JP2004333637A - シール部材、現像剤容器及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】安定したフィルム強度を確保し、更に引き裂く部分(開封部分)の位置精度を、光硬化加工の遮光位置精度を確保することによって安定した開封精度を確保できるようにすること。
【解決手段】内部に現像剤を収納する現像剤容器の開口部をシールし、開封時に開口部に略平行に引き裂かれるシール部材において、シール部材の表層に光硬化樹脂層を設け、シール部材に設けられた2本の引き裂かれる部分が光硬化されておらず、引き裂かれる部分の少なくとも両側面が光硬化されている。
【選択図】 図1
【解決手段】内部に現像剤を収納する現像剤容器の開口部をシールし、開封時に開口部に略平行に引き裂かれるシール部材において、シール部材の表層に光硬化樹脂層を設け、シール部材に設けられた2本の引き裂かれる部分が光硬化されておらず、引き裂かれる部分の少なくとも両側面が光硬化されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に静電式複写機、プリンタ等の画像形成装置の現像装置に現像剤を供給するために用いられる現像剤シール部材、現像剤収納容器及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真画像形成プロセスを用いた電子写真記録装置においては、電子写真感光体ドラム及び前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式に採用されており、メンテナンスがサービスマンによらずユーザー自身で行うことができるので、操作性が格段によく、画像形成装置において広く用いられている。
【0003】
ところで、前記プロセスカートリッジにおける現像装置は、開口部をシール部材によってシールしたトナー収納容器(以下、トナー容器と称する)と、現像容器とが結合されている。そして前記プロセスカートリッジを使用するときに、前記シール部材を引き抜いて除去し、前記開口を開封し、開封されたトナー容器から現像容器へトナーを供給する。
【0004】
前記シール部材としては、1枚のフィルムでシールし、使用開始時に前記フィルムを剥離して開封するイージーピールフィルムと呼ばれるものと、カバーフィルムとテアテープを一体化し、使用開始時にテアテープをひくことによって前記カバーフィルムを引き裂いて開封するテアテープ系引き裂きシールと呼ばれるものが有るが、引き裂きシール部材はカバーフィルムを引き裂くことによって開封するために、開封強度を小さくすることができることから、近年広く使用されている。
【0005】
又、特開昭59−13262号公報、実開昭63−60164号公報に記載されているように、引き裂きシール部材を用いることも提案されている。
【0006】
又、実開昭63−60164号公報に記載されているように、引き裂き開始部分に切れ目を入れて、開口の位置精度を確保した引き裂きシール部材を用いることも提案されている。
【0007】
更に、本発明者らも特願平10−198780号公報で、開封して開口部を形成するための引き裂き部を有する引き裂きシール部材を用いることも提案を行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術を更に発展させたものであり、引き裂かれる周辺部分を肉厚化又は積層したり(肉厚部及び積層部の膜厚コントロールが比較的難しい)、ハーフカット加工を行ったり(シール部材の1部がダメージを受けるため、シール部材の強度保証が比較的難しい)せず、シール部材の引き裂くべき部分にダメージを与えずに、それ以外の部分と相対的な強度差を生じさせることによって安定したフィルム強度を確保し、更に引き裂く部分(開封部分)の位置精度を、光硬化加工の遮光位置精度を確保することによって安定した開封精度を確保できるものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
主たる本発明は、内部に現像剤を収納する現像剤容器の開口部をシールし、開封時に前記開口部に略平行に引き裂かれるシール部材において、前記シール部材の表層に光硬化樹脂層を設け、前記シール部材に設けられた2本の引き裂かれる部分が光硬化されておらず、引き裂かれる部分の少なくとも両側面が光硬化されていることを特徴とするシール部材。
又、他の主たる本発明は、前記シール部材を用いた現像剤収納容器である。
又、他の主たる本発明は、前記の現像剤容器を備えたプロセスカートリッジである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明に係わる実施の形態として、現像装置を有するプロセスカートリッジを装着可能な電子写真画像形成装置について、図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
〔実施例1〕
{全体構成}
この電子写真画像形成装置Aは、図11に示すように、光学系1から画像情報に基づいたレーザー光像を照射して像担持体である感光体ドラム7に潜像を形成し、次いで、前記潜像をトナーによって現像しトナー像を形成する。そして前記トナー像の形成と同期して、記録媒体2を給紙カセット3aからピックアップローラ3b及び給送ローラ3c、搬送ローラ3d、レジストローラ3e等からなる搬送手段3で搬送する。そしてプロセスカートリッジBの有する前記感光体ドラムに形成したトナー像を、装置Aに設けた転写手段としての転写ローラ4に電圧印加することによって記録媒体2に転写する。そしてその記録媒体2をガイド板3fでガイドして定着手段へと搬送する。この定着手段5は駆動ローラ5a及びヒータ5bを内蔵する定着ローラ5cからなり、通過する記録媒体2に熱及び圧力を印加して転写トナー像を定着する。そしてこの記録媒体2を排出ローラ対3g,3hで搬送し、反転搬送経路を通して排出部6へと排出する。尚、この画像形成装置Aは手差しトレイ3i及びローラ3jによって手差し給送も可能である。
【0012】
一方、前記プロセスカートリッジBは、図12に示すように、感光層を有する感光体ドラム7を回転し、その表面を帯電手段である帯電ローラ8へ電圧印加によって一様に帯電し、前記光学系1からの光像を開口9を介して感光体ドラム7に露光して潜像を形成し、前記潜像を現像手段10によって現像する。
【0013】
前記現像手段10は、トナー収納部としてのトナー溜め内のトナーをトナー送り部材10aの回転によって送り出す。そして固定磁石10bを内蔵した現像ローラ10cを回転させる。これによって、現像ブレード10dによって摩擦帯電電荷を付与したトナー層を現像ローラ10cの表面に形成し、そのトナーを前記潜像に応じて感光体ドラム7へ供給することによってトナー像を形成して可視像化する。そして転写ローラ4に前記トナー像と逆極性の電圧を印加して、前記トナー像を記録媒体2に転写する。その後は、クリーニングブレード11aによって感光体ドラム7に残留したトナーを掻き落とすと共に、スクイシート11bによってすくい取り、廃トナー溜め11cへ集めるクリーニング手段11によって感光体ドラム7上の残留トナーを除去する。
【0014】
尚、前記現像装置のフレームは、トナーを収納するトナー収納容器12aと現像ローラ10c等の現像部材を保持する現像フレーム12bとを溶着して一体的に構成する。そして更に、この一体となった現像装置のフレームに、感光体ドラム7やクリーニングブレード11a及び、帯電ローラ8等を保持するクリーニング容器12cを結合して、カートリッジBを構成する。そして前記プロセスカートリッジBは、装置本体13に設けたカートリッジ装着手段に対して着脱可能に装着される。
【0015】
前記カートリッジ装着手段としては、軸14を中心にして装置本体Aに設けられた開閉部材15を開くと、図13及び図14に示すように、カートリッジ装着スペースの左右内側面にカートリッジ装着ガイド部材16が対向して取り付けてある。そして、この左右ガイド部材16にはプロセスカートリッジBを挿入するときのガイドとなるガイド部16aが対向して設けてある。このガイド部16aに沿ってプロセスカートリッジBを挿入し、開閉部材15を閉じることによってプロセスカートリッジBを画像形成装置Aに装着する。この装着によって感光体ドラム7の長手方向端部に取り付けたドラムギア(図示せず)が装置本体13に設けてある駆動伝達ギアGと噛合して感光体ドラム7へ駆動力が伝達可能となる。
【0016】
{トナー容器と現像フレームの結合構成}
次に現像装置のフレームを構成するトナー容器12aと現像フレーム12bの結合構成について説明する。
【0017】
図3に示すように、トナー収納容器12aは開口部12a1を有する。そして、その開口部12a1の周囲にはフランジ12a2が形成されている。前記開口部12a1は封止部材としての引き裂きシール部材17によって開封可能に封止される。
【0018】
前記引き裂きシール部材17は、図3に示すように開口部12a1を閉塞してフランジ12a2に熱シールされて貼り付けられる封止部としてのカバーシール部17aを有している。また、引き裂きシール部材17は、前記カバーシール部17aから延出している延出部としての引き出し部17bを有している。そして、カバーシール部17aと、引き出し部17bを1枚シートで一体に構成し折り重ねて引き裂きシール部材17として構成している。
【0019】
引き出し部17bはカバーシール部17aを引き裂くのに充分な強度をもっていることが必要である。
【0020】
図3、図4に示すように開口部12a1の周囲のフランジ12a2に、引き裂きシール部材17が貼り付けられている。そして、この引き裂きシール部材17の長手方向両側に、その長手方向に平行に溶着部W2が設けられている。そして現像フレーム12bには前記トナー収納容器12aの溶着部W2に対して超音波溶着される溶着リブ(不図示)が平行して設けられている。従って、トナー収納容器12aと現像フレームとを溶着した後は溶着リブは、引き裂きシール部材17の長手方向両側に位置する。また、トナー収納容器は、その長手方向においてトナー収納容器12aと現像フレーム12b間に隙間を有する。溶着リブは断面三角形の突条である。尚、振動溶着の際、溶着リブの断面は、略四角形になる。トナー収納容器12aと現像フレーム12bの容器間隙間の長手方向における両端部にはこの容器間隙間を閉塞するための、発泡ポリウレタン等の弾性体の容器間(端部)シール部材19,20が現像フレーム12bに設けられている。長手方向の一端側の容器間シール部材20は引き裂きシール部材17の引き出し部17bを間にしてトナー収納容器12aを圧している。
【0021】
ここで、本発明に係わる引き裂きシール部材17の構成について説明する。
【0022】
図1、図2に示すように、引き裂きシール部材17は、トナー容器12aの開口部12a1に沿って略平行に引き裂かれる部分である光遮光部31a1部を備えた光硬化樹脂からなる表層31a、引き裂きシール部材17のフィルム全体の強度を保つためのシール基材層31b、シールクッション層31c、及びシーラント層31からなる。
