JPH0547211A - 高分子電荷移動錯体 - Google Patents
高分子電荷移動錯体Info
- Publication number
- JPH0547211A JPH0547211A JP33344391A JP33344391A JPH0547211A JP H0547211 A JPH0547211 A JP H0547211A JP 33344391 A JP33344391 A JP 33344391A JP 33344391 A JP33344391 A JP 33344391A JP H0547211 A JPH0547211 A JP H0547211A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- organic
- transfer complex
- charge transfer
- conductive polymer
- polyaniline
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 成形性、加工性を有し、かつ電子材料として
の安定性に優れた新規な分子間電荷移動錯体を提供する
こと。 【構成】 有機ドナー及び有機アクセプターより形成さ
れる分子間電荷移動錯体において少なくとも有機ドナー
材料が導電性高分子材料であることを特徴とする高分子
電荷移動錯体。
の安定性に優れた新規な分子間電荷移動錯体を提供する
こと。 【構成】 有機ドナー及び有機アクセプターより形成さ
れる分子間電荷移動錯体において少なくとも有機ドナー
材料が導電性高分子材料であることを特徴とする高分子
電荷移動錯体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイオード、トランジ
スタ用有機半導体材料、電解コンデンサ用電極材料、電
磁波シールド材料等への応用に有用な高分子電荷移動錯
体に関する。
スタ用有機半導体材料、電解コンデンサ用電極材料、電
磁波シールド材料等への応用に有用な高分子電荷移動錯
体に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子材料は、鋳型、フィルム、粉体等
への成型性、量産性に優れまた、軽量性にも優れるた
め、これらの特性を活かして導電性、半導性を有する有
機高分子材料がエレクトロニクスを始めとして多くの産
業分野において求められている。初期の有機導電体は各
種の成型が困難であったが、近年、比較的成型性に優れ
た本格的な有機導電体が得られるようになった。このよ
うな有機導電体としてポリアセチレン、ポリピロール、
ポリチオフェン、ポリパラフェニレン等が挙げられ有機
半導体としての電子構造を有すると共に電子供与性ドー
パント、電子受容性ドーパントをドーピングすることに
よってn型、p型の導電体とすることができる。ドーピ
ングの方法としては、電解質溶液中で電気化学的にアニ
オン又はカチオンのイオン性ドーパントをドーピングす
る方法。ヨウ素、臭素、塩素などのハロゲン類、SbF
5,AsF5,BF3などのルイス酸をガスフェーズでド
ーピングする方法、リチウム、ナトリウム、カリウムな
どのアルカリ金属蒸気に晒してn型ドーピングをする方
法などが一般的ドーピング方法として数多く報告されて
いる。しかし、これらのドーパントのうちイオン性をも
っているものは脱ドープし易く、またドーパントとして
腐食性が強いものが多く、電子材料としての信頼性に欠
ける。
への成型性、量産性に優れまた、軽量性にも優れるた
め、これらの特性を活かして導電性、半導性を有する有
機高分子材料がエレクトロニクスを始めとして多くの産
業分野において求められている。初期の有機導電体は各
種の成型が困難であったが、近年、比較的成型性に優れ
た本格的な有機導電体が得られるようになった。このよ
うな有機導電体としてポリアセチレン、ポリピロール、
ポリチオフェン、ポリパラフェニレン等が挙げられ有機
半導体としての電子構造を有すると共に電子供与性ドー
パント、電子受容性ドーパントをドーピングすることに
よってn型、p型の導電体とすることができる。ドーピ
