板位置決め装置の第1の実施の形態を用いた大型基板検査用顕微鏡を示す構成図。
【図2】同装置に用いられる基板ステージの構成図。
【図3】同装置におけるガラス基板の位置決め作用を示す模式図。
【図4】同装置におけるガラス基板の位置決め後の基板ステージ上の載置を示す模式図。
【図5】本発明に係わる基板位置決め装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図6】同装置の断面図。
【図7】本発明に係わる基板位置決め装置の第3の実施の形態を示す構成図。
【図8】同装置の断面図。
【図9】本発明に係わる基板位置決め装置の第4の実施の形態を示す構成図。
【図10】本発明に係わる基板位置決め装置の第5の実施の形態を示す構成図。
【図11】同装置におけるガラス基板の位置決め作用を示す模式図。
【図12】同装置におけるガラス基板の位置決め後の基板ステージ上の載置を示す模式図。
【符号の説明】
1:ベース、2:基板ステージ、3:ガラス基板、4a,4b:軌道、5:門型アーム、6:顕微鏡ヘッド、7:操作制御部、8:操作キー部、9:ディスプレイ、10a,10b,10c:基準ピン、11a,11b:光学センサ、12:ガラス基板搭載面、13:エアー孔、14:エアー吹出し制御部、20,21:サージタンク、22:サージタンク、23:エアー吹き出し孔、24:エアー連通管、30a,30b,30c,30d:空気ばね、31:ベース、32:空気ばね調整部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板をステージ上の所定位置に位置決めする基板位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ等に用いられるガラス基板をステージ上の所定位置、例えば基準位置に位置決めする方法としては、例えばステージ上の互いに隣接する各辺上に各基準ピンを固定して設け、かつこれら基準ピンと対向する各辺上に各整列ピンを移動可能に設け、各整列ピンを可動してガラス基板をステージ上に滑らせて各基準ピンに押し付けることにより基準位置に位置決めする。
【0003】
大型ガラス基板になると、ガラス基板の自重及び面積が大きくなることからステージ上を滑りにくくなる。大型ガラス基板に対しては、基準ピンを固定するのでなく可動するように設け、これにより大型ガラス基板のステージ上を滑る距離を短くして基準位置に位置決めする方法が採られる。
【0004】
又、ガラス基板の位置決め方法としては、特許文献1に記載されている技術がある。特許文献1は、ステージ上にガラス基板の位置を光学的に検出するセンサを設け、このセンサにより検出されたガラス基板の位置情報に基づいてガラス基板を搬送手段等により基準位置に位置決めする。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−306391号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、液晶ディスプレイ等に用いられるガラス基板は、著しく大型化する傾向にあり、これに伴なって重量も重くなる傾向にある。
【0007】
このため、大型ガラス基板をステージ上に位置決めするのに、各整列ピンを可動してガラス基板をステージ上に滑らせて各基準ピンに押し付ける方法を用いると、ステージ上での大型ガラス基板の滑りが悪くなり、このため大型ガラス基板を基準位置に位置決めすることが不可能になる。この方法において、各整列ピンによるガラス基板の押付け力を大きくすれば、大型ガラス基板をステージ上に滑らすことが可能になるが、各整列ピンに押付け力を与える押付機構部が大型化する。この結果、装置の大型化に繋がる。
【0008】
又、ステージは、ガラス基板を保持するために複数の基板支持ピン等の保持手段を設けている。これら基板支持ピンは、ガラス基板を滑りやすい構造にすることを要求されている。ところが、大型ガラス基板を基板支持ピン上で滑らすためには、基板支持ピンをより滑る構造にする必要がある。充分に滑る構造にしないで、無理にガラス基板を基板支持ピン上で滑らせると、大型ガラス基板に悪影響を与える。
【0009】
特許文献1に記載されている方法では、センサにより検出されたガラス基板の位置情報に基づいてガラス基板を基準位置に位置決めする搬送手段に対して高精度な位置制御を必要とする。このため、搬送手段は大型化すると共に、搬送手段に対する制御が困難になる。
【0010】
