JP2004335792A - 酸化物半導体発光素子 - Google Patents

酸化物半導体発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】発光特性および省電力性に優れた酸化物半導体発光素子を提供する。
【解決手段】量子井戸発光層103は、Mg0.1Zn0.9O障壁層と、Cd0.1Zn0.9O井戸層とが交互に積層されて成っている。これにより、Cd0.1Zn0.9O井戸層のキャリア閉じ込め効果が向上するので、発光特性および省電力性を高めることが出来る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば発光ダイオードや半導体レーザなどの半導体発光素子に関し、さらに詳しくは、発光特性と信頼性および省電力性に優れた酸化物半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザや発光ダイオードなどの半導体発光素子の活性層には、量子井戸層とポテンシャル障壁層との交互積層で構成した量子井戸構造がよく用いられる。量子井戸構造を有する量子井戸活性層は、バルク活性層に比べ量子効率が高いため、特性に優れた半導体発光素子を実現することが出来る。このような量子井戸活性層は、青色発光素子として既に実用化されているIII族窒化物半導体を用いた半導体発光素子において採用されている。例えば、特許2932467号公報では、InGaN混晶で井戸層および障壁層を形成した量子井戸活性層が開示されている。
【0003】
ところで、半導体発光素子の材料の一つに酸化亜鉛(ZnO)がある。この酸化亜鉛は、約3.4eVのバンドギャップエネルギを有する直接遷移型半導体で、励起子結合エネルギが60meVと極めて高く、また原材料が安価、環境や人体に無害で成膜手法が簡便であるなどの特徴を有し、高効率・低消費電力で環境性に優れた発光デバイスを実現出来る可能性がある。
【0004】
従来、ZnOおよびこれを母体した混晶で構成された酸化物半導体発光素子としては、Cd0.3Zn0.7Oから成る井戸層と、Cd0.06Zn0.94Oから成る障壁層との交互積層を複数回繰り返して形成された量子井戸活性層を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
国際公開第00/16411号パンフレット
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の酸化物半導体発光素子は、III族窒化物半導体を用いた半導体発光素子などに比べて発光効率が悪い上に、動作電圧や発振閾値電流が高いという問題がある。
【0007】
本発明者らの検討によると、この問題が生じる理由は以下のように推察される。
【0008】
量子井戸活性層を構成する井戸層,障壁層の両方をCdZnO混晶で構成すると、障壁層のポテンシャルが低くなるため、量子井戸活性層に注入された電子が各井戸層に均一に閉じ込められない。その結果、各井戸層における発振波長や利得にばらつきが生じてしまう。
【0009】
このようなばらつきは、井戸層,障壁層の両方をInGaN混晶で構成した量子井戸活性層では、井戸層と障壁層とのIn組成比の差を大きくして、障壁層のポテンシャルを高くすることによって解決される。
【0010】
しかし、このような解決方法は、井戸層,障壁層の両方をCdZnO混晶で構成した量子井戸活性層には用いることが出来ない。より詳しく説明すると、CdZnO混晶はCdOとZnOとの結晶構造が異なるため、Cd組成比が大きくなると相分離を生じやすく、十分な結晶性を有する単一組成のCdZnO混晶が得られる組成範囲が狭い。すなわち、上記井戸層と障壁層とのCd組成比を大きくすることが出来ない。したがって、上記井戸層,障壁層の両方をCdZnO混晶で構成した量子井戸活性層では、障壁層のポテンシャルを高く出来ず、量子井戸層間の特性不均一が生じやすい。
【0011】
そこで、本発明の目的は、発光特性および省電力性に優れた酸化物半導体発光素子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ZnO系半導体で構成された量子井戸活性層を有する半導体発光素子について、発光効率を向上させる技術について鋭意検討した結果、量子井戸活性層の構成を最適化することにより上記目的を達成出来ることを見い出し本発明に至った。
【0013】
第1の発明の酸化物半導体発光素子は、ZnO系半導体で構成された酸化物半導体発光素子であって、CdZn1−xO井戸層(但し、0<x≦1)とMgZn1−yO障壁層(但し、0<y≦1)とが交互に積層されて成る量子井戸構造を有する活性層を備えたことを特徴としている。
【0014】
本明細書において、ZnO系半導体とは、ZnOおよびこれを母体としたMgZnOあるいはCdZnOなどで表される混晶を含めるものとする。
【0015】
上記構成の酸化物半導体発光素子によれば、上記井戸層をバンドギャップエネルギの小さなCdZnOで構成し、障壁層をバンドギャップエネルギの大きなMgZnOで構成するので、十分な障壁高さが確保されて、井戸層のキャリア閉じ込め効果が向上する。その結果、発光効率を高めることが出来ると共に、動作電圧や発振閾値電流を下げることが出来る。すなわち、発光効率、省電力性および信頼性に優れた酸化物半導体発光素子を実現出来る。
【0016】
なお、上記「活性層」は、発光ダイオード素子の場合には「発光層」と称されるが、発光を司る層という意味において同義であるので、以下においては特に区別しない。
【0017】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記CdZn1−xO井戸層のCd組成比xは0<x≦0.2である。
【0018】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記Cd組成比xを0<x≦0.2の範囲内に設定することにより、CdZn1−xO井戸層の結晶性および組成均一性を向上させることが出来る。
【0019】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記MgZn1−yO障壁層のMg組成比yは0<y≦0.35である。
