JP2004338808A - プラスチック容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 メルトフローレートが0.01〜30.0g/10分、密度が0.91〜0.97g/cm3のポリエチレン系樹脂シート、およびメルトフローレートが0.01〜30.0g/10分、密度が0.91〜0.97g/cm3のポリエチレン系樹脂と、10〜70重量%の無機充填剤とからなる無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10を主層とし、またはメルトフローレートが0.01〜30.0g/10分、密度が0.91〜0.97g/cm3のポリエチレン系樹脂を発泡させたポリエチレン系発泡樹脂シート30を主層とし、該主層にメルトフローレートが0.1〜20g/10分、密度が0.91〜0.97g/cm3であるポリエチレン系樹脂の水性印刷フィルム20を積層させる。
【選択図】 図1
Description
ポリエチレン系樹脂シートはポリエチレン系樹脂を押出してシート状に形成したものである。
ポリエチレン系樹脂としては、エチレンの単独重合体ならびにエチレンおよび/もしくは炭素数が多くとも12個の他のα−オレフィンとの共重合体(エチレンおよび他のα−オレフィンの共重合割合は、合計量として多くとも30重量%)が挙げられる。α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘテセン−1、オクセン−1などが例示される。
K−6922−2に準拠、以下「MFR」という)は、0.01〜30.0g/10分であることを要し、0.1〜20.0g/10分であることが好ましく、0.2〜15.0g/10分であることがより好ましい。MFRが0.01g/10分未満のポリエチレン系樹脂を用いると、シートの成形性が悪く、良好なシートを得ることが困難である。一方、30.0g/10分を超えたポリエチレン系樹脂を用いると、熱成形時にドローダウンが大きく、良好な容器が得られない。
K−6922−2)は、0.91〜0.97g/cm3であることを要し、0.925〜0.960g/cm3であることが好ましく、0.940〜0.955g/cm3であることがより好ましい。密度が0.91g/cm3未満のポリエチレン系樹脂を用いると、耐熱性および剛性の低下に問題がある。
本発明によるポリエチレン系樹脂シートは公知のTダイ法やインフレーション法で成形することが出来る。この時、シートを加熱して容器に成形する際に加熱軟化によるドローダウンを延伸効果の張り返しによって少なくするように完全に冷却する前に縦、横方向に夫々1.1〜7.0倍、好ましくは1.2〜5.0倍、より好ましくは1.3〜4.0倍の二軸延伸を行なって成形される。
無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートは、ポリエチレン系樹脂に無機充填剤を含有させてシート状に形成したものである。
ポリエチレン系樹脂としては前記ポリエチレン系樹脂シートに用いられたポリエチレン系樹脂を使うことが出来る。
本発明の無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートに用いる無機充填剤は、一般に合成樹脂およびゴムの分野において広く使われているものであり、酸素や水に不活性な無機化合物であり、混練時および成形時において分解しないものが好んで用いられる。このような無機充填剤は、アルミニウム、銅、鉄、鉛およびニッケルのごとき金属、これらの金属およびマグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ジルコニウム、モリブテン、ケイ素、アンチモン、チタンなどの金属の酸化物、その水和物(水酸化物)、硫酸塩、尿酸塩、ケイ酸塩のごとき化合物、これらの複塩ならびにこれらの混合物に大別される。
無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートに用いる無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂は、前記のポリエチレン系樹脂と無機充填剤とを均一に混合させることによって製造する。
本発明による無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートは、公知の各種方法で成形することができるが、ニ軸延伸させたポリエチレンシートを加熱する際に、加熱軟化によるドローダウンを所定範囲内としつつニ軸延伸の延伸効果による張り返しを引き出すように加熱制御して同ポリエチレンシートを加熱軟化させ、加熱軟化したポリエチレンシートに対して所定の熱成型金型を使用して熱成形を行なうことにより成形することが好ましい。