そこで本発明は、ガラス基板に対して悪影響を与えることなく、短時間で簡単にかつ高精度に所定位置に位置決めできる基板位置決め装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板を載置するステージと、ステージ上の所定位置に基板を傾斜させ位置決めするための位置決め整列手段とを具備した基板位置決め装置である。
【0012】
本発明は、基板を載置するステージと、ステージ上に設けられ、基板をステージ上の所定位置に位置決めするための位置決め部材と、ステージの上方に基板を浮上させる浮上手段と、ステージの上方に浮上している基板に傾斜を与えることにより基板をスライド移動させて位置決め部材に当て付けて基板を所定位置に位置決めする位置決め整列手段とを具備した基板位置決め装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1は基板位置決め装置を用いた基板検査用顕微鏡の構成図である。ベース1上には、基板ステージ2が設けられている。この基板ステージ2は、例えば液晶ディスプレイに用いられるガラス基板3を吸着保持する。この基板ステージ2は、ベース1上に固定されていてもよいし、揺動可能に設けても良い。
【0015】
ベース1上の両側には、それぞれレール等の各軌道4a、4bが設けられ、これら軌道4a、4b上に門型アーム5が移動可能(X方向に移動可能)に設けられている。この門型アーム5には、照明装置及び観察カメラを一体にした顕微鏡ヘッド6が門型アーム5の長手方向に沿って移動可能(Y方向に移動可能)に設けられている。これにより、顕微鏡ヘッド6は、門型アーム5によるX方向への移動と門型アーム5に対するY方向への移動とによりガラス基板3の全面に対する観察が可能である。
【0016】
操作制御部7は、操作キー部8及びディスプレイ9が接続され、操作キー部8からの操作指示を受けて基板ステージ2の吸着動作や、門型アーム5と顕微鏡ヘッド6との各移動動作、顕微鏡ヘッド6における照明装置や観察カメラの動作をそれぞれ制御する。又、操作制御部7は、観察カメラから出力された画像信号を入力してガラス基板3の欠陥部分などの画像をディスプレイ9に表示出力し、かつ画像データを解析して欠陥部分の情報を取得する。
【0017】
図2は基板ステージ2の構成図である。基板ステージ2上の互いに隣接する各辺部2x、2yには、それぞれ各基準ピン10a、10b、10cが設けられている。これら基準ピン10a、10b、10cは、基板ステージ2上の基準位置にガラス基板3を位置決めするために設けられている。
【0018】
又、基板ステージ2の各辺部2x、2yには、それぞれ各光学センサ11a、11bが埋設されている。これら光学センサ11a、11bは、基板ステージ2上に載置されたガラス基板3に対して非接触で、ガラス基板3の基準位置への位置決めを確認するためにガラス基板3のエッジ位置を検出する。
【0019】
基板ステージ2のガラス基板搭載面12には、複数の微小なエアー孔13が所定のピッチでXY方向に形成されている。これらエアー孔13の径は、例えば同一に形成されている。
【0020】
エアー吹出し制御部14は、基板ステージ2上の複数のエアー孔13に対して均一にエアー圧力を供給制御する。
【0021】
又、エアー吹出し制御部14は、基板ステージ2の面上において、各基準ピン10b、10cに近い部分から離れるに従ってエアーの吹出し圧力を順次大きく制御する。例えば、エアー吹出し制御部14は、図3に示すように基板ステージ2上の複数のエアー孔13をX方向に複数のエアーブロック、例えば3つのエアーブロックB1〜B3に分割し、各基準ピン10b、10cに近いエアーブロックB1から離れるエアーブロックB3に従って、これらエアーブロックB1〜B3に供給するエアー供給圧力P1、P2、P3を順次大きく制御する(P1<P2<P3)。これらエアー供給圧力P1、P2、P3の大きさは、例えばガラス基板3における各基準ピン10b、10cの側の辺からその反対側の辺に向かう距離に比例して大きく設定されている。
【0022】
なお、図3では3つのエアーブロックB1〜B3に分割しているが、これに限ることはなく、3つ以上の多数のエアーブロックB1〜Bnに分割したり、又、Y方向の各エアー孔13の一列毎に、各基準ピン10b、10cに近い一列の各エアー孔13から離れた一列の各エアー孔13に従ってエアー吹出し圧力を順次大きく制御してもよい。又、各エアー孔13から吹き出されるエアーの吹出し圧力は、各エアー孔13の径の大きさやエアー供給圧力により制御可能である。
【0023】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