【0020】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記Mg組成比yを0<y≦0.35の範囲内に設定することにより、MgZn1−yO障壁層の結晶性および組成均一性を向上させることが出来る。
【0021】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記CdZn1−xO井戸層のCd組成比xは0<x≦0.08であり、且つ、上記MgZn1−yO障壁層のMg組成比yは0<y≦0.33である。
【0022】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記Cd組成比xを0<x≦0.08の範囲内に、且つ、上記Mg組成比yを0<y≦0.33の範囲内に設定することにより、CdZn1−xO井戸層の面内格子定数およびMgZn1−yO障壁層の面内格子定数を3.250Å〜3.261Åの範囲内でほぼ同じにすることが出来る。その結果、上記活性層内に生じる応力を極めて小さくすることが出来る。
【0023】
第2の発明の酸化物半導体発光素子は、ZnO系半導体で構成された酸化物半導体発光素子であって、井戸層と障壁層とが交互に積層されて成る量子井戸構造を有する活性層を備え、上記井戸層は3層以上あり、且つ、上記量子井戸構造において積層方向の両端に位置する上記井戸層の層厚は、上記両端以外の箇所に位置する上記井戸層の層厚と異なることを特徴としている。
【0024】
上記構成の酸化物半導体発光素子によれば、上記両端に位置する上記井戸層の層厚と、その両端以外の箇所に位置する井戸層の層厚とを異ならせることにより、全ての井戸層の量子準位を揃えることができる。つまり、全ての井戸層の量子準位をほぼ同じに出来る。したがって、発光波長を均一化して特性を改善することが出来る。すなわち、発光効率や温度特性などの諸特性に優れた酸化物半導体発光素子を実現出来る。
【0025】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記両端に位置する上記井戸層の層厚は、上記両端以外の箇所に位置する上記井戸層の層厚よりも厚い。
【0026】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記両端に位置する上記井戸層の層厚が、その両端以外の箇所に位置する井戸層の層厚よりも厚いので、全ての井戸層の量子準位が揃い易くなる。
【0027】
第3の発明の酸化物半導体発光素子は、ZnO系半導体で構成され得た酸化物半導体発光素子であって、井戸層と障壁層とが交互に積層されて成る量子井戸構造を有する活性層を備え、上記井戸層は3層以上あり、且つ、上記量子井戸構造において積層方向の両端に位置する上記井戸層の組成は、上記両端以外の箇所に位置する上記井戸層の組成と異なることを特徴としている。
【0028】
上記構成の酸化物半導体発光素子によれば、上記両端に位置する上記井戸層の組成と、その両端以外の箇所に位置する井戸層の組成とを異ならせることにより、全ての井戸層の量子準位を揃えることができる。つまり、全ての井戸層の量子準位をほぼ同じに出来る。したがって、発光波長を均一化して特性を改善することが出来る。すなわち、発光効率や温度特性などの諸特性に優れた酸化物半導体発光素子を実現出来る。
【0029】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記両端に位置する上記井戸層のバンドギャップエネルギは、上記両端以外の箇所に位置する上記井戸層のバンドギャップよりも小さくなっている。
【0030】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記両端に位置する上記井戸層のバンドギャップエネルギが、その両端以外の箇所に位置する井戸層のバンドギャップよりも小さいので、全ての井戸層の量子準位が揃い易くなる。
【0031】
第4の発明の酸化物半導体発光素子は、ZnO系半導体で構成された酸化物半導体発光素子において、井戸層と障壁層とが交互に積層されて成る量子井戸構造を有する活性層と、上記活性層と積層された光ガイド層とを備え、上記障壁層のバンドギャップエネルギは上記光ガイド層のバンドギャップエネルギよりも高いことを特徴としている。
【0032】
上記構成の酸化物半導体発光素子によれば、上記障壁層のバンドギャップエネルギが光ガイド層のバンドギャップエネルギより高いので、十分な障壁高さが得られて、井戸層のキャリア閉じ込め効果が向上する。その結果、発光効率を高めることが出来ると共に、動作電圧や発振閾値電流を下げることが出来る。すなわち、諸特性に優れた酸化物半導体発光素子を実現出来る。
【0033】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記活性層にはドナー不純物がドーピングされている。
【0034】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記活性層にドナー不純物をドーピングしているので、発光効率が向上すると共に、素子の動作電圧が低減する。
【0035】
また、上記活性層にドナー不純物をドーピングすることにより、不純物準位を介したエネルギ遷移を生ぜしめることが出来、発光特性を向上させることが出来る。
【0036】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記第1乃至第4のいずれか1つ発明の酸化物半導体発光素子において、上記ドナー不純物は上記井戸層のみにドーピングされている。
【0037】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記ドナー不純物を上記井戸層のみにドーピングしていることにより、活性層全体に不純物をドーピングした場合と同等の発光効率の向上効果が得られると共に、ドーピング総量を低減することが出来る。その結果、上記活性層の結晶性が向上して信頼性が高くなると共に、活性層のキャリア吸収損失が低減して発光効率が更に向上する。
【0038】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記ドナー不純物は上記障壁層のみにドーピングされている。
