JP2004334758A - ホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ照射タイミングを変え複数の解像度で印刷可能なエンジンを備えたプリンティングシステムにおいて、ホスト側のメモリを大量に消費することなく、高速にポスター印刷可能なプリンティングシステムを提供する。
【解決手段】ホスト側プリンティングシステムにおいて、印刷指定解像度より低位な解像度に基づく有効印字領域と指定分割数により、アプリケーションと連携して擬似的な分割前のラスター描画データを生成する手段と、生成ラスター描画データを分割数分の低位な解像度のページデータに分解、加工して印刷装置へ転送する手段を具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】ホスト側プリンティングシステムにおいて、印刷指定解像度より低位な解像度に基づく有効印字領域と指定分割数により、アプリケーションと連携して擬似的な分割前のラスター描画データを生成する手段と、生成ラスター描画データを分割数分の低位な解像度のページデータに分解、加工して印刷装置へ転送する手段を具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ローカルあるいはネットワーク環境下で接続されたホストコンピュータシステムにおけるアプリケーションソフトウェア及びデバイスドライバソフトウェア等により生成された画像情報を、電子写真プロセスあるいはインク吹き付けプロセス等を用いて画像情報を記録する印刷装置へ転送し、一連の印刷を完了するプリンティングシステムにおいて、高速にポスター印刷することを目的とした分割印刷の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスやインク吹き付けプロセスを用いたプリンタ等の印刷装置は、ネットワーク環境下で図3のように構成されている。即ち301、302、303は一般的なホストコンピュータシステムでマザーボードやそれに接続されたハードディスク、RAMやディスプレイ、キーボード、データ転送用のI/F、更にはネットワーク300に対応したネットワークプロトコルをコントロール可能なネットワークボードあるいはネットワークアダプタ307、308、309等を有している。一方304、305、306は印刷装置本体であり、それぞれビデオコントローラ310、311、312及びエンジンコントローラ313、314、315、あるいはビデオコントローラとエンジンコントローラを一体化したコントローラを有している。
【0003】
従来、ポスター印刷を行う場合、ホスト側のプリンティングシステム、あるいは、印刷装置側のプリンティングシステムにおいて、元となるドキュメントの用紙サイズと、分割数から導いた拡大サイズの描画データを生成し、分割処理を実施していた。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−117732号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の方法では分割数に応じて大容量のメモリを消費してしまう。例えば、ラスター描画データを生成するプリンティングシステムにおいて、A4ドキュメントを600dpiで4分割ポスター印刷を実施した場合、通常A4印刷で約4Mバイトのメモリを消費することから、4分割ポスター印刷では非圧縮の場合、約16Mバイトものメモリを要することとなる。図4にその概念図を示す。大容量のラスターデータを扱う場合、ホストコンピュータを構成するCPU能力が低かったり、搭載RAMが少量であると、ホストコンピュータ側でメモリ不足が発生したり、予期せぬエラーが発生する場合があり、満足に印刷できないことがある。また、比較的高性能なCPU、大容量のRAMを搭載したホストコンピュータであっても、大容量のラスターデータを処理する場合は、印刷速度の低下を招いてしまう。
【0006】
本発明は、以上の点に着目してなされたもので、レーザ照射タイミングを変えることにより複数解像度の印刷が可能なエンジンを備えたホストベースのプリンティングシステムにおいて、メモリを大量に消費することなく、高速ポスター印刷を実現でき、また非力なPCであっても、ストレスなくポスター印刷を実現することができるホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決することを目的としてなされたもので、上述の課題を解決する手段として以下の構成を備える。即ち、
当該プリンティングシステムは、印刷対象となる用紙サイズと、印刷指定解像度より低位の印字解像度と、前記低位の印字解像度に基づくポスター分割後の用紙サイズの余白を算出し、該余白を差し引いた前記印刷用紙サイズをアプリケーションに通知し、前記余白を差し引かれた印刷用紙サイズの描画データをアプリケーションより取得する手段と、
プリンティングシステムにおけるホストコンピュータシステム側のデータ生成部において、前記低位の解像度に基づき余白を差し引かれて算出された印刷用紙サイズの描画データを1ページのラスターデータとしてレンダリングする手段と、プリンティングシステムにおけるホストコンピュータシステム側のデータ生成部において、前記1ページのレンダリングされたラスターデータを指定分割数に分割し、分割数分のページデータとしてホストコンピュータのスプーラにスプーリングする手段と、
プリンティングシステムにおけるホストコンピュータシステム側のデータ生成部において、前記1ページのレンダリングされたラスターデータ指定分割数に分割し、分割数分のページデータを生成後、接続された印刷装置で印刷可能な低位の解像度に指定変更後、ホストコンピュータのスプーラにスプーリングする手段を備える。
【0008】
また、当該プリンティングシステムは、プリンティングシステムにおけるホストコンピュータシステム側のデータ生成部において、前記低位の解像度に基づき余白を差し引かれて算出された印刷用紙サイズの描画データを1ページにレンダリングされたラスターデータをスプーリング後、プリンティングシステムのジョブを管理するための印刷制御部において、前記1ページのレンダリングされたラスターデータを指定分割数に分割し、分割数分のページデータとして接続された印刷装置へ転送する手段と、
ジョブを管理するための印刷制御部において、ホストコンピュータのスプーラから取得した前記1ページのレンダリングされたラスターデータを指定分割数に分割し、分割数分のページデータを生成後、接続された印刷装置で印刷可能な低位の解像度に指定変更後、印刷装置へ転送する手段を備える。
【0009】
以上、本発明を整理して要約すれば以下の構成に集約できる。
【0010】
(1)ホストコンピュータシステムにおいて、アプリケーションソフトウェアからの描画命令に基づいた描画情報を生成する手段と、当該生成描画情報を印刷装置に転送する手段を有し、
印刷装置においては、ホストコンピュータシステムからの描画情報を印刷装置内の記憶領域に一時確保し、その後当該描画情報に基づいて生成された画像情報を印刷装置内のレーザ照射タイミングを変えることにより複数解像度の印字が可能なエンジンコントローラに出力する手段を備えたプリンティングシステムであって、
当該プリンティングシステムは、印刷対象となる用紙サイズと、印刷指定解像度より低位の印字解像度と、前記低位の印字解像度に基づくポスター分割後の用紙サイズの余白を算出し、該余白を差し引いた前記印刷用紙サイズをアプリケーションに通知し、前記余白を差し引かれた印刷用紙サイズの描画データをアプリケーションより取得することを特徴とするホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法。
【0011】
(2)プリンティングシステムにおけるホストコンピュータシステム側のデータ生成部において、前記低位の解像度に基づき余白を差し引かれて算出された印刷用紙サイズの描画データを1ページのラスターデータとしてレンダリングすることを特徴とする前記(1)記載のホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法。
【0012】
(3)プリンティングシステムにおけるホストコンピュータシステム側のデータ生成部において、前記1ページのレンダリングされたラスターデータを指定分割数に分割し、分割数分のページデータとしてホストコンピュータのスプーラにスプーリングすることを特徴とする前記(2)記載のホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法。
【0013】
(4)プリンティングシステムにおけるホストコンピュータシステム側のデータ生成部において、前記1ページのレンダリングされたラスターデータを指定分割数に分割し、分割数分のページデータを生成後、接続された印刷装置で印刷可能な低位の解像度に指定変更後、ホストコンピュータのスプーラにスプーリングすることを特徴とする前記(3)記載のホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法。
