JP2004330859A - 非常口装置の操作方法と動作手順およびその機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非常口と、非常口扉機構と、付帯設備と、それらの制御機構からなる非常口装置を設け、異常事態が発生した際に乗客が車内に設けた解錠スイッチを扱うことにより、その信号を列車情報管制装置(TIMSと称す)が受け、その信号を基に列車情報管制装置から扉機構や付帯設備を制御する。また、列車情報管制装置が扉機構や付帯設備の故障を認識し、この場合には、列車情報管制装置が予備解錠機構や予備固定機構の操作方法を乗客に案内、指示して、乗客が安全かつ確実に避難できるようにした。
【選択図】 図13
Description
はじめに、この明細書における用語について、簡単な説明を記述する。
(用語)
手段:所定の目的を達成するための方法、構成、機構、装置等の総称。
方法:一連の手順の総称。ただし、操作は人が行うもので、動作は手 段が行うものとする。
避難:脱出、乗移りを含む安全維持行動。
異常:通常でないこと。
非常:緊急事態に移行する可能性もあるが、その時点では安全が維持された状態。
緊急:直ちに対策を講じないと、安全を維持できない状態。
車両:主として人を運ぶための移動する乗り物。
列車:車両によって構成された運行中の移動体。
停車:所定の地点に、車両または列車が停まること。
停止:所定外の地点に、車両または列車が止ること。
運行制御所: 列車の運行を管理制御する場所。
情報:状態や指示など、最終的には人に対して伝達する、意味をもつ内容。
信号:情報や制御の内容を、伝達の手段に対応させて変換したもの。
鎖錠:錠を掛け、固定すること。
解錠:錠を解き、固定しないこと。
解錠スイッチ:非常口の傍に設けた、扉の鎖錠を解くためのスイッチ。
解錠信号:解錠スイッチを扱うと生成される、扉の鎖錠を解く指令。
固定信号:乗移り態様時に選択される、梯子を床に固定する指令。
部位情報:解錠スイッチが扱われた列車内の部位を示す情報。
連結情報:連結器が連結状態にあるか否かを示す情報。
速度情報:列車の速度を示す情報。
速度ゼロ:列車速度がゼロ、すなわち停車または停止状態を示す情報。
放送装置:非常通報装置を除いた、乗客に音声で情報を伝える車両搭載機器の総称で、情報は車両に搭載した機器または運行制御所から通信手段を介して送る。非常口装置の範囲外。
表示装置:乗客に視覚で情報を伝える車両搭載機器の総称で、情報は車両に搭載した機器または運行制御所から通信手段を介して送る。非常口装置の範囲外。
非常通報装置:列車と運行制御所との間で、乗客が運行制御所の要員に何事かを通報し、または要員から乗客に通告し、互いに会話するための車両搭載機器の呼称で、情報は通信手段を介して送る。非常口装置の範囲外。
映像伝送装置:CCTVなど、列車と運行制御所との間で、主として映像情報を伝送する車両側、地上側ともに設けた装置で、情報は通信手段を介して送る。非常口装置の範囲外。
通信手段:列車と運行制御所との間で、信号、音声、映像などの情報を伝送する、列車無線装置などの車両側、地上側ともに設けた装置。非常口装置の範囲外。表示手段:運行制御所にあり、要員に運行状況や列車・車両の状態情報を示すもの。
制御手段:運行制御所にあり、列車や車両に対して指示・制御するもの。
【0002】
次に、この発明の詳細な説明の項で用いる構成要素について、その定義を以下に記述する。
(構成要素の定義)
・非常口装置:非常口、扉機構、付帯設備、制御機構で構成する、全体機構。
・非常口:常用しない出入に供する開口部。
・扉機構:扉、鎖錠機構、開閉機構で構成する、主要要素。
・扉:枠体、ガラス窓、鎖錠腕受で構成する、非常口を塞ぐ扉または戸。
・鎖錠機構:鎖錠腕、駆動機構ほかで構成する、扉を鎖錠する装置。
・鎖錠腕:扉に設けた鎖錠腕受と係合する、車体側に設けた装置。
・駆動機構:空気シリンダやソレノイド往復機構などで構成する、錠腕の駆動装置。
・開閉機構:支持基部、出入リンク、横移動機構、連結腕、またはこれらと動作制限機構ほかで構成する、扉の開閉装置。
・横移動機構: リニアガイドなどで構成する、扉を左右方向に移動させる装置。
・動作制限機構:軌跡板または軌跡溝とローラで構成する、扉の移動軌跡の制限装置。
・付帯設備:梯子、梯子カバー、桟板、固定機構で構成する、非常口利用のために設けた主要要素。
・固定機構:押し具、楔、動作機構ほかで構成する、梯子の飛出し防止装置。
・動作機構:空気シリンダやソレノイド往復機構で構成する、押し具の動作装置。
・制御機構:解錠スイッチ、連結検知機構、解錠制御機構、予備解錠機構、開扉検知機構、固定制御機構、予備固定機構、固定検知機構、TIMSで構成する扉機構の制御や、付帯設備を制御するための主要要素。
・解錠スイッチ:乗客が扉を開くときに操作する、非常口装置を取扱う最初の装置。
・連結検知機構:リミットスイッチで構成する、連結状態を検知する装置。
・解錠制御機構:電磁弁または接触器などで構成する、鎖錠機構の解錠制御装置。
・予備解錠機構:空気回路のコックまたはソレノイド連結のケーブルで構成する、解錠制御機構故障時の対応装置。
・開扉検知機構:リミットスイッチで構成する、開扉を検知する装置。
・固定制御機構:電磁弁または接触器などで構成する、固定機構の固定制御装置。
・予備固定機構:空気回路のコックまたはソレノイド連結のケーブルで構成する、固定制御機構故障時の対応装置。
・固定検知機構:リミットスイッチで構成する、梯子の固定を検知する装置。
・TIMS:列車に設ける、非常口装置の管理制御に必要な機能をもつ列車情報管制装置。
この明細書では、方法を説明する事項に( )書の数字による符号を付してあるが、それらは、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、図面において、各々が対応している。
【0003】
【産業上の利用分野】
この発明は、単独で運転される車両や、連結して運転される車両の異常事態において、乗客が車両から脱出して避難する場合や車両間で乗移り避難する場合における、車両に装備する非常口装置の操作方法や動作手順とその機構とを創造することで安全かつ確実に避難することができるようにすることである。
とくに鉄道車両、それも運転士や車掌などの乗務員が乗務していない自動運転方式の列車への適用に最適な、避難時の対応方法とその機構を提供することである。
【0004】
【従来の技術】
従来の車両におけるこの種の装置は、車内側または車外側から操作する非常口装置が用いられている。
バスにおける後部の非常口装置はその代表的な例で、非常口の扉に設けた解錠ハンドルを操作すれば扉を手で開けることができ、車内の乗客はそこから脱出できる。しかしバスなど単独で運行する車両では、避難すべき車両から別の車両へ、直接乗移る必要はない。
一方、鉄道のように連結して運行する列車では、車両間には通常、自由に往き来できる貫通路が設けてあり、かつ列車の先頭と後尾の車両端部には、車外への脱出用に非常口装置を設けている。
とくに、日本の地下鉄用車両では、この非常口が必須要件となっており、脱出の一般的な方法は、車内側から乗務員が非常口装置の解錠ハンドルを操作して扉を開き、ここに付帯設備として備えてある梯子を床にセットし、この梯子を使って列車から乗客を車外の軌道上に避難させる方法が採られている。
しかし、列車の両端部に非常口装置を設けられない車両では、このような方法は採られずに、乗客が乗降する側出入口しかないため、それらを脱出に使う。何れにしても、編成された車両間を往き来できる列車に限った車外への脱出では、これらのものでも特に不都合なことはない。
しかしながら、常時は往き来しない非常口装置のある車両端部を対面させて複数本の列車を併結して運転する場合、避難対応に関しては別途の工夫が必要となる。
具体的には、行先の異なる列車を併結して運転している最中、緊急に乗客が車両間を乗移る必要が生じた場合や、故障した列車に救援列車を連結した後、故障列車の乗客を救援列車に収容したい場合などがそれである。
鉄道車両に適用できる非常口装置のうち、最も進歩したものの一つが、既に日本特許第1992083号或いは欧州特許第0259886号として登録されいる。これらの非常口装置は、車外脱出時には扉の裏面を傾斜路として展開し、連結した車両間の乗移り時には扉を横移動させて非常口を確保するよう、各々の態様に応じた工夫がされている。
反面、この非常口装置には構造上窓が設けられず、列車の先頭部に設けた装置自体が車内からの前方視界を遮り、乗客サービスの観点からは不利となる課題も併せもつものである。
【0005】
【刊行物】
【特許文献1】特許第1992083号
【特許文献2】欧州特許第0259886号
【0006】
【解決しようとする課題】
鉄道など軌道系車両の列車は、乗務員が乗務する運転と、乗務員が乗務しない運転のものとがある。一般的には、前者を有人運転、後者を無人運転と呼ぶ。
有人運転用の車両では、非常口装置が大掛かりになっても乗務員室があるために客室への影響はなく、乗客の避難準備にかかる操作性が多少複雑化しても専門職の乗務員が取扱うのでそれほど問題とはならない。
しかるに、無人運転用の車両では、乗務員室がなく車内の全域が客室となるため、非常口装置が大掛かりになると客室の空間を狭めたり、また、非常口装置自体が前方の視界を遮るようになるので好ましいものではない。
さらに、無人運転用の車両では、避難対応の準備から完了まで、非常口装置の取扱いの全てを慣れない乗客自らが行う必要があり、有人運転用のそれに比べて次の点で優れていることが望ましい。
・取扱いが単純で間違いを生じないようになっていること。できれば自動化するのが望ましい。
・従来の非常口装置よりも確実に作動し、安全が保証されること。
・自動化部分の故障にも対応できて、安全を維持できること。
・単位時間の通過人数を多くできること。
・大きな空間を必要とせず、十分な前方視界を確保できること。
・無人運転用ではあるが、有人運転用にそのまま適用できること。
上記のこれら要求は、この発明の無人運転用車両だけに留まらず、有人運転用車両に対しても、当然その効果を発揮するものであることが望ましい。
そこで、この発明は、無人運転列車の非常口装置に課せられる前記した要求事項に対応できることは勿論のこと、従来の技術では解決し得なかった前記要求事項を全て実現できる解決手段を創造し、無人運転の軌道系列車だけの適用に限定されることなく、有人運転列車への適用や、単独で運転される非軌道系車両全般への適用も支障なく確実に実現でき、乗客の避難に対する安全性を向上するようにすることである。
【0007】
【課題を解決する手段その1】
車両からの避難に伴う一連の手順のうち、この発明に係る非常口装置の操作方法は、以下の各項番号の手順で行なうものである。なお、以下行頭に点を付した記述事項は、非常口装置以外の取扱い方法(手順)、または、解説をしたものである。
(全機能健全時の取扱い手順)
非常口装置のほか、全機能が健全に維持されている場合の操作方法は以下の手順で行なう。
(1)乗客が解錠スイッチを扱う。
(2)TIMSは、解錠信号を検知、認識し、車両の放送装置または表示装置、あるいはその両方に、以後の操作方法と避難要領の放送や表示を実行させる。
(3)TIMSは、列車に非常ブレーキを作用させる。
(4)TIMSは、解錠信号の発生部位を特定し、部位情報を生成する。
(5)TIMSは、部位情報を基に、その部位の連結情報を照査する。
(6)TIMSは、その照査結果が連結状態であれば乗移り態様と梯子の固定を選択し、非連結状態であれば脱出態様と梯子の非固定を選択する。
乗移り態様の場合、
(7)TIMSは、その部位とその部位に相対する部位の梯子の各固定制御機構に、固定信号を送る。
(8)各固定制御機構は、この固定信号を受ける。
(9)各固定制御機構は、固定機構を作動させて梯子を固定する。
(10)各固定検知機構は、梯子の固定を検知し、固定情報を生成する。
(11)TIMSは、これら固定情報を検知し、梯子の固定状態を認識する。
脱出態様の場合、
(7)TIMSは、その部位の梯子の固定制御機構に、非固定信号を送るか、もしくは固定信号を送らない。
(8)固定制御機構は、この非固定信号を受ける。
(9)固定制御機構は、固定機構を非固定のままとする。
(10)固定検知機構は、梯子の非固定を検知しつづけ、固定情報は生成されない。
(11)TIMSは、固定情報を検知せず、梯子の非固定状態を認識する。
上記乗移り態様・脱出態様ともに、
(12)TIMSは、列車の速度情報を照査する。
(13)TIMSは、その照査結果が速度ゼロでなければ解錠信号の出力を保留する。
(14)TIMSは、速度ゼロなら、解錠すべき部位の扉の解錠制御機構に、解錠信号を送る。
(15)解錠制御機構は、この解錠信号を受ける。
(16)解錠制御機構は、鎖錠機構を解錠する。
(17)開扉検知機構は、開扉を検知し、開扉情報を生成する。
(18)TIMSは、開扉情報を検知し、開扉状態を認識する。
(19)TIMSは、列車の通信手段に、以上一連の状態情報を送りつづける。
【0008】
【課題を解決する手段その2】
(解錠制御機構の故障部位の取扱い手順)
制御機構のうち、解錠制御機構が故障した部位の取扱い手順は、以下の通り行う。
(1)乗客が解錠スイッチを扱う。
(2)TIMSは、解錠信号を検知、認識し、車両の放送装置または表示装置、あるいはその両方に、以後の操作方法と避難要領の放送と表示を実行させる。
(3)TIMSは、列車に非常ブレーキを作用させる。
(4)TIMSは、解錠信号の発生部位を特定し、部位情報を生成する。
(5)TIMSは、部位情報をもとに、その部位の連結情報を照査する。
(6)TIMSは、その照査結果が連結状態であれば乗移り態様と梯子の固定を選択し、
非連結状態であれば脱出態様と梯子の非固定を選択する。
乗移り態様の場合、
(7)TIMSは、その部位とその部位に相対する部位の梯子の各固定制御機構に、固定信号を送る。
(8)各固定制御機構は、この固定信号を受ける。
(9)各固定制御機構は、固定機構を作動させて梯子を固定する。
(10)各固定検知機構は、梯子の固定を検知し、固定情報を生成する。
(11)TIMSは、各固定情報を検知し、梯子の固定状態を認識する。
脱出態様の場合、
(7)TIMSは、その部位の梯子の固定制御機構に、非固定信号を送るか、もしくは固定信号を送らない。
(8)固定制御機構は、この非固定信号を受ける。
(9)固定制御機構は、固定機構を非固定のままとする。
(10)固定検知機構は、梯子の非固定を検知しつづけ、固定情報は生成されない。
(11)TIMSは、固定情報を検知せず、梯子の非固定状態を認識する。
上記乗移り態様・脱出態様ともに、
(12)TIMSは、列車の速度情報を照査する。
(13)TIMSは、その照査結果が速度ゼロでなければ解錠信号の出力を保留する。
(14)TIMSは、速度ゼロなら、解錠すべき部位の扉の解錠制御機構に、解錠信号を送る。
(15)上記解錠制御機構は、この信号を受けられない。
(16)上記解錠制御機構は、鎖錠機構を解錠できない。
(17)開扉検知機構は、開扉を検知せず、開扉情報を生成しない。
(18)TIMSは、開扉情報を監視し、一定時間経過しても開扉情報を検知しないで、上記解錠制御機構の故障情報を生成する。
(19)TIMSは、車両内に設けた放送装置または表示装置、あるいはその両方に、手扱い解錠操作方法と避難要領の放送や表示を実行させる。
・乗客は、この放送か表示をもとに、車内側に設けた予備解錠機構を扱い、鎖錠機構を解錠し開扉できる。
(20)TIMSは、列車の通信手段に、以上一連の状態情報を送りつづける。
【0009】
【課題を解決する手段その3】
(固定制御機構の故障部位の取扱い手順)
制御機構のうち、固定制御機構が故障した部位の取扱い手順は、以下の通り行う。
(1)乗客が解錠スイッチを扱う。
(2)TIMSは、解錠信号を検知、認識し、車両の放送装置または表示装置、あるいはその両方に、以後の操作方法と避難要領の放送や表示を実行させる。
(3)TIMSは、列車に非常ブレーキを作用させる。
(4)TIMSは、解錠信号の発生部位を特定し、部位情報を生成する。
(5)TIMSは、部位情報を基に、その部位の連結情報を照査する。
(6)TIMSは、その照査結果が連結状態であれば乗移り態様と梯子の固定を選択し、
非連結状態であれば脱出態様と梯子の非固定を選択する。
乗移り態様の場合、
(7)TIMSは、その部位とその部位に相対する部位の梯子の各固定制御機構に、固定信号を送る。
(8)固定制御機構は、この固定信号を受けられない。
(9)固定制御機構は、固定機構で梯子を固定できない。
(10)固定検知機構は、梯子の固定を検知せず、固定情報を生成しない。
(11)TIMSは、固定情報を監視し、一定時間経過しても固定情報を検知しないので固定制御機構の故障情報を生成する。
(12)TIMSは、この車両内に設けた放送装置または表示装置、あるいはその両方に、梯子の手扱い固定操作方法と避難要領の放送や表示を実行させる。
・乗客は、この放送か表示を基に、車内側に設けた予備固定機構を扱い、梯子を固定できる。
(13)TIMSは、列車の速度情報を照査する。
(14)TIMSは、その照査結果が速度ゼロでなければ解錠信号の出力を保留する。
(15)TIMSは、速度ゼロなら、解錠すべき部位の扉の解錠制御機構に、解錠信号を送る。