【0039】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記ドナー不純物を障壁層のみにドーピングしていることにより、活性層全体に不純物をドーピングした場合と同等の発光効率の向上効果が得られると共に、ドーピング総量を低減することが出来る。その結果、上記活性層の結晶性が向上して信頼性が高くなると共に、活性層のキャリア吸収損失が低減して発光効率が更に向上する。
【0040】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記井戸層の膜厚は2nm〜8nmの範囲内である。
【0041】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記井戸層の膜厚を2nm〜8nmの範囲内に設定することにより、量子効率や微分利得が向上して、発光特性を向上出来る。
【0042】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記井戸層は3層以上あり、且つ、上記量子井戸構造において積層方向の両端以外の箇所に位置する上記井戸層の膜厚は3nm〜6nmの範囲内である。
【0043】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記両端以外の箇所に位置する井戸層の膜厚を3nm〜6nmの範囲内に設定することにより、量子効率や微分利得が更に向上して、発光特性を更に向上出来る。
【0044】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記活性層は、上記障壁層のバンドギャップエネルギよりも大きなバンドギャップエネルギを有するMgZnO混晶を含むクラッド層で挟持されている。
【0045】
上記実施形態の酸化物半導体発光素子によれば、上記障壁層のバンドギャップエネルギよりも大きなバンドギャップエネルギを有するMgZnO混晶を含むクラッド層が活性層を挟持しているので、注入キャリアが活性層に閉じ込められる。その結果、発光効率が向上するので、低い動作電流で高い発光効率が得られる。
【0046】
一実施形態の酸化物半導体発光素子は、上記活性層と上記クラッド層との間に、上記クラッド層のバンドギャップエネルギよりも大きなバンドギャップエネルギを有するMgZnO混晶を含むキャリアブロック層を備えている。
【0047】
上記構成の酸化物半導体発光素子によれば、上記キャリアブロック層を活性層と上記クラッド層との間に形成することにより、井戸層におけるキャリア閉じ込め効果が更に向上する。その結果、発光特性や温度特性を向上させることが出来る。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の酸化物半導体発光素子を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0049】
(実施形態1)
本実施形態1では、ZnO系半導体で構成された青色発光ダイオード素子に本発明を適用した第1の例について説明する。
【0050】
図1に、本実施形態1の青色発光ダイオード素子の模式断面図を示す。
【0051】
上記発光ダイオード素子では、亜鉛面を主面とするZnO単結晶基板101上に、Ga(ガリウム)を3×1018cm−3の濃度でドーピングした厚さ0.5μmのn型Mg0.2Zn0.8Oクラッド層102、活性層の一例としてのノンドープ量子井戸発光層103、N(窒素)を1×1020cm−3の濃度でドーピングした厚さ0.5μmのp型Mg0.2Zn0.8Oクラッド層104、Nを1×1020cm−3の濃度でドーピングした厚さ0.5μmのp型ZnOコンタクト層105とがこの順で積層されている。
【0052】
上記量子井戸発光層103は、厚さ5nmのMg0.1Zn0.9O障壁層と、厚さ4nmのCd0.1Zn0.9O井戸層とが交互に積層されて成っている。そして、上記Mg0.1Zn0.9O障壁層は8層ある一方、Cd0.1Zn0.9O井戸層は7層ある。
【0053】
上記p型ZnOコンタクト層105の主表面全面上には、厚さ15nmのNiを積層した透光性のp型オーミック電極106が形成されている。更に、上記p型オーミック電極106上には、厚さ100nmのボンディング用Auパッド電極7がオーミック電極6より小さい面積で形成されている。
【0054】
上記ZnO単結晶基板101の裏面下には、Alから成る厚さ100nmのn型オーミック電極108が形成されている。
【0055】
上記構成の発光ダイオード素子をAgペーストでリードフレームに取り付けてモールドして発光させたところ、発光ピーク波長430nmの青色発光が得られた。
【0056】
図2に、上記量子井戸発光層103を構成する障壁層の組成比を変えて本実施形態1の発光ダイオード素子を作製し、20mAの動作電流における発光強度を調べた結果を示す。
【0057】
図2から判るように、上記障壁層を井戸層と同じCdZnO混晶で構成した場合は発光強度が弱くなっている。これに対して、上記障壁層をバンドギャップエネルギの大きなMgZnO混晶で構成すると発光強度が飛躍的に増大する。この理由としては、CdZnO障壁層はポテンシャル障壁が相対的に低く、各々の井戸層に電子を均一に閉じ込めることが出来ないのに対し、ポテンシャル障壁が高くなるに伴って井戸層への電子の閉じ込めが均一化し、十分な量子効果が得られるようになり発光強度が増大したと考えられる。
【0058】
また、上記MgZnO混晶で構成した障壁層においてMg組成比が0.35を超えると、発光強度は急激に低下する。これは、上記Mg組成比が0.35が越えることにより結晶性の劣化や組成不均一が生じていると考えられる。
【0059】
以上より、上記量子井戸発光層103の障壁層のMg組成比は0を超えて0.35までの範囲が結晶性と組成均一性に優れ好ましい。
【0060】
一方、上記量子井戸発光層103の井戸層のCd組成比は、大きい方がより長波長の可視発光が得られるため、産業的な利用価値が高いが、結晶性と組成均一性に優れる範囲としては0を超えて0.2までの範囲が好ましい。