【0014】
(5)前記のプリンティングシステムであって、
レンダリングされたラスターデータをスプーリング後、プリンティングシステムのジョブを管理するための印刷制御部において、前記1ページのレンダリングされたラスターデータを指定分割数に分割し、分割数分のページデータとして接続された印刷装置へ転送することを特徴とする前記(2)記載のホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法。
【0015】
(6)ジョブを管理するための印刷制御部において、ホストコンピュータのスプーラから取得した前記1ページのレンダリングされたラスターデータを指定分割数に分割し、分割数分のページデータを生成後、接続された印刷装置で印刷可能な低位の解像度に指定変更後、印刷装置へ転送することを特徴とする前記(5)記載のホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係わる実施例を説明する。
【0017】
(印刷装置の構成)
図1は本発明にかかる実施例の印刷装置の構成を示す概略断面図で、一例としてモノクロレーザビームプリンタの場合を示してある。尚、本実施例を適用する印刷装置は、モノクロレーザビームプリンタに限られるものではなく、カラーレーザビームプリンタでも良いし、レーザビームプリンタに限らずインクジェットプリンタ等他のプリント方式のプリンタでも良いことは言うまでもない。以下、構成及び動作について説明する。
【0018】
レーザビームプリンタ本体100はホストコンピュータシステム等の外部装置に接続され、このホストコンピュータ等から送られる制御コードや文字コード、図形データあるいはビットマップデータ等の描画データに基づいて印刷を行う。
【0019】
操作パネル101は、操作のためのスイッチ(キー)及びLED表示器、LCD表示器が配されており、印刷装置の環境等を設定するために使われるが、近年これら環境設定は、ホストコンピュータシステム等の外部装置で行われることが多く、レーザビームプリンタ本体100に必須のものではない。
【0020】
ビデオコントローラ102は、レーザビームプリンタ100全体の制御およびホストコンピュータから供給される描画データを解析したり、描画データをビットマップデータにメモリ展開し、ビデオ信号に変換してレーザドライバ103に出力する。
【0021】
レーザドライバ103は、半導体レーザ104を駆動するための回路であり、入力されたビデオ信号に応じて、半導体レーザ104から発射されるレーザ光105をオン・オフ切り替えする。
【0022】
レーザ光105は、回転多面鏡106で左右方向に振られて静電ドラム107上を走査する。これにより、静電ドラム107上には描画パターンの静電潜像が形成される。尚、レーザ光105の主走査方向、及び副走査方向の走査タイミングは、可変であり、描画データの印刷解像度に合わせて走査することが可能である。この潜像は、静電ドラム107の周囲の現像ユニット108により現像された後、記録紙に転写される。
【0023】
この記録紙には、カットシートを用いている。すなわち、カットシート記録紙は、レーザビームプリンタ100に装着した用紙カセット109に収納され、給紙ローラ110および搬送ローラ111により、装置内に取り込まれて、静電ドラム107に供給される。
【0024】
(システムの構成)
図2は、本発明にかかる画像出力システムの概略構成を示すブロック図である。
【0025】
この画像出力システムは、ホストコンピュータ250とレーザビームプリンタ等の画像出力装置260とを双方向インターフェース270を介して接続し構成されている。
【0026】
ホストコンピュータ250は、ホストコンピュータ本体を制御する制御ユニット251を備えている。この制御ユニット251は、CPU1、RAM2、ROM3、タイマ4、キーボードコントローラ(KBC)5、ディスプレイコントローラ(DSPC)6、ディスクコントローラ(DKC)7及びI/Oコントローラ(IOC)8から構成されている。
【0027】
CPU1は、ROM3や外部メモリ12に格納されたブートプログラムやアプリケーションプログラム等を実行し、システムバス9に接続されている前記各デバイスを総括的に制御する。
【0028】
RAM2は、CPU1の主メモリ及びワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ5は、キーボード10や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。ディスプレイコントローラ6は、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等のディスプレイ11の表示を制御する。ディスクコントローラ7は、ブートプログラム、種々のアプリケーションプログラム、フォントデータ、ユーザファイル等を記憶できるハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、フラッシュPROM等外部メモリ12とのアクセスを制御する。
【0029】
I/Oコントローラ8は、所定の双方向性インターフェース(以下、単にインターフェースという)270を介してプリンタ260に接続されて、プリンタ260との通信制御を実行する。尚、I/Oコントローラ8は、予め制御ユニット251に内蔵されたデバイスを介してプリンタ260と接続しても良いし、バススロットに接続した後付けのデバイス(例えば、ECPボード、あるいはネットワークボードやネットワークアダプタ等)を介してプリンタ260と接続し、通信制御を実行できる。
【0030】
一方、プリンタ260は、プリンタ制御ユニット261を備えている。このプリンタ制御ユニット261は、プリンタ本体全体の制御、更に不図示の両面ユニットが装着された場合は、両面ユニットを含めたプリンタ全体の制御、及びホストコンピュータ250から供給される画像情報を解析する機能を有し、CPU21、RAM22、ROM23、NVRAM24、通信制御部25、印刷部I/F26、パネル制御部27及びディスクコントローラ(DKC)28から構成されている。
【0031】
プリンタCPU21は、ROM23あるいは外部メモリ32に記憶された制御プログラム等に基づいてシステムバス29に接続された上記各種デバイスとのアクセスを総括的に制御し、印刷部I/F26を介して接続されたエンジンコントローラ30へ所望の印字解像度を指定し、出力情報としての画像信号を出力する。また、ROM23には、操作パネルに配されたスイッチやLED表示器、メッセージ表示デバイスであるLCD等を制御するデバイスドライバを有するパネル制御部27を介して、スイッチからのキー割り込みを受け付けたり、LEDの点灯、消灯、点滅を司ったり、LCDへのメッセージ文字列の表示、変更を制御するプログラムを記憶する。
【0032】
更にCPU21は、通信制御部25を介してホストコンピュータ250との通信処理が可能となっており、プリンタ260内の情報をホストコンピュータ250に通知可能に構成されている。また、RAM22は、CPU21の主メモリ、ワークエリア等として機能し、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することも可能な構成になっている。NVRAM24は、プリンタの環境データ等を格納するために用いられる。
【0033】
尚、本発明のプリンタの構成は、近年良くみられるホストベースプリンタ(文字、描画コード等の解析処理、制御処理のほとんどの部分をホストコンピュータ側で行うようなプリンタ)のように、外部メモリ32や操作部パネル31を省いたり、それ程高機能でないCPU21とASICの組み合わせによりコストダウンを図った構成であっても一向に構わない。更に、通信制御部25は、セントロニクスI/Fに限らず、USB、IEEE1394、あるいは、各種ネットワークプロトコルを制御可能な構成であっても本発明においては適用可能であることは言うまでもない。
【0034】
(印刷制御の機能構成)
図5は、本発明の機能構成図である。
【0035】
本発明により、印刷処理を実施した場合、以下の一連の処理がホストコンピュータシステム(501、502または503)の記憶領域(図2のRAM2あるいは外部メモリ12)に格納されたプリンティングシステムにおいて実施される。
【0036】