(16)解錠制御機構は、この解錠信号を受ける。
(17)解錠制御機構は、鎖錠機構を解錠する。
(18)開扉検知機構は、開扉を検知し、開扉情報を生成する。
(19)TIMSは、開扉情報を検知し、開扉状態を認識する。
(20)TIMSは、列車の通信手段に、以上一連の状態情報を送りつづける。
【0010】
【課題を解決する手段その4】
(TIMS故障時の取扱い手順)
制御機構のうち、TIMSが故障した場合の取扱い手順は、以下の通り行う。
(1)TIMSは、自己診断機能によって自己の故障を検知し、TIMS故障情報を生成して、列車の通信手段に送る。
(2)乗客が解錠スイッチを扱う。
(3)故障を検知したTIMSは、入力される解錠信号を、そのまま列車の通信手段に中継して送りつづける。
・列車の通信手段は、この状態情報を運行制御所に中継して送る。
・運行制御所の表示手段は、この状態情報を表示する。
・運行制御所の要員は、状況を認識するとともに、予め規定された手順書を準備、これに基づいて、以下の措置を実行する。
・要員は、列車に非常ブレーキを作用させる。
・要員は、非常通報装置の回線を開く。
・要員は、乗客を呼び出して事情を聴取し、解錠信号の発生部位を特定する。
・要員は、避難の要否を決断し、その態様を決定する。
乗移り態様の場合、
・要員は、相対する両車両の車内側の予備固定機構を操作し、梯子を固定するよう乗客に指示する。
(4)乗客は、要員の指示に従い、両車両の車内側の予備固定機構を操作し、梯子を固定する。
(5)固定検知機構は、梯子の固定を検知して固定情報を生成する。
上記乗移り態様・脱出態様ともに、
・要員は、列車の停止を確認する。
・要員は、乗客に避難の要領と手順を説明、通告する。
・要員は、車内側に設けた予備解錠機構の操作で、鎖錠機構を解錠するよう乗客に指示する。
(6)乗客は、要員の指示に従い、車内側に設けた予備解錠機構を操作して鎖錠機構を解錠する。
(7)乗客は、解錠した扉を開く。
(8)開扉検知機構は、開扉を検知して開扉情報を生成する。
(9)故障したTIMSは、常時入力される状態情報を、そのまま列車の通信手段に中継して送りつづける。
【0011】
【課題を解決する手段その5】
(非常通報装置または通信手段故障時の取扱い手順)
列車に搭載した、非常通報装置または通信手段が故障した場合の取扱い手順は、以下の通り行う。
非常通報装置が故障した場合、
・非常通報装置は、自己診断機能によって自己の故障を検知し、非常通報装置故障情報を生成して、TIMSに送る。
(1)TIMSは、上記非常通報装置からの状態情報を列車の通信手段に中継して送りつづける。
・列車の通信手段は、上記状態情報を運行制御所に中継して送る。
・運行制御所の表示手段は、上記状態情報を表示する。
・運行制御所の要員は、状況を認識する。
通信手段が故障した場合、
・通信手段は、自己診断機能によって自己の故障を検知し、通信手段故障情報を生成して、運行制御所に送る。
・通信手段の故障には、状態情報が表示手段に届かず、途絶する場合もある。
・表示手段は、状態情報を監視し、一定時間経過しても状態情報を検知しないので、通信手段の故障情報を表示する。
・運行制御所の要員は、状況を認識する。
非常通報装置または通信手段が故障した場合、
・運行制御所の要員は、予め規定された手順書を準備、これに基づいて、列車を駅に収容して停車させるか、列車を駅間で停止させるか、を決断し、これを実行する。
列車を駅間で停止させる場合、
・要員は、列車を非常ブレーキで停止させる。
・要員は、列車が駅間で停止したことを確認する。
・要員は、救援列車または別途手配の派遣員の派遣を決断し、これを実行する。
(2)現地に到着した派遣員は、車外側に設けた車外側の予備解錠機構で、非常口の鎖錠機構を解錠する。
(3)派遣員は、解錠した扉を開く。
(4)派遣員は、避難の準備をする。
・派遣員は、乗客を避難させる。
列車を駅に収容する場合、
・要員は、列車運行を維持し、最寄りの駅へ列車を収容する。
・要員は、列車の駅停車を確認する。
・要員は、通常の乗客扱いで避難させる。
【0012】
【課題を解決する手段その6】
(車外側からの避難取扱い手順)
車外側から非常口装置を取扱う、解錠から避難までの手順は、以下の通り行う。
・ 派遣員は、外部から列車に接近する。
乗移り態様の場合、
(1)派遣員は、相対する両車両の各車外側に設けた予備固定機構を扱う。
(2)各予備固定機構は、各梯子を固定する。
(3)派遣員は、続いて両車両の各車外側に設けた予備解錠機構を扱う。
(4)各予備解錠機構は、各鎖錠機構を解錠する。
(5)派遣員は、解錠された各扉を開く。
(6)派遣員は、各桟板を展開する。
脱出態様の場合、
(7)派遣員は、車外側に設けた予備解錠機構だけを扱う。
(8)予備解錠機構は、鎖錠機構を解錠する。
(9)派遣員は、解錠された扉を開く。
(10)派遣員は、梯子をセットする。
上記乗移り態様・脱出態様ともに、
(11)TIMSは、上記状態情報を列車の通信手段に中継して送りつづける。
・列車の通信手段は、上記状態情報を運行制御所に中継して送る。
・派遣員は、乗客に避難の要領を説明し、通告し、誘導する。
【0013】
【課題を解決する手段その7】
(車外側からの避難後取扱い手順)
車外側から非常口装置を取扱う、避難後の手順は、以下の通り行う。
乗移り態様であった場合、
(12)派遣員は、各桟板を収納する。
(13)派遣員は、各車外側に設けた予備固定機構を扱い戻す。
(14)各予備固定機構は、各梯子を非固定とする。
脱出態様であった場合、
(15)派遣員は、梯子と梯子カバーを収納する。
上記乗移り態様・脱出態様ともに、
(16)派遣員は、手扱いで扉を閉じ、開扉時に解錠したときの状態に戻す。
(17)派遣員は、車外側の予備解錠機構を扱い戻す。
(18)予備解錠機構は、扉を鎖錠する。
(19)TIMSは、上記状態情報を列車の通信手段に中継して送りつづける。
【0014】
【課題を解決する手段その8】
(非常口装置全体の構成)
この発明の非常口装置の機構は、以下の要素で構成する。
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
非常口は、車両の端部に設け、
扉機構は、非常口に対して開閉自在に設けた扉と、扉を車体に対して鎖錠および解錠する機能をもつ鎖錠機構と、扉を車体で支持するとともに車体と干渉なく外方に開く機能をもつ開閉機構とを備え、
付帯設備は、梯子と、梯子カバーと、桟板と、当該桟板の不使用時は梯子を固定せず、使用時は梯子を固定する固定機構とを備え、
制御機構は、解錠信号を生成する解錠スイッチと、車両の連結と非連結を検知する連結検知機構と、鎖錠機構を解錠する機能をもつ解錠制御機構と、予備解錠機構と、開扉を検知する開扉検知機構と、非固定の梯子を固定機構で固定する機能をもつ固定制御機構と、予備固定機構と、梯子の固定を検知する固定検知機構と、非常口装置の管理制御機能をもつTIMSとを備えたもの。
【0015】
【課題を解決する手段その9と10】
(非常口の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
非常口は、1両あたり1式もしくは2式、あるいは、車両が対向したとき互いの通路が左右にずれなく相対し、かつ非常口の配置は、車体中心に対して左右対称に設けたこと。
【0016】
【課題を解決する手段その11】
(扉の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
扉機構を構成する扉は、枠体と、当該枠体に取付けたガラス窓と、枠体に取付けた鎖錠腕受とで構成し、当該鎖錠腕受は、鎖錠機構を構成する鎖錠腕と係合可能に設けて、開閉機構で開閉自在に支持したこと。
【0017】
【課題を解決する手段その12】
(鎖錠機構の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
扉機構を構成する鎖錠機構は、鎖錠腕と駆動機構とで構成し、鎖錠腕には支持部材を支点にして一端には鎖錠腕受との係合部を設け、他端に駆動機構とピンを連結し、駆動機構の作用で鎖錠腕受を介して、扉を鎖錠および解錠自在に構成したこと。
【0018】
【課題を解決する手段その13】
(鎖錠腕の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
非常口が左右2箇所にある鎖錠機構の鎖錠腕は、車体中心寄りで隣接する左右2本1組の鎖錠腕を1式の駆動機構とピンで連結し、車体側寄りに位置する左または右各1本の鎖錠腕を各1式の駆動機構とピンで連結したこと。
【0019】
【課題を解決する手段その14乃至19】
(駆動機構の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
鎖錠機構の駆動機構は、空気シリンダによる構成と、ソレノイド往復機構による構成とがあり、前者には次の(イ)、後者には次の(ロ)の構成が対応する。
(イ)空気シリンダは、鎖錠ばねの力で扉を鎖錠し、圧縮空気の供給で解錠する構成と、圧縮空気の供給方向の切替えで扉を鎖錠または解錠し、かつ一部の駆動機構は出力軸側を下向きにして、受圧面積の小さい側へ圧縮空気を供給して扉を鎖錠し、受圧面積の大きい側へ圧縮空気を供給して解錠する構成にした。
(ロ)ソレノイド往復機構は、鎖錠ばねの力で扉を鎖錠し、ばね力に打ち勝つ電磁力で解錠する構成と、電磁力の作用方向の切替えで扉を鎖錠または解錠し、かつ一部の駆動機構は出力軸側を下向きにして、電源供給用接触器の接触子落下で扉を鎖錠、接触子扛上で解錠する構成にした。
【0020】
【課題を解決する手段その20】
(開閉機構の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
扉機構を構成する開閉機構は、支持基部と、出入リンクと、横移動機構と、連結腕もしくはこれらに動作制限機構を含む構成とし、支持基部は、残余の構成要素を介して扉を支持するよう車体に取付け、出入リンクの両端に2組のピンを設けて支持基部と横移動機構とを連結して横移動機構の平行揺動運動を許容させ、横移動機構の下層を出入リンクに、また上層を連結腕に、それぞれ連結した複数階層の構成にして、各層相互の移動を許容し、連結腕は横移動機構の上層と扉とを結合する構成にして、さらに動作制限機構の一方を支持基部に、他方を横移動機構の上層に連結した。
【0021】
【課題を解決する手段その21】
(横移動機構の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
開閉機構の横移動機構は、基盤上に設けたレール上を2組のベアリングが滑動するリニアガイドで構成した中層を含む下層と、基盤上に設けたレール上を1組または2組のベアリングが滑動するリニアガイドで構成した上層とで、2層以上の構成とし、下層の基盤と出入リンクとをピンで結合し、上層のベアリングと連結腕とを結合する構成にした。
【0022】
【課題を解決する手段その22】
(動作制限機構の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
開閉機構の動作制限機構は、軌跡板または軌跡溝と、これに沿いまたは制約されて移動するローラとで構成し、上部または下部の開閉機構の構成要素として設けた。
【0023】
【課題を解決する手段その23】
(付帯設備の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
付帯設備は、梯子と、梯子カバーと、桟板と、固定機構とで構成し、梯子は、左右から支持案内する機構を介して非常口部の通路上に取付け、梯子の傍らに設けた固定機構で非固定および固定自在とし、梯子カバーは、その梯子を覆うように設け、桟板を梯子カバーの上に蝶番で車外側へ展開可能に取付けた。
【0024】
【課題を解決する手段その24】
(固定機構の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
付帯設備を構成する固定機構は、動作機構と、その動作機構の軸の先端に取付けた楔と、当該楔で動く戻しばね付き押し具に設けた固定ピンとで構成し、常時は非固定状態を維持する構成にした。
【0025】
【課題を解決する手段その25乃至30】
(動作機構の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
固定機構の動作機構は、空気シリンダによる構成と、ソレノイド往復機構による構成とがあり、前者には次の(イ)、後者には次の(ロ)の構成が対応する。
(イ)空気シリンダは、戻しばねの力で梯子を非固定にし、圧縮空気の供給で固定する構成と、圧縮空気の供給方向の切替えで非固定または固定とし、受圧面積の小さい側へ圧縮空気を供給して梯子を非固定にし、受圧面積の大きい側へ圧縮空気を供給して固定する構成にした。
(ロ)ソレノイド往復機構は、戻しばねの力で梯子を非固定にし、ばね力に打ち勝つ電磁力で固定する構成と、電磁力の作用方向の切替えで非固定または固定とし、電源供給用接触器の接触子落下で梯子を非固定に、接触子扛上で固定する構成にした。
【0026】
【課題を解決する手段その31】
(制御機構の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
制御機構は、解錠スイッチと、連結検知機構と、解錠制御機構と、予備解錠機構と、開扉検知機構と、固定制御機構と、予備固定機構と、固定検知機構およびTIMSとで構成し、
解錠スイッチは解錠信号を生成してTIMSへ送り、連結検知機構は連結情報を生成してTIMSへ送り、
解錠制御機構はTIMSが中継する解錠信号を受けて鎖錠機構を解錠制御し、
予備解錠機構は手扱いで鎖錠機構を解錠または鎖錠し、開扉検知機構は開扉情報を生成してTIMSへ送り、
固定制御機構はTIMSが生成する固定信号または非固定信号を受けて固定機構を固定制御または非固定制御し、
予備固定機構は手扱いで固定機構を固定または非固定とし、
固定検知機構は梯子の固定情報または非固定情報をTIMSへ送り、
TIMSは少なくとも解錠信号、速度情報、連結情報、開扉情報、固定情報または非固定情報と、制御信号とを受け、少なくとも指令信号である解錠信号、放送信号または表示信号、非常ブレーキ信号、固定信号または非固定信号と、部位情報を含む状態情報を送る構成にした。
【0027】
【課題を解決する手段その32】
(解錠スイッチの構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構で構成する非常口装置において、制御機構を構成する解錠スイッチは、押しボタン式にして、押しボタンが押されたらスイッチ扱いされたままの状況を保持する構成にした。
【0028】
【課題を解決する手段その33】
(連結検知機構の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構で構成する非常口装置において、制御機構を構成する連結検知機構は、連結器にリミットスイッチを設け、リミットスイッチの接触子に相手側の連結器部が当接して連結を検知し、連結情報を生成する構成にした。
【0029】
【課題を解決する手段その34乃至36】
(解錠制御機構の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構で構成する非常口装置において、制御機構を構成する解錠制御機構は、電気制御回路と空気制御回路による構成と、電気制御と電気動作機構による構成とがあり、解錠信号が電磁弁もしくは接触器を切替えて解錠機構を動作させる構成にした。前者は次の(イ)、後者は次の(ロ)に対応する。
(イ)電気制御回路と空気制御回路とで構成する解錠制御機構は、電磁弁への電流断で扉を鎖錠し、解錠信号による電流入で電磁弁を切替えて解錠する構成にした。
(ロ)電気制御と電気動作機構で構成する解錠制御機構は、電源供給用接触器の接触子落下で扉を鎖錠し、解錠信号が接触子を扛上して解錠する構成にした。
【0030】
【課題を解決する手段その37乃至39】
(予備解錠機構の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構で構成する非常口装置において、上記制御機構を構成する予備解錠機構は、空気制御回路に設けたコックによる構成と、駆動機構に連結したケーブルによる構成とがあり、人がコックあるいはケーブルを操作して扉を解錠する構成にした。前者は次の(イ)、後者は次の(ロ)に対応する。
(イ)空気制御回路に設けたコックで構成する予備解錠機構は、空気溜と解錠制御機構の間で並列に設け、排気経路中で車内側と車外側を直列に、それぞれ設けた三方コックと特殊三方コックとで圧縮空気を駆動機構に供給する構成にした。
(ロ)駆動機構に連結したケーブルで構成する予備解錠機構は、駆動機構の出力軸に連結したケーブルを往復操作して、鎖錠機構の駆動機構を解錠側に動かし、ケーブルに付帯した固定具で解錠状態を維持する構成にした。
【0031】
【課題を解決する手段その40】
(開扉検知機構の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構で構成する非常口装置において、制御機構を構成する開扉検知機構は、扉と当接するリミットスイッチを車体側に設け、そのリミットスイッチの接触子から扉が離れて開扉を検知し、開扉情報を生成する構成にした。
