JP2004338229A - 硬質ポリオレフィン系樹脂積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】硬質ポリオレフィン系樹脂複合発泡体1 と中芯原紙2 と塩ビ鋼板9 を積層した硬質ポリオレフィン系樹脂積層体6 を製造する。その際、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体1 に中芯原紙2 を積層し、同原紙2 にエマルジョン接着剤として木工ボンド5 を含浸させ、次いで中芯原紙2 に塩ビ鋼板9 を重ね合わせた後、水分を除去して木工ボンド5 を凝固させる。
【効果】吸水性の乏しい硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に硬質板を積層するにあたり、環境を配慮した接着剤であるエマルジョン接着剤を使用して、硬化時間を短縮して生産性を向上することができる。
【選択図】 図1
【効果】吸水性の乏しい硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に硬質板を積層するにあたり、環境を配慮した接着剤であるエマルジョン接着剤を使用して、硬化時間を短縮して生産性を向上することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は硬質ポリオレフィン系樹脂積層体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と硬質板の積層体の製造方法として以下の3つの方法がある。
【0003】
1. 特許文献1には、ポリオレフィン系樹脂と変性用モノマーとを反応させて同樹脂を変性し、得られた変性樹脂に熱分解型化学発泡剤を加えて混練し、得られた発泡性樹脂組成物をシート状に賦形し、得られた発泡性シートの少なくとも片面に、同シートを加熱発泡させる際の面内方向への発泡を抑制しうる強度を有する面材を積層した後、発泡性シートを加熱発泡し、発泡倍率が3〜20倍であり、圧縮弾性率が5MPa以上であるポリオレフィン系樹脂発泡体シートを得、この発泡体シートの少なくとも片面に、一方向に10倍以上に延伸された引張弾性率が5GPa以上であるポリオレフィン系樹脂延伸シートを積層するポリオレフィン系樹脂複合積層体の製造方法、が記載されている。
【0004】
この硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体は、低比重でありながらも圧縮強度が高く、硬質板は高強度(引張強度、圧縮強度、曲げ強度)であることを特徴とする。そのため硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体の両面に硬質板を積層してなる積層体は、発泡体の厚さ分硬質板間の距離を大きくとれ、また、曲げ強さは厚さの2乗、曲げ弾性率は厚さの3乗から計算されるため、有効である。そして、この積層体は容積の多くを発泡体で占めることができるので、軽量である。これに対し、軟質発泡体と硬質板との積層体の板面中央に1点集中荷重をかけた場合、軟質発泡体では荷重点が潰れ発泡体の厚さすなわち硬質板間の距離がとれなくなり、板が折れ曲がって均等荷重で見られる本来の曲げ強度を発揮できない。硬質発泡体は局所的圧縮強度に優れるため点荷重にも強度を示す。面材が低比重、高圧縮強度、高強度(特に引張強度)を有する場合には、積層体はさらに軽量高強度を示す。
【0005】
2. また、従来より、硬質ポリオレフィン系発泡体と硬質板をエマルジョン接着剤もしくは有機溶剤系接着剤もしくはホットメルト接着剤もしくは両面テープで貼り付ける積層方法もある。
【0006】
3. 特許文献2には、発泡性樹脂シートの少なくとも片面に、同シートを加熱発泡させる際の面内方向への発泡を抑制し得る強度を有するシート状物を積層するポリオレフィン系樹脂発泡性複合シートの製造方法が記載されている。この方法において、該シート状物はガラスクロス、織布、不織布、寒冷紗、ニードルパンチ不織布、紙および金属製シートよりなる群から選ばれてよく、該シート状物の材料は、紙、布、木材、鉄等の金属、非鉄金属、プラスチック、ガラス、無機物などから任意に選ぶことができ、シート状物は、金属製シート、例えば、鉄製シート、またはアルミニウム、チタン、銅などの非鉄金属製シートからなるものであってよいと記載され、発泡性シートの少なくとも片面にシート状物を積層する方法は、例えば、(イ)一旦冷却固化した発泡性シートにシート状物を加熱しながら貼付する方法、(ロ)発泡性シートを溶融状態になるまで加熱しておき、これをシート状物に熱融着する方法、(ハ)発泡性シートにシート状物を接着剤で貼り合わせる方法などであってよく、得られた発泡性複合シートは、適切な温度条件で加熱することにより、常圧下あるいは一定加圧下で所望の発泡倍率に発泡させることができると記載されている。すなわち、この製造方法は、発泡性樹脂シートを加熱して発泡させる際に発泡性樹脂シートと金属製シートを積層する方法である。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−293829号公報。
【特許文献2】
特許第3117678号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の方法では、硬質板として引張弾性率5GPa以上のポリオレフィン系樹脂延伸シートが用いられるが、このような限定的な特殊シートでは用途範囲が狭く、多種の硬質板を選択することができない。
【0009】
硬質発泡体と硬質板を接着剤もしくは両面テープで直接貼り付ける積層方法では、下記のような問題がある。すなわち、このような方法では、硬質ポリオレフィン系発泡体に吸水性がほとんどないためエマルジョン接着剤が硬化するまで長時間を要し、安定した積層状態を保つことが容易でなく、商業ベースにのる製造が困難である。有機溶剤系接着剤を使用する方法では、生産現場の作業環境が悪化することもあり、近年使用を避ける傾向がより強くなっている。また、得られた積層体は住環境での使用には適さず用途が限られることもある。さらに、ホットメルト接着剤を使用する方法では、100℃前後の熱を硬質ポリオレフィン系発泡体ならびに硬質板にかけることになるため、熱膨張率の異なる物質同士は貼り合わせることが困難である。ロールコーター等の設備を利用する場合は、ホットメルトが硬化する前に瞬時に貼り合わせる技術が必要である。また、反応型ホットメルトではポリオレフィンとの接着は困難である。両面テープを使用する方法では、両面テープを貼ったところだけ強度が増し、両面テープを発泡体全面もしくは部分的に貼るにしろ手間がかかり、製造設備を導入し商業ベースにのせるにも有効な方法となりにくい。
【0010】
特許文献2の方法では、シート状物が織布、不織布、紙である場合で吸水性シートとなり得るものである場合は、極度の加熱と乾燥により複合発泡体の表面が凹凸になり平らになりにくいため硬質板を均一に接着できない。また、加熱は、通常は熱分解型化学発泡剤の分解温度から、分解温度+100℃までの温度範囲で行われる、と記載され、またその実施例には、230℃で約4分間加熱発泡させ複合発泡体を得たとあるが、金属製シート状物と発泡性樹脂シートは、このような特定温度範囲で積層する場合に熱膨張率の差が少ないものに限定されるため、材料の選定幅が狭い。
【0011】
本発明は、上記従来技術の諸問題を解決することができる硬質ポリオレフィン系樹脂積層体の製造方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による硬質ポリオレフィン系樹脂積層体の製造方法は、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートと硬質板を積層した硬質ポリオレフィン系樹脂積層体を製造するに当たり、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に吸水性シートを積層し、同シートにエマルジョン接着剤を含浸させ、次いで吸水性シートに硬質板を重ね合わせた後、水分を除去して接着させることを特徴とする方法である。
