JP2004335731A - 有機ntc素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定した素子機能が得られると共に、高価な材料を使用せずに、しかも低温での作製が可能で生産性が高く、加工の自由度を高くして設計、製造が容易にできる有機NTC素子を提供すること。
【解決手段】本発明に係る有機NTC素子は、少なくとも一対の電極と電極間に設けてなる有機NTC組成物からなる有機NTC素子であって、上記電極間の組成物が塗布及び/又は印刷により形成されてなるので、より好ましくは上記電極の少なくとも一方が、塗布、印刷、蒸着、及びメッキにより少なくと一種以上で形成されてなることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る有機NTC素子は、少なくとも一対の電極と電極間に設けてなる有機NTC組成物からなる有機NTC素子であって、上記電極間の組成物が塗布及び/又は印刷により形成されてなるので、より好ましくは上記電極の少なくとも一方が、塗布、印刷、蒸着、及びメッキにより少なくと一種以上で形成されてなることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機NTC素子に関するものであり、より詳細には、携帯電話、移動体通信機器、パソコン等のバッテリの温度検知や電子機器のIC、トランジスタ、水晶発信器、液晶ディスプレー等に使用される有機NTC素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、NTC素子(負特性サーミスタ素子)は、携帯電話、移動体通信機器、パソコン等のバッテリの温度検知や電子機器のIC、トランジスタ、水晶発信器、液晶ディスプレー、画像形成装置等に使用される(特許文献1参照)。NTC素子は温度が上昇すると抵抗値が減少するという、負の温度係数を有し、可逆的に変化する素子であるため、温度によって影響される電気特性などを補正する温度補償、あるいはスイッチング電源等の電源投入時のサージ電流を抑制する目的などに用いられている。
【0003】
従来のNTC素子の組成物は、イットリウム、ランタンなどの高価な希土類遷移元素とコバルトなどとからなる、熱に敏感な複合酸化物粉末を作成し、これに有機バインダーやその他のセラミックス材などを加え、再度混合し所望の形状に成形し、1400℃程度の高温にて2時間程焼成して作製している。このような半導体セラミックスからなるNTC組成物に銀を主体とする電極ペーストを塗布し焼付け、要部にガラスペーストを塗布、焼付けてNTC素子を得ている。
また、NTC素子の組成物には、マンガン、コバルト、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属の酸化物を2種類以上選択し、所定の比率で配合した原料を高温焼成して得られた複合酸化物セラミックス等も知られている(特許文献2を参照。)。
更に、共役導電性高分子を用いるサーミスタ素子の試みも行われている。電解重合法で重合した共役導電性高分子膜を基板に装着し、その膜に一対の電極を真空蒸着で形成してなる温度検知素子が知られている(特許文献3を参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−062758号公報
【特許文献2】
特開平05−021209号公報
【特許文献2】
特開平03−211702号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記NTC組成物は、高価な希土類遷移元素を使用しており、高温焼成しているため、コストがかかり高い生産性を得ることができない。さらに加工の自由度が少なく、またユーザーによって回路にNTC素子を組み込ませることが容易にできない場合がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされた。すなわち、本発明の解決課題は、安定した素子機能が得られると共に、高価な材料を使用せずに、しかも低温での作製が可能で生産性が高く、加工の自由度を高くして設計、製造が容易にできる有機NTC素子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、素子における有機NTC組成物を電極間において塗布形成又は印刷形成すると、更には電極を、塗布形成、印刷形成、蒸着形成、又はメッキ形成をすると、安定した素子機能を維持しながら、比較的安価な材料が利用できること、また低温で作製が可能なこと、及びこれらの層の厚みを薄く形成できるので有機NTC素子としての加工の自由度が増すことを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明に係る有機NTC素子は、以下の構成或いは手段からなることを特徴とし、上記課題を解決するものである。
【0008】
本発明に係る有機NTC素子は、少なくとも一対の電極と電極間に設けてなる有機NTC組成物からなる有機NTC素子であって、上記電極間の組成物が塗布及び/又は印刷により形成されてなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る有機NTC素子は、上記電極の少なくとも一方が、塗布、印刷、蒸着、及びメッキの少なくとも一種類以上によって形成されてなることが好ましい。
【0010】
本発明において、上記電極は、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、及びこれらの混合物の少なくとも一種以上から選択される電極材料、又は該電極材料と樹脂との混合材料とからなることが好ましい。
また、上記有機NTC組成物は、共役系有機高分子化合物と樹脂との混合物からなることが好ましい。更に、上記有機NTC組成物は、水又は有機溶媒に可溶であることを特徴とすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳しく説明する。尚、本発明に係る有機NTC素子は以下の実施の形態に限られるものではない。
図1(a)及び(b)は、本発明に係る有機NTC素子の第一の実施の形態を示す平面図及びその断面図である。図2(a)及び(b)は、本発明に係る有機NTC素子の第二の実施の形態を示す平面図及びその断面図である。図3(a)及び(b)は、本発明に係る有機NTC素子の第三の実施の形態を示す平面図及びその断面図である。図4(a)〜(c)は、本発明に係る有機NTC素子の第四の実施の形態を示す平面図、及びその図のA−A’、及びB−B’線に沿う断面図である。
【0012】
図1に示すように本実施形態の有機NTC素子組成物1は、一対の電極3a、3bと電極間に設けてなる有機NTC組成物2とからなる。
