JP2004338808A - プラスチック容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 残留溶剤臭がなく印刷が鮮明で、かつ光沢、剛性、耐熱性等が良好なプラスチック容器を提供する。
【解決手段】 メルトフローレートが0.01〜30.0g/10分、密度が0.91〜0.97g/cm3のポリエチレン系樹脂シート、およびメルトフローレートが0.01〜30.0g/10分、密度が0.91〜0.97g/cm3のポリエチレン系樹脂と、10〜70重量%の無機充填剤とからなる無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10を主層とし、またはメルトフローレートが0.01〜30.0g/10分、密度が0.91〜0.97g/cm3のポリエチレン系樹脂を発泡させたポリエチレン系発泡樹脂シート30を主層とし、該主層にメルトフローレートが0.1〜20g/10分、密度が0.91〜0.97g/cm3であるポリエチレン系樹脂の水性印刷フィルム20を積層させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は印刷が鮮明であり、かつ光沢、剛性および耐熱性、または断熱性が優れたプラスチック容器に関する。さらに詳しくは、ポリエチレン系樹脂シートを主層とし、または無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートを主層とし、またはポリエチレン系発泡樹脂シートを主層とし、該主層にメルトフローレートが0.01〜20g/10分であるポリエチレン系樹脂の印刷フィルムを積層させることによって得られる積層シートからなるプラスチック容器に関し、溶剤臭がなく印刷が鮮明であり、かつ光沢および剛性および耐熱性が優れ、特に、発泡層を主層とするものは断熱性に優れたプラスチック容器に関するものである。
従来、プラスチック容器に使用されている材料としては、プロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、PET樹脂などがある。しかしながら、いずれの材料にも、一長一短があり、得られる容器の用途によって使用上の制限を受けることが多い。例えば、ポリプロピレン系樹脂は、剛性、耐熱性について優れているものの耐寒衝撃性に問題がある。塩化ビニル系樹脂は、透明性、剛性については優れているが廃棄物公害において問題が有り、スチレン系樹脂は、耐熱性、耐薬品性に弱点がある。また、PET樹脂は透明性に優れるものの耐熱性に難点がある等、それぞれ用途が限定されている。
ポリエチレン系樹脂は環境安全性に優れ、かつ耐寒性および耐薬品性が優れている長所はあるが、しかしプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂およびPET樹脂に比較して剛性が低い短所を有する。また、発泡させてないものは断熱性に劣る。
そのため、ポリエチレン系樹脂のこの欠点を改良するために、例えばタルク、炭酸カルシウムなどの無機充填剤を配合させる方法を取ることがある。ポリエチレン系樹脂に無機充填剤を配合させることによって剛性の向上は認められるが、製造したシートは無機充填剤の影響により平滑で、光沢のある表面状態を得ることができず、表面の外観を重視する用途には使用することができない。また、発泡させたシートは凹凸があり、平滑で光沢のある表面状態を得ることができない。
一般に、プラスチック容器は表面の外観を重視するものが数多く要望されており、これらの要望を満たすために、容器を成形した後、曲面印刷機などを使って印刷している。
また、プロピレン系樹脂シートにプロピレン系樹脂の印刷フィルムを積層し、この積層シートで容器を得る技術が提案されている(例えば、特許文献1,2,3参照)。そして、これらの印刷フィルムにおいて、水性印刷で印刷された印刷フィルムの積層例はなかった。
特公平4−31933号公報 特公平4−31934号公報 特公平4−31935号公報
ところで、容器外観については、意匠性の付与、製品差別化の観点などから、さらに外観が優れている容器が要望されているのが現状である。しかしながら、上述した従来の方法では容器を成形した後で印刷を行うため、コストアップになるなどの問題があった。
また、プロピレン系樹脂シートにプロピレン系樹脂の印刷フィルムを積層した積層シートを用いる技術においては、前述したように耐寒衝撃性に問題があった。また、印刷は有機溶剤に溶かしたインキで印刷するため、残留溶剤臭の問題があった。
本発明は以上の問題点を解決し、主層を構成する特定のポリエチレン系樹脂シートに水性印刷フィルムを積層した積層シートを用いて容器を成形することにより、残留溶剤臭がなく、印刷が鮮明で、かつ光沢、剛性、耐熱性等が良好な容器を簡易に製造することができるプラスチック容器を提供することを目的とする。
本発明者らは、ポリエチレン系樹脂が有する特徴または断熱性を発揮しつつ印刷が鮮明であるばかりでなく、残留溶剤臭がなく、光沢、剛性、耐寒衝撃性および耐熱性または断熱性が優れたプラスチック容器を得るべく鋭意検討した結果、特定のメルトフローレートおよび密度を持つ二軸延伸されたポリエチレン系樹脂シート、または特定のメルトフローレートおよび密度を持つポリエチレン系樹脂と無機充填剤とからなる無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート、または特定のメルトフローレートおよび密度を持つポリエチレン系発泡樹脂シートを主層とし、この主層に特定のメルトフローレートおよび密度を持つポリエチレン系樹脂の水性印刷のフィルムを熱貼合によって積層させた積層シートで容器を成形することにより、印刷が鮮明であるのみならず、残留溶剤臭がなく光沢、剛性、耐寒衝撃性および耐熱性または断熱性が著しく優れていることを見出し、本発明に到達した。
