JP2004334714A - パラメータ最適化方法、パラメータ最適化装置、パラメータ最適化プログラム、及び、航走制御装置 - Google Patents

パラメータ最適化方法、パラメータ最適化装置、パラメータ最適化プログラム、及び、航走制御装置 Download PDF

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    • B63B79/40Monitoring properties or operating parameters of vessels in operation for controlling the operation of vessels, e.g. monitoring their speed, routing or maintenance schedules

Abstract

【課題】所定の制御対象に対する制御システムの制御処理に係るパラメータの実時間上での最適化に好適なパラメータ最適化方法、パラメータ最適化装置、及び、パラメータ最適化プログラムを提供する。
【解決手段】航走制御装置3を、定速航走制御部30と、トリム角制御部31と、を含んだ構成とし、トリム角制御部31を、トリム角の評価値を算出する評価値算出モジュール31aと、情報記憶部31bと、情報記憶部31bに記憶された評価値を被説明変数、トリム角を含む動作情報を説明変数として統計モデルを作成する統計モデル作成モジュール31cと、前記統計モデルから目標トリム角を算出する目標トリム角算出モジュール31dと、作成された統計モデルを記憶する統計モデル記憶部31eと、を含んだ構成とした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の制御システムの制御処理に係るパラメータを最適化する方法に係り、特に、実時間上でパラメータの最適化を行うのに好適なパラメータ最適化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、船舶や自動車等の所定の制御システムの制御処理に係るパラメータの準最適解を高速に求める手法として、応答曲面法(Response Surface Methodorogy:RSM)がよく知られている。応答曲面法は、サンプル値から応答曲面と呼ばれる統計モデルを作成し、この応答曲面上で最適化を行う。この方法は最適化を行う関数が不連続等の理由で勾配法が使えない場合や、シミュレーションが非常に計算コストが高い場合に有効であり、サンプル値を効率よく得るためにモンテカルロ法や実験計画法が用いられる(非特許文献1参照)。
【0003】
また、得られた応答曲面から推定される最適値付近のサンプル値を採取し、そのサンプル値を用いて新たな応答曲面を作成することで、次第に精度を向上させていく手法も提案されている。この手法によれば、初期におおまかな応答曲面を作成し、推定される最適値付近のサンプルを得て次第に精度を向上させていくので、少ないサンプル数で高速に準最適解を得ることができる。
【0004】
例えば、SAO(Seqential Approximate Optimization)という手法(非特許文献2参照)では、サブ領域という小さな領域で実験計画法に基づいた少数サンプリングおよび応答曲面による最適化を行い、得られた最適解の応答曲面による推定値と実際の評価値から精度を算出し、この精度に応じてサブ領域の移動・縮小・拡大を繰り返しながら最適解を得る。また、最適解付近の効率的なサンプリングを行うために実数値遺伝的アルゴリズムで用いられる交叉を組み込んだ手法も提案されている(非特許文献3参照)。
一般に、応答曲面法やその改良手法は大規模シミュレーションや、実システムをオフラインで最適化する手法として認知されているが、実システムをオンラインで短時間に最適化する場合にも有効であると考えられる。
【0005】
【非特許文献1】
轟:応答曲面法による非線形問題の最適設計入門、機会学会講習会資料(1999)
【非特許文献2】
Guinta and E1dred:Implementation of a Trust Region Mode1 Management Strategy in the DAKOTA Optimization Toolkit,paperAIAA−2000−4935 in Proceedings of the 8thAIAA/USAF/NASA/ISSMO Symposium on Multidisciplinary Analysis and Optimization,Long Beach,CA,September 6−8(2000)
【非特許文献3】
長谷川ほか:実数型交差モデルと応答曲面モデルを用いた逐次的近似最適化に関する一試行、日本計算工学会論文集,No.20000019(2000)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまでに提案されている手法を実システムのオンライン最適化に用いる場合、サンプル値のばらつき、及び、サンプリング範囲と最適解との位置関係による推定解のずれという問題がある。
ここで、サンプル値のばらつきについては、シミュレーションであれば考慮する必要はない。また、実機をオフラインで最適化するときは可能な限り観測ノイズを減らし、安定した計測が行えるように実験環境を構築することが可能である。
【0007】
しかし、実際の環境おいてオンラインで最適化を行う場合は、計測器にノイズが加わるだけではなく、制御出来ない要因によりシステムの動作が微妙に変化するために、安定した計測が出来ないという問題がある。これは最適化を行う関数の形状に対してサンプル値が大きくばらつくことにつながり、応答曲面の精度に悪影響を与える。特に、想定外の外乱により、システムが正常な動作をしなかった場合は外れ値(outlier)を得ることになり、この外れ値は、最小二乗法による応答曲面の作成に大きな悪影響を与えることが知られている。
【0008】
また、サンプリング範囲と最適解との位置関係による推定解のずれについて述べる。実際にシステムが稼働している状況で、大きくパラメータを変化させてサンプル値を採取することは、システムの挙動を大きく変化させる可能性がある。特に、そのシステムが人間によって使用されるものである場合(例えば、乗り物など)は実施は困難である。このような場合は、ある程度動作が安定していることがわかっている狭い範囲内で初期のサンプリングを開始し、徐々にサンプリング範囲を大きくして最適解を推定する方法が有効である。
【0009】
しかし、サンプル値に加わるノイズが大きく、最適解が初期のサンプリング範囲外に存在する場合は、推定される最適解が初期サンプリング範囲の方向に依存して真の最適解を得ることができないという問題がある。
これは、サンプリング範囲の境界付近でサンプリングされたサンプル値が、応答曲面の形状に大きな影響を及ぼすことによる。例えば、下記の式(1)に示す、回帰診断におけるクックの距離を用いて、応答曲面に及ぼす各サンプル値の影響力を調べると、中央付近に比べて境界付近のサンプル値の影響力が大きくなることからわかる。
【0010】
【数1】
Figure 2004334714
【0011】
但し、yhatは全サンプルを用いて作成した応答曲面の推定値であり、yhatJiはi番目のサンプルを除く全サンプルを用いて作成した応答曲面の推定値であり、pはモデルのパラメータ数であり、σhatは分散の推定値である。
すなわち、最適値が初期のサンプリング範囲外に存在する場合において、境界付近のサンプル値がノイズの影響により本来得られる値よりも極端に高い又は低い場合は、最適値の推定精度が極端に悪くなり、サンプリング回数が制限されているオンライン最適化においては致命的な影響をもたらす。
すなわち、従来提案されている応答曲面法、及び、その改良手法は、製品の出荷前に最適化を行う手法としては有効であるが、最終的なシステムが設計段階で不定の場合は、上記の理由により、このような問題に対処できない。
【0012】
例えば、具体的には、船外機の使用者が任意の艇体に取り付けた場合は、出荷前にその船外機−艇体システムを想定することは困難であり、定速航走制御や姿勢角制御を実施しようとした場合は、出荷後にシステムのパラメータを最適化することが必要となる。このとき、最適化のためのサンプル値を得るために、モンテカルロ法や実験計画法の適用を考えると、サンプル値を得るために調整するパラメータの範囲をどのように設定すれば良いのか、という問題が生じる。すなわち、範囲が狭すぎる場合は上記の理由により真の最適解を得ることが出来ず、広すぎる場合は使用中に急激な動作変化の原因となり想定外の挙動を起こす可能性がある。また、この船外機−艇体システムの場合は、乗船人数や荷物によって重量及び重心が大幅に変化するために、一度最適化を行えば終了というわけではなく、継続的に最適化を行う必要がある。
【0013】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に注目してなされたものであって、所定の制御対象に対する制御システムの制御処理に係るパラメータの実時間上での最適化に好適なパラメータ最適化方法、パラメータ最適化装置、及び、パラメータ最適化プログラムを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1記載のパラメータ最適化方法は、制御条件が動的に変化する環境下において使用される、所定の制御対象を制御する制御システムの制御処理に係るパラメータを、実時間上で最適化するパラメータ最適化方法であって、