【0013】
上記方法において、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に吸水性シートを積層するには、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートとをホットメルト接着剤を介して重ね合わせるとともに加熱、加圧してホットメルト接着剤を融解させた後冷却、固化し接着させる方法(請求項2)と、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートとを、同シートに張力をかけながら、ホットメルト接着剤を介して重ね合わせるとともに加熱、加圧してホットメルト接着剤を融解させた後冷却、固化し接着させる方法(請求項3)と、吸水性シートに水分を含ませてこれを伸ばし、同シートと硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体とをエマルジョン接着剤を介して重ね合わせるとともに加圧し、次いで水分を除去し接着させる方法(請求項4)とが特に好ましい。
【0014】
本発明による硬質ポリオレフィン系樹脂積層体の製造方法をより具体的に説明すると、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と硬質板の間に吸水性シート(吸水率10%〜150%)を設け、エマルジョン接着剤(100〜200g/m2)が半硬化するに必要な吸水量(40〜80g/m2)を吸水性シートに含ませることで、完全硬化(残留水分量0)するに有効な放湿までの時間、安定した積層状態(密着状態、各層の位置関係等)を保つことができる。吸水性シートを使用することで硬質板に吸水性がなくとも硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と硬質板の接着剤にエマルジョン接着剤が使用でき、有機溶剤系接着剤と比較し、衛生的にも防災的見地からも安全で取り扱いやすく、コストも抑えることができる。
【0015】
本発明におけるポリオレフィン系樹脂とは、オレフィン性モノマーの単独重合体または共重合体であり、特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ホモタイプポリプロピレン、ランダムタイプポリプロピレン、ブロックタイプポリプロピレン等のポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等のエチレンを主成分とする共重合体などから選ばれる。これらは2種以上の混合物で用いられてもよい。上記ポリオレフィン系樹脂には30重量%を下回る範囲で、他の樹脂、例えば、ポリスチレン、スチレン系エラストマーなどがブレンドされていても良い。上記他の樹脂が30重量%を上回るとポリオレフィンの特徴(軽量、耐薬品性、柔軟性、弾性等)が発揮できず、発泡に必要な溶融粘度を確保することが困難となる場合がある。本発明でのポリオレフィン系樹脂としては、特にポリエチレンやポリプロピレンの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0016】
硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体は、化学発泡によって得られるもの、物理発泡によって得られるもののいずれでもよい。前者は加熱により分解ガスを発生する熱分解型化学発泡剤を予めポリオレフィン系樹脂組成物中に分散させておき、同組成物を一旦シート状の発泡原反に賦形した後、加熱して発泡剤より発生するガスにより発泡させることで製造されうる。熱分解型化学発泡剤の好ましい例としては、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられる。後者の発泡体は高圧下でポリオレフィン系樹脂に物理的発泡剤を一旦溶解し、同樹脂を常圧下に置くときに発生するガスにより発泡させることで製造されうる。好ましい物理的発泡剤としては水、二酸化炭素、窒素、有機溶剤、等が挙げられる。
【0017】
本発明で用いられる硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体とは、0.2MPa以上、好ましくは0.2〜1.0MPa程度の圧縮強度を有するものである。
【0018】
硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体は特許文献2に記載の複合発泡体であってもよい。この複合発泡体はポリオレフィン系樹脂を変性用モノマーと反応させて変性し、得られた変性樹脂に熱分解型化学発泡剤を加えて樹脂を混練し、得られた発泡性樹脂組成物をシート状に賦形し、得られた発泡性シートの少なくとも片面に、同シートを加熱発泡させる際の面内方向への発泡を抑制し得る強度を有するシート状物を積層し、得られた積層体を加熱により発泡させてなる発泡体である。
【0019】
硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体はまた、特開平9−150431号公報に記載されている硬質発泡体であってもよい。この硬質発泡体は4kgf/cm2以上の圧縮弾性率を有し、3000kgf/cm2以下の曲げ弾性率を有するものである。硬質発泡体の例として、熱可塑性樹脂よりなる連続発泡層と、連続発泡層の少なくとも片面上に複数配置される熱可塑性樹脂よりなる高発泡体と、高発泡体の外表面を被覆する熱可塑性樹脂よりなる低発泡薄膜とを備え、前記複数の高発泡体が互いに前記低発泡薄膜を介して熱融着されている熱可塑性樹脂発泡体が挙げられる。
【0020】
本発明で用いられる吸水性シートは、吸水性を有するものであればよく、紙や天然布が例示される。紙は新聞紙、印刷紙、包装紙(クラフト紙等)、段ボール原紙、(中芯原紙等)紙器板紙、加工原紙(化粧板用原紙等)、建材原紙(石膏ボード原紙等)、家庭用雑種紙(書道用紙等)のいずれもよい。天然布の類には綿、木綿、麻、羊毛等が挙げられる。
【0021】
本発明でいられる硬質板は、要求される強度を有するものであればその材質に特に限定されず、通常は曲げ弾性率が300MPa〜500GPaのものをいい、一般的に鋼板、ステンレス綱板、非鉄金属(アルミニウム、ジュラルミン、銅等)板、木質板、プラスチック(アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂等)板、木質・プラスチック複合板、ガラス・プラスチック複合板、木質・ガラス・プラスチック複合板などである。鋼板とポリ塩化ビニル樹脂板の複合板(以下、「塩ビ鋼板」と略記する)も使用できる。硬質板が木質板、もしくは木質を含む複合板である場合、吸水性シート付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と木質系硬質板の双方に吸水性があることになるため、エマルジョン接着剤を双方に含浸させ、接着力、接着時間、接着作業性等を上げることができる。
【0022】
エマルジョン接着剤は、酢酸ビニル系、アクリル系、塩化ビニリデン系、SBR系の接着剤であり、木工用ボンド(酢酸ビニル系)が好ましい。
【0023】
