JP2008160057A - 半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

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Tomofumi Yamamuro
智文 山室
Michihiro Sano
道宏 佐野
Hiroyuki Kato
裕幸 加藤
Akio Ogawa
昭雄 小川
Taiji Kotani
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Abstract

【課題】 ZnO系半導体を用いたMQW構造の形成に適用可能な半導体発光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】 半導体発光素子の製造方法は、(a)第1導電型の第1の半導体層を形成する工程と、(b)第1の半導体層上に発光層を形成する工程と、(c)発光層上に第2導電型を有する第2の半導体層を形成する工程と、(d)第1及び第2の半導体層にそれぞれ接続される第1及び第2の電極を形成する工程とを有し、工程(b)は、(b−1)Zn1−yMgO層からなる障壁層を形成する工程と、(b−2)ZnS1−x層からなる井戸層を形成する工程と、(b−3)工程(b−1)及び(b−2)の少なくとも一方の後にアニールを行う工程とを含み、x及びyは、0≦x、0≦yであり、かつZnS1−x層のバンドギャップを、Zn1−yMgO層のそれよりも小さくするような値である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、半導体発光素子の製造方法に関し、特に、ZnO系半導体発光素子の製造方法に関する。
酸化亜鉛(ZnO)は、室温で3.37eVのバンドギャップを有する直接遷移型の半導体で、励起子の束縛エネルギが60meVと他の半導体に比べて比較的大きく、高効率な発光素子の材料として期待されている。
ZnOのバンド間遷移エネルギは、約370nmの紫外領域の発光エネルギに相当する。これは、産業上の利用価値が高い400nm以上の可視光領域よりも短波長であるので、400nmよりも長波長の発光を得るため、ZnOのバンドギャップを狭くする(ナローギャップ化する)研究が進められている。
ZnOのバンドギャップをナローギャップ化する技術として、Znの一部をCdで置換したZnCdO混晶が提案されており、Cd組成に応じてバンドギャップを3.4eV〜1.5eVの範囲で調整することができる。しかし、Cdは毒性の強い元素であるため、ZnCdO混晶の採用は安全性の面から難しい。
例えば特許文献1に、VI族の元素である硫黄(S)やセレン(Se)でOの一部を置換して混晶とすることにより、ZnOのバンドギャップをナローギャップ化する技術が開示されている。この技術は、Cdを導入する技術に比べ、安全性の面で優れている。
特開2002−16285号公報
発光層に多重量子井戸(MQW)構造を採用すれば、高い発光効率が期待される。ZnO系半導体を用いたMQW構造を良好に形成するための技術が望まれる。
本発明の一目的は、ZnO系半導体を用いたMQW構造の形成に適用可能な半導体発光素子の製造方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、(a)第1導電型の第1の半導体層を形成する工程と、(b)前記第1の半導体層の上に発光層を形成する工程と、(c)前記発光層の上に、前記第1導電型とは反対の第2導電型を有する第2の半導体層を形成する工程と、(d)前記第1の半導体層に電気的に接続される第1の電極、及び、前記第2の半導体層に電気的に接続される第2の電極を形成する工程とを有し、前記工程(b)は、(b−1)Zn1−yMgO層からなる障壁層を形成する工程と、(b−2)ZnS1−x層からなる井戸層を形成する工程と、(b−3)前記工程(b−1)及び(b−2)の少なくとも一方の後にアニールを行う工程とを含み、x及びyは、0≦x、0≦yであり、かつZnS1−x層のバンドギャップを、Zn1−yMgO層のバンドギャップよりも小さくするような値である半導体発光素子の製造方法が提供される。
Zn1−yMgO層からなる障壁層の形成工程、及び、ZnS1−x層からなる井戸層の形成工程の少なくとも一方の後にアニールを行うことにより、障壁層または井戸層の平坦性を向上できる。
まず、図1を参照し、ZnO系化合物半導体層を成長させるための成膜装置について説明する。成膜方法として、分子線エピタキシ(MBE)が用いられる。
超高真空容器1内に、基板ヒータ8が配置され、基板9が、基板ヒータ8に保持される。基板9として、例えば、c面ZnO基板が用いられる。
超高真空容器1が、Znソースガン2、Oソースガン3、ZnSソースガン4、Mgソースガン5、Nソースガン6、及び、Gaソースガン7を備える。Znソースガン2、ZnSソースガン4、Mgソースガン5、及びGaソースガン7は、それぞれ、Zn、ZnS、Mg、及びGaの固体ソースを収容するクヌーセンセルを含み、それぞれ、Znビーム、ZnSビーム、Mgビーム、及びGaビームを出射する。
なお、ZnSソースガンの代わりに、固体ソースとして単体のSを用いたSソースガンを用いることもできる。また、HS等の他の硫黄化合物を硫黄源とすることも可能である。