所定の記憶媒体に記憶されている過去に作成された統計モデルに基づいて、初期の評価値を算出するときの前記制御対象の動作に係る動作情報の取得範囲を設定する第1のステップと、
現在の環境下における前記動作情報を取得する第2のステップと、
前記取得した動作情報に基づき、前記制御処理結果を評価するための評価値を算出する第3のステップと、
当該算出された評価値を被説明変数とし、それに対応する前記動作情報を説明変数として前記統計モデルを作成する第4のステップと、
当該作成された統計モデルを、前記所定の記憶媒体に記憶する第5のステップと、
前記記憶された統計モデルに基づき、その最適解となる前記パラメータの推定値を算出する第6のステップと、
当該算出されたパラメータの推定値に基づき、前記制御処理に用いられているパラメータを更新する第7のステップと、を備え、
前記第1のステップの実行後に、前記第2〜第7のステップを、所定時間間隔で繰り返し行うことで、前記パラメータを実時間上で最適化することを特徴としている。
【0015】
例えば、制御対象を船舶とし、艇体と推進器の姿勢角を制御するシステムにおいて、船舶の動作に係る動作情報として、航走中に姿勢角と燃料消費率を計測し、その計測データから統計モデルを作成し、統計モデル上で、艇体に対する推進器の最適な姿勢角を選択するための制御に係るパラメータを推定することで、航走中の外乱の影響を受けずに短時間で最適な姿勢角を選択することが可能となる。また、2回目以降の最適化において、過去の統計モデルに基づいて初期サンプリング範囲を設定(例えば、過去の最適解を含むように)することで、サンプリング範囲と最適解の位置関係によって生じる問題を解決(または緩和)することが可能である。
【0016】
ここで、所定の制御対象とは、船舶、航空機、自動車などであり、制御に係るパラメータを統計モデルにより最適化することが可能なものであればどのようなものでも良い。これらの制御システムとしては、例えば、船舶であれば、その航走速度制御や姿勢制御等を行うシステムになり、航空機であれば、その飛行速度制御や姿勢制御等を行うシステムになり、自動車であれば、走行速度制御や車間距離制御等を行うシステムになる。これらはいずれも、気象などの環境によってその制御条件が大きく変化するものである。
【0017】
また、統計モデルとは、ランダムではない測定値または観測値として扱われる説明変数(独立変数とも言う)によって、確率変数とみなす被説明変数(基準変数、目的変数、応答変数、従属変数とも言う)を説明するものである。そして、公知の統計モデルとしては、応答曲面モデル、重回帰モデル、判別モデル、分類木(決定木)、自己回帰モデル、移動平均自己回帰モデル、ニューラルネットワークモデル等がある。
【0018】
また、請求項2に係る発明は、請求項1記載のパラメータ最適化方法において、前記初期の評価値を算出するときの前記所定の制御範囲を、過去に作成した前記統計モデルの最適解を含むように設定することを特徴としている。
つまり、前記統計モデル作成手段によって、制御初期に前記評価値を算出するときに、過去に作成した統計モデルにおいて当該統計モデルの最適値を得る制御対象の動作に係る動作情報を含むように、前記動作情報の取得範囲を設定することが可能である。
【0019】
例えば、初期サンプル値(前記動作情報)を獲得する範囲を、過去の統計モデルを利用して運転者に不快感を与えない範囲で適切に調整することによって統計モデルの精度を向上させることが可能である。具体的には、船舶の姿勢角制御を例とすると、初期状態では統計モデルが無いので最も艇体の安定性が高いフルトリムインから探索を開始するが、一度統計モデルを作成した後に新たに統計モデルを作成する際は過去の統計モデルを利用して初期サンプル値を獲得する範囲を決める。
【0020】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載のパラメータ最適化方法において、重み付き最小二乗法、又は、ロバスト推定法を用いて前記統計モデルを作成することを特徴としている。
つまり、サンプル値(制御対象の動作に係る動作情報)から統計モデルを作成するときに、重み付き最小二乗法、又は、ロバスト推定法を用いるので、外れ値に対して頑健な統計モデルが作成可能である。
ここで、重み付き最小二乗法、及び、ロバスト推定法の説明をする。
通常の最小二乗法では、以下の式(2)に示す最小二乗平均基準を最小にする統計モデルのパラメータを推定する。
【0021】
【数2】
Figure 2004334714
【0022】
ここで、nはサンプル値の数、yはサンプル値、yhatは統計モデルの出力である。重み付き最小二乗法では、LMSの代わりに以下の式(3)に示す重み付き最小二乗平均基準を最小にする統計モデルのパラメータを推定する。
【0023】
【数3】
Figure 2004334714
【0024】
ここで、wは重みであり、重みは各サンプル値がパラメータの推定に及ぼす影響を調整するものである。例えば、ある値xにおけるサンプル値yの分散σ よりも、xにおけるサンプル値yの分散σ が小さなことが予め解っているような場合、yのほうが精度の良いサンプル値であると言える。このまま、LMS基準を用いて統計モデルのパラメータを推定すると、精度の悪いサンプル値 yの影響を受けて推定が上手くいかない可能性がある。そこで、重みとしてw=1/σ を用いると、分散の大きなサンプル値の影響を減らすことが出来るので、推定を有効に行うことができる。
【0025】
これまで、上記したような重み与える方法は、様々なものが提案されている。ロバスト推定法においても、例えば、代表的な手法としてLMedS(Least Median of Squares)推定法がある。この手法では、LMS基準の代わりに以下の式(4)に示す最小二乗メディアン基準を最小にする統計モデルを推定する。
LMedS=median(y−yhat………(4)
ここで、メディアンは中央値を求めることを表す。例えば、1つの外れ値(outlier:想定外の大きなノイズが加わったサンプル値)を含む3つのサンプル値から線形モデル「y=α0+α1x」を推定する場合、LMS基準では1つの外れ値の大小によって大きな影響を受けてしまうが、式(4)に示すように、中央値を求めるLMedS基準では1つの外れ値の大小による影響は無関係となることが解る。従って、外れ値が含まれた場合でも、その影響を受けないので、推定を有効に行うことができる。
【0026】
ロバスト推定法には他に、LMedS推定法のような順序統計量を利用したものとして、最小2乗分位点(LQS)推定法、最小2乗トリム(LTS)推定法、重み付き最小二乗法の一種であるM推定法などがある。
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のパラメータ最適化方法において、前記ロバスト推定法の解法として、遺伝的アルゴリズムを用いることを特徴としている。
【0027】
まず、遺伝的アルゴリズムについて説明する。遺伝的アルゴリズム(Genetic A1gorithms:GA)は生物の進化の過程を模倣した最適化手法であり、様々な最適化問題に適用されている。GAには、大別して最適化するパラメータをビットストリングで表現する単純GAと、実数値のまま表現する実数値GAがあるが、関数の最適化には実数値GAが高い効果を示すことが知られている。実数値GAは次のステップから構成される。
【0028】
1.初期化:探索空間内にランダムな初期値を与えた個体を配置する。
2.選択:個体部中から親となる個体をランダム、または適応度に応じて確率的に選択する。
3.交叉:複数の親個体の情報を用いて子個体を生成する。代表的な交叉手法として単峰性正規分布交叉(UNDX)、ブレンド交叉(BLX‐α)等が挙げられる。
【0029】
4.評価:評価関数に従って個体の評価を行い、個体の淘汰を行なった後、2に戻る。
更に、GAが口バスト推定の解法に適している理由を説明する。通常の最小二乗法においては、統計モデルの厳密なパラメータを求める場合には行列計算を用いる。しかしながら、組込型のマイクロプロセッサに本手法を用いる場合、統計モデルの次数が大きくなった場合や、LMS基準以外の基準を用いた場合は、解析的にパラメータを求めることが計算時間や計算精度の面で困難となるために、最急降下法に代表される、関数の勾配情報を利用した近似解法が有効である。
【0030】
しかし、LMedS基準のような順序統計量基準を用いた場合は、その関数形状が多峰性で不連続になるために、関数の勾配情報を利用した近似解法を使うと局所解に陥ってしまい、最適なパラメータが推定できないという問題点がある。この問題により、解析的な解法は未だ示されていない。
つまり、GAは、関数の勾配情報を用いない直接探索による最適化手法であるので、このような問題点の影響を受けずに最適なパラメータを推定することが可能である。
【0031】
また、本発明に係る請求項5記載のパラメータ最適化装置は、制御条件が動的に変化する環境下において使用される、所定の制御対象を制御する制御システムの制御処理に係るパラメータを、実時間上で最適化するパラメータ最適化装置であって、
