JP2004333134A - におい測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】主成分に微量の異臭成分が混入したような試料のにおいに対しても、異臭成分のにおいの強さなどを正確に測定する。
【解決手段】まず予備測定として、捕集管16に測定対象の試料ガスを流して吸着剤16aに試料成分を吸着させた後、バルブ12、13を切り替えて捕集管16を通過したキャリアガスをセンサセル21に導入する。このとき、捕集管16の温度を所定温度幅ずつ段階的に上昇させてゆき、各温度でにおいセンサ21aの検出出力の変化を判定して変化の生じた温度をメモリ25に記憶しておく。こうしてその試料ガスに含まれる各種成分について捕集管16からの追い出し温度を把握した後に、その試料ガスの本測定を実行する。本測定の際には、試料成分を捕集管16に捕集した後、メモリ25に記憶してある温度のみを段階的に設定して捕集管16を加熱し、各成分を個別に濃縮した状態でにおいセンサ21aで検出する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスセンサの一種であるにおいセンサを使用して試料ガスに含まれるにおい成分を測定するにおい測定装置に関し、特に、飲食品などの本来の目的とするにおい以外の異臭成分の混在があるような場合に、それらを区別して評価したいときに好適なにおい測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、においに関する各種指標値の測定は、ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)などを用いた成分分析が主流である。しかしながら、こうした成分分析では、測定時間が掛かる、測定に熟練を要する、試料に対して得られる信号の種類が非常に多くその解析や解釈が困難である、更には、人間の嗅覚による官能値との相関がない、などの様々な問題がある。
【0003】
これに対し、近年、におい物質に対して応答するにおいセンサを利用したにおい測定装置が開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2、及び非特許文献1など参照)。このようなにおい測定装置では、複数のにおいセンサにより取得された検出信号を基に、クラスター分析、主成分分析等の各種多変量解析処理、或いはニューラルネットワークを用いた非線形解析処理などを行って、複数の試料のにおいの離間距離(近い範疇のにおいであるかどうか)を求めることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−352088号公報
【特許文献2】
特開2002−22692号公報
【非特許文献1】
“食品・飲料・化学品・環境などのにおい検査を機器化 におい識別装置 FF−1”、[online]、株式会社島津製作所、[平成15年4月23日検索]、インターネット、〈URL : http://www.an.shimadzu.co.jp/products/food/ff1.htm〉
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現状のにおい測定装置に利用されているにおいセンサの選択性は未だ必ずしも充分に高くないため、或る1つのにおいセンサは1種類のにおいのみならず複数種のにおいに対して応答する。そのため、例えばオレンジジュース中に混入している異臭を測定したいような場合に、異臭成分の量がごく僅かであると、主成分であるオレンジジュースの強いにおいにマスキングされてしまって異臭成分を検知することは非常に困難である。
【0006】
一般に、微量であるにおい成分を検出したい場合、試料ガスを濃縮することにより被測定成分の濃度を高める前処理が有用である。例えば加熱脱着法(サーマルデソープション)では、被測定成分を吸着する吸着剤を装填した捕集管に試料ガスを流通させて、該試料ガスに含まれる被測定成分を吸着剤に吸着させる。そして、充分に被測定成分が吸着された後に、捕集管にキャリアガスを流しつつ吸着剤の温度を急速に上昇させる。これにより、吸着されていた被測定成分が短時間の間に吸着剤から離脱し、キャリアガスに乗ってにおいセンサに運ばれる。吸着剤の昇温度合やキャリアガスの流量などを適宜に設定することによって、元の試料ガスよりも被測定成分濃度をかなり高めた状態でにおいセンサに供給することができる。