【0032】
【課題を解決する手段その41乃至43】
(固定制御機構の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構で構成する非常口装置において、上記制御機構を構成する固定制御機構は、電気制御回路と空気制御回路による構成と、電気制御と電気動作機構による構成とがあり、固定信号が電磁弁もしくは接触器を切替えて動作機構を動作させる構成にした。前者は次の(イ)、後者は次の(ロ)に対応する。
(イ)電気制御回路と空気制御回路とで構成する固定制御機構は、電磁弁への電流断で梯子を非固定にし、固定信号による電流入で電磁弁を切替えて梯子を固定する構成にした。
(ロ)電気制御と電気動作機構で構成する固定制御機構は、電源供給用接触器の接触子落下で梯子を非固定にし、固定信号が接触子を扛上して固定する構成にした。
【0033】
【課題を解決する手段その44乃至46】
(予備固定機構の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構で構成する非常口装置において、上記制御機構を構成する予備固定機構は、空気制御回路に設けたコックによる構成と、動作機構に連結したケーブルによる構成とがあり、人がコックあるいはケーブルを操作して梯子を固定する構成にした。前者は次の(イ)、後者は次の(ロ)に対応する。
(イ)空気制御回路に設けたコックで構成する予備固定機構は、空気溜と固定制御機構の間で並列に、排気経路中で車内側と車外側を直列に、それぞれ設けた三方コックと特殊三方コックで圧縮空気を動作機構に供給する構成にした。
(ロ)動作機構に連結したケーブルで構成する予備固定機構は、動作機構の出力軸に連結したケーブルを往復操作して、固定機構の動作機構を梯子の固定側に動かし、ケーブルに付帯装備した固定具で固定状態を維持する構成にした。
【0034】
【課題を解決する手段その47】
(固定検知機構の構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構で構成する非常口装置において、制御機構を構成する固定検知機構は、戻しばね付き動作機構の先端の楔に当接するリミットスイッチを設け、当該リミットスイッチの接触子に楔が当接して梯子の固定を検知して固定情報を生成する構成にした。
【0035】
【課題を解決する手段その48】
(TIMSの構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構で構成する非常口装置において、制御機構を構成するTIMSは、列車に1系統または多重系統で構成し、少なくとも以下の(イ)〜(ル)の機能をもつ構成とした。
(イ)解錠信号を検知して、放送装置や表示装置に避難に必要な放送や表示を実行させる。
(ロ)解錠スイッチを扱った部位を特定して、それを認識する。
(ハ)解錠スイッチを扱った部位の連結情報を検知して、対応態様を選択する。
(ニ)梯子の固定および非固定を選択し、その選択した信号を梯子の固定制御機構に送る。
(ホ)列車に非常ブレーキを作用させる。
(ヘ)列車の速度情報を照査し、速度ゼロを検知する。
(ト)速度ゼロを検知するまで解錠信号の出力を保留し、速度ゼロを検知することにより解錠信号を解錠制御機構へ送る。
(チ)扉の開扉を検知し、認識する。
(リ)梯子の固定を検知し、認識する。
(ヌ)非常口装置に関係する状態情報を、通信手段へ送るか、あるいは中継して送る。
(ル)非常口装置に関係する制御信号を、通信手段から受けるか、あるいは中継して送る。
【0036】
【課題を解決する手段その49】
(TIMSの解錠制御機構故障対応構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構で構成する非常口装置において、制御機構を構成するTIMSは、開扉情報の監視機能をもち、解錠信号の送信後所定の時間経過後も開扉情報を受けなかった場合は、解錠制御機構を故障と見做して故障情報を生成し、放送装置または表示装置、あるいはそれら両装置に手扱い手順の放送信号または表示信号を送るとともに、この状態情報を通信手段に送るか、あるいは中継して送る構成にした。
【0037】
【課題を解決する手段その50】
(TIMSの固定制御機構故障対応構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構で構成する非常口装置において、制御機構を構成するTIMSは、固定情報の監視機能をもち、固定信号の送信後に所定の時間経過後も固定情報を受けなかった場合は、固定制御機構を故障と見做して故障情報を生成し、放送装置または表示装置、あるいはそれら両装置に手扱い手順の放送信号または表示信号を送るとともに、この状態情報を通信手段に送るか、あるいは中継して送る構成にした。
【0038】
【課題を解決する手段その51】
(TIMS自体の故障対応構成)
非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構で構成する非常口装置において、制御機構を構成するTIMSは、自己診断機能をもち、自己の機能のうち一部でも機能しない場合は、端末の各機構からTIMSへ入力する各信号と状態情報とをそのまま加工することなく、列車の通信手段へ中継して送る構成にした。
【0039】
【作用】
(異常事態における避難方法)
異常事態における車両からの避難方法について、無人運転の場合を例に以下に述べる。
乗務員が乗務しない自動運転方式の列車で、運行中に異常事態が生じたとする。このとき最適であると考えられる避難対応の手順は次の通りである。
1)乗客による異常通報
異常事態が生じたとき、乗客は次のように行動し、各機構や装置が作動する。
・各車両内に設けてある非常通報装置のスイッチを扱う。この非常通報装置は、乗客が乗り降りする車両のドアの横等に設けられている。
・乗客が非常通報装置のスイッチを扱えば、その情報が通信手段などを介して、列車運行を管理・制御する運行制御所に通報される。
2)運行制御所要員の対応
通報が届いた運行制御所では、要員が次のように行動する。
・運行制御所の要員は、通信回線を開き、非常通報装置のスイッチを扱った乗客と会話して、その理由・原因を把握する。
・運行制御所の要員は、これを把握した後、予め決められた手順書にある手続きに従い、また手順書にない事態であれば臨機応変の対応で、その列車の乗客に指示すべき対応を通告する。
・通告の内容が、非常口を利用する必要があるときには、その旨を当該列車の乗客全員に通告する。場合によっては、直ちに車外に出ないよう、乗客の行動を抑止する。
・運行制御所の要員は、必要な場合、事前に通信回線を適切な部位の非常通報装置に切換える。
3)乗客による扉の解錠操作(非常口装置の取扱い)
非常口を利用する事態になった場合、乗客は前記の通告指示に従って次のように行動し、各機構や装置が作動する。
・非常口のある処まで行き、横にある非常口の解錠スイッチを扱う。
・解錠スイッチを扱うと解錠信号が生成され、列車を構成する何れかの車両に搭載された列車情報管制装置(Train Information Management System、以下、「TIMS」いう)がこれを検知、認識し、車両の放送装置または表示装置、あるいはその両方に、以後の操作方法と避難要領の放送や表示を実行させる。
・TIMSはこの解錠信号を認識した後、直ちに列車に非常ブレーキを作用させる。
・同時に、TIMSは解錠信号発生の部位を特定し、その部位の連結情報を照査する。
連結情報とは、各非常口の部位にある連結器が連結もしくは非連結であるかを示すもので、連結状態の部位では車両間の乗移り態様を、非連結状態の部位では車外への脱出の態様を選択する。
・さらに、TIMSは列車の速度情報を照査し、速度ゼロになるまで、解錠信号の出力を保留する。これにより、列車が停止するまで、扉を鎖錠状態のまま保持する。一方、既に列車が停止している場合には速度情報が速度ゼロとなり、TIMSは直ちに解錠信号を解錠すべき部位の扉の鎖錠制御機構に送信する。
・解錠信号を受信した鎖錠制御機構は、直ちに鎖錠機構を解錠する。
・乗客が解錠スイッチを扱えば、その結果として生成・処理・出力された前記の各種情報が通信手段などを介して、運行制御所に通報される。
4)運行制御所要員の取扱い
運行制御所では、通信手段などを経由して通報された各種の情報で、次のように取扱う。
・部位情報が列車編成の端部のとき、すなわち非連結部位ではその車両だけを対象とし、列車編成の中間部のとき、すなわち連結部位ではその車両と相手方車両の両方を対象とする。
・非常通報装置を解錠信号発生の部位に近い装置に切換える。また映像伝送装置がある場合は、その回路も当該部位に切換えて、運行制御所からの対応ができる状態にする。これらの切換えは、自動または運行制御所要員による手扱いの何れでもよい。
・運行制御所の要員は、非常通報装置からの音声情報あるいは映像伝送装置からの映像情報を参照しつつ、所定の手順に従った指示を乗客に通告し、乗客自身に非常口装置を操作させるとともに、安全に乗客を導く。
【0040】
【実施の形態】
(乗客による非常口装置の操作)
次に、この発明の避難方法のうち、乗客による非常口装置の操作を図をも参照して説明する。
非常口装置は、原則として乗客自らが取扱う。しかし、非常口の部位が連結状態にある場合と、非連結状態にある場合とでは、その取扱いの手順が異なる。 まず連結状態の取扱いの手順について説明する。
(隣接車両への乗移り)
図1は、車両間の乗移りの態様を説明するもので、連結された車両03の端部に非常口装置1が位置しており、通常時はその間の往き来ができない状態にある。この場合の取扱い手順は次のようになる。
1)連結状態にある場合
図1は、乗客が非常口05の所で解錠スイッチ41を扱ったところである。解錠スイッチ41を扱うと、TIMSは解錠信号を検知、認識して、車両の放送装置または表示装置、あるいはその両方に、乗客の操作方法と避難要領の放送や表示を実行させる。
この発明では、走行中に扉21が開いて乗客が転落するのを防ぐため、列車02の走行中に解錠スイッチ41を扱えば非常ブレーキが作用し、やがて列車02を停止させる構成とした。その後TIMSは速度ゼロを確認し、扉21の鎖錠を解錠する。
一方、列車02の停車中に解錠スイッチ41を扱えば、既に速度ゼロであるため、直ちに扉21は解錠される。この図1では鎖錠機構22の動きを、鎖錠と解錠の2通りの状態で示してある。
扉21が解錠されると、扉21を密閉していた作用力が開放されて、扉21は僅かに外側へ動く。この状態を図2の左側の車両03で示すが、扉21の解錠とともに図2の右側の車両03も同様な状態となる。ただし、この状態になるのは、列車内各所の非常口装置1のうち、連結部位にあり、かつ解錠信号が生成された部位とそれに相対する部位の扉21だけである。
【0041】
図2は、この状態から乗客が扉21を車外側へ押出したところを示すもので、開閉機構23の作用で、扉21は車体から一層離れた状態となる。
扉21は車体から離れると同時に横方向へも移動するので、乗客は引き続き横移動する方向に扉21を押すことで全開の状態にできる。
図3は、扉21を完全に開き終えた状態で、さらに乗客が、床に設置してある梯子31を覆う梯子カバー32(何れも図6参照)の上にある桟板33を、車外側に向かって広げるところである。
図4は、その状態から、広げ終えた桟板33の上を踏んで乗客が車外に出たところで、目前には、相手側の車両の扉21がある。このとき相手側の扉も、前記した通り車体から僅かに離れているので、前記と同様にこれを引出して横移動させ、その扉を完全に開く。
そして扉を開き終えたら、相手側の桟板33を手前に向かって広げ、両車両間を桟板33で埋める。
【0042】
図5および図6は、連結された車両03間で、乗移りができる状態になったところを示すもので、両車両の扉21はすべて全開状態、桟板33も広げられた状態である。この後、乗客は順に相手側の車両03へ乗移りを始める。この図5は、連結した状態の非常口05を左右にずれなく、一致させたものである。その理由は、乗客の避難を早く完了させるためで、通路09を直線状に構成して対向させるのが好ましいからである。
ところで、近年製造される鉄道車両では、この種の非常口を車体中心から偏倚させて設けた例もみられるが、車外への脱出だけに供するならともかく、車両間を乗移る際は、互いに向き合う通路09が正対しないため、真っ直ぐに歩けない。そのために、この実施例の車両03は、非常口05を偏倚させた車両に比べて、避難時の安全性と所要時間の点で優れている。
【0043】
(軌道上への脱出)
図7乃至図10は、車外への脱出の態様を説明するもので、車両端部に非常口装置1を設けてあり、そこは列車02の前部または後部にあたる。この場合の取扱い手順は次のようになる。
2)非連結状態にある場合
図7は、乗客が非常口05の所で解錠スイッチ41を扱ったところである。解錠スイッチ41を扱うと、TIMSは解錠信号を検知、認識して、車両の放送装置または表示装置、あるいはその両方に、乗客の操作方法と避難要領の放送や表示を実行させる。
この発明では、前記した理由で列車02の走行中に解錠スイッチ41を扱えば非常ブレーキが作用し、やがて列車02を停止させる構成にした。その後TIMSは速度ゼロを確認し、扉21の鎖錠を解錠する。一方、列車02の停車中に解錠スイッチ41を扱えば、既に速度ゼロであるため、直ちに扉21は解錠される。この図7では、鎖錠機構22の動きを、鎖錠と解錠の2通りの状態で示す。
扉21が解錠されると、扉21を密閉していた作用力が開放されて、扉21は僅かに外側へ動く。この図7には示されていないが、前記した図2の左側の車両03がこれと同じ状態である。ただし、この状態になるのは、列車内各所の非常口装置1のうち、非連結部位にあり、かつ解錠信号が生成された部位の扉21だけである。
【0044】
図8は、この状態から乗客が扉21を車外側へ押出したところを示すもので、開閉機構23の作用で、扉21は車体から一層離れた状態になる。扉21は車体から離れると同時に横方向へも移動するので、乗客は引き続き横移動する方向に扉21を押すことで全開の状態にできる。
図9は、扉21を完全に開き終えた状態で、さらに乗客が、床に設置してある梯子31を覆う梯子カバー32の手前側を、車外側に向かって蹴り出そうとするところである。
図10は、蹴り出された梯子31と梯子カバー32が、蹴り出された力で車外に飛び出し、重力の作用で自動的にセットされた状態を示す。このとき梯子カバー32は梯子31と分離し、梯子31は折り畳まれた状態から展開された状態となって、非常口05と軌道01上との間にセットされる。
図11および図12は、列車端部の車両03で、車外への脱出ができる状態になったところを示すもので、扉21はすべて全開状態、梯子31も展開された状態である。この後、乗客は順に梯子31を降りて車外へ出る。この図11の例では、脱出に用いる梯子31は直線軌道の両レールの間にセットされている。
そして、脱出は曲線路でも起こり得るから、車両03の端部が軌道01に対して偏倚し、梯子31の先端がレールやその締結装置に掛ると、乗客の避難に影響が出ることも考えられる。そのため、非常口05は極力車体中心寄りで、できれば左右対称の配置とするのが好ましい。
【0045】
(非常口装置の動作と要員の対応)
前記の通り、乗客が非常口装置1を操作した結果、非常口装置1とそれを構成する各機構がどのように動作し、運行制御所の要員がどのように対応するか、を次に説明する。
(隣接車両への乗移り)
1) 連結状態にある場合
図13は、全機能健全時乗移り態様の一連の対応と動作の手順を示すフローチャート図で、非常口装置とその関連の動作は次のようになる。
(1)乗客が解錠スイッチを扱う。
(2)TIMSは、解錠信号を検知、認識し、車両の放送装置または表示装置、あるいはその両方に、以後の操作方法と避難要領の放送や表示を実行させる。
(3)TIMSは、ブレーキ制御装置へ非常ブレーキ信号を送り、列車に非常ブレーキを作用させる。
(4)TIMSは、解錠信号の発生部位を特定し、部位情報を生成する。
(5)TIMSは、部位情報をもとに、その部位の連結情報を照査する。
(6)この場合は車両間の乗移り態様と梯子固定を選択する。
(7)TIMSは、その部位とその部位に相対する部位の梯子の各固定制御機構に梯子の固定信号を送る。
(8)各固定制御機構は、この信号を受ける。
(9)各固定制御機構は、固定機構を作動させ梯子を固定する。
(10)各固定検知機構は、梯子の固定を検知し、固定情報を生成する。
(11)TIMSは、各固定情報を検知し、梯子の固定状態を認識する。
(12)TIMSは、列車の速度情報を照査する。
(13)そして速度ゼロになるまで、解錠信号の出力を保留する。
(14)速度ゼロであれば、解錠すべき部位の扉の解錠制御機構に解錠信号を送る。
(15)解錠制御機構は、この信号を受ける。
(16)解錠制御機構は、鎖錠機構を解錠する。
(17)開扉検知機構は、開扉を検知し、開扉情報を生成する。
(18)TIMSは、開扉情報を検知し、開扉状態を認識する。
(19)TIMSは、列車の通信手段に、以上一連の状態情報を送りつづける。
・通信手段は、運行制御所の表示手段にその状態情報の送信を中継する。
・表示手段は、運行制御所の要員にその情報を表示する。