統計モデル記憶手段によって記憶された過去に作成された統計モデルに基づいて、初期の評価値を算出するときの前記所定の制御対象の動作に係る動作情報の取得範囲を設定する取得範囲設定手段と、
現在の環境下における前記動作情報を取得する動作情報取得手段と、
当該動作情報取得手段によって取得した前記動作情報に基づき、前記制御処理結果を評価するための評価値を算出する評価値算出手段と、
当該評価値算出手段によって算出された評価値を被説明変数とし、それに対応する前記動作情報を説明変数として前記統計モデルを作成する統計モデル作成手段と、
当該統計モデル作成手段によって作成された統計モデルを記憶する統計モデル記憶手段と、
当該統計モデル記憶手段によって記憶された前記統計モデルに基づき、その最適解となる前記パラメータの推定値を算出する推定値算出手段と、
当該推定値算出手段によって算出された前記パラメータの推定値に基づき、前記制御処理に用いられているパラメータを更新するパラメータ更新手段と、を備えることを特徴としている。
【0032】
このような構成であれば、取得範囲設定手段によって、統計モデル記憶手段によって記憶された過去に作成された統計モデルに基づいて、初期の評価値を算出するときの前記所定の制御対象の動作に係る動作情報の取得範囲を設定することが可能であり、動作情報取得手段によって、現在の環境下における前記動作情報を取得することが可能であり、評価値算出手段によって、現在の環境下において取得した前記動作情報に基づき、前記制御処理結果を評価するための評価値を算出することが可能であり、統計モデル作成手段によって、評価値算出手段によって算出された評価値を被説明変数とし、それに対応する前記動作情報を説明変数として前記統計モデルを作成することが可能であり、統計モデル記憶手段によって、統計モデル作成手段によって作成された統計モデルを記憶することが可能であり、推定値算出手段によって、統計モデル記憶手段によって記憶された前記統計モデルに基づき、その最適解となる前記パラメータの推定値を算出することが可能であり、パラメータ更新手段によって、推定値算出手段によって算出された前記パラメータの推定値に基づき、前記制御処理に用いられているパラメータを更新することが可能である。
【0033】
ここで、本発明は、請求項1記載のパラメータ最適化方法を実現するための装置であり、その効果は重複するので記載を省略する。
また、請求項6に係る発明は、請求項5記載のパラメータ最適化装置において、前記取得範囲設定手段は、前記初期の評価値を算出するときの所定の制御範囲を、過去に作成した前記統計モデルの最適解を含むように設定することを特徴としている。
【0034】
つまり、前記取得範囲設定手段は、前記初期の評価値を算出するときの所定の制御範囲を、過去に作成した前記統計モデルの最適解を含むように設定することが可能である。
ここで、本発明は、請求項2記載のパラメータ最適化方法を実現するための装置であり、その効果は重複するので記載を省略する。
【0035】
また、請求項7に係る発明は、請求項5又は請求項6記載のパラメータ最適化装置において、前記統計モデル作成手段は、重み付き最小二乗法、又は、ロバスト推定法を用いて前記統計モデルを作成することを特徴としている。
つまり、前記統計モデル作成手段は、重み付き最小二乗法、又は、ロバスト推定法を用いて前記統計モデルを作成することが可能である。
【0036】
ここで、本発明は、請求項3記載のパラメータ最適化方法を実現するための装置であり、その効果は重複するので記載を省略する。
また、請求項8に係る発明は、請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載のパラメータ最適化装置において、前記統計モデル作成手段は、前記ロバスト推定法の解法として、遺伝的アルゴリズムを用いることを特徴としている。
【0037】
つまり、前記統計モデル作成手段は、前記ロバスト推定法の解法として、遺伝的アルゴリズムを用いることが可能である。
ここで、本発明は、請求項4記載のパラメータ最適化方法を実現するための装置であり、その効果は重複するので記載を省略する。
また、本発明に係る請求項9記載のパラメータ最適化プログラムは、制御条件が動的に変化する環境下において使用される、所定の制御対象を制御する制御システムの制御処理に係るパラメータを、実時間上で最適化するためのコンピュータが実行可能なプログラムであって、
所定の記憶媒体に記憶されている過去に作成された統計モデルに基づいて、初期の評価値を算出するときの前記制御対象の動作に係る動作情報の取得範囲を設定する第1のステップと、
現在の環境下における前記動作情報を取得する第2のステップと、
前記取得した動作情報に基づき、前記制御処理結果を評価するための評価値を算出する第3のステップと、
当該算出された評価値を被説明変数とし、それに対応する前記動作情報を説明変数として前記統計モデルを作成する第4のステップと、
当該作成された統計モデルを、前記所定の記憶媒体に記憶する第5のステップと、
前記記憶された統計モデルに基づき、その最適解となる前記パラメータの推定値を算出する第6のステップと、
当該算出されたパラメータの推定値に基づき、前記制御処理に用いられているパラメータを更新する第7のステップと、を備え、
前記第1のステップの実行後に、前記第2〜第7のステップを、所定時間間隔で繰り返し行うことで、前記パラメータを実時間上で最適化することを特徴としている。
【0038】
ここで、本発明は、請求項1記載のパラメータ最適化方法を実現するためのプログラムであり、その効果は重複するので記載を省略する。
また、本発明に係る請求項10記載の航走制御装置は、船舶の航走を制御する航走制御装置であって、
前記請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載のパラメータ最適化装置を備え、当該パラメータ最適化装置によって、前記船舶の航走中に、当該船舶の航走制御に係るパラメータを最適化し、当該最適化されたパラメータを用いて前記船舶の航走を制御することを特徴としている。
【0039】
つまり、上記請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載のパラメータ最適化装置を備えた航走制御装置であり、例えば、推進器から出力される各種情報に基づき、姿勢角制御に係る統計モデルを作成し且つ当該モデルのパラメータを最適化し、この最適化されたパラメータを用いて船舶の姿勢角を制御し、船舶の航走状態を制御することが可能である。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1乃至図13は、本発明に係る小型船舶の姿勢角制御に係るパラメータの最適化装置を備える航走制御システムの第1の実施の形態を示す図である。まず、本発明に係る航走制御システムの構成を図1に基づき説明する。図1は、本発明に係る航走制御システムの構成を示すブロック図である。
【0041】
航走制御システム1は、船外機2と、航走制御装置3と、を含んだ構成となっている。
船外機2は、推進力調整装置として電子スロットル弁2aと、姿勢角調整装置としてパワートリム&チルト(以下、PTTと称す)装置2bと、を含んだ構成となっている。
【0042】
航走制御装置3は、定速航走制御部30と、トリム角制御部31と、を含んだ構成となっている。
定速航走制御部30は、所定の入力情報に基づき目標エンジン回転数を算出する目標エンジン回転数算出モジュール30aと、当該算出された目標エンジン回転数に基づき電子スロットル弁開度を算出する電子スロットル弁開度算出モジュール30bと、を含んだ構成となっている。
【0043】
目標エンジン回転数算出モジュール30aは、ファジィ推論システムによって構成されており、速度偏差(現在の速度と目標速度との差)、加速度を入力として目標エンジン回転数変化量を推論し、この推論結果に1つ前の算出処理における目標エンジン回転数を加えて現在の目標エンジン回転数を出力するものである。
電子スロットル弁開度算出モジュール30bは、目標エンジン回転数算出モジュール30aと同様にファジィ推論システムによって構成されており、エンジン回転数偏差(現在のエンジン回転数と目標エンジン回転数との差)とエンジン回転数変化量とを入力として電子スロットル弁開度変化量を推論し、この推論結果に1つ前の算出処理における電子スロットル弁開度を加えて現在の電子スロットル弁開度として出力するものである。ここで、ファジィ推論システムのファジィテーブルは、熟練者の操船知識を基に設計され、且つ、推論法には簡略型推論法を用いており、この方法におけるファジィルールは実数値で表される。
【0044】
トリム角制御部31は、トリム角の評価値を算出する評価値算出モジュール31aと、少なくともトリム角を含む動作情報及び評価値を、両者を対応付けて記憶する情報記憶部31bと、情報記憶部31bに記憶された評価値を被説明変数、少なくともトリム角を含む動作情報を説明変数として統計モデルを作成する統計モデル作成モジュール31cと、前記統計モデルから目標トリム角を算出する目標トリム角算出モジュール31dと、を含んだ構成となっている。
【0045】
評価値算出モジュール31aは、艇体の燃料タンクから船外機2の燃料噴射装置に至る燃料経路中に挿入された燃料流量計にて計測された燃料消費量と、速度計にて計測された速度から算出した移動距離から燃料消費率を算出し、これをトリム角の評価値として出力するものである。