【0007】
しかしながら、上述したように多量のオレンジジュースにごく微量の異臭成分が混入している場合には、濃縮処理を行ってもオレンジジュースの主成分も同時に濃縮されてしまい、そのまま測定を行うとその主成分に対するにおいセンサの応答が大きくなり過ぎてセンサ出力が飽和してしまう。すなわち、主成分がバックグラウンド成分となって異臭成分の検出を妨害する。
【0008】
また、捕集管に充填する吸着剤の種類を選ぶことによって主成分を捕集せずに異臭成分のみを濃縮する、という方法も考えられるが、測定対象の種類毎に捕集管を交換しなければならないという手間が掛かる上に、異臭成分の種類によっては主成分と共に吸着剤に捕集されずに通過してしまって適切に測定できないというおそれもある。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みて成されたものであり、その主たる目的とするところは、その含有量に拘わらずバックグラウンド成分である主成分と異臭成分とを分離し、例えば主成分に対する異臭成分の含有比率などの評価を正確に行うことができるにおい測定装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明は、試料ガスに含まれる試料成分を吸着するとともに加熱により該試料成分を離脱する吸着剤を内装した捕集管と、試料成分を検出する複数のにおいセンサを有するにおい検出手段と、前記吸着剤に試料成分を吸着させるべく前記捕集管に試料ガスを流した後に、該吸着剤から離脱する試料成分を前記におい検出手段に導入するべく前記捕集管にキャリアガスを流す流路切替手段と、を具備するにおい測定装置において、
a)前記吸着剤に捕集した試料成分を離脱させる際に、前記捕集管の温度を段階的に上昇させながら前記におい検出手段による検出信号の得られる1つ以上の成分離脱温度を見つけるための予備測定を行い、該成分離脱温度を記憶しておく予備測定実行制御手段と、
b)前記吸着剤に捕集した試料成分を離脱させる際に、前記捕集管の温度を前記予備測定において記憶された成分離脱温度に順次設定しながら前記におい検出手段による検出信号を取得する本測定実行制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態、及び効果】
本発明に係るにおい測定装置では、予備測定と本測定の2段階に分けて測定対象である試料の測定が実行される。すなわち、まず予備測定実行制御手段は、試料ガスを捕集管に流した後、捕集管を加熱して捕集されている成分を離脱させる際に、加熱温度を急激に高温まで上昇させるのではなく、例えば所定の下限温度から所定温度ステップずつ段階的に上昇させる。そして、その昇温過程の各温度においてにおい検出手段による検出信号が得られるか否かを確認し、検出信号が得られたときの温度を成分離脱温度として記憶してゆく。一般に、捕集管の吸着剤に吸着されている各種の成分は、その成分毎に決まった温度において吸着剤から離脱する。したがって、異なる成分は異なる温度において吸着剤から離脱する可能性が高く、昇温時の温度ステップを狭くするほど異なる成分の分離性が高くなる。
【0012】
こうしたことから、所定の上限温度まで達した時点で記憶されている1つ以上の成分離脱温度は、試料中の各種成分に対応したものとなり、それ以外の各温度においては吸着剤から離脱する成分は存在しないものと判断することができる。続いて本測定実行制御手段は、測定対象の試料ガスを捕集管に流して試料成分を捕集した後、捕集管を加熱して捕集されている成分を離脱させる際に、加熱温度を上記1つ以上の成分離脱温度に順次設定して測定を行う。例えば成分離脱温度がTa、Tb(Ta<Tb)の2つであるとすると、常温からまずTaまで急激に昇温を行い、その温度を維持してにおいの検出を行った後にTaからTbまで急激に昇温を行う。そして、その温度を維持して、再度においの検出を行う。これによって、各温度Ta、Tbにおいて捕集管から離脱する異なる成分を、それぞれ濃縮した状態でにおい検出手段へと導入することができる。
【0013】
なお、吸着剤からの成分追い出し時に捕集管に流すキャリアガスの流量によって成分濃縮の程度を変えることが可能であるから、例えばもともと含有量が多く濃縮の必要がない又は濃縮の程度を小さくしたいような成分に対しては、その成分離脱時のキャリアガスの流量を増加させるような制御を行えばよい。
【0014】