・これによって運行制御所の要員は、非常口装置のほかの状態を認識し、対応する。具体的には、解錠した扉に最も近い非常通報装置(あれば映像伝送装置)に自動または手扱いで切換え、またはその回線を開き、これまでの非常通報装置(あれば映像伝送装置)や表示手段では認識できない乗客や非常口装置の状態を再認識する。
【0046】
(軌道上への脱出)
2) 非連結状態にある場合
図14は、全機能健全時脱出態様の一連の対応とその動作手順を示すフローチャート図で、非常口装置1とその関連の動作は次のようになる。
(1)乗客が解錠スイッチを扱う。
(2)TIMSは、解錠信号を検知、認識し、車両の放送装置または表示装置、あるいはその両方に、以後の操作方法と避難要領の放送や表示を実行させる。
(3)TIMSは、ブレーキ制御装置へ非常ブレーキ信号を送り、列車に非常ブレーキを作用させる。
(4)TIMSは、解錠信号の発生部位を特定し、部位情報を生成する。
(5)TIMSは、部位情報をもとに、その部位の連結情報を照査する。
(6)この場合は、車外への脱出態様と梯子の非固定を選択する。
(7)TIMSは、その部位の梯子の固定制御機構に梯子の非固定信号を送るか、もしくは梯子の固定信号を送らない。
(8)固定制御機構は、この信号を受ける。
(9)固定制御機構は、固定機構を非固定のままとする。
(10)固定検知機構は、梯子の非固定を検知しつづけ、固定情報は生成されない。
(11)TIMSは、固定情報を検知せず、梯子の非固定状態を認識する。
(12)TIMSは、列車の速度情報を照査する。
(13)そして速度ゼロになるまで、解錠信号の出力を保留する。
(14)速度ゼロであれば、解錠すべき部位の扉の解錠制御機構に解錠信号を送る。
(15)解錠制御機構は、この信号を受ける。
(16)解錠制御機構は、鎖錠機構を解錠する。
(17)開扉検知機構は、開扉を検知し、開扉情報を生成する。
(18)TIMSは、開扉情報を検知し、開扉状態を認識する。
(19)TIMSは、列車の通信手段に、以上一連の状態情報を送りつづける。
・通信手段は、運行制御所の表示手段にその状態情報の送信を中継する。
・表示手段は、運行制御所の要員にその情報を表示する。
・これによって運行制御所の要員は、非常口装置ほかの状態を認識し、対応する。 具体的には、解錠した扉に最も近い非常通報装置(あれば映像伝送装置)に自動または手扱いで切換え、またはその回線を開き、これまでの非常通報装置(あれば映像伝送装置)や表示手段では認識できない乗客や非常口装置の状態を再認識する。
【0047】
(解錠制御機構の故障部位)
3) 解錠制御機構が故障した部位
図15は、解錠制御機構33が故障した部位での一連の対応と動作の手順を示すフローチャート図で、非常口装置1とその関連の動作は次のようになる。
なお、以下の(1)乃至(14)は、前記した連結状態または非連結状態の(1)乃至(14)と同様である。
(15)この解錠制御機構は、この信号を受けられない。
(16)この解錠制御機構は、鎖錠機構を解錠できない。
(17)この開扉検知機構は、開扉を検知せず、開扉情報を生成しない。
(18)TIMSは、開扉情報を監視し、一定時間以上経過しても開扉情報を検知しない、この解錠制御機構の故障情報を生成する。
(19)TIMSは、この車両の放送装置と表示装置に、手扱い解錠の放送とその手順表示を実行させる。
・乗客は、この放送ならびに表示をもとに、車内側の予備解錠機構を扱い、鎖錠機構を解錠して開扉する。
(20)TIMSは、列車の通信手段に、以上一連の状態情報を送りつづける。
【0048】
(固定制御機構の故障部位)
4) 固定制御機構が故障した部位
図16は、固定制御機構46が故障した部位での一連の対応と動作の手順を示すフローチャート図であり、非常口装置1とその関連の動作は次のようになる。
なお、以下の(1)乃至(7)は、前記した連結状態または非連結状態(1)乃至(7)と同様である。
(8)この固定制御機構は、この信号を受けられない。
(9)この固定制御機構は、固定機構で梯子を固定できない。
(10)この固定検知機構は、梯子の固定を検知せず、固定情報を生成しない。
(11)TIMSは、固定情報を監視し、一定時間以上経過しても固定情報を検知しない、この固定制御機構の故障情報を生成する。
(12)TIMSは、この車両の放送装置と表示装置に、手扱いの梯子固定の放送とその手順表示を実行させる。
・乗客は、この放送ならびに表示をもとに、車内側の予備固定機構を扱い、梯子を固定する。
なお、この項の(13)乃至(19)は、前記連結状態または非連結状態の(12)乃至(18)と同様である。
(20)TIMSは、列車の通信手段に、以上一連の状態情報を送りつづける。
【0049】
(TIMS故障時)
5)TIMSが故障した場合
図17は、TIMSが故障した場合の一連の対応と動作の手順を示すフローチャート図で、非常口装置1とその関連の動作は次のようになる。
(1)TIMSは、自己診断機能によって自己の故障を検知し、TIMS故障情報を生成して、列車の通信手段に送る。
(2)乗客が、解錠スイッチを扱う。
(3)故障を検知したTIMSは、入力される解錠信号を、そのまま列車の通信手段に中継して送りつづける。
・列車の通信手段は、この状態情報を運行制御所に中継して送る。
・運行制御所の表示手段は、この状態情報を表示する。
・運行制御所の要員は、状況を認識するとともに、予め規定された手順書を準備し、これに基づいて、以下の措置を実行する。
・要員は、列車に非常ブレーキを作用させる。
・要員は、非常通報装置の回線を開く。
・要員は、乗客を呼び出して事情を聴取し、解錠信号の発生部位を特定する。
・要員は、避難の要否を決断し、その態様を決定する。
乗移り態様の場合、
・要員は、相対する両車両の車内側の予備固定機構を操作し、梯子を固定するよう乗客に指示する。
(4)乗客は、要員の指示に従い、両車両の車内側の予備固定機構を操作し、梯子を固定する。
(5)固定検知機構は、梯子の固定を検知し、固定情報を生成する。
乗移り態様・脱出態様とも、
・要員は、列車の停止を確認する。
・要員は、乗客に避難の要領と手順を説明、通告する。
・要員は、車内側の予備解錠機構の操作で、鎖錠機構を解錠するよう乗客に指示する。
(6)乗客は、要員の指示に従い、車内側の予備解錠機構を操作し、鎖錠機構を解錠する。
(7)乗客は、解錠した扉を開く。
(8)開扉検知機構は、開扉を検知し、開扉情報を生成する。
(9)故障したTIMSは、常時入力される状態情報を、そのまま列車の通信手段に中継して送りつづける。
【0050】
(非常通報装置または通信手段故障時)
6)非常通報装置または通信手段が故障した場合
図18は、非常通報装置または通信手段が故障した場合の一連の対応と動作の手順を示すフローチャート図で、非常口装置1とその関連の動作は次のようになる。
非常通報装置が故障した場合、
・非常通報装置は、自己診断機能によって自己の故障を検知し、非常通報装置故障情報を生成して、TIMSに送る。
(1)TIMSは、この状態情報を列車の通信手段に中継して送りつづける。
・列車の通信手段は、この状態情報を運行制御所に中継して送る。
・運行制御所の表示手段は、この状態情報を表示する。
・運行制御所の要員は、状況を認識する。
通信手段が故障したとき、
・通信手段は、自己診断機能によって自己の故障を検知し、通信手段故障情報を生成して、運行制御所に送る。
・通信手段の故障には、状態情報が表示手段に届かず、途絶する場合もある。
・表示手段は、状態情報を監視し、一定時間経過しても状態情報を検知しないので、通信手段の故障情報を表示する。
・運行制御所の要員は、状況を認識する。
非常通報装置または通信手段が故障したとき、
・運行制御所の要員は、予め規定された手順書を準備、これに基づいて、列車を駅に収容して停車させるか、列車を駅間で停止させるか、を決断し、これを実行する。
列車を駅間で停止させるとき、
・要員は、列車を非常ブレーキで停止させる。
・要員は、列車が駅間で停止したことを確認する。
・要員は、救援列車または別途手配の派遣員の派遣を決断し、これを実行する。
(2)現地に到着した派遣員は、車外側に設けた車外側の予備解錠機構で、非常口の鎖錠機構を解錠する。
(3)派遣員は、解錠した扉を開く。
(4)派遣員は、避難の準備をする。
・派遣員は、乗客を避難させる。
列車を駅に収容するとき、
・要員は、列車運行を維持し、最寄りの駅へ列車を収容する。
・要員は、列車の駅停車を確認する。
・要員は、通常の乗客扱いで避難させる。
【0051】
(車外側からの避難取扱い)
7)車外から派遣員による取扱いの場合
図19は、派遣員による車外側からの避難時と避難後の一連の対応と動作の手順を示すフローチャート図で、非常口装置1とその関連の動作は次のようになる。
・派遣員は、外部から列車に接近する。
乗移り態様の場合、
(1)派遣員は、相対する両車両の車外側の各予備固定機構を扱う。
(2)各予備固定機構は、各梯子を固定する。
(3)派遣員は、続いて両車両の車外側の各予備解錠機構を扱う。
(4)各予備解錠機構は、各鎖錠機構を解錠する。
(5)派遣員は、解錠された各扉を開く。
(6)派遣員は、各桟板を展開する。
脱出態様の場合、
(7)派遣員は、車外側の予備解錠機構だけを扱う。
(8)予備解錠機構は、鎖錠機構を解錠する。
(9)派遣員は、解錠された扉を開く。
(10)派遣員は、梯子をセットする。
乗移り態様・脱出態様とも、
(11)TIMSは、この状態情報を列車の通信手段に中継して送りつづける。
・列車の通信手段は、この状態情報を運行制御所に中継して送る。
・派遣員は、乗客に避難の要領を説明、通告し、誘導する。
【0052】
(車外側からの避難後取扱い)
8)車外から派遣員による避難後の取扱いの場合
図19は、引き続き車外側から、派遣員によって避難対応した後の一連の対応と動作の手順を示すフローチャート図で、非常口装置1とその関連の動作は次のようになる。
乗移り態様であった場合、
(12)派遣員は、各桟板を収納する。
(13)派遣員は、車外側の各予備固定機構を扱い戻す。
(14)各予備固定機構は、各梯子を非固定とする。
脱出態様であった場合、
(15)派遣員は、梯子と梯子カバーを収納する。
乗移り態様・脱出態様とも、
(16)派遣員は、手扱いで扉を閉じ、開扉時に解錠したときの状態に戻す。
(17)派遣員は、車外側の予備解錠機構を扱い戻す。
(18)予備解錠機構は、扉を鎖錠する。
(19)TIMSは、この状態情報を列車の通信手段に中継して送りつづける。
・列車の通信手段は、この状態情報を運行制御所に中継して送る。
【0053】
(非常口装置の構成)
前記で、非常口装置1の動作等について述べたが、車両では非常口装置1をどのように構成しているかを次に説明する。
図20乃至図26は、前記の動作を実現する、無人運転用車両の非常口装置1の一実施例を示すものである。この実施例では、扉21を外開き構造としたものである。もちろん、構成によっては、車内側へ開いたり、引戸の構成にすることも可能である。しかしながら、緊急時の車外脱出を優先して考慮したとき、外へ向かって開扉する構成がもっとも合理的であるのは言うまでもない。
図20は、車両03の非常口装置1の縦断面図で、車両長手方向の車体中心で切断したものである。この図20では、扉21が車体の非常口05に納まった状態を2点鎖線で、扉21が車体から離れて開く過程の状態を実線で示した。
車体の上部、すなわち天井の鴨居部06の内側には上部開閉機構23Uが収納され、車体の下部、すなわち床の下側には下部開閉機構23Lを収納してある。
扉21は、その上下部でこれら上下の開閉機構に支持され、後述するその作用で、扉21は車体に対し外側と左右方向(車体の長手方向に対する直交方向)に開閉する。
この実施例では、扉21を左右2箇所に設けたため、車体側の中央部には閉じたときの扉21を受ける中央柱07がある。この中には、上部と下部に各1式の鎖錠機構22を収納している。各鎖錠機構22は、左右の各扉用の鎖錠腕22Aが2本とこれを動かす駆動機構22Cは例えば空気シリンダ22C1基からなる。この実施例では、中央柱07に解錠スイッチ41を設けている。
【0054】
図21は、同じく車両03の非常口装置1の縦断面図で、扉21は車両長手方向の車体中心に対して、左右各1箇所に設けたその左側の扉21を中央部付近で切断している。この図21でも、扉21が車体の非常口05に納まった状態を2点鎖線で、扉21が車体から離れて開く過程の状態を実線で示している。
この実施例では、前記中央柱07の左右に出入口柱08があり、この中の上部と下部に、各一式の鎖錠機構22が設けられている。この鎖錠機構22も中央柱07内と同じ構成であるが、鎖錠腕22Aはそれぞれ1本である。中央柱07の左右の出入口柱08にある駆動機構22Cも空気シリンダ22C1で構成する。
そして、この駆動機構22Cを動作させると、これに繋がる鎖錠腕22Aが動き、その先端が扉21側に設けた鎖錠腕受21Cと離合して、閉じた扉21を解錠・鎖錠する。
【0055】
図22は、車両03の非常口装置1の横断面図で、扉21の上部開閉機構23U付近を切断したものである。この図22では、車両長手方向の車体中心に対称に扉21と上部開閉機構23Uを配置している。
この実施例の開閉機構23は、支持基部23A、出入リンク23B、横移動機構23Cならびに連結腕23Dから構成するものである。
この支持基部23Aは、車体の構造体に取付けられた基礎部分で、最終的に上部開閉機構23U全体を支持している。また、出入リンク23Bは、扉21の開閉を干渉なく実現するための機構で、車体の開口部に設けた窪み部分に扉21を押込んで閉じ、押出す際には窪みと扉21が干渉せず開くようにする必要がある。
横移動機構23Cは、前記の出入リンク23Bだけでは不十分な開口幅を確保するもので、押出した扉21を更に左右方向に移動させることで扉21の全開を実現している。連結腕23Dは、これら出入リンク23Bと横移動機構23Cの動きを扉21に伝え、同時にその扉21の動きを制限するもので、後述する下部開閉機構23Lとともに動作する。
【0056】
図23は、同じく車両03の非常口装置1の横断面図で、扉21の上下方向の真ん中付近を切断したものである。この図23では、車体の真ん中に中央柱07が、その左右両側には出入口柱08がそれぞれ配置され、扉21を閉じた状態と両側に開く過程の状態を示すものである。
この実施例では、非常口装置1を車体中心の左右に各1式づつ設け、乗客が非常口05を通る際の通路09を、左右に2本確保するようにしている。もちろん、別のものとして非常口装置1を1式とし、通路09を1本だけ設け、開口寸法を広くするのもよい。その場合、扉21の開く方向は左または右の何れかになる。
【0057】
図24(a),(b),(c)は、同じく車両03の非常口装置1の横断面図で、車両03の床面10から少し上の部分を切断したものである。
この図24(a)の中央柱07と出入口柱08には、それぞれ下部の鎖錠機構22が収納されており、上部のそれと同様、車両の客室側からは見えないようにしてある。左右それぞれの出入口柱08内の鎖錠機構22は左右各扉21の側寄りの鎖錠腕受21Cと、中央柱07内の鎖錠機構22は左右各扉21の中心寄りの鎖錠腕受21Cと、それぞれ離合する様子が理解できる。
また、この実施例では、車体中心線上に、後述する固定機構34を設置してある。
【0058】
図25は、同じく車両03の非常口装置1の横断面図で、扉21の下部開閉機構23L付近を切断したものである。この図25は、前記図22同様、車両長手方向の車体中心で対称に扉21と下部開閉機構23Lとを配置したものである。
この実施例の開閉機構23も上部と同様に、支持基部23A、出入リンク23B、横移動機構23Cと連結腕23Dから構成したものであるが、ここには、さらに動作制限機構23Eが加わる。動作制限機構23Eについては後述する。
【0059】
(非常口装置を構成する各機構・装置の詳細)
前記で、非常口装置1の構成について概要を説明したが、さらに、図20乃至図26、図27、図28、図29、図32、図33、図34、図35、図36を用いて、各部分の構成や構造をさらに詳しく説明する。
(扉機構)
図20乃至図26のように、扉機構2は、扉21、鎖錠機構22、開閉機構23から構成されている。
扉21は、常時非常口05を塞ぎ、避難対応時には図26の2点鎖線で示すように開く。扉21自体は、周囲の枠体21Aで強度を負担し、その中央部にガラス窓21Bを設けて、車内側からの視界を確保する。枠体21Aの両側上下の4箇所には、鎖錠機構22の鎖錠腕22Aと係合する鎖錠腕受21Cがある。さらに、図21(a)とそのZ部の(b)で示すように枠体21Aの上下を開閉機構23の連結腕23Dで連結支持して、扉21と非常口05との間は、雨水や隙間風が入らぬよう、形ゴムなどでシールする。
車体側に取付けたシール部材(図示を省略)は、扉21で圧接されてその機能を果たすものである。その圧接に要する作用力は、鎖錠腕受21Cに鎖錠腕22Aを係合させ、鎖錠腕22Aを徐々に噛み合わせると扉21が車体側に引き寄せられ、鎖錠の完了によって効果的に発生されるものである。
鎖錠機構22は重要な構成要素で、鎖錠腕22Aや駆動機構22Cなどで構成ている。鎖錠腕22Aは1本または2本1組を支持部材22Bでピン支持し、一端に鎖錠腕受21Cとの係合部を、他端に駆動機構22Cの出力軸とピンとで連結して構成し、常時は鎖錠状態を維持するようにしている。そして駆動機構22Cは空気シリンダ22C1やソレノイド往復機構を選択できるが、空気シリンダがもっとも簡便である。