電極3a、3bとしては、導電性粒子を焼成してなる電極、導電性箔(金属箔)からなる電極、導電性ペーストを塗布或いは印刷して焼成又は乾燥して形成してなる電極、導電性材料の溶液をメッキ等により形成してなる電極、導電性材料を蒸着して形成してなる電極を挙げることができる。
本発明にあっては、上記電極の少なくとも一方の電極が、上記塗布、印刷、蒸着、及びメッキによる少なくとも一種以上で形成されてなることが好ましい。例えば、図1にあっては、電極3aは、基板4に導電性ペーストをスクリーン印刷して形成してなるものである。
尚、両電極3a、3bをスクリーン印刷のみで形成してもよく、また、他の一方の電極は上記以外の電極、例えば、金属箔からなる電極としても良い。
【0013】
電極3a、3bには、導電性材料であれば本発明において特に限定されるものではないが、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、及びこれらの混合物の少なくとも一種以上から選択される電極材料、及び該電極材料と、ペーストのつなぎ又は結着樹脂として使用される一般的な樹脂との混合材料が使用されることが望ましい。尚、これらの金属の混合物は合金でも良く、また、金属粉同士の混合したものであっても良い。
【0014】
上記電極としては例えば、上記金属粒子を含有する導電ペーストを基板に塗布或いは印刷して焼成して得られる電極、金属粉末と無機結合剤とを有機ビヒクル中に分散した導電ペーストを基板4に塗布、或いは印刷した後に高温焼成して、有機ビヒクルを焼損させた電極や、特に、1〜500nmといったナノサイズの粒径を有する金属粒子を分散した導電ペーストを金属の融点以下、常温付近の温度で焼結し、低抵抗の電極としたものが好ましい。
【0015】
また電極材料溶液の還元により生成した電極としては、ハロゲン化銀、硝酸銀、酸化銀のような有機銀塩、ハロゲン化銅、硝酸銅、酸化銅のような有機銅塩の1種または2種以上のコロイド溶液に還元剤を加えたペーストの還元によって生成される電極が挙げられる。更に、上記した有機銀塩、有機銅塩のメッキ還元、例えば電解メッキ、無電解メッキ等の常法によって生成される電極が挙げられる。
【0016】
更に、蒸着により生成した電極としては、公知の蒸着法によって得られる金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、及びこれらの合金、これらの混合物から選ばれた金属の1種または2種以上の金属からなる電極が挙げられる。
【0017】
このように形成される電極3a、3bの厚みは、1000μm以下、より好ましくは5μm〜500μmの範囲にあることが好ましい。
上記範囲以下であれば、有機NTC素子に加工の自由度が増して多様な機器に使用することができる。また、電極の厚みが薄過ぎる場合には、使用上の安全性が欠けてくる。
【0018】
また、有機NTC素子1にあっては、電極3a、3b間の有機NTC組成物2が塗布及び/又は印刷により形成されてなる。図1にあっては具体的にはスクリーン印刷がなされている。
【0019】
上記有機NTC組成物2は共役系有機高分子化合物と、これに混合される熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂とからなることが好ましい。
【0020】
上記有機NTC組成物における共役系有機高分子としては、一般的に言われる、固有抵抗値が1×103〜10Ω・cmの半導体領域にある共役系有機半導体高分子から選ばれ、具体的に、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリセレノフェン、ポリアズレン、ポリピレン、ポリナフチレン、ポリフルオレンなどが挙げられる。このうち溶剤に可溶であれば、後述する熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂と混合することが容易にでき、分散したスラリー状態から形成するよりも安定した組成物を得ることができることから、アルキル基やアルコキシル基等の置換基を導入した誘導体が好ましく、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−チオフェン−β−エタンスルフォネール)、ポリメチルピロール、ポリ(3−ヘキシルピロール)、ポリ(3−メチル−4−ピロールカルボン酸メチル)、ポリ(3−メチル−4−ピロールカルボン酸エチル)、ポリ(3−メチルアニリン)、ポリ(3−フェニルアニリン)、ポリシアノフェニレンビニレン、ポリジメトキシフェニレンビニレンなどの共役系有機半導体高分子の誘導体が挙げられる。
【0021】
上記共役系有機高分子のうち、特に、溶剤可溶性が十分にあり、温度や湿度に安定性が高く、機能を十分に示すポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン誘導体が特に好ましい。
一般的に、置換基が導入された誘導体は、元の共役系有機高分子よりは、π電子に電子的影響を与え、固有抵抗は高くなり、また、その分子構造から、隣接する共役性の主鎖間の距離が適度に離れるため、適当な半導体領域になり易く、NTC機能を発揮する傾向にある。
【0022】
上記共役系有機高分子は、構造単位であるモノマーを、塩化第二鉄、塩化第二銅、塩化第二錫などの遷移金属の塩化物、過酸化水素水、オゾン、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物、酸化銀などの金属酸化物、過マンガン酸、クロム酸、次亜塩素酸などの無機酸やその塩類、過塩素酸第二鉄、過塩素酸第二銅などの過塩素酸塩類、過硫化アンモニウム、過硫化ナトリウム、過硫化カリウムなどの過硫化物などを酸化重合触媒として用いて得ることができる。
【0023】
上記共役系有機高分子には抵抗調整のため、あるいは後述するサーミスタ定数を調整するためにアクセプター系或いはドナー系のドーパント(導電性高分子等において微量ドープすることによって抵抗を効果的に下げることができる固定の電気的特性を変化させる不純物)をドーピングすることができる。アクセプターとしてヨウ素、臭素などのハロゲン、PF5、AsF5、BF3などのルイス酸、HF、HCl、H2SO4などのプロトン酸やパラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、スルホン化ポリスチレンなどの有機酸、FeCl3、TiCl4などの遷移金属化合物、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノテトラアザナフタレン、クロラニルなどの有機物質、あるいはドナーとしてのLi、Na、Kなどのアルカリ金属、Ca、Sr、Baなどのアルカリ金属土類などをドーピングすることができる。