【0023】
なお、本実施例では設けたシールクッション層31cは構成上必須ではなく、適宜省略した構成でも特に問題なく使用できる。
【0024】
表層31aは、図1に示すように、表層31a側から活性エネルギー線である光(h)にて硬化加工を行う際に、引き裂かれる個所の光遮光部31a1を遮光する遮光部材40にて遮光しながら光硬化加工される。
【0025】
光硬化加工は、引き裂きシール部材17が図2に示すような形状に抜き加工後に行う(枚葉にて加工)場合と、原反ロールのラミネート加工時に同時に光硬化加工を行う(ロールにて加工)のどちらか選択して行うが、量産性においてはロールにて加工した方が好ましい。
【0026】
表層31a1に用いられる光硬化樹脂は、電子線または紫外線を照射することにより硬化される樹脂からなる。
【0027】
その主要構成材料としては、光重合性プレポリマー、光重合性モノマー、光重合開始剤を備え、更に増感剤等も適宜添加されたものを用いるが、シール基材層31bに必要に応じて溶剤を用いて塗布し、光硬化加工して形成する。
【0028】
光重合性プレポリマーは、それ自身の構造及び分子量が大きく硬化に影響し、特に光硬化後の表層31a1及び引き裂きシール部材17全体のフィルム強度に影響する。
【0029】
尚、光遮光部、すなわち光未硬化部は、後述するロール巻き取り時や、ヒートシールバーの踏み付けによって、タック性(=原反ブロッキング)やシールバーとの離型性を考慮し、少なくとも塗布、乾燥後に於いて、フィルムとして取り扱いが容易な程度に分子構造、分子量を選択して用いる。
【0030】
光重合性プレポリマーは、アクリル系プレポリマーが、樹脂骨格中に導入されたアクリロイル基が活性エネルギー線である光(h)によりラジカル重合するため、硬化速度が他のプレポリマーに比較しても樹脂の選択、設計が容易に行うことができ望ましい。
【0031】
光重合性プレポリマーは、ポリエステルアクリレート、メラミンアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート等が使用できるが、ヒートシール耐熱性を備えたポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートが好ましく用いられ、本実施例ではポリエステルアクリレートを用いた。
【0032】
光重合性モノマーは、高粘度である光重合性プレポリマーの粘度低下、更に架橋剤として膜強度付与のために用いられるが、光重合性モノマーの添加量が多すぎた場合、引き裂きシール部材17の原反ロールを巻き取る際に表層31a1が高タック性となり、原反ロールの疑似接着(ブロッキング)する可能性があり、又、光硬化した樹脂層の硬度を少なくとも原反ロールの巻き取りが容易な程度に調整するため、表層31a1である光硬化樹脂層全体に対し1〜10質量%添加し、本実施例では3質量%とした。
【0033】
光重合開始剤は、ラジカル型及びカチオン型光重合開始剤が好ましく用いられ、活性エネルギー線である光(h)によりラジカル重合するための触媒作用を行うが、適量の場合が樹脂層の硬度及び強度が最適となるように、表層31a1である光硬化樹脂層全体に対し1〜10重量%添加し、本実施例ではラジカル型光重合開始剤を4質量%添加した。
【0034】
活性エネルギー線である光(h)は、波長が100nm以下の電子線、または波長が100〜400nmである紫外線を用いるが、電子線はエネルギー量が紫外線よりも大きく、エネルギー過多の場合に引き裂きシール部材17がダメージを受けやすい懸念があり、比較的エネルギーコントロールが難しい傾向があるので、紫外線が比較的容易に用いられる。
【0035】
紫外線は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、更にカーボンアーク灯などを用いることができ、比較的エネルギー制御がし易く、また、光硬化加工時のタクトも表層31a1の厚みが10〜30μm程度であれば数秒で充分光硬化が可能であるため好ましく用いられ、本実施例では層31a1の硬化後の厚みが30μmの光硬化樹脂にメタルハライドランプを用いた。
【0036】
引き裂き部である光遮光部31a1は、遮光部材40にて遮光しながら光硬化加工される。
【0037】
遮光部材40としては、電子線及び紫外線を遮光し、原反ロールをラミネート加工しながら連続的に遮光しても充分な耐候性を備えた材料が望ましく、ニッケルクロム等の金属線が望ましく用いられる。
【0038】
遮光部材40の幅としては、引き裂き部、すなわちトナー容器の開口となる部分であるため、開口の安定した精度確保のため、遮光幅=光遮光部31a1の幅は、加工(遮光)安定性を考慮し、好ましくは10〜500μmが望ましく、更に望ましくは50〜150μmが望ましい。
【0039】
遮光部材40と表層31aとの距離は、遮光が確実に行われ、引き裂き部分への光漏れが無いように、且つ、表層31aと遮光部材40との接触にてフィルムダメージを防止するように、0.1〜0.3mm程度とし、原反ロールの光硬化加工部はできるだけ平滑な加工ヘッド部分にて行い、厳密な距離管理を行う。
【0040】
光硬化加工条件は、光遮光部31a1の光硬化部31a2に対する引張破断強度は、10〜50%、望ましくは10〜30%となるように光エネルギーの調整=紫外線の出力調整を行い、引き裂きシール部材17の引き裂き安定性を確保する。
【0041】
本実施例の光硬化樹脂の塗布条件としては、トルエンからなる溶剤を用いて、図示しないブレード塗布方法にて、原反ロールからなるシール基材層31b表面に膜圧30μmになるように塗布した。
【0042】
光硬化加工条件としては、ロールを流しながら塗布直後に約3秒間、図示しない紫外線(メタルハライドランプ)硬化装置部にて光硬化加工を行うが、その際、遮光幅が100μmとなるように遮光部材40として直径100μmのニッケルクロム線を所定位置に配置し、塗布後の原反ロールとの距離を0.1mmに保ちつつ光硬化加工及び溶剤乾燥を行った。
【0043】
紫外線の出力は、光遮光部31a1の光硬化部31a2に対する引張破断強度が20%となるように調整した。
【0044】
シール基材層31bとしては、2軸延伸ポリエステルフィルム(PET)、または2軸延伸ナイロンフィルムが用いられるが、水分が光硬化樹脂層である表層31aの光硬化加工に微妙に影響するため、水分吸水率が低い2軸延伸PETが好ましい。
【0045】
又、フィルム強度を保ちつつ引き裂き性能を確保するため、厚さは10〜20μmが好ましく、更に好ましくは12〜17μmとする。
【0046】
本実施例では厚さ12μmの2軸延伸PETを用いた。
【0047】
シールクッション層31cは、活性点が複数存在するチーグーラー触媒等を用いたマルチサイト触媒にて製造した、密度0.91〜0.93程度の低分子量ポリエチレン(LDPE)または直鎖状低分子ポリエチレン(LLDPE)、またはメタロセン触媒により合成された低分子量ポリオレフィン系重合体の少なくとも1つから選ばれる。
【0048】
また、LDPE、及び汎用のLLDPEは、分子量分布が広く、低分子量成分が含まれているため、開封時に引き裂き性が非常に良いが、一方、引き裂きシール部材17を開封時にポリエチレン自体が脆く、伸びやすいため、ややケバになりやすい。
【0049】
メタロセン触媒により合成された低分子量低分子量ポリオレフィン系重合体は、活性点が単一であるため分子量分布が狭く、低分子量成分が少ないため強靱であり、引き裂きシール部材17を開封時に、LDPEやLLDPEよりも引き裂き強度が極端に増えるが、ケバとなりにくいため好ましく用いられ、本実施例でもメタロセン触媒により合成されたLLDPEとオクテンの共重合体を用いた。
【0050】
シールクッション層31cは、ヒートシール時のクッション効果と易開封効果のため用いられるが、特に引き裂き安定性の点で20〜50μmの厚さが最も安定しており、実施例では厚さを20μmとした。
【0051】
シーラント層31dは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、又はメタロセン触媒により合成された低分子量ポリオレフィン系重合体の少なくとも1つから選ばれたものを用いる。
【0052】
EVAを用いる場合、シーラント層31d中の酢酸ビニル共重合体(VA)のシーラント含有比が10質量%以下であり、GPCによる分子量分布が分子量10万未満には極大を有さず、分子量10万以上に少なくとも1つの極大を有することとする。この理由はシーラント層31dが高温高湿の環境下で疑似接着(ブロッキング)しシールが開封できなくなるトラブルを防止するためである。
【0053】
更に、シーラントバインダーをメタロセン触媒により合成された低分子量ポリオレフィン系重合体とすれば、低分子量成分が排除でき、シーラント層31dが高温高湿の環境下で疑似接着(ブロッキング)しシールが開封できなくなるトラブルを防止することができる。
【0054】
実施例では、メタロセン触媒により合成されたLLDPEとオクテンの共重合体を用いた。
【0055】
又、シーラント層31dの厚みは40μm〜70μmが好ましいが、更に好ましくは30μm〜60μmとし、実施例では40μmとした。
【0056】
又、シーラント層31dは、通常Tダイから押し出しラミネートにより製造され、フィルム加工されたシールクッション層31cとラミネートされるか、又は、フィルム状態のシーラント層31dを、押し出しラミネートにより製造されるシールクッション層31cとラミネートされるが、実施例では、シーラント層31dを押し出しラミネートにより製造し、シールクッション層31cとラミネートした。
【0057】
又、シーラント層31dは、シールクッション層31cと同じ機械的方向となるようにラミネート加工した。
【0058】
更に、シーラント層31dは厚みが40μm以上とした場合、特に押し出しラミネートにより製造する場合は、ロール状態に作製、巻き取られる際の厚みムラを極力減らすために2回Tダイより押し出しラミネートすることがあり、実施例では、この2回押し出しを用いて作製した。
【0059】
以上のように、4層構成からなる引き裂きシール部材17は、表層31aをシール基材層31bに塗布後、光硬化加工を行ったものと、シールクッション層31cを介してシーラント層31dを共押し出しラミネート加工して完成した。
【0060】
実施例では完成したフィルム厚みを102μmとした。
【0061】
次に、上記のごとく作製した引き裂きシール部材17の、トナー容器にシール前にフィルム原反状態で、縦方向=機械的方向(シール後の開封方向)への引き裂き安定性(直進カット性)を、フィルムの横方向に20mmの切込み(ノッチ)を入れ、開封テストを行い、200mm開封した部分でのフィルム幅を測定した結果、20±0.5mmの範囲に入ることが確認できた。
【0062】
即ち、引き裂きシール部材17のフィルム原反では、引き裂き安定性(直進カット性)は、±0.5mmの範囲に入り、非常に優秀であることが確認できた。