空気シリンダ22C1による駆動機構22Cには、安全上の配慮から2通りの構成がある。そのひとつは図29で示すように、シリンダに設けたばね力で鎖錠を確保し、圧縮空気の供給でばねを押し戻して解錠する構成にしたもの、もうひとつは図33で示すように、シリンダ内のふたつの部屋に交互に圧縮空気を供給し、その空気圧で鎖錠または解錠する構成にしたものである。
前者は、解錠時に空気圧の喪失があると解錠できない場合もあるが、空気源の多重化などによって対応できる。後者は、空気圧の喪失によって解錠する場合も考えられるが、この対策として、例えば、下部側の鎖錠機構22の駆動機構22Cを図20に示すような下向き配置にすれば、そのピストンと軸の自重による力が働くので、鎖錠を確保できるものである。
ここで重要なことは、緊急の場合、鎖錠されている扉21を確実に解錠できる機構にすることであるが、扉21の鎖錠と解錠については解錠制御機構43の箇所で記述する。
一方、ソレノイド往復機構22C3による駆動機構22Cでも、鎖錠力を確保する手段として2通りの構成があり、何れも実施は可能である。
ひとつは図35に示すように、出力軸に鎖錠ばね22Dを組み込むもので、もうひとつは図36に示すように、解錠制御機構43を構成する解錠制御接触器43Bの接触子の落下で鎖錠するものである。
前者は、解錠時に電気エネルギ−を確保する必要があり、後者は、鎖錠・解錠ともに電気エネルギ−の確保が必要である。
前記と同様に重要なことは、緊急の場合に、鎖錠されている扉21を確実に解錠できる機構にすることで、扉21の鎖錠と解錠については解錠制御機構43の箇所で記述する。
開閉機構23は、前記した通り支持基部23A、出入リンク23B、横移動機構23C、連結腕23Dで構成するものと、これに動作制限機構23Eほかを付加したものとがある。
前者の機構は図22のように上部に、後者の機構は図25のように下部にそれぞれに設けたものである。支持基部23Aは扉21全体を車体に取付けるもので、上下各開閉機構23を車体構造に対して強固に固定する。
また、出入リンク23Bは支持基部23Aと横移動機構23Cとを連結するもので、出入りリンク23Bの両端に設けた二組のピンで平面的な平行四辺形のリンク運動を許容する。このような構成にすることで、扉21は車体の開口部に対して、干渉することなく開閉できる。
【0060】
横移動機構23Cは、出入リンク23Bだけでは不足する扉21の左右方向の移動量を確保するために設けたもので、その構成は、2次元方向だけに動く二層以上の滑動機構で構成するものである。
具体的には図21(b)のように、リニアガイド(日本精工株式会社の商品名)23C2などで実現でき、実施例の横移動機構23Cは、下層の基盤23C1に設けたレール23C3上を2組のベアリング23C4が滑動するリニアガイド23C2と、上層の基盤23C1に設けたレール23C3上を1組または2組のベアリング23C4が滑動するリニアガイド23C2とで二層に構成し、下層の基盤23C1と出入リンク23Bをピンで結合し、下層のベアリング23C4で上層の基盤23C1を支持し、上層のベアリング23C4と連結腕23Dとを結合して、扉21を開閉可能に取付ける。
横移動機構23Cの構成を、リニアガイド23C2の複層に構成することで、必要な全行程をそれより短い行程の横移動機構23Cで確保できる。それでも行程が足りない場合は、中層を設けることで充分対応できる。
開閉機構23で扉21を支持する際、上部開閉機構23Uの上層用以外の各リニアガイド23C2に、1レールあたり2組のベアリング23C4を配置することで、上下の開閉機構23U,23Lで支持した扉21の移動方向の建付けが安定し、軽い力でも扉21を左右に開くことができる。さらに、開き切った扉21が、重力などの作用で閉じないよう、開状態を維持する開維持機構23Fを付加する。これは市販のばねキャッチャ(図示を省略)を連結腕23Dと支持基部23Aの間に設ければ実現できる。
【0061】
動作制限機構23Eは、連結腕23D側の動きを車体側に対して所定の移動軌跡に制限するための機構で、この実施例では下部開閉機構23Lに含むものである。出入リンク23Bと横移動機構23Cとも、個々には扉21の動きを制約するが、これらを組合わせた場合は、扉21の移動軌跡は2次元の面内で自由に動く。動作制限機構23Eはこの自由な動きを特定の軌跡になるよう制限し、扉21と車体との干渉を無くすものである。
この実施例では、支持基部23A側に取付けた軌跡板または軌跡溝23E1と、これに沿いまたは制約されて移動する横移動機構23C側に取付けたローラ23E2とで構成する。そして、この構成による作用で、扉21は図25のような移動軌跡を描いて開閉する。
【0062】
(付帯設備)
次に、非常口装置1に装備される付帯設備3について次に記述する。図20、図21に示すように、付帯設備3は、梯子31、梯子カバー32、桟板33、固定機構34で構成するものである。
梯子31は、非常口05の通路09となる床面10上に折り畳んだ状態で図6のように設ける。この梯子31の具体的な構成は、日本国実用新案第2572728号として登録されたもののうち、その梯子31部分が利用できる。もとよりこの梯子31は、単に床面上に置くだけでは機能せず、上記実用新案登録の明細書に開示された、梯子31を左右から支持案内する機構も用意して取付ける必要がある。
梯子カバー32は、前記梯子31だけでは車両間の乗移り時に歩き難いため、その上を踏んで歩くことができるように、桟板33の取付けも兼ねて用意する。
また、扉21が閉じた状態では図7のように、梯子31と梯子カバー32は車内側へは移動せず、常に車外側へ飛び出るのを扉21が留めている。そして扉21が開いた状態でかつ一定以上の力、例えば蹴り出す程度の力が作用すれば、梯子31と梯子カバー32とが車外に向かって滑り出る構成にするのが望ましい。
図9のように脱出の際は、扉21を全開した後、梯子カバー32もろとも蹴り出すことで梯子31をセットできる。
桟板33は、通路09に対応して、梯子カバー32の上面に1式づつ設けている。常時は図1のように、桟板33は梯子カバー32の上で、車内側に折り畳んだ状態で重ねてあり、扉21が全開したとき、蝶番部33Aで展開して、図5のように車外側へ突き出す。車外方向に展開する際には、梯子カバー32から起こし易くするために、取手等を設けておくのが良い。
固定機構34は、乗移りの際、梯子31が飛び出ないよう床に固定する重要な構成要素で、動作機構34Cと、その出力軸の先端に取付けた楔34Bと、楔34Bで動く戻しばね付き押し具34Aに設けた固定ピン34A1とで構成し、常時は非固定状態を維持するものである。
【0063】
図24(b)、(C)は固定機構34の実施例で、この固定機構34は左右の梯子31を覆う梯子カバー32の間に設け、この梯子カバー32を固定した状態と、非固定の状態とを示したものである。
動作機構34Cの出力軸の先端に取付けた楔34Bで傾斜面を持つ押し具34Aを押し、その押し具34Aの動き量で固定ピン34A1を梯子カバー32の横から貫入させて、梯子31を固定する。押し具34Aに設けた戻しばね34Dは、常時、梯子31を固定しない状態を維持する。
動作機構34Cは、空気シリンダ34C1やソレノイド往復機構のいずれも選択して用いることができるが、空気シリンダがもっとも簡便である。
そして、空気シリンダ34C1による動作機構34Cには、駆動機構22Cと同様、安全上の配慮から2通りの構成がある。ひとつは図29に示すように、シリンダに設けたばね力で非固定を維持し、圧縮空気の供給でばねを押し戻して固定状態にする構成、もうひとつは図33,図34のように、シリンダ内のふたつの部屋に交互に圧縮空気を供給し、その空気圧で非固定または固定にする構成のものである。
前者は、固定時に空気圧の喪失があると解錠できない場合もあるが、空気源の多重化などによって対応できる。後者は、空気圧の喪失によって固定される場合も考えられるが、この対策として、押し具34Aに戻しばね34Dを組込んで、非固定を確保する。
ここで重要なことは、車両間の乗移りの際、梯子31が不意に飛び出ないよう確実に固定できる機構にすることで、梯子31の非固定と固定については後述の固定制御機構46の箇所で記述する。
一方、ソレノイド往復機構による動作機構でも、非固定状態を確保する手段として2通りの構成があり、何れも実施することは可能である。ひとつは図35に示すように、出力軸に戻しばね34Dを組み込むもので、もうひとつは図36に示すように、固定制御機構46を構成する接触器で非固定・固定を切替えるものである。前者は、固定時に電気エネルギ−を確保する必要があり、後者は、非固定・固定ともに電気エネルギ−の確保が必要である。
前記と同様重要なことは、車両03間の乗移りの際、梯子31が不意に飛び出ないよう確実に固定できる機構にすることで、梯子31の非固定と固定については後述の固定制御機構46の箇所で記述する。
【0064】
(制御機構)
次に、制御機構4について以下に記述する。制御機構4は、図27、図28のブロック図で示すように、解錠スイッチ41、連結検知機構42、解錠制御機構43、予備解錠機構44、開扉検知機構45、固定制御機構46、予備固定機構47、固定検知機構48およびTIMS49で構成されるものである。
図27に示すように、速度情報VEI、解錠スイッチ41からの解錠信号ULS、連結検知機構42からの連結情報COI、開扉検知機構45からの開扉情報DOI、固定検知機構48からの固定情報FXI(または非固定情報UFI)は、何れもTIMS49で検知し、認識する。
また、非常ブレーキ信号EBS、放送装置PAEへの放送信号PAS、表示装置IDEへの表示信号IDS、解錠制御機構43への解錠信号ULS、固定制御機構46への固定信号FXS(または非固定信号UFS)、通信手段RCMへの状態情報STIは、何れもTIMS49が送る。
図28に示すように、TIMS49は本来、1系統または多重系統で構成して列車02の車両03に搭載され、列車全体の信号や情報を統括して管理する機能をもつものと定義される。しかし、ここで言うTIMS49は、自身がもつそうした機能を含まず、非常口装置1に関する制御だけに必要な機能をもつ、と限定して定義する。この発明において、TIMS49は少なくとも次の機能を保持したものである。
・解錠信号を検知して、解錠スイッチを扱った部位を特定し、認識する。
・解錠スイッチを扱った部位の連結情報を検知し、対応態様を選択する。
・梯子の固定・非固定を選択し、その信号を梯子の固定制御機構に送る。
・列車に非常ブレーキを作用させる。
・列車の速度情報を照査し、速度ゼロを検知する。
・速度ゼロを検知するまで解錠信号の出力を保留し、解錠制御機構へ送る。
・扉の開扉を検知し、認識する。
・梯子の固定を検知し、認識する。
・非常口装置に関係する状態情報を、通信手段へ送るか、あるいは中継して送る。
・非常口装置に関係する制御信号を、通信手段から受けるか、あるいは中継して送る。
解錠スイッチ41は押しボタン式で、火災通報装置で用いられているような、保護カバーのあるものがよい。通常この種のスイッチは、一旦押されたら復帰しないもので、係員によって取扱わない限り、スイッチ扱いされたままの状況を保持できる構造にしたものである。
連結検知機構42は、連結器04の適当な部位、例えば連結器部に設けたリミットスイッチ(図示を省略)で、相互に当接する相手側の連結面部の有無を検知する構成で実現できる。厳密には、相手側の連結器04がなければ非連結であるから、自車のリミットスイッチの接触子を押し戻している場合は連結状態、リミットスイッチの接触子が自由位置にあれば非連結状態、と検知する構成にすることが適当である。
解錠制御機構43は、TIMS49からの解錠信号ULSを受けて、前記した鎖錠機構22を作動させる電気制御回路と空気制御回路、あるいは電気制御・動作機構を総称したものである。TIMS49から解錠信号ULSを受けると、対応する空気制御回路の電磁弁または電気制御回路の接触器を作動させる。
そして、この電磁弁が前記した空気源からの圧縮空気を空気シリンダに供給し、あるいは、接触器が電源からの電気エネルギ−をソレノイド往復機構に供給し、前記した機構で鎖錠機構22を解錠し、開扉できる構成にする。
【0065】
図29は駆動機構22Cに空気シリンダを用いる第1の実施例で、上下のシリンダ22C1に鎖錠ばね22Dを設けて構成し、このばね力によって鎖錠した通常時の状態を示すものである。
上下各部のシリンダ内の空気は、解錠制御電磁弁43Aと車内側の予備解錠機構44である三方コック44Aを経由し、車外側の予備解錠機構44である特殊三方コック44Bから、この図29の実線で示す経路で排気され、鎖錠ばね22Dの力で扉21を鎖錠する。鎖錠ばね22Dが格納された側は、当然大気と通じている。
図30は、解錠制御機構43によって解錠した状態のもので、解錠スイッチ41が扱われ、解錠制御機構43である解錠制御電磁弁43Aが解錠信号ULSを受けると、弁が切替わり空気溜の圧縮空気がシリンダ内に供給される。この空気圧が鎖錠ばね22Dの力に打ち勝ってピストンを移動させ、鎖錠腕22Aが鎖錠腕受21Cから離れて扉21を解錠する。解錠信号ULSが無くなれば、解錠制御電磁弁43Aは図29のように復帰し、鎖錠ばね付きの空気シリンダ22C1は再び鎖錠の位置をとる。
図33は、駆動機構22Cに空気シリンダを用いる第2の実施例で、鎖錠ばねの無い2室空気シリンダ22C2で構成し、第2室内の圧縮空気の力によって鎖錠した通常時の状態を示すものである。
上下各空気シリンダ22C2の第1室内の空気は、解錠制御電磁弁43Aと車内側の予備解錠機構である三方コック44Aを経由し、車外側の予備解錠機構である特殊三方コック44Bから、この図33の実線で示す経路で排気され、第2室内の空気力で扉21を鎖錠する。
ただし、解錠制御電磁弁43Aの空気経路の構成は、第1の実施例のものとは異なる。
図34は、解錠制御機構43によって解錠した状態を示すもので、解錠スイッチ41が扱われ、解錠制御機構43である解錠制御電磁弁43Aが解錠信号ULSを受けると、弁が切替わり空気溜の圧縮空気が空気シリンダ22C2の第1室内に供給される。この空気圧がピストンを移動させて第2室内の空気を排気し、鎖錠腕22Aが鎖錠腕受21Cから離れて扉21を解錠する。解錠信号ULSが無くなれば、解錠制御電磁弁43Aは図33のように復帰し、空気シリンダ22C2は再び鎖錠の位置をとる。
【0066】
図35は、駆動機構22Cにソレノイド往復機構を用いる第3の実施例で、鎖錠ばね22Dをソレノイド22C3の出力軸の往復子に設けた構成で、解錠制御機構43である解錠制御接触器43Bによって解錠した状態を示すものである。解錠信号ULSによって解錠制御接触器43Bが閉じると、上下各部のソレノイドのコイルに電流が流れ、各ソレノイド22C3は、鎖錠ばね22Dの力に打ち勝つ電磁力で往復子を作動させ、鎖錠機構22を解錠する。解錠信号ULSが無くなり解錠制御接触器43Bを開放すると、電磁力が消滅し、各ソレノイド22C3は鎖錠ばね22Dの力で鎖錠の位置をとる。
図36は、駆動機構22Cにソレノイド往復機構を用いる第4の実施例で、鎖錠ばねの無いソレノイド22C4で構成し、解錠制御機構43である解錠制御接触器43Bによって解錠した状態を示したものである。解錠信号ULSによって接触子の扛上で解錠制御接触器43Bが閉じると、上下各部のソレノイドには解錠する方向に電流が流れ、各ソレノイド22C4は電磁力で往復子を作動させ、鎖錠機構22を解錠する。解錠信号ULSが無くなり接触子の落下で解錠制御接触器43Bが閉じると、逆方向に電流が流れ、各ソレノイド22C4は電磁力で再び鎖錠の位置をとる。
しかし、避難対応を実施する際、解錠制御機構43が故障して前記解錠制御電磁弁43Aや解錠制御接触器43Bが作動しなければ、鎖錠機構22を解錠できなくなる。予備解錠機構44は、この解錠制御機構43の故障を補完するものである。
図31は、駆動機構22Cに空気シリンダを用いる第1の実施例で、空気溜と解錠制御電磁弁43Aの間で並列に、排気経路中で車内側と車外側を直列にそれぞれ設けて、車内側の予備解錠機構44である三方コック44Aを扱って解錠した状態を示したものである。三方コック44Aを切換えると、空気溜からの圧縮空気は、三方コック44Aと解錠制御電磁弁43Aを経由して各シリンダ22C1内に給気され、鎖錠ばね22Dの力に打ち勝ってシリンダのピストンが動き、鎖錠機構22を解錠する。このとき三方コック44A自身が特殊三方コック44Bへの経路を遮断する。三方コック44Aを元に戻すと図29の状態となり、供給された圧縮空気は排気され、各シリンダ22C1は鎖錠の位置をとる。
【0067】
図32は、前記の実施例で、車外側の予備解錠機構44である特殊三方コック44Bを扱って解錠した状態を示すものである。特殊三方コック44Bを切換えると、空気溜からの圧縮空気は、特殊三方コック44Bと三方コック44A、さらに解錠制御電磁弁43Aを経由して各シリンダ22C1内に給気され、鎖錠ばね22Dの力に打ち勝ってシリンダのピストンが動き、鎖錠機構22を解錠する。