ングの方法としては、電解質溶液中で電気化学的にアニ
オン又はカチオンのイオン性ドーパントをドーピングす
る方法。ヨウ素、臭素、塩素などのハロゲン類、SbF
5,AsF5,BF3などのルイス酸をガスフェーズでド
ーピングする方法、リチウム、ナトリウム、カリウムな
どのアルカリ金属蒸気に晒してn型ドーピングをする方
法などが一般的ドーピング方法として数多く報告されて
いる。しかし、これらのドーパントのうちイオン性をも
っているものは脱ドープし易く、またドーパントとして
腐食性が強いものが多く、電子材料としての信頼性に欠
ける。
【0003】一方、TTF−TCNQ,BEDT−TT
F等の有機電荷移動錯体は有機超伝導体としても注目さ
れているが成型性、加工性に乏しく、デバイス応用が難
しい。
F等の有機電荷移動錯体は有機超伝導体としても注目さ
れているが成型性、加工性に乏しく、デバイス応用が難
しい。
【0004】高分子の電荷移動錯体もポリフェニレンス
ルフィド/TCNQが検討されたが、顕著な物性変化は
見い出されておらずポリフェニルエチニル銅とDDQの
錯体が特殊な例として報告されている。
ルフィド/TCNQが検討されたが、顕著な物性変化は
見い出されておらずポリフェニルエチニル銅とDDQの
錯体が特殊な例として報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題点
に鑑み成型性、加工性を有し、かつ電子材料としての安
定性に優れた新規な分子間電荷移動錯体を提供するもの
である。
に鑑み成型性、加工性を有し、かつ電子材料としての安
定性に優れた新規な分子間電荷移動錯体を提供するもの
である。
【0006】またさらに還元状態での不安定な導電性高
分子を安定化することにより新規の高分子電子材料を提
供するものである。
分子を安定化することにより新規の高分子電子材料を提
供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、導電性高分子材料を有機ドナー材料とする有機
電荷移動錯体を発明するに至った。
た結果、導電性高分子材料を有機ドナー材料とする有機
電荷移動錯体を発明するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、有機ドナー及び有機
アクセプターより形成される分子間電荷移動錯体におい
て少なくとも有機ドナー材料が主鎖骨格に窒素原子を有
する導電性高分子材料であることを特徴とする高分子電
荷移動錯体である。
アクセプターより形成される分子間電荷移動錯体におい
て少なくとも有機ドナー材料が主鎖骨格に窒素原子を有
する導電性高分子材料であることを特徴とする高分子電
荷移動錯体である。
【0009】導電性高分子としては、ポリアセチレン、
ポリフェニルアセチレン等のポリアセチレン類、ポリパ
ラフェニレン、ポリ2−アルキルポリパラフェニレン、
ポリ2,5−アルキルポリパラフェニレンポリメタフェ
ニレン等のポリフェニレン類、ポリピロール、ポリn−
メチルピロール、ポリn−カルボキシピロール、ポリ
3、4−ヒドロキシピロールなどのポリピロール類、ポ
リチオフェン、ポリ3−メチルチオフェン、ポリ3−ニ
トロチオフェン、ポリ3,4−メトキシチオフェン、ポ
リ長鎖アルキルチオフェンなどのポリチオフェン類、ポ
リフェニレンビニレン、ポリチェニレンビニレン、ポリ
2,5−メトキシフェニレンビニレン等のポリアリ−レ
ンビニレン類、ポリアズレン、ポリピリジンの他、ポリ
アニリン、ポリアニシジン、ポリ2−アルキルアニリ
ン、ポリ2,5−エトキシポリアニリン等のポリアニリ
ン類、ポリフェニレンスルフィド等が挙げられるが、特
に主鎖骨格に窒素原子を有するポリアニリン類、ポリピ
ロール類で顕著な錯形成が見られた。
ポリフェニルアセチレン等のポリアセチレン類、ポリパ
ラフェニレン、ポリ2−アルキルポリパラフェニレン、
ポリ2,5−アルキルポリパラフェニレンポリメタフェ
ニレン等のポリフェニレン類、ポリピロール、ポリn−
メチルピロール、ポリn−カルボキシピロール、ポリ
3、4−ヒドロキシピロールなどのポリピロール類、ポ
リチオフェン、ポリ3−メチルチオフェン、ポリ3−ニ