情報記憶部31bは、トリム角と、その時の燃料消費率と、を対応付けて記憶するものである。
【0046】
統計モデル作成モジュール31cは、情報記憶媒部31bに記憶された燃料消費率を被説明変数、トリム角を説明変数として、予め与えられた回帰式の偏回帰係数をLTS推定法を用いて推定し、この推定結果に基づき統計モデルを作成するものである。
目標トリム角算出モジュール31dは、統計モデル作成モジュール31cにより作成された統計モデルを用いて目標姿勢角を算出するものである。
【0047】
統計モデル記憶部31eは、作成された統計モデルのパラメータを記憶するものである。
更に、図2乃至図5に基づき、航走制御システム1の具体的な動作を説明する。
図2は、目標エンジン回転数算出モジュール30aにおいて目標エンジン回転数を算出するためのファジィルールの説明図であり、図3は、電子スロットル弁開度算出モジュール30bにおいて電子スロットル弁開度を算出するためのファジィルールの説明図であり、図4は、評価値算出モジュール31a、情報記憶部31b及び統計モデル作成モジュール31c間のデータの流れを示す図であり、図5は、燃料消費率とトリム角との関係を示す図である。
【0048】
本発明の第1の実施の形態として、本システム1を電子スロットル弁装置を有する船外機を備えた船舶に適用し、使用者の設定した速度での定速航走中に船外機トリム角(以下トリム角という)の制御を実施した場合を説明する。
まず、使用者は目標速度の設定を行う。目標速度は使用者が決定した任意の値を入力しても良いし、また、メーカが出荷段階で用意した複数の値の中から選択しても良い。目標速度が設定されると、次に、この速度に基づき目標エンジン回転数の初期値が設定されることになる。例えば、現在の船舶の航走速度が目標速度付近であるときは、現在のエンジン回転数が目標エンジン回転数として設定され、一方、現在の船舶の航走速度が目標速度付近でないときは、予め設定された目標エンジン回転数の初期値を用いる。ここで、目標エンジン回転数の初期値は、使用者が決定した任意の値を入力しても良いし、また、メーカが出荷段階で用意した複数の値の中から選択しても良い。
【0049】
目標エンジン回転数の初期値設定後は、実際の船舶の航走状態に応じて、図2に示すファジィルールに基づき、そのときの航走速度に応じた目標エンジン回転数を算出することになる。つまり、図2(a)に示すメンバシップ関数から速度偏差及び加速度の推論値を求め、これを図2(b)のファジィルールに当てはめて重みの平均を求め目標エンジン回転数の変化量を算出する。メンバシップ関数の速度偏差(目標速度と実際の速度との差)は、実際の速度の検出値から求め、加速度は算出された速度を演算して求める。図2(a)に示すように、速度偏差及び加速度に応じてメンバシップ関数から、プラス側の大小(PL、PS)及びマイナス側の大小(NL、NS)に対応した4つの値が求まり、これらを図2(b)に示すファジィルールに対応する4つの値に重み付けして平均値を算出する。これにより、目標エンジン回転数の変化量が求められる。そして、この変化量を現在の目標エンジン回転数に加えることで、新たな目標エンジン回転数が求まる。
【0050】
更に、目標エンジン回転数算出モジュール30aは、目標エンジン回転数を、電子スロットル弁開度算出モジュール30bに対して出力し、当該電子スロットル弁開度算出モジュール30bは、入力された目標エンジン回転数に基づきスロットル弁開度を算出する。ここで、電子スロットル弁開度算出モジュール30bも、目標エンジン回転数算出モジュール30aと同様にファジィ推論システムにより電子スロットル弁開度を算出する。つまり、目標エンジン回転数算出モジュール30aから目標エンジン回転数を取得すると、図3(a)に示すメンバシップ関数に基づき、エンジン回転数の検出値からエンジン回転数偏差の推論値を求め、また、エンジン回転数の変化量は、エンジン回転数の検出値から演算により求める。つまり、上記図2と同様に、メンバシップ関数の値から、図3(b)のファジィルールの重み付けによる演算処理を行って電子スロットル弁開度の変化量が求められる。この変化量を電子スロットル弁開度に加えることで、新たな電子スロットル弁開度が求まる。
【0051】
このようにして新たな電子スロットル弁開度が算出されると、定速航走制御部30は、この算出された新たな電子スロットル弁開度に一致するように電子スロットル弁装置2aの制御を行う。
本実施の形態においては、トリム角は「−5°〜8°」の範囲で制御されることとする。
【0052】
トリム角は、通常、使用者のトリムスイッチへの入力により操作されるが、定速航走中にトリム角制御を選択するとトリム角制御が開始される。
トリム角制御が開始されると、まず、トリム角制御部31は、初期トリム角が「−5°」となるようにPTT装置2bを制御する。これと同時に、評価値算出モジュール31aは、一定時間の燃料消費率の算出をおこなう。具体的には、例えば、20秒間の平均速度より算出した20秒間に進んだ距離を、図示しない燃料流量計により計測した20秒間の燃料消費量で割ることにより求められる。そして、図4に示すように、求められた評価値(トリム角と燃料消費率との組(以下サンプル値という))は、逐次、情報記憶部31bに記憶される。
【0053】
本実施の形態では、以後「2°」刻みに「−3°」、「−1°」、「1°」まで、これら4つのトリム角における燃料消費率のサンプル値を初期サンプル値として取得する。
次に、図4(a)に示すように初期サンプル値が獲得されると、図4(b)に示すように統計モデル作成モジュール31cは、サンプル値の燃料消費量を被説明変数y、トリム角を説明変数tとして、予め与えられた以下の式(5)に示す2次多項式の偏回帰係数β0、β1、β2を口バスト推定法の一つである最小二乗トリム(LTS)推定法により推定する。
【0054】
y=β0+β1×t+β2×t ………(5)
本実施の形態で用いるLTS推定法では、LTS基準として以下の式(6)を用いる。ここで、式(6)における、iはn個の残差r=(y−yhatの小さい方からの順番を示し、hは0.8n(小数点以下切り上げ)とする。
【0055】
【数4】
Figure 2004334714
【0056】
更に、本実施の形態ではLTS推定法の解法として実数値遺伝的アルゴリズム(以下、実数値GAという)を用いる。実数値GAは、偏回帰係数β0、β1、β2を個体の遺伝子とし、LTS基準を適応度関数として、適応度関数を最小にする個体を探索する。実数値GAのパラメータを以下に示す。
・個体群サイズ:50
・選択手法:最良個体+ランダムに1個体
・世代交代モデル:最小世代間ギャップ(Minima1 Generation Gap:MGG)モデル
・家族個体群サイズ:20
・交叉手法:単峰性正規分布交叉(Unimoda1 Norma1 Distribution Crossover:UNDX)
そして、目標トリム角算出モジュール31dは、得られた2次多項式を−5≦t≦8の範囲で最大のyを与えるtを求め、それを目標トリム角Ttとして出力する。
【0057】
このようにして新たな目標トリム角が算出されると、トリム角制御部31は、この算出された新たな目標トリム角に一致するようにPTT装置2bの制御を行う。
更に、再び評価値算出モジュール31aは、目標トリム角Ttによって燃料消費率を算出し、統計モデル作成モジュール31cは、新たなサンプル値を獲得して、再び上記手順を繰り返して新たな統計モデルを作成する。このようにして、逐次、上記した式(5)の多項式を更新していき、目標トリム角算出モジュール31dにおいて算出される目標トリム角が変化しなくなった時点で最適化を終了する。
【0058】
ここで、一般に、サンプル値から統計モデルを作成し、統計モデル上で最適化を行う方法は応答曲面法と呼ばれ、サンプル値を効率よく得るためにモンテカルロ法や実験計画法が用いられる。具体的には、サンプル値が得られる範囲を覆うようにランダムサンプリング、もしくは実験計画法に基づく方法(例えば、ラテン方格や直交計画)を用いてサンプリングを行う。しかしながら、本実施の形態ではトリム角という船体抵抗を調整するパラメータを最適化することを目的としているために、これを急激に変化させることは船外機の負荷や操舵特性が急激な変化を引き起こす原因となり、使用者に不安を与えてしまう可能性がある。
【0059】
これを避けるために、本実施の形態では、上記したようにまず最初に最も安定性の高いフルトリムイン付近で初期サンプル値を獲得する。具体的には、例えば、最適化開始時の初期目標トリム角度として−5°にセットし、以後2°刻みに−3°、一1°、1°まで4つのサンプル値を取得するようにサンプル値の取得範囲を設定する。そして、これら4つのサンプル値を取得した時点で多項式回帰方程式を推定する。こうすることで、不用意にトリム角を上昇させることなく最適値を算出することが出来る。
【0060】
また、トリム角の変化量に限度を設けている。具体的には、例えば、トリム角の1回の変化量の限度を±2°として、図5(a)に示されるように、現在のトリム角と統計モデルから算出される目標トリム角の差が変化量の限度を超えない場合はそのまま目標トリム角を出力する。一方、図5(b)に示されるように、変化量の限度を超える場合は限度として設定した値を新たな目標トリム角として出力する。こうすることで、トリム角を急激に変化させることがないので、使用者に上記したような不安を与えることが無くなる。