尚、場合によっては、これらのドーパントを配合することにより、共役系有機高分子の電子状態が導電体に近づくため半導体性が失われ、NTC機能として、温度に対しての抵抗減少率が低下する、すなわちサーミスタ定数が低下する場合があるので、過剰な配合は避け、適宜に配合する必要がある。
上述の共役系有機高分子の酸化重合触媒で、ハロゲン類や遷移金属塩化物などはドーパントとして機能するものもあり、必要ならばこれをイオン交換等により排除したり、あるいは失効させるなどすることができる。
【0024】
また、脱ドープによる抵抗値が、経時的に変化することがあるので、電解質アニオン、及び電解質カチオンは避けることが望ましく、高分子にドーピング機能を持つ置換基を有した高分子型のものは好ましい。
特にドーパントをAB2型のモノマーを出発原料とし、中心核分子から順次結合させて合成されたデンドリマーやポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどのオリゴマー、ポリマーあるいはフラーレン分子に導入し、官能基として担持することが簡便であって特に望ましい。
この様に高分子担体を中心に多官能となったドーパントは、共役系有機高分子間をブリッジさせることができ、さらに、混合する熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂と擬似的にIPN(相互貫入高分子網目;interpenetrating polymer network)化し、相溶性を高め、共役系有機高分子とそれら樹脂との分離を抑えることができ、有用な安定化策である。
このほか、ドーパントを共役系有機高分子と共重合した自己ドープ型などは、ドーパントの固定に対して有効な方法となる。
【0025】
NTC機能の発現は、半導体であれば、基本的にはすべての電子が原子の周りの軌道に閉じこめられていて、自由に原子間を動くことはできないが、半導体に不純物を加えて原子軌道からはみ出した電子を作ってやると、電子は動けるようになる。温度を上げて最外殻軌道よりさらに外側に電子を放り出し、自由に動ける電子の数が増加することによって、半導体の抵抗は減少することによるものと思われる。
上記共役系有機高分子が後述する樹脂と混合され、該共役系有機高分子が樹脂と分子レベルで分散され、すなわち相溶状態であるか、または該共役系有機高分子の凝集体となって分散されていても、半導体性の高分子であれば、その混合物は半導体性を示し、NTC機能を有することとなる。
【0026】
上記したように、共役系有機高分子は樹脂と混合することによって、電極との密着性、接着性、抵抗値の調整などが可能になることから、樹脂と混合することが望ましい。混合する樹脂は熱可塑性であっても、熱硬化性であっても良いが、共役系有機高分子を溶解する溶剤に溶けることが好ましいことから、比較的極性の高い樹脂が良い。
【0027】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル、ポリフェニレンオキサイド、ポリブチラール、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、マレイミド樹脂、ニトリルゴム等を挙げることができる。
また、上記樹脂の混合物、共重合体、或いはその変性物などを適宜使用することができる。
【0028】
また、素子の機械的、電気的な特性を損なわない程度に、樹脂配合に通常用いられる、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、内部離型剤、加工助剤、分散剤、相溶化剤、難燃剤、接着促進剤等の添加剤を用いてよい。
このうち、熱硬化性樹脂は高度な架橋により低膨張であり、電極に対する接着力が高まることから望ましく、特には相溶性の良い、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂が適している。
【0029】
上記熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂の混合量(質量)は、上記共役系有機高分子の100倍以下、好ましくは80倍以下、さらに好ましくは0.1倍以上、60倍以下とすることが良い。
上記混合量が100倍を超えると、有機NTC素子組成物の半導体としての特性が失われるほか、一対の電極間距離と該組成物との電極の接触面積にもよるが、抵抗値が1MΩ以上の高値を示すことがある。またその混合においては、特に有機NTC組成物は、各混合物が溶液状態で相溶していても、溶剤の揮発に伴い共役系有機高分子や熱可塑性樹脂などが相分離して島状となり、電気特性の安定性が失われるほか、最悪の場合には導電性を示さなくなることがあるので、この場合は相溶化剤などを用いることができる。
また、熱硬化性樹脂の硬化剤成分の中には、上記したドーピング効果を阻害するものもあり、必要な初期抵抗およびサーミスタ特性を得るためには注意が必要である。
【0030】
また、上記熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が含まれない場合、下記に示すサーミスタ定数(抵抗減少変化の温度変化による影響)は大きくなるが、電極との密着性が低下したり、加工性を損なうことがある。このため、共役系有機高分子のサーミスタ定数の特性を評価しておくことが好ましい。
【0031】
上記サーミスタ定数(B)は低温(TL:絶対温度)時の抵抗値(RL)と高温(TH:絶対温度)時の抵抗値(RH)において式1で示される。
式1 : B=ln(RH/RL)/(1/TL−1/TH)
上記サーミスタ定数を調整するには、主に、共役系有機高分子の種類と上述のドーピング方法によって行われる。また、有機NTC組成物の抵抗値は主に電極接触面積、距離、熱硬化性樹脂などの配合量によって調整される。
式1を、抵抗の自然対数を縦軸に、温度を横軸にしてグラフに示すと、右方下がりの直線を得ることができ、NTC機能を有する半導体の特性を評価することができる。共役系有機高分子が導体であった場合は、導電性フィラーを充填した導電性材料と同様に、ほぼ水平な直線を示すことから、容易に半導体性を識別することができる。本発明の組成物を用いたNTC素子はおおよそ、1,000〜20,000(°K)のサーミスタ定数を有する。
【0032】
本発明の有機NTC素子は、例えば、セラミックス基板、ガラス板、ポリイミドフィルムやガラスエポキシ基板などの絶縁性基板上に、上記した電極材料を、塗布、印刷、蒸着、メッキの一種または二種以上の形成法によって形成し、さらにこの上に上記した有機NTC組成物を、塗布、印刷の一種または二種の形成法によって形成してなるものであり、塗布又は印刷を繰り返すことができる。