本発明によるプラスチック容器は、メルトフローレートが0.01〜30.0g/10分、密度0.81〜0.97g/cm3の二軸延伸されたポリエチレン系樹脂シートまたは、メルトフローレートが0.01〜30.0g/10分、密度0.91〜0.97g/cm3のポリエチレン系樹脂と、10〜70重量%の無機充填剤とからなる無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートを主層とし、またはメルトフローレートが0.01〜30.0g/10分、密度0.91〜0.97g/cm3のポリエチレン系樹脂を発泡させたポリエチレン系発泡樹脂シートを主層とし、該主層にメルトフローレートが0.1〜20g/10分、密度0.91〜0.97g/cm3であるポリエチレン系樹脂の水性印刷フィルムを熱貼合によって積層させることによって得られる積層シートからなることを特徴としている。
本発明によって得られるプラスチック容器は、その製造工程を含めて下記のごとき効果を発揮する。
(1) ポリエチレン系樹脂の分野において、一般に行われている方法によって簡易に製造することができる。
(2) 安価であり、かつ鮮明に印刷することができる。
(3) 容器表面の光沢を良好にすることができる。
(4) 剛性の向上により、容器の薄肉化が実現できる。
(5) 耐熱性が向上し、電子レンジ等による加熱に対応できる。また、ポリエチレン系発泡樹脂シートを主層とするものは断熱性を付与できる。
(6) フィルムに印刷を施してあるため、一般に行われている曲面印刷機などを使用せずに簡易に印刷された容器を製造することができる。
(7) 耐寒衝撃性に優れた容器を得ることができる。
(8) 印刷フィルムは水性印刷され、積層も熱ラミネートで積層されて溶剤を使わないので、電子レンジで加熱した時にも残留溶剤臭がない。
本発明のプラスチック容器においては、主層として、二軸延伸されたポリエチレン系樹脂シート、または無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート、またはポリエチレン系発泡樹脂シートが使用される。
[ポリエチレン系樹脂シート]
ポリエチレン系樹脂シートはポリエチレン系樹脂を押出してシート状に形成したものである。
<ポリエチレン系樹脂>
ポリエチレン系樹脂としては、エチレンの単独重合体ならびにエチレンおよび/もしくは炭素数が多くとも12個の他のα−オレフィンとの共重合体(エチレンおよび他のα−オレフィンの共重合割合は、合計量として多くとも30重量%)が挙げられる。α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘテセン−1、オクセン−1などが例示される。
これらのポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(JIS
K−6922−2に準拠、以下「MFR」という)は、0.01〜30.0g/10分であることを要し、0.1〜20.0g/10分であることが好ましく、0.2〜15.0g/10分であることがより好ましい。MFRが0.01g/10分未満のポリエチレン系樹脂を用いると、シートの成形性が悪く、良好なシートを得ることが困難である。一方、30.0g/10分を超えたポリエチレン系樹脂を用いると、熱成形時にドローダウンが大きく、良好な容器が得られない。
また、ポリエチレン系樹脂の密度(JIS
K−6922−2)は、0.91〜0.97g/cm3であることを要し、0.925〜0.960g/cm3であることが好ましく、0.940〜0.955g/cm3であることがより好ましい。密度が0.91g/cm3未満のポリエチレン系樹脂を用いると、耐熱性および剛性の低下に問題がある。
これらのポリエチレン系樹脂は、遷移金属化合物(例えば、チタン化合物等の遷移金属化合物)を担体(例えば、マグネシウム系化合物、その処理物)に担持させることによって得られる担体担持型触媒と、有機金属化合物(例えば、有機アルミニウム化合物)から得られる触媒系(いわゆるチーグラー・ナツタ触媒)の存在下でエチレンを単独重合またはエチレンおよび/もしくは前記の他のα−オレフィンとを共重合させることによって得られる。
そのほか、アルモキサン等を助触媒とするシクロペンタジエニル基を配位子とするメタロセン錯体触媒系や酸化クロムをシリカ等の担体に担持させた所謂フィリップス触媒系により製造されるポリエチレン系樹脂も用いることができる。本発明で用いられる上記ポリエチレン系樹脂は、いずれにしろ直鎖状のポリエチレンであって、短鎖分岐を有することができる。後述の高圧ラジカル重合法で製造されるポリエチレン系樹脂は長鎖分岐を有し、直鎖状のポリエチレンとはされないものである。
また、ドローダウンを抑え、良好な成形性を確保するために、高圧ラジカル重合によって得られるメルトフローレートが0.01〜10.0g/10分、密度が0.91〜0.93g/cm3であるポリエチレン系樹脂、とりわけメルトフローレートが0.1〜5.0g/10分、密度が0.91〜0.93g/cm3のポリエチレン系樹脂を主層に10〜40重量%添加することが有効である。