Oソースガン3及びNソースガン6は、それぞれ、高周波(例えば13.56MHz)を用いる無電極放電管を含む。Oソースガン3及びNソースガン6は、それぞれ、無電極放電官内で酸素ガス及び窒素ガスをラジカル化して、Oラジカルビーム及びNラジカルビームを出射する。基板9上に、所望のタイミングで所望のビームを供給することにより、所望の組成のZnO系化合物半導体層を成長させることができる。
超高真空容器1にはまた、反射高速電子線回折(RHEED)用のガン10、及び、RHEEDの回折像を映すスクリーン11が取り付けられている。RHEEDの回折像から、基板9上に形成された結晶層の表面の平坦性を評価できる。結晶層の表面が平坦である場合は、RHEEDの回折像がストリークパタンを示し、結晶層の表面が平坦でない場合は、RHEEDの回折像がスポットパタンを示す。
真空ポンプ12が、超高真空容器1の内部を真空排気する。なお、超高真空とは、圧力が1×10−7Torr以下の真空を示す。
Znビーム及びOラジカルビームを供給すると同時に、硫黄源としてZnSビームを供給することにより、ZnSO混晶層を形成することができる。Sを含む混晶とすることにより、バンドギャップをZnOよりも狭くすることができる。
Znビーム及びOラジカルビームを供給すると同時に、Mgビームを供給することにより、ZnMgO混晶層を形成することができる。Mgを含む混晶とすることにより、バンドギャップをZnOよりも広くすることができる。
ZnS1−x層とZn1−yMgO層とを交互に積層することにより、多重量子井戸(MQW)構造を作製することができる。ここで、x及びyは、0≦x≦1かつ0≦y≦1であり、さらに、ZnS1−xのバンドギャップがZn1−yMgOのバンドギャップよりも小さく、ZnS1−x層が井戸層となり、Zn1−yMgO層が障壁層となるように定められる。
なお、xが0でない所定値であるZnS1−x層を井戸層とし、y=0としたZn1−yMgO層、すなわちZnO層を障壁層とするMQW構造を作製することもできる。また、x=0としたZnS1−x層、すなわちZnO層を井戸層とし、yが0でない所定値であるZn1−yMgO層を障壁層とするMQW構造を作製することもできる。
次に、図12を参照して、比較例によるMQW構造の作製方法について説明する。図12は、比較例によるMQW構造を作製するための、Zn、O、S、及びMgのフラックス量の時間変化を示すタイミングチャートである。横軸方向に時間を示し、各成分について縦軸方向にフラックス量を示す。
MQW構造の形成期間中ずっと、Zn及びOが、それぞれ所定のフラックス量で供給される。ZnMgO障壁層の形成期間PBcとZnSO井戸層の形成期間PWcとが交互に繰り返される。障壁層形成期間PBcに、Mgが所定のフラックス量で供給され、井戸層形成期間PWcに、Sが所定のフラックス量で供給される。障壁層形成期間PBcと井戸層形成期間PWcとの間に隙間が開かないように(障壁層の形成工程と井戸層の形成工程とが連続的に行われるように)、Mg及びSの供給が制御される。
ZnSO井戸層の成長温度は、500℃以下とする。500℃より高い温度で成長させると、Sの蒸気圧がZnOのそれに比べて非常に高いことに起因して、ZnO結晶中に、組成レベルの濃度でSを入れることが難しい。ここで、組成レベルの濃度とは、x≧0.01の濃度である。ZnMgO障壁層の成長温度も、ZnSO井戸層のSの抜けを抑制する観点から、500℃以下とすることが好ましい。
なお、障壁層形成期間PBc、及び井戸層形成期間PWcの双方でMgを供給せず、井戸層形成期間PWcにSを所定のフラックス量で供給することにより、ZnSO層を井戸層としZnO層を障壁層とするMQW構造を形成することができる。
また、障壁層形成期間PBc、及び井戸層形成期間PWcの双方でSを供給せず、障壁層形成期間PBcにMgを所定のフラックス量で供給することにより、ZnO層を井戸層としZnMgO層を障壁層とするMQW構造を形成することができる。
図13に、比較例の方法で作製したMQW構造の、X線回折(XRD)の2θ−ω測定の結果を示す。グラフの横軸が回折角2θを度単位で示し、縦軸が回折強度をログスケールのcps(counts/second)単位で示す。この試料は、ZnSO層を井戸層としZnO層を障壁層とするものである。
障壁層と井戸層との界面が平坦であれば、障壁層と井戸層の屈折率の違いを反映して、2θ−ω測定の回折パタンに、MQW構造の1周期分の厚み(障壁層及び井戸層を1層ずつ積層した厚み)に相当する回折ピークが観測される。この回折ピークは、サテライトピークと呼ばれる。サテライトピークの次数が多いほど、界面の平坦性が高いと判断される。例えば発光素子を製造する場合、障壁層と井戸層との界面は平坦であることが好ましい。
しかし、図13に示す回折パタンでは、明確なサテライトピークが見られない。すなわち、障壁層と井戸層との界面が平坦でない。なお、ZnSO層を井戸層としZnO層を障壁層とするMQW構造について説明したが、ZnO層を井戸層としZnMgO層を障壁層とするMQW構造、及び、ZnSO層を井戸層としZnMgO層を障壁層とするMQW構造についても同様に、障壁層と井戸層との界面が平坦にならない現象が生じると考えられる。
比較例の方法で平坦な界面が形成されない理由として、以下のようなものが考えられる。上述のように、ZnSO井戸層及びZnMgO障壁層の成長を、500℃以下で行うと、基板上で原子が充分にはマイグレーションしにくくなり、ZnSO層及びZnMgO層が2次元成長できない。