塗布形成には、従来公知のバーコーター、コンマコーターなどのコート装置を用いて、必要であればマスクを介して必要部位に塗布すればよく、また、印刷方法としては、スクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷などの手法が用いられる。
さらに、蒸着して成形するには、CVDなどの化学蒸着、スパッタリングなどの物理蒸着が用いられ、これも必要であればマスクを介して必要部位にだけ電極を設けることができるものである。
またさらに、メッキ形成としては、無電解メッキ、電解メッキなどの常法を使用して、電極を設けたり、上記のような塗布、印刷、蒸着によって形成した電極上に、メッキにより金属層を積層して電極を設けたりできる。
【0033】
有機NTC組成物の厚みは、本発明において特に制限するものではないが、1〜1000μmの範囲、より好ましくは10μm〜500μmの範囲にあることが好ましい。
上記範囲未満では、有機NTC素子におけるサーミスタ定数(抵抗減少変化の温度変化による影響)が小さくなり、その機能を損なってくる。上記範囲を超えると、加工の自由度が低下し多様な機器に使用することができなくなってくる。
【0034】
具体的に、図1に示す有機NTC素子1を製造するには、絶縁性基板4上の任意の位置に、導電性ペーストや有機金属のコロイド溶液を用いて塗布、印刷によって電極3aを形成、または金属の蒸着によって電極を形成した後、この上に上述の有機NTC組成物2を塗布、印刷によって形成し、さらにこの上に上記と同様の方法で電極3bを形成すればよい。
【0035】
また、図2に示すような有機NTC素子10を製造するには、絶縁性基板14上の任意の位置に、上記と同様の形成法を用いて櫛歯状の電極13を形成し、さらにこの上に有機NTC組成物12を塗布、印刷によって形成すればよい。
さらに、図3に示すような有機NTC素子20を製造するには、図1の有機NTC素子1を製造したのと同様に、電極23と有機NTC組成物22を繰り返し形成して、多層構造の有機NTC素子とすることができる。また、図4に示すような有機NTC素子30を製造するには、図2の有機NTC素子10を製造したのと同様に、櫛歯状の電極33と有機NTC組成物32を繰り返し形成して、多層構造の有機NTC素子とすることができる。このような、多層構造の有機NTC素子は図1及び図2のような単層構造のものよりも小型で、高効率なものが得られる。
【0036】
【実施例】
以下に、実施例を用いて、本発明をさらに詳しく説明する。尚、本発明に係る有機NTC素子は以下の実施例に限るものではない。
【0037】
(実施例1)
共役系有機高分子として、ポリ(3−メチル−4−ピロールカルボン酸ブチル)100gと10gのテトラシアノキノジメタンと25gのポリアミド樹脂(東洋紡社製)をジメチルアセトアミド200gに溶解混合し、褐色透明な有機NTC組成物溶液を得た。
絶縁性基板として厚み50μmのポリイミドフィルムを用い、この上にスクリーン印刷により低温焼結型銀ペースト(藤倉化成社製、商品名:XA9024)を印刷して厚さ5μm、短辺5mm×長辺10mmの長方形の電極を形成し、200℃で20hr乾燥、焼結した。
【0038】
この上に上記で作製した有機NTC組成物をスクリーン印刷により厚さ10μm、短辺6mm×長辺7mmの長方形の形状に、電極端子を露出するように(図1の形状)印刷して、120℃で3hr乾燥し、さらにこの上に前記と同様の低温焼結型銀ペーストを厚さ5μm、短辺7mm×長辺10mmの電極の形状にスクリーン印刷し、200℃20hr乾燥、焼結して有機NTC素子を得た。
【0039】
温度0℃、100℃において初期の抵抗値を測定した。さらに温度0〜100℃の冷熱サイクル(昇温レート、降温レートは1℃/分)を100回繰り返し、初期の抵抗からの変化率を測定した。下記表1に示す。
【0040】
(実施例2)
共役系有機高分子として、ポリ(3−メチル−4−ピロールカルボン酸ブチル)100gと10gのテトラシアノキノジメタンと20gのエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコート1010)をジメチルアセトアミド200gに溶解混合し、褐色透明な有機NTC組成物溶液を得た。
絶縁性基板として厚み50μmのポリイミドフィルムを用い、この上にスクリーン印刷により低温焼結型銀ペースト(藤倉化成社製、商品名:XA9024)を櫛歯状に(図2の形状)印刷して厚さ5μmの電極を形成し、200℃で20hr乾燥、焼結した。
【0041】
この上に上記で作製した有機NTC組成物をスクリーン印刷により厚さ10μm、短辺6mm×長辺10mmの長方形の形状に、電極端子を露出するように印刷して、120℃で3hr乾燥し、さらにこの上にエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコート1010)を厚さ20μm、短辺7mm×長辺10mmの形状にスクリーン印刷して保護層とし、200℃20hr乾燥、焼結して有機NTC素子を得た。
【0042】
温度0℃、100℃において初期の抵抗値を測定した。さらに温度0〜100℃の冷熱サイクル(昇温レート、降温レートは1℃/分)を100回繰り返し、初期の抵抗からの変化率を測定した。下記表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明に係るNTC素子は、一対の電極と電極間に設けてなる有機NTC組成物とからなる素子であって、上記電極間の組成物が塗布及び/又は印刷により形成されてなるので、また好ましくは上記電極の少なくとも一方が、塗布、印刷、蒸着、及びメッキにより少なくとも一種以上で形成されてなること、及び/又は上記電極間の組成物が塗布及び/又は印刷により形成されてなるので、安定した素子機能が得られると共に、高価な材料を使用せずに製造できる。しかも低温での作製が可能で生産性が高く、また加工の自由度を高くして設計、製造が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)及び(b)は、本発明に係る有機NTC素子の第一の実施の形態を示す平面図及びその断面図である。
【図2】図2(a)及び(b)は、本発明に係る有機NTC素子の第二の実施の形態を示す平面図及びその断面図である。
【図3】図3(a)及び(b)は、本発明に係る有機NTC素子の第三の実施の形態を示す平面図及びその断面図である。
【図4】図4(a)〜(c)は、本発明に係る有機NTC素子の第四の実施の形態を示す平面図、及びその図のA−A’、及びB−B’断面図である。
【符号の説明】
1 有機NTC素子
2 有機NTC組成物
3a、3b 電極