本発明に係るにおい測定装置によれば、混在している複数の成分を分離し、その含有量が微量であってそのままでは検出が難しいような成分に対しては充分に濃縮を行った上で、においの検出を行うことができる。したがって、例えば多量の主成分と微量な異臭成分とが混在しているような場合でも、主成分の影響を受けることなく異臭成分を確実に検出することができ、異臭成分の量や質などの評価を高い精度で行うことができる。
【0015】
また本発明に係るにおい測定装置では、予備測定を行う必要はあるものの、本測定時にはその試料に含まれる成分のみに対する温度設定を行えばよい。したがって、複数の試料において含有成分の種類が同一である場合には、予備測定は1回だけ行えばよいので、本測定に要する測定時間を短縮することで全体の測定の効率を向上させることができる。
【0016】
また、本発明の一実施態様として、前記予備測定の段階で試料中の主成分と異臭成分とに対する相異なる成分離脱温度を見つけ、前記本測定においてその主成分と異臭成分とのそれぞれの検出信号を取得し、その検出信号に基づいて前記試料中における主成分と異臭成分との含有量の比率を算出する演算処理手段を備える構成とすることができる。
【0017】
この構成によれば、異臭成分検出にとってはバックグラウンド成分である多量の主成分と微量の異臭成分とが混合している場合でも、異臭成分を主成分と分離して高い精度で検出することができるので、試料中における主成分と異臭成分との含有量の比率を正確に求めることができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の一実施例であるにおい測定装置を、図1〜図5を参照して説明する。図1は本実施例のにおい測定装置のガス流路を中心とする概略構成図、図2は本装置における測定動作の手順を示すフローチャート、図3はその測定動作の際のガスの流れを説明する図、図4は本装置の予備測定時の昇温プロファイル及びそれに対するにおい検出出力の一例を示す図、図5は本装置の本測定時の昇温プロファイル及びそれに対するにおい検出出力の一例を示す図である。
【0019】
本におい測定装置は、大別して、試料ガスに含まれる水分の除去と試料成分の濃縮を行うための前処理部と、試料成分を検出するためのにおい検出部とから成る。前処理部は、加熱用のヒータ17が付設された捕集管16と、捕集管16の一端部に接続された第1ガス流路14を試料ガス導入口10又はセンサセル21に択一的に接続するための第1バルブ12と、捕集管16の他端部に接続された第2ガス流路15を窒素ガス供給口11又はポンプ18を介して排気口19に択一的に接続するための第2バルブ13とを含む。捕集管16には、測定対象の試料成分に応じて、例えばカーボン系吸着剤やその他の適宜の吸着剤16aが充填される。
【0020】
におい検出部は、複数のにおいセンサ21aを内部に備えたセンサセル21を含む。ここで、においセンサ21aは、種々のにおい成分に対してそれぞれ検出感度の相違する特性を有する金属酸化物半導体を感応膜に利用したにおいセンサとするが、においセンサはこれに限るものではなく従来知られている各種センサを利用することができる。
【0021】
複数のにおいセンサ21aの電極間の抵抗変化に基づく検出信号は、A/D変換器22でデジタル化された後にデータ処理部23及び制御部24に送られる。データ処理部23はそれら検出信号に基づいて、においの質や強さの識別を行う機能を有する。制御部24は、所定の制御プログラムに従って、前述した第1、第2バルブ12、13、ポンプ18、データ処理部23等の各部の動作を制御するとともに、その動作の中で温度データメモリ25と協働してヒータ17による加熱動作を制御する。なお、データ処理部23や制御部24の実体はパーソナルコンピュータであって、このコンピュータ上で所定の制御・処理プログラムを動作させることによりそれぞれの機能が達成される。
【0022】
次に、このにおい測定装置における典型的な測定動作の一例を説明する。測定対象の試料が与えられたとき、制御部24は、本測定に先立って予備測定を実行するべく以下のように各部を制御する(ステップS1)。なお、ここでは試料として、或る主成分(例えばオレンジジュース)に少量又は微量の異臭成分が混入しているものを想定する。
【0023】
