JP2004330143A - 水溶性重合体ゲルの細粒化方法 - Google Patents

水溶性重合体ゲルの細粒化方法 Download PDF

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Yoshiyuki Mori
善幸 森
Akira Umeda
昭 梅田
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Abstract

【課題】生産性向上と製品品質の劣化防止を実現する水溶性重合体ゲルの細粒化方法を提供する。
【解決手段】水溶性ビニル系単量体の水溶液を重合させて得られた重合体ゲルを破砕する破砕工程、および固定刃と回転刃から構成される竪型切断機により、該破砕工程で破砕した重合体ゲルをさらに切断し、細粒化する細粒化工程からなる水溶性重合体ゲルの細粒化方法であって、該細粒化工程において空気輸送ブロアにて吸引することを特徴とする細粒化方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水溶性重合体ゲルを細粒化する方法に関する。さらに詳しくは、水溶性ビニル単量体水溶液の重合によって得られた水溶性重合体ゲルを破砕したのち、さらに固定刃と回転刃から構成された竪型切断機により細粒化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アクリルアミドの単独重合体、アクリルアミドを主体とし、これと他の重合性単量体との共重合体または、それらのアルカリ加水分解物は、紙力増強剤、増粘剤、土壌改良剤、原油回収用薬剤、廃水処理剤などとして広く利用されている。
【0003】
それらアクリルアミド系水溶性重合体の製法には、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法などがあるが、本質的に高分子量の重合体を製造することが重要とされるため、通常水溶液重合法を採用する場合が多い。
【0004】
水溶液重合法によって、分子量が非常に高く、かつ良好な水溶解性を有する重合体を得るためには、重合反応段階における架橋を防止する必要があり、そのためには、比較的低い濃度で重合を実施する必要がある。
【0005】
しかしながら、近年、運搬コスト、保管コストなどの経済性が重視されるため、液状製品よりも粉末製品が生産の主流を占める。しかし、低濃度で水溶性重合法を採用する場合には、得られた重合体を粉末化する際に多量の水を揮発させ、乾燥しなければならず、粉末化のためのユーティリティーコストが増大する。
【0006】
また、アクリルアミド、アクリル酸などのビニル系単量体は、本質的に架橋して3次元化する傾向がきわめて強く、アクリルアミドまたはアクリルアミドを主体とした単量体溶液を重合させると、流動性の全くない、かたいまたは弾力性の大きいゲル状物が得られる。それゆえ、たとえばそのゲル状重合体の塊やシート状物を機械的に粉砕することなしに、そのまま含有されている水を揮発させようとすると、非常に長時間、高温下に放置しなければならず、その結果、折角得られた高分子量重合体の分子量が低下したり、重合体の熱変化に伴う架橋が促進され、商品価値が著しく低下することになる。
【0007】
そこで、一般的には、得られた重合体ゲルの塊やシート状物を何らかの機械的手段によって粗砕して小塊粒子としたのち、加熱により乾燥して、水を除去する方法が採用されている。たとえば、重合によって得られた重合体ゲルを押出成形機にてストランド状に成形したのち加熱乾燥する方法が、一般的に採用されている。しかしながら、押出成形機を使用する場合、とくに重合体ゲルが著しくかたい場合には、機械壁面の摩擦が大きく、機械能率の損失をおこすばかりか、重合体ゲル自身が摩擦熱や物理力などにより劣化を受け、分子切断などによる分子量低下をもたらすので、あまり好ましい方法とはいえない。
【0008】
前記問題を解決するために、水溶性ビニル系単量体水溶液の重合によって得られた重合体ゲルを小塊粒子にする方法として、固定刃と回転刃から構成される竪型切断機による重合体ゲルの細粒化が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によると、細粒化した重合体ゲルが相互に付着しにくいため、次工程における乾燥効率を向上させることができ、細粒化時の温度上昇を抑制できるため、重合体の分子量の低下がほとんどなく、微粉の発生が少ないため、粉塵の発生や粉立ちを解消できる。しかしながら、この方法では、切断機内における滞留時間が3分間以上と長いため、生産性の向上をはかることが難しい。また、重合体ゲルが切断機内に過剰滞留し、工程停止などのトラブルを引き起こすことがある。