次に、第1〜第5の実施例によるMQW構造の作製方法について説明する。第1〜第5の実施例では、c面ZnO基板の+c面上にMQW構造を作製した。井戸層中のSの導入量(x)と、障壁層中のMgの導入量(y)とを変化させた。
まず、第1の実施例によるMQW構造の作製方法について説明する。第1の実施例では、ZnS1−x/Zn1−yMgO(x=0.13、y=0.00)MQW構造を作製した。なお、y=0.00であるので、Zn1−yMgO障壁層は、すなわちZnO層である。
まず、c面ZnO基板にサーマルアニールを施して基板表面を洗浄した。サーマルアニールは、1×10−9Torrの高い真空下において、900℃で30分行った。
続いて、Zn1−yMgO(y=0.00)障壁層を形成するために、Znビーム及びOラジカルビームをZnO基板の+c面上へ照射した。基板温度は500℃とした。Znビームの照射は、固体ソースとして純度7NのZnを用い、フラックス量を3.28E+14atoms/cmsとして行った。Oラジカルビームの照射は、純度6Nの純酸素ガスを2sccmで導入し、高周波パワー300Wでプラズマ化して行った。Zn1−yMgO(y=0.00)障壁層1層の厚さは、40nmとした。
続いて、ZnS1−x(x=0.13)井戸層を形成するため、Znビーム、Oラジカルビーム、及びZnSビームを、Zn1−yMgO(y=0.00)障壁層上に照射した。基板温度は500℃とした。Znビームの照射は、固体ソースとして純度7NのZnを用い、フラックス量を1.97E+15atoms/cmsとして行った。Oラジカルビームの照射は、純度6Nの純酸素ガスを2sccmで導入し、高周波パワー300Wでプラズマ化して行った。ZnSビームの照射は、固体ソースとして純度5NのZnSを用い、フラックス量を6.08E+15atoms/cmsとして行った。ZnS1−x(x=0.13)井戸層1層の厚さは、5nmとした。
ZnS1−x(x=0.13)井戸層形成の後、井戸層の形成温度(500℃)より高い温度である800℃に基板を加熱した。800℃となった時点から、温度一定とし、5分のアニールを施した。
その後、上述の条件での障壁層形成工程、井戸層形成工程、及びアニール工程を1セットとした工程を繰り返して、5周期のZnS1−x/Zn1−yMgO(x=0.13、y=0.00)MQW構造を作製した。
図2に、第1の実施例の方法で作製したMQW構造の、XRDの2θ−ω測定の結果を示す。グラフの横軸が回折角2θを度単位で示し、縦軸が回折強度をログスケールのcps単位で示す。2θ−ω測定は、(002)面で行っている。
図2に示す回折パタンでは、驚くべきことに、サテライトピークが5次の項まで観測される。すなわち、第1の実施例の方法により、障壁層と井戸層との界面の非常に平坦なMQW構造が得られる。
次に、第2の実施例によるMQW構造の作製方法について説明する。第2の実施例でも、第1の実施例と同様に、ZnS1−x/Zn1−yMgO(x=0.13、y=0.00)MQW構造を作製した。
まず、第1の実施例と同様な条件で、サーマルアニールを行って基板を洗浄した。続いて、第1の実施例と同様な条件で、Zn1−yMgO(y=0.00)障壁層を形成した。障壁層1層の厚さは30nmとした。
Zn1−yMgO(y=0.00)障壁層形成の後、障壁層の形成温度(500℃)より高い温度である800℃に基板を加熱した。800℃となった時点から、温度一定とし、5分のアニールを施した。
続いて、Zn1−yMgO(y=0.00)障壁層の上に、第1の実施例と同様な条件で、ZnS1−x(x=0.13)井戸層を形成した。井戸層1層の厚さは5nmとした。
その後、上述の条件での障壁層形成工程、アニール工程、及び井戸層形成工程を1セットとした工程を繰り返して、5周期のZnS1−x/Zn1−yMgO(x=0.13、y=0.00)MQW構造を作製した。
図3に、第2の実施例の方法で作製したMQW構造の、XRDの2θ−ω測定の結果を示す。グラフの横軸が回折角2θを度単位で示し、縦軸が回折強度をログスケールのcps単位で示す。
第1の実施例について図2に示した回折パタンと同様に、第2の実施例で作製したMQW構造でも、サテライトピークが5次の項まで観測される。第2の実施例の方法でも、障壁層と井戸層との界面が非常に平坦となることがわかる。
図4に、第2の実施例で作製したMQW構造の断面の、透過電子顕微鏡(TEM)による顕微鏡写真を示す。このTEM像からも、膜厚約30nmの障壁層、及び、膜厚約5nmの井戸層が交互に積層され、障壁層と井戸層との界面が平坦に形成されていることがわかる。
次に、図5(A)〜図5(E)を参照し、障壁層形成に続くアニールにより、障壁層表面の平坦性が時間とともにどのように変化するか調べた実験について説明する。
図5(A)〜図5(E)は、それぞれ、障壁層の形成直後、アニール開始30秒後、アニール開始1分後、アニール開始5分後、及び、アニール開始10分後のRHEED回折像である。
障壁層の成長直後のRHEED回折像がスポットパタンを示すのに対し、アニール開始1分後のRHEED回折像はストリークパタンを示す。これは、アニールによって障壁層表面が平坦化されたことを示す。以後、アニール開始5分後、及びアニール開始10分後のRHEED回折像もストリークパタンを示し、平坦な表面が維持されることがわかる。