<ポリエチレン系樹脂シートの成形>
本発明によるポリエチレン系樹脂シートは公知のTダイ法やインフレーション法で成形することが出来る。この時、シートを加熱して容器に成形する際に加熱軟化によるドローダウンを延伸効果の張り返しによって少なくするように完全に冷却する前に縦、横方向に夫々1.1〜7.0倍、好ましくは1.2〜5.0倍、より好ましくは1.3〜4.0倍の二軸延伸を行なって成形される。
また、二軸延伸されたポリエチレン系樹脂シートの厚みは、0.20mm〜2.0mm、好ましくは0.25mm〜1.0mmである。
[無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート]
無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートは、ポリエチレン系樹脂に無機充填剤を含有させてシート状に形成したものである。
<ポリエチレン系樹脂>
ポリエチレン系樹脂としては前記ポリエチレン系樹脂シートに用いられたポリエチレン系樹脂を使うことが出来る。
<無機充填剤>
本発明の無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートに用いる無機充填剤は、一般に合成樹脂およびゴムの分野において広く使われているものであり、酸素や水に不活性な無機化合物であり、混練時および成形時において分解しないものが好んで用いられる。このような無機充填剤は、アルミニウム、銅、鉄、鉛およびニッケルのごとき金属、これらの金属およびマグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ジルコニウム、モリブテン、ケイ素、アンチモン、チタンなどの金属の酸化物、その水和物(水酸化物)、硫酸塩、尿酸塩、ケイ酸塩のごとき化合物、これらの複塩ならびにこれらの混合物に大別される。
無機充填剤の代表例としては、前記の金属、酸化アルミニウム(アルミナ)、その水和物、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム(マグネシア)、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、鉛丹および鉛丹のごとき鉛の化合物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ホワイトカーボン、アスベスト、マイカ、タルク、ガラス繊維、ガラス粉末、ガラスビーズ、クレー、硅酸土、シリカ、ワラストナイト、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化チタン(チタニア)、リトポン、珪石粉、硫酸アルミニウム(石膏など)、珪酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、炭酸バリウム、ドロマイト、二硫化モリブテンおよび砂鉄が挙げられる。
これらの無機充填剤のうち、粉末状のものは、その径が30μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。また、繊維状のものは、径が1〜500μmであることが好ましく、1〜300μmであることがより好ましく、長さが0.1〜8mmであることが好ましく、0.1〜5mmであることがより好ましい。さらに、平板状のものは、径が30μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。これらの無機充填剤のうち、特に平板状(フレーク状)のものおよび繊維状のものが好適である。
<無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂の製造>
無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートに用いる無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂は、前記のポリエチレン系樹脂と無機充填剤とを均一に混合させることによって製造する。
無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂中に占める無機充填剤の組成割合(含有割合)は、10〜70重量%であり、15〜70重量%が好ましく、20〜70重量%がより好ましい。無機充填剤ポリエチレン系樹脂中に占める無機充填剤の組成割合が10重量%未満では、得られる容器の剛性が不足する。一方、70重量%を超えると得られる容器の耐衝撃性が著しく実用に適しない容器しか得られない。
無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂を製造するにあたり、ポリエチレン系樹脂および無機充填剤を均一に混合することによって目的を達成することができる。すなわち、無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂は、ポリオレフィンの業界において一般に使われているヘンシエルミキサーのごとき混合機を用いてドライブレンドしてもよく、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールミルおよびスクリュー押出機のごとき混合機を使用して溶融混練することによって得ることができる。この際、あらかじめドライブレンドし、得られる組成物(混合物)溶融混練することによって均一状の組成物を得ることができる。この場合、一般には溶融混練した後、ペレット状物に成形し、後段の成形に供する。