吸水性シートを硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に積層する方法として、請求項2の製造方法をとると、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートとをホットメルト接着剤を介して重ね合わせるとともに加熱、加圧する際に、吸水性シートの膨張、収縮によるシワの発生を抑えながら積層をすることができる。熱融着に際しての加熱および加圧条件は、対象となる硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱温度やホットメルト接着剤の融点によって異なるため、一義的には定め得ないが、通常、温度は90〜140℃程度(硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体の融点以下、ホットメルト接着剤の融点以上が望ましい)、圧力は0.005〜0.5MPa程度(硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体の圧縮強度より若干低い圧力が望ましい)の範囲から選択される。ただしこの温度がホットメルトの融点より高くなければ接着はできない。温度が低すぎると接着に長い時間を要する上に生産性が低くなる。温度が高すぎると、ホットメルトの溶けすぎや、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体の熱変形の要因となる。圧力が低すぎると、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に吸水性シートが密着せず接着できないことや接着力が低いことがある。圧力が高すぎると、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体が潰れ形状が乱れるおそれがある。硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートをホットメルト接着剤で熱融着させる際、表面処理を行ったりプライマー等を用いることも好ましい。この方法は特に、発泡体の面圧縮強度が大きい場合に、発泡体を加圧してもこれが潰れることがないため接着性を上げることを可能にする。
【0024】
ホットメルト接着剤はペレット状、糸状、フィルム状の市販のものであってよい。これらはいずれも硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体が熱変形する温度以下の融点を持つ。フィルム状のホットメルトシートを使用する場合は、接着に必要な量から換算した厚さのホットメルトシートを硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートの間にサンドイッチし、発泡体とシートを加熱、加圧により密着させる。ペレット状または糸状のホットメルトシートの場合、これを使用直前に加熱して溶かし、流動状の状態で硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体または吸水性シートもしくは双方に塗布して硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートを重ね合わせ、加熱、加圧することで積層体が作成できる。また吸水性シートにホットメルトシートが予め付けられている特殊積層体を使用する場合はホットメルト接着剤をさらに使用する必要がなく便利である。
【0025】
吸水性シートを硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に積層する方法として、請求項3の製造方法をとると、吸水性シートに張力がかかるので、ホットメルト接着剤を介して発泡体とシートを加熱、加圧する際に、吸水性シートの膨張、収縮によるシワの発生を確実に抑えながら積層をすることができる。すなわち、この方法は、吸水性シートに張力をかけることで吸水性シートにシワが付きにくい状態で同シートを接着する方法であり、この方法により硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートの積層体の表面を平滑にし積層体の平面度を高くすることができる。吸水性シートにかける張力は、吸水性シートの種類、引張弾性率、引張強度やホットメルト接着剤の選定、積層の加熱、加圧条件にもよるが、好ましくは0.05〜2MPaである。
【0026】
吸水性シートを硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に積層する方法として、請求項4の製造方法では、水分により伸びる吸水性シートに水分を含ませて同シートを膨張させ、膨張し伸びきった状態でエマルジョン接着剤(固形分%が35%〜65%程度)を100〜200g/m2程度用いて硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートを加圧し接着させる。こうすることにより、常温放置もしくは乾燥ならびにエマルジョン接着剤の固化を進行させながら吸水性シートを縮めることができる。この吸水性シートの収縮により吸水性シートにシワの発生をなくし、平滑性のある吸水性シート付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造することができる。吸水性シート中の水分量は、同シートの種類、水分による面積膨潤率、水分に対する耐久性(水分による引張強度低下や圧縮強度低下)により異なるが、水分による面積膨潤率により大きく左右されるので、吸水性シートに水分を徐々に与え、膨潤率の変化が少なくなった時点の量が望ましい。吸水性シート中の水分量が少なすぎると、吸水性シートがエマルジョン接着剤の水分を吸収した際にシワが発生するため、本発明の効果が得られにくくなる。水分量が多すぎると、吸水性シートがエマルジョン接着剤を吸収しにくく、また水分除去および接着に長い時間を要する。硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体の両面に吸水性シートを貼ると、吸水性シートの収縮による硬質ポリオレフィン系樹脂積層体の反りが発生しにくくなる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1(a)において、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体として特許文献2に記載の複合発泡体(ポリオレフィン系樹脂を変性用モノマーと反応させて変性し、得られた変性樹脂に熱分解型化学発泡剤を加えて樹脂を混練し、得られた発泡性樹脂組成物をシート状に賦形し、得られた発泡性シートの少なくとも片面に、同シートを加熱発泡させる際の面内方向への発泡を抑制し得る強度を有するシート状物を積層し、得られた積層体を加熱により発泡させてな複合発泡体、10cm角)(1) を用い、複合発泡体(1) と、同発泡体(1) の上下両側に紙ロール(7) から供給される中芯原紙(目付120g/m2、10cm角)(2)との間に、ホット
メルトロール(13)から供給されるホットメルトシート(積水フィルム社製「2−TN」、厚さ30μm、10cm角)(3) をサンドイッチし、このサンドイッチ体をラミネート装置の加熱・加圧ロール(12)により120℃で加熱し、圧力0.01MPaで加圧しながらホットメルトシートを溶融させ、次いで冷却固化時にも面圧0.01MPaをかけ、複合発泡体(1) と中芯原紙(2) を積層させ、紙付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体(4) を作成した。
【0028】
つぎに、図1(b)において、紙付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体(4)に塩ビ鋼板(10cm角)(9) を、複合板の裏面(ポリ塩化ビニル樹脂板面、210GPa)にて木工用ボンド(コニシ社製「ボンド木工用」)(5) を介して重ね合わせ、得られた重ね合わせ体を加圧し、乾燥固化し、積層体(6) を製造した。
【0029】
(実施例2)
図2において、中芯原紙(2)を供給する紙ロール(7) の回転に制動ロール(8) でブレーキをかけて中芯原紙(2) に張力を与えながら、これを供給する点を除いて、実施例1と同様の操作を行い、紙にシワがなく表面平滑性に優れた紙付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体(4) を作成した。
【0030】
次いで、同発泡体(4) を用いて、実施例1と同様の操作で積層体(6) を製造した。