【0009】
【特許文献1】
特開昭61−110511号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、排出効率を向上させることで滞留時間を短縮し、工程通過性を向上させることで、生産性向上とさらなる製品品質の劣化を防止する水溶性重合体ゲルの細粒化方法を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、水溶性ビニル系単量体の水溶液を重合させて得られた重合体ゲルを破砕する破砕工程、および固定刃と回転刃から構成される竪型切断機により、該破砕工程で破砕した重合体ゲルをさらに切断し、細粒化する細粒化工程からなる水溶性重合体ゲルの細粒化方法であって、該細粒化工程において空気輸送ブロアにて吸引することを特徴とする細粒化方法に関する。
【0012】
竪型切断機の排出スクリーンが全面スクリーンであることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる水溶性ビニル系単量体としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、アクリルアミド−メチルプロパンスルホン酸、イタコン酸などの水溶性ビニル単量体または、それらの塩類、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル類、その塩もしくは酸性塩類またはその4級化物類、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド類、その塩もしくは酸性塩類またはその4級化物類、ジアリルアミン酸性塩、ジアリルジアルキルアンモニウム塩などのジアリルアミン類などがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0014】
前記水溶性ビニル系単量体には、得られる重合体が水溶性になるような範囲で水に本質的に不溶性の単量体、たとえばアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニル、スチレンなどの疎水性単量体を配合してもよい。
【0015】
水溶性ビニル系単量体を重合させる方法には、とくに限定はなく、たとえば公知の過硫酸塩またはアゾ系開始剤などのラジカル重合開始剤を用いる熱重合法、公知の過硫酸塩/アミン類または過硫酸塩/亜硫酸塩などのレドックス重合開始剤を用いるレドックス重合法、ベンゾインまたはベンゾインアルキルエーテルなどの光重合開始剤を用いる光重合法あるいは放射線重合法などの通常の方法があげられる。通常、このような方法により、所定の濃度の水溶性ビニル系単量体水溶液が自由に流動しなくなるまで重合することが好ましい。前記重合方法の中でも、重合の誘導時間が非常に短く、かつ重合に要する時間が他の方法と比較して短くてすみ、そのため、重合装置がコンパクトで低コストである点から、水溶性ビニル系単量体の水溶液の重合を紫外線照射によっておこなうことが好ましく、とくに該水溶性を薄膜状にして、紫外線照射を行なうことがより好ましい。
【0016】
水溶性ビニル系単量体を使用して得られた重合体ゲルは、できるだけ高濃度であることが生産性向上の観点から好ましく、また破砕時の粘着性を低減し、破砕物の相互付着を防止できる点から好ましい。一般にアクリルアミドあるいはアクリル酸を使用して得られるノニオン系あるいはアニオン系重合体ゲルは、対象系全体重量に対する単量体重量の割合が20〜60重量%であることが好ましく、35〜45重量%であることがより好ましい。また、ジアルキルアミノアルキルアクリレートあるいはその酸性塩、4級塩を使用するカチオン系重合体ゲルの場合には、50〜90重量%が好ましく、60〜80重量%であることがより好ましい。
【0017】