このとき特殊三方コック44Bが排気経路を遮断する。特殊三方コック44Bを元に戻すと図29の状態となり、供給された圧縮空気は排気され、各シリンダ22C1は鎖錠の位置をとる。
この実施例では、何れの予備解錠機構44を扱っても、元に戻せば再び鎖錠状態に戻る。解錠して一旦開いた扉21を再び閉じて鎖錠する場合は、扉21を閉じて車体に設けたシールゴム(図示を省略)に軽く当てた状態で予備解錠機構44を戻す。そうすれば、前記したように鎖錠機構22の鎖錠腕22Aが鎖錠腕受21Cに噛み合い、各シリンダ22C1の鎖錠ばね22Dの力が扉21を引込んで鎖錠し、人が扉21を押込む必要もなく、楽に閉扉作業を行える。
【0068】
図33は、駆動機構22Cに空気シリンダを用いる第2の実施例で、予備解錠機構44の構成は、前記した図31の実施例と同じである。解錠制御機構43が故障した状態で、車内側の予備解錠機構44である三方コック44Aを扱うと、この部分の空気経路は図31の三方コック44Aのようになり、空気溜からの圧縮空気は、三方コック44Aから解錠制御電磁弁43Aを経由して各シリンダ22C2の第1室内に給気される。空気圧は同じでも、第1室側は第2室側よりもピストンの受圧面積が大きいので、ピストンは第2室側に移動して鎖錠機構22を解錠する。このとき三方コック44A自身が特殊三方コック44Bへの経路を遮断することになる。三方コック44Aを元に戻すと図33の状態となり、供給された第1室内の圧縮空気は排気され、空気溜に繋がっている第2室内の空気圧で、各シリンダ22C2は鎖錠の位置をとる。
図33で、同様に車外側の予備解錠機構44である特殊三方コック44Bを扱えば、前記図32と同様、特殊三方コック44Bと三方コック44A、さらに解錠制御電磁弁43Aを経由して各シリンダ22C2の第1室内に給気され、鎖錠機構22を解錠する。このとき特殊三方コック44Bが排気経路を遮断する。特殊三方コック44Bを元に戻すと図33の状態となり、供給された第1室内の圧縮空気は排気され、空気溜に繋がっている第2室内の空気圧で、各シリンダ22C2は鎖錠の位置をとる。
この実施例でも、何れの予備解錠機構44を扱っても、元に戻せば再び鎖錠状態に戻る。解錠して一旦開いた扉21を再び閉じて鎖錠する場合は、扉21を閉じて車体に設けたシールゴムに軽く当てた状態で予備解錠機構44を戻す。そうすれば、前記したように鎖錠機構22の鎖錠腕22Aが鎖錠腕受21Cに噛み合い、各シリンダ22C2内の空気の力が扉21を引込んで鎖錠し、人が扉21を押込む必要もなく、楽に閉扉作業が行えるのは、前記第1の実施例と同じである。
【0069】
駆動機構22Cにソレノイド往復機構を用いる場合、解錠制御機構43の故障だけでなく、電源の喪失があるとソレノイドは作動せず、解錠機構を解錠できない。
図35ならびに図36はその対応例で、各ソレノイド22C3や22C4の出力軸の解錠側端部にケーブル44Cの一端を連結し、車内側と車外側で各ケーブル44Cの他端を纏めて引張る構成とするものである。
予備解錠機構44であるケーブル44Cとその付帯装置は、一端が車内側と車外側の両方にあり、他端は各ソレノイド22C3や22C4の出力軸に連結され、一端側の何れかを引張って、総てのソレノイドの出力軸を固定具(図示を省略)で、解錠位置に固定する。
開扉検知機構45は、扉21の適当な部位、例えば下部開閉機構23Lの付近に設けたリミットスイッチ(図示を省略)で、当接する扉21の内側面の有無を検知する構成で実現できる。
厳密には、解錠腕22Aが解錠腕受21Cから外れ、扉21が車体から離れた時点が開扉であるから、このような扉の状態検知には、リミットスイッチの接触子が自由位置にあれば開扉の状態、と検知する構成にするのが適当である。
固定制御機構46は、TIMS49からの固定信号FXSを受けて、前記した固定機構34を作動させる電気制御回路と空気制御回路、あるいは電気制御・動作機構の総称したものである。
このものは、TIMS49から固定信号FXSを受けると、対応する空気制御回路の電磁弁または電気制御回路の接触器を作動させる。この電磁弁が前記した空気源からの圧縮空気を空気シリンダに供給し、あるいは、接触器が電源からの電気エネルギ−をソレノイド往復機構に供給し、前記固定機構で梯子31を固定できる構成にしたものである。
【0070】
図29は、固定機構34に空気シリンダを用いる第1の実施例で、空気シリンダ34C1に戻しばね34Dを設けて構成し、このばね力によって非固定にした通常時の状態を示したものである。
前記空気シリンダ34C1内の空気は、固定制御電磁弁46Aと車内側の予備固定機構である三方コック47Aを経由し、車外側の予備固定機構である特殊三方コック47Bから、この図29の実線で示す経路で排気され、戻しばね34Dの力で梯子31を非固定にするものである。この戻しばね34Dが格納された側は、当然大気と通じている。
図30は、固定制御機構46によって固定した状態を示すもので、固定制御電磁弁46Aが固定信号FXSを受けると、弁が切替わり空気溜の圧縮空気がシリンダ内に供給される。この空気圧が戻しばね34Dの力に打ち勝ってピストンを移動させ、図24で示す楔34Bが押し具34Aを押し、固定ピン34A1で梯子31を固定する。固定信号FXSが無くなれば、固定制御電磁弁46Aは図29のように復帰し、空気シリンダ34C1は再び非固定の位置をとる。
図33は、固定機構34に空気シリンダを用いる第2の実施例で、戻しばね34Dの無い2室シリンダ34C2で構成し、第2室内の圧縮空気の力によって非固定にした通常時の状態を示したものである。
空気シリンダ34C2の第1室内の空気は、固定制御電磁弁46Aと車内側の予備固定機構である三方コック47Aを経由し、車外側の予備固定機構である特殊三方コック47Bから、この図33の実線で示す経路で排気され、第2室内の空気力で梯子31を非固定にする。
図34は、固定制御機構46によって固定にした状態を示すもので、固定制御電磁弁46Aが固定信号FXSを受けると、弁が切替わり空気溜の圧縮空気が空気シリンダ34C2の第1室内に供給される。この空気圧がピストンを移動させて第2室内の空気を排気し、図24で示す楔34Bが押し具34Aを押し、固定ピン34A1で梯子31を固定する。固定信号FXSが無くなれば、固定制御電磁弁46Aは図33のように復帰し、空気シリンダ34C2は再び非固定の位置をとる。
【0071】
図35は、固定機構34にソレノイド往復機構を用いる第3の実施例で、戻しばね34Dをソレノイド34C3の出力軸の往復子に設けた構成で、固定制御機構46である固定制御接触器46Bによって固定した状態を示したものである。
固定信号FXSによって固定制御接触器46Bが閉じると、ソレノイドのコイルに電流が流れ、ソレノイド34C3は、戻しばね34Dの力に打ち勝つ電磁力で往復子を作動させ、図24で示す楔34Bが押し具34Aを押し、固定ピン34A1で梯子31を固定する。固定信号FXSが無くなり固定制御接触器46Bを開放すると、電磁力は消滅し、ソレノイド34C3は戻しばね34Dの力で非固定の位置をとる。
図36は、固定機構34にソレノイド往復機構を用いる第4の実施例で、戻しばね34Dの無いソレノイド往復機構34C4で構成し、固定制御機構46である固定制御接触器46Bによって固定した状態を示したものである。固定信号FXSによって接触子の扛上で固定制御接触器46Bが閉じると、ソレノイドには固定する方向に電流が流れ、ソレノイド往復機構34C4は電磁力で往復子を作動させ、図24で示す楔34Bが押し具34Aを押し、固定ピン34A1で梯子31を固定する。固定信号FXSがなくなり接触子の落下で固定制御接触器46Bが閉じると、逆方向に電流が流れ、ソレノイド往復機構34C4は電磁力で再び非固定の位置をとる。
しかし、避難対応を実施する際、固定制御機構46が故障して前記固定制御電磁弁46Aや固定制御接触器46Bが作動しなければ、梯子31を固定できなくなる。予備固定機構47がこの固定制御機構46の故障を補完する。
図31は、動作機構34Cに空気シリンダを用いる第1の実施例で、空気溜と固定制御電磁弁46Aの間で並列に、排気経路中で車内側と車外側を直列にそれぞれ設けて、車内側の予備固定機構47である三方コック47Aを扱って梯子31を固定した状態を示したものである。
上記三方コック47Aを切換えると、空気溜からの圧縮空気は、三方コック47Aと固定制御電磁弁46Aを経由して空気シリンダ34C1内に給気され、戻しばね34Dの力に打ち勝って空気シリンダ34C1のピストンが動き、楔34Bと押し具34Aを押して、固定ピン34A1が梯子31を固定する。このとき、三方コック47A自身が特殊三方コック47Bへの経路を遮断する。三方コック47Aを元に戻すと図29の状態となり、供給された圧縮空気は排気され、空気シリンダ34C1は非固定の位置をとる。
図32は、前記の実施例で、車外側の予備固定機構47である特殊三方コック47Bを扱って梯子31を固定した状態を示したものである。特殊三方コック47Bを切換えると、空気溜からの圧縮空気は、特殊三方コック47Bと三方コック47A、さらに固定制御電磁弁46Aを経由して空気シリンダ34C1内に給気され、戻しばね34Dの力に打ち勝って空気シリンダのピストンが動き、楔34Bと押し具34Aを押して、固定ピン34A1が梯子31を固定する。このとき特殊三方コック47Bが排気経路を遮断する。特殊三方コック47Bを元に戻すと図29の状態になり、供給された圧縮空気は排気され、空気シリンダ34C1は非固定の位置をとる。
この実施例では、何れの予備固定機構を扱っても、元に戻せば再び非固定状態に戻る。
固定した梯子31を非固定に戻す場合は、予備固定機構を戻すだけでよい。
【0072】
図33は、動作機構34Cに空気シリンダを用いる第2実施例で、車内側の予備固定機構47である三方コック47Aを扱うと、空気溜からの圧縮空気は、三方コック47Aから固定制御電磁弁46Aを経由して空気シリンダ34C2の第1室内に給気される。
空気圧は同じでも、第1室側は第2室側よりもピストンの受圧面積が大きいのでピストンは第2室側に移動し、楔34Bと押し具34Aとを押して、固定ピン34A1が梯子31を固定する。このとき三方コック47Aが特殊三方コック47Bへの経路を遮断する。三方コック47Aを元に戻すと図33の状態となり、供給された第1室内の圧縮空気は排気され、空気溜に繋がっている第2室内の空気圧で、空気シリンダ34C2は非固定の位置をとる。
図33で、同様に車外側の予備固定機構である特殊三方コック47Bを扱えば、前記と同様、特殊三方コック47Bと三方コック47A、さらに、固定制御電磁弁46Aを経由して空気シリンダ34C2の第1室内に給気され、前記と同様に梯子31を固定する。このとき特殊三方コック47Bが排気経路を遮断する。
この特殊三方コック47Bを元に戻すと図33の状態となり、供給された第1室内の圧縮空気は排気され、空気溜に繋がっている第2室内の空気圧で、空気シリンダ34C2は非固定の位置をとる。
この実施例でも、何れの予備固定機構を扱っても、元に戻せば再び非固定状態に戻る。
固定した梯子31を非固定に戻す場合は、予備固定機構を戻すだけでよい。
【0073】
動作機構34Cにソレノイド往復機構を用いる場合、固定制御機構46の故障だけでなく、電源の喪失があるとソレノイドは作動せず、梯子31は固定できなくなる。
図35ならびに図36はその対応例で、ソレノイド往復機構34C3や34C4の出力軸の固定側端部にケーブル47Cの一端を連結し、車内側と車外側とで各ケーブル47Cの他端を纏めて引張る構成にしたものである。
予備固定機構であるケーブル47Cとその付帯設備は、一端が車内側と車外側の両方にあり、他端はソレノイド34C3や34C4の出力軸に連結され、一端側の何れかを引張って、ソレノイド出力軸を固定具(図示を省略)で、固定位置に固定する。
固定検知機構48は、固定機構の適当な部位、例えば空気シリンダ34C1先端の楔34Bに対向する位置に設けたリミットスイッチ(図示を省略)で、当接する楔34Bの有無を検知する構成で実現できる。
厳密には、前記楔34Bが押し具34Aを押して、固定ピン34A1が梯子31に貫入した状態が固定であるから、楔34Bがリミットスイッチの接触子を押し戻している場合は固定状態、リミットスイッチの接触子が自由位置にあれば非固定の状態、と検知する構成が適当である。
【0074】
(非常口装置の安全性配慮)
この発明の方法や手順、ならびに機構や装置における、安全性に対する配慮事項を以下に記述する。
1)速度検知による扉の保留鎖錠
解錠スイッチ41を扱うと、TIMS49は列車02に対して直ちに、非常ブレーキを作用させる。しかも列車02の走行中に解錠スイッチ41を扱っても、TIMS49が解錠信号ULSの送信を保留し、扉21の鎖錠状態を維持する。この機能は、TIMS49の速度情報VEIを照査する機能によって実現され、速度情報VEIが速度ゼロになった時点で、解錠信号ULSを解錠制御機構43に送る。
これによって、列車の走行中に扉21が開いて、乗客が転落する事故を防ぐことができるとともに、避難対応は必ず列車02の停止状態で実行される。
2)鎖錠機構の鎖錠保証
鎖錠機構22の駆動機構22Cが鎖錠力を保持し、空気シリンダの空気圧喪失による解錠に対応するために、駆動機構22Cに設けた鎖錠ばねの力で鎖錠力を保持する構成にしたり、ピストンと軸の自重で鎖錠力を保持する構成にした。
また、ソレノイド往復機構のエネルギ−喪失による解錠に対応するため、電気制御回路の接触器の接触子が落下したときに鎖錠する構成にした。
3)乗移り時の梯子蹴り出し防止
脱出時には車外に蹴り出す必要のある梯子31を、乗移り時には固定しておく必要がある。
このために、開扉する部位が列車の両端部か、中間部かをTIMS49が検知し、中間部であることを検知したときは、開扉する前に固定信号FXSを固定機構34に送り、乗移りが安全に支障なく行える構成にした。
4)梯子の非固定保証
固定機構34が非固定状態を維持するため、常時は押し具34Aの戻しばねで、固定しない状態を維持する構成にした。
5)扉の開扉維持
軌道01に横断勾配がある地点で停止しても、開扉の状態を維持できるよう、扉21を完全に開いた状態で維持する扉21の開維持機構23Fを付加した。
6)TIMSの故障対策
この発明では、TIMS49が重要な機能を果たす。しかし、TIMS49が機能しない場合の安全保障から、「扉機構2を車内または車外から開くこと」が、最低限度の機能として必要である。このため、非常口装置1に次の機構を付加するようにした。
・解錠信号ULSが解錠制御機構43に届かなかった場合に、鎖錠機構の駆動機構22Cを動作させる予備解錠機構44を設けた。これらは、車内中央柱07の中や車外床下にあり、何れかを取扱えば「解錠」、扱い戻せば「鎖錠」できる構成にした。
・梯子31の固定信号FXSが固定制御機構46に届かなかった場合に、梯子の固定機構34を動作させる予備固定機構47を設けた。これらは、車内通路の床付近や車外床下にあり、何れかを取扱えば「固定」、扱い戻せば「非固定」にできる構成にした。
【0075】
【効果】
以上の通り、この発明の非常口装置の操作方法と動作手順によって、次のような効果ある。
1)無人運転の車両における避難対応に必要な、従来に比べてより単純で安全の、具体的な操作方法と動作手順を実現した。
2)列車の端部からの脱出の態様と、列車の中間部に位置する乗移りの態様の両方に、選択対応可能な操作方法と動作手順を実現した。
3)往き来しない非常口同士が対面して連結されるため、従来は実施できなかった、無人運転の2列車併結運転を可能にした。
4)無人運転用の避難対応手順を、そのまま有人運転用の避難対応手順としても適用することができる。
また、この発明の非常口装置の機構によって、次のような効果がある。
5)総てを人による判断と操作に頼った従来の装置に比べて、手順の一部を自動化することで誤りのない態様の選択を実現した。
6)自動化部分の故障が発生しても、最低限度の安全性を乗客の操作で確保できる手段を実現した。
7)従来の装置に比べ、単位時間あたりに避難できる人数を2倍まで増やすことができた。
8)複雑な構成や余分な空間を要することなく、列車の前方視界を充分に確保することができた。
9)無人運転用の避難対応機構を、そのまま有人運転用の避難対応機構として、車両の新製だけではなく、改造でも実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、乗移り態様時の乗客の操作方法を説明する縦断面図で、解錠スイッチを扱ったところ。
【図2】は、乗客が非常口扉を車外へ押出した状態を示す縦断面図。
【図3】は、乗客が桟板を車外側に向かって広げている状態を示す縦断面図。
【図4】は、乗客が相手車両側の非常口扉を開く状態を示す縦断面図。
【図5】は、車両間で乗移りできる状態を示す付帯設備の平面図。
【図6】は、図5の縦断面図。
【図7】は、脱出態様時の乗客の操作方法を説明する縦断面図で、解錠スイッチを扱ったところ。
【図8】は、乗客が扉を車外へ押出した状態を示す縦断面図。
【図9】は、乗客が梯子を車外側に向かって蹴り出そうとしている状態を示す縦断面図。
【図10】は、非常口に梯子がセットされた状態を示す縦断面図。
【図11】は、乗客が車外へ脱出できる状態を示す平面図。
【図12】は、図11の縦断面図。
【図13】は、全機能健全時乗移り態様の一連の動作手順と対応を示す図。
【図14】は、全機能健全時脱出態様の一連の動作手順と対応を示す図。
