JPH01156562A - 繊維成形体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、自動車用天井材として好適な繊維成形体に関
する。

（従来の技術） 自動車用天井材には、軽量・で、剛性、耐熱性、吸音性
、賦形性などの性能に優れた材料が要求される。

この種の材料として、例えば特開昭６０−８３８３２号
公報には、ガラス繊維などの無機繊維層の両面に、ポリ
エチレンなどの合成樹脂層を積層成形した自動車用天井
材が開示されている。ところが、かかる積層成形体は、
特に吸音性が低く、しかも曲げ強さが小さく、自動車用
天井材としては不充分で問題がある。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は、上記の問題点を解決するものであり、その目
的とするところは、軽量で、剛性、耐熱性、賦形性、吸
音性及び曲げ強さに優れ、自動車用天井材に適した繊維
成形体を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本発明の繊維成形体は、無機繊維が結着材で部分的に結
合され、全体に亘って多数の空隙を有する不織繊維マッ
ト状の成形体であって、該成形体の両表面には、内部の
空隙へ連通する多数の細孔が形成され、該成形体の両表
面部は、内部よりも結着材が密に分布し、且つ空隙率が
低くなされていることを特徴とし、そのことにより上記
の目的が達成される。

上記無機繊維としては、たとえばガラス繊維、ロックウ
ール、セラミック繊維、炭素繊維等があげられ、その長
さはマット状の成形体の形成性の点から１０〜２００　
ｍｍが好ましく５０ｍｍ以上のものが７０重量％以上含
まれているのがより好ましい。又、その太さは細くなる
と機械的強度が低下し、太くなると重くなって嵩密度が
小さくなるので３〜３０μｍが好ましく、より好ましく
は５〜２０μｍである。

上記結着材は無機繊維同士を結着しうるものであればよ
く、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、飽和ポ
リエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリビニルブ
チラール、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリ
エステル、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂などがあげ
られる。

結着材の形態は繊維、粉末、溶液、サスペンション、エ
マルジョン、フィルム等任意の形態が使用可能であり、
本発明の繊維成形体を製造する際の方法によってそれぞ
れ好適な形態で使用される。

上記無機繊維と結着材の比率は結着材の量が少なくなる
と結合部分が少なくなり、成形体の機械的強度が低下し
、逆に多くなると空隙率が低下するので重量比で１：４
〜４：１が好ましい。

本発明の繊維成形体は上記無機繊維が結着材で部分的に
結合され、全体に亘って多数の空隙を有する不織繊維マ
ット状の成形体であって、その密度は大きくなると重く
なり、小さくなると機械的強度が低下するので０．０１
〜０．２ｇ／ｃｒｆｌが好ましく、又全体としての空隙
率は７０〜９８％が好ましい。

又、成形体の両表面には内部の空隙へ連通する多数の細
孔が形成されているが、その孔径は大部分が２〜５０μ
ｍであって、孔密度は１〜１０個／ｄが好ましい。

さらに、上記の無機繊維を結合している結着材は、上記
成形体の内部よりも表面部に密に分布しており、表面部
の空隙率は内部より低くなされているが、表面部の空隙
率が５０〜９５％であって内部の空隙率が８５〜９９％
であるのが好ましい。

又、成形体の厚さは用途により適宜決定されればよいが
、一般には４〜２００鵬であり、自動車用天井材として
用いる場合は４〜１２ｍｍが好ましい。

本発明の繊維成形体の構成は上述の通りであるが、成形
体にフィルム、発泡シート、金属板等を積層したり、成
形体を他の物品に接着しやすいように成形体の表面に粘
着剤や接着剤層を積層してもよいし、ポリエチレン発泡
体、ポリプロピレン発泡体、ポリウレタン発泡体、ゴム
発泡体等の独立気泡もしくは連続気泡を有する発泡体や
不織布、織布、塩化ビニルレザー等の化粧用表皮材を積
層してもよい。

本発明の繊維成形体の製造方法の一例を次に説明する。

まず、マット状の成形体を得るには無機繊維をカードマ
シンに供給し解繊してマット状にする。この際に繊維状
の結着材を混合するとマツイ６ ト國が容易になるので成形体中１０〜３０重量％の繊維
状結着材を添加するのが好ましい。

又、マット状成形体の１機械的強度を向上させるために
ニードルパンチを施こしてもよく、ニードルパンチは１
　ｃｔｉ当り１〜３個所行なわれるのが好ましい。

又無機繊維を均一に結着するために解繊する際に粉末状
結着材を混合してもよいし、マット状にした後やニード
ルパンチ後に粉末状結着材や結着材のエマルジョン、サ
スペンション等を散布してもよい。

次に、得られたマット状成形体の両面に結着材である熱
可塑性樹脂シートを積層し、この積層物を熱可塑性樹脂
シートの溶融温度に加熱し、この温度を保ったまま圧縮
する。この圧縮圧力は０．１〜５　ｋｇ　／　ｃｗｔ、
圧縮時間は１〜３０秒の範囲が好ましい。

最後に、上記の温度を保って圧縮を解除し不織繊維マッ
トの厚みを無機繊維の弾力で回復させた後冷却する。こ
の回復量が不充分なとき或いは長時間を要するときは、
加熱空気を内部に吹き込んだり、或いは両表面を真空吸
着により引離したりして強制的に厚みを回復させてもよ
い。