さらに、無機充填剤含有ポリエチレン樹脂を製造するとき、全組成物を同時に混合してもよく、また、それらのうち一部を予め混合して、例えば、無機充填剤のマスターバッチを作成し、得られた組成物(マスターバッチ)に残りの組成成分を混合してもよい。要するに無機充填剤含有ポリエチレン樹脂を製造するには、全組成成分が前記の組成割合になるように、かつ均一状になるようにすれば、目的を達成することができる。
また、無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂には、必要によりオレフィン系樹脂の分野に一般に使われている熱、光(紫外線)および酸素に対する安定剤、難燃化剤、滑剤、加工性改良剤ならびに帯電防止剤のごとき添加剤を、上述した効果(特徴)を損なわない範囲において添加(配合)してもよい。
<無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートの成形>
本発明による無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートは、公知の各種方法で成形することができるが、ニ軸延伸させたポリエチレンシートを加熱する際に、加熱軟化によるドローダウンを所定範囲内としつつニ軸延伸の延伸効果による張り返しを引き出すように加熱制御して同ポリエチレンシートを加熱軟化させ、加熱軟化したポリエチレンシートに対して所定の熱成型金型を使用して熱成形を行なうことにより成形することが好ましい。
以上のような成形方法においては、ニ軸延伸させたポリエチレンシートを過熱していくと過熱軟化によるドローダウンが生じるが、同ポリエチレンシートはニ軸延伸されているので、平面上で様々な方向に延伸されたポリエチレンの高分子は元の状態に戻ろうとして縮む傾向がある。すなわち、ニ軸延伸させたポリエチレンシートを加熱軟化させると、ニ軸延伸の延伸効果による張り返しが生じることになる。そこで、加熱軟化によるドローダウンを所定範囲内としつつニ軸延伸の延伸効果による張り返しを引き出すように過熱制御してニ軸延伸させたポリエチレンシートを加熱軟化させると、加熱軟化したポリエチレンシートを張り返しによりドローダウンしていない状態に保持することができ、熱成形を行なうことが出来る。したがって、ポリエチレンシートに対して熱成形を安定して行なうことが出来る。
無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートの厚みは、0.20mm〜2.0mm、好ましくは0.25mm〜1.0mmである。
[ポリエチレン系発泡樹脂シート]
ポリエチレン系発泡樹脂シートは、ポリエチレン系樹脂を発泡させてシート状に形成したものである。
<ポリエチレン系樹脂>
ポリエチレン系樹脂シートに用いたポリエチレン系樹脂と同一であっても良く、すなわち、メルトフローレートが0.01〜30.0g/10分であることを要し、0.1〜20.0g/10分であることが好ましく、0.2〜15.0g/10分であることがより好ましい。MFRが0.01g/10分未満のポリエチレン系樹脂を用いると、シートの成形性が悪く、良好なシートを得ることが困難である。一方、30.0g/10分を超えたポリエチレン系樹脂を用いると、熱成形時にドローダウンが大きく、良好な容器が得られない。また、溶融張力が小さく良好な発泡が得られない。
また、ポリエチレン系樹脂の密度は、0.91〜0.97g/cm3であることを要し、0.920〜0.960g/cm3であることが好ましく、0.925〜0.955g/cm3であることがより好ましい。密度が0.91g/cm3未満のポリエチレン系樹脂を用いると、発泡の際、成形が困難となり、また腰が弱くなるので好ましくない。
<発泡>
ポリエチレン系発泡樹脂シートの発泡倍率は、1.2〜10.0倍が好ましく、1.3〜7.0倍がより好ましく、1.5〜5.0倍が最も好ましい。発泡倍率が1.2倍未満では、断熱性を付与することが難しくなる。一方、10.0倍を超えると、発泡したセル同士がくっついてしまったり、容器に成形する時、成形が難しく、また得られた容器も発泡によって腰が弱くなり、軟らかな容器となる。
ポリエチレン系発泡樹脂シートを得るには、Tダイ法、インフレーション法とも使用する押出機の中に炭酸ガス等を封入するガス発泡、(重曹+クエン酸)粉末等を混練、分解させる化学発泡等、通常の物理または化学発泡法で得ることができる。
ポリエチレン系発泡樹脂シートの厚みは、0.25mm〜5.0mm、好ましくは0.30mm〜3.0mmである。
[水性印刷フィルム]
水性印刷フィルムは、前記主層としてのポリエチレン系樹脂シート、無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート、またはポリエチレン系発泡樹脂シートに積層されるものであり、ポリエチレン系樹脂フィルムに水性印刷が施されているものである。
<ポリエチレン系樹脂>
ポリエチレン系樹脂のMFRは0.1〜20g/10分であり、0.2〜10g/10分であることが好ましく、0.3〜5.0g/10分であることがより好ましい。MFRが0.1g/10分未満のポリエチレン系樹脂を用いると、印刷されたフィルムは熱成形時に光沢がなくなり、鮮明に印刷された容器を製造することができない。一方、20g/10分を超えたポリエチレン系樹脂を用いると、成形性が悪く、良好なフィルムを得られない。