ユーザがいずれかのホストコンピュータシステムにおいてアプリケーションソフトウェア(520、530または540)から印刷する場合、まずアプリケーションソフトウェアの不図示のユーザインターフェースからユーザが印刷指示をする。前記印刷指示によりアプリケーションソフトウェア、及びアプリケーションと連携して動作する不図示の描画処理部は描画データを生成し、プリンティングシステムソフトウェアのデータ生成部(521、531または541、プリンタデバイスドライバとも言う)に前記描画データを転送する。前記描画データを受け取ったデータ生成部は、印刷装置が解釈可能なラスター描画データに変換し、ホストコンピュータシステムが有するOS(オペレーティングシステム)に組み込まれたシステムスプール部(522、532または、542)へ前記ラスター描画データ(ジョブデータともいい1ないし複数のラスターページデータを内包している。また、通常、複数ページの場合は、先頭ページよりページ単位で最終ページまで順に内包されている)をページ順に転送する。尚、ネットワーク環境下(ネットワーク500で接続)においてスプーリング処理を実施する場合のシステムスプール部(522、532または542)は、プリンティングシステムのデータ生成部と同一のホストコンピュータシステムのシステムスプーリング部が利用される場合もあるし、プリントサーバとなる他のホストコンピュータシステム中のシステムスプール部と協調して両ホストコンピュータシステムのシステムスプール部が利用される場合もある。各ホストコンピュータシステムにおいて、予め例えばネットワークに接続された印刷装置名やネットワークアドレス、あるいはプリントサーバとなるホストコンピュータ名やポート名等でネットワークコネクションが確立された出力先へ、前記システムスプール部を介してデータ出力されるようになっている。
【0037】
印刷制御部523、533または543は本発明のプリンティングシステムの一部であり、システムスプール部でスプーリングされたラスター描画データ(スプールデータともいう)を取得し、スプールデータ中の印刷制御情報及びページ単位のラスター描画情報に基づいて印刷ジョブを制御したりネットワークに接続された印刷装置を管理する。また、当該印刷制御部は、スプーリングされてきたジョブのユーザ名あるいはコンピュータ名をも管理するプリントサーバとしての機能も有しており、各種ジョブの制御を施した後、通信制御部(524、534または544)を介して転送すべき出力先へジョブデータをページ順に転送したり、別のホストコンピュータからのスプールデータを複数制御、管理することができる。また更には、印刷ジョブ情報を表示制御部(515、535、または545)を介して不図示のプリントステータスウィンドウでディスプレイ(図2の11)へ表示しユーザへ通知する手段をも有している。尚、前記印刷制御部から印刷装置(504、505、または506)へのデータ転送は、ポート制御プログラム等を有する通信制御部(524、534、または544)を介して実行される。
【0038】
印刷装置504、505または506は、ホストコンピュータシステムからビデオコントローラ510、511または512(図2のプリンタ制御ユニット261、図1の102)上の通信制御部550、560または570を介して受信した制御コード、ラスター描画データを図2のRAM22あるいは外部メモリ32に一時格納し、図2のROM23あるいはRAM22または外部メモリ32に格納された印刷制御プログラム、あるいは不図示のASICによって、受信した解像度情報等の指定や、当該ラスター描画データをビデオデータに展開する。更に展開されたデータは、指定された解像度に従い、主に電子写真プロセス等に関わる帯電、露光、現像、転写、定着及び紙搬送等の制御、あるいは、ノズルの制御やインク吹き付け制御を行うエンジンコントローラ513、514または515(図2のエンジンコントローラ30)に送出され実際の記録媒体への印刷が完了する。尚、前記図2のROM23あるいはRAM22または外部メモリ32に格納された印刷制御プログラムは、印刷装置における両面ユニットの有無、ジャム情報や印刷完了の有無やドアオープン等の印刷装置のステータス情報をホストコンピュータへ通信制御部を介して通知する機能を有している。
【0039】
(実施例1)
前述の構成を備える本第1実施例は、ホストコンピュータ501から解像度指定として1200/600/300dpiでの出力可能なエンジンコントローラを有する印刷装置504へ対して印刷する例である。今、ホストコンピュータ501のユーザが、A4原稿を解像度600dpiで、4分割ポスター印刷しようとする場合、ホストコンピュータ501にインストールされているアプリケーションソフトウェア520からアプリケーションソフトウェアの有するユーザインターフェースダイアログをそれぞれオープンし、更にプリンティングシステムが有するセットアップダイアログをそれぞれオープンする。図6に一例を示す該セットアップダイアログは、プリンティングシステムソフトウェアの一部であるデータ生成部521や印刷制御部523、あるいは接続されている印刷装置504へ通知すべき各種情報を設定することが可能で、ホストコンピュータの主としてOSが有する図2のディスプレイ11への表示制御機能(表示制御部515及び535)を利用して表示される。ホストコンピュータ501のユーザは該セットアップダイアログの原稿サイズで“A4”、解像度を“600dpi”を選択、更にポスター印刷のチェックボックスにチェックを入れ(選択し)、分割数を“4”と選択すると、次にアプリケーションソフトウェア520でオープンした前記アプリケーションユーザインターフェースダイアログから印刷を指示する。
【0040】
アプリケーション520からの印刷指示によって、本発明のプリンティングシステムのデータ生成部が、原稿サイズ“A4”、印刷解像度“600dpi”、更には印刷形式“ポスター印刷”且つ分割数“4”であることを検知すると、該データ生成部521は、まず指定の1/2の印刷解像度“300dpi”での用紙サイズ“A4”における有効印字領域を分割数である4倍にする。即ち、図7(a)に示すアプリケーション指定の用紙サイズA4(600dpi)における本来の有効印字領域(X×Y)ではなく、図7(b)に示すA4(300dpi)の用紙サイズの物理サイズから余白(印刷エンジンで印字を保証できない領域)を差し引いた有効印字領域を元に分割数4つ分の印字領域(x×2×y×2)である図7(c)の有効印字領域を算出し、アプリケーション520に通知する。
【0041】
データ生成部521は、アプリケーション520に対する前記有効印字領域の通知によりアプリケーション520から前記有効印字領域サイズの描画データを取得し、該有効印字領域と同一サイズのラスター描画データを生成するが、該ラスター描画データのデータ容量は、ほぼA4(600dpi)での容量(X×Y)と同様の容量(x×y×4)、即ち「(X×Y)≒(x×y×4)」となり、600dpi相当で単純拡大後に分割してポスター印刷した際のラスター描画データに比べ1/4の容量で済む。尚、本実施例では4分割の例を示しているが、N分割ポスター印刷時のラスター描画データ容量は、1/2の解像度での幅x、高さyとすると(x×y×N)となり、元の解像度で単純拡大分割印刷する場合と比べ約1/Nの容量で済むことになる。前記生成したラスター描画データは、更にデータ生成部521において、分割数で指定された4で分割され、A4(300dpi)の有効印字領域サイズのラスター描画データを4つが生成し(図7(d))、図8に一例を示すようなA4(300dpi)のページデータ4つを含むジョブデータを生成する。前記生成したページ毎のラスター描画データを含むジョブデータは順次システムスプール部522へを出力される(スプーリングする)。
【0042】
印刷制御部523は、システムスプール部522でスプーリングされた、データ生成部521からのジョブデータを取得し、順次、通信制御部524を介して印刷装置504へジョブデータを転送することで印刷を完了する。
【0043】
尚、本発明においては、その印刷結果が低位の解像度での出力結果となるが、ポスター印刷結果は、通常印刷での印刷物とは異なり、壁等に貼り出し遠めから参照するために、解像度が低下していても、ポスターとしての目的を損なうことはない。
【0044】
以下、データ生成部521におけるポスター印刷フローを図9を基に説明する。本発明のプリンティングシステムにおけるデータ生成部521のプログラムは、アプリケーション520からの印刷形式を取得し(S900)、S901でポスター印刷であることを検知すると、出力用紙のサイズ及び指定の印字解像度値、分割数を取得する(S902)。S903では、予めホストコンピュータ250の外部メモリ12もしくはRAM2に格納されているか、あるいは印刷装置260から取得した、図7(b)に一例を示すところの前記S902で取得した解像度より1/2低位の解像度である前記出力用紙サイズの有効印字領域値を取得し(S903)、前記低位解像度相当の有効印字領域、及びS902で取得した分割数を元に図7(c)に一例を示すような(x×2)×(y×2)の有効印字領域を算出してアプリケーションに通知する(S904)。前記アプリケーションへの有効印字領域の通知により、前記有効印字領域サイズの描画データがデータ生成部521に送出され、レンダリングステップであるS905において、前記低位解像度相当の擬似印字領域のラスター描画データを生成される。生成されたラスター描画データは、S906で指定分割数である4で分割され、図8(a)に一例を示すように分割された4ページデータを含むジョブデータを生成される(S907)。この時のジョブデータの解像度情報は、指定より低位の解像度300dpiが設定される。前記ジョブデータは、システムスプール部522へスプーリングされ(S908)、以降スプーリングされたジョブは、印刷制御部523、通信制御部524を介して図7(d)に示すような300dpiのA4データとして順次出力先の印刷装置へ転送され、ポスター印刷を完了する。