4 絶縁性基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機NTC素子に関するものであり、より詳細には、携帯電話、移動体通信機器、パソコン等のバッテリの温度検知や電子機器のIC、トランジスタ、水晶発信器、液晶ディスプレー等に使用される有機NTC素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、NTC素子(負特性サーミスタ素子)は、携帯電話、移動体通信機器、パソコン等のバッテリの温度検知や電子機器のIC、トランジスタ、水晶発信器、液晶ディスプレー、画像形成装置等に使用される(特許文献1参照)。NTC素子は温度が上昇すると抵抗値が減少するという、負の温度係数を有し、可逆的に変化する素子であるため、温度によって影響される電気特性などを補正する温度補償、あるいはスイッチング電源等の電源投入時のサージ電流を抑制する目的などに用いられている。
【0003】
従来のNTC素子の組成物は、イットリウム、ランタンなどの高価な希土類遷移元素とコバルトなどとからなる、熱に敏感な複合酸化物粉末を作成し、これに有機バインダーやその他のセラミックス材などを加え、再度混合し所望の形状に成形し、1400℃程度の高温にて2時間程焼成して作製している。このような半導体セラミックスからなるNTC組成物に銀を主体とする電極ペーストを塗布し焼付け、要部にガラスペーストを塗布、焼付けてNTC素子を得ている。
また、NTC素子の組成物には、マンガン、コバルト、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属の酸化物を2種類以上選択し、所定の比率で配合した原料を高温焼成して得られた複合酸化物セラミックス等も知られている(特許文献2を参照。)。
更に、共役導電性高分子を用いるサーミスタ素子の試みも行われている。電解重合法で重合した共役導電性高分子膜を基板に装着し、その膜に一対の電極を真空蒸着で形成してなる温度検知素子が知られている(特許文献3を参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−062758号公報
【特許文献2】
特開平05−021209号公報
【特許文献2】
特開平03−211702号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記NTC組成物は、高価な希土類遷移元素を使用しており、高温焼成しているため、コストがかかり高い生産性を得ることができない。さらに加工の自由度が少なく、またユーザーによって回路にNTC素子を組み込ませることが容易にできない場合がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされた。すなわち、本発明の解決課題は、安定した素子機能が得られると共に、高価な材料を使用せずに、しかも低温での作製が可能で生産性が高く、加工の自由度を高くして設計、製造が容易にできる有機NTC素子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、素子における有機NTC組成物を電極間において塗布形成又は印刷形成すると、更には電極を、塗布形成、印刷形成、蒸着形成、又はメッキ形成をすると、安定した素子機能を維持しながら、比較的安価な材料が利用できること、また低温で作製が可能なこと、及びこれらの層の厚みを薄く形成できるので有機NTC素子としての加工の自由度が増すことを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明に係る有機NTC素子は、以下の構成或いは手段からなることを特徴とし、上記課題を解決するものである。
【0008】
本発明に係る有機NTC素子は、少なくとも一対の電極と電極間に設けてなる有機NTC組成物からなる有機NTC素子であって、上記電極間の組成物が塗布及び/又は印刷により形成されてなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る有機NTC素子は、上記電極の少なくとも一方が、塗布、印刷、蒸着、及びメッキの少なくとも一種類以上によって形成されてなることが好ましい。
【0010】
本発明において、上記電極は、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、及びこれらの混合物の少なくとも一種以上から選択される電極材料、又は該電極材料と樹脂との混合材料とからなることが好ましい。
また、上記有機NTC組成物は、共役系有機高分子化合物と樹脂との混合物からなることが好ましい。更に、上記有機NTC組成物は、水又は有機溶媒に可溶であることを特徴とすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳しく説明する。尚、本発明に係る有機NTC素子は以下の実施の形態に限られるものではない。
図1(a)及び(b)は、本発明に係る有機NTC素子の第一の実施の形態を示す平面図及びその断面図である。図2(a)及び(b)は、本発明に係る有機NTC素子の第二の実施の形態を示す平面図及びその断面図である。図3(a)及び(b)は、本発明に係る有機NTC素子の第三の実施の形態を示す平面図及びその断面図である。図4(a)〜(c)は、本発明に係る有機NTC素子の第四の実施の形態を示す平面図、及びその図のA−A’、及びB−B’線に沿う断面図である。
【0012】
図1に示すように本実施形態の有機NTC素子組成物1は、一対の電極3a、3bと電極間に設けてなる有機NTC組成物2とからなる。
電極3a、3bとしては、導電性粒子を焼成してなる電極、導電性箔(金属箔)からなる電極、導電性ペーストを塗布或いは印刷して焼成又は乾燥して形成してなる電極、導電性材料の溶液をメッキ等により形成してなる電極、導電性材料を蒸着して形成してなる電極を挙げることができる。
本発明にあっては、上記電極の少なくとも一方の電極が、上記塗布、印刷、蒸着、及びメッキによる少なくとも一種以上で形成されてなることが好ましい。例えば、図1にあっては、電極3aは、基板4に導電性ペーストをスクリーン印刷して形成してなるものである。
尚、両電極3a、3bをスクリーン印刷のみで形成してもよく、また、他の一方の電極は上記以外の電極、例えば、金属箔からなる電極としても良い。
【0013】
電極3a、3bには、導電性材料であれば本発明において特に限定されるものではないが、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、及びこれらの混合物の少なくとも一種以上から選択される電極材料、及び該電極材料と、ペーストのつなぎ又は結着樹脂として使用される一般的な樹脂との混合材料が使用されることが望ましい。尚、これらの金属の混合物は合金でも良く、また、金属粉同士の混合したものであっても良い。