次に、第3の実施例によるMQW構造の作製方法について説明する。第3の実施例では、第1及び第2の実施例よりもSの多く導入されたZnS1−x/Zn1−yMgO(x=0.19、y=0.00)MQW構造を作製した。
まず、第1の実施例と同様な条件で、サーマルアニールを行って基板を洗浄した。続いて、基板温度を400℃とし、Znビーム及びOラジカルビームを、第1の実施例の障壁層形成工程と同様の条件で照射して、Zn1−yMgO(y=0.00)障壁層を形成した。Zn1−yMgO(y=0.00)障壁層1層の厚さは、10nmとした。
続いて、Zn1−yMgO(y=0.00)障壁層形成の後、障壁層の形成温度(400℃)より高い温度である700℃に基板を加熱した。700℃となった時点から、温度一定とし、5分のアニールを施した。
続いて、基板温度を400℃とし、Znビーム、Oラジカルビーム、及びZnSビームを、第1の実施例の井戸層形成工程と同様の条件で、Zn1−yMgO(y=0.00)障壁層上に照射して、ZnS1−x(x=0.19)井戸層を形成した。ZnS1−x(x=0.19)井戸層1層の厚さは、3nmとした。
その後、上述の条件での障壁層形成工程、アニール工程、及び井戸層形成工程を1セットとした工程を繰り返して、5周期のZnS1−x/Zn1−yMgO(x=0.19、y=0.00)MQW構造を作製した。
図6に、第3の実施例の方法で作製したMQW構造の、XRDの2θ−ω測定の結果を示す。グラフの横軸が回折角2θを度単位で示し、縦軸が回折強度をログスケールのcps単位で示す。第3の実施例では、サテライトピークが2次の項まで観測される。第3の実施例の方法でも、障壁層と井戸層との界面が平坦となることがわかる。
次に、第4の実施例によるMQW構造の作製方法について説明する。第4の実施例では、第3の実施例よりもさらにSの多く導入されたZnS1−x/Zn1−yMgO(x=0.40、y=0.00)MQW構造を作製した。
まず、第1の実施例と同様な条件で、サーマルアニールを行って基板を洗浄した。続いて、Zn1−yMgO(y=0.00)障壁層を形成するために、Znビーム及びOラジカルビームをZnO基板の+c面上へ照射した。基板温度は400℃とした。Znビームの照射は、固体ソースとして純度7NのZnを用い、フラックス量を9.86E+13atoms/cmsとして行った。Oラジカルビームの照射は、純度6Nの純酸素ガスを1sccmで導入し、高周波パワー200Wでプラズマ化して行った。Zn1−yMgO(y=0.00)障壁層1層の厚さは、10nmとした。
続いて、Zn1−yMgO(y=0.00)障壁層形成の後、障壁層の形成温度(400℃)より高い温度である700℃に基板を加熱した。700℃となった時点から、温度一定とし、5分のアニールを施した。
続いて、ZnS1−x(x=0.40)井戸層を形成するため、Znビーム、Oラジカルビーム、及びZnSビームを、Zn1−yMgO(y=0.00)障壁層上に照射した。基板温度は400℃とした。Znビームの照射は、固体ソースとして純度7NのZnを用い、フラックス量を1.97E+15atoms/cmsとして行った。Oラジカルビームの照射は、純度6Nの純酸素ガスを1sccmで導入し、高周波パワー200Wでプラズマ化して行った。ZnSビームの照射は、固体ソースとして純度5NのZnSを用い、フラックス量を5.65E+15atoms/cmsとして行った。ZnS1−x(x=0.40)井戸層1層の厚さは、2nmとした。
その後、上述の条件での障壁層形成工程、アニール工程、及び井戸層形成工程を1セットとした工程を繰り返して、5周期のZnS1−x/Zn1−yMgO(x=0.40、y=0.00)MQW構造を作製した。
図7に、第4の実施例の方法で作製したMQW構造の、XRDの2θ−ω測定の結果を示す。グラフの横軸が回折角2θを度単位で示し、縦軸が回折強度をログスケールのcps単位で示す。第4の実施例では、サテライトピークが3次の項まで観測される。第4の実施例の方法でも、障壁層と井戸層との界面が平坦となることがわかる。
なお、バンド閉じ込めの観点から、Sの導入量xはx≦0.40とすることが好ましい。なお、第1及び第2の実施例と比較すると、第3及び第4の実施例では観測されるサテライトピークの次数が少なく、相対的に平坦性が低い。つまり、S濃度が高くなると、平坦な界面を得ることが難しくなると考えられる。
井戸層中のS濃度が高くなるほど、または障壁層中のMg濃度が高くなるほど、Zn1−yMgO障壁層とZnS1−x井戸層との間の格子不整合度が大きくなる。ここで格子不整合度は、
格子不整合度=(ZnS1−xのa軸長−Zn1−yMgOのa軸長)/Zn1−yMgOのa軸長
という式で定義される。S濃度が高くなって格子不整合度が大きくなるほど、平坦な界面が得にくくなると考えられる。格子不整合度は、2%以下とすることが好ましいであろう。
例えば、y=0.00である(障壁層がMgを含まない)とき、格子不整合度が2%程度以下という条件から、xの好ましい範囲について、x≦0.20と見積もることができる。Sの導入量xは、x≦0.40とすることが好ましく、x≦0.20とすることがさらに好ましい。
なお、第3及び第4の実施例では、S濃度を高くするため、第1及び第2の実施例よりも成膜温度、アニール温度を低めにしている。