【0045】
一方S901にて、S900で取得した印刷形式がポスター印刷でないと判定されたなら、通常印刷として原稿サイズの有効印字領域の大きさであるラスター描画データを生成し、ジョブとしては、ユーザ指定の原稿サイズを含む印刷情報群と指定原稿サイズのラスター描画データ1ページ分を生成し(S909)、スプーリングされる(S908)。
【0046】
尚、本ポスター印刷を実現するに当たり、ホスト側プリンティングシステムの一部であるジョブを管理するための印刷制御部や、印刷装置側のデータ解析部、データ展開部は、分割印刷のための特別な処理を必要としないため、既存のシステムを容易にバージョンアップできるという効果があると共に、印刷装置側のハードウェアを変更する必要がないのでコストアップを招かない。
【0047】
(実施例2)
本発明第2の実施例は、実施例1において、データ生成部521で処理したラスター描画データの分割処理を印刷制御部523で実施する例である。
【0048】
図10にデータ生成部521におけるフローを示す。本発明のプリンティングシステムにおけるデータ生成部521のプログラムは、アプリケーション520からの印刷形式を取得し(S1000)、S1001でポスター印刷であることを検知すると、出力用紙のサイズ及び指定の印字解像度値、分割数を取得する(S1002)。S1003では、予めホストコンピュータ250の外部メモリ12もしくはRAM2に格納されているか、あるいは印刷装置260から取得した、図7(b)に一例を示すところの前記S1002で取得した解像度より1/2低位の解像度である前記出力用紙サイズの有効印字領域値を取得し(S1003)、前記低位解像度相当の有効印字領域、及びS1002で取得した分割数を元に図7(c)に一例を示すような(x×2)×(y×2)の有効印字領域を算出してアプリケーションに通知する(S1004)。前記アプリケーションへの有効印字領域の通知により、前記有効印字領域サイズの描画データがデータ生成部521に送出され、レンダリングステップであるS1005において、前記低位解像度相当の擬似印字領域のラスター描画データを生成される。S1006においては、図8(b)に一例を示す擬似的な大きさのラスター描画データと、スプール後の分割数を示す識別情報と低位の解像度情報を含むジョブデータを生成し、システムスプール部へスプーリングする(S1007)。尚、S1001にて、S1000で取得した印刷形式がポスター印刷でなかったと判定されたなら、通常印刷として原稿サイズの有効印字領域の大きさであるラスター描画データを生成し、ジョブとしては、ユーザ指定の解像度情報600dpiを含む印刷情報群及び分割数1を示す識別情報を付加して指定原稿サイズのラスター描画データ1ページ分を生成し(S1008)、スプーリングされる(S1007)。
【0049】
一方、データ生成部521で生成されシステムスプール部522でスプールされたジョブデータは、データ制御部523で図11のフローで処理される。即ち、S1100でシステムスプール部522より図8(b)に一例を示すジョブを取得すると、S1101でラスター描画データの分割数を判定し、分割数が1以外であれば、S1102で、S1100で取得したラスター描画データを指定分割数で分割する。前記分割されたラスター描画データは、順次S1100で取得したジョブで指定された解像度で印刷装置へ転送され(S1103)、図7(d)に一例を示すように分割数分のページが出力される。また、S1101で、分割数が1であった場合は、S1100で取得したジョブデータを順次指定解像度で印刷装置へ転送していき(S1103)、通常の印刷を完了する。
【0050】
尚、本実施例2は、ラスター描画データの分割をスプール後に実施していることから、実施例1に比べアプリケーション520における印刷処理解放時間が短縮されるという効果を得られると共に、本分割印刷を実現するに当たり、印刷装置側のデータ解析部、データ展開部を、分割印刷のために加工しなくて済むため、既存のシステムを容易にバージョンアップできるという効果があると共に、印刷装置側のハードウェアを変更する必要がないのでコストアップを招かない。
【0051】
(実施例3)
実施例では、4分割の例を示したが特に4分割に限定するものではなく、9分割や16分割、それ以外の分割数であっても本発明は適用可能である。また、実施例においては、600dpiデータを擬似的に300dpiで扱う例を示したが、本解像度での処理に限定したものではなく、例えば1200dpiデータを600dpi、あるいは300dpiで扱っても本発明は適用できる。本発明によれば、1200dpiを300dpi(1/4低位の解像度)で扱った場合は、従来の単純拡大及び分割に要するメモリ容量に比べ約1/16のメモリ容量でポスター印刷を実現することができるようになる。
【0052】
(実施例4)
本発明の構成は、図2に一例を示したプリンタ機能だけを有するいわゆるシングルファンクションの印刷装置にのみに適用されるものではなく、例えばコピー機能やファクシミリ機能、更にはスキャナー機能等を有するマルチファンクション機であっても適用可能であることは言うまでもない。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、レーザ照射タイミングを変えることにより複数解像度の印刷が可能なエンジンを備えたホストベースのプリンティングシステムにおいて、メモリを大量に消費することなく、高速ポスター印刷を実現できる。また、非力なPCであっても、ストレスなくポスター印刷を実現することができる。
【0054】
また、別の効果として、印刷装置側プログラムに手を加える必要がないのでコストアップを招くことなく、ポスター印刷を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における印刷装置の概略断面図
【図2】本発明の実施例におけるホストコンピュータシステム及びプリンタシステムの概略構成を示すブロック図
【図3】本発明におけるプリンティングシステム構成を示す概略図
【図4】従来例を示す概略図
【図5】本発明の実施例におけるプリンティングシステムの機能構成の一例を示す概略図
【図6】本発明の実施例におけるプリンティングシステムのプリントセットアップダイアログの一例を示す図
【図7】(a),(b),(c),(d) 本発明の各ステップでの概略を示すための補足図
【図8】(a),(b) 本発明の実施例におけるジョブデータの一例を示す図
【図9】本発明の第1の実施例における制御を示すフローチャート
【図10】本発明の第2の実施例におけるデータ生成部の制御を示すフローチャート
【図11】本発明の第2の実施例における印刷制御部の制御を示すフローチャート
【符号の説明】
1、21 CPU
2、22 RAM
3、23 ROM
4 タイマ
5 キーボードコントローラ(KBC)
6 ディスプレイコントローラ(DSPC)
7 ディスクコントローラ(DKC)
8 I/Oコントローラ(IOC)
24 NVRAM
25 通信制御部
26 印刷部I/F
27 パネル制御部
28 ディスクコントローラ(DKC)
250 ホストコンピュータ
260 画像出力装置
270 双方向インターフェース
【発明の属する技術分野】
本発明は、ローカルあるいはネットワーク環境下で接続されたホストコンピュータシステムにおけるアプリケーションソフトウェア及びデバイスドライバソフトウェア等により生成された画像情報を、電子写真プロセスあるいはインク吹き付けプロセス等を用いて画像情報を記録する印刷装置へ転送し、一連の印刷を完了するプリンティングシステムにおいて、高速にポスター印刷することを目的とした分割印刷の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスやインク吹き付けプロセスを用いたプリンタ等の印刷装置は、ネットワーク環境下で図3のように構成されている。即ち301、302、303は一般的なホストコンピュータシステムでマザーボードやそれに接続されたハードディスク、RAMやディスプレイ、キーボード、データ転送用のI/F、更にはネットワーク300に対応したネットワークプロトコルをコントロール可能なネットワークボードあるいはネットワークアダプタ307、308、309等を有している。一方304、305、306は印刷装置本体であり、それぞれビデオコントローラ310、311、312及びエンジンコントローラ313、314、315、あるいはビデオコントローラとエンジンコントローラを一体化したコントローラを有している。