【0063】
更に、引き裂き先端からのデラミ(層間剥離現象)や、引き裂いた部分からのケバの発生もなかった。
【0064】
以上のようなフィルム原反を、実施例の引き裂きシール部材17に引き抜き加工を行った。引き裂きシール部材17の形状は、開口部12a1をシールして塞ぐカバーシール部17aと引き出し部17bを一体に有して、使用開始に当たって開口部12a1を開封する引き裂きシール部材17を有している。前記引き裂きシール部材17の引き出し部17bの幅L1は、2本の引き裂き部17cの間隔L2よりも狭い。また、カバーシール部17aと引き出し部17b間の引き裂き部17cの端部がくる境界域において、カバーシール部17aから引き出し部17bへ向けて次第に小さくなる形状に接続部としての引き裂き先端エッジ部(以下単に先端エッジ部という)17eが形成されている。そして、先端エッジ部17eに交叉する引き裂き部17cの端部において先端エッジ部17eと引き裂き部17cとは斜めに交わっている。
【0065】
ところで、図2、及び図6に示すように、引き裂きシール部材17は、自由端となっている引き出し部17bと、カバーシール部17aからなる。更に、理想上は引き出し部17bの両側の縁17b1から連続して、光遮光部31a1に沿った引き裂き部17cへつながるのがよい。しかし、シール製造時の(外形)抜き精度上、フィルムズレを考慮した抜き交差が必要である。仮に、自由端の引き出し部17bの内側にハーフカット部がきてしまえば、引き裂き先端部である先端エッジ部17e(引き出し部17bの両側の縁17b1の延長)よりフィルム切れ17fが発生する可能性がある。したがって自由端である引き出し部17bの幅は2本の引き裂き部17cの間隔よりも多少狭くする必要がある。
【0066】
即ち、図2、図6に示すように引き出し部17bの幅L1は、線状2本の引き裂き部17cの間隔L2(光遮光部31a1の幅)よりも狭くする。
【0067】
本実施例では、引き出し部17bの幅L1を約32mm、2本の引き裂き部17cの間隔L2を34mmとし、L1とL2の差は片側1mmとした。
【0068】
又、図7に示すように、引き裂き先端部がくる先端エッジ部17eの形状は、シール引き出し部で引っかからないように、円弧形状とする。尚、引き裂き安定性すなわち、フィルムの先端引き裂き時に、引き裂き部17cに応力を集中させて確実に引き裂くこと、及び、引き裂きシール部材17の抜き加工時のスムーズな連続抜き加工性を保ちつつ先端エッジ部17eでフィルム切れを起こさない、抜き安定性を考慮する必要がある。そこで、先端エッジ部17eを円弧形としその半径Rの大きさは0.5〜2.0mmが望ましく、更に望ましくは0.5〜1mmが望ましく本実施例ではRの大きさを1mmとした。この半径Rは、上述の通り大き過ぎると引き裂き部17cに応力を集中させづらくなって、裂け性が悪くなり、又、小さ過ぎると連続抜き加工性が悪くなっていく。この円弧形状の先端エッジ部17eは引き出し部17bの縁17b1に接続している。また、本例では先端エッジ部17eはカバーシール部17aの引き出し部17bとの境界域の端部17a1とも接続している。
【0069】
ところで、前記光遮光部31a1に沿って設けられた引き裂き部17cの一端は、前記先端エッジ部17eの円弧形の部分に接続している。本例では、前述した通り先端エッジ形状17eをR2と光遮光部31a1は、引き出し部17bの縁17b1から約1mm外に配置した。
【0070】
図5、図6はカバーシール部17aをトナー収納容器12aのフランジ12a2に貼り付ける部分を示している。図5では左上りの斜線、図6では右上りの斜線を施した部分がカバーシール部17aをヒートシールにより貼り付ける部分(シールパターン)33である。そして、先端エッジ部17eの両端部に角状パターン33bが設けられている。そして、この角状パターン33bを結ぶように山型シールパターン33aが設けられている。また、引き裂き後端部には、山型シールパターン33cが設けられている。特に先端において、ガイド17cからはずれて引き裂かれるのを角状パターン33bにて防止でき、安定した引き裂き性を実現できる。
【0071】
ところで、図6に示すように、角状パターン33bを備えたシールパターン33の左右の内側エッジ33d間の間隔L4は、2本の引き裂き部17cの間隔L2よりも狭くてもよいが広い方が望ましい。また、前記引き裂き部17cとシールパターンの内側エッジ33dとの距離L3及びL3′は、引き裂きシール部材17の引き裂き安定性の観点より一定以上の距離を設けることが望ましく0.5mm以上あることが望ましい。更に望ましくは1mm以上あることが望ましい。
【0072】
上記の引き裂き安定性に関して詳しく説明する。仮にシールパターン33の内側エッジ33dがガイド層の光遮光部31a1を踏みつけてシートシールした場合、ガイド層の光遮光部31a1に余分な熱と圧力が加わる。したがって、シールパターン33の左右の内側エッジ33dの間の間隔L4を、2本の引き裂き部17cの間隔L2よりも広くすることに、ガイド層のレーザー照射部分31c1が劣化して開封時にガイドはずれを起こしたり、フィルムの層間剥離現象が発生することを確実に防止できる。
【0073】
本実施例では以上の点より光遮光部31a1とシールパターンの内側エッジ33dとの距離L3及びL3′を共に1.5mmとした。
【0074】
以上のように作製した引き裂きシール部材17を用いて、実際に図3に示すような、トナー送り部材10a(図18参照)を備えたトナー容器12aにヒートシールを行った。
【0075】
又、トナー容器12aとしては、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、及びポリカーボネート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(PC−ABS)等が用いられるが、本実施例ではHIPSを射出成型したものを用いた。
【0076】
又、トナー容器の開口部12a1のサイズを幅:約25mm、長さ:約210mm、内容積:約500cm3とした。
【0077】
ヒートシール条件は、150℃、シール圧力を37.3MPa(シール面1cm3あたりにかかる面圧=2.9MPa)、シール時間を3秒とした。
【0078】
シールパターンは、図5及び図6に示すようなシールパターン33を用い、山形シールパターン33a1(先端部)及び33c(後端部)のシール幅を2mm、角状パターン33b及び長手シール幅を3mmとした。
【0079】
次に、図4に示すように、上記のように作製したトナー容器12aを現像フレーム12bと合体し、現像装置10を作製する。
【0080】
トナー容器12aの引き裂きシール部材17の折り返された自由端の引き出し部17bを引き出し口へ突出させるように折り返す。そして、引き裂き先端部及び引き裂き後端部に、発泡ポリウレタンからなるシール部材19,20を貼着した現像フレーム12bを、短手両サイド部分のみを長手方向全長にわたり超音波溶着にて合体した。
【0081】
尚、この際用いたシール部材19,20は、厚さ約2mmで発泡倍率約18倍である発泡ポリウレタンを用い、溶着合体後にはトナー容器12aと現像フレーム12bとの間で約1mmにつぶされ、開封後のシール性確保を行う。
【0082】
前記のように作製した現像装置の引き裂き安定性、及び耐圧性を確認した。
【0083】
尚、開封方法は現像装置を固定し、約5000mm/分の開封速度で180度方向に真っ直ぐ引き裂いた場合、及び実際の開封では起こりうる10度程度の左右方向の斜め引きを行った場合の開封強度、及び開封後の開口幅安定性(広がりの有無)確認を行った。
【0084】
又、耐圧性は、平均粒子径が7μmの1成分磁性トナーを300g充填したトナー容器2をシール面を下にして一定の高さより垂直落下してシール剥がれ又はシール破れが発生する加速度(G値)を測定するが、徐々に落下高さを高くしてシール剥がれ又はシール破れが発生しない限界加速度(G値)を測定した。
【0085】
結果としては、真っ直ぐ、及びわざと左右斜め引きを行った場合に於いても開封強度が3kgfと良好であり、引き裂き安定性では、引き裂き広がり幅が±0.5mmと安定した開口幅が得られ、デラミ、ケバの発生もなかった。
【0086】
しかも、耐圧加速度としては、145Gもあり充分な耐圧性を確認出来た。
【0087】
〔実施例2〕
実施例1と同様だが、図15に示すように、光硬化部31a2を、光遮光部31a1の両側面31a2とし、更にその側面は遮光部材50にて遮光し、あとは実施例1と同様にトナー容器12a及び現像装置10を作製した。
【0088】
これによって、図16に示すように、2本の引き裂き部17c(=光遮光部31a1)の両側面のみ、光硬化したことになった。
【0089】
尚、光硬化部31a2の幅L6は、3mmとした。
【0090】
なお、図16に示すように、左上がりの斜線部分が、引き裂き部17c以外の光遮光部31a3、すなわち光硬化樹脂の硬化が行われない部分であり、引き裂き部17cの外側部の光硬化部31a2は、一部がシールパターン33に踏みつけられても、塗膜が柔軟化せず、シール後のシールバーとの離型性も問題ないことを確認した。
【0091】
実施例1よりも、光硬化部分31a2の面積が大幅に減少したため、光硬化及び乾燥の工程時間が大幅に減少できた。
【0092】
前記のように作製した現像装置の引き裂き安定性、及び耐圧性を確認した結果、開封強度は3kgfと良好であり、引き裂き安定性では、引き裂き広がり幅が±0.5mmと安定した開口幅が得られ、デラミ、ケバの発生も無く、耐圧加速度も実施例1と同様に良好であった。
【0093】
〔実施例3〕
実施例2と同様だが、光重合性プレポリマーをウレタンアクリレートとし、あとは実施例1と同様にトナー容器12a及び現像装置10を作製した。
【0094】
前記のように作製した現像装置の引き裂き安定性、及び耐圧性を確認した結果、開封強度は3kgfと良好であり、引き裂き安定性では、引き裂き広がり幅が±0.5mmと安定した開口幅が得られ、デラミ、ケバの発生も無く、耐圧加速度も実施例1と同様に良好であった。
【0095】
〔実施例4〕
実施例1と同様だが、先端エッジ部17eに関しては、図6に示したように、開封時に、先端エッジ部17eが角状パターン33b1と内側シール部33b2の間で先端エッジ部e部分に応力が集中し易くさせるためであり、直線域である17e部分であれば、どこから裂けても同じ角度で裂けるので、引き裂き開始位置を安定して先端エッジ部17eの幅17e1内とすることができ、実施の形態1のような、先端エッジ部eの形状が円弧状の場合よりも、安定した引き裂き性を確保できる。
【0096】
又、先端エッジ部17eの幅17e1を最小限とすれば、先端エッジ部e部分への応力集中をさせ易く、又、引き裂き開始位置の精度をより高めることが出来るが、一方、安定した抜き加工精度も考慮し、0.5mm〜1.5mm程度が望ましく、最も望ましくは0.7〜1.2mm程度が望ましい。