【0031】
(実施例3)
図3において、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体 として特許文献2に記載の複合発泡体(10cm角)(1) に木工用ボンド(コニシ社製「ボンド木工用」、1g)(5) を塗布しておき、次いで中芯原紙(目付120g/m2、10cm角)(2) に霧吹き(10)で水分を約1g噴霧して含ませ、十分に伸ばした状態で、これを複合発泡体(1) の接着剤塗布面上に重ね合わせた。得られた重ね合わせ体を0.01MPaで加圧し、常温で3時間放置して乾燥固化し、紙付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体(4) を作成した。
【0032】
次いで、同発泡体(4) を用いて、実施例1と同様の操作で積層体(6) を製造した。
【0033】
(比較例1)
硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体 として特許文献2に記載の複合発泡体(10cm角)に木工用ボンド(コニシ社製「ボンド木工用」、1g)で塩ビ鋼板(10cm角)を、複合板の裏面(ポリ塩化ビニル樹脂板面)にて貼合せ、積層体を得た。
【0034】
性能評価試験
実施例1〜3の積層体製造において、紙付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に塩ビ鋼板を木工用ボンドで接着させる際、および、比較例1の積層体製造において、複合発泡体に木工用ボンドで塩ビ鋼板を接着させる際、一定硬化時間毎の面滑り強度を測定した。測定方法は、複合発泡体を治具固定し、塩ビ鋼板のみに荷重がかかるようにして面滑り荷重を0.5kgf単位で付加し、塩ビ鋼板が滑り始めた荷重を測定した。測定結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
表1から分かるように、発泡体と塩ビ鋼板の貼り合わせに紙が効果を示し紙付きの発泡体は5分の硬化時間で3kgf/100cm2の強度、10分後には5kgf/100cm2の強度を示したのに対し、紙無しの発泡体では5分の硬化時間で0.5kgf/100cm2の強度、2時間後にようやく5kgf/100cm2の強度しか示さなかった。この実験により本発明による製造方法は短時間、例えば2〜3分で積層体を安定させることができ、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と硬質板の積層体を製造する方法として有効であることが確認された。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、吸水性の乏しい硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に硬質板を積層するにあたり、環境を配慮した接着剤であるエマルジョン接着剤を使用して、硬化時間を短縮して生産性を向上することができる。
【0038】
浴室壁材等で利用されている塩ビ鋼板の裏打ちもしくは芯材として石膏ボードをエマルジョン接着剤で接着する工程がある場合、製造工程の大幅な改良を必要せずに石膏ボードの代わりに吸水性シート付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体を使用することができ、環境に配慮したエマルジョン接着剤を用いて軽量高剛性の積層板を製造することができる。
【0039】
発泡体はポリオレフィン系樹脂製のものであるため、硬質板にポリオレフィン系樹脂を選択した場合、吸水性シート(例:紙繊維や天然繊維)を含むものの、プラスチックのマテリアルリサイクルに適し、リサイクル品でパレット等を作成することが可能である。硬質板は別のリサイクルにまわすことも容易である。さらに発泡体が面材を有しないか、面材としてオレフィン系樹脂製の布、不織布、寒冷紗等を選択した場合は、ポリオレフィン系樹脂が大きな割合を占め、マテリアルリサイクルにより適する。このような積層体の例として、発泡体にポリプロピレンの硬質発泡体、吸水性シートに目付の低い中芯原紙や綿製布、硬質板にポリエチレン板やポリプロピレン板を選択した積層体があげられる。
【0040】
硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体は圧縮強度0.2MPa以上のものであるので、吸水性シートや硬質板を積層接着する際に面圧をかけても発泡体が破壊することがなく、変形も少ないためにシワや凹みが発生しにくい。そのため表面が平滑で平面度の高い積層体が得られる。
【0041】
請求項2の製造方法では、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートの接着にホットメルト接着剤使用するため、エマルション接着剤を使用する方法に比べ固化時間を短縮させることができ、連続大量生産が可能である。またこの方法では有機溶剤系接着剤を使用しないため、生産現場の作業環境を悪化させることもなく、得られる吸水性シート付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体の用途を住環境にも展開できる。
【0042】
さらに、請求項3の製造方法では、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートの接着時に吸水性シートに張力をかけることで、シワの発生を抑え、より表面の平滑性が高く厚さ精度の良い吸水性シート付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造することができる。
【0043】
請求項4の製造方法では、吸水性シートに水分を与えてこれを伸ばすので、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体ならびに積層されている吸水性シートに過度の熱や外力や化学的影響を加えなくても、吸水性シートはシワになりにくく、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に凹凸が生じにくい。したがって、表面平滑で厚さ均一な吸水性シート付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができる。またこの方法では有機溶剤系接着剤を使用しないため、生産現場の作業環境を悪化させることもなく、得られる吸水性シート付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体の用途を住環境にも展開できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の製造方法を示す工程図である。
【図2】実施例2の製造方法を示す工程図である。
【図3】実施例3の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
(1) :複合発泡体
(2) :中芯原紙
(3) :ホットメルトシート
(4) :紙付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体
(5) :木工用ボンド
(6) :積層体
(7) :紙ロール
(8) :制動ロール
(9) :塩ビ鋼板
(10):霧吹き
(12):加熱・加圧ロール
【発明の属する技術分野】
本発明は硬質ポリオレフィン系樹脂積層体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と硬質板の積層体の製造方法として以下の3つの方法がある。
【0003】