トロチオフェン、ポリ3,4−メトキシチオフェン、ポ
リ長鎖アルキルチオフェンなどのポリチオフェン類、ポ
リフェニレンビニレン、ポリチェニレンビニレン、ポリ
2,5−メトキシフェニレンビニレン等のポリアリ−レ
ンビニレン類、ポリアズレン、ポリピリジンの他、ポリ
アニリン、ポリアニシジン、ポリ2−アルキルアニリ
ン、ポリ2,5−エトキシポリアニリン等のポリアニリ
ン類、ポリフェニレンスルフィド等が挙げられるが、特
に主鎖骨格に窒素原子を有するポリアニリン類、ポリピ
ロール類で顕著な錯形成が見られた。
【0010】さらにこれらの高分子に共通していること
は、イオン化ポテンシャルの小さいこと、すなわちこの
イオン化ポテンシャルを酸化還元電位を指標としてみる
と、これが飽和カロメル電極に対して0.5V以下の電
位に存在するものにおいて顕著な錯形成反応が見られ
る。
は、イオン化ポテンシャルの小さいこと、すなわちこの
イオン化ポテンシャルを酸化還元電位を指標としてみる
と、これが飽和カロメル電極に対して0.5V以下の電
位に存在するものにおいて顕著な錯形成反応が見られ
る。
【0011】このような好ましい導電性ポリマーとして
はポリピロール、ポリアニリンを挙げることができる。
はポリピロール、ポリアニリンを挙げることができる。
【0012】これらの中でもポリアニリンは完全還元状
態が比較的安定で任意の有機アクセプターと錯形成反応
をおこなわせ各種の物性値を得るのに好適である。
態が比較的安定で任意の有機アクセプターと錯形成反応
をおこなわせ各種の物性値を得るのに好適である。
【0013】有機アクセプターの具体例としてはキノン
類が主たる物質であるが、高分子等から選ぶこともでき
る。有機アクセプターとしては、DDQ、クロマニル、
プロマニル、ジクロロベンゾキノン、ベンゾキノン、ア
ントラキノン、トルイルp−ベンゾキノン、テトラメチ
ルp−ベンゾキノン、テトラフルオロテトラシアノキノ
ジメタン、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエ
チレンの他、下記の構造で示されるものが例示できる。
類が主たる物質であるが、高分子等から選ぶこともでき
る。有機アクセプターとしては、DDQ、クロマニル、
プロマニル、ジクロロベンゾキノン、ベンゾキノン、ア
ントラキノン、トルイルp−ベンゾキノン、テトラメチ
ルp−ベンゾキノン、テトラフルオロテトラシアノキノ
ジメタン、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエ
チレンの他、下記の構造で示されるものが例示できる。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】これ等の有機アクセプターのうち電子親和
力の大きなものとの錯体は電気伝導度も高く、また低エ
ネルギー側の可視吸収スペクトルの吸光度も大きく導電
体としての応用に好ましい。この電子親和力を酸化還元
電位を指標としてみると、錯形成にはこれが飽和カロメ
ル電極に対して−0.8V以上の電位を有するものが好
ましく、また導体という点では−0.2V以上の電位を
有するものが好ましい。後者の有機アクセプターとして
は、DDQ、テトラシアノエチレン、テトラフルオロテ
トラシアノキノジメタン、テトラシアノキノジメタン等
を挙げることができる。
力の大きなものとの錯体は電気伝導度も高く、また低エ
ネルギー側の可視吸収スペクトルの吸光度も大きく導電
体としての応用に好ましい。この電子親和力を酸化還元
電位を指標としてみると、錯形成にはこれが飽和カロメ
ル電極に対して−0.8V以上の電位を有するものが好
ましく、また導体という点では−0.2V以上の電位を
有するものが好ましい。後者の有機アクセプターとして
は、DDQ、テトラシアノエチレン、テトラフルオロテ
トラシアノキノジメタン、テトラシアノキノジメタン等
を挙げることができる。
【0017】基本的には中性の導電性高分子がドナー
性、又はアクセプター性を有するものであれば有機ドナ
ー、又は有機アクセプターのいずれとも電荷移動錯体を
形成する可能性がある。しかし、これらが自主的、能動