【0024】
エアー吹出し制御部14は、基板ステージ2上の複数のエアー孔13に対して均一な圧力でエアーを供給する。これにより、基板ステージ2上の各エアー孔13からは、それぞれ均一のエアー吹出し圧力でエアーが吹き出される。
【0025】
ガラス基板3は、図示しない搬送ロボット等により基板ステージ2の上方に搬送され、基板ステージ2上に載置される。このとき、ガラス基板3は、搬送ロボット等による搬送により1つの基準ピン10aに対して当て付けられて、基板ステージ2上に載置されるのが好ましい。
【0026】
ガラス基板3を基板ステージ2上に載置するとき、各エアー孔13は、それぞれ均一な圧力でエアーを吹き出しているので、基板ステージ2上のガラス基板搭載面12とガラス基板3の下面との間にエア層が形成され、ガラス基板3は、ガラス基板搭載面12の上方に浮上する。なお、ガラス基板3は、外力が加わらない限り、基板ステージ2の上方に静止している。
【0027】
この状態に、エアー吹出し制御部14は、図3に示すように各基準ピン10b、10cに近いエアーブロックB1から離れるエアーブロックB3に従ってエアー供給圧力P1、P2、P3を順次大きく制御する(P1<P2<P3)。このエアー圧力の制御により、各基準ピン10b、10cに近いエアーブロックB1から離れるエアーブロックB3に従ってエアー供給圧力P1、P2、P3が大きくなるエアーが各エアー孔13から吹き出される。なお、エアーブロックB1からのエアー供給圧力P1は、ガラス基板3を浮上させて基板ステージ2の上方に静止させている状態のエアー吹出し圧力と同一でもよい。
【0028】
これにより、ガラス基板3の各基準ピン10b、10cから離れた側が持ち上げられる。すなわち、ガラス基板3は、各基準ピン10b、10cに近いエアーブロックB1側の高さ位置が低くなり、各基準ピン10b、10cから離れたエアーブロックB3側の高さ位置が高くなるように傾斜する。この場合、各エアー供給圧力P1、P2、P3の大きさがガラス基板3における各基準ピン10b、10c側からその反対側に向う距離に比例して大きく設定されていれば、ガラス基板3は、撓むことが少なく、平面度を保って傾斜する。
【0029】
このようにガラス基板3が傾斜すると、ガラス基板3は、自重により自ずと各基準ピン10b、10c側に向ってスライド移動する。このスライド移動のときも、各エアー供給圧力P1、P2、P3に保たれたエアーが各エアー孔13から吹き出されているので、ガラス基板3は、傾斜した状態を保ったままで、その傾斜面の方向に沿ってスライド移動する。なお、ガラス基板3の傾斜角度は、例えばガラス基板3をスライド移動可能な最小限の角度に制御され、ガラス基板3は、緩やかにスライド移動する。
【0030】
このスライド移動によりガラス基板3の一辺は、各基準ピン10b、10cに当て付けられ、これら基準ピン10b、10cに接触した状態で静止する。このときガラス基板3の傾斜角度がガラス基板3をスライド移動可能な最小限の角度に制御され、かつ各基準ピン10b、10cが弾性部材により形成されているので、ガラス基板3は、各基準ピン10b、10cに接触したときに衝撃を受けずに静止する。なお、ガラス基板3は、基板ステージ2上に載置されるときに、1つの基準ピン10aに対して当て付けられている。
【0031】
この結果、ガラス基板3は、少なくとも2つの基準ピン10b、10cに接触した状態で静止することにより、基板ステージ2上の基準位置に位置決めされる。なお、ガラス基板3は、2つの基準ピン10b、10cに接触して位置決めされることにより、Y方向の一辺に対する位置決めが精度高くできる。
【0032】
この後、エアー吹出し制御部14は、各エアーブロックB1〜B3へのエアー供給圧力P1、P2、P3を徐々に減じる。これにより、図4に示すうにガラス基板3と基板ステージ2との間に形成されるエア層が小さくなり、ガラス基板3は、基板ステージ2上に水平に載置される。
【0033】
次に、各光学センサ11a、11bは、基板ステージ2上に載置されたガラス基板3に対して非接触でガラス基板3のエッジ位置を検出し、各エッジ位置検出信号を出力する。
【0034】
操作制御部7は、各光学センサ11a、11bから出力された各エッジ位置検出信号を入力し、これらエッジ位置検出信号に基づいてガラス基板3が基準位置に位置決めされたか否かを確認する。
【0035】
この確認の後、ガラス基板3が基準位置に位置決めされていれば、操作制御部7は、操作キー部8からの操作指示を受けて基板ステージ2の吸着動作や、門型アーム5と顕微鏡ヘッド6との各移動動作、顕微鏡ヘッド6における照明装置や観察カメラの動作をそれぞれ制御して、ガラス基板3の表面における欠陥検査を行う。