【0014】
上記電極としては例えば、上記金属粒子を含有する導電ペーストを基板に塗布或いは印刷して焼成して得られる電極、金属粉末と無機結合剤とを有機ビヒクル中に分散した導電ペーストを基板4に塗布、或いは印刷した後に高温焼成して、有機ビヒクルを焼損させた電極や、特に、1〜500nmといったナノサイズの粒径を有する金属粒子を分散した導電ペーストを金属の融点以下、常温付近の温度で焼結し、低抵抗の電極としたものが好ましい。
【0015】
また電極材料溶液の還元により生成した電極としては、ハロゲン化銀、硝酸銀、酸化銀のような有機銀塩、ハロゲン化銅、硝酸銅、酸化銅のような有機銅塩の1種または2種以上のコロイド溶液に還元剤を加えたペーストの還元によって生成される電極が挙げられる。更に、上記した有機銀塩、有機銅塩のメッキ還元、例えば電解メッキ、無電解メッキ等の常法によって生成される電極が挙げられる。
【0016】
更に、蒸着により生成した電極としては、公知の蒸着法によって得られる金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、及びこれらの合金、これらの混合物から選ばれた金属の1種または2種以上の金属からなる電極が挙げられる。
【0017】
このように形成される電極3a、3bの厚みは、1000μm以下、より好ましくは5μm〜500μmの範囲にあることが好ましい。
上記範囲以下であれば、有機NTC素子に加工の自由度が増して多様な機器に使用することができる。また、電極の厚みが薄過ぎる場合には、使用上の安全性が欠けてくる。
【0018】
また、有機NTC素子1にあっては、電極3a、3b間の有機NTC組成物2が塗布及び/又は印刷により形成されてなる。図1にあっては具体的にはスクリーン印刷がなされている。
【0019】
上記有機NTC組成物2は共役系有機高分子化合物と、これに混合される熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂とからなることが好ましい。
【0020】
上記有機NTC組成物における共役系有機高分子としては、一般的に言われる、固有抵抗値が1×103〜10Ω・cmの半導体領域にある共役系有機半導体高分子から選ばれ、具体的に、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリセレノフェン、ポリアズレン、ポリピレン、ポリナフチレン、ポリフルオレンなどが挙げられる。このうち溶剤に可溶であれば、後述する熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂と混合することが容易にでき、分散したスラリー状態から形成するよりも安定した組成物を得ることができることから、アルキル基やアルコキシル基等の置換基を導入した誘導体が好ましく、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−チオフェン−β−エタンスルフォネール)、ポリメチルピロール、ポリ(3−ヘキシルピロール)、ポリ(3−メチル−4−ピロールカルボン酸メチル)、ポリ(3−メチル−4−ピロールカルボン酸エチル)、ポリ(3−メチルアニリン)、ポリ(3−フェニルアニリン)、ポリシアノフェニレンビニレン、ポリジメトキシフェニレンビニレンなどの共役系有機半導体高分子の誘導体が挙げられる。
【0021】
上記共役系有機高分子のうち、特に、溶剤可溶性が十分にあり、温度や湿度に安定性が高く、機能を十分に示すポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン誘導体が特に好ましい。
一般的に、置換基が導入された誘導体は、元の共役系有機高分子よりは、π電子に電子的影響を与え、固有抵抗は高くなり、また、その分子構造から、隣接する共役性の主鎖間の距離が適度に離れるため、適当な半導体領域になり易く、NTC機能を発揮する傾向にある。
【0022】
上記共役系有機高分子は、構造単位であるモノマーを、塩化第二鉄、塩化第二銅、塩化第二錫などの遷移金属の塩化物、過酸化水素水、オゾン、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物、酸化銀などの金属酸化物、過マンガン酸、クロム酸、次亜塩素酸などの無機酸やその塩類、過塩素酸第二鉄、過塩素酸第二銅などの過塩素酸塩類、過硫化アンモニウム、過硫化ナトリウム、過硫化カリウムなどの過硫化物などを酸化重合触媒として用いて得ることができる。
【0023】
上記共役系有機高分子には抵抗調整のため、あるいは後述するサーミスタ定数を調整するためにアクセプター系或いはドナー系のドーパント(導電性高分子等において微量ドープすることによって抵抗を効果的に下げることができる固定の電気的特性を変化させる不純物)をドーピングすることができる。アクセプターとしてヨウ素、臭素などのハロゲン、PF5、AsF5、BF3などのルイス酸、HF、HCl、H2SO4などのプロトン酸やパラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、スルホン化ポリスチレンなどの有機酸、FeCl3、TiCl4などの遷移金属化合物、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノテトラアザナフタレン、クロラニルなどの有機物質、あるいはドナーとしてのLi、Na、Kなどのアルカリ金属、Ca、Sr、Baなどのアルカリ金属土類などをドーピングすることができる。
尚、場合によっては、これらのドーパントを配合することにより、共役系有機高分子の電子状態が導電体に近づくため半導体性が失われ、NTC機能として、温度に対しての抵抗減少率が低下する、すなわちサーミスタ定数が低下する場合があるので、過剰な配合は避け、適宜に配合する必要がある。
上述の共役系有機高分子の酸化重合触媒で、ハロゲン類や遷移金属塩化物などはドーパントとして機能するものもあり、必要ならばこれをイオン交換等により排除したり、あるいは失効させるなどすることができる。
【0024】
また、脱ドープによる抵抗値が、経時的に変化することがあるので、電解質アニオン、及び電解質カチオンは避けることが望ましく、高分子にドーピング機能を持つ置換基を有した高分子型のものは好ましい。
特にドーパントをAB2型のモノマーを出発原料とし、中心核分子から順次結合させて合成されたデンドリマーやポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどのオリゴマー、ポリマーあるいはフラーレン分子に導入し、官能基として担持することが簡便であって特に望ましい。