【0061】
本実施の形態においては、上記の手法に加えて、サンプル値を効率よく得るための手法として、最適値付近での確率的なサンプル値の収集と、過去の統計モデルを利用した初期サンプル値収集範囲の調整を行う。
まず、図7に基づき、最適トリム角付近での確率的なサンプル値の収集について説明する。図7は、目標トリム角Ttがランダムで生成される場合の燃料消費率とトリム角との関係を示す図である。
【0062】
図7に示されるように、現在のトリム角Tと最適トリム角Tbが一致した場合、±1°の確率的な摂動を加えたものを目標トリム角Ttとして出力する。このようにすることで、最適トリム角付近での効率の良いサンプル値収集が可能となり、統計モデルの精度が向上する。
次に、図8に基づき、過去の統計モデルを利用した初期サンプル値収集範囲の調整について説明する。図8は、過去の統計モデルを利用した場合の燃料消費率とトリム角との関係を示す図である。
【0063】
図8に示されるように、1回目の最適化における初期サンプリング範囲は、上述したように予め定められたものを使用する。この1回目の最適化で得られた統計モデルの偏回帰係数は、統計モデル記憶部31eに記憶される。2回目以降の最適化における初期サンプリング範囲は、統計モデル記憶部31eに記憶された統計モデルの最適解を得るトリム角を若干越えるように初期サンプリング範囲を定め、必要なサンプル数が得られるように等間隔にトリム角を設定する。
【0064】
また、例えば、過去に得られた複数の統計モデルの偏回帰係数から平均値を算出し、この平均値を偏回帰係数とした統計モデルの最適解を得るトリム角を若干越えるように初期サンプリング範囲を定め、必要なサンプル数が得られるように等間隔にトリム角を設定してもよい。こうすることにより、サンプル値に加わるノイズが大きく、個々の統計モデルがばらついている場合でも安定して初期サンプリング範囲を定めることが可能となる。
【0065】
以上の操作を繰り返すことによって、外乱が加わる環境に置いても少ないサンプル数で最適なトリム角を選択することが可能となる。
更に、図9に基づき、定速航走制御部30における動作処理の流れを説明する。図9は、定速航走制御部30における動作処理を示すフローチャートである。
図9に示すように、まずステップS100に移行し、目標速度の設定を行いステップS102に移行する。
【0066】
ここで、目標速度は、上記したように、使用者が決定した任意の値を入力しても良く、また、メーカが出荷段階で用意した複数の値の中から選択しても良い。
ステップS102では、目標エンジン回転数の初期値を設定してステップS104に移行する。
ここで、目標エンジン回転数の初期値は、上記したように、使用者が決定した任意の値を入力しても良く、また、メーカが出荷段階で用意した複数の値の中から選択しても良い。
【0067】
ステップS104では、目標エンジン回転数算出モジュール30aによって、上記したようにファジィ推論システムを用いて、目標エンジン回転数を算出して、算出結果を電子スロットル弁開度算出モジュール30bに入力してステップS106に移行する。
ステップS106では、電子スロットル弁開度算出モジュール30bによって、前記入力された目標エンジン回転数に基づき、上記したように、ファジィ推論システムを用いて目標エンジン回転数に応じた電子スロットル弁開度を算出して、ステップS108に移行する。
【0068】
ステップS108では、定速航走制御部30によって、算出された電子スロットル弁開度に基づき船外機2の電子スロットル弁装置2aを制御してステップS110に移行する。
ステップS110では、航走制御がOFFになっているか否かを判定し、OFFになっていると判定された場合(Yes)はステップS112に移行し、そうでない場合(No)はステップS104に移行する。
【0069】
ステップS112に移行した場合は、スロットル開度を検出して処理を終了する。
更に、図10に基づき、トリム角制御部31の動作処理の流れを説明する。図10は、トリム角制御部31の動作処理を示すフローチャートである。
図10に示すように、まずステップS200に移行し、初期の目標トリム角Tt=−5°と設定してステップS202に移行する。
【0070】
ステップS202では、過去の統計モデル情報が統計モデル記憶部31eに存在するか否かを判定し、存在しない場合(No)はステップS204に移行し、存在する場合(Yes)はステップS206に移行する。
ステップS204に移行した場合は、初期サンプリング範囲の上限Tu=1°と設定してステップS212に移行する。
【0071】
一方、ステップS206に移行した場合は、統計モデル記憶部31eから過去の統計モデル情報として偏回帰係数β0、β1、β2の読み込みを行い、ステップS208に移行する。
ステップS208では、偏回帰係数β0、β1、β2の2次多項式の最適値Tbを探索してステップS210に移行する。
【0072】
ステップS210では、Tu=Tb+2°と設定してステップS212に移行する。
ステップS212では、現在のトリム角Tが目標トリム角Ttに一致するようにPTT装置2bの制御を行い、ステップS214に移行する。
ステップS214では、20秒間に進んだ距離とその間の燃料消費量に基づいて評価値算出モジュール31aによって燃料消費量を算出し、これを情報記憶部31bに記憶してステップS216に移行する。
【0073】
ステップS216では、現在のトリム角TがTuに達したか否かを判定し、達していない場合(No)はステップS218に移行し。達した場合(Yes)はステップS220に移行する。
ステップS218に移行した場合は、Tt=Tt+2°と設定してステップS212に移行する。
【0074】
一方、ステップS220に移行した場合は、情報記憶部31bに記憶されたサンプル値に基づいて統計モデル作成モジュール31cによって統計モデルを作成し、ステップS222に移行する。
ステップS222では、作成された統計モデルを目標トリム角算出モジュール31dによって最適化を行ない、最適な評価値を得るトリム角を目標トリム角として算出し、ステップS224に移行する。
【0075】
ステップS224では、サンプル値が既に10個以上獲得されているか否かを判定し、獲得されていない場合(No)はステップS226に移行し、獲得されている場合(Yes)はステップS230に移行する。
ステップS226に移行した場合は、現在のトリム角Tが目標トリム角Ttに一致するようにPTT装置2bの制御を行い、ステップS228に移行する。
【0076】
ステップS228では、20秒間に進んだ距離とその間の燃料消費量に基づいて評価値算出モジュール31aによって燃料消費量を算出し、これを情報記憶部31bに記憶してステップS220に移行する。
また、ステップS230に移行した場合は、現在のTtが前回のTtと一致しているか否かを判定し、一致していない場合(No)はステップS226に移行し、一致している場合(Yes)はステップS232に移行する。
【0077】
ステップS232に移行した場合は、現在のトリム角Tが目標トリム角Ttに一致するようにPTT装置2bの制御を行い、処理を終了する。
更に、図11に基づき、評価値算出モジュール31aの動作処理の流れを説明する。図11は、評価値算出モジュール31aの動作処理を示すフローチャートである。
【0078】
図11に示すように、まずステップS300に移行し、燃料流量計によって計測された20秒間の燃料消費量Fを取得してステップS302に移行する。
ステップS302では、船外機2から取得した速度に基づく20秒間の平均速度から20秒間の移動距離Dを算出してステップS304に移行する。
ここで、本実施の形態において、上記したステップS300及びステップS302の処理は、並行して行われることとする。
【0079】
ステップS304では、燃料消費量F及び移動距離Dに基づき下記に示す式(3)に従い燃料消費率Fcを算出してステップS306に移行する。
Fc=D/F ………(7)
ステップS306では、現在のトリム角Tと燃料消費率Fcを情報記憶部31bに格納して処理を終了する。
【0080】
更に、図12に基づき、統計モデル作成モジュール31cの動作処理の流れを説明する。図12は、統計モデル作成モジュール31cの動作処理を示すフローチャートである。
図12に示すように、まずステップS400に移行し、情報記憶部31bからサンプル値の読み込みを行いステップS402に移行する。
【0081】
ステップS402では、最小二乗基準に基づいて、最急降下法による2次多項式モデル(上記式(5))の偏回帰係数β0、β1、β2の推定を行いステップS404に移行する。
ステップS404では、得られた統計モデル情報である偏回帰係数β0、β1、β2を目標トリム角算出モジュール31dに出力して処理を終了する。
【0082】
更に、図13に基づき、目標トリム角算出モジュール31dの動作処理の流れを説明する。図13は、目標トリム角算出モジュール31dの動作処理を示すフローチャートである。
図13に示すように、まずステップS500に移行し、統計モデル作成モジュール31cから偏回帰係数β0、β1、β2を取得してステップS502に移行する。
【0083】
ステップS502では、偏回帰係数β0、β1、β2の2次多項式の最適解Tbを探索してステップS504に移行する。