また、ポリエチレン系樹脂の密度は、0.91〜0.97g/cm3であることを要し、0.920〜0.960g/cm3であることが好ましく、0.930〜0.945g/cm3であることがより好ましい。密度が0.91g/cm3未満のポリエチレン系樹脂を用いると、耐熱性が低下するものである。
このようなポリエチレン系樹脂は、前記のポリエチレン樹脂に用いたポリエチレン系樹脂と同種、またはこれに高圧ラジカル重合によって得られるMFRが0.1〜5.0g/10分、密度0.91〜0.93g/cm3のポリエチレン系樹脂を添加することにより得ることができる。
また、このポリエチレン系樹脂には、前記ポリエチレン系樹脂および無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂と同様に、必要によりオレフィン系樹脂の分野に一般に使われている熱、光(紫外線)および酸素に対する安定剤、難燃化剤、滑剤、加工性改良剤ならびに帯電防止剤のごとき添加剤を、前記混合方法で添加(配合)してもよい。
<印刷>
以上のポリエチレン系樹脂、または添加剤が配合されたポリエチレン系樹脂を後記のようにしてフィルムに成形し、その表面に一般に合成樹脂のフィルムまたはシートに行われている方法によって水性印刷する。印刷の方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、活版印刷、スクリーン印刷などがある。
また、印刷に用いられるインキとしては、従来用いられている水性インキを用いることができる。
<厚さ>
印刷フィルムの厚さは、5μmを超え、かつ300μm未満であることが好ましく、5μmを超え、かつ250μm未満がより好ましく、10μmを超え、かつ100μm未満が最も好ましい。印刷フィルムの厚さが5μm以下では、熱成形する際、印刷フィルムが破れ、むらなどが生じ、またフィルムを製造する際、良好なフィルムを製造することが難しい。一方、300μm以上であると、印刷の鮮明度が低くなる。
[シートおよびフィルムの成形]
ポリエチレン系樹脂シート、無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート、またはポリエチレン系発泡樹脂シートを製造する場合でも、印刷フィルムを製造する場合でも、一般のオレフィン系樹脂の分野において実施されている成形方法を適用すればよい。この成形方法の代表例としては、Tダイ法、インフレーション法が挙げられる。
なお、主層は、単層でもよいが、内容物等への影響を考慮して多層にしてもよい。例えば、直接内容物に接触しない層に無機充填剤含有シートを配置し、内容物に接触する層(プラスチック容器の内面になる層)に、無機充填剤を含有しないポリエチレン系樹脂シートを配置することが、安全・衛生性の観点から好適である。この場合、Tダイ法、インフレーション法とも多層機を用いることで、多層からなる主層を得ることができる。
[積層シートの製造]
本発明のプラスチック容器を製造するには、まず、以上のようにして製造されたポリエチレン系樹脂シート、無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート、またはポリエチレン系発泡樹脂シートに水性印刷フィルムを積層して積層シートを製造する。この積層方法は、一般に合成樹脂の分野において実施されているシート、またはフィルムの積層方法を適用することができる。代表的な積層方法としては、ドライラミネート法および押出ラミネート法が挙げられるが、残留溶剤臭がない押し出し時の熱貼合による押出しラミネートが用いられる。
この積層シートを製造する際、予めポリエチレン系樹脂シート、無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート、またはポリエチレン系発泡樹脂シートおよび水性印刷フィルムを前記の方法によって製造し、それらを積層してもよい。また、これらのうち水性印刷フィルムを予め成形し、ポリエチレン系樹脂シートおよび無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート又はポリエチレン系発泡樹脂シートを製造しながら積層シートを製造する。
このようにして製造された積層シートの厚さは、通常0.1〜5.0mmであり、0.2〜3.0mmが好ましく、0.3〜2.0mmがより好ましい。シートの厚さが0.1mm未満では、剛性または断熱性が不足して容器を製造することができない。一方、5.0mmを超えると、積層シートから容器を製造することが困難であり、良好な容器を得ることができない。
以上の溶融混練の場合でも、ポリエチレン系樹脂シート、無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート、ポリエチレン系樹脂発泡シートおよびポリエチレン系樹脂の水性印刷フィルムを製造する場合でも、さらにこれからなる積層シートを製造する場合でも、いずれも使われるポリエチレン系樹脂の融点以上の温度であるが、ポリエチレン系樹脂が劣化しない温度で実施しなければならない。これらのことから、いずれの場合でも120〜280℃の温度範囲で実施しなければならない。
[容器の製造]