次に、第5の実施例によるMQW構造の作製方法について説明する。第5の実施例では、ZnS1−x/Zn1−yMgO(x=0.00、y=0.25)MQW構造を作製した。なお、x=0.00であるので、ZnS1−x井戸層は、すなわちZnO層である。
まず、第1の実施例と同様な条件で、サーマルアニールを行って基板を洗浄した。続いて、Zn1−yMgO(y=0.25)障壁層を形成するために、Znビーム、Oラジカルビーム、及びMgビームをZnO基板の+c面上へ照射した。基板温度は500℃とした。Znビームの照射は、固体ソースとして純度7NのZnを用い、フラックス量を2.96E+14atoms/cmsとして行った。Oラジカルビームの照射は、純度6Nの純酸素ガスを3sccmで導入し、高周波パワー300Wでプラズマ化して行った。Mgビームの照射は、固体ソースとして純度7NのMgを用い、フラックス量を1.29E+14atoms/cmsとして行った。Zn1−yMgO(y=0.25)障壁層1層の厚さは、10nmとした。
続いて、Zn1−yMgO(y=0.25)障壁層形成の後、障壁層の形成温度(500℃)より高い温度である800℃に基板を加熱した。800℃となった時点から、温度一定とし、5分のアニールを施した。
続いて、ZnS1−x(x=0.00)井戸層を形成するため、Znビーム及びOラジカルビームを、Zn1−yMgO(y=0.25)障壁層上に照射した。基板温度は500℃とした。Znビームの照射は、固体ソースとして純度7NのZnを用い、フラックス量を1.97E+14atoms/cmsとして行った。Oラジカルビームの照射は、純度6Nの純酸素ガスを3sccmで導入し、高周波パワー300Wでプラズマ化して行った。ZnS1−x(x=0.00)井戸層1層の厚さは、5nmとした。
その後、上述の条件での障壁層形成工程、アニール工程、及び井戸層形成工程を1セットとした工程を繰り返して、5周期のZnS1−x/Zn1−yMgO(x=0.00、y=0.25)MQW構造を作製した。
図8に、第5の実施例の方法で作製したMQW構造の、XRDの2θ−ω測定の結果を示す。グラフの横軸が回折角2θを度単位で示し、縦軸が回折強度をログスケールのcps単位で示す。第5の実施例では、明瞭なサテライトピークが観測される。第5の実施例でも、障壁層と井戸層との界面が平坦となることが分かる。
なお、Mgの導入量yが大きすぎると、岩塩構造のMgOと、ウルツ鉱構造のZnMgOとが相分離を起こしてしまう。相分離抑制の観点から、y≦0.50とすることが好ましい。また、例えば、x=0.00である(井戸層がSを含まない)とき、バンド閉じ込めの観点から、y≧0.10とすることが好ましい。Mgの導入量yは、0.10≦y≦0.50とすることが好ましい。
以上説明したように、第1〜第4の実施例の方法では、表面が平坦なZnO障壁層及びZnSO井戸層を持つMQW構造が得られ、第5の実施例の方法では、表面が平坦なZnMgO障壁層及びZnO井戸層を持つMQW構造が得られる。
このことより、ZnMgO層を障壁層とし、ZnSO層を井戸層とするMQW構造を作製する場合であっても、障壁層の形成後にアニールを行うか、または、井戸層の形成後にアニールを行うことにより、障壁層及び井戸層の表面を平坦にすることができると考えられる。
なお、アニールの好ましい温度は、500℃よりも高く900℃以下の範囲の温度である。アニールの好ましい時間範囲は1分以上10分以下である。なお、900℃より高い温度で10分より長い時間のアニールを行うと、S原子の相互拡散や、O原子が格子中から抜けた欠陥等の不具合が生じやすい。なお、図5(A)〜図5(E)を参照して説明した実験では、アニール開始後10分が経過してもRHEED回折像がストリークパタンを維持しており、O原子の抜けが生じていないと考えられる。
図9に、第1〜第5の実施例のMQW構造の作製方法を一般化したMQW構造の作製方法を説明するための、Zn、O、S、及びMgのフラックス量の時間変化を示すタイミングチャートを示す。横軸方向に時間を示し、各成分について縦軸方向にフラックス量を示す。ZnMgO層を障壁層とし、ZnSO層を井戸層とする場合について示す。
障壁層の形成期間PBと井戸層の形成期間PWとが交互に繰り返される。障壁層形成期間PBに、Zn、O、及びMgがそれぞれ所定のフラックス量で供給され、井戸層形成期間PWに、Zn、O、及びSがそれぞれ所定のフラックス量で供給される。障壁層形成期間PBと井戸層形成期間PWとの間に、アニール期間PAが挿入される。図9に示す例では、障壁層形成期間PBと井戸層形成期間PWとの間に、すべてアニール期間PAが挿入されている。
なお、第1の実施例では、障壁層形成期間PBとその直後の井戸層形成期間PWとの間にアニール期間PAが挿入されず(井戸層形成期間PWが終わる度にアニールを行う)、障壁層形成期間PBにMgが供給されない。なお、これは、図9において、障壁層形成期間PBとその直後の井戸層形成期間PWとの間のアニール期間PAの時間幅が0で、障壁層形成期間PBにおけるMgのフラックス量が0の場合と考えることができる。
第2〜第4の実施例では、井戸層形成期間PWとその直後の障壁層形成期間PBとの間にアニール期間PAが挿入されず(障壁層形成期間PBが終わる度にアニールを行う)、障壁層形成期間PBにMgが供給されない。なお、これは、図9において、井戸層形成期間PWとその直後の障壁層形成期間PBとの間のアニール期間PAの時間幅が0で、障壁層形成期間PBにおけるMgのフラックス量が0の場合と考えることができる。