1. 特許文献1には、ポリオレフィン系樹脂と変性用モノマーとを反応させて同樹脂を変性し、得られた変性樹脂に熱分解型化学発泡剤を加えて混練し、得られた発泡性樹脂組成物をシート状に賦形し、得られた発泡性シートの少なくとも片面に、同シートを加熱発泡させる際の面内方向への発泡を抑制しうる強度を有する面材を積層した後、発泡性シートを加熱発泡し、発泡倍率が3〜20倍であり、圧縮弾性率が5MPa以上であるポリオレフィン系樹脂発泡体シートを得、この発泡体シートの少なくとも片面に、一方向に10倍以上に延伸された引張弾性率が5GPa以上であるポリオレフィン系樹脂延伸シートを積層するポリオレフィン系樹脂複合積層体の製造方法、が記載されている。
【0004】
この硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体は、低比重でありながらも圧縮強度が高く、硬質板は高強度(引張強度、圧縮強度、曲げ強度)であることを特徴とする。そのため硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体の両面に硬質板を積層してなる積層体は、発泡体の厚さ分硬質板間の距離を大きくとれ、また、曲げ強さは厚さの2乗、曲げ弾性率は厚さの3乗から計算されるため、有効である。そして、この積層体は容積の多くを発泡体で占めることができるので、軽量である。これに対し、軟質発泡体と硬質板との積層体の板面中央に1点集中荷重をかけた場合、軟質発泡体では荷重点が潰れ発泡体の厚さすなわち硬質板間の距離がとれなくなり、板が折れ曲がって均等荷重で見られる本来の曲げ強度を発揮できない。硬質発泡体は局所的圧縮強度に優れるため点荷重にも強度を示す。面材が低比重、高圧縮強度、高強度(特に引張強度)を有する場合には、積層体はさらに軽量高強度を示す。
【0005】
2. また、従来より、硬質ポリオレフィン系発泡体と硬質板をエマルジョン接着剤もしくは有機溶剤系接着剤もしくはホットメルト接着剤もしくは両面テープで貼り付ける積層方法もある。
【0006】
3. 特許文献2には、発泡性樹脂シートの少なくとも片面に、同シートを加熱発泡させる際の面内方向への発泡を抑制し得る強度を有するシート状物を積層するポリオレフィン系樹脂発泡性複合シートの製造方法が記載されている。この方法において、該シート状物はガラスクロス、織布、不織布、寒冷紗、ニードルパンチ不織布、紙および金属製シートよりなる群から選ばれてよく、該シート状物の材料は、紙、布、木材、鉄等の金属、非鉄金属、プラスチック、ガラス、無機物などから任意に選ぶことができ、シート状物は、金属製シート、例えば、鉄製シート、またはアルミニウム、チタン、銅などの非鉄金属製シートからなるものであってよいと記載され、発泡性シートの少なくとも片面にシート状物を積層する方法は、例えば、(イ)一旦冷却固化した発泡性シートにシート状物を加熱しながら貼付する方法、(ロ)発泡性シートを溶融状態になるまで加熱しておき、これをシート状物に熱融着する方法、(ハ)発泡性シートにシート状物を接着剤で貼り合わせる方法などであってよく、得られた発泡性複合シートは、適切な温度条件で加熱することにより、常圧下あるいは一定加圧下で所望の発泡倍率に発泡させることができると記載されている。すなわち、この製造方法は、発泡性樹脂シートを加熱して発泡させる際に発泡性樹脂シートと金属製シートを積層する方法である。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−293829号公報。
【特許文献2】
特許第3117678号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の方法では、硬質板として引張弾性率5GPa以上のポリオレフィン系樹脂延伸シートが用いられるが、このような限定的な特殊シートでは用途範囲が狭く、多種の硬質板を選択することができない。
【0009】
硬質発泡体と硬質板を接着剤もしくは両面テープで直接貼り付ける積層方法では、下記のような問題がある。すなわち、このような方法では、硬質ポリオレフィン系発泡体に吸水性がほとんどないためエマルジョン接着剤が硬化するまで長時間を要し、安定した積層状態を保つことが容易でなく、商業ベースにのる製造が困難である。有機溶剤系接着剤を使用する方法では、生産現場の作業環境が悪化することもあり、近年使用を避ける傾向がより強くなっている。また、得られた積層体は住環境での使用には適さず用途が限られることもある。さらに、ホットメルト接着剤を使用する方法では、100℃前後の熱を硬質ポリオレフィン系発泡体ならびに硬質板にかけることになるため、熱膨張率の異なる物質同士は貼り合わせることが困難である。ロールコーター等の設備を利用する場合は、ホットメルトが硬化する前に瞬時に貼り合わせる技術が必要である。また、反応型ホットメルトではポリオレフィンとの接着は困難である。両面テープを使用する方法では、両面テープを貼ったところだけ強度が増し、両面テープを発泡体全面もしくは部分的に貼るにしろ手間がかかり、製造設備を導入し商業ベースにのせるにも有効な方法となりにくい。
【0010】
特許文献2の方法では、シート状物が織布、不織布、紙である場合で吸水性シートとなり得るものである場合は、極度の加熱と乾燥により複合発泡体の表面が凹凸になり平らになりにくいため硬質板を均一に接着できない。また、加熱は、通常は熱分解型化学発泡剤の分解温度から、分解温度+100℃までの温度範囲で行われる、と記載され、またその実施例には、230℃で約4分間加熱発泡させ複合発泡体を得たとあるが、金属製シート状物と発泡性樹脂シートは、このような特定温度範囲で積層する場合に熱膨張率の差が少ないものに限定されるため、材料の選定幅が狭い。
【0011】
本発明は、上記従来技術の諸問題を解決することができる硬質ポリオレフィン系樹脂積層体の製造方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による硬質ポリオレフィン系樹脂積層体の製造方法は、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートと硬質板を積層した硬質ポリオレフィン系樹脂積層体を製造するに当たり、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に吸水性シートを積層し、同シートにエマルジョン接着剤を含浸させ、次いで吸水性シートに硬質板を重ね合わせた後、水分を除去して接着させることを特徴とする方法である。
【0013】
上記方法において、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に吸水性シートを積層するには、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートとをホットメルト接着剤を介して重ね合わせるとともに加熱、加圧してホットメルト接着剤を融解させた後冷却、固化し接着させる方法(請求項2)と、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートとを、同シートに張力をかけながら、ホットメルト接着剤を介して重ね合わせるとともに加熱、加圧してホットメルト接着剤を融解させた後冷却、固化し接着させる方法(請求項3)と、吸水性シートに水分を含ませてこれを伸ばし、同シートと硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体とをエマルジョン接着剤を介して重ね合わせるとともに加圧し、次いで水分を除去し接着させる方法(請求項4)とが特に好ましい。
【0014】
本発明による硬質ポリオレフィン系樹脂積層体の製造方法をより具体的に説明すると、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と硬質板の間に吸水性シート(吸水率10%〜150%)を設け、エマルジョン接着剤(100〜200g/m2)が半硬化するに必要な吸水量(40〜80g/m2)を吸水性シートに含ませることで、完全硬化(残留水分量0)するに有効な放湿までの時間、安定した積層状態(密着状態、各層の位置関係等)を保つことができる。吸水性シートを使用することで硬質板に吸水性がなくとも硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と硬質板の接着剤にエマルジョン接着剤が使用でき、有機溶剤系接着剤と比較し、衛生的にも防災的見地からも安全で取り扱いやすく、コストも抑えることができる。