このようにして製造された積層シートから容器を製造する方法は、ポリエチレン系樹脂の分野において通常実施されている真空成形法、圧空成形法、真空・圧空成形法およびプレス成形法のうち、いずれかを採用して製造すればよい。なお、これらの成形条件は成形方法、使われる成形機の種類、金型の構造、その成形条件(例えば成形温度、圧力)の相互の関係によってそれぞれ最適条件が決定するために、適宜最適な条件に設定して行う。
[プラスチック容器の用途]
本発明によって得られたプラスチック容器は、多方面に渡って利用することができる。代表的な用途を下記に示す。
(1) 惣菜などのトレイ類
(2) プリン、ゼリー、冷菓、ようかん、マーガリンなどのカップ類
(3) レトルトおよび冷凍食品容器
(4) カップ麺容器
(5) 弁当容器
(6) 各種ふた類
(7) 自動車内装材
(8) 断熱性のある電子レンジ容器
[プラスチック容器の層構成]
本発明によるプラスチック容器の層構成の代表例を図面を参照して説明する。
図1〜図5は、それぞれプラスチック容器の層構成を示す模式図である。
図1に示すプラスチック容器は、主層としての二軸延伸されたポリエチレン系樹脂シート40に、印刷フィルム20が積層されている。印刷フィルム20はポリエチレン系樹脂フィルム21に印刷層22が施されたもので、印刷層22がポリエチレン系樹脂シート40に密着している。
図2に示すプラスチック容器は、二軸延伸されたポリエチレン系樹脂シート40の代りに無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10を主層として用いたもので、その他の構成は図1と同様である。
図3に示すプラスチック容器は、二軸延伸されたポリエチレン系樹脂シート40の代わりにポリエチレン系発泡樹脂シート30を主層として用いたもので、その他の構成は図1と同様である。
図4に示すプラスチック容器は、主層として、内側(図中、下側。プラスチック容器の内面側、以下、同様)に位置して無機充填剤を含有しておらず、かつ延伸されていないポリエチレン系樹脂シート50、中間に位置して無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10、外側(図中、上側。プラスチック容器の外面側、以下、同様)に位置して無機充填剤を含有しておらず、かつ延伸されていないポリエチレン系樹脂シート50からなる3層で構成し、この外側に位置するポリエチレン系樹脂シート50に、印刷フィルム20を積層したものである。
図5に示すプラスチック容器は、主層として、内側に位置して無機充填剤を含有しておらず、かつ延伸されていないポリエチレン系樹脂シート50、外側に位置して無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10からなる2層で構成し、この外側に位置するポリエチレン系樹脂シート10に、印刷フィルム20を積層したものである。
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳しく説明する。
<印刷フィルムの製造>
MFRが0.3g/10、密度が0.956g/cm3であるエチレン単独重合体である樹脂を用いインフレーション法で成膜し、厚さ50μmのフィルムを作成した。得られたフィルムをコロナ処理を行って濡れ指数42ダインにし、その後水性グラビア印刷を行なってポリエチレン系樹脂フィルムに印刷層を形成した印刷フィルムを製造した。
<ポリエチレン系樹脂シートの製造>
MFRが0.3g/10分、密度が0.956g/cm3であるエチレン単独重合体と、MFRが1.0g/10分、密度が0.924g/cm3であるエチレン重合体(高ラジカル重合法)とを、70重量%と30重量%との割合で混練したエチン単独重合体のペレットをTダイを備えた押出機(径65mm)を使用して240℃において押出し、ロール圧着方式でシートの成形を行った。
この際、圧着ロールの入口で前記印刷フィルムを合流させ、ロールの熱圧力で熱ラミネートさせた後、圧着ロールの直後で縦方向は引取ロールと圧着ロールの速度差で、横方向はピンチコックによる拡巾によって縦方向、横方向、夫々2.0倍の二軸延伸を行なって厚さ0.50mm、巾300mmの積層シートを製造した。
<プラスチック容器の製造>
このようにして得られた積層シートをロール連続熱成形機(浅野研究所社製、形式名「FLX−02型」、オーブン型式、両面赤外線加熱方式)を使って(縦140mm×横140mm×深さ50mm)の容器を作成した。
<結果>
得られた容器は残留溶剤臭もなく、印刷も鮮明で光沢があり、かつ偏肉やブリッヂも発生することなく良好な容器であった。
[比較例1]
シートの製造で二軸延伸以外は全く実施例1と同様に行なった。
得られた容器は偏肉があり(シートの中央部に相当する部分が薄い)ブリッヂの発生(ドローダウンによってシートの面積が全型の投影面積より広くなるため余ったシートの部分がしわになる)があり良好な容器を作ることは不可能であった。
[実施例2〜7、比較例2〜5]
<ポリエチレン系樹脂>
PE1:MFRが0.04g/10分、密度が0.951g/cm3であるエチレン単独重合体
PE2:MFRが0.3g/10分、密度が0.956g/cm3であるエチレン単独重合体
PE3:MFRが5.0g/10分、密度が0.962g/cm3であるエチレン単独重合体
PE4:MFRが10.0g/10分、密度が0.962g/cm3であるエチレン単独重合体