【0003】
従来、ポスター印刷を行う場合、ホスト側のプリンティングシステム、あるいは、印刷装置側のプリンティングシステムにおいて、元となるドキュメントの用紙サイズと、分割数から導いた拡大サイズの描画データを生成し、分割処理を実施していた。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−117732号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の方法では分割数に応じて大容量のメモリを消費してしまう。例えば、ラスター描画データを生成するプリンティングシステムにおいて、A4ドキュメントを600dpiで4分割ポスター印刷を実施した場合、通常A4印刷で約4Mバイトのメモリを消費することから、4分割ポスター印刷では非圧縮の場合、約16Mバイトものメモリを要することとなる。図4にその概念図を示す。大容量のラスターデータを扱う場合、ホストコンピュータを構成するCPU能力が低かったり、搭載RAMが少量であると、ホストコンピュータ側でメモリ不足が発生したり、予期せぬエラーが発生する場合があり、満足に印刷できないことがある。また、比較的高性能なCPU、大容量のRAMを搭載したホストコンピュータであっても、大容量のラスターデータを処理する場合は、印刷速度の低下を招いてしまう。
【0006】
本発明は、以上の点に着目してなされたもので、レーザ照射タイミングを変えることにより複数解像度の印刷が可能なエンジンを備えたホストベースのプリンティングシステムにおいて、メモリを大量に消費することなく、高速ポスター印刷を実現でき、また非力なPCであっても、ストレスなくポスター印刷を実現することができるホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決することを目的としてなされたもので、上述の課題を解決する手段として以下の構成を備える。即ち、
当該プリンティングシステムは、印刷対象となる用紙サイズと、印刷指定解像度より低位の印字解像度と、前記低位の印字解像度に基づくポスター分割後の用紙サイズの余白を算出し、該余白を差し引いた前記印刷用紙サイズをアプリケーションに通知し、前記余白を差し引かれた印刷用紙サイズの描画データをアプリケーションより取得する手段と、
プリンティングシステムにおけるホストコンピュータシステム側のデータ生成部において、前記低位の解像度に基づき余白を差し引かれて算出された印刷用紙サイズの描画データを1ページのラスターデータとしてレンダリングする手段と、プリンティングシステムにおけるホストコンピュータシステム側のデータ生成部において、前記1ページのレンダリングされたラスターデータを指定分割数に分割し、分割数分のページデータとしてホストコンピュータのスプーラにスプーリングする手段と、
プリンティングシステムにおけるホストコンピュータシステム側のデータ生成部において、前記1ページのレンダリングされたラスターデータ指定分割数に分割し、分割数分のページデータを生成後、接続された印刷装置で印刷可能な低位の解像度に指定変更後、ホストコンピュータのスプーラにスプーリングする手段を備える。
【0008】
また、当該プリンティングシステムは、プリンティングシステムにおけるホストコンピュータシステム側のデータ生成部において、前記低位の解像度に基づき余白を差し引かれて算出された印刷用紙サイズの描画データを1ページにレンダリングされたラスターデータをスプーリング後、プリンティングシステムのジョブを管理するための印刷制御部において、前記1ページのレンダリングされたラスターデータを指定分割数に分割し、分割数分のページデータとして接続された印刷装置へ転送する手段と、
ジョブを管理するための印刷制御部において、ホストコンピュータのスプーラから取得した前記1ページのレンダリングされたラスターデータを指定分割数に分割し、分割数分のページデータを生成後、接続された印刷装置で印刷可能な低位の解像度に指定変更後、印刷装置へ転送する手段を備える。
【0009】
以上、本発明を整理して要約すれば以下の構成に集約できる。
【0010】
(1)ホストコンピュータシステムにおいて、アプリケーションソフトウェアからの描画命令に基づいた描画情報を生成する手段と、当該生成描画情報を印刷装置に転送する手段を有し、
印刷装置においては、ホストコンピュータシステムからの描画情報を印刷装置内の記憶領域に一時確保し、その後当該描画情報に基づいて生成された画像情報を印刷装置内のレーザ照射タイミングを変えることにより複数解像度の印字が可能なエンジンコントローラに出力する手段を備えたプリンティングシステムであって、
当該プリンティングシステムは、印刷対象となる用紙サイズと、印刷指定解像度より低位の印字解像度と、前記低位の印字解像度に基づくポスター分割後の用紙サイズの余白を算出し、該余白を差し引いた前記印刷用紙サイズをアプリケーションに通知し、前記余白を差し引かれた印刷用紙サイズの描画データをアプリケーションより取得することを特徴とするホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法。
【0011】
(2)プリンティングシステムにおけるホストコンピュータシステム側のデータ生成部において、前記低位の解像度に基づき余白を差し引かれて算出された印刷用紙サイズの描画データを1ページのラスターデータとしてレンダリングすることを特徴とする前記(1)記載のホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法。
【0012】
(3)プリンティングシステムにおけるホストコンピュータシステム側のデータ生成部において、前記1ページのレンダリングされたラスターデータを指定分割数に分割し、分割数分のページデータとしてホストコンピュータのスプーラにスプーリングすることを特徴とする前記(2)記載のホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法。
【0013】
(4)プリンティングシステムにおけるホストコンピュータシステム側のデータ生成部において、前記1ページのレンダリングされたラスターデータを指定分割数に分割し、分割数分のページデータを生成後、接続された印刷装置で印刷可能な低位の解像度に指定変更後、ホストコンピュータのスプーラにスプーリングすることを特徴とする前記(3)記載のホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法。
【0014】
(5)前記のプリンティングシステムであって、
レンダリングされたラスターデータをスプーリング後、プリンティングシステムのジョブを管理するための印刷制御部において、前記1ページのレンダリングされたラスターデータを指定分割数に分割し、分割数分のページデータとして接続された印刷装置へ転送することを特徴とする前記(2)記載のホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法。
【0015】
(6)ジョブを管理するための印刷制御部において、ホストコンピュータのスプーラから取得した前記1ページのレンダリングされたラスターデータを指定分割数に分割し、分割数分のページデータを生成後、接続された印刷装置で印刷可能な低位の解像度に指定変更後、印刷装置へ転送することを特徴とする前記(5)記載のホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係わる実施例を説明する。
【0017】
(印刷装置の構成)
図1は本発明にかかる実施例の印刷装置の構成を示す概略断面図で、一例としてモノクロレーザビームプリンタの場合を示してある。尚、本実施例を適用する印刷装置は、モノクロレーザビームプリンタに限られるものではなく、カラーレーザビームプリンタでも良いし、レーザビームプリンタに限らずインクジェットプリンタ等他のプリント方式のプリンタでも良いことは言うまでもない。以下、構成及び動作について説明する。
【0018】
レーザビームプリンタ本体100はホストコンピュータシステム等の外部装置に接続され、このホストコンピュータ等から送られる制御コードや文字コード、図形データあるいはビットマップデータ等の描画データに基づいて印刷を行う。
【0019】
操作パネル101は、操作のためのスイッチ(キー)及びLED表示器、LCD表示器が配されており、印刷装置の環境等を設定するために使われるが、近年これら環境設定は、ホストコンピュータシステム等の外部装置で行われることが多く、レーザビームプリンタ本体100に必須のものではない。
【0020】