第5の実施例は、井戸層形成期間PWとその直後の障壁層形成期間PBとの間にアニール期間PAが挿入されず(障壁層形成期間PBが終わる度にアニールを行う)、井戸層形成期間PWにSが供給されない。なお、これは、図9において、井戸層形成期間PWとその直後の障壁層形成期間PBとの間のアニール期間PAの時間幅が0で、井戸層形成期間PWにおけるSのフラックス量が0の場合と考えることができる。
なお、Sの蒸発を抑制する観点から、Sの導入された井戸層形成直後のアニールは、障壁層の形成直後のアニールに比べて低温で行ってもよいであろう。障壁層の形成直後のみにアニールを行う場合は、井戸層にSが導入されていても、Sの蒸発が抑制されるであろう。
次に、図10(A)〜図10(C)を参照して、上記実施例のMQW構造の作製方法を応用した、第6の実施例によるZnO系半導体発光素子の製造方法について説明する。
基板9として、n型の導電型を有するc面ZnO基板を用いる。+c面上に発光素子を形成する。まず、洗浄された基板9上に、n型ZnOバッファ層20を形成する。n型ZnOバッファ層20は、300℃〜500℃で成長させ、厚さは10nm〜30nm程度が望ましい。なお、さらに800℃〜900℃で30分程度のアニールを行ってもよい。アニールにより、バッファ層の結晶性をより高めることができる。
次に、n型ZnOバッファ層20の表面上に、Gaをドーピングしたn型ZnO層21を形成する。n型ZnO層21は、500℃〜1000℃で成長させ、厚さは1μm〜2μmで、Ga密度は1×1018cm−3以上であることが好ましい。
続いて、n型ZnO層21の表面上に、Gaをドーピングしたn型ZnMgOクラッド層22を形成する。n型ZnMgOクラッド層22は、n型ZnOバッファ層20の成長温度よりも低い温度で成長させ、厚さは100nm〜600nmで、Ga密度は1×1018cm−3以上であることが好ましい。
次に、n型ZnMgOクラッド層22の表面上に、上述の実施例の方法により、MQW構造を有する発光層23を形成する。なお、発光層23は、図10(B)に示すように、1層の井戸層23wの上に1層の障壁層23bを積層した構造としてもよい。図10(C)に、井戸層23wと障壁層23bとを交互に複数層ずつ積層したMQW構造を示す。
次に、発光層23の表面上に、Nをドーピングしたp型ZnMgOクラッド層24を形成する。p型ZnMgOクラッド層24は、300℃〜1000℃で成長させ、厚さは100nm〜300nmで、N密度は1×1018cm−3以上であることが好ましい。
最後に、p型ZnMgOクラッド層24の表面上に、Nをドーピングしたp型ZnO層25を形成する。p型ZnO層25は、500℃〜1000℃で成長させ、厚さは100nm〜200nmで、N密度は1×1019cm−3以上であることが好ましい。Nが膜中に均一にドープされたp型ZnO層25が得られる。
次に、電極を形成する。基板9の下面上にn側電極30を形成する。n側電極30は、例えば、基板9の下面上に厚さ2nm〜10nmのTi層を形成し、このTi層に厚さ300nm〜500nmのAl層を積層することにより形成される。
また、p型ZnO層25の上面上に、p側電極31を形成する。p側電極31は、例えば、p型ZnO層25の上に厚さ0.5nm〜1nmのNi層を形成し、このNi層に、厚さ10nmのAu層を積層することにより形成される。さらに、p側電極31上にボンディング電極32を形成する。ボンディング電極32は、例えば、厚さ500nmのAu層からなる。
これらの電極を形成した後、例えば400℃〜800℃の酸素雰囲気中で、電極合金化処理を行う。合金処理時間は、例えば1分〜10分である。このようにして、第6の実施例による発光素子が作製される。なお、基板9として、n型の導電型を有するZnO基板を用いたが、n型の導電型を有するSiC基板やGaN基板を用いることもできる。
次に、図11を参照して、第7の実施例によるZnO系半導体発光素子の製造方法について説明する。基板9として、例えばサファイア基板9aが用いられる。
第6の実施例と同様にして、基板9a上に、n型ZnOバッファ層20からp型ZnO層25までを形成する。p型ZnO層25までが形成されたウエハを成膜装置から取り出した後、p型ZnO層25上に、レジスト膜または保護膜等を設けてパタニングし、n側電極が形成される領域に対応する切り欠き窓を有するエッチングマスクを形成する。このエッチングマスクを用いて、例えばウエットエッチングやリアクティブイオンエッチングにより、p型ZnO層25からn型ZnMgOクラッド層22までをエッチングして、n型ZnO層21を露出させる。
次に、露出したn型ZnO層21の表面に、例えば、厚さ10nm〜100nmのTi層を形成し、このTi層に厚さ100nm〜1000nmのAu層を積層することにより、n側電極30aを形成する。n側電極30aの形成後、エッチングマスクを除去する。
次に、p型ZnO層25の表面に、例えば、厚さ0.1nm〜1nmのNi層を形成し、このNi層に厚さ1nm〜10nmのAu層を積層することにより、p側電極31aを形成する。