ポリエチレン系発泡樹脂シートは、ポリエチレン系樹脂を発泡させてシート状に形成したものである。
ポリエチレン系樹脂シートに用いたポリエチレン系樹脂と同一であっても良く、すなわち、メルトフローレートが0.01〜30.0g/10分であることを要し、0.1〜20.0g/10分であることが好ましく、0.2〜15.0g/10分であることがより好ましい。MFRが0.01g/10分未満のポリエチレン系樹脂を用いると、シートの成形性が悪く、良好なシートを得ることが困難である。一方、30.0g/10分を超えたポリエチレン系樹脂を用いると、熱成形時にドローダウンが大きく、良好な容器が得られない。また、溶融張力が小さく良好な発泡が得られない。
ポリエチレン系発泡樹脂シートの発泡倍率は、1.2〜10.0倍が好ましく、1.3〜7.0倍がより好ましく、1.5〜5.0倍が最も好ましい。発泡倍率が1.2倍未満では、断熱性を付与することが難しくなる。一方、10.0倍を超えると、発泡したセル同士がくっついてしまったり、容器に成形する時、成形が難しく、また得られた容器も発泡によって腰が弱くなり、軟らかな容器となる。
水性印刷フィルムは、前記主層としてのポリエチレン系樹脂シート、無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート、またはポリエチレン系発泡樹脂シートに積層されるものであり、ポリエチレン系樹脂フィルムに水性印刷が施されているものである。
ポリエチレン系樹脂のMFRは0.1〜20g/10分であり、0.2〜10g/10分であることが好ましく、0.3〜5.0g/10分であることがより好ましい。MFRが0.1g/10分未満のポリエチレン系樹脂を用いると、印刷されたフィルムは熱成形時に光沢がなくなり、鮮明に印刷された容器を製造することができない。一方、20g/10分を超えたポリエチレン系樹脂を用いると、成形性が悪く、良好なフィルムを得られない。
以上のポリエチレン系樹脂、または添加剤が配合されたポリエチレン系樹脂を後記のようにしてフィルムに成形し、その表面に一般に合成樹脂のフィルムまたはシートに行われている方法によって水性印刷する。印刷の方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、活版印刷、スクリーン印刷などがある。
印刷フィルムの厚さは、5μmを超え、かつ300μm未満であることが好ましく、5μmを超え、かつ250μm未満がより好ましく、10μmを超え、かつ100μm未満が最も好ましい。印刷フィルムの厚さが5μm以下では、熱成形する際、印刷フィルムが破れ、むらなどが生じ、またフィルムを製造する際、良好なフィルムを製造することが難しい。一方、300μm以上であると、印刷の鮮明度が低くなる。
ポリエチレン系樹脂シート、無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート、またはポリエチレン系発泡樹脂シートを製造する場合でも、印刷フィルムを製造する場合でも、一般のオレフィン系樹脂の分野において実施されている成形方法を適用すればよい。この成形方法の代表例としては、Tダイ法、インフレーション法が挙げられる。
本発明のプラスチック容器を製造するには、まず、以上のようにして製造されたポリエチレン系樹脂シート、無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート、またはポリエチレン系発泡樹脂シートに水性印刷フィルムを積層して積層シートを製造する。この積層方法は、一般に合成樹脂の分野において実施されているシート、またはフィルムの積層方法を適用することができる。代表的な積層方法としては、ドライラミネート法および押出ラミネート法が挙げられるが、残留溶剤臭がない押し出し時の熱貼合による押出しラミネートが用いられる。
このようにして製造された積層シートから容器を製造する方法は、ポリエチレン系樹脂の分野において通常実施されている真空成形法、圧空成形法、真空・圧空成形法およびプレス成形法のうち、いずれかを採用して製造すればよい。なお、これらの成形条件は成形方法、使われる成形機の種類、金型の構造、その成形条件(例えば成形温度、圧力)の相互の関係によってそれぞれ最適条件が決定するために、適宜最適な条件に設定して行う。
本発明によって得られたプラスチック容器は、多方面に渡って利用することができる。代表的な用途を下記に示す。
(2) プリン、ゼリー、冷菓、ようかん、マーガリンなどのカップ類
(3) レトルトおよび冷凍食品容器
(4) カップ麺容器
(5) 弁当容器
(6) 各種ふた類
(7) 自動車内装材
(8) 断熱性のある電子レンジ容器
本発明によるプラスチック容器の層構成の代表例を図面を参照して説明する。