【0061】
図3には、CdZn1−xOおよびMgZn1−yOで構成した量子井戸発光層に関して、CdZn1−xOおよびMgZn1−yOの組成比とバンドギャップエネルギとの関係を調べて示すと共に、その組成比と面内格子定数との関係も調べて示している。なお、図3には、III族窒化物半導体の井戸層,障壁層の材料として用いられるInGaNおよびAlGaNに関して上記関係を調べて比較例として示している。
【0062】
図3において、CdZn1−xOは、Cd組成比xが0〜0.08の範囲内で面内格子定数が3.249Å〜3.261Åの範囲内にある。一方、MgZn1−yOは、Mg組成比yが0〜0.33の範囲内で面内格子定数が3.249Å〜3.261Åの範囲内にある。そして、CdZn1−xOとMgZn1−yOとの両方とも組成比x,yが増大するにつれて、面内格子定数も増大する。
【0063】
したがって、上記組成範囲内、つまりCd組成比xが0〜0.08の範囲内、且つ、Mg組成比yが0〜0.33の範囲内において量子井戸発光層を構成することにより、井戸層と障壁層とのバンドギャップ差を大きく取ることが出来、且つ、格子不整合を極めて小さくすることが出来る。
【0064】
但し、上記Cd組成比xおよびMg組成比yが共に0の場合はキャリアが井戸層へ閉じ込まらないので、xおよびyは0を含まず、面内格子定数は3.250Å以上であることが好ましい。
【0065】
なお、比較例として示したIII族窒化物半導体のInGaNおよびAlGaNの場合には、In組成比およびAl組成比が共に増大すると、バンドギャップ差は大きくなるが、格子不整合も極めて大きくなり、結晶性が悪化すると共に、内部応力によって発生するピエゾ分極電界の影響を受けて発光効率が大きく低下する。
【0066】
このことは、ZnO系半導体を用いた本発明の酸化物半導体発光素子がIII族窒化物半導体に比べ構造設計の自由度が高く、より優れた青色〜紫外発光素子を作製出来ることを示している。
【0067】
図4に、上記量子井戸発光層103の井戸層の層厚と発光強度との関係を示す。つまり、図4には発光強度の井戸層厚依存性が示されている。なお。図4では、量子井戸発光層103の井戸層の膜厚は「量子井戸膜厚」と記載している。
【0068】
図4から判るように、上記井戸層の膜厚を1nmから増加させて行くと、井戸層の膜厚が2nmとなったところから発光強度が著しく向上する。このように、上記井戸層の膜厚の増加に伴って発光強度も大きくなるが、井戸層の膜厚が8nmを超えると発光強度が急激に低下し、10nm以上ではさらに急激に低下してしまう。この理由としては、量子効果の低減によって励起子の結合エネルギが小さくなることが考えられる。
【0069】
したがって、上記量子井戸発光層103の井戸層の膜厚は2nm以上8nm以下とすることが好ましく、3nm以上6nm以下とすることがより好ましい。
【0070】
量子井戸発光層の各井戸層へキャリアを均一に閉じ込める効果を最大限に得るには、クラッド層から量子井戸活性層へ注入されたキャリアを閉じ込めるダブルヘテロ構造を有することが好ましい。
【0071】
上記量子井戸発光層103を挟持するMgZnOクラッド層のMg組成比は、量子井戸発光層103の障壁層のMg組成比より高く、結晶性劣化が顕著となる0.35より低いことが好ましい。
【0072】
上記p型Mg0.2Zn0.8Oクラッド層104およびp型ZnOコンタクト層105にドーピングするアクセプタ不純物としては、I族元素あるいはV族元素であるLi、Na、Cu、Ag、N、P、Asなどのうちの少なくとも1つを用いることが出来る。N、LiおよびAgは活性化しやすいので特に好ましく、更にNはNをプラズマ化し結晶成長中に照射する手法によって、結晶性を良好に保って高濃度ドーピングが行えるので好ましい。
【0073】
上記n型Mg0.2Zn0.8Oクラッド層102にドーピングするドナー不純物には、ZnO系半導体中での活性化率が高いIII族元素のB、Al、GaおよびInのうちの少なくとも1つを用いることが好ましい。
【0074】
基板材料としては、本実施形態1で用いたZnO基板以外にも、サファイア基板、スピネル基板およびLiGaO基板などの絶縁性基板や、SiC基板やGaN基板などの導電性基板も用いることが出来る。
【0075】
上記絶縁性基板を用いる場合は、成長層の一部をエッチングしてn型Mg0.2Zn0.8Oクラッド層102の一部を露出させ、この一部上にn型オーミック電極5を形成すればよい。あるいは、上記n型Mg0.2Zn0.8Oクラッド層102に接するn型ZnOコンタクト層を設け、このコンタクト層の一部を露出させて、この一部上にn型オーミック電極5を形成すればより好ましい。
【0076】
結晶性の良好な成長層を得るためには、n型Mg0.2Zn0.8Oクラッド層102またはn型ZnOコンタクト層と基板との間にバッファ層を形成するのが好ましい。
【0077】
ZnO系半導体が有する高い発光効率を最大限に得るためには、以下の(a)〜(c)の条件を満たす基板を用いるのが好ましい。
【0078】
(a) 基板上の成長層において非発光中心となる欠陥を低減する観点上、基板の面内格子定数は、ZnOの面内格子定数に対して(100±3)%の範囲内に収まっている。
【0079】
(b) 基板は発光波長に対応する吸収係数が低い。
【0080】
(c) 基板の裏面下に電極を設ける観点上、基板は導電性基板である。
【0081】
本実施形態1のZnO単結晶基板101は、上記(a)〜(c)の条件を全て満し、最も好ましい。また、上記ZnO単結晶基板101の亜鉛面を用いることにより、p型層のキャリア活性化率が向上し、抵抗の低いp型層が得られやすくなるので好ましい。
【0082】
また、基板に入射した発光を乱反射させるために、研磨やエッチングなどの公知の手法で基板裏面に凹凸を形成すれば、光取り出し効率が向上するので好ましい。
【0083】
p型オーミック電極の材料としては、Ni、Pt、PdおよびAuなどのうちの1つを用いることが出来る。Ni、Pt、PdおよびAuなどの中でも低抵抗で密着性の良いNiが、p型オーミック電極の材料として特に好ましい。また、上記p型オーミック電極は、上記複数の金属材料を合金化して形成してもよい。つまり、上記p型オーミック電極は、異なる複数の金属材料を用いて形成してもよい。