【0015】
本発明におけるポリオレフィン系樹脂とは、オレフィン性モノマーの単独重合体または共重合体であり、特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ホモタイプポリプロピレン、ランダムタイプポリプロピレン、ブロックタイプポリプロピレン等のポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等のエチレンを主成分とする共重合体などから選ばれる。これらは2種以上の混合物で用いられてもよい。上記ポリオレフィン系樹脂には30重量%を下回る範囲で、他の樹脂、例えば、ポリスチレン、スチレン系エラストマーなどがブレンドされていても良い。上記他の樹脂が30重量%を上回るとポリオレフィンの特徴(軽量、耐薬品性、柔軟性、弾性等)が発揮できず、発泡に必要な溶融粘度を確保することが困難となる場合がある。本発明でのポリオレフィン系樹脂としては、特にポリエチレンやポリプロピレンの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0016】
硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体は、化学発泡によって得られるもの、物理発泡によって得られるもののいずれでもよい。前者は加熱により分解ガスを発生する熱分解型化学発泡剤を予めポリオレフィン系樹脂組成物中に分散させておき、同組成物を一旦シート状の発泡原反に賦形した後、加熱して発泡剤より発生するガスにより発泡させることで製造されうる。熱分解型化学発泡剤の好ましい例としては、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられる。後者の発泡体は高圧下でポリオレフィン系樹脂に物理的発泡剤を一旦溶解し、同樹脂を常圧下に置くときに発生するガスにより発泡させることで製造されうる。好ましい物理的発泡剤としては水、二酸化炭素、窒素、有機溶剤、等が挙げられる。
【0017】
本発明で用いられる硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体とは、0.2MPa以上、好ましくは0.2〜1.0MPa程度の圧縮強度を有するものである。
【0018】
硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体は特許文献2に記載の複合発泡体であってもよい。この複合発泡体はポリオレフィン系樹脂を変性用モノマーと反応させて変性し、得られた変性樹脂に熱分解型化学発泡剤を加えて樹脂を混練し、得られた発泡性樹脂組成物をシート状に賦形し、得られた発泡性シートの少なくとも片面に、同シートを加熱発泡させる際の面内方向への発泡を抑制し得る強度を有するシート状物を積層し、得られた積層体を加熱により発泡させてなる発泡体である。
【0019】
硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体はまた、特開平9−150431号公報に記載されている硬質発泡体であってもよい。この硬質発泡体は4kgf/cm2以上の圧縮弾性率を有し、3000kgf/cm2以下の曲げ弾性率を有するものである。硬質発泡体の例として、熱可塑性樹脂よりなる連続発泡層と、連続発泡層の少なくとも片面上に複数配置される熱可塑性樹脂よりなる高発泡体と、高発泡体の外表面を被覆する熱可塑性樹脂よりなる低発泡薄膜とを備え、前記複数の高発泡体が互いに前記低発泡薄膜を介して熱融着されている熱可塑性樹脂発泡体が挙げられる。
【0020】
本発明で用いられる吸水性シートは、吸水性を有するものであればよく、紙や天然布が例示される。紙は新聞紙、印刷紙、包装紙(クラフト紙等)、段ボール原紙、(中芯原紙等)紙器板紙、加工原紙(化粧板用原紙等)、建材原紙(石膏ボード原紙等)、家庭用雑種紙(書道用紙等)のいずれもよい。天然布の類には綿、木綿、麻、羊毛等が挙げられる。
【0021】
本発明でいられる硬質板は、要求される強度を有するものであればその材質に特に限定されず、通常は曲げ弾性率が300MPa〜500GPaのものをいい、一般的に鋼板、ステンレス綱板、非鉄金属(アルミニウム、ジュラルミン、銅等)板、木質板、プラスチック(アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂等)板、木質・プラスチック複合板、ガラス・プラスチック複合板、木質・ガラス・プラスチック複合板などである。鋼板とポリ塩化ビニル樹脂板の複合板(以下、「塩ビ鋼板」と略記する)も使用できる。硬質板が木質板、もしくは木質を含む複合板である場合、吸水性シート付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と木質系硬質板の双方に吸水性があることになるため、エマルジョン接着剤を双方に含浸させ、接着力、接着時間、接着作業性等を上げることができる。
【0022】
エマルジョン接着剤は、酢酸ビニル系、アクリル系、塩化ビニリデン系、SBR系の接着剤であり、木工用ボンド(酢酸ビニル系)が好ましい。
【0023】
吸水性シートを硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に積層する方法として、請求項2の製造方法をとると、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートとをホットメルト接着剤を介して重ね合わせるとともに加熱、加圧する際に、吸水性シートの膨張、収縮によるシワの発生を抑えながら積層をすることができる。熱融着に際しての加熱および加圧条件は、対象となる硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱温度やホットメルト接着剤の融点によって異なるため、一義的には定め得ないが、通常、温度は90〜140℃程度(硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体の融点以下、ホットメルト接着剤の融点以上が望ましい)、圧力は0.005〜0.5MPa程度(硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体の圧縮強度より若干低い圧力が望ましい)の範囲から選択される。ただしこの温度がホットメルトの融点より高くなければ接着はできない。温度が低すぎると接着に長い時間を要する上に生産性が低くなる。温度が高すぎると、ホットメルトの溶けすぎや、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体の熱変形の要因となる。圧力が低すぎると、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に吸水性シートが密着せず接着できないことや接着力が低いことがある。圧力が高すぎると、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体が潰れ形状が乱れるおそれがある。硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートをホットメルト接着剤で熱融着させる際、表面処理を行ったりプライマー等を用いることも好ましい。この方法は特に、発泡体の面圧縮強度が大きい場合に、発泡体を加圧してもこれが潰れることがないため接着性を上げることを可能にする。
【0024】