ビデオコントローラ102は、レーザビームプリンタ100全体の制御およびホストコンピュータから供給される描画データを解析したり、描画データをビットマップデータにメモリ展開し、ビデオ信号に変換してレーザドライバ103に出力する。
【0021】
レーザドライバ103は、半導体レーザ104を駆動するための回路であり、入力されたビデオ信号に応じて、半導体レーザ104から発射されるレーザ光105をオン・オフ切り替えする。
【0022】
レーザ光105は、回転多面鏡106で左右方向に振られて静電ドラム107上を走査する。これにより、静電ドラム107上には描画パターンの静電潜像が形成される。尚、レーザ光105の主走査方向、及び副走査方向の走査タイミングは、可変であり、描画データの印刷解像度に合わせて走査することが可能である。この潜像は、静電ドラム107の周囲の現像ユニット108により現像された後、記録紙に転写される。
【0023】
この記録紙には、カットシートを用いている。すなわち、カットシート記録紙は、レーザビームプリンタ100に装着した用紙カセット109に収納され、給紙ローラ110および搬送ローラ111により、装置内に取り込まれて、静電ドラム107に供給される。
【0024】
(システムの構成)
図2は、本発明にかかる画像出力システムの概略構成を示すブロック図である。
【0025】
この画像出力システムは、ホストコンピュータ250とレーザビームプリンタ等の画像出力装置260とを双方向インターフェース270を介して接続し構成されている。
【0026】
ホストコンピュータ250は、ホストコンピュータ本体を制御する制御ユニット251を備えている。この制御ユニット251は、CPU1、RAM2、ROM3、タイマ4、キーボードコントローラ(KBC)5、ディスプレイコントローラ(DSPC)6、ディスクコントローラ(DKC)7及びI/Oコントローラ(IOC)8から構成されている。
【0027】
CPU1は、ROM3や外部メモリ12に格納されたブートプログラムやアプリケーションプログラム等を実行し、システムバス9に接続されている前記各デバイスを総括的に制御する。
【0028】
RAM2は、CPU1の主メモリ及びワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ5は、キーボード10や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。ディスプレイコントローラ6は、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等のディスプレイ11の表示を制御する。ディスクコントローラ7は、ブートプログラム、種々のアプリケーションプログラム、フォントデータ、ユーザファイル等を記憶できるハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、フラッシュPROM等外部メモリ12とのアクセスを制御する。
【0029】
I/Oコントローラ8は、所定の双方向性インターフェース(以下、単にインターフェースという)270を介してプリンタ260に接続されて、プリンタ260との通信制御を実行する。尚、I/Oコントローラ8は、予め制御ユニット251に内蔵されたデバイスを介してプリンタ260と接続しても良いし、バススロットに接続した後付けのデバイス(例えば、ECPボード、あるいはネットワークボードやネットワークアダプタ等)を介してプリンタ260と接続し、通信制御を実行できる。
【0030】
一方、プリンタ260は、プリンタ制御ユニット261を備えている。このプリンタ制御ユニット261は、プリンタ本体全体の制御、更に不図示の両面ユニットが装着された場合は、両面ユニットを含めたプリンタ全体の制御、及びホストコンピュータ250から供給される画像情報を解析する機能を有し、CPU21、RAM22、ROM23、NVRAM24、通信制御部25、印刷部I/F26、パネル制御部27及びディスクコントローラ(DKC)28から構成されている。
【0031】
プリンタCPU21は、ROM23あるいは外部メモリ32に記憶された制御プログラム等に基づいてシステムバス29に接続された上記各種デバイスとのアクセスを総括的に制御し、印刷部I/F26を介して接続されたエンジンコントローラ30へ所望の印字解像度を指定し、出力情報としての画像信号を出力する。また、ROM23には、操作パネルに配されたスイッチやLED表示器、メッセージ表示デバイスであるLCD等を制御するデバイスドライバを有するパネル制御部27を介して、スイッチからのキー割り込みを受け付けたり、LEDの点灯、消灯、点滅を司ったり、LCDへのメッセージ文字列の表示、変更を制御するプログラムを記憶する。
【0032】
更にCPU21は、通信制御部25を介してホストコンピュータ250との通信処理が可能となっており、プリンタ260内の情報をホストコンピュータ250に通知可能に構成されている。また、RAM22は、CPU21の主メモリ、ワークエリア等として機能し、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することも可能な構成になっている。NVRAM24は、プリンタの環境データ等を格納するために用いられる。
【0033】
尚、本発明のプリンタの構成は、近年良くみられるホストベースプリンタ(文字、描画コード等の解析処理、制御処理のほとんどの部分をホストコンピュータ側で行うようなプリンタ)のように、外部メモリ32や操作部パネル31を省いたり、それ程高機能でないCPU21とASICの組み合わせによりコストダウンを図った構成であっても一向に構わない。更に、通信制御部25は、セントロニクスI/Fに限らず、USB、IEEE1394、あるいは、各種ネットワークプロトコルを制御可能な構成であっても本発明においては適用可能であることは言うまでもない。
【0034】
(印刷制御の機能構成)
図5は、本発明の機能構成図である。
【0035】
本発明により、印刷処理を実施した場合、以下の一連の処理がホストコンピュータシステム(501、502または503)の記憶領域(図2のRAM2あるいは外部メモリ12)に格納されたプリンティングシステムにおいて実施される。
【0036】
ユーザがいずれかのホストコンピュータシステムにおいてアプリケーションソフトウェア(520、530または540)から印刷する場合、まずアプリケーションソフトウェアの不図示のユーザインターフェースからユーザが印刷指示をする。前記印刷指示によりアプリケーションソフトウェア、及びアプリケーションと連携して動作する不図示の描画処理部は描画データを生成し、プリンティングシステムソフトウェアのデータ生成部(521、531または541、プリンタデバイスドライバとも言う)に前記描画データを転送する。前記描画データを受け取ったデータ生成部は、印刷装置が解釈可能なラスター描画データに変換し、ホストコンピュータシステムが有するOS(オペレーティングシステム)に組み込まれたシステムスプール部(522、532または、542)へ前記ラスター描画データ(ジョブデータともいい1ないし複数のラスターページデータを内包している。また、通常、複数ページの場合は、先頭ページよりページ単位で最終ページまで順に内包されている)をページ順に転送する。尚、ネットワーク環境下(ネットワーク500で接続)においてスプーリング処理を実施する場合のシステムスプール部(522、532または542)は、プリンティングシステムのデータ生成部と同一のホストコンピュータシステムのシステムスプーリング部が利用される場合もあるし、プリントサーバとなる他のホストコンピュータシステム中のシステムスプール部と協調して両ホストコンピュータシステムのシステムスプール部が利用される場合もある。各ホストコンピュータシステムにおいて、予め例えばネットワークに接続された印刷装置名やネットワークアドレス、あるいはプリントサーバとなるホストコンピュータ名やポート名等でネットワークコネクションが確立された出力先へ、前記システムスプール部を介してデータ出力されるようになっている。
【0037】
印刷制御部523、533または543は本発明のプリンティングシステムの一部であり、システムスプール部でスプーリングされたラスター描画データ(スプールデータともいう)を取得し、スプールデータ中の印刷制御情報及びページ単位のラスター描画情報に基づいて印刷ジョブを制御したりネットワークに接続された印刷装置を管理する。また、当該印刷制御部は、スプーリングされてきたジョブのユーザ名あるいはコンピュータ名をも管理するプリントサーバとしての機能も有しており、各種ジョブの制御を施した後、通信制御部(524、534または544)を介して転送すべき出力先へジョブデータをページ順に転送したり、別のホストコンピュータからのスプールデータを複数制御、管理することができる。また更には、印刷ジョブ情報を表示制御部(515、535、または545)を介して不図示のプリントステータスウィンドウでディスプレイ(図2の11)へ表示しユーザへ通知する手段をも有している。尚、前記印刷制御部から印刷装置(504、505、または506)へのデータ転送は、ポート制御プログラム等を有する通信制御部(524、534、または544)を介して実行される。