得られた重合体ゲルは、まずローラー型カッターなどの破砕機で大まかに破砕される。ローラー型カッターの例は、例えば前記特許文献1に開示されている。特許文献1のローラー型カッターは、大径部と小径部とが交互に形成されてなるローラー2本を、一方の小径部に他方の大径部が対応するよう噛み合わせてなり、該ローラー間に重合体ゲルを挟みこんで短冊状に加工する。さらに、このローラー型カッターは、ローラー対の下方に回転カッターを備えており、ローラー間を通って短冊状に加工された重合体ゲルを、短くカットすることができる。
【0018】
破砕機としてこのようなローラー型カッターを用いる場合、重合体ゲルを円滑にローラー型カッターのローラーにくい込ませるために、重合体ゲルの厚さは2〜30mmの薄膜状であることが好ましく、5〜15mmの薄膜状であることがより好ましい。薄膜状の重合体ゲルを得る方法としては、皿型、平板型、トレイ型などの容器を用いる方法や可動式のベルトなどを用いて水溶性ビニル系単量体水溶液を重合させる方法があげられるが、可動式ベルトを用いる方法が、重合体ゲルの薄膜を連続的に得られ、破砕工程および引き続く細粒化工程を連続的に行なえる点から好ましい。
【0019】
破砕工程によって破砕された重合体ゲルの大きさは、3〜20mmの角状であることが好ましい。20mmをこえる粗大な重合体ゲルは、竪型切断機での切断に適しておらず、ひきつづく細粒化工程で、効率よく処理することができない。また、20mmをこえる粗大な重合体ゲルを過剰に竪型切断機に供給すると、切断不良がおこり、切断機内で重合体ゲルの団塊が生じ、同時に粘着性による摩擦熱が発生し、望ましくない悪循環をひきおこすことになる。
【0020】
破砕工程によって3〜20mmに破砕された重合体ゲルを、さらに切断し細粒化する細粒化工程について、図面を参照して説明する。細粒化工程では、図1に示すとおり竪型切断機10に空気輸送ブロア30を組み合わせて使用するが、まずは竪型切断機10について説明する。
【0021】
図2および図3に、竪型切断機の一例を示す。
【0022】
図2および図3に示した竪型切断機は、ハウジング28内に配置された回転刃16と、ハウジング28に固定されハウジング28内へと突き出した固定刃18(18a、18b)とからなる。回転刃16は回転軸24を中心として、モータなどによって回転する。さらに、回転刃16の回転方向に沿って、円弧状の排出スクリーン22が取りつけられている。排出スクリーン22には、所定の径を有する多数の孔が設けられている。なお、回転刃16の回転軸24が、基準面(地面)に対して垂直であるため、竪型切断機と呼ばれる。
【0023】
破砕工程によって3〜20mmに破砕された重合体ゲルは、供給口12から竪型切断機内へと導入される。このとき重合体ゲルは、回転刃16の回転軸24をめがけて導入される。回転軸24には、プリカッター20が取りつけられており、プリカッター20先端のカッティング刃によって、3〜20mmの角状の重合体ゲルのうち10〜20mmという比較的大きな寸法の重合体ゲルが粉砕される。これにより、導入された重合体ゲルの寸法を、3〜10mmの範囲に収れんさせることができる。
【0024】
このようにして、3〜10mmの範囲に粉砕された重合体ゲルは、竪型切断機の固定刃18a、18bと、回転する回転刃16との間にはさみこまれ切断される。切断された重合体ゲルは、遠心力により排出スクリーン22に向かって飛散し、排出スクリーン22の孔よりも径が小さい重合体ゲルが、排出スクリーンを通過して排出口14から排出される。一方、径の大きな重合体ゲルは、排出スクリーン22を通過できずに滞留し、再び固定刃18a、18bと回転刃16にはさまれ切断される。
【0025】
このような工程により、切断機内にある重合体ゲルが、回転刃16と固定刃18a、18bにより次々に切断され、スクリーンの孔径以下の粒径をもつ重合体ゲルとなる。
【0026】
図4および図5に、竪型切断機のほかの例を示す。
【0027】
図4および図5に示した竪型切断機も、図2および図3に示した竪型切断機と同様、回転刃16および固定刃18(18a、18b、18c、18d)からなる。回転刃16は回転軸24を中心として、モータなどによって回転する。さらに、回転刃16の回転方向に沿い、全周360度にわたって円弧状の排出スクリーン22が取りつけられている。排出スクリーン22には、所定の径を有する多数の孔が設けられている。
【0028】