制御部24は、試料成分の捕集を行うべく、第1ガス流路14が試料ガス導入口10に接続されるように第1バルブ12を切り替えるとともに、第2ガス流路15が排気口19に接続されるように第2バルブ13を切り替え、ポンプ18を作動させる(ステップS2)。すると、図3(A)に示すように、試料ガス導入口10に装着された図示しない試料バックから試料ガスが吸引され、試料ガスは第1バルブ12を介して捕集管16を通り、さらに第2バルブ13を通って排気口19から排出される。このときヒータ17には通電を行わず(厳密には、捕集管16を例えば40℃の一定温度に維持するようにヒータ17を制御する)、試料ガスが捕集管16を通過する際に試料ガスに含まれる各種の試料成分は吸着剤16aに吸着される。
【0024】
通常、捕集管16内の吸着剤16aには試料ガスに含まれる水分も吸着されてしまい、この水分が後の測定時に悪影響を及ぼすことがあり得る。そこで、所定時間、捕集管16に試料ガスを流通させた後、制御部24は、試料ガス導入口10を開放するとともに、第2バルブ13を切り替えて第2ガス流路15を窒素ガス供給口11に接続する。窒素ガス供給口11には、キャリアガスとして乾燥窒素ガスが高いガス圧で供給される。このときの入口ガス圧は試料ガス導入口10のガス圧よりも高いため、図3(B)に示すように、キャリアガスは第2バルブ13を介して捕集管16を下から上に通過し、第1バルブ12を通って試料ガス導入口10から外部へと流出する。その際に、捕集管16内の吸着剤16aに吸着されている水は乾燥窒素ガス中に揮散し、外部へと運び去られるため、吸着剤16aには試料成分は残ったまま水分が除去される(ステップS3)。
【0025】
その後、制御部24は、第1バルブ12を切り替えて第1ガス流路14をセンサセル21に接続する。窒素ガス供給口11には、乾燥窒素ガスに空気(又は酸素)を僅かに混入させたキャリアガスが高いガス圧で供給される。図3(C)に示すように、このキャリアガスは第2バルブ13を介して捕集管16を通過し、第1バルブ12を通ってセンサセル21へと流れる。なお、純粋な窒素ガスでなく空気(又は酸素)を僅かに混入させるのは、金属酸化物半導体を用いたにおいセンサでは検出メカニズムに酸素が必要なためであって、導電性高分子膜など他のにおいセンサを利用する場合には、空気や酸素を必要としない。
【0026】
また制御部24はヒータ17に通電を開始し、例えば図4(C)に示すような昇温プロファイルで以て捕集管16の温度が段階的に上昇するようにヒータ17を制御する。図4(C)の昇温プロファイルは、40℃の温度から約30秒毎に20℃ずつ温度を上昇させてゆき、160℃に達した後には最高温度の220℃まで昇温を行うものである。捕集管16の吸着剤16aに吸着した各種の試料成分は、一般に吸着剤16aが高温になると離脱して揮散するが、その吸着性(吸着力)は成分の種類にかなり依存している。そのため、吸着剤16aからの離脱が生じるときの温度はその成分の種類に依存しており、或る種のものは比較的低温で離脱し、他の種のものは高温でないと離脱しない。こうしたことから、上述のように段階的に捕集管16を昇温してゆくと、吸着剤16aに吸着されている各種成分はそれぞれの離脱温度に達した段階で急速に吸着剤16aから離脱し、キャリアガス流に乗ってセンサセル21へと導入される。
【0027】
こうした試料成分を含むキャリアガスがセンサセル21を通ると、においセンサ21aの感応膜に該試料成分が吸着され、においセンサ21aの電極間の電気抵抗が変化し、この変化が検出信号として取り出される。したがって、上記のような段階的な昇温の温度ステップを適宜に小さく設定しておけば、吸着剤16aから離脱する温度の相違によって各試料成分を分離し、においセンサ21aではその試料成分毎の検出信号を得ることができる(ステップS4)。分離性を良好にするには温度ステップを小さくすればよいが、そうすると予備測定に要する時間が長くなるため、両者の兼ね合いで適宜に定めることが好ましい。
【0028】
或る1個のにおいセンサ21aについて、試料が異臭成分を含有せず主成分のみから成る場合には、検出出力は例えば図4(A)に示すようになる。すなわち、この例では、主成分に対応する検出出力は温度が140℃である期間中にのみ得られる。一方、試料が異臭成分を含有する場合には、検出出力は例えば図4(B)に示すようになる。この場合、温度が140℃であるときに現れる主成分に対応する検出出力のほかに、温度が100℃であるときに異臭成分に対応する検出出力が現れている。検出出力が現れない他の温度に関しては、その温度において吸着剤16aから離脱する成分がその試料中には存在しないものと判断することができる。