【0038】
印刷装置504、505または506は、ホストコンピュータシステムからビデオコントローラ510、511または512(図2のプリンタ制御ユニット261、図1の102)上の通信制御部550、560または570を介して受信した制御コード、ラスター描画データを図2のRAM22あるいは外部メモリ32に一時格納し、図2のROM23あるいはRAM22または外部メモリ32に格納された印刷制御プログラム、あるいは不図示のASICによって、受信した解像度情報等の指定や、当該ラスター描画データをビデオデータに展開する。更に展開されたデータは、指定された解像度に従い、主に電子写真プロセス等に関わる帯電、露光、現像、転写、定着及び紙搬送等の制御、あるいは、ノズルの制御やインク吹き付け制御を行うエンジンコントローラ513、514または515(図2のエンジンコントローラ30)に送出され実際の記録媒体への印刷が完了する。尚、前記図2のROM23あるいはRAM22または外部メモリ32に格納された印刷制御プログラムは、印刷装置における両面ユニットの有無、ジャム情報や印刷完了の有無やドアオープン等の印刷装置のステータス情報をホストコンピュータへ通信制御部を介して通知する機能を有している。
【0039】
(実施例1)
前述の構成を備える本第1実施例は、ホストコンピュータ501から解像度指定として1200/600/300dpiでの出力可能なエンジンコントローラを有する印刷装置504へ対して印刷する例である。今、ホストコンピュータ501のユーザが、A4原稿を解像度600dpiで、4分割ポスター印刷しようとする場合、ホストコンピュータ501にインストールされているアプリケーションソフトウェア520からアプリケーションソフトウェアの有するユーザインターフェースダイアログをそれぞれオープンし、更にプリンティングシステムが有するセットアップダイアログをそれぞれオープンする。図6に一例を示す該セットアップダイアログは、プリンティングシステムソフトウェアの一部であるデータ生成部521や印刷制御部523、あるいは接続されている印刷装置504へ通知すべき各種情報を設定することが可能で、ホストコンピュータの主としてOSが有する図2のディスプレイ11への表示制御機能(表示制御部515及び535)を利用して表示される。ホストコンピュータ501のユーザは該セットアップダイアログの原稿サイズで“A4”、解像度を“600dpi”を選択、更にポスター印刷のチェックボックスにチェックを入れ(選択し)、分割数を“4”と選択すると、次にアプリケーションソフトウェア520でオープンした前記アプリケーションユーザインターフェースダイアログから印刷を指示する。
【0040】
アプリケーション520からの印刷指示によって、本発明のプリンティングシステムのデータ生成部が、原稿サイズ“A4”、印刷解像度“600dpi”、更には印刷形式“ポスター印刷”且つ分割数“4”であることを検知すると、該データ生成部521は、まず指定の1/2の印刷解像度“300dpi”での用紙サイズ“A4”における有効印字領域を分割数である4倍にする。即ち、図7(a)に示すアプリケーション指定の用紙サイズA4(600dpi)における本来の有効印字領域(X×Y)ではなく、図7(b)に示すA4(300dpi)の用紙サイズの物理サイズから余白(印刷エンジンで印字を保証できない領域)を差し引いた有効印字領域を元に分割数4つ分の印字領域(x×2×y×2)である図7(c)の有効印字領域を算出し、アプリケーション520に通知する。
【0041】
データ生成部521は、アプリケーション520に対する前記有効印字領域の通知によりアプリケーション520から前記有効印字領域サイズの描画データを取得し、該有効印字領域と同一サイズのラスター描画データを生成するが、該ラスター描画データのデータ容量は、ほぼA4(600dpi)での容量(X×Y)と同様の容量(x×y×4)、即ち「(X×Y)≒(x×y×4)」となり、600dpi相当で単純拡大後に分割してポスター印刷した際のラスター描画データに比べ1/4の容量で済む。尚、本実施例では4分割の例を示しているが、N分割ポスター印刷時のラスター描画データ容量は、1/2の解像度での幅x、高さyとすると(x×y×N)となり、元の解像度で単純拡大分割印刷する場合と比べ約1/Nの容量で済むことになる。前記生成したラスター描画データは、更にデータ生成部521において、分割数で指定された4で分割され、A4(300dpi)の有効印字領域サイズのラスター描画データを4つが生成し(図7(d))、図8に一例を示すようなA4(300dpi)のページデータ4つを含むジョブデータを生成する。前記生成したページ毎のラスター描画データを含むジョブデータは順次システムスプール部522へを出力される(スプーリングする)。
【0042】
印刷制御部523は、システムスプール部522でスプーリングされた、データ生成部521からのジョブデータを取得し、順次、通信制御部524を介して印刷装置504へジョブデータを転送することで印刷を完了する。
【0043】
尚、本発明においては、その印刷結果が低位の解像度での出力結果となるが、ポスター印刷結果は、通常印刷での印刷物とは異なり、壁等に貼り出し遠めから参照するために、解像度が低下していても、ポスターとしての目的を損なうことはない。
【0044】
以下、データ生成部521におけるポスター印刷フローを図9を基に説明する。本発明のプリンティングシステムにおけるデータ生成部521のプログラムは、アプリケーション520からの印刷形式を取得し(S900)、S901でポスター印刷であることを検知すると、出力用紙のサイズ及び指定の印字解像度値、分割数を取得する(S902)。S903では、予めホストコンピュータ250の外部メモリ12もしくはRAM2に格納されているか、あるいは印刷装置260から取得した、図7(b)に一例を示すところの前記S902で取得した解像度より1/2低位の解像度である前記出力用紙サイズの有効印字領域値を取得し(S903)、前記低位解像度相当の有効印字領域、及びS902で取得した分割数を元に図7(c)に一例を示すような(x×2)×(y×2)の有効印字領域を算出してアプリケーションに通知する(S904)。前記アプリケーションへの有効印字領域の通知により、前記有効印字領域サイズの描画データがデータ生成部521に送出され、レンダリングステップであるS905において、前記低位解像度相当の擬似印字領域のラスター描画データを生成される。生成されたラスター描画データは、S906で指定分割数である4で分割され、図8(a)に一例を示すように分割された4ページデータを含むジョブデータを生成される(S907)。この時のジョブデータの解像度情報は、指定より低位の解像度300dpiが設定される。前記ジョブデータは、システムスプール部522へスプーリングされ(S908)、以降スプーリングされたジョブは、印刷制御部523、通信制御部524を介して図7(d)に示すような300dpiのA4データとして順次出力先の印刷装置へ転送され、ポスター印刷を完了する。
【0045】
一方S901にて、S900で取得した印刷形式がポスター印刷でないと判定されたなら、通常印刷として原稿サイズの有効印字領域の大きさであるラスター描画データを生成し、ジョブとしては、ユーザ指定の原稿サイズを含む印刷情報群と指定原稿サイズのラスター描画データ1ページ分を生成し(S909)、スプーリングされる(S908)。
【0046】
尚、本ポスター印刷を実現するに当たり、ホスト側プリンティングシステムの一部であるジョブを管理するための印刷制御部や、印刷装置側のデータ解析部、データ展開部は、分割印刷のための特別な処理を必要としないため、既存のシステムを容易にバージョンアップできるという効果があると共に、印刷装置側のハードウェアを変更する必要がないのでコストアップを招かない。
【0047】
(実施例2)
本発明第2の実施例は、実施例1において、データ生成部521で処理したラスター描画データの分割処理を印刷制御部523で実施する例である。
【0048】