【0084】
また、ZnO系半導体が有する高い発光効率を最大限の効果で得るためには、本実施形態1で示したように、透光性のp型オーミック電極106を用いて光取り出し効率を向上させることが好ましい。上記p型オーミック電極106において、良好なオーミック特性と高い透光性とを両立する厚みとしては5nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、30nm〜100nmの範囲内であることが更に好ましい。
【0085】
p型電極形成後にアニール処理を行うと、密着性が向上すると共に接触抵抗が低減するので好ましい。ZnO結晶に欠陥を生じずにアニール効果を得るには、温度は300℃〜400℃の範囲内であることが好ましい。また、上記アニール処理における雰囲気はOあるいは大気雰囲気中が好ましく、Nでは逆に電気抵抗が増大してまうので好ましくない。
【0086】
上記Auパッド電極7は、透光性オーミック電極6上の一部に、p型オーミック電極106より小さな面積で形成すれば、透光性オーミック電極6の効果を損なわずにリードフレームへの実装プロセスが容易になるので好ましい。
【0087】
パッド電極の材料としては、ボンディングが容易でZnO中へ拡散してもドナー不純物とならないAuが好ましい。
【0088】
上記透光性オーミック電極6とパッド電極7との間に、密着性や光反射性を向上させる目的で他の金属層を設けてもよい。
【0089】
n型オーミック電極の材料としては、Ti、CrおよびAlなどをのうちの1つを用いることが出来る。Ti、CrおよびAlなどの中でも低電気抵抗で低コストなAl、あるいは、密着性の良いTiが、n型オーミック電極の材料として好ましい。また、上記n型オーミック電極は、上記複数の金属材料を合金化して形成してもよい。つまり、上記p型オーミック電極は、異なる複数の金属材料を用いて形成してもよい。
【0090】
その他の構成は任意であり、実施形態1によって限定されるものではない。
【0091】
(実施形態2)
本実施形態2は、量子井戸発光層において積層方向の両端の井戸層の膜厚が残りの井戸層の膜厚と異なっている点が上記実施形態1と異なっている。
【0092】
すなわち、本実施形態2では、量子井戸発光層が有する7層の井戸層のうち、積層方向の両端に位置する2層の井戸層の膜厚を5.5nmとし、残りの5つの井戸層の膜厚を4nmとした他は、実施形態1と同様にして発光ダイオード素子を作製している。
【0093】
本実施形態2の発光ダイオード素子をチップ状に分離し、Agペーストでリードフレームに取り付けてモールドして発光させたところ、上記実施形態1と同じ発光ピーク波長430nmの青色発光が得られたが、上記実施形態1に比べて発光強度が10%大きくなると共に、発光スペクトルの半値幅が上記実施形態1に比べて30%狭くなり、単色性が向上した。
【0094】
この理由は以下のように考えられる。
【0095】
図5(a)に、上記実施形態1の量子井戸発光層103近傍における伝導帯バンドダイヤグラムの概略図を示し、図5(b)に、本実施形態2の量子井戸発光層近傍における伝導帯バンドダイヤグラムの概略図を示す。なお、図5(a),(b)中の左右方向が積層方向に相当する。
【0096】
図5(a)に示すように、上記実施形態1の量子井戸発光層103は、8層のMg0.1Zn0.9O障壁層111,112,…,118と、7層のCd0.1Zn0.9O井戸層121,122,…,127とで構成されている。そして、この7層全ての井戸層121,122,…,127の膜厚が4nmとなっている。
【0097】
上記構成の量子井戸発光層103によれば、積層方向の両端の井戸層121,127はクラッド層102,104の障壁ポテンシャルの影響を強く受ける。このため、電子波が形成する量子準位は、点線で示すように、積層方向の両端の井戸層121,127が他の井戸層122,123,…,126よりも高くなる。すなわち、全ての井戸層121,122,…,127の量子準位は揃っていない。
【0098】
一方、図5(b)に示すように、本実施形態2の量子井戸発光層203は、8層のMg0.1Zn0.9O障壁層211,212,…,218と、7層のCd0.1Zn0.9O井戸層221,222,…,227とで構成されている。この7層の井戸層221,222,…,227のうち、積層方向の両端に位置する2層の井戸層221,227の膜厚が5.5nm、残りの5層の井戸層222,223,…,226の膜厚は4nmとなっている。
【0099】
上記構成の量子井戸発光層203によれば、両端の2層の井戸層221,227の膜厚が他の井戸層222,223,…,226の膜厚よりも厚いので、点線で示すように、井戸層221,227において量子効果が減少して量子準位が下る。その結果、上記井戸層221,227の量子準位と、残りの井戸層222,223,…,226の量子準位とが揃い易くなる。すなわち、上記井戸層221,222,…,227の全ての量子準位が揃い易い。これにより、上記実施形態1に比べてスペクトル幅などの特性が向上したものと考えられる。
【0100】
このように、量子井戸発光層の複数の井戸層の量子準位を揃えて特性を向上させるには、その複数の井戸層のうち積層方向の両端の井戸層の膜厚を他の井戸層の膜厚よりも厚くすることが好ましい。但し、上記実施形態1で述べたように、井戸層の膜厚は2nm以上8nm以下とするのが好ましいので、積層方向の両端以外の井戸層の膜厚は3nm以上6nm以下とするのが好ましい。
【0101】
(実施形態3)
本実施形態3では、量子井戸発光層の全体にGaを1×1018cm−3の濃度でドーピングした他は、上記実施形態2と同様にしてZnO系発光ダイオード素子を作製した。
【0102】
本実施形態3の発光ダイオード素子をチップ状に分離し、Agペーストでリードフレームに取り付けてモールドして発光させたところ、発光ピーク波長430nmの青色発光が得られ、発光強度は上記実施形態2に比べて20%増大した。また、上記量子井戸発光層が低抵抗化したため、動作電圧が0.1V減少した。
【0103】