破砕工程によって3〜20mmに破砕された重合体ゲルは、供給口12から竪型切断機内へと導入される。このとき重合体ゲルは、回転刃16の回転軸24をめがけて導入される。回転軸24には、プリカッター20が取りつけられており、プリカッター20先端のカッティング刃によって、3〜20mmの角状の重合体ゲルのうち10〜20mmという比較的大きな寸法の重合体ゲルが粉砕される。これにより、導入された重合体ゲルの寸法を、3〜10mmの範囲に収れんさせることができる。
【0029】
このようにして、3〜10mmの範囲に粉砕された重合体ゲルは、竪型切断機の固定刃18a〜dと、回転する回転刃16との間にはさみこまれ切断される。切断された重合体ゲルは、遠心力により排出スクリーン22に向かって飛散し、排出スクリーン22の孔よりも径が小さい重合体ゲルが、排出スクリーンを通過して排出口14から排出される。一方、径の大きな重合体ゲルは、排出スクリーン22を通過できずに滞留し、再び固定刃18a〜dと回転刃16にはさまれ切断される。このような工程により、切断機内にある重合体ゲルが、回転刃16と固定刃18a〜dにより次々に切断され、スクリーンの孔径以下の粒径をもつ重合体ゲルとなる。
【0030】
すでに述べたとおり、この図4および図5に示した竪型切断機では、回転刃16の回転軸24の半径方向全周にわたって排出スクリーン22が設けられており、すなわち排出スクリーンが全面スクリーンであることから、重合体ゲルの排出効率がよく、滞留時間が長くなって生産性が低下することがなく、過剰滞留によって工程停止などのトラブルを引き起こすこともない。
【0031】
ところで、本発明に用いる竪型切断機においては、回転刃16と固定刃18との間のすきま(クリアランス)は1mm以下が好ましく、0.1〜0.5mmがより好ましい。クリアランスが1mmよりも大きい場合、粒子が粗くなり、本工程および二次工程での粉砕に支障が生じる傾向があり、クリアランスが小さくなると、重合体ゲルの排出がスムーズにいかず、工程停止する傾向がある。また、排出スクリーンに設ける孔の径は、所望する重合体ゲルの最終粒径に応じて適宜好ましい寸法とすればよいが、0.5〜5mm程度が好ましく、1〜3mm程度がより好ましい。孔径が5mmよりも大きいと、所定の粉砕機のみでは希望の粒子径の製品が得られない傾向があり、孔径が0.5mmよりも小さいと、スクリーン径を通過する粒子の確保が大変になり、工程スピードが遅延する傾向がある。
【0032】
また、本発明に用いる竪型切断機において、重合体ゲルの平均滞留時間は、30秒以上であると好ましく、30〜60秒であるとより好ましく、30〜45秒であるとさらに好ましい。重合体ゲルは、回転刃16の遠心力による混合、撹拌によって造粒作用を受け、当初の角状から徐々に丸みを帯び、その結果、乾燥を経て得られる粉末製品中の粒子形状が望ましい球状に近づくことになるが、平均滞留時間が30秒未満であると、このような造粒効果が得られない傾向にある。反面、平均滞留時間が長くなりすぎると生産性が低下し、また、重合体ゲルが切断機内に過剰に滞留することにより、工程停止などのトラブルが生じる傾向にある。なお、ここで滞留時間とは、導入された重合体ゲルが排出スクリーンを通過するまでの時間を意味する。
【0033】
すでに述べたとおり、本発明の細粒化方法においては、竪型切断機に空気輸送ブロア(送風機)を組み合わせて用いる。図1に示したとおり、竪型切断機10の排出口14と空気輸送ブロア30の吸入口32とを配管50で接続し、空気輸送ブロア30で竪型切断機10内の空気および重合体ゲルを吸引する。空気輸送ブロア30による吸引によって、切断機内における重合体ゲルの滞留時間を、前記の好ましい時間に制御することができる。その結果、滞留時間が長くなりすぎて生産性の低下や過剰滞留によるトラブルを生じることがなく、かつ造粒作用による好ましい粒子形状を得ることができる。
【0034】
本発明に用いる竪型切断機は、一般的な粉砕機であるフェザーミル、フィツミルなどと異なり、重合体ゲルの平均滞留時間を30秒以上に保持することができるため、重合体ゲルが多数の切断を受けることなく、極めて少ない回数の切断で排出されるため、均一な砕粒状ゲルがえられる。
【0035】