【0036】
このように上記第1の実施の形態においては、基板ステージ2における各基準ピン10b、10cに近い部分から離れるに従ってエアー供給圧力P1、P2、P3を順次大きく制御(P1<P2<P3)してガラス基板3を傾斜させ、このガラス基板3の自重により自ずと各基準ピン10b、10c側に向ってスライド移動させて、各基準ピン10b、10cに当て付けて基準位置に位置決めする。
【0037】
これにより、基板ステージ2に設けられているガラス基板3のエアー浮上機構をそのまま利用してガラス基板3を傾斜することができ、大型のガラス基板3であっても、ガラス基板3に対して悪影響を与えることなく、高精度に基板ステージ2上の基準位置に位置決めできる。又、ガラス基板3を傾斜させてガラス基板3の自重により自ずと各基準ピン10b、10c側に向ってスライド移動させるので、ガラス基板3に無理な力を与えることがない。これによって大型ガラス基板1を短時間で簡単に位置決めできる。
【0038】
又、ガラス基板3は、基板ステージ2の上方に浮上した状態で傾斜させてスライド移動させるので、基板ステージ2に接触することはなく、ガラス基板3に塵埃が付着することもなく、傷等を付けることもない。
【0039】
又、エアー浮上の搬送ラインによりガラス基板3を搬送し、大型基板検査用顕微鏡を用いてガラス基板3の検査を行う場合には、エアー浮上の搬送ラインに容易に組み込むことができる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0041】
図5及び図6は基板位置決め装置の構成図であって、図5は正面図、図6は断面図である。基板ステージ2上に形成されている複数のエアー孔13は、各基準ピン10b、10cに近い第1のエアー孔群13aと、各基準ピン10b、10cから離れている第2のエアー孔群13bとに分けられている。
【0042】
基板ステージ2の下部には、図6に示すように2つのサージタンク20、21が形成されている。これらサージタンク20、21は、それぞれ立方体状に形成されている。
【0043】
一方のサージタンク20は、第1のエアー孔群13aの各エアー孔13に連通し、第1のエアー孔群13aの全てのエアー孔13に対してそれぞれ一定のエアー供給圧力P1を供給する。
【0044】
他方のサージタンク21は、第2のエアー孔群13bの各エアー孔13に連通し、第2のエアー孔群13bの全てのエアー孔13に対してそれぞれ一定のエアー供給圧力P2を供給する。
【0045】
これらサージタンク20、21からそれぞれ第1と第2のエアー孔群13aとの各エアー孔13に供給される各エアー供給圧力P1、P2は、各基準ピン10b、10cに近い第1のエアー孔群13aへのエアー供給圧力P1よりも、各基準ピン10b、10cから離れている第2のエアー孔群13bへのエアー供給圧力P2の方が大きく設定されている(P1<P2)。
【0046】
なお、2つのサージタンク20、21には、それぞれエアー吹出し制御部14によりエアー供給圧力P1とエアー供給圧力P2とのエアーが供給される。
【0047】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
【0048】
エアー吹出し制御部14は、基板ステージ2の下部の各サージタンク20、21に対して均一な圧力でエアーを供給する。これにより、基板ステージ2上の各エアー孔13からは、各サージタンク20、21を介してそれぞれ均一のエアー吹出し圧力でエアーが吹き出される。
【0049】
ガラス基板3は、図示しない搬送ロボット等により基板ステージ2の上方に搬送され、1つの基準ピン10aに対して当て付けられて、基板ステージ2上に載置される。このとき、各エアー孔13は、それぞれ均一な圧力でエアーを吹き出しているので、ガラス基板3は、ガラス基板搭載面12の上方に浮上して静止する。
【0050】
この状態に、エアー吹出し制御部14は、図6に示すように各基準ピン10b、10cに近いサージタンク20に対してエアー供給圧力P1によりエアーを供給すると共に、各基準ピン10b、10cから離れたサージタンク21に対してエアー供給圧力P2によりエアーを供給する(P1<P2)。
【0051】
このエアー圧力の制御により、各基準ピン10b、10cに近い第1のエアー孔群13aの各エアー孔13からエアー供給圧力P1によるエアーが吹き出され、これと共に各基準ピン10b、10cから離れた第2のエアー孔群13bの各エアー孔13からエアー供給圧力P2によるエアーが吹き出される。