上記発光ダイオード素子は、量子井戸発光層にGaをドーピングしたことにより、このGaがドナー準位を形成し、励起子発光と共にドナー準位を介した発光が生じるので、発光波長が長波長化すると共に、エネルギ遷移確率も向上するので上記実施形態2に比べて発光強度が増大すると考えられる。
【0104】
(実施形態4)
本実施形態4では、量子井戸発光層が有する井戸層のみにGaをドーピングした他は、上記実施形態3と同様にしてZnO系発光ダイオード素子を作製した。すなわち、本実施形態4の量子井戸発光層は、ノンドープの8層のMg0.1Zn0.9O障壁層と、Gaを1×1018cm−3の濃度でドーピングした7層のCd0.1Zn0.9O井戸層とで構成されている。
【0105】
本実施形態4の発光ダイオード素子をチップ状に分離し、Agペーストでリードフレームに取り付けてモールドして発光させたところ、発光ピーク波長430nmの青色発光が得られ、発光強度は上記実施形態3に比べて20%増大したが、動作電圧が実施形態3に比べて0.05V増大した。
【0106】
上記発光ダイオード素子は、井戸層のみに不純物をドーピングしたことにより、発光効率を維持して量子井戸発光層全体のドーピング濃度が低くなり、量子井戸発光層におけるキャリア吸収が低減するので、量子井戸発光層全体に不純物をドーピングした場合に比べて発光強度が増大すると考えられる。
【0107】
(実施形態5)
本実施形態5では、量子井戸発光層が有する障壁層のみにGaをドーピングした他は、上記実施形態3と同様にしてZnO系発光ダイオード素子を作製した。すなわち、本実施形態5の量子井戸発光層は、Gaを1×1018cm−3の濃度でドーピングした8層のMg0.1Zn0.9O障壁層と、ノンドープの7層のCd0.1Zn0.9O井戸層とで構成されている。
【0108】
本実施形態5の発光ダイオード素子をチップ状に分離し、Agペーストでリードフレームに取り付けてモールドして発光させたところ、発光ピーク波長425nmの青色発光が得られ、発光強度は上記実施形態3に比べて15%増大し、動作電圧は実施形態3に比べて0.05V増大した。
【0109】
上記発光ダイオード素子は、障壁層のみに不純物をドーピングしたことにより、発光効率を維持して量子井戸発光層全体のドーピング濃度が低くなり、量子井戸発光層におけるキャリア吸収が低減するので、井戸層のみに不純物をドーピングした場合とほぼ同等の発光強度増大が得られる。
【0110】
(実施形態6)
本実施形態6は、量子井戸発光層において両端の井戸層の組成が残りの井戸層の組成と異なっている点が上記実施形態1と異なっている。
【0111】
すなわち、本実施形態3では、量子井戸発光層が有する7層の井戸層のうち、積層方向の両端に位置する2層の井戸層のみをCd0.05Zn0.95Oで構成し、残りの5層の井戸層をCd0.1Zn0.9Oで構成した他は、上記実施形態1と同様にして発光ダイオード素子を作製した。
【0112】
本実施形態6の発光ダイオード素子をチップ状に分離し、Agペーストでリードフレームに取り付けてモールドして発光させたところ、上記実施形態1と同じ発光ピーク波長430nmの青色発光が得られたが、発光強度が上記実施形態1に比べて10%大きくなると共に、発光スペクトルの半値幅が上記実施形態1に比べて30%狭くなり、単色性が向上した。
【0113】
この理由は以下のように考えられる。
【0114】
図6に、本実施形態6の量子井戸発光層603における伝導帯バンドダイヤグラムの概略図を示す。
【0115】
上記量子井戸発光層603は、8層のMg0.1Zn0.9O障壁層611,612,…,618と、2層のCd0.05Zn0.95O井戸層621,627と、5層のCd0.1Zn0.9O井戸層622,623,…,626とで構成されている。この井戸層621,622,…,627において井戸層621,627が積層方向の両端に位置している。
【0116】
上記構成の量子井戸発光層603は、積層方向の両端の井戸層621,627の組成が他の井戸層622,623,…,626の組成と異なっているので、上記実施形態と同様に井戸層621,622,…,627の全ての量子準位が揃い易い構造となっている。その結果、本実施形態6の発光ダイオード素子は、上記実施形態1に比べてスペクトル幅などの特性が向上したものと考えられる。
【0117】
このように、複数の井戸層において、全ての井戸層の量子準位を揃えて特性を向上させるには、積層方向の両端の井戸層のバンドギャップエネルギは他の井戸層(積層方向の両端以外の箇所に位置する井戸層)のバンドギャップエネルギに比して小さいことが好ましい。したがって、上記複数の井戸層において、積層方向の両端の井戸層のバンドギャップエネルギが他の井戸層のバンドギャップエネルギに比して小さくなるように、各井戸層の組成を調節するのが好ましい。
【0118】
(実施形態7)
本実施形態7では、ZnO系半導体で構成された青色半導体レーザ素子に本発明を適用した一例について説明する。
【0119】
図7に、本実施形態7のZnO系半導体レーザ素子の模式斜視図を示す。
【0120】
上記半導体レーザ素子は、亜鉛面を主面としたn型ZnO単結晶基板701上に、厚さ0.5μmのn型Mg0.2Zn0.8Oクラッド層702、光ガイド層の一例としての厚さ20nmのn型Mg0.05Zn0.95O光ガイド層703、活性層の一例としての多重量子井戸活性層704、光ガイド層の一例としての厚さ20nmのp型Mg0.05Zn0.95O光ガイド層705、厚さ1.0μmのp型Mg0.2Zn0.8Oクラッド層706、厚さ0.5μmのp型ZnOコンタクト層707がこの順で積層されている。
【0121】
上記p型Mg0.2Zn0.8Oクラッド層706の上部はリッジストライプ形状にエッチング加工されている。そして、上記p型Mg0.2Zn0.8Oクラッド層706の上部の両側には、Mg0.3Zn0.7Oより成るn型電流ブロック層708を形成している。つまり、上記p型Mg0.2Zn0.8Oクラッド層706の上部の側面は、n型電流ブロック層708によって埋め込まれている。
【0122】
また、上記p型ZnOコンタクト層707上にはp型オーミック電極30を形成している一方、n型ZnO単結晶基板701下にはn型オーミック電極709を形成している。
【0123】
図8に、上記多重量子井戸活性層近傍の伝導帯バンドダイヤグラムの概略図を示す。