ホットメルト接着剤はペレット状、糸状、フィルム状の市販のものであってよい。これらはいずれも硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体が熱変形する温度以下の融点を持つ。フィルム状のホットメルトシートを使用する場合は、接着に必要な量から換算した厚さのホットメルトシートを硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートの間にサンドイッチし、発泡体とシートを加熱、加圧により密着させる。ペレット状または糸状のホットメルトシートの場合、これを使用直前に加熱して溶かし、流動状の状態で硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体または吸水性シートもしくは双方に塗布して硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートを重ね合わせ、加熱、加圧することで積層体が作成できる。また吸水性シートにホットメルトシートが予め付けられている特殊積層体を使用する場合はホットメルト接着剤をさらに使用する必要がなく便利である。
【0025】
吸水性シートを硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に積層する方法として、請求項3の製造方法をとると、吸水性シートに張力がかかるので、ホットメルト接着剤を介して発泡体とシートを加熱、加圧する際に、吸水性シートの膨張、収縮によるシワの発生を確実に抑えながら積層をすることができる。すなわち、この方法は、吸水性シートに張力をかけることで吸水性シートにシワが付きにくい状態で同シートを接着する方法であり、この方法により硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートの積層体の表面を平滑にし積層体の平面度を高くすることができる。吸水性シートにかける張力は、吸水性シートの種類、引張弾性率、引張強度やホットメルト接着剤の選定、積層の加熱、加圧条件にもよるが、好ましくは0.05〜2MPaである。
【0026】
吸水性シートを硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に積層する方法として、請求項4の製造方法では、水分により伸びる吸水性シートに水分を含ませて同シートを膨張させ、膨張し伸びきった状態でエマルジョン接着剤(固形分%が35%〜65%程度)を100〜200g/m2程度用いて硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートを加圧し接着させる。こうすることにより、常温放置もしくは乾燥ならびにエマルジョン接着剤の固化を進行させながら吸水性シートを縮めることができる。この吸水性シートの収縮により吸水性シートにシワの発生をなくし、平滑性のある吸水性シート付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造することができる。吸水性シート中の水分量は、同シートの種類、水分による面積膨潤率、水分に対する耐久性(水分による引張強度低下や圧縮強度低下)により異なるが、水分による面積膨潤率により大きく左右されるので、吸水性シートに水分を徐々に与え、膨潤率の変化が少なくなった時点の量が望ましい。吸水性シート中の水分量が少なすぎると、吸水性シートがエマルジョン接着剤の水分を吸収した際にシワが発生するため、本発明の効果が得られにくくなる。水分量が多すぎると、吸水性シートがエマルジョン接着剤を吸収しにくく、また水分除去および接着に長い時間を要する。硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体の両面に吸水性シートを貼ると、吸水性シートの収縮による硬質ポリオレフィン系樹脂積層体の反りが発生しにくくなる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1(a)において、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体として特許文献2に記載の複合発泡体(ポリオレフィン系樹脂を変性用モノマーと反応させて変性し、得られた変性樹脂に熱分解型化学発泡剤を加えて樹脂を混練し、得られた発泡性樹脂組成物をシート状に賦形し、得られた発泡性シートの少なくとも片面に、同シートを加熱発泡させる際の面内方向への発泡を抑制し得る強度を有するシート状物を積層し、得られた積層体を加熱により発泡させてな複合発泡体、10cm角)(1) を用い、複合発泡体(1) と、同発泡体(1) の上下両側に紙ロール(7) から供給される中芯原紙(目付120g/m2、10cm角)(2)との間に、ホット
メルトロール(13)から供給されるホットメルトシート(積水フィルム社製「2−TN」、厚さ30μm、10cm角)(3) をサンドイッチし、このサンドイッチ体をラミネート装置の加熱・加圧ロール(12)により120℃で加熱し、圧力0.01MPaで加圧しながらホットメルトシートを溶融させ、次いで冷却固化時にも面圧0.01MPaをかけ、複合発泡体(1) と中芯原紙(2) を積層させ、紙付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体(4) を作成した。
【0028】
つぎに、図1(b)において、紙付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体(4)に塩ビ鋼板(10cm角)(9) を、複合板の裏面(ポリ塩化ビニル樹脂板面、210GPa)にて木工用ボンド(コニシ社製「ボンド木工用」)(5) を介して重ね合わせ、得られた重ね合わせ体を加圧し、乾燥固化し、積層体(6) を製造した。
【0029】
(実施例2)
図2において、中芯原紙(2)を供給する紙ロール(7) の回転に制動ロール(8) でブレーキをかけて中芯原紙(2) に張力を与えながら、これを供給する点を除いて、実施例1と同様の操作を行い、紙にシワがなく表面平滑性に優れた紙付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体(4) を作成した。
【0030】
次いで、同発泡体(4) を用いて、実施例1と同様の操作で積層体(6) を製造した。
【0031】
(実施例3)
図3において、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体 として特許文献2に記載の複合発泡体(10cm角)(1) に木工用ボンド(コニシ社製「ボンド木工用」、1g)(5) を塗布しておき、次いで中芯原紙(目付120g/m2、10cm角)(2) に霧吹き(10)で水分を約1g噴霧して含ませ、十分に伸ばした状態で、これを複合発泡体(1) の接着剤塗布面上に重ね合わせた。得られた重ね合わせ体を0.01MPaで加圧し、常温で3時間放置して乾燥固化し、紙付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体(4) を作成した。
【0032】
次いで、同発泡体(4) を用いて、実施例1と同様の操作で積層体(6) を製造した。
【0033】
(比較例1)
硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体 として特許文献2に記載の複合発泡体(10cm角)に木工用ボンド(コニシ社製「ボンド木工用」、1g)で塩ビ鋼板(10cm角)を、複合板の裏面(ポリ塩化ビニル樹脂板面)にて貼合せ、積層体を得た。
【0034】
性能評価試験
実施例1〜3の積層体製造において、紙付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に塩ビ鋼板を木工用ボンドで接着させる際、および、比較例1の積層体製造において、複合発泡体に木工用ボンドで塩ビ鋼板を接着させる際、一定硬化時間毎の面滑り強度を測定した。測定方法は、複合発泡体を治具固定し、塩ビ鋼板のみに荷重がかかるようにして面滑り荷重を0.5kgf単位で付加し、塩ビ鋼板が滑り始めた荷重を測定した。測定結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