さらに、p側電極31aの上に、例えば、厚さ100nmのNi層を形成し、このNi層に厚さ1000nmのAu層を積層することにより、ボンディング電極32aを形成する。なお、p側の電極の材料がn側電極30a上に積層されないように、適宜マスクを用いて、p側電極31a及びボンディング電極32aを形成する。
これらの電極を形成した後、例えば400℃〜800℃の酸素雰囲気中で、電極合金化処理を行う。合金処理時間は、例えば30秒〜10分である。このようにして、第7の実施例による発光素子が作製される。
第7の実施例による発光素子では、基板として絶縁性のサファイア基板を用いることができる。なお、ZnO基板、SiC基板、またはGaN基板を用いることもできる。
なお、上記実施例ではc面ZnO基板を用い、+c面上に半導体素子を形成する例を説明したが、−c面上に形成することもできる。また、a面やm面を有するZnO基板上に半導体素子を形成することもできる。
なお、発光層の形成工程において、例えば第1の実施例の方法であれば、井戸層を形成する度にアニールを行い、例えば第2〜第5の実施例の方法であれば、障壁層を形成する度にアニール行う。つまり、これらの方法では、障壁層及び井戸層を1周期形成する度にアニールを行っている。しかし、充分な平坦性が得られるのであれば、必ずしも毎周期アニールを行う必要はないであろう。ただし、少なくとも、発光層の積層が終わった後、その上のクラッド層を積層する前に、発光層のアニールを行うことが好ましい。
なお、以上の実施例では、Sを井戸層に導入する場合について説明したが、Seを井戸層に導入してバンドギャップをZnOより狭くすることも可能である。SeもSと同様に蒸気圧が高いので、上記実施例の方法は、Seを導入する場合についても有効であろう。すなわち、ZnSe1−x層の成長は、例えば500℃以下の低温で行うことが好ましく、ZnSe1−x層の成長後に、例えば500℃より高く900℃以下の温度範囲でアニールを行うことにより、平坦性が向上するであろう。
なお、ZnSO混晶層(またはZnSeO混晶層)からなる発光層をクラッド層で挟んだダブルヘテロ構造を形成するときにも、発光層の形成の後にアニールを行うことにより、発光層の平坦性を向上できる。
なお、上記実施例では、成膜方法としてMBEを用いたが、他の成膜方法、例えば、有機金属化学気相堆積(MOCVD)を用いることもできるであろう。
なお、発光ダイオード(LED)を作製する例を説明したが、例えば、へき開でキャビティを形成して、レーザダイオード(LD)を作製することもできるであろう。ZnO系半導体を用いることにより、短波長(紫外〜青、緑)の発光素子を得ることができるであろう。さらに、これらの発光素子の応用製品、例えば、各種インジケータや、ディスプレイ、光ディスク用の光源等を作ることもできる。
また、LEDを、その発光波長の補色を生成する蛍光体と組み合わせて、白色LEDを作ることもできる。さらに、白色LEDの応用製品、例えば、照明器具、各種インジケータ、ディスプレイ、各種表示器のバック照明等を作ることもできる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
図1は、ZnO系化合物半導体層を成長させるための成膜装置の例を示す概略図である。 図2は、第1の実施例によるMQW構造の、XRDの2θ−ω測定結果を示すグラフである。 図3は、第2の実施例によるMQW構造の、XRDの2θ−ω測定結果を示すグラフである。 図4は、第2の実施例によるMQW構造の断面の、TEMによる顕微鏡写真である。 図5(A)〜図5(E)は、MQW構造の障壁層のRHEEDの回折像である。 図6は、第3の実施例によるMQW構造の、XRDの2θ−ω測定結果を示すグラフである。 図7は、第4の実施例によるMQW構造の、XRDの2θ−ω測定結果を示すグラフである。 図8は、第5の実施例によるMQW構造の、XRDの2θ−ω測定結果を示すグラフである。 図9は、第1〜第5の実施例のMQW構造の作製方法を一般化したMQW構造の作製方法を説明するための、Zn、O、S、及びMgのフラックス量の時間変化を示すタイミングチャートである。 図10(A)は、第6の実施例による発光素子の概略断面図であり、図10(B)及び図10(C)は、発光層の構造の例を示す概略断面図である。 図11は、第7の実施例による発光素子の概略断面図である。 図12は、比較例によるMQW構造の作製方法を説明するための、Zn、O、S、及びMgのフラックス量の時間変化を示すタイミングチャートである。 図13は、比較例によるMQW構造の、XRDの2θ−ω測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1 超高真空容器
2 Znソースガン
3 Oソースガン
4 ZnSソースガン
5 Mgソースガン
6 Nソースガン
7 Gaソースガン
8 基板ヒータ
9 基板
10 (RHEED用の)ガン
11 (RHEED用の)スクリーン
12 真空ポンプ
20 n型ZnOバッファ層
21 n型ZnO層
22 n型ZnMgOクラッド層
23 発光層
23w 井戸層
23b 障壁層
24 p型ZnMgOクラッド層
25 p型ZnO層
30 n側電極
31 p側電極
32 ボンディング電極

Claims (13)

  1. (a)第1導電型の第1の半導体層を形成する工程と、
    (b)前記第1の半導体層の上に発光層を形成する工程と、