図1に示すプラスチック容器は、主層としての二軸延伸されたポリエチレン系樹脂シート40に、印刷フィルム20が積層されている。印刷フィルム20はポリエチレン系樹脂フィルム21に印刷層22が施されたもので、印刷層22がポリエチレン系樹脂シート40に密着している。
<印刷フィルムの製造>
MFRが0.3g/10、密度が0.956g/cm3であるエチレン単独重合体である樹脂を用いインフレーション法で成膜し、厚さ50μmのフィルムを作成した。得られたフィルムをコロナ処理を行って濡れ指数42ダインにし、その後水性グラビア印刷を行なってポリエチレン系樹脂フィルムに印刷層を形成した印刷フィルムを製造した。
MFRが0.3g/10分、密度が0.956g/cm3であるエチレン単独重合体と、MFRが1.0g/10分、密度が0.924g/cm3であるエチレン重合体(高ラジカル重合法)とを、70重量%と30重量%との割合で混練したエチン単独重合体のペレットをTダイを備えた押出機(径65mm)を使用して240℃において押出し、ロール圧着方式でシートの成形を行った。
このようにして得られた積層シートをロール連続熱成形機(浅野研究所社製、形式名「FLX−02型」、オーブン型式、両面赤外線加熱方式)を使って(縦140mm×横140mm×深さ50mm)の容器を作成した。
得られた容器は残留溶剤臭もなく、印刷も鮮明で光沢があり、かつ偏肉やブリッヂも発生することなく良好な容器であった。
シートの製造で二軸延伸以外は全く実施例1と同様に行なった。
得られた容器は偏肉があり(シートの中央部に相当する部分が薄い)ブリッヂの発生(ドローダウンによってシートの面積が全型の投影面積より広くなるため余ったシートの部分がしわになる)があり良好な容器を作ることは不可能であった。
<ポリエチレン系樹脂>
PE1:MFRが0.04g/10分、密度が0.951g/cm3であるエチレン単独重合体
PE2:MFRが0.3g/10分、密度が0.956g/cm3であるエチレン単独重合体
PE3:MFRが5.0g/10分、密度が0.962g/cm3であるエチレン単独重合体
PE4:MFRが10.0g/10分、密度が0.962g/cm3であるエチレン単独重合体
PE5:MFRが0.3g/10分、密度が0.956g/cm3であるエチレン単独重合体と、MFRが1.0g/10分、密度が0.924g/cm3であるエチレン重合体(高圧ラジカル重合法)とを、70重量%と30重量%との割合で混練したエチレン単独重合体
平均粒径が15μmであるタルク
無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂と、予めポリエチレン系樹脂と無機充填剤を混練しペレット形状化したもの(マスターバッチ)をヘンシエルミキサーを使ってドライブレンドを行った。
このようにして得られた積層シートをロール連続熱成形機(浅野研究所社製,形式名『FLX−02型』,オーブン型式,両面赤外線加熱方式)を使って(縦140mm×横140mm×深さ50mm)を作成した。
図2に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10の樹脂としてはPE1を用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE2を用いた。詳細を表1に示す。
図2に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10の樹脂としてはPE2を用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE4を用いた。詳細を表1に示す。
図2に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10の樹脂としてはPE3を用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE2を用いた。詳細を表1に示す。
図2に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10の樹脂としてはPE14用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE2を用いた。詳細を表1に示す。
図2に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10の樹脂としてはPE5を用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE2を用いた。詳細を表1に示す。
図4に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10の樹脂としてはPE5を用い、ポリエチレン系樹脂シート50の樹脂としては、PE5を用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE2を用いた。詳細を表1に示す。