この様に高分子担体を中心に多官能となったドーパントは、共役系有機高分子間をブリッジさせることができ、さらに、混合する熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂と擬似的にIPN(相互貫入高分子網目;interpenetrating polymer network)化し、相溶性を高め、共役系有機高分子とそれら樹脂との分離を抑えることができ、有用な安定化策である。
このほか、ドーパントを共役系有機高分子と共重合した自己ドープ型などは、ドーパントの固定に対して有効な方法となる。
【0025】
NTC機能の発現は、半導体であれば、基本的にはすべての電子が原子の周りの軌道に閉じこめられていて、自由に原子間を動くことはできないが、半導体に不純物を加えて原子軌道からはみ出した電子を作ってやると、電子は動けるようになる。温度を上げて最外殻軌道よりさらに外側に電子を放り出し、自由に動ける電子の数が増加することによって、半導体の抵抗は減少することによるものと思われる。
上記共役系有機高分子が後述する樹脂と混合され、該共役系有機高分子が樹脂と分子レベルで分散され、すなわち相溶状態であるか、または該共役系有機高分子の凝集体となって分散されていても、半導体性の高分子であれば、その混合物は半導体性を示し、NTC機能を有することとなる。
【0026】
上記したように、共役系有機高分子は樹脂と混合することによって、電極との密着性、接着性、抵抗値の調整などが可能になることから、樹脂と混合することが望ましい。混合する樹脂は熱可塑性であっても、熱硬化性であっても良いが、共役系有機高分子を溶解する溶剤に溶けることが好ましいことから、比較的極性の高い樹脂が良い。
【0027】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル、ポリフェニレンオキサイド、ポリブチラール、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、マレイミド樹脂、ニトリルゴム等を挙げることができる。
また、上記樹脂の混合物、共重合体、或いはその変性物などを適宜使用することができる。
【0028】
また、素子の機械的、電気的な特性を損なわない程度に、樹脂配合に通常用いられる、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、内部離型剤、加工助剤、分散剤、相溶化剤、難燃剤、接着促進剤等の添加剤を用いてよい。
このうち、熱硬化性樹脂は高度な架橋により低膨張であり、電極に対する接着力が高まることから望ましく、特には相溶性の良い、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂が適している。
【0029】
上記熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂の混合量(質量)は、上記共役系有機高分子の100倍以下、好ましくは80倍以下、さらに好ましくは0.1倍以上、60倍以下とすることが良い。
上記混合量が100倍を超えると、有機NTC素子組成物の半導体としての特性が失われるほか、一対の電極間距離と該組成物との電極の接触面積にもよるが、抵抗値が1MΩ以上の高値を示すことがある。またその混合においては、特に有機NTC組成物は、各混合物が溶液状態で相溶していても、溶剤の揮発に伴い共役系有機高分子や熱可塑性樹脂などが相分離して島状となり、電気特性の安定性が失われるほか、最悪の場合には導電性を示さなくなることがあるので、この場合は相溶化剤などを用いることができる。
また、熱硬化性樹脂の硬化剤成分の中には、上記したドーピング効果を阻害するものもあり、必要な初期抵抗およびサーミスタ特性を得るためには注意が必要である。
【0030】
また、上記熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が含まれない場合、下記に示すサーミスタ定数(抵抗減少変化の温度変化による影響)は大きくなるが、電極との密着性が低下したり、加工性を損なうことがある。このため、共役系有機高分子のサーミスタ定数の特性を評価しておくことが好ましい。
【0031】
上記サーミスタ定数(B)は低温(TL:絶対温度)時の抵抗値(RL)と高温(TH:絶対温度)時の抵抗値(RH)において式1で示される。
式1 : B=ln(RH/RL)/(1/TL−1/TH)
上記サーミスタ定数を調整するには、主に、共役系有機高分子の種類と上述のドーピング方法によって行われる。また、有機NTC組成物の抵抗値は主に電極接触面積、距離、熱硬化性樹脂などの配合量によって調整される。
式1を、抵抗の自然対数を縦軸に、温度を横軸にしてグラフに示すと、右方下がりの直線を得ることができ、NTC機能を有する半導体の特性を評価することができる。共役系有機高分子が導体であった場合は、導電性フィラーを充填した導電性材料と同様に、ほぼ水平な直線を示すことから、容易に半導体性を識別することができる。本発明の組成物を用いたNTC素子はおおよそ、1,000〜20,000(°K)のサーミスタ定数を有する。
【0032】
本発明の有機NTC素子は、例えば、セラミックス基板、ガラス板、ポリイミドフィルムやガラスエポキシ基板などの絶縁性基板上に、上記した電極材料を、塗布、印刷、蒸着、メッキの一種または二種以上の形成法によって形成し、さらにこの上に上記した有機NTC組成物を、塗布、印刷の一種または二種の形成法によって形成してなるものであり、塗布又は印刷を繰り返すことができる。
塗布形成には、従来公知のバーコーター、コンマコーターなどのコート装置を用いて、必要であればマスクを介して必要部位に塗布すればよく、また、印刷方法としては、スクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷などの手法が用いられる。
さらに、蒸着して成形するには、CVDなどの化学蒸着、スパッタリングなどの物理蒸着が用いられ、これも必要であればマスクを介して必要部位にだけ電極を設けることができるものである。
またさらに、メッキ形成としては、無電解メッキ、電解メッキなどの常法を使用して、電極を設けたり、上記のような塗布、印刷、蒸着によって形成した電極上に、メッキにより金属層を積層して電極を設けたりできる。
【0033】
有機NTC組成物の厚みは、本発明において特に制限するものではないが、1〜1000μmの範囲、より好ましくは10μm〜500μmの範囲にあることが好ましい。
上記範囲未満では、有機NTC素子におけるサーミスタ定数(抵抗減少変化の温度変化による影響)が小さくなり、その機能を損なってくる。上記範囲を超えると、加工の自由度が低下し多様な機器に使用することができなくなってくる。