ステップS504では、上記得られたTbと現在のトリム角Tとの差を算出し、且つ、「−2°<T−Tb<2°」が真か偽かを判定し、真の場合(Yes)はステップS506に移行し、偽の場合(No)はステップS508に移行する。
【0084】
ステップS506に移行した場合は、上記得られたTbを目標トリム角Ttとして出力して処理を終了する。
一方、ステップS508に移行した場合は、「T−Tb>2°」ならば「Tt=T+2°」として出力し、「T−Tb<−2°」ならば「Tt=T−2°」として目標トリム角Ttを出力して処理を終了する。
【0085】
以上、小型船舶の航走中において、評価値算出モジュール31aにおいて、トリム角と燃料消費率を取得し、当該取得したデータから評価値を算出し、統計モデル作成モジュール31cにおいて、算出された評価値及びトリム角から統計モデルを生成し、目標トリム角算出モジュール31dにおいて、前記生成された統計モデルを用いて艇体に対する船外機2の最適なトリム角を算出することが可能である。
【0086】
更に、図14乃至図22に基づき、本発明の第2の実施の形態として、本システム1を、電子スロットル弁装置を有する船外機を備えた船舶に適用し、使用者の設定した速度での定速航走制御における、エンジン回転数制御特性の最適化を実施した場合の動作を説明する。図14は、第2の実施の形態における航走制御システムの構成を示すブロック図であり、図15(a)は、エンジン回転数の変化量を求めるためのメンバシップ関数を示す図であり、図15(b)は、電子スロットル弁開度の変化量を求めるためのファジイルールを示す図である。
【0087】
定速航走制御については、基本的に上記した第1の実施の形態と同様であるので全体の説明は省略するが、以下の点が異なる。
航走制御装置5は、定速航走制御部50と、規格化係数最適化部51と、を含んだ構成となっている。
低速航走制御部50は、目標エンジン回転数算出モジュール50aと、電子スロットル弁開度算出モジュール50bと、を含んだ構成となっている。
【0088】
電子スロットル弁開度算出モジュール50bは、目標エンジン回転数算出モジュール50aから目標エンジン回転数を取得すると、図15(a)に示す基本メンバシップ関数にそれぞれ規格化係数s1、s2を乗じたものを新たなメンバシップ関数とし、これに基づき、エンジン回転数の検出値からエンジン回転数偏差の推論値を求める。また、エンジン回転数の変化量は、エンジン回転数の検出値から演算により求める。メンバシップ関数の値から、図15(b)の基本ファジィルールに対して規格化係数s3を乗じたものを新たなファジィルールとし、これに基づき、重み付けによる演算処理を行うことで電子スロットル弁開度の変化量を求める。この変化量を電子スロットル弁開度に加えることで、新たな電子スロットル弁開度が求まる。
【0089】
本実施の形態においては、規格化係数は0.5〜2.0の範囲で調整される。
定速航走制御を開始すると規格化係数の最適化が開始される。
規格化係数の最適化が開始されると、まず、規格化係数最適化部51は、基準規格化係数ベクトルSsを、Ss=[1 1 1]と設定する。一方、評価値算出モジュール51aは、一定時間のエンジン回転数制御評価値の算出を行う。具体的には、例えば、以下に示す式(8)を用いる。
【0090】
(評価値)=(1分間の平均エンジン回転数偏差)+(1分間の平均エンジン回転数変動)………(8)
ここで、エンジン回転数制御特性に対する最適な規格化係数は、制御対象によって変化する。具体的には、艇体の変更に伴う抵抗変化によってエンジン回転数制御の評価関数の景観が変化し、これに伴って最適な規格化係数の位置が変化する。ここで、図22は、艇体の大きさ毎に後件部メンバシップ関数の規格化係数を変化させた場合の評価関数の景観を描いたものである(このほかにも前件部メンバシップ関数の規格化係数2つを変化させた場合も同様に考えられるが、ここでは簡単のため省略する)。この図によれば、小型の艇体では追従性よりも変動の悪化を押さえるために規格化係数を小さくすると適応度が良くなり、大型の挺体では艇体の受ける抵抗が大きくなるために、変動よりも追従性の悪化を押さえるために規格化係数を大きくすると適応度が良くなることがわかる。
【0091】
上記の例は、形状が同じタイプである場合について述べたものであるが、例えば、全長が同じ艇体でも高速移動を目的としたパスポートと安定性を重視した和船とでは艇体の受ける抵抗が大きく異なる。この例のように、艇体の種類が違っている場合についても同様の問題が生じる。世界中には数多くの艇体メーカが存在し、また、地域や用途によって使われ方が異なるために、事前に制御対象を想定して最適な規格化係数を設定することは困難であり、実際の航走中に実時間上で最適化を行う必要がある。
【0092】
求められた規格化係数ベクトルとエンジン回転数制御評価値の組(以下サンプル値という)は逐次、情報記憶部51bに記憶される。
本実施の形態では、更に、ベクトルSsの各要素に対して±0.2の範囲でランダムに決定された11個の規格化係数ベクトルとその評価値を初期サンプル値として取得する。
【0093】
次に、初期サンプル値が獲得されると、統計モデル作成モジュール51cは、サンプル値のエンジン回転数制御評価値を被説明変数y、規格化係数を説明変数ベクトルS(S=[s1 s2 s3])として、以下の式(9)に示す、予め与えられた3変数2次多項式の偏回帰係数β0〜β9を口バスト推定法の一つである最小二乗トリム(LTS)推定法により推定する。
【0094】
y=β0+β1×s1+β2×s2+β3×s3+β2×s1×s2+β2×s1×s3+β2×s2×s3+β7×s1+β8×s2+β9×s3………(9)
ここで、LTS推定法及びこれを用いた解法については上記した第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
以下、実数値GAのパラメータを以下に示す。
・個体群サイズ:50
・選択手法:最良個体+ランダムに1個体
・世代交代モデル:最小世代間ギャップ(Minima1Generation Gap:MGG)モデル
・家族個体群サイズ:50
・交叉手法:単峰性正規分布交叉(Un1moda1 Norma1 Distribution Crossover:UNDX)
そして、規格化係数算出モジュール51dは、得られた2次多項式を0.5≦t≦2の範囲で最大のyを与える最適な規格化係数Sbを求め、出力する。
【0095】
このようにして新たな規格化係数が算出されると、定速航走制御部50は、この算出された新たな規格化係数を用いて定速航走制御を行う。
更に、再び評価値算出モジュール51aは、規格化係数Sによってエンジン回転数制御評価値を算出し、統計モデル作成モジュール51cは、新たなサンプル値を獲得して、再び上記手順を繰り返して新たな統計モデルを生成する。このようにして、逐次上記した式(9)の多項式を更新していき、サンプル値が20個を超え、かつ規格化係数算出モジュール51dにて算出される規格化係数が変化しなくなった時点で最適化を終了する。
【0096】
本実施の形態も上記第1の実施の形態と同様に、規格化係数という電子スロットル制御の入出力を調整するパラメータを最適化することを目的としているために、これを急激に変化させることは操舵特性が急激な変化を引き起こす原因となり、使用者に不安を与えてしまう可能性がある。
これを避けるために、本実施の形態では上記したように、まず初めに最も平均的な規格化係数の周辺で初期サンプル値を獲得する(これは、規格化係数が大きすぎる場合はハンチングが起こって乗りごこちが悪化し、小さすぎる場合は追従性が悪化するためである)。具体的には、例えば、最適化開始時の基準規格化係数ベクトルとして[1 1 1]を設定し、各要素±0.2の範囲でランダムにサンプル値を取得出来るように取得範囲を設定する。そして、11個のサンプル値を取得した時点で3変数2次多項式の偏回帰係数を推定する。こうすることで、不用意に規格化係数を変化させることなく最適値を算出することが出来る。
【0097】
また、規格化係数の変化量に限度を設けている。具体的な例を、図16に基づき説明する。図16は、規格化係数の変化量に限度を設けた場合の規格化係数1と規格化係数2との関係を示す図である。
図16(a)に示されるように、規格化係数の1回の変化量の限度を各要素±0.2として、現在の規格化係数と応答曲面から算出される目標規格化係数との差が変化量の限度を超えない場合はそのまま目標規格化係数を出力する。一方、図16(b)に示されるように、変化量の限度を超える場合は限度を新たな規格化係数として出力する。こうすることで、規格化係数を急激に変化させることがないので、使用者に不安を与えることが無くなる。
【0098】
本実施の形態においても、上記の手法に加えて、サンプル値を効率よく得るための手法として、最適値付近での確率的なサンプル値の収集と、過去の統計モデルを利用した初期サンプル値収集範囲の調整を行う。
図17に基づき、初期サンプル値収集範囲の調整処理の一例を説明する。図17は、初期サンプル値収集範囲の調整した場合の規格化係数1と規格化係数2との関係の一例を示す図である。
【0099】
まず、最適な規格化係数付近での確率的なサンプル値の収集について説明する。図17に示されるように、現在の規格化係数Sと最適な規格化係数Sbが一致した場合、Sの各要素に±0.1の確率的な摂動を加えたものを新たな規格化係数Sとして出力する。このようにすることで、最適規格化係数付近での効率の良いサンプル値収集が可能となり、統計モデルの精度が向上する。