【図15】は、解錠制御機構が故障した部位での一連の動作手順と対応を示す図。
【図16】は、固定制御機構が故障した部位での一連の動作手順と対応を示す図。
【図17】は、TIMSが故障した場合の一連の動作手順と対応を示す図。
【図18】は、非常通報装置または通信手段が故障した場合の一連の動作手順と対応を示す図。
【図19】は、車外側からの避難時と避難後の一連の動作手順と対応を示す図。
【図20】は、車両を長手方向の車体中心で切断した実施例の縦断面図。
【図21】(a)は、車両の中央部付近における実施例の縦断面図で、(b)は(a)のZ部の拡大図。
【図22】は、上部開閉機構付近の実施例の横断面図。
【図23】は、扉の上下方向真ん中付近の実施例の横断面図。
【図24】の(a)は、床面から少し上の部分を切断した実施例の横断面図で、(b)(c)は、(a)のZ部拡大図。
【図25】は、下部開閉機構付近の実施例の横断面図。
【図26】は、車両の非常口の実施例の正面図。
【図27】は、非常口装置の制御機構とその関連の構成を示すブロック図。
【図28】は、非常口装置の制御機構とその関連の配置を示すブロック図。
【図29】は、ばね付き空気シリンダを用いた鎖錠と非固定の状態を示す実施例の図。
【図30】は、ばね付き空気シリンダを用いた解錠と固定の状態を示す実施例の図。
【図31】は、図29が故障したとき、車内側から解錠・固定した状態を示す実施例の図。
【図32】は、図29が故障したとき、車外側から解錠・固定した状態を示す実施例の図。
【図33】は、2室空気シリンダを用いた鎖錠と非固定の状態を示す実施例の図。
【図34】は、2室空気シリンダを用いた解錠と固定の状態を示す実施例の図。
【図35】は、ばね付きソレノイド往復機構を用いた解錠と固定の状態を示す実施例の図。
【図36】は、ばね無しソレノイド往復機構を用いた解錠と固定の状態を示す実施例の図。
【符号の説明】
01:軌道
02:列車
03:車両
04:連結器
05:非常口
06:鴨居部
07:中央柱
08:出入口柱
09:通路
10:床面
1:非常口装置
2:扉機構
21:扉
21A:枠体
21B:ガラス窓
21C:鎖錠腕受
22:鎖錠機構
22A:鎖錠腕
22B:支持部材
22C:駆動機構
22C1:鎖錠ばね付きの空気シリンダ
22C2:2室構成の空気シリンダ
22C3:鎖錠ばね付きのソレノイド往復機構
22C4:鎖錠ばね無しのソレノイド往復機構
22D:鎖錠ばね
23:開閉機構
23U:上部開閉機構
23L:下部開閉機構
23A:支持基部
23B:出入リンク
23C:横移動機構
23C1:基盤
23C2:リニアガイド
23C3:レール
23C4:ベアリング
23D:連結腕
23E:動作制限機構
23E1:軌跡板または軌跡溝
23E2:ローラ
23F:開維持機構
3:付帯設備
31:梯子
32:梯子カバー
33:桟板
33A:蝶番部
34:固定機構
34A:押し具
34A1:固定ピン
34B:楔
34C:動作機構
34C1:戻しばね付きの空気シリンダ
34C2:2室構成の空気シリンダ
34C3:戻しばね付きのソレノイド往復機構
34C4:戻しばね無しのソレノイド往復機構
34D:戻しばね
4:制御機構
41:解錠スイッチ
42:連結検知機構
43:解錠制御機構
43A:解錠制御電磁弁
43B:解錠制御接触器
44:予備解錠機構
44A:三方コック
44B:特殊三方コック
44C:ケーブル
45:開扉検知機構
46:固定制御機構
46A:固定制御電磁弁
46B:固定制御接触器
47:予備固定機構
47A:三方コック
47B:特殊三方コック
47C:ケーブル
48:固定検知機構
49:TIMS
ACE:非常通報装置
VBE:制動装置
IDE:表示装置
OCC:運行制御所
PAE:放送装置
RCM:通信手段
SDM:表示手段
TCM:制御手段
VCE:映像伝送装置
EBS:非常ブレーキ信号
FXS:固定信号
IDS:表示信号
PAS:放送信号
UFS:非固定信号
ULS:解錠信号
COI:連結情報
CTS:制御信号
DOI:開扉情報
FXI:固定情報
LOI:部位情報
STI:状態情報
UFI:非固定情報
VEI:速度情報
V0I:速度ゼロ
Claims (51)
- 非常口装置のほか、その全機能が健全に維持された状態において、
(1)乗客が解錠スイッチを扱ったとき、
(2)TIMS(列車情報管制装置)は、解錠信号を検知し、それを認識して車両の放送装置または表示装置、あるいはその両方に、以後の操作方法と避難要領の放送や表示を実行し、
(3)TIMSは、列車に非常ブレーキを作用させ、
(4)TIMSは、解錠信号の発生部位を特定して部位情報を生成し、
(5)TIMSは、その部位情報をもとに、その部位の連結情報を照査し、
(6)TIMSは、その照査結果が連結状態であれば乗移り態様と梯子の固定を選択し、非連結状態であれば脱出態様と梯子の非固定を選択する、を実行し、
乗移り態様の場合は、
(7)TIMSは、その部位とその部位に相対する部位の梯子の各固定制御機構に、固定信号を送り、
(8)各固定制御機構は、この信号を受け、
(9)各固定制御機構は、固定機構を作動させて梯子を固定し、
(10)各固定検知機構は、梯子の固定を検知し、固定情報を生成し、
(11)TIMSは、各固定情報を検知し、梯子の固定状態を認識する、を実行し、
脱出態様の場合は、
(7)TIMSは、その部位の梯子の固定制御機構に、非固定信号を送るか、もしくは固定信号を送らず、
(8)固定制御機構は、この信号を受け、
(9)固定制御機構は、固定機構を非固定のままとし、
(10)固定検知機構は、梯子の非固定を検知しつづけ、固定情報を生成せず、
(11)TIMSは、上記固定情報を検知せず、梯子の非固定状態を認識する、を実行し、乗移り態様と脱出態様の何れもで、
(12)TIMSは、列車の速度情報を照査し、
(13)TIMSは、その照査結果が速度ゼロでなければ、解錠信号の出力を保留し、
(14)TIMSは、速度ゼロなら、解錠すべき部位の扉の解錠制御機構に、解錠信号を送り、
(15)解錠制御機構は、この信号を受け、
(16)解錠制御機構は、鎖錠機構を解錠し、
(17)開扉検知機構は、開扉を検知して開扉情報を生成し、
(18)TIMSは、この開扉情報を検知して開扉状態を認識し、
(19)TIMSは、列車の通信手段に、一連の状態情報を送りつづける、を実行すること、を特徴とする非常口装置の操作方法と動作手順。 - 非常口装置の制御機構のうち、解錠制御機構が故障した状態の部位において、
(1)乗客が解錠スイッチを扱ったとき、
(2)TIMSは、解錠信号を検知し、それを認識して車両の放送装置または表示装置、あるいはその両方に、以後の操作方法と避難要領の放送や表示を実行し、
(3)TIMSは、列車に非常ブレーキを作用させ、
(4)TIMSは、解錠信号の発生部位を特定して部位情報を生成し、
(5)TIMSは、その部位情報をもとに、その部位の連結情報を照査し、
(6)TIMSは、その照査結果が連結状態であれば乗移り態様と梯子の固定を選択し、非連結状態であれば脱出態様と梯子の非固定を選択する、を実行し、
乗移り態様の場合は、
(7)TIMSは、その部位とその部位に相対する部位の梯子の各固定制御機構に、固定信号を送り、
(8)各固定制御機構は、この信号を受け、
(9)各固定制御機構は、固定機構を作動させて梯子を固定し、
(10)各固定検知機構は、梯子の固定を検知し、固定情報を生成し、
(11)TIMSは、固定情報を検知し、梯子の固定状態を認識する、を実行し、
脱出態様の場合は、
(7)TIMSは、その部位の梯子の固定制御機構に、非固定信号を送るか、もしくは固定信号を送らず、
(8)固定制御機構は、この信号を受け、
(9)固定制御機構は、固定機構を非固定のままとし、
(10)固定検知機構は、梯子の非固定を検知しつづけ、固定情報を生成せず、
(11)TIMSは、上記固定情報を検知せず、梯子の非固定状態を認識する、を実行し、乗移り態様・脱出態様の何れもで、
(12)TIMSは、列車の速度情報を照査し、
(13)TIMSは、その照査結果が速度ゼロでなければ、解錠信号の出力を保留し、
(14)TIMSは、速度ゼロなら、解錠すべき部位の扉の解錠制御機構に、解錠信号を送り、
(15)解錠制御機構は、この信号を受けられず、
(16)解錠制御機構は、鎖錠機構を解錠できず、
(17)開扉検知機構は、開扉を検知せず、開扉情報を生成せず、
(18)TIMSは、開扉情報を監視し、一定時間経過しても開扉情報を検知しないので、解錠制御機構の故障情報を生成し、
(19)TIMSは、この車両の放送装置または表示装置、あるいはその両方に、手扱い解錠操作方法と避難要領の放送や表示を実行させ、
その後、乗客は、この放送か表示を基に、車内側の予備解錠機構を扱い、鎖錠機構を解錠して開扉する、を実行しつつ、
(20)TIMSは、列車の通信手段に、一連の状態情報を送りつづける、を実行すること、を特徴とする非常口装置の操作方法と動作手順。 - 非常口装置の制御機構のうち、固定制御機構が故障した状態の部位において、
(1)乗客が解錠スイッチを扱ったとき、
(2)TIMSは、解錠信号を検知し、それを認識して車両の放送装置または表示装置、あるいはその両方に、以後の操作方法と避難要領の放送や表示を実行し、
(3)TIMSは、列車に非常ブレーキを作用させ、
(4)TIMSは、解錠信号の発生部位を特定して部位情報を生成し、
(5)TIMSは、その部位情報を基に、その部位の連結情報を照査し、
(6)TIMSは、その照査結果が連結状態であれば乗移り態様と梯子の固定を選択し、非連結状態であれば脱出態様と梯子の非固定を選択する、を実行し、 乗移り態様の場合は、
(7)TIMSは、その部位とその部位に相対する部位の梯子の各固定制御機構に、固定信号を送るが、
(8)固定制御機構は、この信号を受けられず、
(9)固定制御機構は、固定機構で梯子を固定できず、
(10)固定検知機構は、梯子の固定を検知せず、固定情報を生成せず、
(11)TIMSは、固定情報を監視し、一定時間経過しても固定情報を検知しないので、固定制御機構の故障情報を生成し、
(12)TIMSは、この車両の放送装置または表示装置、あるいはその両方に、梯子の手扱い固定操作方法と避難要領の放送や表示を実行させ、
その後、乗客は、この放送か表示を基に、車内側の予備固定機構を扱い、梯子を固定する、を実行しつつ、
乗移り態様・脱出態様の何れもで、
(13)TIMSは、列車の速度情報を照査し、
(14)TIMSは、その照査結果が速度ゼロでなければ、解錠信号の出力を保留し、
(15)TIMSは、速度ゼロなら、解錠すべき部位の扉の解錠制御機構に、解錠信号を送り、
(16)解錠制御機構は、この信号を受け、
(17)解錠制御機構は、鎖錠機構を解錠し、
(18)開扉検知機構は、開扉を検知して開扉情報を生成し、
(19)TIMSは、この開扉情報を検知して開扉状態を認識し、
(20)TIMSは、列車の通信手段に、一連の状態情報を送りつづける、を実行すること、を特徴とする非常口装置の操作方法と動作手順。 - 非常口装置の制御機構のうち、TIMSが故障した状態において、
(1)TIMSは、自己診断機能によって自己の故障を検知し、TIMS故障情報を生成し、その情報を列車の通信手段に送り、
(2)乗客が解錠スイッチを扱ったとき、
(3)故障を検知したTIMSは、入力される解錠信号を、そのまま列車の通信手段に中継して送りつづけ、
その後、
a.列車の通信手段は、状態情報を運行制御所に中継して送り、
b.運行制御所の表示手段は、この状態情報を表示し、
c.運行制御所の要員は、この状態情報によって状況を認識するとともに、予め規定された手順書を準備し、この手順書に基づいて、
d.列車に非常ブレーキを作用させ、
e.非常通報装置の回線を開き、
f.乗客を呼び出して事情を聴取し、解錠信号の発生部位を特定し、
g.避難の要否を決断し、その態様を決定する、を実行しつつ、
乗移り態様の場合は、
a.同要員は、相対する両車両の乗客に、車内側の予備固定機構を操作し、梯子を固定するよう指示し、
(4)乗客は、要員の指示に従い、両車両の車内側の予備固定機構を操作して梯子を固定し、
(5)固定検知機構は、梯子の固定を検知し、固定情報を生成する、を実行し、
乗移り態様・脱出態様の何れもで、
a.同要員は、列車の停止を確認し、
b.同要員は、乗客に避難の要領と手順を説明し、避難するよう通告し、
c.同要員は、車内側の予備解錠機構の操作で、鎖錠機構を解錠するよう乗客に指示する、を実行し、
(6)乗客は、同要員の指示に従い、車内側の予備解錠機構を操作して鎖錠機構を解錠し、
(7)乗客は、解錠した扉を開き、
(8)開扉検知機構は、開扉を検知して開扉情報を生成し、
(9)故障したTIMSは、常時入力される状態情報を、そのまま列車の通信手段に中継して送りつづける、を実行することを特徴とする非常口装置の操作方法と動作手順。 - 非常通報装置または通信手段が故障した状態において、
非常通報装置が故障した場合は、
a.非常通報装置は、自己診断機能によって自己の故障を検知し、非常通報装置の故障情報を生成して、TIMSに送る、を実行しつつ、
(1)TIMSは、この状態情報を列車の通信手段に中継して送りつづける、を実行し、
a.列車の通信手段は、この状態情報を運行制御所に中継して送り、
b.運行制御所の表示手段は、この状態情報を表示し、
c.運行制御所の要員は、状況を認識する、を実行しつつ、
通信手段が故障した場合は、
a.通信手段は、自己診断機能によって自己の故障を検知し、通信手段故障情報を生成して、運行制御所に送り、
b.通信手段の故障には、状態情報が表示手段に届かずに途絶する場合は、
c.表示手段は、常時状態情報を監視し、一定時間経過しても状態情報を検知しないときは、通信手段の故障情報を表示し、
d.運行制御所の要員は、状況を認識する、を実行しつつ、
非常通報装置または通信手段が故障した場合は、
a.運行制御所の要員は、予め規定された手順書の準備をし、この手順書に基づいて、列車を駅に収容して停車させるか、列車を駅間で停止させるか、を決断してこれを実行しつつ、
列車を駅間で停止させる場合は、
a.同要員は、列車を非常ブレーキで停止させ、
b.同要員は、列車が駅間で停止したことを確認し、
c.同要員は、救援列車または別途手配の派遣員の派遣を決断し、これを実行しつつ、
(2)現地に到着した派遣員は、車外側に設けた車外側の予備解錠機構で、非常口の鎖錠機構を解錠し、
(3)同派遣員は、解錠した扉を開き、
(4)同派遣員は、避難の準備をする、を実行し、
a.同派遣員は、乗客を避難させる、を実行しつつ、
列車を駅に収容する場合は、
a.上記要員は、列車運行を維持して最寄りの駅へ列車を収容し、
b.同要員は、列車の駅停車を確認し、
c.同要員は、通常の乗客扱いで乗客を避難させる、を実行することを特徴とする非常口装置の操作方法と動作手順。 - 非常通報装置または通信手段が故障した状態において、
a.現地に到着した派遣員は、外部から列車に接近する、を実行しつつ、
乗移り態様の場合は、
(1)同派遣員は、相対する両車両の各車外側の予備固定機構を扱い、
(2)各予備固定機構は、各梯子を固定し、
(3)同派遣員は、続いて両車両の各車外側の予備解錠機構を扱い、
(4)各予備解錠機構は、各鎖錠機構を解錠し、
(5)同派遣員は、その解錠された各扉を開き、
(6)同派遣員は、各桟板を展開する、を実行し、
脱出態様の場合は、
(7)同派遣員は、車外側の予備解錠機構だけを扱い、
(8)予備解錠機構は、鎖錠機構を解錠し、
(9)同派遣員は、解錠された扉を開き、
(10)同派遣員は、梯子をセットする、を実行し、
乗移り態様・脱出態様の何れもで、
(11)TIMSは、この状態情報を列車の通信手段に中継して送りつづける、を実行し、
a.列車の通信手段は、この状態情報を運行制御所に中継して送り、
b.同派遣員は、乗客に避難の要領を説明、避難するよう通告して誘導する、を実行することを特徴とする非常口装置の操作方法と動作手順。 - 非常通報装置または通信手段が故障した状態において、
車外側から非常口装置を取扱った避難を実行した後、
乗移り態様の場合は、
(12)現地に到着した派遣員は、各桟板を収納し、
(13)同派遣員は、各車外側の予備固定機構を手扱いで戻し、
(14)各予備固定機構は、各梯子を非固定とする、を実行し、
脱出態様の場合は、
(15)同派遣員は、梯子と梯子カバーを収納する、を実行し、
乗移り態様・脱出態様の何れもで、
(16)同派遣員は、手扱いで扉を閉じ、開扉時に解錠したときの状態に戻し、
(17)同派遣員は、車外側の予備解錠機構を扱い戻し、
(18)予備解錠機構は、扉を鎖錠し、
(19)TIMSは、この状態情報を列車の通信手段に中継して送りつづける、を実行することを特徴とする非常口装置の操作方法と動作手順。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
非常口は、車両の端部に設け、
扉機構は、非常口に対して開閉自在に設けた扉と、扉を車体に対して鎖錠および解錠する機能をもつ鎖錠機構と、扉を車体で支持するとともに車体と干渉なく外方に開く機能をもつ開閉機構とを備え、
付帯設備は、梯子と、梯子カバーと、桟板と、当該桟板の不使用時は梯子を固定せず、使用時は梯子を固定する固定機構とを備え、