【0029】
そこで、制御部24は昇温の過程で検出信号を判定し、何らかの成分が検出されたものと判断できる程度の変化がある場合には、そのときの温度データTn(n=1,2,…)を取得して温度データメモリ25に記憶させる(ステップS5)。したがって、例えば図4(A)のような変化が生じた場合には温度T1=100[℃]のみを温度データメモリ25に記憶し、図4(B)のような変化が生じた場合にはT1=100[℃]及びT2=140[℃]の2つの温度データをメモリ25に記憶させる。但し、これは1個のにおいセンサ21aの検出信号であるから、実際には、複数のにおいセンサ21aのいずれかで検出出力があると判断できるような温度データを、全てメモリ25に記憶するものとする。
【0030】
その後、クリーニング処理を行うべく、制御部24はヒータ17への通電電流をさらに増加させて捕集管16内の吸着剤16aを高温にし、吸着剤16aに付着している汚れ成分などを完全に追い出す(ステップS6)。
【0031】
以上で予備測定は終了し、捕集管16の温度が充分に下がった後に本測定を実行する(ステップS7)。本測定では、上記ステップS2、S3と同様のステップS8、S9の処理により、測定対象の試料に含まれる各種成分を捕集管16内の吸着剤16aに捕集し、その後に不所望の水分のみを除去する。
【0032】
続いて制御部24は、上記ステップS4の処理と同様に流路を設定し、ヒータ17への通電を開始する。但し、このときには、温度データメモリ25から先の予備測定の際に記憶しておいた温度データTnを読み出し、その温度データTnに従って順次、つまりT1→T2→…と段階的に昇温を行う(ステップS10)。
【0033】
例えば、図4(B)で説明したような検出出力に対応してT1=100[℃]及びT2=140[℃]の2つの温度データが温度データメモリ25に記憶されている場合には、図5(C)に示すような昇温プロファイルを設定する。すなわち、定常的な温度である40℃から100℃(T1)まで急激に捕集管16の温度を上昇させ、その温度を所定時間(この例では略1分)だけ維持し、その後、100℃から更に140℃(T2)まで急激に捕集管16の温度を上昇させ、その温度を所定時間維持する。
【0034】
捕集管16の温度を100℃に維持している期間には、吸着剤16aに吸着されている異臭成分が離脱してセンサセル21へと導入される。このときには主成分は未だ吸着剤16aから離脱しないので、においセンサ21aでは異臭成分のみに対する検出信号が得られる(図5(A)参照)。また、このときに吸着剤16aに吸着されていた異臭成分は短時間でキャリアガス中に揮散するので、初めの試料ガスに含まれていたときの含有量が微量であった場合でもキャリアガス中での含有量はこれと比べて各段に高くなり、においセンサ21aにより検出され易くなる。なお、このときの異臭成分(主成分でも同様)の濃縮率は、単位時間当たりに流すガス流量とガスを流す時間とにより制御することができる。
【0035】
次いで、捕集管16の温度を140℃に維持している期間には、吸着剤16aに吸着されている主成分が離脱してセンサセル21へと導入される。このとき、異臭成分は既に吸着剤16aからほぼ完全に追い出されてしまっているため、においセンサ21aでは主成分のみに対する検出信号が得られる。このようにして、測定対象の試料に含まれる各種成分を分離して、各成分を適宜充分に濃縮して検出することができる。また、成分分離に必要な温度のみ(図5の例では100℃及び140℃)を設定して段階的に昇温を行っているため、本測定では効率よく測定を行うことができる。
【0036】
こうして異臭成分と主成分の検出信号をそれぞれ取得した後、データ処理部23では例えば次のような処理を行う。すなわち、においセンサ21aが酸化物半導体である場合、ベース抵抗値をR0、信号のピークのときの抵抗値をRsとしたとき、異臭成分と主成分とのそれぞれについて、−log(Rs/R0)を計算し、その比率(異臭成分量/主成分量)を求める。そして、この値を規格化することで、サンプリング毎の試料量の変動などをキャンセルする。これによって主成分に対する異臭成分量を正確に求めることができる。こうして本測定を行った後にはステップS6と同様のクリーニング処理を行い(ステップS11)、吸着剤16aをきれいにした状態で全測定を終了する。
【0037】