【0100】
過去の統計モデルを利用した初期サンプル値収集範囲の調整については上記第1の実施の形態と同様となるので説明を省略する(図18参照)。
以上の操作を繰り返すことによって、外乱が加わる環境においても少ないサンプル数で最適な規格化係数を選択することが可能となる。
更に、図19に基づき、規格化係数最適化部51の動作処理の流れを説明する。図19は、規格化係数最適化部51の動作処理を示すフローチャートである。
【0101】
図19に示すように、まずステップS600に移行し、基準規格化係数ベクトルSsをSs=[1 1 1]と設定してステップS602に移行する。
ステップS602では、過去の統計モデル情報が統計モデル記憶部51eに存在するか否かを判定し、存在すると判定された場合(Yes)はステップS604に移行し、存在しないと判定された場合(No)はステップS610に移行する。
【0102】
ステップS604に移行した場合は、統計モデル記憶部51eから過去の統計モデル情報として偏回帰係数βi(i=0、1、2、…、9)の読み込みを行い、ステップS606に移行する。
ステップS606では、読み込んだ偏回帰係数を持つ3変数2次多項式の最適値Sbを探索してステップS608に移行する。
【0103】
ステップS608では、Ss=Sbと設定してステップS610に移行する。
また、ステップS610に移行した場合は、1分間の平均エンジン回転数偏差と平均エンジン回転数変動とに基づいて評価値を算出し、これを情報記憶部51bに記憶してステップS612に移行する。
ステップS612では、初期サンプル値の個数が12個に達したか否かを判定し、達していない場合(No)はステップS614に移行し、達した場合(Yes)はステップS616に移行する。
【0104】
ステップS614に移行した場合は、Ssの各要素に±0.2の一様乱数を加えたものを新たな規格化係数Sとして出力し、ステップS610に移行する。
一方、ステップS616に移行した場合は、情報記憶部51bに記憶されたサンプル値に基づいて統計モデル作成モジュール51cよって統計モデルを作成し、ステップS618に移行する。
【0105】
ステップS618では、作成された統計モデルに対して規格化係数算出モジュール51dによって最適化を行い、最適な評価値を得る規格化係数を新たな規格化係数として算出し、ステップS620に移行する。
ステップS620では、サンプル値が既に20個以上獲得されているか否かを判定し、獲得されていない場合(No)はステップS622に移行し、獲得されている場合(Yes)はステップS624に移行する。
【0106】
ステップS622に移行した場合は、1分間の平均エンジン回転数偏差と平均エンジン回転数変動とに基づいて評価値を算出し、これを情報記憶部51bに記憶してステップS616に移行する。
一方、ステップS624に移行した場合は、現在の規格化係数Sが前回の規格化係数Sと一致しているか否かを判定し、一致していない場合(No)はステップS622に移行し、一致している場合(Yes)は処理を終了する。
【0107】
更に、図20に基づき、評価値算出モジュール51aの動作処理の流れを説明する。図20は、評価値算出モジュール51aの動作処理を示すフローチャートである。
図20に示すように、まずステップS700に移行し、1分間の平均エンジン回転数偏差Edを計測してステップS702に移行する。
【0108】
ステップS702では、1分間の平均エンジン回転数変化量Evを計測してステップS704に移行する。
ここで、本実施の形態において、上記したステップS700及びステップS702の処理は、並行して行われることとする。
ステップS704では、上記計測されたEd及びEvから評価値Eを以下に示す式(10)に従い算出してステップS706に移行する。
【0109】
E=Ed+Ev………(10)
ステップS706では、現在の規格化係数ベクトルSと評価値Eとを情報記憶部51bに格納して処理を終了する。
更に、図21に基づき、規格化係数算出モジュール51dの動作処理の流れを説明する。図21は、規格化係数算出モジュール51dの動作処理を示すフローチャートである。
【0110】
図21に示すように、まずステップS800に移行し、統計モデル作成モジュール51cから偏回帰係数βi( i=0、1、…、9)の読み込みを行い、ステップS802に移行する。
ステップS802では、3変数2次多項式の最適値Sbを探索してステップS804に移行する。
【0111】
ステップS804では、得られた最適値Sbと現在の規格化係数Sとの差を算出し、要素si(i=1、2、3)について−0.2<si−sbi<0.2が真か偽かを判定し、真の場合(Yes)はステップS806に移行し、偽の場合(No)はステップS808に移行する。
ステップS806に移行した場合は、最適値Sbを規格化係数Sとして出力して処理を終了する。
【0112】
一方、ステップS808に移行した場合は、要素siを、si−sbi<−0.2ならばsi=si−0.2として出力し、−0.2≦si−sbi≦0.2ならばsi=sbiとして出力し、si−sbi>0.2ならばsi=si+0.2として出力して処理を終了する。
以上、小型船舶の航走中において、エンジン回転数制御評価値を被説明変数y、規格化係数を説明変数ベクトルS(S=[s1 s2 s3])として、上記式(9)に示す、予め与えられた3変数2次多項式の偏回帰係数β0〜β9を口バスト推定法の一つである最小二乗トリム(LTS)推定法により推定して統計モデルを生成し、当該生成された統計モデルを用いて定速航走制御行うことが可能である。
【0113】
ここで、図1に示す、評価値算出モジュール31aにおける最も安定性の高いフルトリムイン付近で初期サンプル値を獲得するための取得範囲の設定処理は、請求項5及び請求項6記載の取得範囲設定手段に対応し、評価値算出モジュール31aにおける燃料消費量及び速度の取得処理は、請求項5記載の動作情報取得手段に対応し、評価値算出モジュール31aにおける評価値の算出処理は、請求項5記載の評価値算出手段に対応し、統計モデル作成モジュール31cは、請求項5、7及び8記載の統計モデル作成手段に対応し、目標トリム角算出モジュール31dは、請求項5記載の推定値算出手段に対応し、統計モデル記憶部31eは、請求項5記載の統計モデル記憶手段に対応し、図14に示す、評価値算出モジュール51aにおける最適化開始時の基準規格化係数ベクトルとして[1 11]を設定し、各要素±0.2の範囲でランダムにサンプル値を取得するための取得範囲の設定処理は、請求項5及び請求項6記載の取得範囲設定手段に対応し、評価値算出モジュール51aにおける規格化係数ベクトルとエンジン回転数制御評価値の取得処理は、請求項5記載の動作情報取得手段に対応し、評価値算出モジュール51aにおける評価値の算出処理は、請求項5記載の評価値算出手段に対応し、統計モデル作成モジュール51cは、請求項5、7及び8記載の統計モデル作成手段に対応し、規格化係数算出モジュール51dは、請求項5記載の推定値算出手段に対応し、統計モデル記憶部51eは、請求項5記載の統計モデル記憶手段に対応する。
【0114】
なお、上記実施の形態では、統計モデルの構造として2次多項式を予め定めて用いたが、統計モデル作成モジュール31c又は51cが統計モデルの構造を決定しても良い。例えば、統計モデルのサンプル値への当てはまりの良さを表す指標として、赤池の統計量基準AIC(Akaike Infomation Criterion)に代表される統計量基準がある。AICは最尤推定されるモデルの自由度をFとすると以下に示す式(8)で表される。
【0115】
AIC=−2(最大対数尤度)+2F ………(11)
このAICが小さいほど、サンプル値への当てはまりが良い統計モデルと判断される。従って、与えられたサンプル値に対して複数の統計モデル(例えば、線形式、2次多項式、3次多項式)を作成し、AICが最も小さい統計モデルを採用することで、常に最適な統計モデルを作成することが可能となる。
また、AICの他にも、BIC(Bayesian Information Criteria)、MDL(Minimum Description Length)、Cross Validation、FPE(Final Prediction Error)などの統計モデルを選択する基準がある。
【0116】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るパラメータ最適化装置によれば、過去の統計モデルに基づき、当該統計モデルを作成するための制御対象の動作に係る動作情報の取得範囲を設定し、当該制御対象の動作中に、前記動作情報を計測し、その計測データから統計モデルを作成し、統計モデル上で、制御対象の制御に係る最適なパラメータを算出するようにしたので、制御対象の動作中の外乱の影響を受けずに短時間で最適なパラメータを算出することが可能となる。
【0117】
ここで、本発明に係るパラメータ最適化方法は、上記パラメータ最適化装置により実現されるものであり、その効果は重複するので記載を省略する。
また、本発明に係るパラメータ最適化プログラムは、上記パラメータ最適化装置を制御するためのプログラムであり、その効果は重複するので記載を省略する。