また、直列に複数台の竪型切断機を配置することによって、粒径の調整が可能である。たとえば第1段階として、孔径3mmφの排出スクリーンをセットした切断機を用いて切断すると、約3mmφ以下に統一された細粒化重合体ゲルを得ることができる。ついで、第2段階として孔径2mmφの排出スクリーンをセットした切断機により細粒化し、第3段階として孔径1mmφの排出スクリーンをセットした切断機を用いて細粒化すると、粒径が約1mmφ以下に揃い、かつ丸みを有する微細粒子が得られる。このように目的とする粒径にあわせた排出スクリーンを選定することによって目標の粒径のものが得られ、たとえば1mmφ以下の小さな粒径の重合体ゲルにまで切断することが容易になる。さらに、竪型切断機を複数台配置することで、切断機内の滞留時間が長くなるため、重合体ゲルの形状が球に近づくという効果がある。
【0036】
なお本発明の方法を採用すると、本質的に湿式状態である重合体ゲルを細粒化する段階において粉塵の発生がほとんどなく、粒子径の均一な、いわば単分散に近い粒径分布のものが得られる。
【0037】
重合体ゲルを破砕し、細粒化する場合に、切断効率を高くし、かつ得られた細片状の重合体ゲルおよびさらに細粒化された重合体ゲルの再付着を防止するために、切断時の重合体ゲルの温度をできるだけ低く保つことが好ましい。
【0038】
重合体ゲルの温度を低くする方法としては、細片状に破砕する場合には重合段階において冷却を充分行なう方法、重合により得られた重合体ゲルを破砕機で破砕する以前に冷風などにより強制的に冷却する方法などによって達成されるが、通常10〜30℃が好ましく、20℃以下に調整することがより好ましい。
【0039】
また破砕時に冷風、好ましくは25℃以下の冷風を通じたりして破砕工程を冷却しながら、たとえば短ざく状にしたもののストランドを製造し、ついで該ストランドをさらに細片状に切断すると、切断時の摩擦熱、ローラー型カッターなどの駆動熱などにより、重合体ゲルがべとついたり、切断された重合体ゲルの細片同士が相互付着してブロック状になったりすることを軽減することができる。
【0040】
また細片状にした重合体ゲルをさらに細粒化する場合には、細片状にする場合と同様、細粒化する破砕された重合体ゲルを前もって強制的に冷却したり、細粒化する際に冷風、好ましくは25℃以下の冷風を通じたりして細粒化工程を冷却しながら行なうと、細片状にする場合と同様の効果が得られる。
【0041】
なお破砕、細粒化工程において、必要によりポリエチレングリコール、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤などを破砕機や竪型切断機に投入したり、重合体ゲル表面や破砕重合体ゲル表面に塗布したりして、細片状の重合体ゲルや細粒化した重合体ゲルの再付着を防止したりしてもよい。
【0042】
本発明の方法を行なうに際して、水溶性ビニル系単量体の水溶液を、たとえばエンドレスベルトなどの可動式支持体上で薄膜状に重合させて重合体ゲルを得、ひきつづいて連続的に3〜20mmの角状に破砕し、ついで竪型切断機により平均粒径0.3〜3mm程度に細粒化すると、工程全体を連続化することができる。さらに重合に紫外線照射法を採用すると、短時間に重合体ゲルが得られることとなり、また破砕、細粒化時に25℃以下の冷風を通じながら行なうと、破砕効率、細粒化効率を向上させることができる。
【0043】
本発明の方法は本質的に湿式状態である重合体ゲルを細粒化する方法であるので、一般に用いられている乾式状態下での細粒化方法、つまり乾燥工程をへた重合体を乾式状態で粉砕する場合(以下、乾式粉砕という)にみられるような▲1▼粉塵発生による微粉の発生、▲2▼粉砕時に発生する粉砕熱、▲3▼粉砕熱に起因する分子量の低下、水不溶性物質の生起のごとき欠点を克服することができる。
【0044】
より詳しく述べれば、本発明に用いる竪型切断機は平均滞留時間が少なくとも30秒で、かつ竪型の構造をもつため、一般に採用されている乾式状態で使用される粉砕機などのように、滞留時間の短かい場合と異なり、湿式状態において微細化される重合体ゲルに含有される水分の助けによって微粉末の発生を防止することができ、かつ充分な切断時間を与えられることによって粒子形状を均一に保ちえるまで微細化できる。
【0045】
本発明の方法によって得られる細粒化した粒子の粒子径の分布は、ほぼ単分散に近く、かかる特異なすぐれた分布は、従来の方法では決して得られなかったものである。
【0046】