【0097】
本実施例では、1mmとした。
【0098】
ところで、前記斜線形状は、引き出し部17bの縁17b1と先端エッジ部17eとの傾斜角度θは30度〜60度が好ましい。
【0099】
これは、図9や図10のように、傾斜角度θが30度未満や60度以上の場合、先端エッジ部17eは直角形状に近づくが、本実施例のようなフィルムの腰が柔らかいシール部材17では抜き加工時に、より直角にエッジを加工しにくく、エッジ部よりフィルムのバリ発生やフィルム切れが発生するためであり、本実施例では傾斜角度θは45度とした。
【0100】
前記のように作製した現像装置の引き裂き安定性、及び耐圧性を確認した。
【0101】
結果としては、真っ直ぐ、及びわざと左右斜め引きを行った場合に於いても開封強度が3kgfと良好であり、引き裂き安定性では、引き裂き広がり幅が±0.5mmと安定した開口幅が得られ、デラミ、ケバの発生もなかった。
【0102】
更に、実施例1と同様な良好な耐圧加速度を示した。
【0103】
〔その他の実施例〕
前述の実施例では、本発明に係わる引き裂きシール部材17の用途として、トナー容器及びそれを用いたプロセスカートリッジとして説明したが、当然、食品や電気機器、一般工業用品等の開口をシールして引き裂くシール部材として使用できる。
【0104】
また、前述の実施例では、引き裂かれる部分が2本であると説明したが、1本であっても良く、更に、直線でなくても任意に引き裂かれる個所を遮光部材の位置設定によって設定できる。
【0105】
また、前述の実施例では、表層が光硬化樹脂層、その下側にシール基材層を設けると説明したが、シール基材層を表層とし、光硬化樹脂層をその下側に設けても良く、この場合、光硬化条件を強化し表層のシール基材層の上から光硬化加工し、なお且つ光硬化樹脂を溶剤を使用しないタイプとするか、シールクッション層の上に光硬化樹脂層を設け、光硬化加工後にシール基材層をラミネート加工しても良い。
【0106】
上記の場合、光硬化樹脂層が引き裂きシール部材17の中間層となり、引き裂き性は中間層に引き裂きガイド層である光硬化樹脂層がある構成であるため、引き裂き時のガイドはずれが発生しにくい。
【0107】
また、前述の実施例では、光硬化部分を引き裂き部分の両側面のみとした場合を説明したが、光硬化樹脂の塗布域や、これに対応して、必要最低限に部分塗布(パートコート)し、その後、任意の形状に抜き加工を行えば、更に塗布材料費及び塗布/乾燥工程の時間短縮化が可能となり、より望ましい。
【0108】
更に、前述した実施例では、主に光硬化を行う活性エネルギー線として紫外線を用いて説明したが、電子線を用いて、厳密なエネルギー量の調整を行うことにより、紫外線を用いる場合よりも更に光硬化時間を大幅に短縮することも可能となり、引き裂く際のガイドの層となる、光硬化樹脂の膜圧を30μm以上にして、斜め引きの引き裂き部はずれ(=ガイドはずれ)により対応できる。
【0109】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、光硬化樹脂を用い、任意に光遮光を行うことにより正確な位置精度を備えた引き裂き部を形成し、光硬化部と遮光部(=未硬化部)の強度バランスを所定とすることにより、安定した引き裂き性を得ることができる。
【0110】
又、本発明によれば従来の膜厚コントロールやハーフカット加工によらないため、引き裂き部の直進安定性、及びフィルム強度を安定して保つことができる。
【0111】
又、本発明によれば、前記のように優れた引き裂き性を備えたトナー容器、及びプロセスカートリッジを実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーシールの光硬化状態を示す断面図である。
【図2】トナーシールの斜視図である。
【図3】トナーシールとトナー容器の合体を示す図である。
【図4】トナー容器と現像容器の合体を示す図である。
【図5】ヒートシールパターンの説明図である。
【図6】ヒートシールパターンの位置関係を示す図である。
【図7】ヒートシールの引き裂き先端部を示す平面図である。
【図8】ヒートシールの引き裂き先端部を示す平面図である。
【図9】ヒートシールの引き裂き先端部を示す平面図である。
【図10】ヒートシールの引き裂き先端部を示す平面図である。
【図11】プロセスカートリッジを装着した画像形成装置の構成を説明する縦断面図である。
【図12】プロセスカートリッジの構成を説明する断面図である。
【図13】プロセスカートリッジの装着構成を説明する斜視図である。
【図14】プロセスカートリッジの装着構成を説明する斜視図である。
【図15】本発明のトナーシールの光硬化状態を示す断面図である。
【図16】ヒートシールパターン及び光硬化部分の位置関係を示す図である。
【符号の説明】
A 画像形成装置
B プロセスカートリッジ
G 駆動伝達ギア
W2 溶着部
R 炭酸ガスレーザー
L1 引き出し部の幅
L2 引き裂きガイドの間隔
L3,L3′ シールパターンの内側エッジと引き裂きガイド間の距離
L4 左右の内側エッジの間隔
L5 シール引き出し口の幅
L6 光硬化部の幅
1 光学系
2 記録媒体
3 搬送手段
3a 給紙カセット
3b ピックアップローラ
3c 給送ローラ
3d 搬送ローラ
3e レジストローラ
3f ガイド板
3g,3h 排出ローラ対
3i 手差しトレイ
3j ローラ
4 転写ローラ
5 定着手段
5a 駆動ローラ
5b ヒータ
5c 定着ローラ
6 排出部
7 感光体ドラム
8 帯電ローラ
9 開口部
10 現像装置
10a トナー送り部材
10b 固定磁石
10c 現像ローラ
10d 現像ブレード
10e トナー溜め
11 クリーニング手段
11a クリーニングブレード
11b スクイシート
11c 廃トナー溜め
12a トナー収納容器
12a1 開口部
12a2 フランジ
12b 現像フレーム
12c クリーニング容器
13 画像形成装置本体
14 軸
15 開閉部材
16 カートリッジ装着ガイド部材
16a ガイド部
17 引き裂きシール部材
17a カバーシール部
17a1 端部
17b 引き出し部
17b1 縁
17c 引き裂きガイド
17e 先端エッジ部
17e1 幅
19 シール部材
20 シール部材
31a 表層
31a1,31a3 光遮光部
31a2 光硬化部
31b シール基材層
31c シールクッション層
31d シーラント層
33 シールパターン
33a 山型シールパターン
33b 角状パターン
33c 山型シールパターン
33d 内側エッジ
θ 傾斜角度
40,50 遮光部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に静電式複写機、プリンタ等の画像形成装置の現像装置に現像剤を供給するために用いられる現像剤シール部材、現像剤収納容器及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真画像形成プロセスを用いた電子写真記録装置においては、電子写真感光体ドラム及び前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式に採用されており、メンテナンスがサービスマンによらずユーザー自身で行うことができるので、操作性が格段によく、画像形成装置において広く用いられている。
【0003】
ところで、前記プロセスカートリッジにおける現像装置は、開口部をシール部材によってシールしたトナー収納容器(以下、トナー容器と称する)と、現像容器とが結合されている。そして前記プロセスカートリッジを使用するときに、前記シール部材を引き抜いて除去し、前記開口を開封し、開封されたトナー容器から現像容器へトナーを供給する。
【0004】
前記シール部材としては、1枚のフィルムでシールし、使用開始時に前記フィルムを剥離して開封するイージーピールフィルムと呼ばれるものと、カバーフィルムとテアテープを一体化し、使用開始時にテアテープをひくことによって前記カバーフィルムを引き裂いて開封するテアテープ系引き裂きシールと呼ばれるものが有るが、引き裂きシール部材はカバーフィルムを引き裂くことによって開封するために、開封強度を小さくすることができることから、近年広く使用されている。
【0005】
又、特開昭59−13262号公報、実開昭63−60164号公報に記載されているように、引き裂きシール部材を用いることも提案されている。
【0006】
又、実開昭63−60164号公報に記載されているように、引き裂き開始部分に切れ目を入れて、開口の位置精度を確保した引き裂きシール部材を用いることも提案されている。
【0007】
更に、本発明者らも特願平10−198780号公報で、開封して開口部を形成するための引き裂き部を有する引き裂きシール部材を用いることも提案を行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術を更に発展させたものであり、引き裂かれる周辺部分を肉厚化又は積層したり(肉厚部及び積層部の膜厚コントロールが比較的難しい)、ハーフカット加工を行ったり(シール部材の1部がダメージを受けるため、シール部材の強度保証が比較的難しい)せず、シール部材の引き裂くべき部分にダメージを与えずに、それ以外の部分と相対的な強度差を生じさせることによって安定したフィルム強度を確保し、更に引き裂く部分(開封部分)の位置精度を、光硬化加工の遮光位置精度を確保することによって安定した開封精度を確保できるものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
主たる本発明は、内部に現像剤を収納する現像剤容器の開口部をシールし、開封時に前記開口部に略平行に引き裂かれるシール部材において、前記シール部材の表層に光硬化樹脂層を設け、前記シール部材に設けられた2本の引き裂かれる部分が光硬化されておらず、引き裂かれる部分の少なくとも両側面が光硬化されていることを特徴とするシール部材。
又、他の主たる本発明は、前記シール部材を用いた現像剤収納容器である。
又、他の主たる本発明は、前記の現像剤容器を備えたプロセスカートリッジである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明に係わる実施の形態として、現像装置を有するプロセスカートリッジを装着可能な電子写真画像形成装置について、図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
〔実施例1〕
{全体構成}