図2に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートの樹脂としてはPE1を用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE2を用いた。詳細を表1に示す。
図2に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10の樹脂としてはPE2を用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE4を用いた。詳細を表1に示す。
図2に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10の樹脂としてはPE4を用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE2を用いた。詳細を表1に示す。
図2に示す層構成のプラスチック容器である。無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート10の樹脂としてはPE5を用い、水性印刷フィルム20のポリエチレン系樹脂フィルム21の樹脂としてはPE1を用いた。詳細を表1に示す。
ヘイズ:JIS
K−7136に準拠して測定した。
容器の底部を切り出し、ASTM
D−747に準拠して測定した。
JIS
K−6922−2による荷重たわみ温度を測定した。
目視にて観察し、以下のように判定した。
以上の実施例および比較例の結果から、本願発明によって得られるプラスチック容器は、表面の光沢および剛性が優れているのみならず、耐熱性も良好なものであった。また、印刷模様が鮮明であった。
<実施例8>
前記実施例8で得たと同一のポリエチレン系発泡樹脂シートを用い(印刷フィルムを合流させていない)、前記実施例8と同様の方法でプラスチック容器を作製し、このプラスチック容器に曲面印刷機で印刷を施した。
20…印刷フィルム
21…ポリエチレン系樹脂フィルム
22…印刷層
30…ポリエチレン系発泡樹脂シート
40…二軸延伸されたポリエチレン系樹脂シート
50…ポリエチレン系樹脂シート
Claims (5)
- メルトフローレートが0.01〜30.0g/10分、密度が0.91〜0.97g/cm3の二軸延伸されたポリエチレン系樹脂シートシート、メルトフローレートが0.01〜30.0g/10分、密度が0.91〜0.97g/cm3のポリエチレン系樹脂と、10〜70重量%の無機充填剤とからなる無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シート、またはメルトフローレートが0.01〜30.0g/10分、密度が0.91〜0.97g/cm3のポリエチレン系樹脂を発泡させたポリエチレン系発泡樹脂シートを主層とし、該主層にメルトフローレートが0.1〜20g/10分、密度が0.91〜0.97g/cm3であるポリエチレン系樹脂の水性印刷フィルムを熱貼合によって積層させることによって得られる積層シートからなることを特徴とするプラスチック容器。
- 前記ポリエチレン系樹脂シートに、メルトフローレートが0.01〜10.0g/10分、密度が0.91〜0.93g/cm3の高圧ラジカル重合法により製造されるポリエチレン系樹脂が10〜40重量%添加されており、または前記無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートに、メルトフローレートが0.01〜10.0g/10分、密度が0.91〜0.93g/cm3の高圧ラジカル重合法により製造されるポリエチレン系樹脂が10〜40重量%添加されている請求項1に記載のプラスチック容器。
- 前記水性印刷フィルムの厚さが、5μmを越え、かつ300μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック容器。
- 前記無機充填材含有ポリエチレン系樹脂シートの少なくとも容器内面側に対し充填剤を含有しないポリエチレン系樹脂シートを積層することを特徴とする請求項1、2または3に記載のプラスチック容器。
- 前記ポリエチレン系樹脂シートまたは、前記無機充填剤含有ポリエチレン系樹脂シートが、ニ軸延伸させたポリエチレンシートを加熱する際に、加熱軟化によるドローダウンを所定範囲内としつつニ軸延伸の延伸効果による張り返しを引き出すように加熱制御して同ポリエチレンシートを加熱軟化させ、加熱軟化したポリエチレンシートに対して所定の熱成型金型を使用して熱成形を行なうことにより成形されたものである請求項1、2、3または4に記載のプラスチック容器。
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