【0052】
これにより、ガラス基板3は、上記同様に、各基準ピン10b、10cから離れた側が持ち上げられ、各基準ピン10b、10cに近い第1のエアー孔群13a側の高さ位置が低くなり、各基準ピン10b、10cから離れた第2のエアー孔群13b側の高さ位置が高くなるように傾斜する。
【0053】
このガラス基板3の傾斜によりガラス基板3は、自重により自ずと各基準ピン10b、10c側に向ってスライド移動し、ガラス基板3の一辺が各基準ピン10b、10cに当て付けられ、これら基準ピン10b、10cに接触した状態で静止する。
【0054】
この結果、ガラス基板3は、3つの基準ピン10a、10b、10cに接触した状態で静止することにより、基板ステージ2上の基準位置に位置決めされる。
【0055】
この後、エアー吹出し制御部14は、各サージタンク20、21へのエアー供給圧力P1、P2を徐々に減じることにより、ガラス基板3と基板ステージ2との間に形成されるエア層が小さくなり、ガラス基板3は、基板ステージ2上に水平に載置される。
【0056】
このように上記第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる上、各サージタンク20、21を介して第1及び第2のエアー孔群13a、13bの各エアー孔13からエアーを吹き出すので、第1及び第2のエアー孔群13a、13bからそれぞれ一定の圧力で安定してエアーを吹き出すことができ、ガラス基板3の位置決め動作が安定化する。
【0057】
なお、上記第2の実施の形態では、第1及び第2のエアー孔群13a、13bに分けてそれぞれに各サージタンク20、21を連結しているが、これに限らず、エアー孔群は複数に分けて、これらエアー孔群に連結する複数のサージタンクを設けてもよい。
【0058】
例えば、第1及び第2のエアー孔群13a、13bをそれぞれY方向に2分割して4つのエアー孔群に形成し、これらエアー孔群にそれぞれ各サージタンクを連結する。これにより、基準ピン10aに近いエアー孔群へのエアー供給圧力と基準ピン10aから離れたエアー孔群へのエアー供給圧力とが調整可能になる。
【0059】
このような各エアー孔群からのエアーの吹き出しによりガラス基板3を傾斜させて基準ピン10aに当て付けることが可能になる。
【0060】
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0061】
図7及び図8は基板位置決め装置の構成図であって、図7は正面図、図8は断面図である。基板ステージ2の下部には、サージタンク22が設けられ、このサージタンク22の各エアー孔13が連通している。このサージタンク22は、全てのエアー孔13に対して一定なエアー供給圧力P1でエアーを供給する。
【0062】
一方、基板ステージ2における各基準ピン10b、10cの設けられている辺側とは対向する辺側の近傍には、各エアー孔13とは別系統の複数のエアー吹き出し孔23が設けられている。これらエアー吹き出し孔23は、各基準ピン10b、10cが設けられている方向(Y方向)に対して平行に一列配列されている。又、これらエアー吹き出し孔23は、各エアー孔13の径よりも大きく形成されている。そして、これらエアー吹き出し孔23は、エアー連通管24を介してサージタンク22内を貫通している。
【0063】
エアー吹出し制御部14は、サージタンク22内にエアー供給圧力P1でエアーを供給すると共に、これとは別系統でエアー連通管24を介してエアー吹き出し孔23にエアー供給圧力P2でエアーを供給する。なお、エアー供給圧力P1とP2とは、P1<P2なる関係である。
【0064】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
【0065】
基板ステージ2の上方に静止浮上しているガラス基板3を基準位置に位置決めするとき、エアー吹出し制御部14は、サージタンク22内にエアー供給圧力P1でエアーを供給すると共に、これとは別系統でエアー連通管24を介してエアー吹き出し孔23にエアー供給圧力P2でエアーを供給する。
【0066】
このエアー圧力の制御により、各エアー孔13からエアー供給圧力P1によるエアーが吹き出され、これと共に各基準ピン10b、10cから離れた各エアー吹き出し孔23からエアー供給圧力P2によるエアーが吹き出される。
【0067】
これにより、ガラス基板3は、上記同様に、各基準ピン10b、10cから離れた側が持ち上げられ、各基準ピン10b、10cに近い辺側の高さ位置が低くなり、各基準ピン10b、10cから離れた辺側の高さ位置が高くなるように傾斜する。