的に錯形成を行うためには窒素原子の関与は大きいと考
えられる。またさらにドナーに求められる物性値として
は、イオン化ポテンシャルであり、アクセプターには電
子親和力である。
性、又はアクセプター性を有するものであれば有機ドナ
ー、又は有機アクセプターのいずれとも電荷移動錯体を
形成する可能性がある。しかし、これらが自主的、能動
的に錯形成を行うためには窒素原子の関与は大きいと考
えられる。またさらにドナーに求められる物性値として
は、イオン化ポテンシャルであり、アクセプターには電
子親和力である。
【0018】導電性高分子と有機アクセプターのあいだ
には (導電性高分子の第一酸化還元電位Ecpl)−(有機
アクセプタ−の第一酸化還元電位Eal)<1.2V の関係が成立するように両者を選択することにより半導
性又は導電性を有する錯形成となる。
には (導電性高分子の第一酸化還元電位Ecpl)−(有機
アクセプタ−の第一酸化還元電位Eal)<1.2V の関係が成立するように両者を選択することにより半導
性又は導電性を有する錯形成となる。
【0019】これらの錯形成反応は末ドープの導電性高
分子と有機アクセプターの間で能動的に行われる。反応
の方法としては気相、固相、液相のいずれかで両者を接
触させることにより得られるが液相が工程が簡便で且
つ、均一に反応が進行するためより好ましい。
分子と有機アクセプターの間で能動的に行われる。反応
の方法としては気相、固相、液相のいずれかで両者を接
触させることにより得られるが液相が工程が簡便で且
つ、均一に反応が進行するためより好ましい。
【0020】具体的には、有機アクセプターを可溶化せ
しめた非水溶液中に未ドープの導電性高分子を浸漬する
ことにより得られる。あるいは有機アクセプターを可溶
化せしめた非水電解質溶液中で導電性高分子を脱ドープ
することにより得られる。後者は特にポリピロール類に
有効であった。
しめた非水溶液中に未ドープの導電性高分子を浸漬する
ことにより得られる。あるいは有機アクセプターを可溶
化せしめた非水電解質溶液中で導電性高分子を脱ドープ
することにより得られる。後者は特にポリピロール類に
有効であった。
【0021】ここで、未ドープ状態の導電性高分子と
は、主にバンド間吸収によるほぼ単一の吸収スペクトル
を有するものであり、ポリピロールでは、370nmに
単一の吸収をもつ鮮やかな淡黄色であり、ポリアニリン
ではつぎのような構造を繰返し単位とする330nmに
単一の吸収を有する白色の還元体である。
は、主にバンド間吸収によるほぼ単一の吸収スペクトル
を有するものであり、ポリピロールでは、370nmに
単一の吸収をもつ鮮やかな淡黄色であり、ポリアニリン
ではつぎのような構造を繰返し単位とする330nmに
単一の吸収を有する白色の還元体である。
【0022】
【化3】
【0023】このポリアニリンの赤外吸収スペクトルを
図1に示した。1610cm-1(Qabs)と1500
cm-1(Babs)の吸光度の比(Babs/Qab
s)が2.5以下であることが特徴である。有機アクセ
プターがドープされることにより800cm-1付近にす
るどく強い吸収が現れる。これはすべての有機アクセプ
ターに共通であり、イオンをドープしたときに比べピー
クはシンプルで単一である。
図1に示した。1610cm-1(Qabs)と1500
cm-1(Babs)の吸光度の比(Babs/Qab
s)が2.5以下であることが特徴である。有機アクセ
プターがドープされることにより800cm-1付近にす
るどく強い吸収が現れる。これはすべての有機アクセプ
ターに共通であり、イオンをドープしたときに比べピー
クはシンプルで単一である。
【0024】本発明の高分子電荷移動錯体の例として
は、たとえばポリピロールとアセトキノン、ベンゾキノ
ン、TCNQ、TCNE、DDQ等との錯体、ポリアニ
リンとアセトキノン、ベンゾキノン、TCNQ、TCN
E、DDQ等との錯体、ポリアズレンとTCNQ、TC
NE、DDQ等との錯体等が錯体形成が容易であり好ま
しいものである。これらの内でも錯体が安定でかつ電気
伝導度も高いポリピロールとTCNQ、TCNE、DD