表1から分かるように、発泡体と塩ビ鋼板の貼り合わせに紙が効果を示し紙付きの発泡体は5分の硬化時間で3kgf/100cm2の強度、10分後には5kgf/100cm2の強度を示したのに対し、紙無しの発泡体では5分の硬化時間で0.5kgf/100cm2の強度、2時間後にようやく5kgf/100cm2の強度しか示さなかった。この実験により本発明による製造方法は短時間、例えば2〜3分で積層体を安定させることができ、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と硬質板の積層体を製造する方法として有効であることが確認された。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、吸水性の乏しい硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に硬質板を積層するにあたり、環境を配慮した接着剤であるエマルジョン接着剤を使用して、硬化時間を短縮して生産性を向上することができる。
【0038】
浴室壁材等で利用されている塩ビ鋼板の裏打ちもしくは芯材として石膏ボードをエマルジョン接着剤で接着する工程がある場合、製造工程の大幅な改良を必要せずに石膏ボードの代わりに吸水性シート付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体を使用することができ、環境に配慮したエマルジョン接着剤を用いて軽量高剛性の積層板を製造することができる。
【0039】
発泡体はポリオレフィン系樹脂製のものであるため、硬質板にポリオレフィン系樹脂を選択した場合、吸水性シート(例:紙繊維や天然繊維)を含むものの、プラスチックのマテリアルリサイクルに適し、リサイクル品でパレット等を作成することが可能である。硬質板は別のリサイクルにまわすことも容易である。さらに発泡体が面材を有しないか、面材としてオレフィン系樹脂製の布、不織布、寒冷紗等を選択した場合は、ポリオレフィン系樹脂が大きな割合を占め、マテリアルリサイクルにより適する。このような積層体の例として、発泡体にポリプロピレンの硬質発泡体、吸水性シートに目付の低い中芯原紙や綿製布、硬質板にポリエチレン板やポリプロピレン板を選択した積層体があげられる。
【0040】
硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体は圧縮強度0.2MPa以上のものであるので、吸水性シートや硬質板を積層接着する際に面圧をかけても発泡体が破壊することがなく、変形も少ないためにシワや凹みが発生しにくい。そのため表面が平滑で平面度の高い積層体が得られる。
【0041】
請求項2の製造方法では、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートの接着にホットメルト接着剤使用するため、エマルション接着剤を使用する方法に比べ固化時間を短縮させることができ、連続大量生産が可能である。またこの方法では有機溶剤系接着剤を使用しないため、生産現場の作業環境を悪化させることもなく、得られる吸水性シート付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体の用途を住環境にも展開できる。
【0042】
さらに、請求項3の製造方法では、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートの接着時に吸水性シートに張力をかけることで、シワの発生を抑え、より表面の平滑性が高く厚さ精度の良い吸水性シート付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造することができる。
【0043】
請求項4の製造方法では、吸水性シートに水分を与えてこれを伸ばすので、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体ならびに積層されている吸水性シートに過度の熱や外力や化学的影響を加えなくても、吸水性シートはシワになりにくく、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に凹凸が生じにくい。したがって、表面平滑で厚さ均一な吸水性シート付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができる。またこの方法では有機溶剤系接着剤を使用しないため、生産現場の作業環境を悪化させることもなく、得られる吸水性シート付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体の用途を住環境にも展開できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の製造方法を示す工程図である。
【図2】実施例2の製造方法を示す工程図である。
【図3】実施例3の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
(1) :複合発泡体
(2) :中芯原紙
(3) :ホットメルトシート
(4) :紙付き硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体
(5) :木工用ボンド
(6) :積層体
(7) :紙ロール
(8) :制動ロール
(9) :塩ビ鋼板
(10):霧吹き
(12):加熱・加圧ロール
Claims (4)
- 硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートと硬質板を積層した硬質ポリオレフィン系樹脂積層体を製造するに当たり、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に吸水性シートを積層し、同シートにエマルジョン接着剤を含浸させ、次いで吸水性シートに硬質板を重ね合わせた後、水分を除去して接着させることを特徴とする硬質ポリオレフィン系樹脂積層体の製造方法。
- 請求項1記載の方法において、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に吸水性シートを積層するに当たり、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートとをホットメルト接着剤を介して重ね合わせるとともに加熱、加圧してホットメルト接着剤を融解させた後冷却、固化し接着させることを特徴とする硬質ポリオレフィン系樹脂積層体の製造方法。
- 請求項1記載の方法において、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に吸水性シートを積層するに当たり、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体と吸水性シートとを、同シートに張力をかけながら、ホットメルト接着剤を介して重ね合わせるとともに加熱、加圧してホットメルト接着剤を融解させた後冷却、固化し接着させることを特徴とする硬質ポリオレフィン系樹脂積層体の製造方法。
- 請求項1記載の方法において、硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体に吸水性シートを積層するに当たり、吸水性シートに水分を含ませてこれを伸ばし、同シートと硬質ポリオレフィン系樹脂発泡体とをエマルジョン接着剤を介して重ね合わせるとともに加圧し、次いで水分を除去し接着させることを特徴とする硬質ポリオレフィン系樹脂積層体の製造方法。
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-
2003
- 2003-05-15 JP JP2003137566A patent/JP2004338229A/ja not_active Withdrawn
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