PE5:MFRが0.3g/10分、密度が0.956g/cm3であるエチレン単独重合体と、MFRが1.0g/10分、密度が0.924g/cm3であるエチレン重合体(高圧ラジカル重合法)とを、70重量%と30重量%との割合で混練したエチレン単独重合体
<無機充填剤>
平均粒径が15μmであるタルク
<無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートの製造>
無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂と、予めポリエチレン系樹脂と無機充填剤を混練しペレット形状化したもの(マスターバッチ)をヘンシエルミキサーを使ってドライブレンドを行った。
また、ポリエチレン系樹脂を用いてインフレーション法でポリエチレンフィルムを製造し、このポリエチレンフィルムをコロナ処理し、表面の濡れ指数を42ダインにし、その後水性グラビア印刷を行い、ポリエチレン系樹脂フィルムに印刷層を形成した水性印刷フィルムを製造した。
そして、ペレットをTダイを備えた押出機(径65mm)を使用して240℃において押し出し、ロール圧着方式でシートの成形を行った。この際、圧着ロールの入口で前記水性印刷フィルムを合流させ、ロールの熱圧力で無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートに熱ラミネートさせ、積層シート(幅300mm)を製造した。
<プラスチック容器の製造>
このようにして得られた積層シートをロール連続熱成形機(浅野研究所社製,形式名『FLX−02型』,オーブン型式,両面赤外線加熱方式)を使って(縦140mm×横140mm×深さ50mm)を作成した。
<実施例2>
図2に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10の樹脂としてはPE1を用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE2を用いた。詳細を表1に示す。
<実施例3>
図2に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10の樹脂としてはPE2を用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE4を用いた。詳細を表1に示す。
<実施例4>
図2に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10の樹脂としてはPE3を用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE2を用いた。詳細を表1に示す。
<実施例5>
図2に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10の樹脂としてはPE14用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE2を用いた。詳細を表1に示す。
<実施例6>
図2に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10の樹脂としてはPE5を用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE2を用いた。詳細を表1に示す。
<実施例7>
図4に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10の樹脂としてはPE5を用い、ポリエチレン系樹脂シート50の樹脂としては、PE5を用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE2を用いた。詳細を表1に示す。
<比較例2>
図2に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートの樹脂としてはPE1を用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE2を用いた。詳細を表1に示す。
<比較例3>
図2に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10の樹脂としてはPE2を用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE4を用いた。詳細を表1に示す。
<比較例4>
図2に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10の樹脂としてはPE4を用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE2を用いた。詳細を表1に示す。
<比較例5>
図2に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10の樹脂としてはPE5を用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE1を用いた。詳細を表1に示す。
以上の実施例および比較例の表面(印刷面)の光沢、剛性および耐熱性の測定を行った。また、印刷の鮮明度を判定した。結果を表2に示す。
Figure 2004338808
Figure 2004338808
<印刷面の光沢>
ヘイズ:JIS
K−7136に準拠して測定した。
<剛性>