この電子写真画像形成装置Aは、図11に示すように、光学系1から画像情報に基づいたレーザー光像を照射して像担持体である感光体ドラム7に潜像を形成し、次いで、前記潜像をトナーによって現像しトナー像を形成する。そして前記トナー像の形成と同期して、記録媒体2を給紙カセット3aからピックアップローラ3b及び給送ローラ3c、搬送ローラ3d、レジストローラ3e等からなる搬送手段3で搬送する。そしてプロセスカートリッジBの有する前記感光体ドラムに形成したトナー像を、装置Aに設けた転写手段としての転写ローラ4に電圧印加することによって記録媒体2に転写する。そしてその記録媒体2をガイド板3fでガイドして定着手段へと搬送する。この定着手段5は駆動ローラ5a及びヒータ5bを内蔵する定着ローラ5cからなり、通過する記録媒体2に熱及び圧力を印加して転写トナー像を定着する。そしてこの記録媒体2を排出ローラ対3g,3hで搬送し、反転搬送経路を通して排出部6へと排出する。尚、この画像形成装置Aは手差しトレイ3i及びローラ3jによって手差し給送も可能である。
【0012】
一方、前記プロセスカートリッジBは、図12に示すように、感光層を有する感光体ドラム7を回転し、その表面を帯電手段である帯電ローラ8へ電圧印加によって一様に帯電し、前記光学系1からの光像を開口9を介して感光体ドラム7に露光して潜像を形成し、前記潜像を現像手段10によって現像する。
【0013】
前記現像手段10は、トナー収納部としてのトナー溜め内のトナーをトナー送り部材10aの回転によって送り出す。そして固定磁石10bを内蔵した現像ローラ10cを回転させる。これによって、現像ブレード10dによって摩擦帯電電荷を付与したトナー層を現像ローラ10cの表面に形成し、そのトナーを前記潜像に応じて感光体ドラム7へ供給することによってトナー像を形成して可視像化する。そして転写ローラ4に前記トナー像と逆極性の電圧を印加して、前記トナー像を記録媒体2に転写する。その後は、クリーニングブレード11aによって感光体ドラム7に残留したトナーを掻き落とすと共に、スクイシート11bによってすくい取り、廃トナー溜め11cへ集めるクリーニング手段11によって感光体ドラム7上の残留トナーを除去する。
【0014】
尚、前記現像装置のフレームは、トナーを収納するトナー収納容器12aと現像ローラ10c等の現像部材を保持する現像フレーム12bとを溶着して一体的に構成する。そして更に、この一体となった現像装置のフレームに、感光体ドラム7やクリーニングブレード11a及び、帯電ローラ8等を保持するクリーニング容器12cを結合して、カートリッジBを構成する。そして前記プロセスカートリッジBは、装置本体13に設けたカートリッジ装着手段に対して着脱可能に装着される。
【0015】
前記カートリッジ装着手段としては、軸14を中心にして装置本体Aに設けられた開閉部材15を開くと、図13及び図14に示すように、カートリッジ装着スペースの左右内側面にカートリッジ装着ガイド部材16が対向して取り付けてある。そして、この左右ガイド部材16にはプロセスカートリッジBを挿入するときのガイドとなるガイド部16aが対向して設けてある。このガイド部16aに沿ってプロセスカートリッジBを挿入し、開閉部材15を閉じることによってプロセスカートリッジBを画像形成装置Aに装着する。この装着によって感光体ドラム7の長手方向端部に取り付けたドラムギア(図示せず)が装置本体13に設けてある駆動伝達ギアGと噛合して感光体ドラム7へ駆動力が伝達可能となる。
【0016】
{トナー容器と現像フレームの結合構成}
次に現像装置のフレームを構成するトナー容器12aと現像フレーム12bの結合構成について説明する。
【0017】
図3に示すように、トナー収納容器12aは開口部12a1を有する。そして、その開口部12a1の周囲にはフランジ12a2が形成されている。前記開口部12a1は封止部材としての引き裂きシール部材17によって開封可能に封止される。
【0018】
前記引き裂きシール部材17は、図3に示すように開口部12a1を閉塞してフランジ12a2に熱シールされて貼り付けられる封止部としてのカバーシール部17aを有している。また、引き裂きシール部材17は、前記カバーシール部17aから延出している延出部としての引き出し部17bを有している。そして、カバーシール部17aと、引き出し部17bを1枚シートで一体に構成し折り重ねて引き裂きシール部材17として構成している。
【0019】
引き出し部17bはカバーシール部17aを引き裂くのに充分な強度をもっていることが必要である。
【0020】
図3、図4に示すように開口部12a1の周囲のフランジ12a2に、引き裂きシール部材17が貼り付けられている。そして、この引き裂きシール部材17の長手方向両側に、その長手方向に平行に溶着部W2が設けられている。そして現像フレーム12bには前記トナー収納容器12aの溶着部W2に対して超音波溶着される溶着リブ(不図示)が平行して設けられている。従って、トナー収納容器12aと現像フレームとを溶着した後は溶着リブは、引き裂きシール部材17の長手方向両側に位置する。また、トナー収納容器は、その長手方向においてトナー収納容器12aと現像フレーム12b間に隙間を有する。溶着リブは断面三角形の突条である。尚、振動溶着の際、溶着リブの断面は、略四角形になる。トナー収納容器12aと現像フレーム12bの容器間隙間の長手方向における両端部にはこの容器間隙間を閉塞するための、発泡ポリウレタン等の弾性体の容器間(端部)シール部材19,20が現像フレーム12bに設けられている。長手方向の一端側の容器間シール部材20は引き裂きシール部材17の引き出し部17bを間にしてトナー収納容器12aを圧している。
【0021】
ここで、本発明に係わる引き裂きシール部材17の構成について説明する。
【0022】
図1、図2に示すように、引き裂きシール部材17は、トナー容器12aの開口部12a1に沿って略平行に引き裂かれる部分である光遮光部31a1部を備えた光硬化樹脂からなる表層31a、引き裂きシール部材17のフィルム全体の強度を保つためのシール基材層31b、シールクッション層31c、及びシーラント層31からなる。
【0023】
なお、本実施例では設けたシールクッション層31cは構成上必須ではなく、適宜省略した構成でも特に問題なく使用できる。
【0024】
表層31aは、図1に示すように、表層31a側から活性エネルギー線である光(h)にて硬化加工を行う際に、引き裂かれる個所の光遮光部31a1を遮光する遮光部材40にて遮光しながら光硬化加工される。
【0025】
光硬化加工は、引き裂きシール部材17が図2に示すような形状に抜き加工後に行う(枚葉にて加工)場合と、原反ロールのラミネート加工時に同時に光硬化加工を行う(ロールにて加工)のどちらか選択して行うが、量産性においてはロールにて加工した方が好ましい。
【0026】
表層31a1に用いられる光硬化樹脂は、電子線または紫外線を照射することにより硬化される樹脂からなる。
【0027】
その主要構成材料としては、光重合性プレポリマー、光重合性モノマー、光重合開始剤を備え、更に増感剤等も適宜添加されたものを用いるが、シール基材層31bに必要に応じて溶剤を用いて塗布し、光硬化加工して形成する。
【0028】
光重合性プレポリマーは、それ自身の構造及び分子量が大きく硬化に影響し、特に光硬化後の表層31a1及び引き裂きシール部材17全体のフィルム強度に影響する。
【0029】
尚、光遮光部、すなわち光未硬化部は、後述するロール巻き取り時や、ヒートシールバーの踏み付けによって、タック性(=原反ブロッキング)やシールバーとの離型性を考慮し、少なくとも塗布、乾燥後に於いて、フィルムとして取り扱いが容易な程度に分子構造、分子量を選択して用いる。
【0030】
光重合性プレポリマーは、アクリル系プレポリマーが、樹脂骨格中に導入されたアクリロイル基が活性エネルギー線である光(h)によりラジカル重合するため、硬化速度が他のプレポリマーに比較しても樹脂の選択、設計が容易に行うことができ望ましい。
【0031】
光重合性プレポリマーは、ポリエステルアクリレート、メラミンアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート等が使用できるが、ヒートシール耐熱性を備えたポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートが好ましく用いられ、本実施例ではポリエステルアクリレートを用いた。
【0032】
光重合性モノマーは、高粘度である光重合性プレポリマーの粘度低下、更に架橋剤として膜強度付与のために用いられるが、光重合性モノマーの添加量が多すぎた場合、引き裂きシール部材17の原反ロールを巻き取る際に表層31a1が高タック性となり、原反ロールの疑似接着(ブロッキング)する可能性があり、又、光硬化した樹脂層の硬度を少なくとも原反ロールの巻き取りが容易な程度に調整するため、表層31a1である光硬化樹脂層全体に対し1〜10質量%添加し、本実施例では3質量%とした。
【0033】
光重合開始剤は、ラジカル型及びカチオン型光重合開始剤が好ましく用いられ、活性エネルギー線である光(h)によりラジカル重合するための触媒作用を行うが、適量の場合が樹脂層の硬度及び強度が最適となるように、表層31a1である光硬化樹脂層全体に対し1〜10重量%添加し、本実施例ではラジカル型光重合開始剤を4質量%添加した。
【0034】
活性エネルギー線である光(h)は、波長が100nm以下の電子線、または波長が100〜400nmである紫外線を用いるが、電子線はエネルギー量が紫外線よりも大きく、エネルギー過多の場合に引き裂きシール部材17がダメージを受けやすい懸念があり、比較的エネルギーコントロールが難しい傾向があるので、紫外線が比較的容易に用いられる。
【0035】
紫外線は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、更にカーボンアーク灯などを用いることができ、比較的エネルギー制御がし易く、また、光硬化加工時のタクトも表層31a1の厚みが10〜30μm程度であれば数秒で充分光硬化が可能であるため好ましく用いられ、本実施例では層31a1の硬化後の厚みが30μmの光硬化樹脂にメタルハライドランプを用いた。
【0036】
引き裂き部である光遮光部31a1は、遮光部材40にて遮光しながら光硬化加工される。
【0037】
遮光部材40としては、電子線及び紫外線を遮光し、原反ロールをラミネート加工しながら連続的に遮光しても充分な耐候性を備えた材料が望ましく、ニッケルクロム等の金属線が望ましく用いられる。
【0038】
遮光部材40の幅としては、引き裂き部、すなわちトナー容器の開口となる部分であるため、開口の安定した精度確保のため、遮光幅=光遮光部31a1の幅は、加工(遮光)安定性を考慮し、好ましくは10〜500μmが望ましく、更に望ましくは50〜150μmが望ましい。
【0039】
遮光部材40と表層31aとの距離は、遮光が確実に行われ、引き裂き部分への光漏れが無いように、且つ、表層31aと遮光部材40との接触にてフィルムダメージを防止するように、0.1〜0.3mm程度とし、原反ロールの光硬化加工部はできるだけ平滑な加工ヘッド部分にて行い、厳密な距離管理を行う。
【0040】
光硬化加工条件は、光遮光部31a1の光硬化部31a2に対する引張破断強度は、10〜50%、望ましくは10〜30%となるように光エネルギーの調整=紫外線の出力調整を行い、引き裂きシール部材17の引き裂き安定性を確保する。