本発明のごとき湿式状態下での細粒化の場合には、乾式粉砕の場合と異なり、切断・細粒化時に発生する熱の多くは、重合体ゲルの保有する豊富な水分(たとえば30〜70%)の蒸発潜熱に置換されてしまい、温度の著しい上昇をもたらすことはない。この温度上昇の抑制効果によって重合体品質の劣化、たとえば分子量の低下、水不溶性物質の生起などが防止できる。このように品質劣化防止の点で本発明の方法は格段に優れた利点を有している。それゆえ一般に用いられている乾式粉砕と比較すると、細粒化時に発生する熱量は重合体ゲルが含有する充分な量の水の蒸発潜熱に置換されるので、細粒化時の温度が望ましくない水準にまで上昇することを防止できる。その結果、重合体品質の劣化、たとえば分子量の低下、水不溶性物質の生起などの品質上好ましくない現象を排除しうる。
【0047】
さらに、本願発明においては、重合体ゲルの排出効率がよいため、排出スクリーンが全面スクリーンであることが好ましい。
【0048】
【実施例】
つぎに本発明の細粒化方法を、実施例にもとづき説明する。
【0049】
実施例1
チッ素ガスで密閉しうる箱型の小さな室内にジャケット付重合装置(縦200mm、横300mm、高さ50mmの角型容器、上部蓋なし)を設置した。脱酸素槽(容器1Lの円筒型)において溶存酸素をチッ素ガスにより充分除去したアクリルアミド200gを、脱イオン水275gに溶解させた単量体水溶液に、5%過硫酸カリウム水溶液5mlおよび5%亜硫酸ソーダ水溶液5mlを添加し、数分間チッ素ガスで脱酸素を継続したのち、チッ素ガスで密閉された室内に設置された該重合装置に導入し、重合を開始させた。ジャケット内には25℃の水を通しておいた。重合は約10分後に開始し、単量体水溶液は徐々に増粘した。重合開始後15分を経過した時点で単量体水溶液は、ゆるかやに流動する状態を呈した。
【0050】
重合開始後約2時間すると、重合体はかたいゲル状となった。該重合体ゲルは厚さ約8mmであった。
【0051】
えられた重合体ゲルを破砕機で、約3×8×3mmの角状に破砕した。
【0052】
つぎに、孔径3mmφの排出スクリーンをセットした図4の竪型切断機、孔径2mmφの排出スクリーンをセットした図4の竪型切断機、および孔径1mmφの排出スクリーンをセットした図4の竪型切断機をこの順に直列接続し、さらに最後段の竪型切断機に空気輸送ブロアを接続した装置を用い、約15℃の冷風を通じながら、前記角状に破砕した重合体ゲルを細粒化した。
【0053】
なお、用いた3台の竪型切断機は、いずれも株式会社オリエント製の粉砕機(出力45kW、8極)である。また、用いた空気輸送ブロアは、株式会社オリエント製の送風機(出力11kW、2極)であり、風量70m/min、風圧350mmAqであった。
【0054】
えられた約1mmφの重合体ゲル100gを80℃の熱風で乾燥したところ、約25分で水分率10%以下の粉粒体が得られた。えられた粉末品の固有粘度は23dl/gで水不溶性物質をまったく含まない水溶液となり、凝集剤として有用であった。
【0055】
スケールをアップして角状に破砕した重合体ゲルを800kg/時で供給したところ、過剰滞留や品質低下を生じることはなく、約1mmφに細粒化された重合体ゲルを安定して得ることができた。なお、各竪型切断機における滞留時間は、いずれも35秒〜40秒であった。
【0056】
比較例1
実施例1と同様にして厚さ約8mmの重合体ゲルを得、破砕機で約3×8×3mmの角状に破砕した。
【0057】
つぎに、孔径3mmφの排出スクリーンをセットした図2の竪型切断機、孔径2mmφの排出スクリーンをセットした図2の竪型切断機、および孔径1mmφの排出スクリーンをセットした図2の竪型切断機をこの順に直列接続し、約15℃の冷風を通じながら、前記角状に破砕した重合体ゲルを細粒化した。
【0058】
角状に破砕した重合体ゲルを500kg/時で供給したところ、過剰滞留や品質低下を生じることはなく、約1mmφに細粒化された重合体ゲルを安定して得ることができたが、600kg/時で供給したところ、滞留物過剰により工程が停止した。なお、各竪型切断機における滞留時間は、いずれも90〜120秒であった。
【0059】
実施例2