Qとの錯体、ポリアニリンとTCNE、DDQとの錯体
がとくに応用上好ましい。
は、たとえばポリピロールとアセトキノン、ベンゾキノ
ン、TCNQ、TCNE、DDQ等との錯体、ポリアニ
リンとアセトキノン、ベンゾキノン、TCNQ、TCN
E、DDQ等との錯体、ポリアズレンとTCNQ、TC
NE、DDQ等との錯体等が錯体形成が容易であり好ま
しいものである。これらの内でも錯体が安定でかつ電気
伝導度も高いポリピロールとTCNQ、TCNE、DD
Qとの錯体、ポリアニリンとTCNE、DDQとの錯体
がとくに応用上好ましい。
【0025】本発明の高分子電荷移動錯体を、高分子と
してポリアニリンを例に挙げて説明すると以下のような
構造を単位とするものである。
してポリアニリンを例に挙げて説明すると以下のような
構造を単位とするものである。
【0026】
【化4】
【0027】(式中、Aは有機アクセプター、l≧1、
X<1、0≦n≦1、0≦m≦1、n+m=1) ポリアニリンについて有機アクセプターとの錯体の特性
を表1に示す。このようにして得られた錯体の中でもポ
リアニリンと有機アクセプターの錯体は電気的に特異な
性質を示す。図7にポリアニリン/有機アクセプターの
電気抵抗の温度依存性を示す。低温でも比較的高い温度
域で特異な転移現象を示す。
X<1、0≦n≦1、0≦m≦1、n+m=1) ポリアニリンについて有機アクセプターとの錯体の特性
を表1に示す。このようにして得られた錯体の中でもポ
リアニリンと有機アクセプターの錯体は電気的に特異な
性質を示す。図7にポリアニリン/有機アクセプターの
電気抵抗の温度依存性を示す。低温でも比較的高い温度
域で特異な転移現象を示す。
【0028】
【表1】
【0029】注1 DDQ:2,3ジクロロ5,6ジシアノパラベンゾキノ
ン TCNQ:77,88−テトラシアノキノジメタン TCNE:テトラシアノエチレン DQ:2,6ジクロロパラベンゾキノン BQ:パラベンゾキノン TQ:トルキノン TMeBQ:テトラメチルパラベンゾキノン NQ:ナフトキノン O2:酸素 AQ:アセトキノン 注2 酸化還元電位は、0.1Mテトラエチルアンモニ
ウムパークロレートのアセトニトリル溶液中で測定され
たものである。
ン TCNQ:77,88−テトラシアノキノジメタン TCNE:テトラシアノエチレン DQ:2,6ジクロロパラベンゾキノン BQ:パラベンゾキノン TQ:トルキノン TMeBQ:テトラメチルパラベンゾキノン NQ:ナフトキノン O2:酸素 AQ:アセトキノン 注2 酸化還元電位は、0.1Mテトラエチルアンモニ
ウムパークロレートのアセトニトリル溶液中で測定され
たものである。
【0030】
【実施例】以下実施例により説明する。
【0031】実施例1 0.2モルパラトルエンスルフォン酸、0.05モルピ
ロールから成るアセトニトリル溶液を重合液として作用
極にITOガラス、対抗極にニッケル板を用いて4.5
Vの定電圧電解によりポリピロール薄膜(0.04C/
cm2)を得た。これを0.1モルTCNQ、0.1モ
ル過塩素酸テトラエチルアンモニウムを含むアセトニト
リル溶液中で−0.5Vの電界を印加した。ポリピロー
ルは脱ドープされると同時にTCNQとの電荷移動錯体
を形成した。
ロールから成るアセトニトリル溶液を重合液として作用
極にITOガラス、対抗極にニッケル板を用いて4.5
Vの定電圧電解によりポリピロール薄膜(0.04C/
cm2)を得た。これを0.1モルTCNQ、0.1モ
ル過塩素酸テトラエチルアンモニウムを含むアセトニト
リル溶液中で−0.5Vの電界を印加した。ポリピロー
ルは脱ドープされると同時にTCNQとの電荷移動錯体
を形成した。
【0032】実施例2 0.5モルアニリン、5.5N硫酸の水溶液よりなる重
合液で作用極にITOガラス、対抗極に白金ワイアを用
いて飽和カロメロ電極に対して0.8Vの定電位電解に
よりポリアニリン薄膜(0.04C/cm2 )を得た。
そして0.1モル硫酸水溶液中で−0.3Vの電界を印
加して脱ドープした。これを20%のヒドラジン水溶液
中で還元してフェニレンアミン構造の白色ポリアニリン
とした。さらに80℃で約一昼夜真空乾燥した後、0.