【0068】
このガラス基板3の傾斜によりガラス基板3は、自重により自ずと各基準ピン10b、10c側に向ってスライド移動し、ガラス基板3の一辺が各基準ピン10b、10cに当て付けられ、これら基準ピン10b、10cに接触した状態で静止する。
【0069】
この結果、ガラス基板3は、3つの基準ピン10a、10b、10cに接触した状態で静止することにより、基板ステージ2上の基準位置に位置決めされる。
【0070】
このように上記第3の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる上、基板ステージ2に設けられている既存の浮上機構にエアー吹き出し孔23を形成してエアー連通管24を接続するだけで、簡単に実現できる。
【0071】
次に、本発明の第4の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0072】
図9は基板位置決め装置の構成図である。基板ステージ2に形成されている複数のエアー孔13は、それぞれ各基準ピン10a、10bの設けられた側に傾斜して形成されている。これにより、各エアー孔13は、それぞれエアーを各基準ピン10a、10b側に向って吹き出す。
【0073】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
【0074】
サージタンク22内にエアー供給圧力P1でエアーが供給されると、各エアー孔13からエアー供給圧力P1によるエアーが各基準ピン10a、10b側に向って吹き出される。
【0075】
この状態に、ガラス基板3が基板ステージ2上に載置されると、ガラス基板34は、基板ステージ2との間に形成されるエア層により基板ステージ2の上方に浮上すると共に、各基準ピン10a、10b側に向って吹き出されエアーの圧力を受けて各基準ピン10a、10b側に向ってスライド移動する。
【0076】
このスライド移動によりガラス基板3の一辺が各基準ピン10b、10cに当て付けられ、これら基準ピン10b、10cに接触した状態で静止する。
【0077】
この結果、ガラス基板3は、3つの基準ピン10a、10b、10cに接触した状態で静止することにより、基板ステージ2上の基準位置に位置決めされる。
【0078】
このように上記第4の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0079】
次に、本発明の第5の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0080】
図9は基板位置決め装置の構成図である。基板ステージ2の各コーナ部の下部には、それぞれ除振用の各空気ばね30a、30b、30c、30dが設けられている。これら基板ステージ2及び各空気ばね30a、30b、30c、30dは、ベース31上に設けられている。なお、基板ステージ2は、図示を省略するがガラス基板搭載面12に複数の微小なエアー孔13が所定のピッチでXY方向に形成されている。
【0081】
空気ばね調整部32は、各空気ばね30a、30b、30c、30dに供給する各エアー圧力を調整する。例えば、空気ばね調整部32は、ガラス基板3を基板ステージ2の上方に浮上させて静止させる場合、各空気ばね30a、30b、30c、30dに一定のエアー圧力を供給する。なお、各空気ばね30a、30b、30c、30dの弾性力にばらつきがある場合には、各空気ばね30a、30b、30c、30dに供給する各エアー圧力を微調整する。
【0082】
又、ガラス基板3を基準位置に位置決めする場合、空気ばね調整部32は、例えば各基準ピン10a、10b側の各空気ばね30a、30c、30dに供給する各エアー圧力P30a、P30c、P30dを調整し、空気ばね30dに供給するエアー圧力P30dを最も小さくし、かつ各空気ばね30a、30cに供給するエアー圧力P30a、P30cを空気ばね30bに供給するエアー圧力P30bよりも小さくする。従って、各エアー圧力P30a、P30b、P30c、P30dの大きさは、P30d<P30a,P30c<P30bとなる。なお、P30a=P30cである。
【0083】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
【0084】
基板ステージ2上の複数のエアー孔13に対して均一な圧力のエアーが供給される。これにより、基板ステージ2上の各エアー孔13からは、それぞれ均一のエアー吹出し圧力でエアーが吹き出される。