【0041】
本実施例の光硬化樹脂の塗布条件としては、トルエンからなる溶剤を用いて、図示しないブレード塗布方法にて、原反ロールからなるシール基材層31b表面に膜圧30μmになるように塗布した。
【0042】
光硬化加工条件としては、ロールを流しながら塗布直後に約3秒間、図示しない紫外線(メタルハライドランプ)硬化装置部にて光硬化加工を行うが、その際、遮光幅が100μmとなるように遮光部材40として直径100μmのニッケルクロム線を所定位置に配置し、塗布後の原反ロールとの距離を0.1mmに保ちつつ光硬化加工及び溶剤乾燥を行った。
【0043】
紫外線の出力は、光遮光部31a1の光硬化部31a2に対する引張破断強度が20%となるように調整した。
【0044】
シール基材層31bとしては、2軸延伸ポリエステルフィルム(PET)、または2軸延伸ナイロンフィルムが用いられるが、水分が光硬化樹脂層である表層31aの光硬化加工に微妙に影響するため、水分吸水率が低い2軸延伸PETが好ましい。
【0045】
又、フィルム強度を保ちつつ引き裂き性能を確保するため、厚さは10〜20μmが好ましく、更に好ましくは12〜17μmとする。
【0046】
本実施例では厚さ12μmの2軸延伸PETを用いた。
【0047】
シールクッション層31cは、活性点が複数存在するチーグーラー触媒等を用いたマルチサイト触媒にて製造した、密度0.91〜0.93程度の低分子量ポリエチレン(LDPE)または直鎖状低分子ポリエチレン(LLDPE)、またはメタロセン触媒により合成された低分子量ポリオレフィン系重合体の少なくとも1つから選ばれる。
【0048】
また、LDPE、及び汎用のLLDPEは、分子量分布が広く、低分子量成分が含まれているため、開封時に引き裂き性が非常に良いが、一方、引き裂きシール部材17を開封時にポリエチレン自体が脆く、伸びやすいため、ややケバになりやすい。
【0049】
メタロセン触媒により合成された低分子量低分子量ポリオレフィン系重合体は、活性点が単一であるため分子量分布が狭く、低分子量成分が少ないため強靱であり、引き裂きシール部材17を開封時に、LDPEやLLDPEよりも引き裂き強度が極端に増えるが、ケバとなりにくいため好ましく用いられ、本実施例でもメタロセン触媒により合成されたLLDPEとオクテンの共重合体を用いた。
【0050】
シールクッション層31cは、ヒートシール時のクッション効果と易開封効果のため用いられるが、特に引き裂き安定性の点で20〜50μmの厚さが最も安定しており、実施例では厚さを20μmとした。
【0051】
シーラント層31dは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、又はメタロセン触媒により合成された低分子量ポリオレフィン系重合体の少なくとも1つから選ばれたものを用いる。
【0052】
EVAを用いる場合、シーラント層31d中の酢酸ビニル共重合体(VA)のシーラント含有比が10質量%以下であり、GPCによる分子量分布が分子量10万未満には極大を有さず、分子量10万以上に少なくとも1つの極大を有することとする。この理由はシーラント層31dが高温高湿の環境下で疑似接着(ブロッキング)しシールが開封できなくなるトラブルを防止するためである。
【0053】
更に、シーラントバインダーをメタロセン触媒により合成された低分子量ポリオレフィン系重合体とすれば、低分子量成分が排除でき、シーラント層31dが高温高湿の環境下で疑似接着(ブロッキング)しシールが開封できなくなるトラブルを防止することができる。
【0054】
実施例では、メタロセン触媒により合成されたLLDPEとオクテンの共重合体を用いた。
【0055】
又、シーラント層31dの厚みは40μm〜70μmが好ましいが、更に好ましくは30μm〜60μmとし、実施例では40μmとした。
【0056】
又、シーラント層31dは、通常Tダイから押し出しラミネートにより製造され、フィルム加工されたシールクッション層31cとラミネートされるか、又は、フィルム状態のシーラント層31dを、押し出しラミネートにより製造されるシールクッション層31cとラミネートされるが、実施例では、シーラント層31dを押し出しラミネートにより製造し、シールクッション層31cとラミネートした。
【0057】
又、シーラント層31dは、シールクッション層31cと同じ機械的方向となるようにラミネート加工した。
【0058】
更に、シーラント層31dは厚みが40μm以上とした場合、特に押し出しラミネートにより製造する場合は、ロール状態に作製、巻き取られる際の厚みムラを極力減らすために2回Tダイより押し出しラミネートすることがあり、実施例では、この2回押し出しを用いて作製した。
【0059】
以上のように、4層構成からなる引き裂きシール部材17は、表層31aをシール基材層31bに塗布後、光硬化加工を行ったものと、シールクッション層31cを介してシーラント層31dを共押し出しラミネート加工して完成した。
【0060】
実施例では完成したフィルム厚みを102μmとした。
【0061】
次に、上記のごとく作製した引き裂きシール部材17の、トナー容器にシール前にフィルム原反状態で、縦方向=機械的方向(シール後の開封方向)への引き裂き安定性(直進カット性)を、フィルムの横方向に20mmの切込み(ノッチ)を入れ、開封テストを行い、200mm開封した部分でのフィルム幅を測定した結果、20±0.5mmの範囲に入ることが確認できた。
【0062】
即ち、引き裂きシール部材17のフィルム原反では、引き裂き安定性(直進カット性)は、±0.5mmの範囲に入り、非常に優秀であることが確認できた。
【0063】
更に、引き裂き先端からのデラミ(層間剥離現象)や、引き裂いた部分からのケバの発生もなかった。
【0064】
以上のようなフィルム原反を、実施例の引き裂きシール部材17に引き抜き加工を行った。引き裂きシール部材17の形状は、開口部12a1をシールして塞ぐカバーシール部17aと引き出し部17bを一体に有して、使用開始に当たって開口部12a1を開封する引き裂きシール部材17を有している。前記引き裂きシール部材17の引き出し部17bの幅L1は、2本の引き裂き部17cの間隔L2よりも狭い。また、カバーシール部17aと引き出し部17b間の引き裂き部17cの端部がくる境界域において、カバーシール部17aから引き出し部17bへ向けて次第に小さくなる形状に接続部としての引き裂き先端エッジ部(以下単に先端エッジ部という)17eが形成されている。そして、先端エッジ部17eに交叉する引き裂き部17cの端部において先端エッジ部17eと引き裂き部17cとは斜めに交わっている。
【0065】
ところで、図2、及び図6に示すように、引き裂きシール部材17は、自由端となっている引き出し部17bと、カバーシール部17aからなる。更に、理想上は引き出し部17bの両側の縁17b1から連続して、光遮光部31a1に沿った引き裂き部17cへつながるのがよい。しかし、シール製造時の(外形)抜き精度上、フィルムズレを考慮した抜き交差が必要である。仮に、自由端の引き出し部17bの内側にハーフカット部がきてしまえば、引き裂き先端部である先端エッジ部17e(引き出し部17bの両側の縁17b1の延長)よりフィルム切れ17fが発生する可能性がある。したがって自由端である引き出し部17bの幅は2本の引き裂き部17cの間隔よりも多少狭くする必要がある。
【0066】
即ち、図2、図6に示すように引き出し部17bの幅L1は、線状2本の引き裂き部17cの間隔L2(光遮光部31a1の幅)よりも狭くする。
【0067】
本実施例では、引き出し部17bの幅L1を約32mm、2本の引き裂き部17cの間隔L2を34mmとし、L1とL2の差は片側1mmとした。
【0068】
又、図7に示すように、引き裂き先端部がくる先端エッジ部17eの形状は、シール引き出し部で引っかからないように、円弧形状とする。尚、引き裂き安定性すなわち、フィルムの先端引き裂き時に、引き裂き部17cに応力を集中させて確実に引き裂くこと、及び、引き裂きシール部材17の抜き加工時のスムーズな連続抜き加工性を保ちつつ先端エッジ部17eでフィルム切れを起こさない、抜き安定性を考慮する必要がある。そこで、先端エッジ部17eを円弧形としその半径Rの大きさは0.5〜2.0mmが望ましく、更に望ましくは0.5〜1mmが望ましく本実施例ではRの大きさを1mmとした。この半径Rは、上述の通り大き過ぎると引き裂き部17cに応力を集中させづらくなって、裂け性が悪くなり、又、小さ過ぎると連続抜き加工性が悪くなっていく。この円弧形状の先端エッジ部17eは引き出し部17bの縁17b1に接続している。また、本例では先端エッジ部17eはカバーシール部17aの引き出し部17bとの境界域の端部17a1とも接続している。
【0069】
ところで、前記光遮光部31a1に沿って設けられた引き裂き部17cの一端は、前記先端エッジ部17eの円弧形の部分に接続している。本例では、前述した通り先端エッジ形状17eをR2と光遮光部31a1は、引き出し部17bの縁17b1から約1mm外に配置した。
【0070】
図5、図6はカバーシール部17aをトナー収納容器12aのフランジ12a2に貼り付ける部分を示している。図5では左上りの斜線、図6では右上りの斜線を施した部分がカバーシール部17aをヒートシールにより貼り付ける部分(シールパターン)33である。そして、先端エッジ部17eの両端部に角状パターン33bが設けられている。そして、この角状パターン33bを結ぶように山型シールパターン33aが設けられている。また、引き裂き後端部には、山型シールパターン33cが設けられている。特に先端において、ガイド17cからはずれて引き裂かれるのを角状パターン33bにて防止でき、安定した引き裂き性を実現できる。
【0071】
ところで、図6に示すように、角状パターン33bを備えたシールパターン33の左右の内側エッジ33d間の間隔L4は、2本の引き裂き部17cの間隔L2よりも狭くてもよいが広い方が望ましい。また、前記引き裂き部17cとシールパターンの内側エッジ33dとの距離L3及びL3′は、引き裂きシール部材17の引き裂き安定性の観点より一定以上の距離を設けることが望ましく0.5mm以上あることが望ましい。更に望ましくは1mm以上あることが望ましい。
【0072】
上記の引き裂き安定性に関して詳しく説明する。仮にシールパターン33の内側エッジ33dがガイド層の光遮光部31a1を踏みつけてシートシールした場合、ガイド層の光遮光部31a1に余分な熱と圧力が加わる。したがって、シールパターン33の左右の内側エッジ33dの間の間隔L4を、2本の引き裂き部17cの間隔L2よりも広くすることに、ガイド層のレーザー照射部分31c1が劣化して開封時にガイドはずれを起こしたり、フィルムの層間剥離現象が発生することを確実に防止できる。
【0073】
本実施例では以上の点より光遮光部31a1とシールパターンの内側エッジ33dとの距離L3及びL3′を共に1.5mmとした。
【0074】