図10にデータ生成部521におけるフローを示す。本発明のプリンティングシステムにおけるデータ生成部521のプログラムは、アプリケーション520からの印刷形式を取得し(S1000)、S1001でポスター印刷であることを検知すると、出力用紙のサイズ及び指定の印字解像度値、分割数を取得する(S1002)。S1003では、予めホストコンピュータ250の外部メモリ12もしくはRAM2に格納されているか、あるいは印刷装置260から取得した、図7(b)に一例を示すところの前記S1002で取得した解像度より1/2低位の解像度である前記出力用紙サイズの有効印字領域値を取得し(S1003)、前記低位解像度相当の有効印字領域、及びS1002で取得した分割数を元に図7(c)に一例を示すような(x×2)×(y×2)の有効印字領域を算出してアプリケーションに通知する(S1004)。前記アプリケーションへの有効印字領域の通知により、前記有効印字領域サイズの描画データがデータ生成部521に送出され、レンダリングステップであるS1005において、前記低位解像度相当の擬似印字領域のラスター描画データを生成される。S1006においては、図8(b)に一例を示す擬似的な大きさのラスター描画データと、スプール後の分割数を示す識別情報と低位の解像度情報を含むジョブデータを生成し、システムスプール部へスプーリングする(S1007)。尚、S1001にて、S1000で取得した印刷形式がポスター印刷でなかったと判定されたなら、通常印刷として原稿サイズの有効印字領域の大きさであるラスター描画データを生成し、ジョブとしては、ユーザ指定の解像度情報600dpiを含む印刷情報群及び分割数1を示す識別情報を付加して指定原稿サイズのラスター描画データ1ページ分を生成し(S1008)、スプーリングされる(S1007)。
【0049】
一方、データ生成部521で生成されシステムスプール部522でスプールされたジョブデータは、データ制御部523で図11のフローで処理される。即ち、S1100でシステムスプール部522より図8(b)に一例を示すジョブを取得すると、S1101でラスター描画データの分割数を判定し、分割数が1以外であれば、S1102で、S1100で取得したラスター描画データを指定分割数で分割する。前記分割されたラスター描画データは、順次S1100で取得したジョブで指定された解像度で印刷装置へ転送され(S1103)、図7(d)に一例を示すように分割数分のページが出力される。また、S1101で、分割数が1であった場合は、S1100で取得したジョブデータを順次指定解像度で印刷装置へ転送していき(S1103)、通常の印刷を完了する。
【0050】
尚、本実施例2は、ラスター描画データの分割をスプール後に実施していることから、実施例1に比べアプリケーション520における印刷処理解放時間が短縮されるという効果を得られると共に、本分割印刷を実現するに当たり、印刷装置側のデータ解析部、データ展開部を、分割印刷のために加工しなくて済むため、既存のシステムを容易にバージョンアップできるという効果があると共に、印刷装置側のハードウェアを変更する必要がないのでコストアップを招かない。
【0051】
(実施例3)
実施例では、4分割の例を示したが特に4分割に限定するものではなく、9分割や16分割、それ以外の分割数であっても本発明は適用可能である。また、実施例においては、600dpiデータを擬似的に300dpiで扱う例を示したが、本解像度での処理に限定したものではなく、例えば1200dpiデータを600dpi、あるいは300dpiで扱っても本発明は適用できる。本発明によれば、1200dpiを300dpi(1/4低位の解像度)で扱った場合は、従来の単純拡大及び分割に要するメモリ容量に比べ約1/16のメモリ容量でポスター印刷を実現することができるようになる。
【0052】
(実施例4)
本発明の構成は、図2に一例を示したプリンタ機能だけを有するいわゆるシングルファンクションの印刷装置にのみに適用されるものではなく、例えばコピー機能やファクシミリ機能、更にはスキャナー機能等を有するマルチファンクション機であっても適用可能であることは言うまでもない。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、レーザ照射タイミングを変えることにより複数解像度の印刷が可能なエンジンを備えたホストベースのプリンティングシステムにおいて、メモリを大量に消費することなく、高速ポスター印刷を実現できる。また、非力なPCであっても、ストレスなくポスター印刷を実現することができる。
【0054】
また、別の効果として、印刷装置側プログラムに手を加える必要がないのでコストアップを招くことなく、ポスター印刷を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における印刷装置の概略断面図
【図2】本発明の実施例におけるホストコンピュータシステム及びプリンタシステムの概略構成を示すブロック図
【図3】本発明におけるプリンティングシステム構成を示す概略図
【図4】従来例を示す概略図
【図5】本発明の実施例におけるプリンティングシステムの機能構成の一例を示す概略図
【図6】本発明の実施例におけるプリンティングシステムのプリントセットアップダイアログの一例を示す図
【図7】(a),(b),(c),(d) 本発明の各ステップでの概略を示すための補足図
【図8】(a),(b) 本発明の実施例におけるジョブデータの一例を示す図
【図9】本発明の第1の実施例における制御を示すフローチャート
【図10】本発明の第2の実施例におけるデータ生成部の制御を示すフローチャート
【図11】本発明の第2の実施例における印刷制御部の制御を示すフローチャート
【符号の説明】
1、21 CPU
2、22 RAM
3、23 ROM
4 タイマ
5 キーボードコントローラ(KBC)
6 ディスプレイコントローラ(DSPC)
7 ディスクコントローラ(DKC)
8 I/Oコントローラ(IOC)
24 NVRAM
25 通信制御部
26 印刷部I/F
27 パネル制御部
28 ディスクコントローラ(DKC)
250 ホストコンピュータ
260 画像出力装置
270 双方向インターフェース
Claims (6)
- ホストコンピュータシステムにおいて、アプリケーションソフトウェアからの描画命令に基づいた描画情報を生成する手段と、当該生成描画情報を印刷装置に転送する手段を有し、
印刷装置においては、ホストコンピュータシステムからの描画情報を印刷装置内の記憶領域に一時確保し、その後当該描画情報に基づいて生成された画像情報を印刷装置内のレーザ照射タイミングを変えることにより複数解像度の印字が可能なエンジンコントローラに出力する手段を備えたプリンティングシステムであって、
当該プリンティングシステムは、印刷対象となる用紙サイズと、印刷指定解像度より低位の印字解像度と、前記低位の印字解像度に基づくポスター分割後の用紙サイズの余白を算出し、該余白を差し引いた前記印刷用紙サイズをアプリケーションに通知し、前記余白を差し引かれた印刷用紙サイズの描画データをアプリケーションより取得することを特徴とするホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法。 - プリンティングシステムにおけるホストコンピュータシステム側のデータ生成部において、前記低位の解像度に基づき余白を差し引かれて算出された印刷用紙サイズの描画データを1ページのラスターデータとしてレンダリングすることを特徴とする請求項1記載のホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法。
- プリンティングシステムにおけるホストコンピュータシステム側のデータ生成部において、前記1ページのレンダリングされたラスターデータを指定分割数に分割し、分割数分のページデータとしてホストコンピュータのスプーラにスプーリングすることを特徴とする請求項2記載のホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法。
- プリンティングシステムにおけるホストコンピュータシステム側のデータ生成部において、前記1ページのレンダリングされたラスターデータを指定分割数に分割し、分割数分のページデータを生成後、接続された印刷装置で印刷可能な低位の解像度に指定変更後、ホストコンピュータのスプーラにスプーリングすることを特徴とする請求項3記載のホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法。
- 前記のプリンティングシステムであって、
レンダリングされたラスターデータをスプーリング後、プリンティングシステムのジョブを管理するための印刷制御部において、前記1ページのレンダリングされたラスターデータを指定分割数に分割し、分割数分のページデータとして接続された印刷装置へ転送することを特徴とする請求項2記載のホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法。 - ジョブを管理するための印刷制御部において、ホストコンピュータのスプーラから取得した前記1ページのレンダリングされたラスターデータを指定分割数に分割し、分割数分のページデータを生成後、接続された印刷装置で印刷可能な低位の解像度に指定変更後、印刷装置へ転送することを特徴とする請求項5記載のホストベースプリンティングシステムにおけるポスター印刷の制御方法。
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