上記実施例では、或る試料を測定する際にまず予備測定を行い、引き続いて本測定を行うという手順で一連の測定を行っていたが、異臭成分の種類等が特定されていてその異臭成分のにおい強度などを多数の試料に対して測定したい場合には、まず或る1種類の試料を予備測定することで異臭成分を含む全成分の追い出し温度Tnを見い出し、その温度データを利用して全ての試料の本測定を実行することができる。このように、必ずしも本測定毎に予備測定が必要になるわけではなく、その本測定に利用できる温度データが既に温度データメモリ25に保存されていれば予備測定は省略できる。
【0038】
また、上記実施例は本発明の一例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、修正、又は追加を行えることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるにおい測定装置のガス流路を中心とする概略構成図。
【図2】本実施例のにおい測定装置における測定動作の手順を示すフローチャート。
【図3】本実施例のにおい測定装置における測定動作の際のガスの流れの説明図。
【図4】本実施例のにおい測定装置の予備測定時の昇温プロファイル及びそれに対するにおい検出出力の一例を示す図。
【図5】本実施例のにおい測定装置の本測定時の昇温プロファイル及びそれに対するにおい検出出力の一例を示す図。
【符号の説明】
10…試料ガス導入口
11…窒素ガス供給口
12、13…バルブ
14、15…ガス流路
16…捕集管
16a…吸着剤
17…ヒータ
18…ポンプ
19…排気口
21…センサセル
21a…においセンサ
22…A/D変換器
23…データ処理部
24…制御部
25…温度データメモリ

Claims (2)

  1. 試料ガスに含まれる試料成分を吸着するとともに加熱により該試料成分を離脱する吸着剤を内装した捕集管と、試料成分を検出する複数のにおいセンサを有するにおい検出手段と、前記吸着剤に試料成分を吸着させるべく前記捕集管に試料ガスを流した後に、該吸着剤から離脱する試料成分を前記におい検出手段に導入するべく前記捕集管にキャリアガスを流す流路切替手段と、を具備するにおい測定装置において、
    a)前記吸着剤に捕集した試料成分を離脱させる際に、前記捕集管の温度を段階的に上昇させながら前記におい検出手段による検出信号の得られる1つ以上の成分離脱温度を見つけるための予備測定を行い、該成分離脱温度を記憶しておく予備測定実行制御手段と、
    b)前記吸着剤に捕集した試料成分を離脱させる際に、前記捕集管の温度を前記予備測定において記憶された成分離脱温度に順次設定しながら前記におい検出手段による検出信号を取得する本測定実行制御手段と、
    を備えることを特徴とするにおい測定装置。
  2. 前記予備測定の段階で試料中の主成分と異臭成分とに対する相異なる成分離脱温度を見つけ、前記本測定においてその主成分と異臭成分とのそれぞれの検出信号を取得し、その検出信号に基づいて前記試料中における主成分と異臭成分との含有量の比率を算出する演算処理手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のにおい測定装置。
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JP2007040725A (ja) * 2005-08-01 2007-02-15 Shimadzu Corp ガスクロマトグラフ
JP2008241546A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Hitachi High-Technologies Corp 固相抽出カラムの水分除去確認方法及び固相抽出カラムの水分除去確認装置並びに固相抽出カラム
JP2008298606A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Mitsubishi Chemical Analytech Co Ltd 分析用試料の燃焼方法
KR101755538B1 (ko) * 2016-01-12 2017-07-20 (주) 에이스엔 센서와 가스 크로마토그래피를 이용한 대기 모니터링 시스템 및 방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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