以上のように作製した引き裂きシール部材17を用いて、実際に図3に示すような、トナー送り部材10a(図18参照)を備えたトナー容器12aにヒートシールを行った。
【0075】
又、トナー容器12aとしては、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、及びポリカーボネート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(PC−ABS)等が用いられるが、本実施例ではHIPSを射出成型したものを用いた。
【0076】
又、トナー容器の開口部12a1のサイズを幅:約25mm、長さ:約210mm、内容積:約500cm3とした。
【0077】
ヒートシール条件は、150℃、シール圧力を37.3MPa(シール面1cm3あたりにかかる面圧=2.9MPa)、シール時間を3秒とした。
【0078】
シールパターンは、図5及び図6に示すようなシールパターン33を用い、山形シールパターン33a1(先端部)及び33c(後端部)のシール幅を2mm、角状パターン33b及び長手シール幅を3mmとした。
【0079】
次に、図4に示すように、上記のように作製したトナー容器12aを現像フレーム12bと合体し、現像装置10を作製する。
【0080】
トナー容器12aの引き裂きシール部材17の折り返された自由端の引き出し部17bを引き出し口へ突出させるように折り返す。そして、引き裂き先端部及び引き裂き後端部に、発泡ポリウレタンからなるシール部材19,20を貼着した現像フレーム12bを、短手両サイド部分のみを長手方向全長にわたり超音波溶着にて合体した。
【0081】
尚、この際用いたシール部材19,20は、厚さ約2mmで発泡倍率約18倍である発泡ポリウレタンを用い、溶着合体後にはトナー容器12aと現像フレーム12bとの間で約1mmにつぶされ、開封後のシール性確保を行う。
【0082】
前記のように作製した現像装置の引き裂き安定性、及び耐圧性を確認した。
【0083】
尚、開封方法は現像装置を固定し、約5000mm/分の開封速度で180度方向に真っ直ぐ引き裂いた場合、及び実際の開封では起こりうる10度程度の左右方向の斜め引きを行った場合の開封強度、及び開封後の開口幅安定性(広がりの有無)確認を行った。
【0084】
又、耐圧性は、平均粒子径が7μmの1成分磁性トナーを300g充填したトナー容器2をシール面を下にして一定の高さより垂直落下してシール剥がれ又はシール破れが発生する加速度(G値)を測定するが、徐々に落下高さを高くしてシール剥がれ又はシール破れが発生しない限界加速度(G値)を測定した。
【0085】
結果としては、真っ直ぐ、及びわざと左右斜め引きを行った場合に於いても開封強度が3kgfと良好であり、引き裂き安定性では、引き裂き広がり幅が±0.5mmと安定した開口幅が得られ、デラミ、ケバの発生もなかった。
【0086】
しかも、耐圧加速度としては、145Gもあり充分な耐圧性を確認出来た。
【0087】
〔実施例2〕
実施例1と同様だが、図15に示すように、光硬化部31a2を、光遮光部31a1の両側面31a2とし、更にその側面は遮光部材50にて遮光し、あとは実施例1と同様にトナー容器12a及び現像装置10を作製した。
【0088】
これによって、図16に示すように、2本の引き裂き部17c(=光遮光部31a1)の両側面のみ、光硬化したことになった。
【0089】
尚、光硬化部31a2の幅L6は、3mmとした。
【0090】
なお、図16に示すように、左上がりの斜線部分が、引き裂き部17c以外の光遮光部31a3、すなわち光硬化樹脂の硬化が行われない部分であり、引き裂き部17cの外側部の光硬化部31a2は、一部がシールパターン33に踏みつけられても、塗膜が柔軟化せず、シール後のシールバーとの離型性も問題ないことを確認した。
【0091】
実施例1よりも、光硬化部分31a2の面積が大幅に減少したため、光硬化及び乾燥の工程時間が大幅に減少できた。
【0092】
前記のように作製した現像装置の引き裂き安定性、及び耐圧性を確認した結果、開封強度は3kgfと良好であり、引き裂き安定性では、引き裂き広がり幅が±0.5mmと安定した開口幅が得られ、デラミ、ケバの発生も無く、耐圧加速度も実施例1と同様に良好であった。
【0093】
〔実施例3〕
実施例2と同様だが、光重合性プレポリマーをウレタンアクリレートとし、あとは実施例1と同様にトナー容器12a及び現像装置10を作製した。
【0094】
前記のように作製した現像装置の引き裂き安定性、及び耐圧性を確認した結果、開封強度は3kgfと良好であり、引き裂き安定性では、引き裂き広がり幅が±0.5mmと安定した開口幅が得られ、デラミ、ケバの発生も無く、耐圧加速度も実施例1と同様に良好であった。
【0095】
〔実施例4〕
実施例1と同様だが、先端エッジ部17eに関しては、図6に示したように、開封時に、先端エッジ部17eが角状パターン33b1と内側シール部33b2の間で先端エッジ部e部分に応力が集中し易くさせるためであり、直線域である17e部分であれば、どこから裂けても同じ角度で裂けるので、引き裂き開始位置を安定して先端エッジ部17eの幅17e1内とすることができ、実施の形態1のような、先端エッジ部eの形状が円弧状の場合よりも、安定した引き裂き性を確保できる。
【0096】
又、先端エッジ部17eの幅17e1を最小限とすれば、先端エッジ部e部分への応力集中をさせ易く、又、引き裂き開始位置の精度をより高めることが出来るが、一方、安定した抜き加工精度も考慮し、0.5mm〜1.5mm程度が望ましく、最も望ましくは0.7〜1.2mm程度が望ましい。
【0097】
本実施例では、1mmとした。
【0098】
ところで、前記斜線形状は、引き出し部17bの縁17b1と先端エッジ部17eとの傾斜角度θは30度〜60度が好ましい。
【0099】
これは、図9や図10のように、傾斜角度θが30度未満や60度以上の場合、先端エッジ部17eは直角形状に近づくが、本実施例のようなフィルムの腰が柔らかいシール部材17では抜き加工時に、より直角にエッジを加工しにくく、エッジ部よりフィルムのバリ発生やフィルム切れが発生するためであり、本実施例では傾斜角度θは45度とした。
【0100】
前記のように作製した現像装置の引き裂き安定性、及び耐圧性を確認した。
【0101】
結果としては、真っ直ぐ、及びわざと左右斜め引きを行った場合に於いても開封強度が3kgfと良好であり、引き裂き安定性では、引き裂き広がり幅が±0.5mmと安定した開口幅が得られ、デラミ、ケバの発生もなかった。
【0102】
更に、実施例1と同様な良好な耐圧加速度を示した。
【0103】
〔その他の実施例〕
前述の実施例では、本発明に係わる引き裂きシール部材17の用途として、トナー容器及びそれを用いたプロセスカートリッジとして説明したが、当然、食品や電気機器、一般工業用品等の開口をシールして引き裂くシール部材として使用できる。
【0104】
また、前述の実施例では、引き裂かれる部分が2本であると説明したが、1本であっても良く、更に、直線でなくても任意に引き裂かれる個所を遮光部材の位置設定によって設定できる。
【0105】
また、前述の実施例では、表層が光硬化樹脂層、その下側にシール基材層を設けると説明したが、シール基材層を表層とし、光硬化樹脂層をその下側に設けても良く、この場合、光硬化条件を強化し表層のシール基材層の上から光硬化加工し、なお且つ光硬化樹脂を溶剤を使用しないタイプとするか、シールクッション層の上に光硬化樹脂層を設け、光硬化加工後にシール基材層をラミネート加工しても良い。
【0106】
上記の場合、光硬化樹脂層が引き裂きシール部材17の中間層となり、引き裂き性は中間層に引き裂きガイド層である光硬化樹脂層がある構成であるため、引き裂き時のガイドはずれが発生しにくい。
【0107】
また、前述の実施例では、光硬化部分を引き裂き部分の両側面のみとした場合を説明したが、光硬化樹脂の塗布域や、これに対応して、必要最低限に部分塗布(パートコート)し、その後、任意の形状に抜き加工を行えば、更に塗布材料費及び塗布/乾燥工程の時間短縮化が可能となり、より望ましい。
【0108】
更に、前述した実施例では、主に光硬化を行う活性エネルギー線として紫外線を用いて説明したが、電子線を用いて、厳密なエネルギー量の調整を行うことにより、紫外線を用いる場合よりも更に光硬化時間を大幅に短縮することも可能となり、引き裂く際のガイドの層となる、光硬化樹脂の膜圧を30μm以上にして、斜め引きの引き裂き部はずれ(=ガイドはずれ)により対応できる。
【0109】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、光硬化樹脂を用い、任意に光遮光を行うことにより正確な位置精度を備えた引き裂き部を形成し、光硬化部と遮光部(=未硬化部)の強度バランスを所定とすることにより、安定した引き裂き性を得ることができる。
【0110】
又、本発明によれば従来の膜厚コントロールやハーフカット加工によらないため、引き裂き部の直進安定性、及びフィルム強度を安定して保つことができる。
【0111】
又、本発明によれば、前記のように優れた引き裂き性を備えたトナー容器、及びプロセスカートリッジを実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーシールの光硬化状態を示す断面図である。
【図2】トナーシールの斜視図である。
【図3】トナーシールとトナー容器の合体を示す図である。
【図4】トナー容器と現像容器の合体を示す図である。
【図5】ヒートシールパターンの説明図である。
【図6】ヒートシールパターンの位置関係を示す図である。
【図7】ヒートシールの引き裂き先端部を示す平面図である。
【図8】ヒートシールの引き裂き先端部を示す平面図である。
【図9】ヒートシールの引き裂き先端部を示す平面図である。
【図10】ヒートシールの引き裂き先端部を示す平面図である。
【図11】プロセスカートリッジを装着した画像形成装置の構成を説明する縦断面図である。
【図12】プロセスカートリッジの構成を説明する断面図である。
【図13】プロセスカートリッジの装着構成を説明する斜視図である。
【図14】プロセスカートリッジの装着構成を説明する斜視図である。
【図15】本発明のトナーシールの光硬化状態を示す断面図である。
【図16】ヒートシールパターン及び光硬化部分の位置関係を示す図である。
【符号の説明】
A 画像形成装置
B プロセスカートリッジ
G 駆動伝達ギア
W2 溶着部
R 炭酸ガスレーザー
L1 引き出し部の幅
L2 引き裂きガイドの間隔
L3,L3′ シールパターンの内側エッジと引き裂きガイド間の距離
L4 左右の内側エッジの間隔
L5 シール引き出し口の幅
L6 光硬化部の幅
1 光学系
2 記録媒体
3 搬送手段
3a 給紙カセット
3b ピックアップローラ
3c 給送ローラ
3d 搬送ローラ
3e レジストローラ
3f ガイド板
3g,3h 排出ローラ対
3i 手差しトレイ
3j ローラ
4 転写ローラ
5 定着手段
5a 駆動ローラ