【0085】
又、空気ばね調整部32は、各空気ばね30a、30b、30c、30dに一定のエアー圧力を供給する。これにより、各空気ばね30a、30b、30c、30dの高さ位置は同一になり、基板ステージ2は水平状態に保たれる。
【0086】
ガラス基板3は、図示しない搬送ロボット等により基板ステージ2の上方に搬送され、基板ステージ2上に載置される。このとき、各エアー孔13は、それぞれ均一な圧力でエアーを吹き出しているので、基板ステージ2上のガラス基板搭載面12とガラス基板3の下面との間にエア層が形成され、ガラス基板3は、ガラス基板搭載面12の上方に浮上する。
【0087】
この状態に、空気ばね調整部32は、図11に示すように空気ばね30dに供給するエアー圧力P30dを最も小さくし、かつ各空気ばね30a、30cに供給するエアー圧力P30a、P30cを空気ばね30bに供給するエアー圧力P30bよりも小さく調整する。
【0088】
このエアー圧力の制御により各空気ばね30a、30b、30c、30dの高さが変化し、空気ばね30dの高さが最も低くなり、次に各空気ばね30a、30cの高さで、空気ばね30bの高さが最も高くなる。
【0089】
これにより、ガラス基板3は、各空気ばね30a、30b、30c、30dの高さと同様に、空気ばね30dで持ち上げられている部分が最も低くなり、次に各空気ばね30a、30cで持ち上げられている部分で、空気ばね30bで持ち上げられている部分が最も高くなるように傾斜する。
【0090】
このガラス基板3の傾斜によりガラス基板3は、自重により自ずと各基準ピン10b、10c側に向ってスライド移動する。このスライド移動によりガラス基板3の一辺は、各基準ピン10a、10b、10cに当て付けられ、これら基準ピン10a、10b、10cに接触した状態で静止する。
【0091】
この結果、ガラス基板3は、3つの基準ピン10a、10b、10cに接触した状態で静止することにより、基板ステージ2上の基準位置に位置決めされる。
【0092】
この後、空気ばね調整部32は、各空気ばね30a、30b、30c、30dに供給するエアーの圧力を均一に調整する。これにより、各空気ばね30a、30b、30c、30dの高さ位置は同一になり、基板ステージ2は水平状態に戻る。
【0093】
このように上記第5の実施の形態においては、基板ステージ2の各コーナ部の下部にそれぞれ除振用の各空気ばね30a、30b、30c、30dを設け、これら空気ばね30a、30b、30c、30dに供給するエアー圧力を調整して基板ステージ2を傾斜させ、この傾斜によってガラス基板3の自重により自ずと各基準ピン10a、10b、10c側に向ってスライド移動させて、各基準ピン10a、10b、10cに当て付けて基準位置に位置決めする。
【0094】
これにより、上記第1の実施の形態と同様な効果を奏することは言うまでもなく、除振用の各空気ばね30a、30b、30c、30dを利用できると共に、これら空気ばね30a、30b、30c、30dにより基板ステージ2を傾斜させるので、ガラス基板3に無理な力を与えること無く、しかも各基準ピン10b、10cに当て付けるときにガラス基板3に衝撃を与えることがない。
【0095】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0096】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、ガラス基板に対して悪影響を与えることなく、短時間で簡単にかつ高精度に所定位置に位置決めできる基板位置決め装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる基板位置決め装置の第1の実施の形態を用いた大型基板検査用顕微鏡を示す構成図。
【図2】同装置に用いられる基板ステージの構成図。
【図3】同装置におけるガラス基板の位置決め作用を示す模式図。
【図4】同装置におけるガラス基板の位置決め後の基板ステージ上の載置を示す模式図。
【図5】本発明に係わる基板位置決め装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図6】同装置の断面図。
【図7】本発明に係わる基板位置決め装置の第3の実施の形態を示す構成図。
【図8】同装置の断面図。
【図9】本発明に係わる基板位置決め装置の第4の実施の形態を示す構成図。
【図10】本発明に係わる基板位置決め装置の第5の実施の形態を示す構成図。
【図11】同装置におけるガラス基板の位置決め作用を示す模式図。