1モルTCNQを溶解したアセトニトリル溶液に浸漬し
た。白色ポリアニリンは、緑色に着色してTCNQとの
間に電荷移動錯体を形成した。この電気伝導度は2.0
×10-5s/cmであった。図2にこの電荷移動錯体の
紫外可視吸収スペクトルを示す。
合液で作用極にITOガラス、対抗極に白金ワイアを用
いて飽和カロメロ電極に対して0.8Vの定電位電解に
よりポリアニリン薄膜(0.04C/cm2 )を得た。
そして0.1モル硫酸水溶液中で−0.3Vの電界を印
加して脱ドープした。これを20%のヒドラジン水溶液
中で還元してフェニレンアミン構造の白色ポリアニリン
とした。さらに80℃で約一昼夜真空乾燥した後、0.
1モルTCNQを溶解したアセトニトリル溶液に浸漬し
た。白色ポリアニリンは、緑色に着色してTCNQとの
間に電荷移動錯体を形成した。この電気伝導度は2.0
×10-5s/cmであった。図2にこの電荷移動錯体の
紫外可視吸収スペクトルを示す。
【0033】実施例3 白色ポリアニリンを0.1モルDDQを溶解したアセト
ニトリル溶液に浸漬した他は実施例2と同様にして電荷
移動錯体を形成した。この電気伝導度は1.1×10-3
s/cmであった。図3にこの電荷移動錯体の紫外可視
吸収スペクトルを示す。
ニトリル溶液に浸漬した他は実施例2と同様にして電荷
移動錯体を形成した。この電気伝導度は1.1×10-3
s/cmであった。図3にこの電荷移動錯体の紫外可視
吸収スペクトルを示す。
【0034】実施例4 白色ポリアニリンを0.1モルTCNEを溶解したアセ
トニトリル溶液に浸漬した他は実施例2と同様にして電
荷移動錯体を形成した。この電気伝導度は0.8×10
-3s/cmであった。図4にこの電荷移動錯体の紫外可
視吸収スペクトルを示す。
トニトリル溶液に浸漬した他は実施例2と同様にして電
荷移動錯体を形成した。この電気伝導度は0.8×10
-3s/cmであった。図4にこの電荷移動錯体の紫外可
視吸収スペクトルを示す。
【0035】実施例5 白色ポリアニリンを0.1モルパラベンゾキノンを溶解
したアセトニトリル溶液に浸漬した他は実施例2と同様
にして電荷移動錯体を形成した。この電気伝導度は2.
5×10-9s/cmであった。図5にこの電荷移動錯体
の紫外可視吸収スペクトルを示す。
したアセトニトリル溶液に浸漬した他は実施例2と同様
にして電荷移動錯体を形成した。この電気伝導度は2.