容器の底部を切り出し、ASTM
D−747に準拠して測定した。
<耐熱性>
JIS
K−6922−2による荷重たわみ温度を測定した。
<印刷の鮮明度>
目視にて観察し、以下のように判定した。
〇:印刷模様の鮮明度が容器の成形前と変わっていない。
×:印刷模様の鮮明度が容器を成形することによって変わってしまう。
<結果>
以上の実施例および比較例の結果から、本願発明によって得られるプラスチック容器は、表面の光沢および剛性が優れているのみならず、耐熱性も良好なものであった。また、印刷模様が鮮明であった。
これに対し比較例は、表面の光沢、剛性、耐熱性および印刷模様の鮮明性の全てが良好なものは無かった。なお、比較例4は、積層シートを成形、圧空成形およびプレス成形を行ったがいずれも表面にしわが生じた。
<実施例8>
前記PE5のペレットをTダイを備えた押出機(径65mm)を使用し、押出機の中の溶融ゾーン以降の部分に炭酸ガスを1.2kg/cm2の圧力で吹き込み、240℃において押し出し、ロール圧着方式でポリエチレン系発泡樹脂シートの成形を行った。この際、圧着ロールの入口で前記PE2を用いた50μmの水性印刷フィルムを合流させ、ロールの熱圧力でポリエチレン系発泡樹脂シートに熱圧着させ、厚さ2500μm、幅300mmの発泡積層シートを製造した。
得られた積層シートをロール連続熱成形機(浅野研究所製,形式名FLX−02型,オーブン型式,両面赤外線加熱方式)を使って(縦140mm×横140mm×深さ50mm)の容器を作成した。
このようにして得られたプラスチック容器は、印刷面に光沢があり、印刷も鮮やかであった。
<比較例6>
前記実施例8で得たと同一のポリエチレン系発泡樹脂シートを用い(印刷フィルムを合流させていない)、前記実施例8と同様の方法でプラスチック容器を作製し、このプラスチック容器に曲面印刷機で印刷を施した。
このようにして得られたプラスチック容器は、ポリエチレン系発泡樹脂シート表面の凹凸のため印刷することが不可能であった。
本発明によるプラスチック容器の一実施形態の層構成を示す模式図である。 本発明によるプラスチック容器の他の実施形態の層構成を示す模式図である。 本発明によるプラスチック容器の他の実施形態の層構成を示す模式図である。 本発明によるプラスチック容器の他の実施形態の層構成を示す模式図である。 本発明によるプラスチック容器の他の実施形態の層構成を示す模式図である。
符号の説明
10…無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート
20…印刷フィルム
21…ポリエチレン系樹脂フィルム
22…印刷層
30…ポリエチレン系発泡樹脂シート
40…二軸延伸されたポリエチレン系樹脂シート
50…ポリエチレン系樹脂シート

Claims (5)

  1. メルトフローレートが0.01〜30.0g/10分、密度が0.91〜0.97g/cm3の二軸延伸されたポリエチレン系樹脂シートシート、メルトフローレートが0.01〜30.0g/10分、密度が0.91〜0.97g/cm3のポリエチレン系樹脂と、10〜70重量%の無機充填剤とからなる無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート、またはメルトフローレートが0.01〜30.0g/10分、密度が0.91〜0.97g/cm3のポリエチレン系樹脂を発泡させたポリエチレン系発泡樹脂シートを主層とし、該主層にメルトフローレートが0.1〜20g/10分、密度が0.91〜0.97g/cm3であるポリエチレン系樹脂の水性印刷フィルムを熱貼合によって積層させることによって得られる積層シートからなることを特徴とするプラスチック容器。
  2. 前記ポリエチレン系樹脂シートに、メルトフローレートが0.01〜10.0g/10分、密度が0.91〜0.93g/cm3の高圧ラジカル重合法により製造されるポリエチレン系樹脂が10〜40重量%添加されており、または前記無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートに、メルトフローレートが0.01〜10.0g/10分、密度が0.91〜0.93g/cm3の高圧ラジカル重合法により製造されるポリエチレン系樹脂が10〜40重量%添加されている請求項1に記載のプラスチック容器。
  3. 前記水性印刷フィルムの厚さが、5μmを越え、かつ300μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック容器。
  4. 前記無機充填材含有ポリエチレン系樹脂シートの少なくとも容器内面側に対し充填剤を含有しないポリエチレン系樹脂シートを積層することを特徴とする請求項1、2または3に記載のプラスチック容器。
  5. 前記ポリエチレン系樹脂シートまたは、前記無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートが、ニ軸延伸させたポリエチレンシートを加熱する際に、加熱軟化によるドローダウンを所定範囲内としつつニ軸延伸の延伸効果による張り返しを引き出すように加熱制御して同ポリエチレンシートを加熱軟化させ、加熱軟化したポリエチレンシートに対して所定の熱成型金型を使用して熱成形を行なうことにより成形されたものである請求項1、2、3または4に記載のプラスチック容器。
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