実施例1と同様の装置にて、10%塩酸水溶液でpH4に調整した濃度75%のN,N−トリメチルアミノエチルメタクリレートフロライドモノマー水溶液に重合開始剤ベンゾインイソプロピルエーテルを用い、重合体ゲルを得、破砕機で約3×8×3mmの角状に破砕した。さらに、実施例1と同じ3台の竪型切断機および空気輸送ブロアからなる装置を用い、約15℃の冷風を通じながら、前記角状に破砕した重合体ゲルを細粒化した。
【0060】
得られた約1mmφの細粒化された重合体ゲルを通風式バンド型乾燥機により80℃で乾燥させたところ、約15分間で水分率10%以下の粉粒体が得られた。得られた粉粒体は固有粘度7.0dl/gであり、水不溶性物質を含んでいなかった。
【0061】
スケールをアップして角状に破砕した重合体ゲルを800kg/時で供給したところ、過剰滞留や品質低下を生じることはなく、約1mmφに細粒化された重合体ゲルを安定して得ることができた。なお、各竪型切断機における滞留時間は、いずれも35秒〜40秒であった。
【0062】
比較例2
実施例2と同様にして重合体ゲルを得、破砕機で破砕して約3×8×3mmの角状の重合体ゲルを得た。
【0063】
つぎに、比較例1と同じ3台の竪型切断機を用い、約15℃の冷風を通じながら、前記角状に破砕した重合体ゲルを細粒化した。
【0064】
角状に破砕した重合体ゲルを500kg/時で供給したところ、過剰滞留や品質低下を生じることはなく、約1mmφに細粒化された重合体ゲルを安定して得ることができたが、600kg/時で供給したところ、滞留物過剰により工程が停止した。なお、各竪型切断機における滞留時間は、いずれも100〜150秒であった。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、細粒化した重合体ゲルの排出効率を向上させることができ、滞留時間の短縮および工程通過性の向上が可能である。その結果、生産性の向上が可能となる。また、堅型切断機における滞留過剰を防止でき、工程停止などのトラブルを防ぎ工程の安定化をはかることができる。さらに、過剰滞留を防止することで製品品質の劣化も防止する事が可能である。
【0066】
また、重合体ゲルを連続して破砕および細粒化することができ、生産性の向上を図ることができる。さらに、重合体ゲルを極めて細かく粒状にすることができ、かつ重合体ゲル細粒化物の相互の付着を防止しうる結果、次工程の乾燥効率を大幅にアップしうる。
【0067】
また、本発明によれば、細粒化物(粉末)中に含まれる微粉の量が極めて少ないため、粉塵発生や粉立ちなどを解消しうるほか、重合体ゲルの破砕ないし細粒化時における重合度あるいは分子量の低下がほとんどない。さらに、重合体ゲルを細粒化したのち乾燥して得られた製品(粉末)が球状になるため、製品(粉末)の流動性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】竪型切断機と空気輸送ブロアの組み合わせを示した図である。
【図2】本発明に用いる竪型切断機について、その横断面を示した図である。
【図3】図2に示した竪型切断機について、その縦断面を示した図である。
【図4】本発明に用いる竪型切断機について、その横断面を示した図である。
【図5】図4に示した竪型切断機について、その縦断面を示した図である。
【符号の説明】
10 竪型切断機
12 供給口
14 排出口
16 回転刃
18a、18b、18c、18d 固定刃
20 プリカッター
22 排出スクリーン
24 回転軸
26 底面
28 ハウジング
30 空気輸送ブロア
32 吸入口
34 排出口
50 配管
A 領域A
B 領域B
C 滞留領域
スクリーン内径

Claims (2)

  1. 水溶性ビニル系単量体の水溶液を重合させて得られた重合体ゲルを破砕する破砕工程、および固定刃と回転刃から構成される竪型切断機により、該破砕工程で破砕した重合体ゲルをさらに切断し、細粒化する細粒化工程からなる水溶性重合体ゲルの細粒化方法であって、該細粒化工程において空気輸送ブロアにて吸引することを特徴とする細粒化方法。
  2. 前記竪型切断機の排出スクリーンが全面スクリーンである請求項1記載の細粒化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017186436A (ja) * 2016-04-05 2017-10-12 藤倉化成株式会社 模様塗料組成物の製造方法

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