上記の工程において、熱可塑性樹脂シートは溶融され圧
縮されて不織繊維マット状成形体の内部へ含浸される。

また、無機繊維に繊維状、粉末状等の結着材が混合され
ている場合は、これらの結着材も溶融され、無機繊維を
結合する。

この際、圧縮圧力及び圧縮時間を割管して熱可塑性樹脂
シートの溶融樹脂が内部まで均一に含浸される前に圧縮
を解除すると、上記の溶融樹脂は内部よりも表面部に密
に含浸され、無機繊維同士がその交叉部で上記の結着材
の溶融物で強固に結合され、表面に多数の細孔が生じる
とともに、全体に亘って多数の空隙を有する本発明の繊
維成形体が得られる。

また、上記の如く不織繊維マット状成形体の両面に、熱
可塑性樹脂シートを積層する代りに、シリカなどの増粘
剤で増粘した不飽和ポリエステル樹脂やフェノール樹脂
などの熱硬化性樹脂を塗布し、この塗布物を以後前記と
同様な方法で加熱圧縮して、本発明、の繊維成形体を得
ることもできる。

尚、上記加熱加圧する際に賦形成形してもよいが、結着
材が熱可塑性樹脂の場合には上記加熱加圧の際には板状
体にしておき、使用する際に再度加熱加圧して賦形成形
してもよい。特に自動車用天井材として使用する際には
板状体としておき、発泡体や化粧用表皮材を積層して異
形成形用の金型に供給し、熱接着すると共に賦形成形す
るのが好ましい。

（作用） 本発明の繊維成形体は、無機繊維とこれを結合している
結着材と多数の空隙とが存在し、しかも両表面部に上記
結着材が密に分布し内部より空隙率が低くなされている
ことにより、軽量で、剛性、耐熱性、賦形性に優れ、特
に曲げ強さを著しく向上させる。

また、両表面の細孔と多数の空隙と無機繊維の存在によ
り、音が入射すると反射が少なく、殆んど内部の空隙へ
入る。そして、無機繊維が振動し、音波エネルギーを吸
収し熱エネルギーに変換し、吸音性を著しく向上させる
。

（実施例） 次に、本発明の実施例及び比較例を示す。

爽施開上 ガラス繊維（直径１０μｍ、長さ５０ｆｆＩＩｍ）４５
０ｇと高密度ポリエチレン繊維（直径３０μ僧、長さ５
０世、融点１３５°Ｃ）１５０ｇとを混合し、カードマ
シンで解繊し綿状とし、ニードルバンチ加工を施し、厚
さ８ｆｆ１１１．１Ｍの不織繊維マットを得た。

この不織繊維マットの両面に高密度ポリエチレンシート
（厚さ１００μｍ、融点１３５°Ｃ）を積層し、この積
層物を２００’Ｃで３分間加熱した後、２００°Ｃのプ
レス機で１ｋｇ／ｄの圧力で平板状に圧縮した。このと
き積層物の厚さは２ＩＩｌｌＩであった。

つぎに、プレスのクリアランスを６ｆｆＩＩ１１まで上
げて冷却し、厚さ６鵬の平板状の繊維成形体を得た。こ
の繊維成形体の平均空隙率は９０％、表面部の空隙率は
７０％、中心部の空隙率は９５％、表面の孔密度は５個
／ｃｄ、その孔径は２〜１００μｍで大部分が３０〜４
０ｕｍであった。この繊維成形体についてＪＩＳ　Ｋ　
７２２１に準する曲げ試験（試料幅５（ＩｎＩｌｌ、長
さ１５０ａｗ）と、ＪＩＳ　Ａ　１４０５に準する垂直
入射法による吸音率を測定した。その結果を第１表に示
した。

ル較桝上 実施例１で用いた不織繊維マット（厚さ８飾、１Ｍ）の
両面に、実施例１で用いた高密度ポリエチレンシート（
厚さ１００μｍ、融点１３５°Ｃ）を積層し、この積層
物を２００″Ｃで３分間加熱した後、２５°Ｃのプレス
機でクリアランス６印で加圧し、その状態を保持したま
ま冷却し、不織繊維マットの両面に、高密度ポリエチレ
ンシートが積層接着された厚さ６ＩＩＯ１１の積層成形
体を得た。

この積層成形体について、実施例１と同様にして曲げ試
験と、垂直入射法による吸音率を測定した。その結果を
第１表に示した。

第１表 （発明の効果） 本発明の繊維成形体は、上述のように構成されているの
で、軽量で、剛性、耐熱性、賦形性、吸音性に優れてい
る。特に吸音性及び曲げ強さの点で著しく優れており、
自動車用天井材として好適である。

なお、本発明の繊維成形体は、自動車用天井材のみなら
ず、家屋や船舶用の天井材或いは断熱用建材など多くの
分野に利用することができる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １．無機繊維が結着材で部分的に結合され、全体に亘っ
   て多数の空隙を有する不織繊維マット状の成形体であっ
   て、該成形体の両表面には、内部の空隙へ連通する多数
   の細孔が形成され、該成形体の両表面部は、内部よりも
   結着材が密に分布し、且つ空隙率が低くなされているこ
   とを特徴とする繊維成形体。