5×10-9s/cmであった。図5にこの電荷移動錯体
の紫外可視吸収スペクトルを示す。
【0036】実施例6 0.2モルアニリン、3.8M塩酸の水溶液よりなる重
合液A、0.5モル過硫酸アンモニウム、3.8M塩酸
の水溶液よりなる重合液Bを氷温で混合反応してポリア
ニリン粉末を得た。これを20%のヒドラジン水溶液中
で還元してフェニレンアミン構造の白色ポリアニリンと
した。さらに80℃で約一昼夜真空乾燥した後、0.1
モルTCNQを溶解したアセトニトリル溶液に浸漬し
た。白色ポリアニリンは、緑色に着色してTCNQとの
間に電荷移動錯体の粉体を形成した。
合液A、0.5モル過硫酸アンモニウム、3.8M塩酸
の水溶液よりなる重合液Bを氷温で混合反応してポリア
ニリン粉末を得た。これを20%のヒドラジン水溶液中
で還元してフェニレンアミン構造の白色ポリアニリンと
した。さらに80℃で約一昼夜真空乾燥した後、0.1
モルTCNQを溶解したアセトニトリル溶液に浸漬し
た。白色ポリアニリンは、緑色に着色してTCNQとの
間に電荷移動錯体の粉体を形成した。
【0037】
【発明の効果】本発明の高分子電荷移動錯体は、新規で
あり、かつ有機伝導体として構造材料、配線材料とし
て、あるいは機能材料として電解コンデンサの陰電極、
電荷密度波を利用した各種半導体素子、感光体、追記型
メモリ記録層等の記録材料、分子素子の基盤材料として
有用である。
あり、かつ有機伝導体として構造材料、配線材料とし
て、あるいは機能材料として電解コンデンサの陰電極、
電荷密度波を利用した各種半導体素子、感光体、追記型
メモリ記録層等の記録材料、分子素子の基盤材料として
有用である。
【図1】未ドープ状態のポリアニリンの赤外吸収スペク
トル
トル
【図2】実施例2で得られた高分子電荷移動錯体の紫外
可視吸収スペクトル
可視吸収スペクトル
【図3】実施例3で得られた高分子電荷移動錯体の紫外
可視吸収スペクトル
可視吸収スペクトル
【図4】実施例4で得られた高分子電荷移動錯体の紫外
可視吸収スペクトル
可視吸収スペクトル
【図5】実施例5で得られた高分子電荷移動錯体の紫外
可視吸収スペクトル
可視吸収スペクトル
【図6】実施例2で得られた高分子電荷移動錯体のIR
スペクトル
スペクトル
【図7】実施例3で得られた高分子電荷移動錯体のIR
スペクトル
スペクトル
【図8】実施例4で得られた高分子電荷移動錯体のIR
スペクトル
スペクトル
【図9】実施例5で得られた高分子電荷移動錯体のIR
スペクトル
スペクトル
【図10】Cl-をドープしたポリアニリンのIRスペ
クトル
クトル
【図11】実施例3及び4で得られた高分子電荷移動錯
体の電気抵抗の温度依存性を表わす図。
体の電気抵抗の温度依存性を表わす図。
Claims (5)
- 【請求項1】 有機ドナー及び有機アクセプターより形
成される分子間電荷移動錯体において少なくとも有機ド
ナー材料が主鎖骨格に窒素原子を有する導電性高分子材
料であることを特徴とする高分子電荷移動錯体。 - 【請求項2】 導電性高分子材料がポリアニリン類又は
ポリピロール類から選ばれることを特徴とする請求項1
記載の高分子電荷移動錯体。 - 【請求項3】 導電性高分子がポリアニリンであること
を特徴とする請求項1記載の高分子電荷移動錯体。 - 【請求項4】 有機アクセプターの酸化還元電位と導電
性高分子材料の酸化還元電位の差が1.2V以下である
請求項2記載の高分子電荷移動錯体。 - 【請求項5】 有機電荷移動錯体がポリアニンの還元体
と有機アクセプターを接触させることにより得られる請
求項1記載の高分子電荷移動錯体。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-73720 | 1991-03-14 | ||
JP7372091 | 1991-03-14 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0547211A true JPH0547211A (ja) | 1993-02-26 |
Family
ID=13526345
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33344391A Pending JPH0547211A (ja) | 1991-03-14 | 1991-12-17 | 高分子電荷移動錯体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0547211A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2281594A (en) * | 1993-09-01 | 1995-03-08 | British Tech Group | Low friction devices eg. bearings having electro-conducting polymer deposited electrolytically |
JPH07118480A (ja) * | 1993-10-21 | 1995-05-09 | Sony Corp | 高分子固体電解質 |
US6248474B1 (en) * | 1997-11-04 | 2001-06-19 | Nec Corporation | Composite electrode for secondary battery and production method thereof |
WO2003062305A1 (en) * | 2002-01-24 | 2003-07-31 | The University Of Durham | Ferromagnet |
JP2006514710A (ja) * | 2002-12-20 | 2006-05-11 | メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング | 有機半導体材料におけるおよびこれに関連する改善 |
-
1991