    (c)前記発光層の上に、前記第1導電型とは反対の第2導電型を有する第2の半導体層を形成する工程と、
    (d)前記第1の半導体層に電気的に接続される第1の電極、及び、前記第2の半導体層に電気的に接続される第2の電極を形成する工程と
    を有し、
    前記工程(b)は、
    (b−1)Zn1−yMgO層からなる障壁層を形成する工程と、
    (b−2)ZnS1−x層からなる井戸層を形成する工程と、
    (b−3)前記工程(b−1)及び(b−2)の少なくとも一方の後にアニールを行う工程と
    を含み、x及びyは、0≦x、0≦yであり、かつZnS1−x層のバンドギャップを、Zn1−yMgO層のバンドギャップよりも小さくするような値である半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記工程(b)で、前記工程(b−1)及び(b−2)が、交互に複数回ずつ繰り返され、ある工程(b−2)と、これに続いて行われる工程(b−1)との間に、前記工程(b−3)が行われる請求項1に記載の半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記工程(b)で、前記工程(b−1)及び(b−2)が、交互に複数回ずつ繰り返され、ある工程(b−1)と、これに続いて行われる工程(b−2)との間に、前記工程(b−3)が行われる請求項1または2に記載の半導体発光素子の製造方法。
  4. 前記工程(b−3)のアニールを、500℃より高く900℃以下の範囲の温度で行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記工程(b−3)のアニールを、1分以上行う請求項4に記載の半導体発光素子の製造方法。
  6. 前記工程(b−1)で形成されるZn1−yMgO層と、前記工程(b−2)で形成されるZnS1−x層との格子不整合度が2%以内である請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  7. (a)第1導電型の第1の半導体層を形成する工程と、
    (b)前記第1の半導体層の上に発光層を形成する工程と、
    (c)前記発光層の上に、前記第1導電型とは反対の第2導電型を有する第2の半導体層を形成する工程と、
    (d)前記第1の半導体層に電気的に接続される第1の電極、及び、前記第2の半導体層に電気的に接続される第2の電極を形成する工程と
    を有し、
    前記工程(b)は、
    (b−1)ZnSO混晶層を形成する工程と、
    (b−2)前記工程(b−1)の後にアニールを行う工程と
    を含む半導体発光素子の製造方法。
  8. (a)第1導電型の第1の半導体層を形成する工程と、
    (b)前記第1の半導体層の上に発光層を形成する工程と、
    (c)前記発光層の上に、前記第1導電型とは反対の第2導電型を有する第2の半導体層を形成する工程と、
    (d)前記第1の半導体層に電気的に接続される第1の電極、及び、前記第2の半導体層に電気的に接続される第2の電極を形成する工程と
    を有し、
    前記工程(b)は、
    (b−1)Zn1−yMgO層からなる障壁層を形成する工程と、
    (b−2)ZnSe1−x層からなる井戸層を形成する工程と、
    (b−3)前記工程(b−1)及び(b−2)の少なくとも一方の後にアニールを行う工程と
    を含み、x及びyは、0≦x、0≦yであり、かつZnSe1−x層のバンドギャップを、Zn1−yMgO層のバンドギャップよりも小さくするような値である半導体発光素子の製造方法。
  9. 前記工程(b)で、前記工程(b−1)及び(b−2)が、交互に複数回ずつ繰り返され、ある工程(b−2)と、これに続いて行われる工程(b−1)との間に、前記工程(b−3)が行われる請求項8に記載の半導体発光素子の製造方法。
  10. 前記工程(b)で、前記工程(b−1)及び(b−2)が、交互に複数回ずつ繰り返され、ある工程(b−1)と、これに続いて行われる工程(b−2)との間に、前記工程(b−3)が行われる請求項8または9に記載の半導体発光素子の製造方法。
  11. 前記工程(b−3)のアニールを、500℃より高く900℃以下の範囲の温度で行う請求項8〜10のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  12. 前記工程(b−3)のアニールを、1分以上行う請求項11に記載の半導体発光素子の製造方法。
  13. (a)第1導電型の第1の半導体層を形成する工程と、
    (b)前記第1の半導体層の上に発光層を形成する工程と、
    (c)前記発光層の上に、前記第1導電型とは反対の第2導電型を有する第2の半導体層を形成する工程と、
    (d)前記第1の半導体層に電気的に接続される第1の電極、及び、前記第2の半導体層に電気的に接続される第2の電極を形成する工程と
    を有し、
    前記工程(b)は、
    (b−1)ZnSeO混晶層を形成する工程と、
    (b−2)前記工程(b−1)の後にアニールを行う工程と
    を含む半導体発光素子の製造方法。
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