また、本発明に係る航走制御装置は、上記パラメータ最適化装置を備えたものであり、その効果は重複するので記載を省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態の航走制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】目標エンジン回転数算出モジュール30aにおいて目標エンジン回転数を算出するためのファジィルールの説明図である。
【図3】電子スロットル弁開度算出モジュール30bにおいて電子スロットル弁開度を算出するためのファジィルールの説明図である。
【図4】評価値算出モジュール31a、情報記憶部31b及び統計モデル作成モジュール31間のデータの流れを示す図である。
【図5】燃料消費率とトリム角との関係を示す図である。
【図6】ロバスト推定法を用いて2次多項式を推定する一例を示す図である。
【図7】目標トリム角Ttをランダムに生成した際の燃料消費率とトリム角との関係を示す図である。
【図8】初期サンプル値を獲得する範囲を、過去の統計モデルを利用して調整する一例を示す図である。
【図9】定速航走制御部30における動作処理を示すフローチャートである。
【図10】トリム角制御部31の動作処理を示すフローチャートである。
【図11】評価値算出モジュール31aの動作処理を示すフローチャートである。
【図12】統計モデル作成モジュール31cの動作処理を示すフローチャートである。
【図13】目標トリム角算出モジュール31dの動作処理を示すフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態における航走制御システムの構成を示すブロック図である。
【図15】(a)は、エンジン回転数の変化量を求めるためのメンバシップ関数を示す図であり、(b)は、電子スロットル弁開度の変化量を求めるためのファジイルールを示す図である。
【図16】規格化係数の変化量に限度を設けた場合の規格化係数1と規格化係数2との関係を示す図である。
【図17】初期サンプル値収集範囲の調整した場合の規格化係数1と規格化係数2との関係の一例を示す図である。
【図18】初期サンプル値を獲得する範囲を、過去の統計モデルを利用して調整する一例を示す図である。
【図19】規格化係数最適化部51の動作処理を示すフローチャートである。
【図20】評価値算出モジュール51aの動作処理を示すフローチャートである。
【図21】規格化係数算出モジュール51dの動作処理を示すフローチャートである。
【図22】艇体の大きさ毎に後件部メンバシップ関数の規格化係数を変化させた場合の評価関数の景観を描いたものである。
【符号の説明】
1,4 航走制御システム
2 船外機
2a 電子スロットル弁装置
2b パワーとリム&チルト装置
3,5 航走制御装置
30,50 定速航走制御部
30a,50a 目標エンジン回転数算出モジュール
30b,50b 電子スロットル弁開度算出モジュール
31 トリム角制御部
31a 評価値算出モジュール
31b 情報記憶部
31c 統計モデル作成モジュール
31d 目標トリム角算出モジュール
31e 統計モデル記憶部
51 規格化係数最適化部
51a 評価値算出モジュール
51b 情報記憶部
51c 統計モデル算出モジュール
51d 規格化係数算出モジュール
51e 統計モデル記憶部

Claims (10)

  1. 制御条件が動的に変化する環境下において使用される、所定の制御対象を制御する制御システムの制御処理に係るパラメータを、実時間上で最適化するパラメータ最適化方法であって、
    所定の記憶媒体に記憶されている過去に作成された統計モデルに基づいて、初期の評価値を算出するときの前記制御対象の動作に係る動作情報の取得範囲を設定する第1のステップと、
    現在の環境下における前記動作情報を取得する第2のステップと、
    前記取得した動作情報に基づき、前記制御処理結果を評価するための評価値を算出する第3のステップと、
    当該算出された評価値を被説明変数とし、それに対応する前記動作情報を説明変数として前記統計モデルを作成する第4のステップと、
    当該作成された統計モデルを、前記所定の記憶媒体に記憶する第5のステップと、
    前記記憶された統計モデルに基づき、その最適解となる前記パラメータの推定値を算出する第6のステップと、
    当該算出されたパラメータの推定値に基づき、前記制御処理に用いられているパラメータを更新する第7のステップと、を備え、
    前記第1のステップの実行後に、前記第2〜第7のステップを、所定時間間隔で繰り返し行うことで、前記パラメータを実時間上で最適化することを特徴とするパラメータ最適化方法。
  2. 前記初期の評価値を算出するときの前記所定の制御範囲を、過去に作成した前記統計モデルの最適解を含むように設定することを特徴とする請求項1記載のパラメータ最適化方法。
  3. 重み付き最小二乗法、又は、ロバスト推定法を用いて前記統計モデルを作成することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパラメータ最適化方法。
  4. 前記ロバスト推定法の解法として、遺伝的アルゴリズムを用いることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のパラメータ最適化方法。
  5. 制御条件が動的に変化する環境下において使用される、所定の制御対象を制御する制御システムの制御処理に係るパラメータを、実時間上で最適化するパラメータ最適化装置であって、
    統計モデル記憶手段によって記憶された過去に作成された統計モデルに基づいて、初期の評価値を算出するときの前記所定の制御対象の動作に係る動作情報の取得範囲を設定する取得範囲設定手段と、
    現在の環境下における前記動作情報を取得する動作情報取得手段と、
    当該動作情報取得手段によって取得した前記動作情報に基づき、前記制御処理結果を評価するための評価値を算出する評価値算出手段と、
    当該評価値算出手段によって算出された評価値を被説明変数とし、それに対応する前記動作情報を説明変数として前記統計モデルを作成する統計モデル作成手段と、
    当該統計モデル作成手段によって作成された統計モデルを記憶する統計モデル記憶手段と、
    当該統計モデル記憶手段によって記憶された前記統計モデルに基づき、その最適解となる前記パラメータの推定値を算出する推定値算出手段と、
    当該推定値算出手段によって算出された前記パラメータの推定値に基づき、前記制御処理に用いられているパラメータを更新するパラメータ更新手段と、を備えることを特徴とするパラメータ最適化装置。
  6. 前記取得範囲設定手段は、前記初期の評価値を算出するときの所定の制御範囲を、過去に作成した前記統計モデルの最適解を含むように設定することを特徴とする請求項5記載のパラメータ最適化装置。
  7. 前記統計モデル作成手段は、重み付き最小二乗法、又は、ロバスト推定法を用いて前記統計モデルを作成することを特徴とする請求項5又は請求項6記載のパラメータ最適化装置。
  8. 前記統計モデル作成手段は、前記ロバスト推定法の解法として、遺伝的アルゴリズムを用いることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載のパラメータ最適化装置。
  9. 制御条件が動的に変化する環境下において使用される、所定の制御対象を制御する制御システムの制御処理に係るパラメータを、実時間上で最適化するためのコンピュータが実行可能なプログラムであって、
    所定の記憶媒体に記憶されている過去に作成された統計モデルに基づいて、初期の評価値を算出するときの前記制御対象の動作に係る動作情報の取得範囲を設定する第1のステップと、
    現在の環境下における前記動作情報を取得する第2のステップと、
    前記取得した動作情報に基づき、前記制御処理結果を評価するための評価値を算出する第3のステップと、
    当該算出された評価値を被説明変数とし、それに対応する前記動作情報を説明変数として前記統計モデルを作成する第4のステップと、
    当該作成された統計モデルを、前記所定の記憶媒体に記憶する第5のステップと、
    前記記憶された統計モデルに基づき、その最適解となる前記パラメータの推定値を算出する第6のステップと、
    当該算出されたパラメータの推定値に基づき、前記制御処理に用いられているパラメータを更新する第7のステップと、を備え、
    前記第1のステップの実行後に、前記第2〜第7のステップを、所定時間間隔で繰り返し行うことで、前記パラメータを実時間上で最適化することを特徴とするパラメータ最適化プログラム。
  10. 船舶の航走を制御する航走制御装置であって、
    前記請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載のパラメータ最適化装置を備え、当該パラメータ最適化装置によって、前記船舶の航走中に、当該船舶の航走制御に係るパラメータを最適化し、当該最適化されたパラメータを用いて前記船舶の航走を制御することを特徴とする航走制御装置。
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