5b ヒータ
5c 定着ローラ
6 排出部
7 感光体ドラム
8 帯電ローラ
9 開口部
10 現像装置
10a トナー送り部材
10b 固定磁石
10c 現像ローラ
10d 現像ブレード
10e トナー溜め
11 クリーニング手段
11a クリーニングブレード
11b スクイシート
11c 廃トナー溜め
12a トナー収納容器
12a1 開口部
12a2 フランジ
12b 現像フレーム
12c クリーニング容器
13 画像形成装置本体
14 軸
15 開閉部材
16 カートリッジ装着ガイド部材
16a ガイド部
17 引き裂きシール部材
17a カバーシール部
17a1 端部
17b 引き出し部
17b1 縁
17c 引き裂きガイド
17e 先端エッジ部
17e1 幅
19 シール部材
20 シール部材
31a 表層
31a1,31a3 光遮光部
31a2 光硬化部
31b シール基材層
31c シールクッション層
31d シーラント層
33 シールパターン
33a 山型シールパターン
33b 角状パターン
33c 山型シールパターン
33d 内側エッジ
θ 傾斜角度
40,50 遮光部材
Claims (33)
- 容器の開口部をシールし、開封時に前記開口部に略平行に引き裂かれるシール部材において、前記シール部材に光硬化樹脂層を設け、前記シール部材に設けられた引き裂かれる部分が光硬化されておらず、引き裂かれる部分の少なくとも両側面が光硬化されていることを特徴とするシール部材。
- 前記シール部材が、引き裂かれる部分が光硬化されておらず、引き裂かれる部分の少なくとも両側面が光硬化されている表層、及びシール基材層、シーラント層を備えたことを特徴とする請求項1に記載のシール部材。
- 前記シール部材が、シール基材層、引き裂かれる部分が光硬化されておらず、引き裂かれる部分の少なくとも両側面が光硬化されている引き裂きガイド層、シーラント層を備えたことを特徴とする請求項1に記載のシール部材。
- 前記シール部材が、引き裂かれる部分が光硬化されておらず、引き裂かれる部分の少なくとも両側面が光硬化されている表層、及びシール基材層、シールクッション層、シーラント層からなることを特徴とする請求項1に記載のシール部材。
- 前記シール部材がシール基材層、引き裂かれる部分が光硬化されておらず、引き裂かれる部分の少なくとも両側面が光硬化されている引き裂きガイド層、及びシール基材層、シールクッション層、シーラント層からなることを特徴とする請求項1に記載のシール部材。
- 前記光硬化樹脂が、電子線硬化樹脂、もしくは紫外線硬化樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のシール部材。
- 前記シール部材の表層が光硬化時に引き裂かれる部分を遮光して光硬化させることを特徴とする請求項1に記載のシール部材。
- 前記シール部材表層の光硬化されない引き裂かれる部分の引張破断強度が、光硬化される部分の引張破断強度に対して10%〜50%であることを特徴とする請求項1に記載のシール部材。
- 前記シール部材の表層の引き裂かれる部分の幅が10〜500μmであることを特徴とする請求項1に記載のシール部材。
- 前記シール部材の表層が、厚み10〜30μmの、活性エネルギー線により重合硬化する多官能重合性化合物であることを特徴とする請求項1に記載のシール部材。
- 前記シール基材層が、厚み10〜20μmの2軸延伸ポリエステルフィルム、または2軸延伸ナイロンフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のシール部材。
- 前記シールクッション層が、厚み10〜20μmの低密度ポリエチレン(LDPE)、または高密度ポリエチレン(HDPE)、または直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、またはメタロセン触媒により合成された低分子量ポリオレフィン系重合体の少なくとも1つから選ばれることを特徴とする請求項1に記載のシール部材。
- 前記シーラント層が、厚み30〜50μmのエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、またはメタロセン触媒により合成された低分子量ポリオレフィン系重合体であることを特徴とする請求項1に記載のシール部材。
- 内部に現像剤を収納し、容器の開口部をシールし開封時に前記開口部に略平行に引き裂かれるシール部材において、前記シール部材に光硬化樹脂層を設け、前記シール部材に設けられた2本の引き裂かれる部分が光硬化されておらず、引き裂かれる部分の少なくとも両側面が光硬化されていることを特徴とするシール部材。
- 前記シール部材が、引き裂かれる部分が光硬化されておらず、引き裂かれる部分の少なくとも両側面が光硬化されている表層、及びシール基材層、シーラント層を備えたことを特徴とする請求項14に記載のシール部材。
- 前記シール部材が、シール基材層、引き裂かれる部分が光硬化されておらず、引き裂かれる部分の少なくとも両側面が光硬化されている引き裂きガイド層、シーラント層を備えたことを特徴とする請求項14に記載のシール部材。
- 前記シール部材が、引き裂かれる部分が光硬化されておらず、引き裂かれる部分の少なくとも両側面が光硬化されている表層、及びシール基材層、シールクッション層、シーラント層からなることを特徴とする請求項14に記載のシール部材。
- 前記シール部材が、シール基材層、引き裂かれる部分が光硬化されておらず、引き裂かれる部分の少なくとも両側面が光硬化されている引き裂きガイド層、及びシール基材層、シールクッション層、シーラント層からなることを特徴とする請求項14に記載のシール部材。
- 前記光硬化樹脂が、電子線硬化樹脂、もしくは紫外線硬化樹脂であることを特徴とする請求項14に記載のシール部材。
- 前記シール部材の表層が光硬化時に引き裂かれる部分を遮光して光硬化させることを特徴とする請求項14に記載のシール部材。
- 前記シール部材表層の光硬化されない引き裂かれる部分の引張破断強度が、光硬化される部分の引張破断強度に対して10%〜50%であることを特徴とする請求項14に記載のシール部材。
- 前記シール部材の表層の引き裂かれる部分の幅が10〜500μmであることを特徴とする請求項14に記載のシール部材。
- 前記シール部材の表層が、厚み10〜30μmの、活性エネルギー線により重合硬化する多官能重合性化合物であることを特徴とする請求項14に記載のシール部材。
- 前記シール基材層が、厚み10〜20μmの2軸延伸ポリエステルフィルム、または2軸延伸ナイロンフィルムであることを特徴とする請求項14に記載のシール部材。
- 前記シールクッション層が、厚み10〜20μmの低密度ポリエチレン(LDPE)、または高密度ポリエチレン(HDPE)、または直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、またはメタロセン触媒により合成された低分子量ポリオレフィン系重合体の少なくとも1つから選ばれることを特徴とする請求項14に記載のシール部材。
- 前記シーラント層が、厚み30〜50μmのエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、またはメタロセン触媒により合成された低分子量ポリオレフィン系重合体であることを特徴とする請求項14に記載のシール部材。
- 前記シール部材が
(a)現像剤容器の開口部を開封可能に封止するための封止部と、
(b)前記封止部から延出している延出部であって延出方向と直行する方向の幅が前記封止部の幅よりも狭い延出部と、
(c)前記封止部の、前記延出部の設けられている側のふちと、前記延出部の前記延出方向に沿っているふちとを接続している接続縁とを有していることを特徴とする請求項14に記載のシール部材。 - 前記シール部材の接続ふちは、前記延出方向における下流側のふちと、前記延出部の、前記延出方向に沿っているふちと接続しており、内側に凹んだ円弧形状であることを特徴とする請求項14に記載のシール部材。
- 前記シール部材の接続ふちは、前記延出方向における下流側のふちと、前記延出部の、前記延出方向に沿っているふちと接続しており、前記内延出方向に対して傾斜した直線形状であることを特徴とする請求項14に記載のシール部材。
- 前記シール部材が熱圧着により容器の開口部に接着されていることを特徴とする請求項14に記載のシール部材。
- 前記シール部材がシール界面で容器から容易に剥離(イージーピール)可能である請求項14に記載のシール部材。
- 容器の開口部をシールし、開封時に前記開口部に略平行に引き裂かれるシール部材において、前記シール部材の表層に光硬化樹脂層を設け、前記シール部材に設けられた2本の引き裂かれる部分が光硬化されておらず、引き裂かれる部分の少なくとも両側面が光硬化されていることを特徴とするシール部材を用いた現像剤収納容器。
- 少なくとも像担持体を用いて構成され、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、請求項32に記載の現像剤収納容器を有してなることを特徴とするプロセスカートリッジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003126511A JP2004333637A (ja) | 2003-05-01 | 2003-05-01 | シール部材、現像剤容器及びプロセスカートリッジ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003126511A JP2004333637A (ja) | 2003-05-01 | 2003-05-01 | シール部材、現像剤容器及びプロセスカートリッジ |
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Family Applications (1)
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JP2003126511A Withdrawn JP2004333637A (ja) | 2003-05-01 | 2003-05-01 | シール部材、現像剤容器及びプロセスカートリッジ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010039358A (ja) * | 2008-08-07 | 2010-02-18 | Canon Inc | 画像形成装置に着脱可能なカートリッジ |
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2003
- 2003-05-01 JP JP2003126511A patent/JP2004333637A/ja not_active Withdrawn
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