【図12】同装置におけるガラス基板の位置決め後の基板ステージ上の載置を示す模式図。
【符号の説明】
1:ベース、2:基板ステージ、3:ガラス基板、4a,4b:軌道、5:門型アーム、6:顕微鏡ヘッド、7:操作制御部、8:操作キー部、9:ディスプレイ、10a,10b,10c:基準ピン、11a,11b:光学センサ、12:ガラス基板搭載面、13:エアー孔、14:エアー吹出し制御部、20,21:サージタンク、22:サージタンク、23:エアー吹き出し孔、24:エアー連通管、30a,30b,30c,30d:空気ばね、31:ベース、32:空気ばね調整部。
Claims (10)
- 基板を載置するステージと、
前記ステージ上の所定位置に前記基板を傾斜させ位置決めするための位置決め整列手段と、
を具備したことを特徴とする基板位置決め装置。 - 前記ステージの上方に前記基板を浮上させる浮上手段を備え、
前記位置決め整列手段は、前記ステージの上方に浮上している状態で前記基板を傾斜させることを特徴とする請求項1記載の基板位置決め装置。 - 基板を載置するステージと、
前記ステージ上に設けられ、前記基板を前記ステージ上の所定位置に位置決めするための位置決め部材と、
前記ステージの上方に前記基板を浮上させる浮上手段と、
前記ステージの上方に浮上している前記基板に傾斜を与えることにより前記基板をスライド移動させて前記位置決め部材に当て付けて前記基板を前記所定位置に位置決めする位置決め整列手段と、
を具備したことを特徴とする基板位置決め装置。 - 基板を載置するステージと、
前記ステージ上に設けられ、前記基板を前記ステージ上の所定位置に位置決めするための位置決め部材と、
前記ステージの上面に形成された複数の孔からエアーを吹き出して前記基板を前記ステージの上方に浮上させる浮上手段と、
前記ステージの上面から吹き出すエアーの強さを前記ステージ上面の位置によって変化させて前記ステージの上方に浮上している前記基板に傾斜を与えることによりスライド移動させて、前記基板を前記位置決め部材に当て付けて前記基板を前記所定位置に位置決めする位置決め整列手段と、
を具備したことを特徴とする基板位置決め装置。 - 前記位置決め整列手段は、前記複数の孔を前記位置決め部材に対する距離に応じて複数のグループに分割し、これらグループ毎の前記複数の孔に対してそれぞれ連通する複数のサージタンクと、
これらサージタンクに供給するエアー圧力を前記位置決め部材に近い前記サージタンクから離れる前記サージタンクに従って高く設定するエアー圧力設定手段と、
を有することを特徴とする請求項4記載の基板位置決め装置。 - 前記位置決め整列手段は、前記浮上手段による前記複数の孔からのエアーの吹き出しとは別系統で、かつ前記ステージ上面における前記位置決め部材から離れた位置に設けられ、前記浮上手段による前記複数の孔からのエアーの吹き出し強さよりも強いエアー吹き出す別系統エアー吹出し孔を設けたことを特徴とする請求項4記載の基板位置決め装置。
- 基板を載置するステージと、
前記ステージ上に設けられ、前記基板を前記ステージ上の所定位置に位置決めするための位置決め部材と、
前記ステージの上面に形成された複数の孔からエアーを吹き出して前記基板を前記ステージの上方に浮上させる浮上手段と、
を具備し、
前記ステージの上面に形成された前記複数の孔は、前記位置決め部材の設けられた側に傾斜して設けられ、エアーを前記位置決め部材側に吹き出すことを特徴とする基板位置決め装置。 - 基板を載置するステージと、
前記ステージ上に設けられ、前記基板を前記ステージ上の所定位置に位置決めするための基準部材と、
前記ステージの上面に形成された複数の孔からエアーを吹き出して前記基板を前記ステージの上方に浮上させる浮上手段と、
前記ステージを傾斜させることにより前記基板を前記位置決め部材に当て付けて前記基板を前記所定位置に位置決めする位置決め整列手段と、
を具備したことを特徴とする基板位置決め装置。 - 前記位置決め整列手段は、前記ステージを傾斜させる昇降手段を設けたことを特徴とする請求項8記載の基板位置決め装置。
- 前記昇降手段は、空気ばねであることを特徴とする請求項9記載の基板位置決め装置。
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- 2003-05-14 JP JP2003136034A patent/JP2004338849A/ja not_active Withdrawn
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