【0124】
上記多重量子井戸活性層704は、厚さ4nmのMg0.1Zn0.9O障壁層711,712と、厚さ4nmのCd0.1Zn0.9O井戸層721,722,723とを交互に積層して構成されている。上記Mg0.1Zn0.9O障壁層711,712は2層ある一方、Cd0.1Zn0.9O井戸層721,722,723は3層ある。そして、上記Mg0.1Zn0.9O障壁層711,712のバンドギャップエネルギは、n型Mg0.05Zn0.95O光ガイド層703およびp型Mg0.05Zn0.95O光ガイド層705のバンドギャップエネルギより高くなっている。
【0125】
以上のような構造を作製後、n型ZnO単結晶基板701を劈開して端面ミラーを形成し、その端面に保護膜を真空蒸着した後、素子分離を行って幅300μmの本実施形態7の半導体レーザ素子を得る。この半導体レーザ素子に電流を流したところ、端面から波長430nmの青色発振光が得られた。
【0126】
図9に、上記多重量子井戸活性層704が有する障壁層のMg組成比を変えて本実施形態7の半導体レーザ素子を作製し、発振閾値電流および特性温度を調べた結果を示す。なお、図9では、上記障壁層のMg組成比と発振閾値電流との関係を実線で示し、上記障壁層のMg組成比と特性温度との関係を点線で示している。
【0127】
図9から判るように、上記障壁層の組成比が光ガイド層より大きくなって井戸層に対するポテンシャル障壁が高くなると、発振閾値電流および特性温度が大きく改善された。このことは、上記障壁層のバンドギャップエネルギが光ガイド層のバンドギャップエネルギより高いことにより、井戸層へのキャリア閉じ込めが均一に行なわれ、諸特性が大きく改善されることを示している。
【0128】
(実施形態8)
図10に、本実施形態8の量子井戸活性層近傍における伝導帯バンドダイヤグラムの概略図を示す。
【0129】
本実施形態8では、図10に示すように、n型Mg0.2Zn0.8Oクラッド層702とn型Mg0.05Zn0.95O光ガイド層703との間に、Mg0.3Zn0.7Oより成る厚さ5nmのn型キャリアブロック層801を形成すると共に、p型Mg0.05Zn0.95O光ガイド層705とp型Mg0.2Zn0.8Oクラッド層706との間に、Mg0.3Zn0.7Oより成る厚さ5nmのp型キャリアブロック層802を形成した他は、上記実施形態7と同様にして半導体レーザ素子を作製した。
【0130】
上記n型キャリアブロック層801,p型キャリアブロック層802のバンドギャップエネルギは、n型Mg0.2Zn0.8Oクラッド層702,p型Mg0.2Zn0.8Oクラッド層706のバンドギャップエネルギよりも大きくなっている。
【0131】
本実施形態8の半導体レーザ素子に電流を流したところ、上記実施形態7と同じく端面から波長430nmの青色発振光が得られたが、発振閾値電流は上記実施形態7に比べて30%低く、特性温度は20K向上した。
【0132】
このように、活性層とクラッド層との間に、クラッド層よりもバンドギャップエネルギが大きなキャリアブロック層を形成することによって、井戸層からのキャリアオーバーフローが抑制される。その結果、上記井戸層におけるキャリアの閉じ込め率を向上させることが出来て、本発明の効果を更に向上させることが出来る。
【0133】
n型ZnO系半導体に比べてp型ZnO系半導体はキャリア濃度が低いため、活性層とp型クラッド層とのヘテロ障壁が低くなりやすい。したがって、キャリアブロック層は、少なくとも、活性層とp型クラッド層との間に設けるのが好ましい。また、活性層とn型クラッド層との間、および、活性層とp型クラッド層との間に、キャリアブロック層を設ければより好ましい。
【0134】
本発明の酸化物半導体発光素子は、固体あるいは気体原料を用いたMBE(分子線エピタキシ)法、レーザMBE法、MOCVD(有機金属気相成長)法などの結晶成長手法で作製することが出来る。これらの結晶成長手法のうちレーザMBE法は、原料ターゲットと、この原料ターゲットを用いて形成した薄膜とにおいて組成ずれが小さく、また、ZnGaなどの意図しない副生成物の生成を抑えることが出来るので特に好ましい。
【0135】
また、本発明の酸化物半導体発光素子は、シングルへテロ構造またはダブルへテロ構造であってもよい。
【0136】
【発明の効果】
以上より明らかなように、第1の発明の酸化物半導体発光素子は、活性層の量子井戸構造をCdZn1−xO井戸層(但し、0<x≦1)とMgZn1−yO障壁層(但し、0<y≦1)との交互積層で構成するので、十分な障壁高さが確保されて、井戸層のキャリア閉じ込め効果が高まる。その結果、発光効率を高めることが出来ると共に、動作電圧や発振閾値電流を下げることが出来る。
【0137】
また、本発明の第2の酸化物半導体発光素子は、障壁層と3層以上の井戸層とから成る量子井戸構造において、積層方向の両端に位置する井戸層の層厚が、その両端以外の箇所に位置する井戸層の層厚と異なるので、全ての井戸層の量子準位が揃る。その結果、発光波長が均一化して特性を向上させることが出来る。
【0138】
第3の発明の酸化物半導体発光素子は、障壁層と3層以上の井戸層とから成る量子井戸構造において、積層方向の両端に位置する井戸層の組成が、その両端以外の箇所に位置する井戸層の組成と異なるので、全ての井戸層の量子準位が揃る。その結果、発光波長が均一化して特性を向上させることが出来る。
【0139】
第4の発明の酸化物半導体発光素子は、障壁層のバンドギャップエネルギが上記光ガイド層のバンドギャップエネルギより高いので、十分な障壁高さが得られて、井戸層のキャリア閉じ込め効果が向上する。その結果、発光効率を高めることが出来ると共に、動作電圧や発振閾値電流を下げることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施形態1の発光ダイオード素子の構模式断面図である。
【図2】図2は上記実施形態1の発光ダイオード素子における障壁層の組成比と発光強度との関係を示す図である。
【図3】図3はCdZnOおよびMgZnOの組成比とバンドギャップエネルギおよび面内格子定数との関係を示す図である。
【図4】図4は上記実施形態1の発光ダイオード素子における井戸層の層厚と発光強度との関係を示す図である。