- 1991-12-17 JP JP33344391A patent/JPH0547211A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2281594A (en) * | 1993-09-01 | 1995-03-08 | British Tech Group | Low friction devices eg. bearings having electro-conducting polymer deposited electrolytically |
JPH07118480A (ja) * | 1993-10-21 | 1995-05-09 | Sony Corp | 高分子固体電解質 |
US6248474B1 (en) * | 1997-11-04 | 2001-06-19 | Nec Corporation | Composite electrode for secondary battery and production method thereof |
WO2003062305A1 (en) * | 2002-01-24 | 2003-07-31 | The University Of Durham | Ferromagnet |
JP2006514710A (ja) * | 2002-12-20 | 2006-05-11 | メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング | 有機半導体材料におけるおよびこれに関連する改善 |
JP4739021B2 (ja) * | 2002-12-20 | 2011-08-03 | メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 有機半導体材料におけるおよびこれに関連する改善 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Kumar et al. | Advances in conductive polymers | |
Pei et al. | Electrochromic and highly stable poly (3, 4-ethylenedioxythiophene) switches between opaque blue-black and transparent sky blue | |
Kar | Doping in conjugated polymers | |
Molapo et al. | Electronics of conjugated polymers (I): polyaniline | |
US4880508A (en) | Water-soluble conductive polymers | |
Elsenbaumer et al. | Processible and environmentally stable conducting polymers | |
Skompska et al. | In situ conductance studies of p-and n-doping of poly (3, 4-dialkoxythiophenes) | |
JP4291314B2 (ja) | 置換チエノチオフェンモノマー及び導電性ポリマー | |
Jen et al. | Highly-conducting, poly (2, 5-thienylene vinylene) prepared via a soluble precursor polymer | |
US5994496A (en) | Conjugated polymer in an oxidized state | |
US4929389A (en) | Water-soluble conductive polymers | |
JP4315038B2 (ja) | 固体電解コンデンサ | |
Ikenoue et al. | A novel substituted poly (isothianaphthene) | |
Pei et al. | Poly [3-(4-octylphenyl) thiophene], a new processible conducting polymer | |
Yadav et al. | Recent advances in poly (3, 4-ethylenedioxyselenophene) and related polymers | |
Walton | Electrically conducting polymers | |
Nguyên et al. | Electrochemical, electrochromic, and conductive properties of poly (N-alkyldiphenylamine) polymers | |
Ertan et al. | A platform to synthesize a soluble poly (3, 4‐ethylenedioxythiophene) analogue | |
Naarmann et al. | Synthesis of New Electronicaly Conducting Polymers | |
JPH0547211A (ja) | 高分子電荷移動錯体 | |
Trivedi | Influence of counter ion on polyaniline and polypyrrole | |
Jen et al. | The Optical, Electrochemical and Structure/Property Relationships of Poly (Heteroaromatic Vinylenes | |
Udum et al. | Electrochemical synthesis of soluble sulfonated poly (3-methyl thiophene) | |
JP2605596B2 (ja) | 導電性高分子膜及びその製造方法、導電性高分子化合物溶液、並びに固体電解コンデンサ及びその製造方法 | |
Bobade et al. | Electrical investigation of polythiophene–poly (vinyl acetate) composite films via VTF and impedance spectroscopy |