【0034】
具体的に、図1に示す有機NTC素子1を製造するには、絶縁性基板4上の任意の位置に、導電性ペーストや有機金属のコロイド溶液を用いて塗布、印刷によって電極3aを形成、または金属の蒸着によって電極を形成した後、この上に上述の有機NTC組成物2を塗布、印刷によって形成し、さらにこの上に上記と同様の方法で電極3bを形成すればよい。
【0035】
また、図2に示すような有機NTC素子10を製造するには、絶縁性基板14上の任意の位置に、上記と同様の形成法を用いて櫛歯状の電極13を形成し、さらにこの上に有機NTC組成物12を塗布、印刷によって形成すればよい。
さらに、図3に示すような有機NTC素子20を製造するには、図1の有機NTC素子1を製造したのと同様に、電極23と有機NTC組成物22を繰り返し形成して、多層構造の有機NTC素子とすることができる。また、図4に示すような有機NTC素子30を製造するには、図2の有機NTC素子10を製造したのと同様に、櫛歯状の電極33と有機NTC組成物32を繰り返し形成して、多層構造の有機NTC素子とすることができる。このような、多層構造の有機NTC素子は図1及び図2のような単層構造のものよりも小型で、高効率なものが得られる。
【0036】
【実施例】
以下に、実施例を用いて、本発明をさらに詳しく説明する。尚、本発明に係る有機NTC素子は以下の実施例に限るものではない。
【0037】
(実施例1)
共役系有機高分子として、ポリ(3−メチル−4−ピロールカルボン酸ブチル)100gと10gのテトラシアノキノジメタンと25gのポリアミド樹脂(東洋紡社製)をジメチルアセトアミド200gに溶解混合し、褐色透明な有機NTC組成物溶液を得た。
絶縁性基板として厚み50μmのポリイミドフィルムを用い、この上にスクリーン印刷により低温焼結型銀ペースト(藤倉化成社製、商品名:XA9024)を印刷して厚さ5μm、短辺5mm×長辺10mmの長方形の電極を形成し、200℃で20hr乾燥、焼結した。
【0038】
この上に上記で作製した有機NTC組成物をスクリーン印刷により厚さ10μm、短辺6mm×長辺7mmの長方形の形状に、電極端子を露出するように(図1の形状)印刷して、120℃で3hr乾燥し、さらにこの上に前記と同様の低温焼結型銀ペーストを厚さ5μm、短辺7mm×長辺10mmの電極の形状にスクリーン印刷し、200℃20hr乾燥、焼結して有機NTC素子を得た。
【0039】
温度0℃、100℃において初期の抵抗値を測定した。さらに温度0〜100℃の冷熱サイクル(昇温レート、降温レートは1℃/分)を100回繰り返し、初期の抵抗からの変化率を測定した。下記表1に示す。
【0040】
(実施例2)
共役系有機高分子として、ポリ(3−メチル−4−ピロールカルボン酸ブチル)100gと10gのテトラシアノキノジメタンと20gのエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコート1010)をジメチルアセトアミド200gに溶解混合し、褐色透明な有機NTC組成物溶液を得た。
絶縁性基板として厚み50μmのポリイミドフィルムを用い、この上にスクリーン印刷により低温焼結型銀ペースト(藤倉化成社製、商品名:XA9024)を櫛歯状に(図2の形状)印刷して厚さ5μmの電極を形成し、200℃で20hr乾燥、焼結した。
【0041】
この上に上記で作製した有機NTC組成物をスクリーン印刷により厚さ10μm、短辺6mm×長辺10mmの長方形の形状に、電極端子を露出するように印刷して、120℃で3hr乾燥し、さらにこの上にエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコート1010)を厚さ20μm、短辺7mm×長辺10mmの形状にスクリーン印刷して保護層とし、200℃20hr乾燥、焼結して有機NTC素子を得た。
【0042】
温度0℃、100℃において初期の抵抗値を測定した。さらに温度0〜100℃の冷熱サイクル(昇温レート、降温レートは1℃/分)を100回繰り返し、初期の抵抗からの変化率を測定した。下記表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明に係るNTC素子は、一対の電極と電極間に設けてなる有機NTC組成物とからなる素子であって、上記電極間の組成物が塗布及び/又は印刷により形成されてなるので、また好ましくは上記電極の少なくとも一方が、塗布、印刷、蒸着、及びメッキにより少なくとも一種以上で形成されてなること、及び/又は上記電極間の組成物が塗布及び/又は印刷により形成されてなるので、安定した素子機能が得られると共に、高価な材料を使用せずに製造できる。しかも低温での作製が可能で生産性が高く、また加工の自由度を高くして設計、製造が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)及び(b)は、本発明に係る有機NTC素子の第一の実施の形態を示す平面図及びその断面図である。
【図2】図2(a)及び(b)は、本発明に係る有機NTC素子の第二の実施の形態を示す平面図及びその断面図である。
【図3】図3(a)及び(b)は、本発明に係る有機NTC素子の第三の実施の形態を示す平面図及びその断面図である。
【図4】図4(a)〜(c)は、本発明に係る有機NTC素子の第四の実施の形態を示す平面図、及びその図のA−A’、及びB−B’断面図である。
【符号の説明】
1 有機NTC素子
2 有機NTC組成物
3a、3b 電極
4 絶縁性基板
Claims (5)
- 少なくとも一対の電極と電極間に設けてなる有機NTC組成物からなる有機NTC素子であって、上記電極間の組成物が塗布及び/又は印刷により形成されてなることを特徴とする有機NTC素子。
- 上記電極の少なくとも一方が、塗布、印刷、蒸着、及びメッキの少なくとも一種類以上によって形成されてなることを特徴とする請求項1記載の有機NTC素子。
- 上記電極が、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、及びこれらの混合物の少なくとも一種以上から選択される電極材料、又は該電極材料と樹脂との混合材料からなる請求項1又は2に記載の有機NTC素子。
- 上記有機NTC組成物が共役系有機高分子化合物と樹脂との混合物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機NTC素子。
- 上記有機NTC組成物が水又は有機溶媒に可溶であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の有機NTC素子。
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