【図5】図5(a)は上記実施形態1の発光ダイオード素子における量子井戸発光層近傍の伝導帯バンドダイヤグラムの概略図であり、図5(b)は本発明の実施形態2の発光ダイオード素子における量子井戸発光層近傍の伝導帯バンドダイヤグラムの概略図である。
【図6】図6は本発明の実施形態6の発光ダイオード素子における量子井戸発光層近傍の伝導帯バンドダイヤグラムの概略図である。
【図7】図7は本発明の実施形態7の半導体レーザ素子の模式斜視図である。
【図8】図8は上記実施形態7の半導体レーザ素子における多重量子井戸活性層近傍の伝導帯バンドダイヤグラムの概略図である。
【図9】図9は上記実施形態7の半導体レーザ素子における障壁層の組成比と発振閾値電流および特性温度との関係を示す図である。
【図10】図10は本発明の実施形態8の半導体レーザ素子のおける量子井戸活性層近傍の伝導帯バンドダイヤグラムの概略図である。
【符号の説明】
103 量子井戸発光層
111,112,…,118 Mg0.1Zn0.9O障壁層
121,122,…,127 Cd0.1Zn0.9O井戸層
203 量子井戸発光層
211,212,…,218 Mg0.1Zn0.9O障壁層
221,222,…,227 Cd0.1Zn0.9O井戸層
603 量子井戸発光層
611,612,…,618 Mg0.1Zn0.9O障壁層
621,627 Cd0.05Zn0.95O井戸層
622,623,…,626 Cd0.1Zn0.9O井戸層
703 n型Mg0.05Zn0.95O光ガイド層
704 多重量子井戸活性層
705 p型Mg0.05Zn0.95O光ガイド層
711,712 Mg0.1Zn0.9O障壁層
721,722,723 Cd0.1Zn0.9O井戸層

Claims (16)

  1. ZnO系半導体で構成された酸化物半導体発光素子であって、
    CdZn1−xO井戸層(但し、0<x≦1)とMgZn1−yO障壁層(但し、0<y≦1)とが交互に積層されて成る量子井戸構造を有する活性層を備えたことを特徴とする酸化物半導体発光素子。
  2. 請求項1に記載の酸化物半導体発光素子において、
    上記CdZn1−xO井戸層のCd組成比xは0<x≦0.2であることを特徴とする酸化物半導体発光素子。
  3. 請求項1に記載の酸化物半導体発光素子において、
    上記MgZn1−yO障壁層のMg組成比yは0<y≦0.35であることを特徴とする酸化物半導体発光素子。
  4. 請求項1に記載の酸化物半導体発光素子において、
    上記CdZn1−xO井戸層のCd組成比xは0<x≦0.08であり、且つ、上記MgZn1−yO障壁層のMg組成比yは0<y≦0.33であることを特徴とする酸化物半導体発光素子。
  5. ZnO系半導体で構成された酸化物半導体発光素子であって、
    井戸層と障壁層とが交互に積層されて成る量子井戸構造を有する活性層を備え、
    上記井戸層は3層以上あり、且つ、上記量子井戸構造において積層方向の両端に位置する上記井戸層の層厚は、上記両端以外の箇所に位置する上記井戸層の層厚と異なることを特徴とする酸化物半導体発光素子。
  6. 請求項5に記載の酸化物半導体発光素子において、
    上記両端に位置する上記井戸層の層厚は、上記両端以外の箇所に位置する上記井戸層の層厚よりも厚いことを特徴とする酸化物半導体発光素子。
  7. ZnO系半導体で構成され得た酸化物半導体発光素子であって、
    井戸層と障壁層とが交互に積層されて成る量子井戸構造を有する活性層を備え、
    上記井戸層は3層以上あり、且つ、上記量子井戸構造において積層方向の両端に位置する上記井戸層の組成は、上記両端以外の箇所に位置する上記井戸層の組成と異なることを特徴とする酸化物半導体発光素子。
  8. 請求項7に記載の酸化物半導体発光素子において、
    上記両端に位置する上記井戸層のバンドギャップエネルギは、上記両端以外の箇所に位置する上記井戸層のバンドギャップよりも小さいことを特徴とする酸化物半導体発光素子。
  9. ZnO系半導体で構成された酸化物半導体発光素子において、
    井戸層と障壁層とが交互に積層されて成る量子井戸構造を有する活性層と、
    上記活性層と積層された光ガイド層とを備え、
    上記障壁層のバンドギャップエネルギは上記光ガイド層のバンドギャップエネルギよりも高いことを特徴とする酸化物半導体発光素子。
  10. 請求項1、5、7および9のいずれか1つに記載の酸化物半導体発光素子において、
    上記活性層にはドナー不純物がドーピングされていることを特徴とする酸化物半導体発光素子。
  11. 請求項10に記載の酸化物半導体発光素子において、
    上記ドナー不純物は上記井戸層のみにドーピングされていることを特徴とする酸化物半導体発光素子。
  12. 請求項10に記載の酸化物半導体発光素子において、
    上記ドナー不純物は上記障壁層のみにドーピングされていることを特徴とする酸化物半導体発光素子。
  13. 請求項1、5、7および9のいずれか1つに記載の酸化物半導体発光素子において、
    上記井戸層の膜厚は2nm〜8nmの範囲内であることを特徴とする酸化物半導体発光素子。
  14. 請求項13に記載の酸化物半導体発光素子において、
    上記井戸層は3層以上あり、且つ、上記量子井戸構造において積層方向の両端以外の箇所に位置する上記井戸層の膜厚は3nm〜6nmの範囲内であることを特徴とする酸化物半導体発光素子。
  15. 請求項1、5、7および9のいずれか1つに記載の酸化物半導体発光素子において、
    上記活性層は、上記障壁層のバンドギャップエネルギよりも大きなバンドギャップエネルギを有するMgZnO混晶を含むクラッド層で挟持されていることを特徴とする酸化物半導体発光素子。
  16. 請求項15に記載の酸化物半導体発光素子において、
    上記活性層と上記クラッド層との間に、上記クラッド層のバンドギャップエネルギよりも大きなバンドギャップエネルギを有するMgZnO混晶を含むキャリアブロック層を備えたことを特徴とする酸化物半導体発光素子。
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