制御機構は、解錠信号を生成する解錠スイッチと、車両の連結と非連結とを検知する連結検知機構と、鎖錠機構を解錠する機能をもつ解錠制御機構と、予備解錠機構と、開扉を検知する開扉検知機構と、非固定の梯子を固定機構で固定する機能をもつ固定制御機構と、予備固定機構と、梯子の固定を検知する固定検知機構と、非常口装置の管理制御機能をもつTIMSとを備えたことを特徴とする非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
非常口は、1両あたり1式もしくは2式設けたことを特徴とする請求項8の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
非常口は、車両が対向したとき互いの通路が左右にずれなく相対し、かつ非常口の配置は、車体中心に対して左右対称にしたことを特徴とする請求項8の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
扉機構を構成する扉は、枠体と、該枠体に取付けたガラス窓と、枠体に取付けた鎖錠腕受とで構成し、当該鎖錠腕受は、鎖錠機構を構成する鎖錠腕に係合可能に設けて、開閉機構で開閉自在に支持したことを特徴とする請求項8の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
扉機構を構成する鎖錠機構は、鎖錠腕と駆動機構とで構成し、鎖錠腕には支持部材を支点にして一端に鎖錠腕受との係合部を設け、他端を駆動機構とピンとで連結し、駆動機構の作用で鎖錠腕受を介して、扉を鎖錠および解錠自在に構成したことを特徴とする請求項8の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
非常口が左右2箇所にある鎖錠機構の鎖錠腕は、車両の車体中心寄りで隣接する左右2本1組の鎖錠腕を1式の駆動機構とピンで連結し、車体側寄りに位置する左または右各1本の鎖錠腕を各1式の駆動機構とピンで連結したことを特徴とする請求項12の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
鎖錠機構の駆動機構は、空気シリンダにより構成したことを特徴とする請求項12の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
空気シリンダは、鎖錠ばねの力で扉を鎖錠し、圧縮空気の供給で解錠する構成にしたことを特徴とする請求項14の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
空気シリンダは、圧縮空気の供給方向の切替えで扉を鎖錠または解錠し、かつ一部の駆動機構は出力軸側を下向きにして、受圧面積の小さい側へ圧縮空気を供給して扉を鎖錠し、受圧面積の大きい側へ圧縮空気を供給して解錠する構成にしたことを特徴とする請求項14の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
鎖錠機構の駆動機構は、ソレノイド往復機構により構成したことを特徴とする請求項12の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
ソレノイド往復機構は、鎖錠ばねの力で扉を鎖錠し、ばね力に打ち勝つ電磁力で解錠する構成にしたこと、を特徴とする請求項17の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
ソレノイド往復機構は、電磁力の作用方向の切替えで扉を鎖錠または解錠し、かつ一部の駆動機構は出力軸側を下向きにして、電源供給用接触器の接触子落下で扉を鎖錠、接触子扛上で解錠する構成にしたことを特徴とする請求項17の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
扉機構を構成する開閉機構は、支持基部と、出入リンクと、横移動機構と、連結腕とで構成し、もしくはこれらに動作制限機構を含む構成とし、支持基部は、残余の構成要素を介して扉を支持するよう車体に取付け、出入リンクの両端に2組のピンを設けて支持基部と横移動機構とを連結して横移動機構の平行揺動運動を許容させ、横移動機構の下層を出入リンクに、また上層を連結腕に、それぞれ連結した複数階層の構成にして各層相互の移動を許容し、連結腕は横移動機構の上層と扉とを結合する構成にして、さらに動作制限機構の一方を支持基部に、他方を横移動機構の上層に連結したことを特徴とする請求項8の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
開閉機構の横移動機構は、基盤上に設けたレール上を2組のベアリングが滑動するリニアガイドで構成した中層を含む下層と、基盤上に設けたレール上を1組または2組のベアリングが滑動するリニアガイドで構成した上層とで、2層以上の構成とし、下層の基盤と出入リンクをピンで結合し、上層のベアリングと連結腕とを結合する構成にしたことを特徴とする請求項20の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
開閉機構の動作制限機構は、軌跡板または軌跡溝と、これに沿いまたは制約されて移動するローラとで構成し、上部または下部の開閉機構の構成要素として設けたことを特徴とする請求項20の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
付帯設備は、梯子と、梯子カバーと、桟板と、固定機構とで構成し、梯子は左右から支持案内する機構を介して非常口部の通路上に取付け、梯子の傍らに設けた固定機構で非固定および固定自在とし、梯子カバーはその梯子を覆うように設け、桟板を梯子カバーの上に蝶番で車外側へ展開可能に取付ける構成にしたことを特徴とする請求項8の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
付帯設備を構成する固定機構は、動作機構と、その軸の先端に取付けた楔と、当該楔で動く戻しばね付き押し具に設けた固定ピンとで構成し、常時は非固定状態を維持する構成にしたことを特徴とする請求項23の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
固定機構の動作機構は、空気シリンダにより構成したことを特徴とする請求項24の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
空気シリンダは、戻しばねの力で梯子を非固定にし、圧縮空気の供給で梯子を固定する構成にしたことを特徴とする請求項25の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
空気シリンダは、圧縮空気の供給方向の切替えで非固定または固定とし、受圧面積の小さい側へ圧縮空気を供給して梯子を非固定にし、受圧面積の大きい側へ圧縮空気を供給して梯子を固定する構成にしたことを特徴とする請求項25の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
固定機構の動作機構は、ソレノイド往復機構により構成したことを特徴とする請求項24の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
ソレノイド往復機構は、戻しばねの力で梯子を非固定にし、ばね力に打ち勝つ電磁力で梯子を固定する構成にしたことを特徴とする請求項28の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
ソレノイド往復機構は、電磁力の作用方向の切替えで非固定または固定とし、電源供給用接触器の接触子落下で梯子を非固定に、接触子扛上で梯子を固定する構成にしたことを特徴とする請求項28の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
制御機構は、解錠スイッチと、連結検知機構と、解錠制御機構と、予備解錠機構と、開扉検知機構と、固定制御機構と、予備固定機構と、固定検知機構およびTIMSとで構成し、解錠スイッチは解錠信号を生成してTIMSへ送り、連結検知機構は連結情報を生成してTIMSへ送り、解錠制御機構はTIMSが中継する解錠信号を受けて鎖錠機構を解錠制御し、予備解錠機構は手扱いで鎖錠機構を解錠または鎖錠し、開扉検知機構は開扉情報を生成してTIMSへ送り、固定制御機構はTIMSが生成する固定信号または非固定信号を受けて固定機構を固定制御または非固定制御し、予備固定機構は手扱いで固定機構を固定または非固定とし、固定検知機構は梯子の固定情報または非固定情報をTIMSへ送り、TIMSは少なくとも解錠信号、速度情報、連結情報、開扉情報、固定情報または非固定情報と、制御信号とを受け、少なくとも指令信号である解錠信号、放送信号または表示信号、非常ブレーキ信号、固定信号または非固定信号と、部位情報を含む状態情報を送る構成にしたことを特徴とする請求項8の車両非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
制御機構を構成する解錠スイッチは、押しボタン式にして、押しボタンが押されたらスイッチ扱いされたままの状況を保持する構成にしたことを特徴とする請求項31の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
制御機構を構成する連結検知機構は、連結器にリミットスイッチを設け、当該リミットスイッチの接触子に相手側の連結器部が当接して連結を検知し、連結情報を生成する構成にしたことを特徴とする請求項31の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
制御機構を構成する解錠制御機構は、電気制御回路と空気制御回路による構成と、電気制御と電気動作機構による構成とがあり、解錠信号で電磁弁もしくは接触器を切替えて解錠機構を動作させる構成にしたことを特徴とする請求項31の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
電気制御回路と空気制御回路で構成する解錠制御機構は、電磁弁への電流断で扉を鎖錠し、解錠信号による電流入で電磁弁を切替えて解錠する構成にしたことを特徴とする請求項34の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
電気制御と電気動作機構で構成する解錠制御機構は、電源供給用接触器の接触子落下で扉を鎖錠し、解錠信号が接触子を扛上して解錠する構成にしたことを特徴とする請求項34の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
制御機構を構成する予備解錠機構は、空気制御回路に設けたコックによる構成と、駆動機構に連結したケーブルによる構成とがあり、人がコックあるいはケーブルを操作して扉を解錠する構成にしたことを特徴とする請求項31の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
空気制御回路に設けたコックで構成する予備解錠機構は、空気溜と解錠制御機構の間で並列に、排気経路中で車内側と車外側を直列に、それぞれ設けた三方コックと特殊三方コックとで圧縮空気を駆動機構に供給する構成にしたことを特徴とする請求項37の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
駆動機構に連結したケーブルで構成する予備解錠機構は、駆動機構の出力軸に連結したケーブルを往復操作して、鎖錠機構の駆動機構を解錠側に動かし、ケーブルに付帯した固定具で解錠状態を維持する構成にしたことを特徴とする請求項37の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
制御機構を構成する開扉検知機構は、扉と当接するリミットスイッチを車体側に設け、当該リミットスイッチの接触子から扉が離れて開扉を検知し、開扉情報を生成する構成にしたことを特徴とする請求項31の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
制御機構を構成する固定制御機構は、電気制御回路と空気制御回路による構成と、電気制御と電気動作機構による構成とがあり、固定信号が電磁弁もしくは接触器を切替えて動作機構を動作させる構成にしたことを特徴とする請求項31の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
電気制御回路と空気制御回路とで構成する固定制御機構は、電磁弁への電流断で梯子を非固定に、固定信号による電流入で電磁弁を切替えて梯子を固定する構成にしたことを特徴とする請求項41の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
電気制御と電気動作機構とで構成する固定制御機構は、電源供給用接触器の接触子落下で梯子を非固定にし、固定信号が接触子を扛上して固定する構成にしたことを特徴とする請求項41の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
制御機構を構成する予備固定機構は、空気制御回路に設けたコックによる構成と、動作機構に連結したケーブルによる構成とがあり、人がコックあるいはケーブルを操作して梯子を固定する構成にしたことを特徴とする請求項31の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
空気制御回路に設けたコックで構成する予備固定機構は、空気溜と固定制御機構との間で並列に、排気経路中で車内側と車外側を直列に、それぞれ設けた三方コックと特殊三方コックとで圧縮空気を動作機構に供給する構成にしたことを特徴とする請求項44の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
動作機構に連結したケーブルで構成する予備固定機構は、動作機構の出力軸に連結したケーブルを往復操作して、固定機構の動作機構を梯子の固定側に動かし、ケーブルに付帯した固定具で固定状態を維持する構成にしたことを特徴とする請求項44の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
制御機構を構成する固定検知機構は、戻しばね付き動作機構の先端の楔に当接するリミットスイッチを設け、当該リミットスイッチの接触子に楔が当接して梯子の固定を検知して固定情報を生成する構成にしたことを特徴とする請求項31の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
制御機構を構成するTIMSは、列車に1系統または多重系統で構成し、少なくとも、次の(イ)乃至(ル)の 機能をもつ構成にしたことを特徴とする請求項31の非常口装置の機構。
(イ)解錠信号を検知して、放送装置や表示装置に避難に必要な放送や表示を実行させる。
(ロ)解錠スイッチを扱った部位を特定して、それを認識する。
(ハ)解錠スイッチを扱った部位の連結情報を検知して、対応態様を選択する。
(ニ)梯子の固定および非固定を選択し、その選択した信号を梯子の固定制御機構に送る。
(ホ)列車に非常ブレーキを作用させる。
(ヘ)列車の速度情報を照査し、速度ゼロを検知する。
(ト)速度ゼロを検知するまで解錠信号の出力を保留し、速度ゼロを検知することにより解錠信号を解錠制御機構へ送る。
(チ)扉の開扉を検知し、認識する。
(リ)梯子の固定を検知し、認識する。
(ヌ)非常口装置に関係する状態情報を、通信手段へ送るか、あるいは中継して送る。
(ル)非常口装置に関係する制御信号を、通信手段から受けるか、あるいは中継して送る。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
制御機構を構成するTIMSは、開扉情報の監視機能をもち、解錠信号の送信後に所定の時間経過後も開扉情報を受けなかった場合は、解錠制御機構の故障と見做して故障情報を生成し、放送装置または表示装置、あるいはそれら両装置に手扱い手順の放送信号または表示信号を送るとともに、この状態情報を通信手段に送るか、あるいは中継して送る構成にしたことを特徴とする請求項31の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
制御機構を構成するTIMSは、固定情報の監視機能をもち、固定信号の送信後に所定の時間経過後も固定情報を受けなかった場合は、固定制御機構の故障と見做して故障情報を生成し、放送装置または表示装置、あるいはそれら両装置に手扱い手順の放送信号または表示信号を送るとともに、この状態情報を通信手段に送るか、あるいは中継して送る構成にしたことを特徴とする請求項31の非常口装置の機構。 - 非常口と、扉機構と、付帯設備と、制御機構とで構成する非常口装置において、
制御機構を構成するTIMSは、自己診断機能をもち、自己の機能のうち一部でも機能しない場合は、端末の各機構からTIMSへ入力する各信号と状態情報をそのまま加工することなく、列車の通信手段へ中継して送る構成にしたことを特徴とする請求項31の非常口装置の機構。
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